三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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イラク支援・テロ措置法関連

第165回国会 衆議院 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 第3号 2006年10月16日

平成18年10月16日(月)

○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。中川正春君。

○中川(正)委員 それでは、午前中に続いて、私も質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 ちょっと最初に、通告にはなかったんですが、午前中にも少し話題が出ましたけれども、自民党の中川政調会長、同じ中川でややこしいんですが、中川政調会長の発言をめぐってということであります。

 本来は、議院内閣制のもとでは、責任政党というもの、与党というものと、それから内閣というのは一致をしていなければならない、そんな形で運営されていかないと議院内閣制そのものが崩壊をしてしまうということだと思うんですよ。そんな中で、核を保有する可能性について議論をしていくという前向きの発言が出たんですが、私はけしからぬ話だと思うんです。それだけに、官房長官の方から、この発言について政府として正式にどのようにコメントするのか、改めて発言をしていただきたいというふうに思います。

○塩崎国務大臣 中川政調会長の発言の件だと思いますが、政府としては、非核三原則、これはもう変わらぬ政府の方針であります。既に昨日も、総理もそのように発言をしておるわけでございまして、政府としての方針は何ら変わっておりません。

○中川(正)委員 私は、非核三原則を守り続けていくという政府の方針、これは正しいと思いますし、それでなければならないというふうに思うんです。

 ただ、あの発言が出たというのは、一方で、例えばアメリカの下院あたりで今議論が出ているのは、北朝鮮の核実験によってその周辺国で右翼ばねが働くんじゃないか。例えば台湾、韓国あるいは日本、こういう国の国内で、核武装していくべきだという世論の高まり、これが怖い、その可能性については徹底的にそれぞれの関係国との関係の中で抑え込んでいかなきゃいけないという意識がある。その延長線上には、実はイランがあるんだと思うんですよ。現に、イランに対応するその議論の中で、同じように体制崩壊をさせるための武力先制攻撃、これが正しいんじゃないかというのがアメリカの世論の中にもある。

 そういう背景の中で、我々が日本としてどういう位置づけをしていくかということを考えていかなきゃいけないときだと思うんです。それだけに、非核三原則、声高に世界に対してメッセージを出すというこの政府の方針は正しいと思うんですよ。

 それに対して、与党の肝心の政調会長が何を言い出すんですか。そのことについて、ただ政府はこうですよということ、そのコメントだけじゃなくて、政府として与党に対してしっかり物を言うべきだと思うんです、この際は。

 そういう意味で、もう一回聞きます。これは本来は総理大臣に聞くべき、あるいは自民党総裁に聞くべきことなんですが、官房長官、改めてしっかりとした答弁をしてください。

○塩崎国務大臣 今申し上げたように、安倍総理が昨日、今の非核三原則については変わらぬ我が国の方針だということを言ったわけでありますが、同時に、総理は自由民主党の総裁であります。その総裁としての立場も踏まえた上で、総理の発言が明確に出てきたことを考えていただければ、方針については何ら変わりがないということが近隣諸国にもわかっていただけることだというふうに思っております。

○中川(正)委員 意味がわかってもらっていないんだと思うんですね。この背景であればこそ、いわゆる自分の足元から崩れてきているこの右翼ばねに対してもっと強いメッセージが必要なんですよ。そのことをしっかり指摘しておきたいと思います。

 恐らくこのまま続けていっても平行線だろうと思いますので、今の自民党の中がいかに国際政治の中で今発言しなければならないことに関してずれているか、あるいは自分の身近な周りのことしか考えていないという、それが政調会長というポストで議論しているわけですから、何と情けない話かということを指摘させていただいて、次に移りたいというふうに思います。

 それから、アフガニスタンあるいはテロというものに対する質問になっていくわけでありますが、全体の話に入っていく前に、ちょっと気になっていることを一つだけまず取り上げさせていただきたいというふうに思うんです。

 船舶用の燃料あるいはヘリコプターの燃料、よく、インド洋でのガソリンスタンドをやっているんだ、ガソリンスタンド、ただですけれどもやっているんだ、こういうことが言われます。これの調達価格が、前に参議院でもうちの榛葉議員が取り上げたことがあるんですが、いわゆるマーケットである価格と比べると、一つは非常に高いということ、それからもう一つは、時系列的に見ていくと、最近になって、それは原油価格の高騰ということもあるんですが、しかしそれを考慮しても非常に高い調達価格になりつつあるということ、これがそちらから提出していただいた資料ではっきりしています。

 具体的には、リッター当たり三十七円で、市場価格というのは二十円台ですよね。それが最近では百円に至ってくるんですね。市場価格、どう考てもこんな額にはなっていない。それこそ二倍ぐらいですかね。五十円までの話だと思うんですよ。この開きというのは何を意味するか。談合をやっているんじゃないですか、あるいはその中に不正な力が入っているんじゃないですかということ、これについてまずお尋ねをしたいと思います。

○久間国務大臣 これは、最初現地で調達するときに入札でやっていたわけでございますけれども、それは決して談合とかなんとかじゃなくて、艦船用の軽油というのはあの地域で需要が非常に限られている、そういうようなことから、やはりこちらの日本国内と比べて割高だったわけですけれども、それはやむを得ないということでその値段に決まったと聞いております。そしてその後は、軽油燃料の価格の高騰に比例して、その値段を上げ下げしながら使っている。

 したがいまして、日本での価格と比べたときには確かに高いということは言えるかもしれませんが、それは、現場におけるそういうような需要が非常に小さい、軽油を艦船用に使うというのが非常に少ないというふうなことからそういうことになっているそうでございます。

○中川(正)委員 いや、私の言っているのは、日本の価格に対してというんじゃないんですよ。現地の調達価格で、いわゆる船舶のディーゼル用のエンジンに使う燃料ですね、これが高いんです。そのことは参議院の議論の中で皆さんが、防衛庁の方が認めていることでありまして、もう一つは、入札というけれども、二社、日本の会社の二社がそれができるということでしかなかった。これはもう入札になっていないんですね。そんな中でそれを選ばざるを得なかったというような、そんな答弁を参議院の議論の中でやっています。

 もっと言えば、日本の会社を入れることはないんですよ。現地で調達しようと思ったらできる。それをなぜ日本の商社なり、あるいはそうした会社なりを入れているのかということと、一体どこが供給しているのかという具体的な会社の名前、それからもう一つは、これからもこの方式をやっていくおつもりなのか。

 これは本当に不自然な価格でありますし、この変動を見ていると、これだけ市場価格との差があれば、税金を払っておる方としては、国民のサイドから見たら、何をやっているんだという話になりますよ。このまま放置していくつもりですか、どうですか。

○久間国務大臣 即応性あるいは確実性、いろいろな観点からやらなきゃなりません。しかしながら、今委員がまたこの場でも指摘されましたので、私も、まだ就任して具体的に、現地のその価格のものが現地自体でどうなのか、その辺についてまだつまびらかに承知しておりませんので、またその辺については調べてみようと思います。

 ただ、先ほど言いましたように、従来のいろいろな議論を聞いてみますと、そういう中で決まったわけであり、また、それについては特別そういうような変な動きがあったというようなことでもないようでございまして、ただ、とにかく安くするように努力するのは我々の義務でございますから、それは先生の御指摘も踏まえながら対応してみようと思っております。

○中川(正)委員 自衛隊の調達というのは、大体がすべてそれで説明しているんですよ。安定供給とか、あるいは安全保障上の秘密があって企業も表に出せないとかというようなことを説明しながら、これまで幾つ不祥事が出てきたかということですよね。いわゆる最近の自衛隊の状況を見ていると、次から次へと不祥事が出てきているということ、この現実があるんだと思うんです。これも改めて調査した上で報告をする、そして、この値段を下げる努力をするということ、先ほどの答弁の中で、前向きにそうした姿勢で改めての返事を私たちにもらえるということで、この場はおさめておきたいというふうに思います。

 次に、出口論の話、これも午前中に何回か出ました。最初は二年、それで四年、一年、それでまた一年ということでありますが、これは端的に言って、アメリカがもういいよと言うまではつき合うよということですか。それとも、日本独自で基準をつくるつもりですか。あるいは、もう大体あと一年が期限だと思うので、あと一年で確実に撤退をしますということが約束できるんですか。その三つのうち、どれなんですか。

○久間国務大臣 この種のものはなかなか基準をつくるというのができないわけでございまして、その辺は総合的に判断せざるを得ないわけであります。前回延長するときに、二年を二年じゃなくて一年にしたのも、まあその範囲内で終わる可能性もあるんじゃないかということで、多分国会との関係でも一年にしたんだろうと思います。

 したがいまして、我々としては、あと一年延長させてもらいたいという思いで今提案しているわけでございますけれども、その辺は、では一年たったら大丈夫かと言われますと、やはりそのときは、場合によっては国会の御審議を経て延長する場合もあるし、もういいじゃないかと皆さん方国会の方でそういうふうに言われる場合だったら、法律も出せないかもしれませんし、その辺はそのときの立法府としてのいろいろな雰囲気、そういうのも勘案しながら、アメリカだけではなくて、総合的にやはり判断する必要があるんじゃないかと思いますので、今直ちにここで基準を示せと言われても、今言われましたどれに該当するかと言われましても、なかなか的確に答えられないという状況でございます。

○中川(正)委員 長官のこれまでの発言なり、あるいはお人柄なり等見ていると、そんな答えが返ってくるんだろうなというふうに予想はしていたんですけれども、それだと国民も私たちも納得できないんですよ。というのは、余りにもアバウトで、まあ大体のところ一年ぐらいだろうから頼むわと、これですよ、さっきの話は。そんな議論はできるはずないじゃないですか。

 だから、今回も一年延長するということであるとすれば、私たちがそれで仮に、そんなことは今の議論では到底できないと思うんですが、仮に賛成するにしても、なぜ一年延長なのかというのは、やはり国民に説明する必要があると思うんです。

 さっきの話は説明になりませんよ。基準も何もわからない。自分の意思もないということです、基準がないということは。意思がない。情勢を見てと言うけれども、何の情勢を見るのかというのもコメントがない。だから、最終的には、こっちの勘ぐりは、イラクと同じように、もうアメリカがそろそろいいよと言ってくれたらこれで引き揚げようかというふうな形にしか見えないということを指摘しておきたいと思うんです。

 何かコメントがあれば。

○久間国務大臣 二年延長じゃなくて一年延長をするということは、一年以内でほぼ終えるだろうという見通しでやはり出すわけでございます。ところが、そのときの状況でそうならない場合だって絶対ないとは言えないものですから、一年以内に撤収するのかという御返答をするわけにいかぬということを言っているわけでございます。

 しかしながら、時限立法で、効力を失うという法律を出す以上は、出す方は、一年以内では終わるだろう、そういうような見通しで出すわけで、二年、三年と続く見通しを持っておりながら一年の法律を出すという、そんな失礼なことはありませんので、やはり一年ぐらいたてば終わるであろうという蓋然性を持ちながらお願いをしているということでございますので、その辺はぜひ御理解賜りたいと思うんです。

○中川(正)委員 これまでずっとそうやって言い続けてきたんですよ。二年ぐらいで終わるだろう、それで二年たったら、あと二年ぐらいで終わるだろう、またこれが四年たったら、あと一年ぐらいで終わるだろうと。これはだめですよ。

 それと同時に、インド洋でのオペレーションというのが恐らく終結したときにはガソリンスタンドも店が閉じられるだろう、そういう意味合いだろうというふうに思うんですね。しかし、このオペレーションはこれに対してどれだけの貢献をしているのかということですよ、油を補給しているということ自体が。

 実は、三年あるいは四年前にも議論したことがあったんですが、アメリカ自体が本当に洋上での補給を必ず必要なものとして求めているかどうか。調べてみたら、その当時のアメリカの補給船というのは、例えて言えば、十トンのタンクローリー一つを持ってきてそれで補給している。では、日本の補給船というのはそれから考えるとどれぐらいのサイズかといったら、軽自動車の上にぽこっと小さなタンクを載せて、それで補給していますよ、それぐらいの差があった中での支援を我々してきたということなんですよ。これは、どう考えてみても本気になってやっていない。格好つけているだけだというようなこと。格好つけているというのはどういうことかといえば、アメリカに対して日本も参加をしていますよという形を見せるためだけのものだというふうな議論をしたことがあります。

 今もその状況は変わっていないんだろうというふうに思いますし、あの当時、一年、二年目に、あのインド洋で展開したそれぞれの船隻の数からいうと、さっき、無線でチェックしていった通報の数がこれだけなくなってきたんだから、そうした不審船そのものも数が減ってきたんだ、それが成果だというようなことを言われましたけれども、違うんです。そこに展開している船艦の数がぐっと減っているんですよ。その中からさっきのような結果が出てきているということですから、これは私たちも、今の我々の支援そのもの、これを根本から見直していく、本当に必要なのかどうかということについても見直していくという必要があるということ。その基準がないままに、あと一年、あと一年というふうな形での延長は認められないということ、そんな結論にいかざるを得ないということですね。これを指摘しておきたいというふうに思います。

 その上で、実はもっともっと基本的な問題があるんだろうと思うんです。それは、午前中の議論でも出ていましたけれども、我々は何に対して本当に闘っているのか。基本的には、テロという、今、世界に広がりつつある流れ、これを何とか食いとめていく、あるいはアメリカがそれに対して闘うということに対して周辺が支援をしていくという体制をつくっていくということ、これは指摘されましたね。

 このテロとの闘い自体、これは防衛庁長官に聞くのがいいのか、それとも官房長官に聞くのがいいのか、恐らく、政府としてということになると官房長官だと思うんですが、日本としては、このテロとの闘いというのは今成功しつつあるという認識でいるのか、それとも、大きな岐路に今直面をしていると。どちらかというと、例えばアフガニスタンとかイラクとかというような情勢を見ていると、ネーションビルディングの過程の中で、テロとの闘いというのが逆に押されてきて、以前よりも非常に厳しい状況になってきているという世界の世論の方が強いんですが、それに対して、基本的に日本はどういう認識を持っているんですか、日本政府は。

○久間国務大臣 後から官房長官がお答えになるかもしれませんけれども、テロとの闘いで、海上阻止活動によって資金力を抑え込むというのは、これはやはり大きいと思うんですね。麻薬とか武器の輸出等々あわせまして、麻薬なんかはやはり資金力になる可能性がありますから、そういう点では、海上阻止行動というのは私は非常に効果はあったんだと思います。

 ただ、今委員が御指摘されましたように、なくなっていないじゃないか、テロ等はずっと続いているじゃないかという御指摘も事実でございますので、これは、どこに原因があるのか、闘いは闘いとしてやりながらも、もっといい方法があるんじゃないか、その辺は私の立場でお答え申し上げるようななにはないわけですけれども、私は、やはり海上阻止活動が行われているということは非常に効果はあっていると思います。

 それと、最初は米艦が中心でございましたけれども、各国が参加して、海上阻止活動に参加してきている、そういうようなことから、我が自衛艦が補給するのも各国にまたがってきておる。それがいいのか悪いのかは別としまして、かなりのところが参加してこれをやっているというのは、やはり海上阻止というのはテロとの闘いでは大事な一面を持っているということを各国とも理解しているんじゃないかというふうに思いますので、そういう点では各国からは感謝の言葉も聞いておりますので、私はそれなりに効果は上がっているというふうに思っているわけであります。

○塩崎国務大臣 九・一一の事件が起きる前と起きた後、さまざまなことをやってきた今日に至るまで、やはりこのテロとの闘いというのは、もともと、九・一一の後に、テロとの闘いといっても余りぴんとこなかった人たちが多かったと思うわけでありますが、その後、さまざまな試みを国際的にもやり、日本も新たな試みをやって今日を迎えているわけで、今回またこの一年間の延長をお願いしているわけでありますが、前進をしているのかしていないのかということを考えてみると、今まで、なぜテロが起きるのかということもよくわからないままにとりあえず闘いを始めたのかもわからない中にあって、やはり確実な成果を上げているところは、今防衛庁長官もおっしゃったようにあると思いますし、それは間違いない進歩だと思います。

 ただ、この問題は根が根深いだけに、そんな簡単に全部が解決するわけではない。アメリカのテロの報告書を見てみても、長い闘いになるだろうということは、社会、それぞれ各国の根深い問題から発生してきてこういう問題が起きるということをすべて根絶するには時間がかかるだろうということでありまして、トータルで見れば、かなり問題点が浮き彫りになり、成果も上げているけれども、まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあって、我々はその努力を国際的にも続けなきゃいけないし、日本も責任を果たしていくべきだろうというふうに考えていくのがやはり筋ではないかというふうに思っております。

○中川(正)委員 これはたまたまニューズウィークで特集をしていたものなんですけれども、その中に、以前のNATOの司令官、アフガニスタンでの、ちょうどアメリカの二〇〇四年の大統領選挙でチャレンジをしているクラークさんがコメントしているんですけれども、大体、テロとの闘い、いわゆるカウンターテロリズム、あるいはカウンタードラッグ、さっきお話の出た、これだけを考えて評価したときには、ウイ・ウイル・ルーズ、負けるだろうというふうにコメントしているんですよ。

 それと同時に、アメリカの今の世論は、特にイラクを中心に、昔と違って非常に厳しい世論背景が出てきました、だから中間選挙でブッシュさんは困っているんだろうというふうに思うんですが。それと同時に、イラク国民の間でも反米機運が非常に大きくなってきたということが指摘されています。

 これはメリーランド大学がこの九月の初めにイラクの中で世論調査をしたものなんですけれども、イラク国民の七一%が一年以内の米軍撤退を望んでいるということ、それから、イラク国民の七八%が、米軍がいるためテロ、宗派抗争が頻発しているんだ、米軍の存在がそうした状況を起こしてきているんだ、そういう世論調査が今出てきています。

 さらに言えば、アメリカの中でも、これも今アメリカの中間選挙の中の一つのテーマになってきていますけれども、情報機関が集まって、このテロの問題に対して中間報告というのを出している。それが四月だったわけですが、それが公表されずにいたのがリークで公表されて、その結果出てきたのは、ジハード、テロリズムを誘発しているのはアメリカの闘い方が悪いからだという中身なんですね。私も直接中身を読んでみたんですが、いわばそういうことです。

 そうした背景からいくと、さっきのお話は、それこそ直接的に軍事行動と、それから、それこそ資金源のドラッグなんかを含めた闘いの、その範疇しかない、議論が。しかし、そろそろ日本も、このアメリカの闘い方に対してしっかり、基本的な、原点に戻った評価をして、何をすべきか、いわゆるテロとの闘いというのは本来はどうした闘いをしていくべきかということを、もし日本なりの独自の外交というのを展開したいという安倍総理の思いがあるとすれば、当然出てきていいと思うんですよ、議論の中に。アメリカのやっていることがすべて正しいというこれまでの小泉さんの話とは違うと思うんですよ。

 そこのところを基本的にどのように認識しておられるのか、これは改めて外務大臣にもお聞きをしたいというふうに思うんです。

○麻生国務大臣 基本的にはテロとの闘いに関してどう考えているかという話なんだと思うんですけれども、質問が長かったのでどこが質問をされたいポイントかよくわからなかったんですが、少なくとも自衛隊が協力をしている海上阻止活動とか、いわゆるアフガニスタンの掃討作戦等々いろいろありますけれども、そういった軍事面のみにかかわっていると危ないんじゃないかというだれかの書いた論文をもとにして御質問なんだというように理解したんですが。

 おっしゃるとおりに、テロというものは、これは基本的に、軍事面のみならず、それを支えております麻薬というのは、午前中も申し上げましたけれども、あれは、国連の薬物犯罪事務所か、あそこで出しました、たしか五二%という数字を国連は出しましたね。それを見てもわかるように、麻薬対策とか、それからアフガンの復興、もうとにかくさまざまな面があるということは確かだと思います。したがって、これがそんな簡単に終わるというものではないだろうというのは、今だんだん理解できてきて、息の長い対応が必要なのではないかということになってきたんだと思います。したがって、現時点でしかるべき評価を下すというのはなかなか難しいということははっきりしておると思います。

 ただ、この間、アフガニスタンで見ますと、少なくとも警察官の増員ができ、政府ができ、どこでもそうですが、軍の組織もできたり、いろいろな形としてでき上がりつつあるところもまた確かなんだと思いますし、例の日本がかかわったところであると、DDRという武装解除とか社会復帰とかいうようなものも前よりはるかに動きつつあるというようなことだと思っておりますので、少なくとも、今まだ三十六だか七カ国、これにかかわっていると思いますけれども、そういった国々がこの作戦に、テロとの闘いというものに参加しているという現状を考え、日本の補給というか給油というものがガソリンスタンドというような言い方で、えらくばかにしておられるのか卑下しておられるのかよくわかりませんけれども、立派な仕事をしているな、私どもはそう思っております。

 そういったようなことをバックにしながら、私どもは、今後ともこの種の、日本が必要とされているというのがはっきりしているんだったら、十分に貢献していくべきだと思っております。

○中川(正)委員 そうした認識は正しいと思うんですよ。軍事部門だけじゃなくて、本来は、ネーションビルディングをどうしていくかというところへ向いて世界が貢献していかなきゃいけないんだ。それをいつも説明されて、その中で、DDRのさっきの話も含めて日本のODAの支援がこれだけあります、こういう説明をする。

 私、この質問の前に、外務省に対して、それじゃどれぐらい、ほかの地域と比べてアフガニスタンというのは今効果的にその金が生きているのか、あるいはどれぐらいの規模でやられているのかというのを、ほかの紛争地域、例えばボスニア・ヘルツェゴビナであるとかカンボジアであるとか、そうした、政府が一たんつぶされて、新しい形で、そこでネーションビルディングをしなきゃいけない、いわゆる統治機構というのをつくらなきゃいけないというその過程の中で世界がどんなふうに関与してきて、成功した例と失敗した例があるのかということ、そんなことを一度、紛争地域の人口割りにして出してみてください、こういう話をしたんですよ。そうしたら、外務省の方は、出してきたデータがそうじゃない。その地域にどれだけのニーズをつかんで支援をするかという観点じゃなくて、外務省から出てきたのは、日本の支援が日本の中の人口一人当たり幾らぐらい頑張って支援しているかということをデータとして出してきたんです。

 だから、私はこれだなと思ったね。いつも日本の説明というのはそれなんですよ。我々、これだけのことをしていますよ、これだけ金を出していますよ。しかし、それが効果的にその国のテロを静めていける、いわゆる社会開発あるいは経済開発に対してどれだけ貢献していって、具体的にどう動いているのかというのは全く議論がないんです、今、日本の特に外務省の中には。そこのところを指摘しておきたいというふうに思うんです。

 改めて、同じようなデータを図書館の方に依頼して、見てみました。その図書館の調べから出てきたのは、その地域の人口一人当たりの世界各国からの支援は、例えばアフガニスタンだと四十五・九ドルですね。これは、プレッジしたものと実際に出したもの、両方合わせてです。ボスニア・ヘルツェゴビナの場合は百九十八・六ドルです。それから、カンボジアの場合は二百四十・八ドルです。これはみんなUSドルなんですね、その地域の人口に対して。

 本当に悲劇的なのはイラクでありまして、イラクの場合はもう既に千二百四十ドルからいっているんですよ。これはいろいろなものも含めての話だろうと思うんですね、イラクの場合は。

 そこから考えると、アフガニスタンというのは完全に無視されているというか、トータルでいって、日本が東京会議をやって各国に募って、日本が主軸になって支援体系を組みましたよと、声高に何回も何回も私たち説明を聞きました。しかし、結果どうなっているかといったら、四十五・九ドル。ボスニア・ヘルツェゴビナの例なんかの半分以下ですね。そんな状況を指摘しておきたいというふうに思うんです。

 それからいえば、今、日本が本当にやらなきゃいけないことというのは、自衛隊にこだわっていくという、あるいはアメリカのメンツに、アメリカの軍事展開にこだわっていくということじゃなくて、本気になって、テロというものに対してどのような戦略を持って日本が一番やれるべきところというのを主張していくということだと思うんです。それが実は私の思いなんですよ。

 そのことから考えると、こうして油をただで供給していますよと胸を張っているんじゃなくて、この金も含めて、本当の意味でネーションビルディングへ向いて突っ込むというぐらいの日本独自の政策があっていいと思うんですよ。それをどうして言い出さないのか。いつまでもいつまでもこれにこだわって、艦船がこれだけ少なくなってきたのにまだ油を供給し続けるというその意味合い、そして一年延長するというその意味合いが私にはわからないということをさっきから言っているんです。そこを説明してください。

○麻生国務大臣 いろいろなお話がありましたけれども、これは何か外国のあれを使っておられましたので、私もアフガニスタンのアウトルックという、社説を使わせていただければと思います、読まれていると思いますが。

 原理主義反政府分子との闘いにおいて、アフガニスタンを支援するためにISAFの枠組みの中に三十七カ国からの部隊が存在し、そして、ドナー社会から六十カ国が戦火により破壊されたアフガニスタンの復興をいろいろな規模で支援してもらっている。しかし、アフガニスタンの国家建設の最も頼りになるパートナーは一つの国家である。アフガニスタンにおけるその存在は、さまざまな時代を通じてアフガニスタンへの無私の支援の象徴で常にあり続けている。この国こそが日本であると書いてあるのを読まれたでしょう。

 日本はカブールをだれが統治しているかということを気にせずに、アフガニスタンの国民のことのみを気にかけてもらってきたんだということが、このカルザイという大統領が書いているところなんです。そのカルザイが信用できないと言うのであれば、これはまた話は別です。

○中川(正)委員 実はカルザイ、信用できないんですよ。今カルザイの影響力があるのはカブールだけなんです。防衛庁長官うなずいておられますけれども、それ以外は、従来からのそれぞれの、麻薬組織の親分であるとか、あるいはパシュトゥンの民族戦線であるとか、あるいはジハード、この戦線であるとか、もう完全に支配が限定されてきている、カルザイは。そこが問題なんだというのは、これは国際世論の基本なんですよ、今。そのことを指摘しておきたいというふうに思います。

 そして、残りがわずかになってきたんですが、もう一つ今の北朝鮮の関連の中で、このアフガニスタンも関連するんですが、一つだけ最後に確認をしておきたいということがあるんです。

 さっきから、臨検の話とかあるいは船舶検査、あるいはまた日本が後方支援だけにとどめるのか、また、その中でやるとすればどういう法的な整理があるのか、そんな議論が出てきましたが、観点は、どうしても今の法的な整理の部分でどうするのかという議論になっていました。しかし、基本は違うと思うんです。

 基本は、政府として今やらなきゃいけないことは、政府として何をするのか、いわゆる国連決議と日本の独自の決議を踏まえて、具体的に政府として何をする意思があるのかというのをはっきりさせることだと思う。これをはっきりさせることによって、我々も議論ができるんですよ。今までの話だったら、そこのところは考えています、考えていますだけで済ませていくから、我々は議論しようと思ってもできない。

 このままでいったら、この委員会そのものも、あるいはこのアフガニスタンの議論そのものも、全部関連していますから、これは、そっちがちゃんとした話をしてもらってその上で、それをもとにしてここで議論をするまでは、この委員会というのはずっと継続をしていかなきゃならないと私は思うんです。委員長、そのことを指摘しておきたいというふうに思います。

 その上で、今答えられるんだったら、日本としては何をするつもりなのか、日本政府としては具体的に何をするつもりなのか、答えてください。

○塩崎国務大臣 今回、国連で安保理決議が行われました。日本は、その前に独自の制裁案を発表して、十三日に閣議決定をいたしました。

 したがって、これからやるべきことは、先ほど来話題になっているのは、カーゴ・インスペクションという部分について問題になっておりますが、あの決議の中には、さまざまな制裁等々項目が入っておりまして、これらについて、我々が、もう既にやることが決まっていること、そして新たにやらなきゃいけないこと、それをすべてこれから検証して、できる限り早くできるものはやっていくということであって、あらゆる可能性を考えているというのは先ほど来申し上げているとおりでありまして、一点に絞ってだけのお答えというわけにはいかないというふうに思います。

○中川(正)委員 言いかえれば、意思が決められないということなんです。

 だから、私も時間が来たので一方的に言わせてもらいますが、それは話が逆で、まず政府の方がこれをしたいんだということを私たち国会に意思表示して、その上で、それをもとにして我々は議論をしていくというプロセスにしないと、わからないんだ、まだこれからだ、それは議論になりません。

 そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
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