三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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内閣府特命担当大臣

参議院 災害対策特別委員会

平成24年6月15日(金)

○委員長(松下新平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 去る五月十七日に行いました平成二十四年五月に発生した突風等による被害状況等に関する実情調査のための視察につきまして、視察委員の報告を聴取いたします。平山幸司君。

○平山幸司君 去る五月十七日、茨城県において、平成二十四年五月に発生した突風等による被害状況等に関する実情を調査してまいりました。
 参加者は、松下新平委員長、牧山ひろえ理事、加治屋義人理事、小坂憲次理事、加賀谷健委員、小見山幸治委員、那谷屋正義委員、吉川沙織委員、青木一彦委員、岡田広委員、若林健太委員、秋野公造委員、渡辺孝男委員、山下芳生委員及び私、平山幸司の十五名であります。
 現地視察の概要を御報告いたします。
 竜巻発生時の五月六日の気象は、日本の上空約五千五百メートルに氷点下二十一度以下の強い寒気が流れ込む一方、東日本から東北地方の太平洋側に暖かく湿った空気が流れ込んだため、東海地方から東北地方にかけて大気の状態が非常に不安定となり、落雷や突風、降ひょうを伴う発達した積乱雲が発生しました。
 今回、気象庁では、四つの竜巻を確認しておりますが、そのうち、茨城県つくば市付近においては風速が毎秒五十から六十九メートルに達する竜巻が、また、栃木県真岡市から茨城県常陸大宮市にかけての地域においては風速が毎秒三十三メートルから六十九メートルに達する竜巻が発生したと発表されました。
 この竜巻による被害は、茨城県全体で死者一名、重傷者四十一名、建物被害として、全壊、半壊、一部損壊の合計が一千三百三十三棟、降ひょう等の被害を含めた農業関係被害金額として五億円強、さらに中小企業者等の施設設備等の被害などが多数発生しております。
 我々は、まず、市ケ谷の防衛省より陸上自衛隊のヘリコプターに搭乗し、上空から、茨城県筑西市、つくば市北条地区及び栃木県真岡市西田井地区等の被災状況を視察いたしました。機中より、竜巻等による建物損壊やビニールハウスの倒壊等の被害の様子をうかがった後、つくばヘリポートに到着いたしました。
 その後、つくば市現地災害対策本部が設置されているつくば市筑波交流センターへ移動いたしました。そして、上月茨城県副知事及び市原つくば市長に対して、本委員会より見舞金を贈呈した後、被害の概要説明を聴取いたしました。
 その席で、茨城県及びつくば市からは、被災者生活再建支援法に基づく支援金の支給対象への半壊世帯の追加、被災した中小企業、商店街に対する施設設備等の復旧復興に係る助成制度の創設、被災した農業用ハウスの建て替え等の復旧に係る経費に対する積極的な支援、瓦れきの処理や被災建築物等の解体撤去への財政的支援、竜巻等に係る観測体制の強化や竜巻等に係る地域防災計画作りの指針となる防災基本計画の改定の推進、特別交付税の交付についての特段の配慮等について要望がなされました。
 次に、今回の竜巻等で最も被害が大きかったつくば市北条地区の住宅街、商店街、雇用促進住宅北条宿舎などを徒歩で視察いたしました。視察先では、竜巻被害の甚大さとともに、懸命に復旧作業を行っている住民や建築業者等の方々の御苦労の様子をつぶさに拝見させていただいて、被害状況に対する認識を新たにし、さらに、居合わせた住民の方々から、竜巻発生時の状況や復旧復興に向けた御意見、御要望等を伺うことができました。
 その後、つくば市現地対策本部へ戻り、意見交換を行いました。視察委員との間では、被災した所有者不明の空き家等の除却対策の在り方、災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の適用対象となる箇所の概要、同制度の工事完了期限の妥当性、東日本大震災によりつくば市に避難して今回再び被災した方々に対する支援策の在り方等について意見が交わされました。
 最後に、つくば市内の気象庁気象研究所を訪れ、今回のつくば市付近で発生した竜巻に対する気象研究所の取組について、同研究所による現地調査とレーダー解析等に基づいた説明を聴取するとともに、竜巻注意情報の精度向上策、メソサイクロンと竜巻との関係、竜巻発生箇所の特徴、竜巻に関する統計の歴史等について意見交換を行いました。その後、所内の気候変動等のメカニズムの解明や予測を行うためのスーパーコンピューターや、上空の降水粒子の種類や雨や雪の強さに関する情報等を得ることができる最新型のドップラー・レーダーのモニターを視察いたしました。
 以上が調査の概要であります。
 竜巻による被害は極めて局所的であり、現行の災害対策に関する諸制度では規模要件等が実態に合わず十分に対応できないなどの課題が現地から示されました。また、竜巻はまれにしか発生しない現象であるため、最新の技術を用いても予測が難しく、竜巻注意情報の精度は的中率でおおむね五から一〇%程度となっており、今後の更なる精度向上に向けた取組が待たれるとともに、竜巻から身を守るための行動についての情報の在り方を検討し、その周知徹底を図ること等の必要性を強く認識した次第であります。
 最後に、復旧対応等でお忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、地域の皆様が一日も早く被災前の生活を取り戻せるようお祈り申し上げまして、視察報告を終わります。

○委員長(松下新平君) 以上をもちまして視察委員の報告は終了いたしました。
 次に、平成二十四年五月に発生した突風等の被害状況及びその対応について、政府より報告を聴取いたします。中川防災担当大臣。

○国務大臣(中川正春君) 平成二十四年五月に発生した突風等の被害状況及びその対応につきまして御報告をいたします。
 まず、この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。
 五月六日は、東海地方から東北地方にかけて大気の状態が非常に不安定となり、落雷や突風、降ひょうが発生いたしました。茨城県常総市からつくば市にかけての地域においては国内最大級の強さと推定される竜巻が発生したほか、栃木県真岡市から茨城県常陸大宮市にかけての地域においては統計史上二番目の長さとなる約三十二キロメートルに及ぶ被害をもたらした竜巻が発生するなど、複数の竜巻が発生をしました。
 この突風等により、これまでに把握しているところでは、死者三名、重傷者一名、軽傷者五十八名の人的被害が生じています。また、全壊八十九棟、半壊百九十七棟及び一部破損九百七十八棟の住家被害、六百四十棟の非住家被害のほか、ビニールハウス等の損壊や農作物の損傷等の農林水産関係被害や文教施設等の被害が生じているところです。
 政府は、この災害に対し、五月六日に関係省庁の職員を茨城県つくば市等に派遣し情報収集を行うとともに、五月七日に関係省庁連絡会議を開催し、情報共有及び具体的な対応の協議を行いました。さらに、被害状況等をつぶさに把握するため、五月七日に末松内閣府副大臣を団長とする政府調査団を茨城県及び栃木県に派遣いたしました。私も五月十二日に両県で現地調査を行ったところであります。
 また、茨城県は、五月八日につくば市に被災者生活再建支援法の適用を決定をいたしました。あわせて、茨城県は五月七日につくば市等の四市に、栃木県は同日、真岡市等の一市二町に災害救助法の適用を決定をいたしました。
 具体的な政府の対応としては、五月六日に茨城県知事からの災害派遣要請に基づきまして、延べ約七十名の自衛隊員が捜索活動に従事をいたしました。また、農林業者に対して、農業用ハウス等の再建、修繕への助成、ガラス片が散乱した農地の復旧への助成等の追加的な対策等を行っています。さらに、的確な災害廃棄物処理のための被災地方公共団体への職員派遣及び助言、中小企業支援のための各種の商店街振興対策の活用などについて、現地と十分に相談しつつ対応することとしております。さらに、国家公務員宿舎を無償で提供をしているところであります。
 また、今回、甚大な被害が生じたことを踏まえ、今後、竜巻等突風による被害軽減方策の強化、充実を図るべく、竜巻等突風対策局長級会議を設置をいたしまして、これまでに会議を二回開催をいたしました。会議では、観測・予測技術の高度化、住民への情報伝達の在り方及び避難の在り方等について検討を行い、七月末までに、当面取り組むべき対策を取りまとめることとしております。
 突風等による被害からの復旧復興に対しては、引き続き、政府一丸となった対応が必要であります。被災された皆様が一日でも早く安心した生活を送ることができるよう、被災地方公共団体と緊密に連携しながら、対応に万全を期してまいるとともに、今後、突風等による被害を軽減するため、対策の強化及び充実に努めてまいる所存でございます。
 以上です。

○委員長(松下新平君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○田城郁君 皆さん、こんにちは。民主党参議院議員の田城郁です。災害対策特別委員会では初めての質問となります。私が、全国比例ではありますが、栃木県出身ということで、皆様の御配慮をいただき、質問の機会を与えていただいたと、そのように思っております。大変ありがとうございます。
 さて、御報告のとおり、去る五月六日の午後、茨城県南西部及び栃木県南東部を中心に、日本の観測史上でも最大級の竜巻、突風、そしてひょうが襲い、甚大な被害を及ぼしました。改めて、お亡くなりになりました方に御冥福をお祈りいたします。そして、負傷された皆様の、そのほか甚大な被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げます。
 栃木県においては、真岡市、益子町及び茂木町において十一名の負傷者と九百棟を超える建物被害のほか、農作物や農業用生産施設、さらには学校等に大きな被害が生じまして、住民生活や生産活動に極めて甚大な被害を生じております。真岡市の鹿島神社では、直径が五、六十センチもある大木がねじ切れておりました。私も現地視察に行ってそのような光景を見て、改めて竜巻の猛威というか威力をまざまざと見せ付けられました。風速に関しては、六月一日付けの朝日新聞では瞬間風速百十メートルという試算も報道をされております。
 今回の事態で是非とも皆様に御認識をしていただきたいのは、東日本大震災でも東北三県には及ばないまでも甚大な被害を受けている地域であるということです。栃木県で六万数千軒、茨城県では何と十七万軒以上が全半壊あるいは一部損壊をしているということであります。今回の竜巻被害は面積こそ局所的とはいえ、同じ地域をなぞるように竜巻及びひょうの被害を受けているという状況です。さらに、福島原発事故の放射性物質の被害も受けているということ、あるいは被害を受けた地域住民の方が、たしかつくば市の雇用促進住宅に移住されて、そこでまた竜巻の被害に遭っているという、そういう状況もあるわけであります。ですから、被害を受けた地域住民の受けた精神的及び物質的なダメージというのは、震災と竜巻で一足す一ではなくて、自乗、三乗に比例して大きくなっているということを是非御理解をしていただきたいと思います。
 しかも、当委員会の現地視察の参考資料の記事にもありますように、先ほども申し上げました原発事故で浪江町から追われてつくばの雇用促進住宅に移り住んでいる方のちょっと記事を引用しますけれども、本当に悲惨な状況です。
 東京電力福島第一原発事故の影響でふるさとの浪江町を離れた。新天地で新たな命も授かり、失った日常を懸命に取り戻そうとしているところだったと。飛びまして、子供も二人を夫の両親に預け、夫と家へ、その家へ行ったと。ベランダのガラスが全て割れ、吹き込んだ瓦れきが散乱する室内を見た瞬間、またかという言葉しか浮かばなかった。一年掛けてやっと築いてきた暮らしが一瞬でなくなるなんて信じたくなかった。長女には壊れた部屋を見せていない。家を転々とさせたから、きっとショックを受けると。もうそんな思いはさせたくない。長女には、新しいおうちに引っ越すことにしたよとだけ伝えたと。自然災害だから仕方がないと思うけど、結局は原発事故さえなければこんな思いもしないで済んだのに、というような状況もあります。これは後で所轄の長の方に、その後どうなっているのかをお聞きしたいと思いますけれども。
 いずれにしても、野田総理が大飯原発の再稼働を判断した会見では、東電福島原発事故の記憶が残る中でというふうな表現でこの事態を表しておりましたけれども、まさに福一事故は現在進行形なんだということ、記憶という言葉はまだまだ使ってはいけないのではないかと思いますが、まさに栃木、茨城共に東日本大震災と原発事故と竜巻被害が現在進行形で起きている中でこの委員会が開かれているということを、是非、この現状認識を、中川担当大臣始め政府の役人の皆さん、そして私も含めて委員の皆さんと是非共有をしたいと、そのように強く思います。
 以上のような状況を考えると、今の国の対策は必ずしも十分ではない。今大臣のお話をお聞きして、随分努力をされているというふうに思いましたが、それでも、五月の十四日に出された県の要望書、そして六月十一日にもう一度県で取りまとめて、そして再度陳情に上がると思いますけれども、ほぼ同様の内容の要望書となっております。そういうことから見ても、やはりまだまだ十分とは言えないというふうに思いますので、被災者の生活再建を速やかに進めると同時に、被災地の復旧について万全な措置を講じるために特段の御配慮を持って対策に当たっていただきたいということを切に望みます。
 では、具体的な質問に入ります。
 初めに、中川防災担当大臣にお伺いをいたします。
 被災者生活再建支援法に基づく支援金について、竜巻という局所的かつ甚大で特殊な災害に対しても支給が可能になるような、支給要件を緩和していただけないかということを地元からも強く要望されております。震災被害に重なっての半壊や一部損壊を対象に含めるなど、支給対象を拡大すべきであるということであります。
 もっとお話ししますと、今のこの被災者生活再建支援法というのは、百軒以下がどうのとか、そういうことも含めて、台風とか地震とか広域のものに対しては非常に有効だと思うんですが、気候変動なども叫ばれている中で、ダウンバーストとか突風とか竜巻、今回の竜巻のような、局所的なんだけれども狭い地域に確実に甚大な被害を与える、こういう自然災害の特徴には対応し切れていないと私は思うわけであります。
 そういうことも含めて、是非、要件の緩和など、まあ今回、東日本大震災のことも重なってという判断も是非していただきたいんですが、できれば法の改正も含めて、気候変動に対応したような自然災害の支援法にしていただきたいなと、そのように思いますが、大臣のお考えを是非お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(中川正春君) 委員の皆さんには、それぞれ現地に入っていただいて住民の、いわゆる被災者の皆さんの意向を酌み取っていただきながら様々に御提言いただいておりますこと、改めて私の方からもお礼を申し上げたいというふうに思います。
 今回、私も現地に入ったんですけれども、先ほど御指摘がありましたように、ああいう局部的で甚大な被害、一人一人にとっては東日本の大震災で起こったレベルの本当に厳しい被災をしておられるということ、こういう、その類型ですね、広い地域で大規模に大震災という形で起こったものに対する対応というものと、ああいう局部的に起こったけれども一人一人の被災のレベルというのは非常に甚大なものだというもの、これをどういうふうにそれぞれ対応していくかということについては私も総合的に検討が必要だというふうに思っております。そういう意味で、同じ問題意識を持ちながらこれからもしっかり検討をしていきたいというふうに思っております。
 その上で、現状の仕組みでありますが、この被災者生活再建支援制度というのは、阪神・淡路の大震災以降、やはり個別の被災者に対する何らかの援助といいますか支援というのは必要だということで議論が始まって、それで、できて、改善しながら今これ進んでいるんですけれども、基本的には大規模災害で地方自治体がそれに対応していくのに財政的にもたないと、そのことに対して、互助的に県が半分、それから国が半分、基金化をして資金をそこに準備をした上で大規模な部分をその基金でカバーをしていこうという、そういう仕組みになっております。
 その時点での議論というのは恐らく、小規模で地方自治体が本来対応していける部分については地方自治体がその仕組みを入れていくという、その前提がこの法律にはありまして、それを期待しながら今運用しているということなんですね。
 ところが、実態は、それじゃ地方自治体が全てそういう準備をしているかというと、今回問題になったように、茨城県はそうした仕組みというのを入れているんですが、栃木県はそれがなかったということで、あっちは出るけれどもこっちは出ないじゃないかというような、そういう議論がありました。
 私の聞いているところでは、栃木県はそれに対して新たに条例化の準備を進めておりまして、知事の先般の発表では、基本的な、百万円という基本支援の部分について議会に諮って遡及してそれを対応していこうというような、そういうことで今進んでいるようであります。
 だものですから、この問題を議論していくということになると、知事会と、それから国と地方公共団体の役割分担といいますか、それとこの法律の趣旨というもの、これちょっと総合的に勘案しながら国としてどこまでのことをやっていくのかという部分をしっかり話し合っていくということが必要だというふうに思っております。
 それから、ちなみに住宅に被害を受けた被災者にとっては、もう一つ災害救助法というのがありまして、応急的に修理をするということについては、五十二万円が限度なんですけれども、応急的にそれを出していくという措置もあります。そのほか、貸付けだとか税の減免だとかというのは総合的にそれぞれ枠組みがあるわけでありますが、そのことも勘案して、今回の竜巻ということを前提にした特別な類型の中でそれを対応していくということが必要なのかどうか。
 私は、こういう局所的に、竜巻だけじゃなくていわゆる集中豪雨なんかもそうなんですが、局所的にこうして起きた非常に被害が甚大な災害については新たな類型として総合的に整理をすべきだというふうに思っているんですが、そういうことを前提にして更に議論を進めていきたいというふうに思っております。

○田城郁君 法の成り立ちあるいは運用上現実的な問題ということは私も理解をしておるつもりでありますが、繰り返しませんけれども、自乗、三乗のいろいろなものが重なって今の現状があるということを是非御理解をいただいて、これは政治判断ということが必要だと思いますが、是非お願いをいたします。
 では、次の質問に移ります。
 ちょっとここからは細かい質問になりますので各省庁の役人の方の答弁になるということですが、是非、答弁との関係で最後にもう一度大臣の御決意をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 個人住宅の再建に関して国交省にお伺いをいたしますが、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資制度について、融資利率の引下げ等の特例措置を講じることが必要だというふうに考えておりますが、この特殊事情を踏まえていかがお考えでしょうか。よろしくお願いします。

○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 被災者の住宅の再建等を支援することは、地域全体の復旧復興にとっても重要であるということは重々認識をさせていただいております。
 今般の竜巻被害につきましては、住宅金融機構の災害復興住宅融資により最長三十五年、全期間固定金利ということで一・四七%、現在でございますけれども、の融資を実施することにいたしておりまして、この金利を今いじるということは、現段階では恐縮でございますけれども考えておりません。現地においては、すぐにコールセンターへの対応ということで既に十七件御相談を受けておりますが、まだ被災後間もないこともありまして融資実施というところには至っておりません。現状はそういうことでございます。

○田城郁君 機械的に質問させていただきます。
 災害廃棄物の処理について、環境省にお伺いをいたします。
 竜巻等自然災害で発生した廃棄物の処理について、全額国庫負担とするとともに、安定型産業廃棄物最終処分場における処理の特例措置を講じられないでしょうかということ。また、生活環境保全上支障となる倒木の処理や使い物にならない住宅や納屋等の家屋解体についても国庫負担の対象とすることはできないでしょうか。いかがお考えでしょうか。

○政府参考人(伊藤哲夫君) 市町村が行う災害廃棄物の処理につきましては、災害等廃棄物処理事業費補助金によりまして事業費の二分の一を上限として補助を行っており、加えて、地方負担分のうち八〇%を特別交付税措置をしているということでございまして、全体としまして国の負担割合は九割ということになっているところでございます。
 なお、阪神・淡路大震災では被害が甚大であったことから、補助率のかさ上げは行わず二分の一のままであったわけでございますけれども、地方負担分につきましては、全額につきまして災害対策債により対処することとし、その元利償還金の九五%が地方交付税措置されたと、こういうことでございます。
 さらに、東日本大震災におきましては、阪神・淡路大震災以上に被害が甚大であったこと、また被災自治体の財政状況が危機的な状況に陥ったと、こういったことから、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律に基づきまして最大で補助率を九〇%とするかさ上げ措置を講じるとともに、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法に基づきまして、災害廃棄物処理事業に係る国庫補助金を控除した地方の一時負担分につきましてグリーンニューディール基金を通じた支援により国の実質負担額を平均九五%とし、残りの地方負担額についても全額交付税措置を行い、実質的に一〇〇%を国の支援としているという状況でございます。
 今回の竜巻等の被害につきましては、非常に甚大な被害が生じたわけでございますけれども、その規模につきましては昨年九月の台風十二号と比較して必ずしもそれを上回る被害の規模とも言えないと、こういったことから、通常の災害時の国の負担割合の九割、すなわち補助率の二分の一及び地方負担分の八〇%の特別交付税措置を超える追加的支援を設けるということはなかなか困難ではないかと考えているところでございますけれども、環境省といたしましてはできるだけ被災自治体の様々な要望にこたえていきたいと、こういうふうに考えているところでございまして、通常の災害では、市町村などが設置した集積場に災害廃棄物を被災者の方々に持ち込んでいただきまして、それ以降の運搬や処理について補助の対象としているところでございますけれども、今回は被災市町村の要望を踏まえまして、市町村が被災現場まで赴きまして廃棄物の収集、運搬するということにつきましても補助対象としたところでございまして、今後とも被災自治体とも十分協議の上、可能な支援を行ってまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。

○田城郁君 質問数が多いのでちょっと機械的に行きますが、一足す一ではなく自乗、三乗ということで、是非そこを踏まえていただきたいと思います。
 中小企業庁にお伺いをいたします。
 益子町は、御存じのように全国でも有名な焼き物の産地であります。栃木県の重要な地場産業ということでもあります。この益子の窯元の窯や完成品の焼き物が大震災でも破壊され、そして今回の竜巻でも破壊をされたと。これら中小企業の施設設備等の復旧について、地場産業が元気を取り戻すためにも、助成等の支援策を講じることや、あるいは融資を受けるに当たって被災企業の保証料の軽減や保証枠の拡大等、信用保証制度の特例措置を講じるなどの手当てをするべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(加藤洋一君) お答え申し上げます。
 今般発生いたしましたいわゆる竜巻による被災中小企業者対策でございますけれども、発災直後に職員を現地入りをさせまして現況確認をした上で、八日付けで特別相談窓口の設置あるいは別枠の融資制度の適用等の措置を講じているところでございます。
 発災後一か月強を経まして、これまでのところ、例えば茨城県全体では相談で延べ二百九十件の御相談がありますが、具体の融資の御相談につきましては三件のうち一件について実行、実績が出ているという状況でございます。
 今後につきましてでございますけれども、この現在設けております特別相談窓口によるきめ細かな対応というのを引き続きしてまいりたいというふうに思っておりますけれども、さらに地元との意見調整、交換などをしっかりやって、地元の声を反映させた対策を進めていきたいというふうに思っております。
 特に、例えば被害の大きかったつくば市でございますけれども、復興会議というのを本日立ち上げるということで承知しておりまして、例えばそういうところに職員をオブザーバー派遣をして、そして現地ときめ細かく膝詰めでの意見交換をしながら、今後の対策について引き続き意見調整をして適切に対応していくということでございまして、こうしたことを更に継続していきたい、そういうふうに考えております。

○田城郁君 是非よろしくお願いをいたします。
 次に、気象庁にお伺いをいたします。
 国交省のXバンドMPレーダーというゲリラ豪雨を観測するレーダーの情報と気象庁のドップラー・レーダーを連携して活用すれば竜巻予報の精度は上がるのではないかなどと指摘する報道もございますけれども、現在の連携の状況及び今後の見通しなど、竜巻発生の観測体制を強化し、気象予測の精度の向上を図るための努力をしている、そういう現状をお聞かせいただけますか。

○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えします。
 気象庁が現在行っています竜巻等の突風の予測につきましては、現在、気象庁が全国的に整備しております気象ドップラー・レーダーにより実施しております。これは、竜巻をもたらします親雲と呼ばれます積乱雲の中の渦を監視するということで、その渦を監視することによって竜巻等の突風の発生可能性について重要な判断要素としていると。それを用いて、数値予報等の成果も踏まえて竜巻注意情報等を最終的には発表してございます。
 気象庁でのレーダーによる観測につきましては、まず、降水の観測について、従来より国土交通省のレーダーも取り込んでその精度向上に努めているところでございまして、今後更に気象庁自らのレーダーの高分解能化を図るということとともに、国土交通省のXバンドレーダー等も含めて積極的に活用したいと考えてございます。
 この中で、国土交通省レーダーの風のデータでございますが、これにつきましても、親雲の監視ということに利用できるかどうかということについて技術的な検証をした上で、その結果を踏まえて、親雲の探知能力の向上といったことについても積極的に活用してまいりたいと思ってございます。
 以上でございます。

○田城郁君 是非、計画があれば、それを前倒し、前倒しで進めていただいて、精度を上げていく努力を引き続きお願いしたいと思います。
 次に、文科省にお伺いをいたします。
 今回、学校施設も被害を受けましたが、さすがに鉄筋コンクリートの校舎は飛びませんでした。しかし、窓ガラスの破壊が深刻であったということであります。今後の子供たちの安全を考えた場合に、ガラス飛散防止対策についてどのような対策を計画しているのか、あるいはできなければ制度の拡充が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 また、竜巻による被害を最小にするためには、子供たちへの身を守る教育の徹底が必要だと思います。地震なら机やテーブルの下に行きなさいとか、津波でしたら釜石の津波てんでんことか、そういう言葉が合い言葉のように言われておりますが、是非この竜巻についても象徴ある言葉などを使って意識の向上を図るというようなことが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。手短にお願いいたします。あと四分しかありません。

○政府参考人(清木孝悦君) 学校施設面での安全対策についてお答え申し上げます。
 御指摘のように、竜巻・突風対策といたしましては、窓ガラスを強化ガラスにしたり、あるいは飛散防止フィルムを張る、さらに窓枠を強化するというふうな対策が考えられまして、これらの対策に資する整備につきましては、文科省では、本年度、防災機能強化事業という事業を創設いたしておりまして、その中で支援することとしてまいりたいと考えております。
 地方公共団体からの要望を踏まえまして、公立学校施設の防災機能の強化を推進してまいりたいと考えているところでございます。

○田城郁君 次に、農水省にお伺いいたしますが、ビニールハウスは本当にいろいろな手当てをしていただきまして地元の方も喜んでおりますが、ガラスが水田の広範囲に飛散したという田んぼなどが非常にあるということであります。特に、真岡市の西田井地区には大変大きな被害が出ておりますが、どのような処理をするか、計画をよろしくお願いいたします。

○政府参考人(實重重実君) 竜巻の被害のあった農地につきましてでございますが、集合住宅周辺などの農地におきまして多量のガラス片などが散乱しております。ガラス片や瓦れきなどが農地に混入をいたしまして人力によって撤去が困難であるという場合には営農に支障を生じることになりますので、一か所あたり四十万円以上を要する箇所につきまして災害復旧事業の対象とすることが可能でございます。具体的には、表土の入替えや土壌からガラス片のふるい分けなどを行いまして元の状態に復するということにつき助成するものでございます。
 現地には関東農政局の担当官を派遣して状況を視察しておりますが、ほとんどの農地において既に営農が再開されて、水田では稲が生育しているといった状況でございます。しかしながら、ガラス片などを人力で除去することが困難な農地もございます。こういったところでは、稲を収穫した後で来年の田植、作付けといったことを行うことに支障が生じる場合がございます。こういったものにつきまして、地元からの要請に応じまして現場の状況を十分点検いたしまして、災害復旧事業の対象になる場合には地元の意向を踏まえながら適切に事業を実施してまいる所存でございます。

○田城郁君 最後に、内閣府なのでしょうか、厚労省なのでしょうか。冒頭申し上げました、福島からの移住者が再び竜巻で罹災をされたと。その後のその方の状況なり、あるいは、どのぐらいいて、どのような手当てがされているのか。どちらでしょう、厚労省ですか。

○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
 東日本大震災の仮設住宅として借り上げられたつくば市の雇用促進住宅に入居されていて今回の竜巻被害に遭われた福島県の方々は、七世帯二十人となってございます。
 その方々の現在の状況につきまして茨城県から御報告いただいておりますが、民間賃貸住宅へ移られた方々が三世帯七人、それから国家公務員宿舎へ移られた方が一世帯三人、また被害が軽微であるためそのまま雇用促進住宅に入居されている方が三世帯十人となっておりまして、引き続き災害救助法に基づく仮設住宅として供与を行っているところでございます。

○田城郁君 ありがとうございます。
 最後に、大臣、進んでいるものもございますが、まだまだやはり基本的には、最初に申し上げた法律などはまだまだ竜巻に対応していないような状況もあります。そういう状況に踏まえて、改めて大臣の御決意をよろしくお願いいたします。

○国務大臣(中川正春君) 法律を変えていくには時間が掛かりますので、取りあえず運用でしっかりしのいでいける部分、あるいはまた工夫ができる部分については精いっぱいのことをやらせていただきたいというふうに思っておりまして、それぞれ省庁を督励をしていきたいと思います。

○田城郁君 ありがとうございました。
 質問を終わります。

○岡田広君 自由民主党の岡田広であります。今日は、加治屋災害特別委員会の筆頭理事始め当委員の皆様の御理解をいただきまして、地元茨城ということで質問に立たしていただきました。
 まず、亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災に遭われた方々、お見舞いを申し上げたいと思います。
 竜巻の被害状況につきましては、先ほど平山委員から御報告があったとおりであり、私も松下委員長の下で災害対策の視察で同行させていただき、そして茨城自民党県議会でも、谷垣総裁の党の視察でも同行して三回現場に入らせていただいております。中川大臣始め、関係府省の皆様方も現場を十分見ておられるんだろうと思っています。
 気象庁の発表で、F2がF3に上方修正ということで、国内観測史上最大級であったという発表もありました。
 先ほど中川大臣から、御答弁の中にありましたように、竜巻被害、私はつくばの現場で感じたこと、大臣からもありましたように、局所的であっても甚大な被害が生じたということです。そして、強力な風圧によって屋根が吹き飛ばされ、巻き上げられた泥水等が中に吹き込み、壁は残っていても中の損壊が激しいなど、通常の強風とは異なる壊れ方をしているということであります。さらに、瓦れき等が遠隔地まで飛来する。そして、亡くなられた方の住居を御覧になったかと思いますが、住居の土台である基礎の部分から根こそぎひっくり返されたという。
 屋根が飛ばされたら住めないということであります。しかし、判定は半壊に至らない、支援が受けられない。東日本大震災では、地盤の液状化による住家被害が実態にそぐわないということで被害認定の運用が見直しをされています。是非、被災者支援のこの対策について見直しをすることが必要なんだろうと、私はそう思っています。あるいは、将来は竜巻対策として別途検討すべきだと、そういう考え方を持っていますが、まず大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) まず、今の認定基準なんですが、これは災害に係る住家の被害認定基準運用指針というものに基づいて、それぞれ基礎自治体、市町村で今対応しておっていただきます。
 私も現地に入ってまず聞いたのは、屋根が飛んでしまったと。しかし、これが基準でいくと一〇%なんですね。それぞれの要素を合わして一〇〇%ですが、その中で屋根というのは一〇%ということになっていると。これではなかなか半壊、全半壊に等しいものであるにもかかわらず駄目じゃないかというお話をしっかり聞かせていただきました。
 その後、実はこの中身をもう少し詳しく見ていくと、外壁とか内壁、天井、それから建具、基礎、設備、それぞれの要素が例えば一〇%、一〇%、一五%、一〇%、一〇%というような形で詳細にありまして、これを丁寧に見ていって、それで積み重ねていけば大体四〇%、五〇%をクリアをしていけるという、そういうことではないかと。そういう前提で作ってあるので、市町村に対して丁寧に見てくれと。その結果がどうなっているかというのも我々ももう一回検証したいというふうに思うんですが、実態としては、今報告が来ている中では、市町村、県の方から、まあまあその丁寧な見方によっていった結果としてはちゃんとしたものが出てきているんじゃないかというふうな報告をいただいています。
 これはもう一回検証をして、直接国の方が検証して、結果としてどうなっているかというのを確かめた上で対応していきたいと思います。

○岡田広君 大臣から運用上のお話ありましたから、十分そこは現場を見ていただいて、県の方にもよく指示をしていただいて対応していただきたいと思うんですけど、やっぱり屋根飛ばされたらなかなか住めないんですよ。
 それで、この被災者生活再建支援法というのは、十世帯以上の住宅全壊被害が発生しないとこれは認定を受けられないと。今回はつくば市だけがこの適用になりました。ほかの地域は全部対象外です。でも、やっぱり同じ竜巻被害に遭っているわけです。
 東日本大震災は、先ほども答弁の中にありましたように面的な広がりということ、しかし、これ竜巻というのは局所的、線的な被害ということで、やっぱりこれは、市町村ごとということよりも、むしろ竜巻のルートで考えるとか、あるいは一軒の住宅全壊被害でも見るということで、やっぱり、今後ここはしっかり制度を、今までの生活支援法は竜巻を想定していない考え方だろうと私は思うんです。
 先ほども田城委員からお話がありましたように、今回の竜巻による、茨城県でも栃木もそうですけれども、昨年の東日本大震災から復旧がスタートしたやさきの被害なんです。被災者にとっては二重の費用負担となっていますので、この点について将来是非検討をお願いをしたいということ、中川大臣、もう一度お願いします。

○国務大臣(中川正春君) そこの問題意識は私も共有をさせていただいております。
 それで、ただ、ちょっとこれは整理をした議論をしなきゃいけない部分があります。
 というのは、この支援法そのもので議論をしていきますと、元々これは保険的な制度なんですね。それぞれの自治体に財政的に能力を超えた形で災害が起こったとき、ということは広域的に甚大な被害が起こったとき、これを対象にして、県と国が半分ずつ資金を出し合って、そういうことを対象につくってあるんですね。ですから、規模の小さいもので自治体そのものが負担がそれで可能だという部分については、自治体自身がそういう制度をつくってくださいということが予定してあるというか、そういうことなんですね。そこの部分が、今、その制度で条例化してある自治体とそうでないところがあるんです。
 さっき申し上げたように、そこが茨城県と栃木県の違いが出てしまったわけですが、そこについて、基本的な部分でやっぱり整合性を持って、被災者にとっては同じですから、こっちに住んでいようとあっちに住んでいても同じですから、それを整合性を持ってつくっていくという工夫が必要なんだろうというふうに思います。そこについて、具体的に検討をしていきたいというふうに思います。

○岡田広君 是非しっかり検討していただきたいというふうに思っています。
 ちょっと細かいことを、関係省庁来ていただいていますので、質問をします。
 先ほどの田城委員とダブることが幾つかあると思いますが、まず半壊以上の住宅の修理費、これは五十二万円まで支援する災害救助法の応急修理制度です。でも、これは年収五百万円以下が資格要件となっています。一方で、被災者生活再建支援法は、二〇〇七年十一月の法改正で使途を定めない定額渡し切り方式になり、収入要件等は緩和、撤廃をされました。被災者から見れば皆同じなんです。
 今回の災害を機に、この支給額の引上げあるいは収入要件などの見直しが必要かと思うんですが、これ厚労省ですか、考えをお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(西藤公司君) 災害救助法による住宅の応急修理は、災害のため住宅が半壊以上の被害を受けた方で、自らの資力ではその修理ができない方に対して救助の一環として実施するものでございます。
 現行の所得要件につきましては、平成二十一年度に、応急修理の更なる活用を促進するために、特に修理に多額の費用が掛かる住宅の全壊、大規模半壊の方については所得要件を撤廃するなど、制度の弾力化を図ってきたところでございますが、御指摘のとおり、自らの資力ではその修理はできない方という関係から所得要件を現在、残っているものでございます。
 この所得要件の問題につきましては、現在、厚生労働大臣を含む関係閣僚や有識者の方々がメンバーとなっております防災対策推進検討会議において災害救助法を含めた災害法制全般の見直しの検討を行っているところでございまして、この中で住宅の再建のための制度である被災者生活再建支援法との関係も含めまして検討されることになっております。
 以上でございます。

○岡田広君 是非この検討を早く進めていただきたいと思います。半壊以上している家を修理するのになかなか五十二万円というだけでは修理ができるわけではありません。
 この住宅応急修理制度でありますけれども、資格要件以外にも使い勝手が悪いという声があります。申請期間の問題とか、これ罹災証明の問題とか、細かい話ですから申し上げませんが、災害発生の都度、国と協議した後でなければ現実的には活用し難い制度になっています。この現行制度もしっかりと見直しをして、災害発生直後に被災家屋に適用して支援ができるように運用基準の明文化も図っていただきたいと思いますが、考え方をお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(西藤公司君) 災害救助法による住宅の応急修理につきましては、災害のために住宅半壊以上の被害を受けた方に対して実施するということでございますが、その期限といたしまして、一般基準として、災害の発生の日から一か月以内に工事を完了することとなってございます。
 しかしながら、災害の規模でありますとか被害の大きさによってはこの基準では適切な対応が困難な場合がございまして、その場合には、災害救助法施行令の規定を根拠に、私ども厚生労働省と協議をいただきまして、特別の基準を設定して期限を延長するなど柔軟な対応を行っているところでございます。
 これまでも、特別基準の設定につきましては、全国会議等で周知を図ってきているところでございます。また、今回の竜巻被害では、発災直後、被害状況によっては特別基準の設定が可能である旨を栃木県、茨城県に改めて通知いたしますとともに、私どもの方から職員を両県に派遣をいたしまして、県、市町村の担当者に直接説明する機会を設けるなど、周知徹底を図ったところでございます。
 この基準の在り方についても、先ほど申し上げました防災対策推進検討会議の中でも議論となってございますので、その中での検討が進められるというふうに考えております。

○岡田広君 答弁ありましたが、この運用基準の明文化等につきまして、周知徹底を図っているということですけれども、なかなかやっぱり自治体の窓口に行くと分からないんです。やっぱり現場主義という、現場を十分勘案してこの周知徹底を図っていただきたいと要望しておきたいと思います。
 住宅再建の貸付金制度は、先ほども田城委員からありました一・四七%、利率です。なかなかいい答弁出ませんでしたけれども、私、お願いしたいことは、この東日本大震災並みの特別融資ができないかどうか、ここを検討されるかどうか、この点だけお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 利率等は先ほどお答え申し上げたとおりでございますけれども、東日本大震災につきましては、御指摘のように、当初五年間金利ゼロ%、その後五年間は通常金利より一%程度下げるということで措置をさせていただいているところでございます。これは、東日本大震災が他の災害と比較して非常に広域、壊滅的であったということ、それから、住まいだけでなく働く場も失われたということで、政府全体といたしまして、特別の財政援助及び助成に関する法律というのを新たに制定をさせていただきまして、これに基づいて様々な特例施策を講じてございます。
 金融機構の予算措置は法律に基づくものではございませんが、こうした措置に併せて措置をさせていただいたというようなことでございまして、なかなか今回の災害に同じことをやるというのは難しかろうというのが正直なところでございます。

○岡田広君 それでは、この被災した住宅の中には所有者の不明な空き家住宅があります。総務省に調べていただきましたら、一九八八年には三百九十五万だった全国の空き家数、二〇〇八年には七百五十七万戸となったそうです。もう倍近く増えているということで、東日本大震災のときでは、この所有者が不明となった住家の撤去、解体について指針が示されました。今回の竜巻において所有者が不明な住家について同様な運用ができるのか、また空き家建築物等の撤去、解体を実施する場合の財政支援措置、これをどのように考えているのか、お尋ねをしたいと思います。

○政府参考人(伊藤哲夫君) 東日本大震災におきまして発生した膨大な災害廃棄物を処理するため、発災直後に、当時の法務副大臣が座長となりまして、内閣法制局、法務省、国土交通省、環境省の部局長クラスを構成員として災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議を設置いたしました。
 この場におきまして、東北地方太平洋沖地震における損壊家屋等の撤去に関する指針が策定されました。この指針におきましては、「敷地内にある建物については、一定の原形をとどめている場合には、所有者等の意向を確認するのが基本であるが、所有者等に連絡が取れない場合や、倒壊等の危険がある場合には、土地家屋調査士等の専門家に判断を求め、建物の価値がないと認められたものについては、解体・撤去して差し支えない。その場合には、現状を写真等で記録しておくことが望ましい。」とされているところでございます。今回の竜巻により被害を受けている損壊家屋等の撤去につきましても、当該指針の考え方が参考に適用できるのではないかというふうに環境省としては考えているところでございます。
 それから、解体、除去されたものについての災害廃棄物による補助金との関係について御説明申し上げます。
 私有財産である家屋等の解体につきましては補助の対象とはしておらないわけでございますけれども、災害により発生した廃棄物の収集、運搬、処分については災害等廃棄物処理事業費補助金の補助対象としており、家屋が解体されて生じた災害廃棄物についても同様でございます。
 なお、阪神・淡路大震災及び東日本大震災においては、被害が極めて甚大であったことなどに鑑み、特例として家屋解体を補助対象としたわけでございますけれども、今回の竜巻の被害につきましては、非常に甚大な被害が生じたわけではございますけれども、昨年九月の台風十二号による被害等と比べて必ずしもその被害が大きくないと、こういったことも鑑みまして、家屋解体を補助の対象とすることは困難ではないかというふうに考えているわけでございますけれども、できるだけ被災自治体の様々な要望におこたえしたいということでいろんな施策を今講じているところでございます。
○岡田広君 一つ個別の具体例を挙げますが、つくば市の北条商店街の中でもう十年以上住んでいる方がいなくなって所在不明。そこで、それを、隣の家危ない、危険だから解体をしてくれと、そういう要望があったんですが、これは市町村の権限で解体ができるということで理解していいんですか。

○国務大臣(中川正春君) 実は雪害で非常にお困りの地域で同じような問題がございまして、今、具体的には、例えば秋田県の大仙市などは条例化をしておりまして、言わば代執行ですね、代執行をやってしまう、それを後、探して請求をすると、いわゆる持ち主に、というような形の条例化を行っております。そういう手法というのがそれぞれの地方自治体によって可能であるということであると思います。

○岡田広君 ちょっとまた細かいことで、今大臣、条例化というお話ありましたけれども、条例化していればできるけれども、条例化していなければできないという理解でいいんですか、環境省。

○政府参考人(伊藤哲夫君) 環境省におきましては、災害廃棄物になったものの取扱いについて検討を行い、それについての様々な補助制度も設けておるわけでございますので、廃棄物とまだなっていない、建物にまだ価値があると認められているものについて環境省の方で特に判断はすることは、立場にはないというふうに考えておるところでございます。

○岡田広君 済みません。ちょっとどこが所管なのか分かりませんが、空き家の瓦れきを処理するのは、今、大臣、条例というお話がありましたが、条例がなければ市町村、自治体ではできないのかどうか、ここはどこか分かるところありますか。あったら御答弁ください。

○副大臣(後藤斎君) 今、先生の御指摘ですが、先ほども御答弁を大臣がしましたように、まず財産的に多分価値があるかどうかというのが一義的にあって、先ほど大仙市のお話をしましたが、秋田、山形、いろんなところで今雪害対策で、空き家対策で条例を制定をしている市町村が多くなっています。
 それは行政代執行法にまず基づいて対応していますので、そういう意味では、財産権があるかどうかによって判断が異なるというふうに考えてよろしいかと思います。

○岡田広君 ちょっとよく分かりませんけれども、時間がなくなりますので、瓦れきの処理についてお尋ねをします。
 瓦れきの処理、先ほどの答弁にありましたように、今回については国が二分の一負担、自治体分は特交で措置するということで実質的には一割負担ということですけれども、これもやっぱり自治体への、東日本大震災では御承知のとおりですけれども、東日本大震災並みの国が全額負担をするという形にはならないのでしょうか。超法規、もう本当にこういう災害、やっぱり、軒数とか何かになるとあれですけれども、線的な被害なんですね、今回の竜巻というのは。どうでしょうか。

○政府参考人(伊藤哲夫君) 東日本大震災におきましては、極めて甚大な被害が発生し、また、なおかつ被災された自治体の財政状況そのものが極めて危機的な状況にあったと、こういったことも踏まえまして、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律という特別の法律を定め、補助率のかさ上げを講ずるとともに、これは議員立法でございますけれども、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法という法律を設けていただきまして、この法律で更にグリーンニューディール基金を通じて国の実質負担額を平均九五%まで高める、そして残りの地方負担額については全額交付税措置を行うと、こういうふうなことでやったわけでございます。
 今回の竜巻等の被害につきましては、非常に甚大な被害が起こったということは間違いございませんけれども、その規模につきましては、例えば昨年九月の台風十二号と比較しても、それを上回る被害状況とも言えないと。こういったことからも鑑みて、この全体の九割ということに更に追加的な支援を設けるということはなかなか困難ではないかというふうに考えておりますけれども、いろんな運用の面ではいろいろ市町村の要望にこたえてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。

○岡田広君 ありがとうございました。
 今、東日本大震災、財政力の弱い市町村というお話ありましたけれども、やっぱりこの地域だって財政力、そんなにいいわけではないんですよ。だから、そういう答弁されるとちょっとやっぱり私、違和感を感じるんですけれども。
 次に、今回の竜巻では農業にも大きな被害をもたらしました。ハウスの建て替えや修繕などには補助が出ることになりましたが、農業用機械、トラクターとか田植機、コンバイン等につきましては、これは補助対象とはなっておりません。農業を行う上でやっぱり必要なものでありますけれども、こういうものを対象に加えていただけるかどうか。
 そしてあわせて、先ほども出ておりましたが、ガラス片が飛散した農地の表土の入替えを行って農業を再開をする、そのためにはどの程度まで復旧すれば耕作に支障を生じなくなるのか、その復旧基準を国で策定していただきたいと考えますが、御答弁をお願いしたいと思います。

○副大臣(岩本司君) 岡田委員にお答えをいたします。
 時間を気にされているでしょう、で、まとめて申し上げますけれども、農林水産省では各方面からの要望や被害の実態を踏まえまして、共済金の早期支払等の既存の対策に加えまして、災害関連資金の無利子化、農業用ハウス等の再建、修繕への助成、これは三割まで助成でございますけれども、またガラス片が散乱した農地の復旧への助成等の追加支援策を講じたところであります。
 これによりまして、被災しました農業用機械の購入等に当たっては、先ほど申し上げました無利子の災害関連資金の活用が可能となったところであります。また、ガラス片が混入した農地の復旧事業につきましては、一か所当たり四十万円以上を要する箇所につき対象とすることとしておりまして、現地の状況に即しまして、表土の入替え、また土壌からのガラス片のふるい分け等を行いまして、元の状態に戻すことが基本としております。
 なお、稲の収穫後に復旧工事を行うことを望んでいる地元の皆様の御意向も十分に踏まえまして、ある意味では臨機応変に復旧に取り組んでいく考えであります。
 私も現地に行かせていただきまして、本当に屋根は飛ぶわ大木は根こそぎ飛ばされると、もう唖然といたしました。思いは先生と同じでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○岡田広君 是非、岩本副大臣、本当に地元に入っていただいて感謝を申し上げたいと思いますが、更に地元の声を吸い上げながら様々な対応をお願いをしたいと考えています。
 この商業の方の問題でありますが、つくばの北条商店街、経産省ですかね、新・がんばる商店街七十七選にも選ばれたここは、筑波山の門前町として栄えた大変古い町並みの商店街なんですけれども、今回、この災害による商店街への支援制度はありません。
 東日本大震災のときにはグループ補助金というのが創設をされました。北条商店街では、約九十店舗ぐらいあるんですが、七十店舗ぐらいが被災をしました。ここはやっぱり歴史的な町並みの商店街の復旧のためにみんなでまた頑張ろうということで、協議会、今日ですかね、復興協議会が地元で立ち上がったという話も今伺いましたので、やっぱりしっかりとここを、グループ補助金の運用等について、できないのかどうか、ここについてお尋ねしたいと思います。

○副大臣(柳澤光美君) お答えをさせていただきます。
 実は、私は九月からの原子力災害の現地本部長をずっと兼務をして、昨日も福島へ行ってきて、竜巻の被災地には足は運べていないんですが、七日の日に職員を全部派遣をして実態の報告を受けさせてもらいました。八日の日に、特別相談窓口をまず即設置をすること、あるいは別枠融資制度の適用など、手を打たせていただいております。
 委員御指摘のこのグループ補助金なんですが、これ、もう東日本という広域にわたるということで特例で特別枠で設置をされている制度でございまして、これを拡大して使うということは非常に難しいというのが、困難であるというのが現状でございます。
 ただ、今先生おっしゃられたように、今日、北条復興街づくり協議会が立ち上がるということで、関東経済産業局の商業振興室長をオブザーバーで出させていただきます。地域商業再生事業とか中小商業活力事業など、今できる手は全てまた相談に乗らせていただいて打たせていただきたいというふうに思っておりますので、また先生の方からもいろいろございましたら是非御要請いただければと、よろしくお願いしたいと思います。

○岡田広君 今日、産学官の関係者が一堂に集まりましてこの復興協議会を立ち上げて、今人を送っていただいているという、大変感謝を申し上げたいと思いますが、ここの北条商店街、つくば道というのは日本の道百選にも選ばれたところでありますし、やっぱり商店街が復興することがまさに観光振興にもなる、観光開発と組み合わせた商店街の復興も私はできるのだろうと思っています。
 ですから、この竜巻等による被災中小企業・商店街に対する支援について、東日本大震災、スケールが違うけれども、やっぱり被災者支援並みの金融支援、助成措置というのをしっかりまた検討していただきたいと要望しておきたいと思っております。
 それで、原子力のことで一点伺いますが、東日本大震災の地震、津波によりまして、原子力発電所で事故が起き、いまだに多くの方々が不自由な生活を送られています。この竜巻についても、いつどこで発生するか予測が全くできない、先ほどの、竜巻注意情報の精度、的中率はおおむね五から一〇%程度と、今後更なる精度向上に向けて取り組み、努力をするという答弁もありましたけれども、やっぱり原子力発電施設に対して、地震、津波と同様に竜巻を含む自然災害に対して万全の対策を取る必要があるんだろうと思っておりますが、この件については、保安院、いかがでしょうか。

○政府参考人(山本哲也君) お答えさせていただきます。
 我が国の原子力発電所につきましては、委員御指摘のとおり、風、降雪あるいは地震、こういった自然現象を考慮いたしまして安全上の審査というものを行っているところでございます。それと原子力施設につきましては、そういった自然現象の中で最も大きな荷重が掛かりますのは地震によるものでございますので、そのために、日本の原子力施設の建屋などにつきましては頑強なコンクリート構造という構造になっているものでございます。
 御指摘のような竜巻の場合でございますけれども、我が国の場合はF3級、藤田スケールのF3級の竜巻がこれまで最大級で観測されてございますが、これによります風圧でありましたら、この原子炉建屋、先ほど申しましたが頑強なコンクリート構造でございまして、大きな問題はないというふうには考えているところでございます。しかしながら、竜巻によります詳細な原子力施設への影響、これをきちっと評価をしていくことは大変重要だろうというふうに考えているところでございます。
 今後、アメリカ、これは特にハリケーンが多い国でございますので、アメリカでもいろんな手法が開発されているというふうに聞いてございますので、そういった手法を参考にいたしまして、今後の評価の在り方につきまして検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○岡田広君 是非お願いをしたいと思います。
 この竜巻の注意情報の精度の話を先ほど申し上げましたけれども、やっぱりこういうF3という国内観測史上最大の竜巻被害が発生をしたということになりますと、F4とF5という、これも分からないわけですから、しっかりとやっぱりこの竜巻についての国民への周知啓蒙ということ、これも大変大事だろうと思っています。
 情報提供の方法とか、防災基本計画について所要の改定を行うことが必要だろうと私は考えているんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 末松内閣府副大臣を座長としまして、それの総合的な見直しをしていこうということで、竜巻等突風対策の局長級会議というのを設置をいたしました。
 その中のテーマで、先ほど御指摘がありましたような、いわゆる観測・予測技術の高度化、あるいは住民への情報伝達の在り方、これをしっかり位置付けていきたいと思いますし、気象庁、消防庁においても同時並行的に同じような議論をしております。さらに、全体の枠組みでどういうふうに支援あるいは復旧を持っていくかということ、これについても、この会議でしっかり議論した上で七月中にはその結論を出していきたいというふうに思っております。

○岡田広君 今大臣から、竜巻等突風対策局長会議というんでしょうかね、七月末をめどに結論をまとめるという答弁がありましたけれども、このまとめを受けてからどういう形で支援策を現段階で考えているのか、お聞かせいただければと思います。

○国務大臣(中川正春君) 今ある状況の中では、先ほどそれぞれから答弁が出ましたけれども、運用ということの中でできる限り寄り添っていくということ、これだと思います。
 全体の枠組みについては、特にその法改正とか、新たなスキームといいますか、類型化といいますか、局所的に甚大な被害をもたらすような被害に対する類型化といいますか、そういうものを前提にした法改正あるいは新しいスキームということについては、次の国会あるいはその次の国会の中でしっかり議論ができるような形になっていくと、そんなスケジュール感でやっていきたいと思います。

○岡田広君 今大臣から答弁がありましたが、最後にこの点だけ伺いたいと思います。
 災害対策基本法の一部を改正する法律案、今国会に提出をされています。今国会で成立を目指しているということでありますが、まだ審議はされていないのかと認識していますけれども、これは東日本大震災を教訓にして広域支援体制が取れるよう国と地方公共団体の役割を強めたものになっている。この東日本大震災が起こるまでは市町村が破壊的被害を受けることは想定していなかった、今回の竜巻被害というのは想定していなかった改正ではないかと私は思うんですけれども、今回F3という竜巻被害が起きて、これ以上の巨大竜巻が起こらないとも限らないわけであります。
 自民党の中で、災害対策部会と内閣部会の合同部会で私もこの問題を発言をさせていただいたんですが、災害対策基本法の第二条に、この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによるということで、一つ、災害、暴風、豪雨、豪雪、洪水と。先ほど大臣が田城委員の答弁でお話がありました豪雨というのもこの中に入っております。竜巻という定義は入っていなかったんです。
 部会で私、竜巻はどこに入るんですかと聞きましたら、内閣府の担当官が暴風の中に入りますという答弁をされました。だから、ああ、暴風の中に入るのかなと。暴風の中に入るということであるけれども、今回これだけの竜巻被害が起きたのだから竜巻という定義をしっかりとこの法案の中に取り込むことが大事ではないかという話をして、自民党の部会ではこれを取り上げて修正協議の中で持っていこうということで決めたわけでありますけれども、今後やっぱり竜巻という文言を入れる。これもっと言いますと、大変申し訳ないんですが、昨日また災害対策と内閣部会がありました。全然内閣府の担当官はこのことに触れませんでしたが、自民党では竜巻を修正協議の中に加える。そのほかにもあります。そのほかのことは時間ありませんから言いませんけれども、そういうことになりました。
 ここだけは大臣、ちょっと認識していただければと思うんですが、そのときに私、竜巻の話を入れて是非お願いしたいと話をしたら、今度担当官は、いや、竜巻というのは暴風の中ではありませんと、その他の異常な自然現象だと訂正していました。間違うことはありますよ。それは私、別にそれをとがめるわけではありませんけれども、間違っていたということであれば部会の前に、内閣府の担当官は先日の部会で暴風の中に入るという答弁をされたわけですから、しっかりとした立場の方が来られたんだろうと思います。そういうことを一々言うつもりはありませんけれども、てっきり、そこで私が発言しなかったら、暴風の中という、竜巻入ると言っていましたよ。
 ですから、お願いをしたいことは、この竜巻という定義を是非、これ修正の中にこれからお願いをすることになると思いますので、是非お願いをしたいと思います。大臣のお考えだけ聞いて終わりたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 今回のいわゆる基本法の改正というのは、これで全てというわけではなくて、できるところからできるだけ早くもうやっていこうということで取りあえず出させていただいたものであります。
 それぞれの検討会、それから恐らく自民党の中でもこれから更に議論を深めていただくんだと思うんですが、そういうものの結論が出てくるのがこの夏から来年の春にかけてということになってまいります。それを受けて基本的な、特に大災害に対する対応、施策というのをまとめていきたいというふうに思っておりますので、それぐらいのひとつスケジュールでよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 先ほどの点については、また政党間でいろいろ御議論をいただくというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 それから、申し訳ありません、一つだけちょっと答弁で訂正させていただきたいんですが、田城議員にもお答えをしたことなんですが、栃木県の独自対応ですが、これ実は支給要領あるいは支給要項でやってしまうと、条例じゃなくて。県議会で予算はもう確保済みであるということでありますので、そこだけちょっと訂正をさせていただきます。
 ありがとうございました。

○岡田広君 終わります。ありがとうございました。

○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 今回の平成二十四年の五月六日に茨城県のつくば市などで大きな被害をもたらしました竜巻災害等に関連をしまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、質問に先立ちまして、この度の災害で犠牲になられた方々に対して心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきますが、先ほども委員の中で質問がございましたけれども、今回の竜巻災害からの復興に東日本大震災で大変評価が高い中小企業等グループ補助金等の支援策を活用できないかと、そういう質問でございます。
 まず、東日本大震災の復興支援の一つとして、地域経済の中核を形成する中小企業や商店街の再生のための補助金事業である中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業や、それに関連しまして長期無利子の貸付けを行う、そういう支援事業があるわけでありますけれども、これらの支援事業の概要及び実績について中小企業庁にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(加藤洋一君) お答えを申し上げます。
 まず、中小企業等グループ補助金でございますけれども、類例のない範囲と規模で災害が発生しましてサプライチェーンが広範囲にわたりまして寸断をしたということでございます。それに対しまして、地域地域で一からグループをつくり直さなければならないということになったことを受けまして、地域の復興のリード役となります中小企業などのグループの施設設備の復旧整備に要する費用につきまして、国が二分の一、県が四分の一を支援するという制度を導入したところでございます。これまで百九十八のグループ、三千二百八十九の事業者に対しまして国費と県費を合わせまして二千二百二億円の支援を実施しているところでございます。
 さらに、平成二十四年度予算としまして五百億円を計上しておりまして、この予算を活用するということで、平成二十四年五月一日から三十一日まで公募を実施しております。現在、県において案件の審査を実施していると承知しております。
 また、県の中小企業支援機関が窓口になりまして、グループ補助金の交付決定を受けた事業者に対しまして、その自己負担分となります四分の一部分、無利子で融資を行う支援を講じておりまして、これまで八十四の事業者に対しまして八十三億円の融資決定を行っております。こうした支援などを通じまして、引き続き被災された中小企業者の復興を支援してまいりたいと考えております。

○渡辺孝男君 今お話ありましたとおり、大変大きな支援策ということで、東日本大震災で被災を受けたそういう中小企業等は大変この事業に期待をしておったわけでございますけれども、今回の竜巻被害を受けた地域も東日本大震災で地震の被災等を受けておりまして、中には地域的に少しダブるようなところもありますけれども、このグループ補助金を受ける地域に入っているところもあるわけですね。
 先ほども、つくば市の北条商店街のお話出ましたけれども、あの地域もグループ補助金を受けている地域の中に入っているということでありまして、全く関連がないというわけではないと。復興しようとして頑張っているときにたまたまこういう竜巻被害に遭ってしまったということで、このグループ補助金等を何とか活用できないかというのが地元の商店街の皆様からの声でありましたけれども、そういう要望というのは県とか市とか、そういうところからも出ておるんでしょうか。

○政府参考人(加藤洋一君) 栃木県、それから茨城県並びにつくば市から御要望いただいてございます。茨城県からも、東日本大震災時の中小企業等グループ補助金並みの助成制度の創設、商店街の早急な復興のための現行助成制度の柔軟な対応、大震災時と同様に中小企業信用保険法の特例を設けるということが要望されてございまして、同様に、つくば市並びに栃木県からも同様な要望はいただいているところでございます。

○渡辺孝男君 私は、先ほどの委員会の報告でありましたとおり、五月の十七日にこの参議院の災害対策特別委員会の一員としましてつくば市の方も現地の調査に参加をさせていただきました。その後も五月二十九日に公明党の地元議員団とともに被害が大きかったつくば市の北条商店街、北条地区の商店街のところを改めて視察をさせていただきまして、やはり大変な被害を受けているということを実感したわけであります。
 先ほどからも北条商店街のことはお話ありましたけれども、これまで、江戸末期から明治にかけまして建てられた土蔵造りの店蔵というんですかね、そういう町づくり、町並みがありまして、そういうものを生かしながら、また町の特産物等を生かしながら、そしてまた地域の様々な方々の連携をいただきまして、町おこし、にぎわいのある町づくりというものを頑張ってきたわけでありますけれども、今回の東日本大震災では地震の被害が起きた。今回の竜巻で更にそれに上乗せして大きな被害を受けてしまったと。
 しかし、その北条地区の商店街の方々は何とかこの二度の災害から復帰しようと頑張っておるわけでありますが、やはりそこでもお話が出てくるのは、このグループ補助金を何とか使わせてもらって町の復興をしていきたいんだという要望でございますけれども、何とかそこを中川大臣、御検討をお願いいたしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 防災担当大臣の立場としては是非やりたいんですよね、やりたいんです。私も商店街お邪魔をしまして、皆さんのお話聞いたり、あるいはそれこそ商店街の町づくりのモデルとして頑張っておっていただくだけに本当に残念なことであったというふうに思います。
 実は、これまでも議論出ていますように、ああいう東日本大震災でつくった特例というのは、この事業以外にも幾つもあるんですね。一度その整理をしていかなきゃいけないと思います。その中で、ほかの地域に対しても普遍的に制度としてつくり込んでいくのと、それからあの東日本大震災の特例としてそのまま運用をしていくのと、ここをちょっと整理しないと、恐らくこのままでいくと全てが普遍化しなさいという話になっていくんだろうと思います。
 そのときにやっぱり財源の問題があると思うんですね。あの大震災の場合は特別の財源をつくってその中で運用しているということでありまして、やっぱり普遍化するときにはその財源も、御存じのように政府の立場としてはそれも議論をしていかなきゃいけないということでありますので、なかなか広げていくというのは難しい問題があるということで、私も煮え切らない答弁をさせていただいておるということであります。しかし、そういう見直しも含めてやっぱり議論をしていく必要があるというふうに思っています。
 その間、先ほど答弁が出ていましたように、今ある制度の中で精いっぱいそれぞれの知恵を出して、現場から出てくるものを何とか組み立てていく。災害に対しては出ないけれども、新しい取組としてこんな町づくりにしていきたいんだという将来の形についてはまたいろんなメニューがあると思いますので、そんなものも含めて、経産省の方で頑張っていけるように私も枠組みをしっかりつくっていきたいと思います。

○渡辺孝男君 東日本大震災のときには、最終的には人間の復興と、その被災に遭った方々がきちんと生活を再建して人間的に幸せな生活を再び得るということが最終的な目標でありますので、この度はたまたま竜巻災害が重なったということでありますが、被災された方は一緒、同じ方々なんですね、あのつくばの北条商店街の方々は。だから、同じ一連の流れの中で対応ができるんではないかと私はそう思っておりますので、よろしく御検討のほどをお願いをしたいと思います。
 次の質問でございますけれども、被災者生活再建支援法の見直し等につきまして質問をさせていただきますが、これまでも委員の中で質問がございました。それとダブることになりますけれども、今回の竜巻被害の場合は屋根の被害が大変大きかったということで、まあ雨漏りがすれば実際上直さなければ生活ができないということになりますので、ところが、やはり屋根だけが大きく壊れてもなかなか被害認定においては低く判定されてしまうと、そのようなおそれがあるわけでありますけれども、これは本当に柔軟な竜巻被害に特有な形での被害認定というものをしっかりしていただきたいと思うんですが、この点、郡内閣府大臣政務官、よろしくお願いいたします。

○大臣政務官(郡和子君) お答えいたします。
 先ほど、田城委員そして岡田委員の同様の御質問にも大臣から御答弁をさせていただいたところですけれども、屋根だけでなくて、外壁やまた建具、天井、こういったものの被害の程度についても調査していただくということで、それをプラスしていただくということでございます。内部の調査をしっかり丁寧にしていただくことで、半壊、大規模半壊等々認定されることになるものと、そんなふうに思っているところでございます。実際に住家の屋根が飛ばされたものの半壊の被害認定に満たなかったという事例は、今のところ両県を通じてなかったというふうに聞いているところでございます。
 いずれにいたしましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、丁寧に丁寧にとにかく調査をしていただくということと、そしてまた、国として実際にどういうような被害認定がされたのか、これをしっかり確認、検証してまいりたいと思います。

○渡辺孝男君 よろしくお願いしたいと思います。
 次の質問ですけれども、近年、竜巻や突風による災害が増えているわけでありますけれども、今回の甚大な竜巻被害のことを踏まえますと、被災者生活再建支援法の自然災害の定義でありますけれども、やはりこの第二条一の中にあるところの自然災害の定義の中には竜巻とか突風というものは入っておらないわけでありまして、今回の災害を通じてもその竜巻、突風というものは特殊な被害を受けるということでありまして、この被災者生活再建支援法のその部分を、やはり竜巻というような、あるいは突風というような形の自然災害があるんだということをやはり明記してもらって、それにふさわしい対応をすべきだと思うんですが、この点、中川大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 先ほどの議論で、担当者のいわゆる正式な答弁というのが、このその他の異常な自然現象に入れると、こういうことであったわけでありますが、今回こうしたタイミングで竜巻が起こったということもありまして、そうした類型化をそれ以外も含めて御議論していただくのも一つかというふうに思います。あとは、ちょっと政党間の議論の中で固めていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

○渡辺孝男君 それと併せて、やはり被災者生活再建支援制度の適用対象を、竜巻の場合は今回十世帯、市町村で十世帯の全壊にならない市町村もあったわけでありますけれども、できればこれを五ぐらいに、竜巻の場合は五世帯以上の全壊被害が出たというようなことであれば適用対象になるというようなところまでやはり検討を深めてもらいたいと思います。
 時間の関係で答弁は求めませんけれども、次の質問に入らせていただきますが、そういう様々な竜巻特有の被害に対しての対応をしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、ドップラー・レーダーの整備促進に関しまして質問をさせていただきます。
 私は、二〇〇五年に山形県で起こった突風によるJR羽越線特急いなほ一四号の脱線転覆事故のときにも視察をさせていただきました。また、二〇〇六年の北海道佐呂間町の竜巻災害の際にも公明党の視察団の一員として現地を調査をさせていただきました。そのときに、やはりドップラー・レーダーというのが大変有用だということを知りました。当時、冬柴鐵三国土交通大臣、気象庁に対しまして二十か所の整備をしっかり急ぐようにという、そういう指示も出されたと聞いておりまして、その後、全国二十か所のドップラー・レーダーの整備状況がどのようになっているのか、またそれを造ってきたことによってどのような成果が得られたのか、この二点をお聞きをしたいと思います。

○政府参考人(羽鳥光彦君) 気象庁では、平成十七年度以来、全国二十か所の気象レーダーについてドップラー化を進めてきてございます。現在までに十七か所がドップラー・レーダーになってございまして、残る三か所についても今年度内に更新を完了します。これによって二十か所全てが気象ドップラー・レーダーとなる予定でございます。
 また、ドップラー・レーダーの成果でございますが、これについては、まず降水や天気予報の予測精度の向上ということが挙げられますが、特に竜巻等の突風に関する情報の新たな発表ということが実現したということが大きいと思います。特に、平成二十年三月には御承知の竜巻注意情報の発表を開始しておりますし、さらに平成二十二年五月には竜巻発生ナウキャストという分布図形式の確度の情報の発表を開始してございます。
 以上でございます。

○渡辺孝男君 当時はドップラー・レーダー、全国にきちんと配備するという状況ではなかったので、山形でのJR羽越線のときには北側国土交通大臣でありまして、その後視察をさせていただいたことでドップラー・レーダーの必要性というのは大臣もよく認識をされておったわけでありますけれども、JR東日本も、突風によるJR羽越線の脱線転覆事故の後に、ドップラー・レーダーを余目駅という駅舎の上に造ってそういう災害対策に生かしてきたわけでありまして、やはりこのドップラー・レーダーの整備というのを進めるということが大変重要だと思いまして、本年度で目標の二十か所になるということで、大変うれしく思っているわけであります。
 そこで、次の質問でございますけれども、日本で、我々今まで竜巻・突風災害ということを余り認識していなかったのかもしれませんが、近年何か増えてきているんじゃないかという、被災の規模も大きくなってきているんじゃないかという印象を受けるわけでありますけれども、気象庁としまして、今後の日本の竜巻などの突風の発生の動向予測といいますか、これはどのような状況を予測されているのか、この点についてお聞きをしたいと思います。

○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えいたします。
 気象庁では、一九六一年以降の国内において確認されました竜巻について発生数をデータベース化してございます。これによりますと、竜巻の発生数や強さ、これに明確な長期的な変化は認められません。
 また、国際的な評価でございますが、気候変動に関する政府間パネル、IPCCという機関がございまして、ここで世界の有識者が集まって評価しているんですが、その気候変動に関する特別報告というのが昨年出まして、その中の評価によりますと、今後の竜巻の発生数等の長期的な変化傾向については明らかではないということで、現状について報告がございます。
 以上でございます。

○渡辺孝男君 最後の質問になりますけれども、今後日本で増えてくるかどうかはまだはっきりしていないということでありますが、今回の竜巻の災害は大変大きなものでありまして、やはり備えが必要だということでありますが、竜巻等の突風に対する防災、減災の対策の強化につきまして、大臣の決意、今後の対策等についてお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 総合的にこれ対策を考えていくということが大事だというふうに思います。
 局長級会議というのがセットされまして、もう既にヒアリング等々始まっていますが、アメリカにも派遣をして、それで現状、先ほどの予知ということも含めたものをやっていくということ。それから、避難の在り方であるとか、あるいは国民への普及啓発、あるいはまたライフライン、交通、公共施設等の対処の方法、あるいはその他被害の軽減方策、あるいはまた先ほどからお話が出ています被害者への支援ということ、こんなものを総合的に議論をしまして七月には対策として打ち出していきたいというふうに思っておりますので、また御議論をいただきたいというふうに思います。
 よろしくお願いします。

○渡辺孝男君 質問を終わります。

○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 まず冒頭に、この度の竜巻被害で被災された方々への心からのお見舞いを申し上げます。
 今後、国による災害対策がより被災当事者の方々の真の人間性回復からの、全体からの復興がなされるように審議を尽くします。
 質問に入ります前に、昨日の東日本大震災復興特別委員会で、子ども・被災者支援法案が全会派一致で提出され、本日、参議院の本会議で可決、成立をいたしました。発議者の一人として御礼を申し上げますとともに、衆議院におかれましては速やかに審議を、成立していただくようお願いします。
 本法案は、広域自主避難の方々への支援、外部被曝、内部被曝から特に子供や妊婦を始めとした被災者、国民の命を守るための方策、例えば食品検査体制の整備など、食品の安全確保などの具体的に政府が基本方針や計画を定めて行うことを決め、さらに子供の医療費の減免も、国に放射線による被害ではないという立証責任を負わせるという、いわゆるネガティブリスト方式の画期的な法律です。この法律が初めて、東日本の被災地、被災者の生活だけでなく、全国の人にとっても大きな希望の萌芽となると期待されています。
 この法案が内閣からは出ずに議員立法でということで、成立まで構想から一年近くたってしまいました。改めて、今の政権が政治主導による政策決定がなされない現状に絶望もしましたけれども、しかしながら、この法律の精神は、まさに以降質問することともリンクしてきますので、大臣や委員の、議員の先生を始め、子ども・被災者支援法についてを是非知っていただいて、最大限活用していただけるように御協力と、是非実施していただけますようにお願いいたしたいと思います。
 質問に入らせていただきます。
 中央防災会議・防災対策推進検討会議の中間報告が今年の三月七日に発表されました。このパブリックコメントが募集され、その結果の概要とパブコメに対する考え方が先週七日の第十回会議で示されました。ここでは様々な意見が出されていますが、多くのものが御意見として承りますとしか書かれていません。特に重要で本質的な意見に対しそうした回答がなされており、残念でなりません。
 例えば、災害救助法の所管を内閣府に移管せよという意見もありました。昨年五月十二日の厚生労働委員会でも私はこの問題を指摘させていただきましたが、内閣府がリードしてやっていくことは何ら検討されていないのだとしたら、大変がっかりしています。また、危機管理庁を設置すべきというものもあります。昨年五月二十五日の当委員会で放射線防護庁をつくるべきという提言もさせていただきました。まさに省庁横断的に取り組まなければならない問題について、この災害大国である日本で東日本大震災についてだけの復興庁しかつくられないのでは、国民の命を守れません。
 さらには、広域避難というものがたくさんされている中で、誰がどこに避難しているのかを把握するための仕組みであったり、また高齢者や障害者といった要援護者の情報を共有して援助ができるようにするということも、昨年五月十八日の当委員会において、昨年五月十二日の厚生労働委員会においても具体的に対応方法まで含めて指摘をさせていただきましたが、それも今回、やはり御意見として承るということだけしか書いてありません。
 一体、抜本的に災害法体系を見直すつもりがあるのでしょうか。上記三つ挙げた具体例に対し、今後、どのような見通しがあるのかをお答えください。

○国務大臣(中川正春君) まず最初に、先ほど議員立法のお話が出ましたが、本当にきめ細かく大事なところを参画をしていただいて議員立法にまとめていただいたこと、私からも感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 今回提出させていただいた法案というのは、まずできるところからということでありまして、まだ出発点です。これから本格的に先ほど御指摘されたような点についてはまとめて、そして法案化するところは法案化していく、あるいは制度としてつくっていくところは制度をつくっていくということで頑張っていきたいと思いますので、是非引き続き議論を、参加していただいて、一緒にお願いをしたいというふうに思っております。
 一つは、救助法なんですが、これも私も同じような思いを持っておりまして、ちょっと事務的にでもしっかり、いわゆる移管したときにどういう問題が出るのか、あるいは今のままでどこがネックになっているのかを整理して、その上でちょっと議論の俎上にのせていきたいというふうに思っていまして、そんなプロセスで今やらせていただいています。
 それから、危機管理庁なりあるいは防災庁なりそういう組織の問題、これについても、よくアメリカのFEMAのような体系も含めて議論すべきじゃないかということを御提起をいただいています。これについてもしっかりとした議論をしていきたいというふうに思っておりまして、今の体制の中でどういう組織形態にするのがいいかというのはこれからの議論ですが、しかし、御指摘のように、総合的に強い組織を持って統括をしていくということ、これはもう必要なことだと思っておりますので、組織的にもそれが可能になるような議論を是非していきたいというふうに思っております。
 それからもう一つは、何でしたでしょうか。

○川田龍平君 広域避難者の。

○国務大臣(中川正春君) 広域避難者ね。これについても、実はそれぞれ、特に首都直下であるとかあるいは南海トラフについてはいわゆる切迫性があるということに専門家の指摘がありまして、それを具体的に、もう少しそれに特化した形でいわゆる法案としてまとめていく、あるいは政策として具体的につくり上げていくということ、まずこれを先行して今やっていますが、その中でも協議会をつくりまして、それぞれ具体的な県、市町村あるいは関連機関ですね、民間も含めて、それがトータルで議論ができるような場づくりをしていこうというので、首都直下もそれから南海トラフも全体のそうした意味での協議会をつくりました。それをもう一つ南海トラフの場合はブロック化していきたいと思うんですが、その中で、先ほどのようなお話についても是非具体的に計画の中に盛り込めるようにつくっていきたいというふうに思っておりまして、そんな努力は続いておりますので、また御提言いただければ有り難いというふうに思います。

○川田龍平君 昨年の五月十八日に当委員会で質疑をさせていただきました。広域避難というのは遠い距離を移動している避難者のことで、是非、自治体間のそういった避難をした人たちがどこにいるかということを把握できるかのような、そういった仕組みというのを是非提案していますので、それについて具体的に検討していただきたいということと、それから、高齢者やそれから障害者といった要援護者についての情報を是非共有していただきたいということ、それについてはいかがですか。

○国務大臣(中川正春君) それについても問題意識を持っています。特に、いわゆる個人情報保護法との関係をどうするかということ、これがそれぞれ現場で問題点として出ておりまして、災害のときに過剰に個人情報だからということで活用ができないということであってはならないんではないかという御指摘があります。その辺も押さえて総合的にシステムとしてつくっていくということが大事だと思っていますので、これも検討しております。

○川田龍平君 ありがとうございます。済みません、ちょっと時間がありませんので、端的に答弁お願いします。
 続きまして、防災対策推進検討会議の最終報告はいつまでにして、上記のパブコメへの対応も含めどこまで盛り込むのか、いつまでも議論ばかりをしていては、いつ次の災害が起こるかも分かりません。早く具体化をして、先送りをしないでいただきたいと思います。意見を聞きおくというだけではなく、何をいつまでにどこまでやってくれるのかを示されなければ、法改正や法の運用も含めて具体像が全く見えません。どういうスケジュールで災害対策法制全体の見直しを行っていくのかを端的に御説明ください。

○国務大臣(中川正春君) 今秋の、今秋というのは今年の秋ですね、の臨時国会にもう一つ出す、それから、最終的には次期通常国会に向けて法制として整理ができるように頑張っていきたいというふうに思います。

○川田龍平君 ありがとうございます。
 法の運用に関しては、例えば災害救助法の運用について、昨年三月二十四日、二十五日の厚生労働委員会でも指摘させていただきましたが、二十三条で生業、なりわいに必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与があり、第二項には、救助は、都道府県知事が必要があると認めた場合においては、前項の規定にかかわらず、救助を要する者に対し、金銭を支給してこれをなすことができるとの条文があります。しかし、厚労省の職員が作成した災害救助事務取扱要領に基づいて、現物給付だけで、現金給付をしておりません。実施要領をしゃくし定規に採用するのではなく、条文どおり法律に基づいて実施すべきではないでしょうか。
 今年の一月十七日にクリエイツかもがわから出版された「「災害救助法」徹底活用」に多くの事例や提言が掲載されていますが、現場やそこにかかわる学者からの提言を真摯に受け止めていただき、事務取扱の改定を行っていただきたいのですが、そうした検討はされているのでしょうか。
 現金支給に関しては、中間報告のパブコメに対しても検討を進めるとの回答がありますが、具体的にいつごろ、どういう検討結果が出されるのでしょうか。
 それぞれ、厚労省と内閣府に伺います。

○大臣政務官(津田弥太郎君) 川田委員にお答え申し上げます。
 この災害救助法に基づく救助というのは、災害に対して応急的に必要な救助を行い、応急的に、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的に実施をされるということでありまして、現に救助を必要とする者に対して現物をもって行うことというふうにされているわけでございます。
 被災者の方々の生活再建、こちらの方につきましては、雇用調整助成金の活用、あるいは長期かつ低利の公的貸付制度、これらが整備、拡充をされておりまして、これらの制度を活用することにより、被災者の早期生活再建を支援しているわけでございます。
 災害救助法では、例外として現金給付ができるという規定があるわけでございますが、これは真にやむを得ない場合、例えば火葬を御遺族が早くしたいということで先に火葬をされて、その後、その費用をお支払いするというのがこういうケースに当たるのではないかというふうに思っておるわけでございますが、こういう対応、真にやむを得ない場合、しかも現金の支給によって救助の実効が期待できる場合に限って行うべきというふうに考えておるわけでございます。
 この御指摘の現金給付につきましては、防災対策推進検討会議、ここでも検討課題となっておりまして、全体の見直しをしていくということになっておるわけでございます。

○国務大臣(中川正春君) 現況の法の仕組みというのは先ほど厚生労働省からの説明なんですが、それを含めて、さきの防災対策推進検討会議で最終報告に向けて議論を決着させていきたいと思います。

○川田龍平君 中間報告で災害関連死の認定手続の仕組みの確立についても御意見として承りますとされていますが、この問題も何度も私が厚生労働委員会で取り上げさせていただいております。自治体の役割だとは承知していますが、当時の厚生労働副大臣からも検討するとの回答も得ていますので、それが一年以上たってもいまだに放置されていると、こんなことで東日本大震災の教訓を今後に生かすことができるんでしょうか。
 そして、その答弁は回しますが、最後になりますが、資料を配付させていただいております。関西学院大学災害復興研究所が東日本大震災の前年にまとめた災害復興基本法試案です。試案の前提となる七つの配慮、被災地の自決権、復興の個別性、被災者の営生権、法的弱者の救済、コミュニティの継続性、一歩後退の復興、多様な復興指標といった配慮。また、被災者の主体性の尊重、被災地の地域性の反映、人間復興を推進する基盤の構築といった三つの尊重事項にまつわる、資料にありますような十の留意事項、こうしたものを阪神大震災の被災の経験から十六年、事例については一九九一年の雲仙普賢岳の噴火災害以降の事例から洗い出してまとめられてあります。
 災害復興哲学の成果として発していたのに何の対応もされないまま、しかもこの翌年に当たる昨年の東日本大震災によって三万人もの命を奪った大災害があったにもかかわらず、抜本的な災害対策法制が改正されずにその場その場での対応となっている現実、この試案について、政府はどのような評価をされているんでしょうか、中川大臣、お答えください。
 それでは、この法改正にどのように生かしていけるのかを是非最後に大臣にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 復興という課題については、それぞれ災害が、大災害が起こった、その災害についての特別法で復興法あるいは復興計画というのがなされていまして、そういう体系で進んできました。
 ここでも御指摘のように、そういうことではなくて、いわゆる復興ということについての枠組みを恒常的に法制化していくということ、これが一つの課題だというふうに思います。そういう面ではこの試案というのは非常にいい視点を与えていただいたんだということ、そういうふうに受け止めさせていただいております。
 そういうことで、そうした体系、今の基本法の中でそれをやっていくのか、あるいは新たに作っていくのか、そんなことも含めて検討しながら復興というものについても取り組んでいきたいというふうに思います。

○川田龍平君 ありがとうございました。

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 五月の竜巻、突風によってお亡くなりになられた方々、御遺族の皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 私からも、まず、被災者生活再建支援法の適用問題について質問したいと思いますが、もう何回もありましたので、現地からは、同じ日に発生した竜巻被害なのに支援されるところと支援されないところがあるのは納得いかないという極めて当然な声が上がっております。
 その点について、先ほど大臣は、被災者にとっては同じだと、あっちに住んでいようがこっちに住んでいようが、受けた被害は一緒なんだからという御答弁がありました。これは非常に大事な御答弁で、この趣旨をその見地で是非見直しをしていただきたい。
 その上で、僣越ながら私、二つほどサジェスチョンをさせていただきたいんですけれども、それは、まず大臣が、地方が、この制度は、支援法は互助的に対応していくものなんだ、それから保険的な制度なんだと、こうおっしゃられました。ただ、私は、阪神・淡路大震災の直後、この参議院の災害特のメンバーでして、議員立法でこれは作ったんです。最初は被災地周辺の議員有志が法案を作りましたけれども、当時の与党自民党の皆さんがそれをなかなかよしと言っていただけませんで、いろいろ調整した結果できたんですが、私たちの元々の被災地の精神は、これは、やはり住宅再建というのは個人財産の補填ではなくて、憲法二十五条が要請する生活に必要な、生存にとって必要なものなんだから、これは国が支援するのが当然だという議論をさせていただきました。ところが、それがなかなか当時の政府から認めることができなくて、いろいろ知恵を出されたんでしょう、その結果として都道府県が拠出する基金という形になったわけですね。
 しかしながら、ですから、最初は基金で個人財産の補填はしないんだということなので、住宅本体に対する支援は全くありませんでした。利子だけしか駄目なんだと。しかし、それが、鳥取の震災後の鳥取県独自の制度、そして中越などの大規模災害の運動、こういうことになって、二〇〇七年、御存じのとおり、全壊世帯に三百万円最高、住宅本体を再建するときの支援金として利用してもらってかまへんということになったわけで、そういうふうにずっと変遷してきたわけですね。ですから、個人財産への補填はできないという当初の言い分は、もう完全に住宅再建本体への支援金ですからね、これはもうクリア、ずんずんとしてきているわけですよ。
 そういうことを踏まえて認識していただきたいし、現に、支援の要件もこれまで支援法ができてから四回にわたって見直されてきたということですので、これ、そういう点から踏まえるならば、今度の竜巻・突風被害に鑑みて柔軟に見直すことは極めて大事なんではないか。
 この元々の精神、そしてそれが発展してきたこと、それから現実にも四回見直してきたこと、こういうことを踏まえてしっかり対応するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) これから様々に理論構築をしていかなきゃいけないんだろうと思うんですが、いい御示唆をいただいたというふうに思います、はい。

○山下芳生君 是非生かしていただきたいと思います。
 次に、これも大臣触れられましたけれども、災害救助法による住宅の応急修理なんですが、資力要件が残っているんだというお話がありました。これも一部残っておりまして、これは障害になっております。
 この救助法は、しかしながら支援法に合わせる形で、もう御存じのとおり、全壊と大規模半壊に対するこの資力要件というのはもう撤廃されております。今残っているのは半壊でありまして、例えば四十五歳未満の方でありますと、年収五百万円を超えちゃうと受けられない。ちょうど子育て世代が頑張ろうというときに残念ながらこの応急修理が受けられないということになっておりますが、やっぱりこれは残しておく理由はもうないと思います、これは。現に、大規模半壊それから全壊についてはなくしているんですから。これはもう理論構築は要らないと思います。
 ここはもうすっと見直せばいいと思うんですが、これは大臣の前に、厚労省、よろしくお願いします。

○大臣政務官(津田弥太郎君) 今御指摘をいただきましたように、被災者生活再建支援法と災害救助法は立て付けが違うわけでございます。この災害救助法による住宅の応急修理というのは、災害のため住宅が半壊以上の被害を受けた人で、自らの資力ではその修理ができない人に対して救助の一環として実施をするという考え方に立っているわけでございます。現行の所得要件については、平成二十一年度に、応急修理の更なる活用を促進するため、特に修理に多額の費用が掛かる住宅の全壊それから大規模半壊について所得要件を撤廃する、今御指摘いただいたとおりでございます。制度の弾力化を図っていることは御指摘のとおりでございまして、有効に活用されるように改善を行っているところでございます。
 この所得要件を撤廃しろという委員の御指摘であるわけでございますけれども、厚生労働大臣を含む関係閣僚等がメンバーになっております防災対策推進検討会議において災害救助法を含めた災害法制全般の見直しの検討を行っておりまして、今年の夏ごろを目途に最終報告が行われる予定であります。この中で、住宅の再建のための制度である被災者生活再建支援法との整合性、今委員もおっしゃいました、含めて検討をされることになるというふうに私どもは考えておるところでございます。
 なお、住宅の応急修理は、半壊以上の被害を受けた住宅の破損箇所について必要最小限度の修理を行い、日常生活を営むことができるようにすることを目的とするものであり、個人資産としての住宅の損害を補償するものではないということのため、こうした制度の趣旨を踏まえると、現在の基準額の引上げということを図ることはかなり困難ではないかというふうに考えております。

○山下芳生君 最後の一言は要らないと思いますよ。竜巻で屋根が飛んじゃったところを私たち見に行きましたけれども、これ屋根飛んだら五十二万円で直りませんよ、これは。これは見直す必要があるということは一言申し上げておきたいと思います。
 それで、次に、昨年の台風十二号災害、紀伊半島大水害による河川の堆積土砂について聞きたいと思います。
 奈良、和歌山、三重の紀伊半島三県では、土砂崩れ、地すべり、深層崩壊が多発をいたしまして、河道閉塞によるせき止め湖の発生などが起こりました。そのせき止め湖の越流、決壊のおそれによる長期の住民避難も強いられたわけでありますが、政府による報告では、紀伊半島三県の崩壊土砂の量は推定約一億立方メートルに上って、東京ドーム八十杯分に当たると。豪雨によるものでは戦後最大の土砂災害というふうに言われております。
 こうした大規模な土砂災害を受けて、紀伊半島三県を流れる河川には今大量の土砂がたまって河床が上がっております。もう住民や自治体からは、これから台風のシーズン、出水期を迎えるに当たって、このままでは通常の台風でも越流してしまうんじゃないかという不安の声が上がっております。
 実際、和歌山県田辺市本宮地区、私も行きましたけれども、これは河床が三メートル上がっております。それから、一番堆積土砂が多いと思われる、九割ぐらいあるんじゃないかと思われる奈良県でも、場所によっては十メートル上がったところもあります。
 そこで、まず国交省に聞きますが、この十二号災害の被災地で一番大きな河川である熊野川について、堆積の土砂量は幾らか、それから除去すべき土砂量は幾らか、それぞれ河川管理者別にお答えください。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘の平成二十三年台風十二号によりまして熊野川の本川に堆積した土砂について御説明いたしますと、まず、奈良県、三重県、和歌山県それから国が管理している区間がございます。
 まず、奈良県が管理する区間では約五百万立方メートル、それから、三重県、和歌山県、これは川の真ん中が境界になってございますが、この区間では約四百三十万立方メートルというふうに県の方からは聞いております。それから、国が管理しております区間、これは河口よりおおむね五キロぐらいなんですが、これは全体として見ればむしろ洗掘を受けておりまして、いわゆる土砂の堆積はございません。
 このうち、除去を必要とする、除去すべき土砂の量については、和歌山県では今回堆積した約四百三十万立方メートル、それから奈良県では、当面ということでございますが、約百七十万立方メートルの撤去が必要だと、こういうふうに聞いているところでございます。

○山下芳生君 今お答えにあったとおりなんですが、熊野川水系というのは一級河川なんですが、しかしながら国が管理する直轄区間は河口から僅か五キロメートルしかないんですね。えらい短いんですよ、大きな川なのに。あとは全部各県の責任で大量の土砂を除去しなければならないということになっております。今聞きましたら、国管理区間には土砂は堆積していないというんですね。全部、県がやらなあかんということなんで、これでいいのかと。
 私は、平時の河川整備ならそういう分担、恐らく、もし決壊、越流した場合の生命、財産の被害の甚大さから見てここは国がやりましょうとなっているんでしょうけれども、平時の河川整備ならその区分でいいでしょう。しかし、これだけの記録的豪雨による大水害の後始末ですから、これはそういうことでやっていたら間に合わないんじゃないか。せめてこういうときは、その復旧というか整備に当たっては国が特別に支援すべきではないかと、こう思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 具体的にどれぐらいの予算規模が必要かということをしっかり押さえた上での話になると思うんですが、災害あるいは防災対策に対して地方交付税で裏打ちするような方法もありますし、様々に具体化できる流れというのをやっぱりつくっていくということが大事だと思います。
 実態、一度、私自身も調べさせていただきます。

○山下芳生君 今の、大臣に聞く前に国交省に聞くべきでした。どうですか。

○大臣政務官(津島恭一君) 今の御指摘でございますが、河川管理におきましては、平常時の管理と災害時、この対応が違うというのはおっしゃるとおりだと思います。そしてまた、これが一体的にまた行う必要もあるということだと思います。
 災害復旧につきましても、一義的には平常時では河川の状況を把握している河川管理者が実施していくというものでありますが、一方で、昨年の台風十二号による災害につきましては、近畿地方整備局等により緊急調査、あるいは関係自治体へのリエゾン、あるいはテックフォースですね、災害対策車両の派遣等を行ってきたところであります。また、大臣の、これは国交大臣でありますけれども、指示によりまして、紀伊半島台風十二号災害緊急対策チームを設置するとともに、関係府省と和歌山県、奈良県、三重県から成る紀伊半島大水害の復旧・復興に関する国・三県の合同対策会議を三回にわたり開催し、連携、そしてまた調整を図ってきたところであります。
 引き続き、災害復旧事業につきましては、台風十二号による災害の復旧にしっかりと支援をしていきたいと、こう考えております。

○山下芳生君 もう一度、最後、大臣にちょっと今の御答弁も踏まえて確認したいんですが、今答弁あったんですけれども、復旧については支援したいと。ただ、河川の土砂の堆積というのは復旧に当たるかどうかというところで、まず、いろいろもめているようですよ。ですから、今、三県からは、これはもう是非国が、こういう場合なんだから区間を広げて堆積土砂のしゅんせつをしてほしい等の要求が出ております。
 ところが、なかなかうまいことそれがいっていないのが現実で、今、目の前に河床がずっと上がったままになっていて危ないんじゃないかと思われているので、これ、是非、大臣、自分でも調査してみたいとおっしゃいましたので、是非調査していただいて、三県とそれから国交省の間で何か詰まっているものがあるんじゃないかと、そこをよく政府としても交通整理していただいて、まず、どこがどうやろうが、これはやっぱり住民にとって危険を除去するというのが何よりも大事ですから、そういう立場で、大臣、役割を発揮していただきたい。いかがでしょうか。

○委員長(松下新平君) 時間ですので、簡潔にお願いいたします。

○国務大臣(中川正春君) 調整させていただきます。

○山下芳生君 えっ。

○国務大臣(中川正春君) 調整をさせていただきます。

○山下芳生君 分かりました。
 時間どおり終わります。

○委員長(松下新平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
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