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中川正春 NAKAGAWA MASAHARU


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参議院 内閣委員会(新型インフルエンザ対策特措法(午後)/浜田委員、川田委員、糸数委員、舛添議員)

平成24年4月17日(火)

○委員長(芝博一君) 休憩前に引き続き、新型インフルエンザ等対策特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 この新型インフルエンザ等対策特別措置法案は、重要な法案ということでありまして、予算関連法案じゃありませんけれども、三月九日に閣議決定、国会提出された後、もう三月の段階から与野党協力をして、三月十六日に提案理由説明、衆議院段階ですね、二十三日質疑、二十八日にまた質疑、採決、三月三十日に衆議院の本会議採決がなされました。
 ただ、その段階で多分、議事録を見ましたけれども、言及がなかったので各委員が気付いておられなかったかもしれませんけれども、日弁連が法案に反対する会長声明って出されたんですね。今日、委員の皆様に参考資料で配らせていただきました、クリップ留め外していただいた二枚目の資料なんです。
 こういうことが書いてありまして、本法案には強制力や強い拘束力を伴う広範な人権制限が定められている、本法案においては人権制限を適用する要件も極めて曖昧であると。例として新型インフルエンザ等緊急事態宣言の要件というのが挙げられているのと、もう一つは、個別の人権制限規定にも多くの問題があるとして、多くの者が利用する施設の使用制限等という条項と、もう一つは指定公共機関に対する総合調整に基づく措置の実施ということで、いわゆる民放事業者にも指定公共機関とされ得ると。ただ、これについては答弁でされないとされていますので、これは排除されたと思いますけれども、こういうことから、本法案の適用により国民の人権が広範囲に制約されることに鑑みれば、法適用の根拠及び各措置の結果等については随時全面的に情報公開を行い、専門家らを含む第三者が広く検証できるようにすべきであるという、こういう御意見を出されているんですね。
 あわせて、私、予算委員会の理事なんですが、舛添委員が、当時、三年前のときの厚労大臣であります、予算委員会で四月四日に発言されたんです。その発言された議事録も今日、参考資料で配らせていただきました。
 これは、野田内閣の基本姿勢ということであったわけですが、テーマにされたのが徹底した情報公開と現場第一主義と。その例として三年前の、この法案の、これを受けた法案について言われていまして、この度、新型インフルエンザ等対策特別措置法というのが衆議院で通りました、私はこれよく読んでみました、残念ながら、私が新型インフルエンザに大臣として対応したときの経験、それが十分に生かされていない、もっと言うと危機管理にむしろ逆行する面があると、こうおっしゃっているんですね。私は是非、参議院においては参議院らしい議論をして必要な修正を加える、そういうことを同僚の皆さんにも申し上げたいと思いますと。
 具体的な例が挙げられています。二点言われているんですね。一つは、三年前も、あのときは強毒性ということで全部厚生労働省の行動計画作っていた、ところが、やってみたら豚インフルで弱毒だった、作ったものの何の役にも立たないどころか、手かせ足かせになったと御発言されています。裏のページに行きますけれども、もう一点が、この法律の中に、厚労大臣や知事がお医者さんにこうやれということを指示できるということになっている、インフルエンザが来たときに現場の医師に任せた方がいい、現場の医師がこう変えてくれって言ったら聞きますよと書いている条文ならいいんですけどということで、具体的には三十一条、医療等の実施の要請等の例を挙げておりまして、かえって邪魔になる可能性があるところは、我々は立法府としてこれはきちんと修正は加えるべきは加えるべきだということを申し上げるという、こういう発言があったんですよ。
 そういうことで、参議院としてはこれは慎重審議をしようということになりまして、急遽、四月においては、十日に提案理由説明を終わった後、十二日に衆議院では行いませんでした参考人質疑をさせていただきました。そしてあわせて、本日の質疑では、御発言された舛添委員を、この委員会の委員ではないんですけれども、委員外議員として朝の理事会で認めるということで皆さん理事が合意いただきました。その御配慮は本当に皆様、感謝したいと思います。
 ただ、問題なのは、政府の対応はちょっと私はおかしいなと思ったことがあるんですよ。私はこの法案には反対じゃありません。三年前も自公政権当時にこのプロジェクトチームにいましたから、法案必要と思っています。ただ、それは政府への信頼が、ちゃんと執行していただける、適切に、そういうのが前提なんですが、この参考人のメンバーの選び方でちょっと私はおかしいと思ったんですね。こういうことが日弁連とかで議論になっているわけですから、参考人は推進派の方々、お医者さん、実際はWHOの尾身先生、又は感染研の田代先生、そして経団連の久保田さん、来ていただきました。ただ、こういうことが議論になっているんだから、法律学者はやっぱり本来入れるべきですよね。
 いわゆる、やっぱり有事法制のときには私権制限は必要と思っています、有事法制ですから。しかし、それが適切かどうかというのを議論することが重要なんで、その参考人を入れてこなかった。それは、確かに参考人決めるのは国会の委員会なんだけれども、私も裏方やっていましたから、役所にいましたから、役所の方が大体こういう人がいますよと、反対派は呼びませんので、推進派でも慎重な方を呼んで慎重な意見をいただくというのが本来のやり方なんですよ。それをなぜそうされなかったのか。そこで私はちょっと不信感を持ったんで、場合によっては附帯決議で終わる話も、政府に信頼がないんであればそれを縛るのが立法府の責任ですから、やらざるを得ないなと思った次第でございます。
 まず、中川大臣に、もう少し参考人質疑を充実させるために、なぜそういう方々を推薦されなかったのか、御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) さっきお話しのように、参考人質疑、誰を呼ぶかというのは理事会を中心にこの国会の方で議論していただいて決めていくということが前提になっていますので、私の方になぜこういう人を推薦しなかったのかと言われて、それが最終的な結論だということになるとちょっと困るところがあるんですが、御指摘のように、法律にもこれは密接に関連をしているということ、同時に、先ほど日弁連からの意見書といいますか、そういうものが出てきているということ、これを十分に私も理解をさせていただいて、その上で、恐らくまだはっきりしない部分というのは確かに先生方の立場からいくと多いんだと思います。
 これは政省令に落としていくという過程の中で一つ一つが具体化していくということ、これが前提になっておりますので、そこのところがどうも歯がゆいと、あるいは絵柄が見えないというところがあるんだと思うんです。それを決めていくといいますか議論をしていく過程で、是非とも様々な人の意見、あるいはまた委員会を構成していく中で、専門家の委員会を構成していく中で様々な方の意見というのをこの中に組み込んでいきながら、具体的な政省令、あるいは行動計画、あるいは対処計画というものを作っていくと、そういう枠組みはしっかり踏まえていきたいというふうに思っております。

○浜田昌良君 確かに参考人を選ぶのは国会の委員会なんですけれども、実際は、御存じかと思いますが、前の日の夕方段階では法律家は入っていなくて、わざわざ私は同志社大学の川本先生というのを夕方の時点で電話をして、翌日京都から授業を取りやめて来てもらって、結構聞いてもらって良かったと思いますよ。
 そういうやっぱり慎重さというのかな、それは今後政省令作る段階で幅広く意見を聞きますと、それだけで済むんだったら立法府要らないんですよ。立法府というのは行政の権限の濫用を防ぎ、裁量行為を羈束行為になるべく変えていくというのが本来の役割なんだから、それはやっぱり立法の議論をちゃんとさせるように、やっぱりそれは政府としてやってほしいと思います。
 次にお聞きしたいんですが、午前中の質疑の中で、公開の場でいろんな方と意見交換をしてきましたということを大臣は答弁されました。であれば、なぜ日弁連はこういう声明を出したんですかね。日弁連との間で公開の意見交換はされたんでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 日弁連に対してはこちらから日弁連に説明に伺って、そのときに意見交換がされているんだというふうに認識をしております。

○浜田昌良君 意見交換をして、彼らの意見はこう踏まえたというのはどういうところなんですか。

○国務大臣(中川正春君) 人権制限の部分での要件が曖昧であるということ、これの指摘であるとか、先ほどお話がありましたけれども、スペイン・インフルエンザからの推計に基づく被害想定が科学的根拠を有するということが疑問であるとか、あるいは、新型インフルエンザ緊急事態宣言には国会の事後承認を要するものとするとともに国会の事前承認を延長の要件としていくということ、あるいは、施設の使用制限等、四十五条について要件が曖昧であるということ、こういうことで本法案に反対するというようなことだと理解をしております。
 これ、相当部分が運用にわたる部分が大きいわけでありまして、そこが、医学・公衆衛生分野を始め、地方行政あるいは危機管理、法学、先ほどお話がありましたが、広範な分野の学識経験者の意見を聞いて、政府行動計画の中でこうした懸念といいますか、そういうものを受け止めながらしっかり作っていくということだというふうに思っております。
 また、特に私人の権利を制限する規定ということについては、国民の自由と権利が尊重されるべきことに鑑み、新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するための必要最小限のものとしていくということ、こういうことを明文化しておりまして、もう一方で、その推計というものについては、これは弾力的に、今もう決めてそれで未来永劫というんではなくて随時最新の科学的知見を踏まえて見直していくという想定で、法的に置くんじゃなくて、運用の中でこうした知見というのを絶えず更新をしていくという努力をしていくという前提で作っているということであります。

○浜田昌良君 今、大臣答弁されましたけれども、第五条に確かに「基本的人権の尊重」という規定がありまして、国民の自由と権利に制限を加えるときには必要最小限のものでなければならないと書いてあります。しかし、これが単なる床の間に飾られる理念だけなのか、これが本当にいわゆる実施される規定なのかが問題なんですよ。その担保規定何もないんです、これは。実はこれだけ、理念、一条だけなんですよ。
 それで、日弁連も問題にしているのは、担保するために、先ほど配りました資料の裏の面ですけれども、法適用の根拠及び各措置の結果等については随時全面的に情報公開を行えとおっしゃっている。これ、重要なんですね。確かにこれは重要なんです。これがあれば、この五条という規定が本当に実施される実施規範になっていくんですね。
 そういう意味では、私は、今回の実施に係る記録を作成し、保存、公表すると。別にそれをアクションする前提にはしませんよ、急ぐんだから。しかし、事後検証できるように、特にこの新型インフルエンザ等の緊急事態宣言、これ一番重要ですから、この決定に至る記録については会議録等の経過記録等、科学的根拠となるデータは完全に保存して国民への説明責任を果たすことが重要だと思っているんですね。
 なぜかというと、こういうものも、三年前もありましたけれども、やっぱりやってみて改善していく一種のPDCAのサイクルで徐々に人権制限をなくしていくと。サイクル重要ですよね、その観点からこの記録を残していくことは重要と思いませんか。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のとおりだというふうに思います。
 それで、そのことを担保するためにも、いわゆる基本的対処方針の決定や変更の際は、法案第十八条第三項において、公示してその周知を図る旨が規定をされておりまして、同時に、公文書管理法に基づいて文書の作成が義務付けられているということ、これは公文書管理法第四条第二号なんですが。それから、都道府県で要請や指示を行う場合も公文書管理法を踏まえて適切に対応していただくということが前提になっていると、これは公文書管理法第三十四条ということであります。

○浜田昌良君 大臣、公文書管理法があるから大丈夫とおっしゃったんですけれども、公文書管理法があっても今回の原発災害で議事録作れなかったじゃないですか。だから、そういう意味ではこの法律で書くことが私は必要と思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 法案第十八条第三項において、公示してその周知を図る旨ということで規定があるというふうに理解をしております。

○浜田昌良君 今おっしゃったのは、その十八条三項というのは基本的な対処の方針を決めたときにはこれをするということだけなんですよ、公表をするというね。私が聞いているのは、緊急事態宣言とか具体的なアクション、また、場合によっては私権制限のための要請とか指示があるじゃないですか。ただ、その前提条件にするのは私は重いと思うんですよ、やっぱりアクションが必要な、即座にしなきゃ。ただ、それがある程度後で検証できるように何らかの記録を残していくということをほかのアクションにもちゃんと掛けていくというのは重要だと思いませんかということなんですよ。

○国務大臣(中川正春君) いや、御指摘のとおり、今回の原子力始め危機対応の場面でそれができていなかったということでありますが、法律の体系の中ではそれはしなければならないということになっておりますし、当然、今回の反省を踏まえて、この法案の前提というのはそれを残しておく、あるいは情報開示をしていくということであります。

○浜田昌良君 ありがとうございます。是非そういう対応をしていって、こういうものについて、やっぱりさっきも言いましたように、PDCAのサイクルをうまく回しながらより適切なものを、より人権制限少ないものをやっていくという姿勢が重要だと思いますので、そのための記録を残すというのは是非、それぞれの基本方針だけじゃなくて、具体的な要請とか指示についてもしていくことを再度お願いしたいと思います。
 次に、国民の権利利益救済に係る手続に関する制度設計の問題について質問したいと思いますが、先般の参考人質疑で川本参考人からこういう発言がありました。人権侵害が起きたときには、精神医療については精神医療審査会、感染症については感染症診査協議会が置かれているが、この法律には全くないというのはちょっと奇妙な感じがすると。なぜ規定しなかったんでしょうか。これは大臣及び法制局にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(松永邦男君) 恐縮でございますが、お尋ねの内容につきましては、まさに施策の措置の内容に、必要性にかかわる判断というところでございますので、ちょっと私どもからのお答えというのは差し控えさせていただきたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第二十四条、感染症診査協議会なんですが、それから、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第十二条、これは精神医療審査会を決めているんですけれども、これにおいては、お尋ねのとおりに、入院措置の必要性及びその期間を判断する際に行政の独断に陥ることを避けるといった観点から、第三者機関、これの規定が置かれております。
 本法案においても権利制限的な規定が設けられているという、これはもう確かでありますが、これらの規定は、感染症法の入院措置のように罹患者の活動の自由を直接的に制約するものではなくて、また罰則によってその実効性を担保しているというわけでもないことから、第三者機関を設けるまでの必要はないというふうに判断をさせていただいたということであります。

○浜田昌良君 じゃ、そうしますと、現行の感染症診査協議会の診査対象に今般の法律で規定される新型インフルエンザ等は含まれないんですか。

○副大臣(辻泰弘君) 都道府県知事が新型インフルエンザ等の患者に対する入院措置等を実施するに当たりましては、その必要性等について、専門的観点や人権尊重の観点から第三者機関である感染症の診査に関する協議会において審議することとなっているところでありまして、新型インフルエンザ等も診査の対象となるものでございます。

○浜田昌良君 これ、川本参考人の議事録を是非、大臣読んでください。
 これ、三年前に実は対象になっているんですよ。対象になって、診査してくださいと言われたと。ところが、診査がしていられないんですよ。対応困難になって、どんどんファクスが送られてくると、事後でもいいと、結局、もう国はいいですよと、こうなっちゃったという。非常に曖昧な規定になっているんですよ。
 そういう意味では、今回、こういう人権制限が少なく、うまく対応してもらうことを期待していますけれども、こういう現場の混乱があって、川本参考人からは、規模が大きいので別の体制を考えてほしいと言われているんですよ、今のこの対象になっているんだけど。そういう声もあることを厚労省は御理解をされていますか。

○副大臣(辻泰弘君) そういった御意見があることは承知しております。

○浜田昌良君 もう一点、この法案で是非考えてほしいのが補償の問題なんですね。これについて、この補償は六十二条で損失補償の規定があります。また、六十三条に医療関係者が死亡した場合の損害補償というのは規定されています。しかし、これだけで十分なんでしょうかという問題なんですね。
 特に問題なのが、その四十五条で、感染を防止するために協力要請ということで、政令で定める多数の者が利用する施設の管理者に対して使用制限を要請できるんですよ。そうですよね。その多数の者が使用する施設にはスーパーマーケットはまず含まれるんでしょうか、大臣。

○国務大臣(中川正春君) 今の想定では、それはないということだと思います。

○浜田昌良君 スーパーマーケットはなぜ対象にならないんですかね。理由を教えてください。

○国務大臣(中川正春君) 自主的に、こうした状況が出てきたときには、映画館なりあるいは集会施設なり、それも含めて、自主的にそうしたものについて制限というか営業のコントロールをしていくということがやられるだろうという、そういう前提の中で組み立てたということだと思います。

○浜田昌良君 それは大臣、問題発言と思いますよ。要請があって指示という条文を作ったんだから、それは、もしそれが相手がしなかった場合には適用するんでしょう。それは自主的にやっていますから前提ですといったら、法律は要らないんですよ、みんな。そうやらない人もいる場合があるんだから、政令で、逆に言えば、また勝手にこういうものは入りませんということを言っちゃう。スーパーマーケットで自主的にしなかった場合はどうなるんですか。

○国務大臣(中川正春君) 先ほど入りませんという言い切り方をしましたけれども、ここも、改めて運用計画を作っていくときに専門家の意見をしっかり出していただいて、その中で何が現実的にできるのかというのを決めていくということだと思います。

○浜田昌良君 答弁揺れるとみんな不安を覚えますので、揺れないでください。
 このスーパーマーケット、対象になったと、そうすると売上げができない。売上げの補償は、どの条項でこれ補償されるんですか。

○国務大臣(中川正春君) 法律の条文には、それは規定はしていないということであります。
 ただ、そうしたいわゆる経済活動上の問題が生じたときには融資制度、この中で対応していくという前提になっております。

○浜田昌良君 融資で本当にいいのかという問題なんですよ。つまり、その多数の者が集まる施設、対象も大臣が揺れるぐらいですから、入ったり入らなかったりすると。それで入ってしまって、急遽過大に指定されてしまって、本来必要でないものが指定されて売上げできない、また、その店は指定されたけれども、隣の店も風評被害を受けると、あり得るんですよ。
 そういうものについては、不服申立てであったり損失補償の規定というのがこの法律に盛り込まれないんなら、じゃ、どの法律を使ってやるんですか、融資じゃなくて。融資じゃやっぱり駄目ですよ、損害出るんだから。融資は返さにゃいけないじゃないですか。損害は返す必要あるんだから、融資じゃない場合はどの法律を使うんですか。

○国務大臣(中川正春君) この法律の前提としては、いわゆる興行場等も含めて、その施設制限の指示については補償を行うということをしていないということです。これは、病原性が高い新型インフルエンザ等が発生した緊急事態において、そうしたスーパーだとか興行場等を使用することは感染拡大の原因となるものであり、本来自粛されるべきものであると、先ほど、一番最初にちょっと申し上げたようなことなんですが、考えられて、また、その期間も一から二週間程度に限定されたものであるということなので、使用の制限は通常受忍すべきものと考えているということであります。

○浜田昌良君 それは、国が間違いをしないという前提に立っているんだと思うんですよ。ところが、既にこれは大臣もお認めになったように、政令、省令にかなり権限委任をしている法律なので、その政令、省令が悪ければ悪い法律になっちゃうんですよ。過大になってしまうかもしれない。過大に指定されたものによって損害を受けた場合は、これは融資じゃ済みませんよ、やっぱり。賠償の対象になりますよ。そのときは何法に基づくのかと聞いているんですよ。

○国務大臣(中川正春君) そのときは、それこそ不服申立て、あるいは訴訟ということになるわけでありますが、一つは行政不服審査法による不服申立て、あるいは行政訴訟法による訴訟ということになっていくと思います。

○浜田昌良君 そういう意味では、私、これだけ私権制限があり、政省令がかなり委ねているというものであれば、法律特有の不服申立てであったりとかいわゆる損失補償とか、そういうものを検討はまず始めることが重要と。今も、法律は何にせよ私は早くやった方がいいと思っています、これはいつ来るか分からないんだから。ただ、この検討規定という条文、これは、見てみましたら、附則二条にあるんですよ。おざなりな条文です、これははっきり言って。よく本当にもう、もう味もそっけもないような検討規定で、法施行後、施行状況を勘案して必要であれば講ずるというだけじゃなくて、その辺の不服申立てとか損失補償についてはちゃんと今後も引き続き、そういう懸念があるわけですから、検討していくということを、姿勢を言ってください。

○国務大臣(中川正春君) ええ、検討してまいります。

○浜田昌良君 ありがとうございます。
 次に、専門家、現場の意見の反映という問題なんですが、これについては、先ほどの問題の中で舛添委員が、やはり知事は必ずしも専門家じゃないと、現場の意見を踏まえるべきだという話をされています。これに対しまして、先ほどの舛添さんの議事録の中で野田総理もちゃんと答えていまして、裏のページなんですけど、野田総理は、御指摘していただいたところは、何がちょっと現場を阻害するのかよく私自身もチェックしたいと思いますが、現場の足手まといになるようなことはこの法律ではあってはならないと思いますので、そこは改めてよくチェックさせていただきたいと思いますと、また国会の中でもそういう御議論が幅広く行われることを強く期待したいと思いますと。
 どうチェックされたんでしょう。これは総理の答弁なんですけれども、当然、総理はこう発言されたので、担当である中川大臣に指示があったと思いますけれども、どういうチェックをされたんでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) そういう発言があったということを聞かせていただいております。
 現場の足手まといとなってはならないという意味は、恐らく指示だとかあるいは要請というものの中身だというふうに思うんです。それを、これもまた政省令なりあるいは実際の行動計画の中で議論していくわけでありますが、私もそういう意味では、てにをはに係るような細かな要請とか指示ということではなくて、システムをつくっていく上で大まかな形での協力をお願いをしていくような、そういう形になっていくんだということ、これを前提にした議論ということで、これから進めていくということだと思っています。

○浜田昌良君 今大臣の方から、システムの中でそういう方々の意見が反映できるようにという話がありましたが、そうしますと、政府対策本部とか都道府県対策本部とか市町村対策本部においては、医療関係等の専門家を配置することになるんでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 医療関係も含めた専門家が付くということだと思います。その本部にいわゆる委員会的な形で、専門家集団の議論というのを踏まえた決断をしていくということだと思います。

○浜田昌良君 そういう本部に専門家がいるのであれば、じゃ、この法律を読ませていただくと、政府行動計画は六条五項にちゃんと専門家の意見を聞きなさいと、計画作るとき、とあるんですよ。同じように、都道府県の行動計画は七条八項にそれを準用しています。市町村の行動計画は八条七項でそれを準用している。また、政府対策本部の基本対処方針も十八条四項でそういう規定があるんですよ。
 問題は、計画、方針はちゃんと意見が反映されている。一個一個の要請、指示のときに専門家の意見を反映するというのはどの条項なんですか。

○国務大臣(中川正春君) それについての特記した条項というのはないんだと思うんです。
 ただ、前提として、そのときに行動計画を作っていただく、あるいは対処計画というのも即現場の対処ということになるわけですが、そのときに専門家の意見を聞くという前提になっていますので、そこは当然その時点時点での意見具申をしていただくという前提になっています。

○浜田昌良君 私は、一つ一つの要請とか指示のアクションを遅らせようという意味じゃ全くないと思うんですよ。それはやっぱりアクションは迅速でなきゃいけない。とはいっても、こういう当時の三年前の大臣の御発言もあったんで、やっぱり要請とか指示をするときには現場の医師、また感染症の専門家の意見を配慮するように努めるという、そういう姿勢は重要と思いますが、それはよろしいですね。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のとおり、大事なことだと思います。
 そのときに配慮しなきゃいけないと思うのは、専門家の意見も分かれるんですよね。そこのところをうまく専門家の中でコンセンサスが取れるような工夫をやっぱりしていく必要があるんだろうと、これは大震災のときの教訓だというふうに思っております。そんなことも含めた工夫をしながら、専門家の知見をしっかり政治判断の中で取り入れていくということであります。

○浜田昌良君 確かに専門家の意見は分かれますけれども、分かれますから聞きませんというのはおかしいですよ。分かれますから、分かれる意見をちゃんと聞いて、それを調整してアクションを起こすということをお願いしたいと思います。
 次に、舛添さんがもう一点指摘している、強毒と思ったけれども弱毒だったという、こういうことがあり得るわけですね。でも、これは私は仕方がないと思っています。やっぱりそれは危機管理ですから、最大限ということで最悪のことを想定したアクションにする。ただ、そうじゃなかった場合には、それをより切り替えるということが重要なんですよ。
 よって、私は、このいろんな行動計画、政府レベルもあります、都道府県もある、市町村もある、また指定機関もあるんだけど、それに強いタイプの場合と弱いタイプの場合というのかな、ちゃんとランク分けがしてあって、最初これは強いのでいくぞと。ただ、これは違うなと思ったら、これは変えるよという、こういう毒性とか感染力に応じたこういうやり方が重要と思いますが、いかがですか。

○国務大臣(中川正春君) 確かに三年前の教訓でいくと、そこのところの判断というのがなかなか専門家の間でも時間が掛かったということだと思います。そこは、今の科学、いわゆる科学技術といいますか、その背景の中で実際どれぐらいのリスクとの兼ね合わせで時間を掛けて判断できるものかというのは、これはやっぱり、これも改めて専門家の中での議論を待たなければいけないというふうに思っております。
 三年前の判断についても、専門家の間では、どうしてもリスクということを考えていくとそれぐらいの時間が必要だったと言う方もおられます。それが一つ。それからもう一つは、先ほど御指摘があったように、そのリスクの在り方によって専門家の中身というのも違ってくるということもこれは当然想定されてくることだというふうに思います。それは柔軟にやっぱり運営をしていくということだと思います。

○浜田昌良君 柔軟という言葉は非常にいいんですが、その柔軟が、みんなが柔軟になっちゃうと整合性が取れないこともあるんですよ。つまり、国は強いと思った、ところが都道府県、市町村は弱いと、これ、おかしいんですよ。国が強いと思ってやるときはみんなAタイプで全部統一をすると。ただ、国がこれはBと、いろんな意見があって判断をして弱毒でBタイプと変えたら、県とか市町村がまだ強毒でやっているとまたおかしくなっちゃうわけですから。
 そういう意味で、判断は確かにこれは非常にいろんな専門家に聞いて慎重にやる必要があると思いますけれども、いざこれは弱毒型だと決めたら、一つの国の対策の整合性を都道府県、市町村と持たせるような計画の作り方、これが重要ということなんですが、これはいかがですか。

○国務大臣(中川正春君) おっしゃるとおりだというふうに思います。
 それで、そういう意味で二段階に設計があるわけでありますが、弱毒性あるいは強毒型の二つの計画をそれで作っていくということではなくて、最初の段階から緊急事態宣言を行う場合と、それからそうでない場合と、この二つの場合があることを踏まえて、そして多様な場合に対応できるような計画の中身を検討していくということで、そういう設計をしていくということになっていくと思います。

○浜田昌良君 でも、緊急事態宣言の中でもそれは二タイプあると思いますよ。そういう意味では、私は今回、インフルエンザウイルスの特徴とか感染力、病原性に応じて適切な措置が可能となるよう幾つかのシナリオを想定して、その多様な選択肢を確保するとともに、その施策の実施に当たっては切替えが、柔軟かつ整合的に国、県、市町村でそういう対策を是非この方針を作るときにはやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 本当に重要な御指摘だというふうに思います。
 これは防災計画作るときも同じような基本理念といいますか、そういうもので作っていかなければならないというふうに思っておりまして、多様なシナリオの中で今回このケースでというふうな選択ができるような形、頑張っていきたいと思います。

○浜田昌良君 最後に、日弁連が指摘していますが、この法律で政令が非常に多くて、その政令に丸投げになっているんじゃないかと。特に懸念を示されているのが、緊急事態宣言に二つの政令がかかわっているわけですね。これをもうちょっと政令の例示を法律として書くということは、法制局、考えられなかったんでしょうか。

○政府参考人(松永邦男君) お答え申し上げます。
 現在の政令につきましては、ある程度総体の、こういう内容というものにつきましては法文上書いておりまして、あと、具体のものにつきましては政令に任せているという形になっておりますが、これにつきましては、事態につきまして具体的に、あるいはいろいろな科学的知見を踏まえ、あるいは物によりますと速やかな事態への対応と、こういういろいろな技術的な対応の必要性と、こういうものを踏まえた上で現在のような規定の書きぶりになっておるところでございます。それで、形で法文としては問題はないものというふうに考えております。

○浜田昌良君 問題はないものとおっしゃるけれども、やっぱり不安を感じる人がいるわけですよ。
 あわせて、四十五条の施設管理者に対する指示とか要請のところで、いわゆる催物開催制限若しくは停止その他政令で定める措置という、政令で定める措置というのが裸で出てきているのね、これ。これ、何でもできるじゃないかという感じになっちゃうんですよね。ところが、答弁聞いてみると、具体的にはそれはアルコール消毒するものを備えるとか、そういうものの例示を書いておけば、あっ、そういうものなんだなと安心するのに、不安を感じますよ、これ。こういうものは丁寧にもうちょっと、今後逸脱しないようにしていきますという答弁を最後に求めて、私の質問を終わらせていただきます。

○国務大臣(中川正春君) 議論をしていただく国会の立場からの話で、それは当然のことだというふうに思います。私も、野党時代にはなるべく政省令の中身を表に出してくるようにと、そうでないと見えないという議論をしてきましたので、それは肝に銘じておきたいというふうに思っております。
 その上で、中身、政省令でやっていくときにはなるべくオープンにして、また皆さん方にも御参加をいただけるような、そういう形でこれから詰めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○浜田昌良君 終わります。

○委員長(芝博一君) 以上で浜田昌良君の質疑を終了いたします。
 次に、川田龍平君。

○川田龍平君 座って質問させていただきます。よろしくお願いします。
 みんなの党の川田龍平です。時間がありますので、短めに答弁をお願いいたします。
 まず、本法案三十二条の新型インフルエンザ等緊急事態宣言に関連する質問を幾つかいたします。
 緊急事態宣言は、致死率六〇%とされるH5N1型インフルエンザや同程度の致死率の感染症のみに適用するのでしょうか。また、健康、生命、生活、経済に著しい被害を及ぼすおそれとは具体的にどんなことを指すのでしょうか。併せてお答えください。

○国務大臣(中川正春君) 致死率の数字のみで新型インフルエンザ等の緊急事態宣言を行うかどうかということ、そういう判断ではありません。総合的に、病原性の高さであるとかあるいはパンデミック性であるとかというような、そういうものを入れていくということであります。それから、もう一つはウイルスの遺伝子型あるいは多臓器不全等の重症症例の多さ等により判断をしていくということであります。
 それから、もう一つの質問は、国民の生命及び健康に著しく重大なというところですね、被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件。例えば、発生した新型インフルエンザ等のウイルスの病原性が高いものである場合、発生した新型インフルエンザが強毒のH5N1であるという、その遺伝子の判断があった場合ということですね、具体的には。それから、海外で発生した新型インフルエンザの臨床例の集積によって通常のインフルエンザとは異なる重症症例が多く見られる場合、例えば多臓器不全であるとか、それからウイルス性の肺炎、それから脳症などということになります。
 それから、これが一番目ですが、二番目はいわゆる蔓延ということですね。国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある事態として政令で定める要件ということになるんですが、これは例えば、確認された患者が多数の人に感染させる可能性のある行動を取っていた場合など、多数の患者が発生する蓋然性が見込まれる状況というふうになっております。

○川田龍平君 今、衆議院でも中川大臣、同じ答弁をされていまして、全く同じ答弁だったんですが、台湾人の医師が日本国内を旅行していたSARSというのは、この対象になった可能性というのはあるのでしょうか。

○大臣政務官(園田康博君) ちょっと具体的な事例ですので、私からお答えをさせていただきます。
 先生の御指摘の二〇〇三年のあのSARSの事案でございますけれども、これは、結論から申し上げますと、現時点でどうだということを申し上げるのはなかなか難しい面はございますが、仮に今の状況に照らし合わせてどうだというふうにお答えをさせていただきますと、それはもう緊急事態宣言に該当する状況ではなかったのではないかというふうに現時点では考えております。
 理由は幾つかあるんですけれども、要は、八年前のこの二〇〇三年の場合の事例でいきますと、言わば重症化するといったところのものではなかったと、極めてそういった感染させる広がり、拡大感染の強いものではなかったというふうに考えられるのではないかというふうに考えております。
○川田龍平君 衆議院で中川大臣が答弁されています、海外の臨床例集積で多臓器不全やウイルス性肺炎、脳症など通常のインフルエンザと異なる重症例が多く見られる場合というのは、二〇〇九年の新型インフルエンザの際にもあったのではないでしょうか。この定義では、二〇〇九年のインフルエンザも対象になった可能性はありますか。

○国務大臣(中川正春君) 仮に現時点から当時の状況を客観的に振り返って適用を考えれば、今回の緊急事態宣言に該当する状況はなかったのではないかというふうに思われます。
 当初のメキシコにおいて発生した患者の症例は肺炎患者が多く見られて、メキシコから拡大してアメリカにおいて発生した患者の症例はいずれも軽度であったというふうなことを振り返っての話と同時に、日本の中では、せきやくしゃみ等の呼吸器症状、頭痛、関節痛、全身倦怠感などで、季節性のインフルエンザの症状等になっていたということだと思います。そういう意味で当てはめればということになります。

○川田龍平君 この緊急事態宣言に当たっては、先ほど、致死率では難しく総合的な判断だとしていますが、それでは余りに漠然としています。やはり致死率を明記するなど、詳細な要件を法律に定めるべきではないでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 最新の科学的な知見を踏まえてそこのところは随時中身を変更していきたい、そこのところというのは緊急事態宣言の要件についてですね、これは見直していくという方法が大切であろうというふうに思っています。
 こういう形で、要するにはっきりしない形と、いわゆる政令に落としていくという形で法律の組立てがあるというのはこの法律に特別なことではなくて、例えば水質汚濁防止法の中の規定であるとか、あるいは原子力関係の規定もやはりこういうことになっておりまして、その意味で、技術的な要件というのは政令で規定をするということにいたしました。

○川田龍平君 先ほどからの議論で、中川大臣、何が問題になっているかよく理解されているんでしょうか、ほかの法律を出されましたけれども。今この場で議論になっている、一番問題となっている点、何だと思いますか。

○国務大臣(中川正春君) 恐らく、先ほどの議論でもあったように、法律の前提になるいわゆる政令に落としていく部分、あるいは実際の行動計画の中で何を決めていくかということ、この部分がもう少しはっきりするようにと、こういうことが皆さんの思いの中にあるんだと思います。

○川田龍平君 人権の制限が大きいということですね。そのことをやっぱりしっかり理解していただいて、この緊急事態宣言の期間が最長二年とされていますが、最初は一か月や二か月、三か月というふうに短くして、必要があれば国会の承認を得て延長するようにすべきではないでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、一週間、一か月など短い期間を設定してそれを何度も延長していくとした場合には、国民や事業者にとっても国民生活やいわゆる社会活動の見通しが立たないと。あの大災害のときもそうだったんですが、ある程度最悪の事態を想定してそれから縮めていくというか、現実はこうなんでというような形態を取っていくという方が国民にとっては見通しが利いてくるということもありますので、こういう規定にしているということです。

○川田龍平君 二年だと見通しが付くということですが、全くそういうことではなくって、同じですから、きちんと国会承認するべきだと思います。
 宣言の解除の規定についても、措置の必要がなくなった場合は速やかに解除では、これは何を言ったことにはなりません。何度も申しますが、高い致死率が相当の蓋然性をもって見込まれる状態でなくなった場合はという程度にはしないと、それこそいつ解除されるのか見通しが付かなくて困りませんか。

○国務大臣(中川正春君) この新型インフルエンザの緊急事態措置を実施する必要がなくなったというふうに認めるときというのは、国会にも報告するわけですけれども、想定しているのは、具体的には、感染者の数、それからワクチン接種者の数等から、国民の多くが新型インフルエンザ等に対する免疫を獲得したと考えられる場合、それから新規感染者数、重症化、死亡する患者数が抑えられている状態が続いている場合、それから感染者数が減少して通常の社会経済活動が営まれるというふうに判断される場合、こういうことを総合的にということなんですが、言い換えれば、国内の流通状況、国民生活あるいは国民経済の状況等を総合的に勘案をして、最終的には政府対策本部長が速やかに決定をするということであります。

○川田龍平君 国会への報告ではなく、承認で足りると思いませんか。

○国務大臣(中川正春君) これ、専門家の知見というのがここに大きく働いてくるんだろうというふうに思うんです。ですから、そういう意味では、その判断というのを尊重した形で本部長が最終的には決断をして解除するということになっていきますので、国会については、その経緯を確かめてもらう意味で承認というよりも御報告ということでいいんだというふうに思うんです。

○川田龍平君 やっぱりその総合的な判断というのは非常に難しくて、全くおかしい答弁だと思います。宣言をする際の要件に欠くようになったら解除というのが普通ではないかと。宣言をする際の基準と解除する基準が違う、つまり入口と出口の要件が違うなんということはあり得ません。
 また、宣言をする際の具体的要件についても政令にお任せで、政治家が、国会がどうするか方針も決まらないままに、全て官僚や政府お抱えの専門家に丸投げしてしまうということじゃないでしょうか。政府の方針が決まらないまま委任するということになります。こんな運用で本当にいいんですか。中川大臣、お答えください。

○国務大臣(中川正春君) 委任するということではないんです。いわゆる専門家としての知見、参考になる意見、これをまとめていただいて聞かせていただいて、その上で最終的に判断するのは政治が判断するということです。

○川田龍平君 次に、被害想定について幾つか質問いたします。
 スペイン風邪の致死率を単純に当てはめた死亡者六十四万人というもの以外の被害想定はあるのでしょうか。また、現代には高齢化、高速交通の発達など被害増大要素があるとしていますが、そうした要素と医療環境改善などのプラス要素を両方踏まえた現代日本社会における被害想定というものはないのでしょうか。併せてお答えください。

○副大臣(後藤斎君) 先ほど来のお話がありますように、スペイン風邪も九十数年前、大流行を世界で起こし、日本でも数十万人の方がお亡くなりになったと、世界では四千万人近い方がお亡くなりになったということも踏まえて、先ほど来大臣もお答えをしているように、昨年の三・一一の東日本大震災、やはり最悪の想定をすべきだというふうな前提で、先生が御案内のとおり、昨年の行動計画の中でも、九月にまとめた行動計画の中でも、昨年二月に新型インフルエンザ専門家会議の意見書ということで推計がございます。二五%の方が新型インフルエンザに日本人で罹患すると想定した場合、一千三百万人から二千五百万人、中間値が一千七百万人という前提でありますが、この上限であります二千五百万人の罹患者の方々は、先生が御指摘のとおり、スペイン風邪の、スペイン・インフルエンザの重度、致死率二%というものを前提に試算をしたものでございます。一方、最低というか中程度の致死率、これはアジア・インフルエンザでございますが、致死率が〇・五三%ということでございます。
 いずれにしましても、このいろんな推計というものは当然のことながら最新の知見で検証するということになっておりますので、そういうものも含めて、スペイン風邪ではなく、一番強いと言われているスペイン風邪を前提に今議論を進めておりますが、アジア・インフルエンザ等の致死率が中程度のものも計算上はございます。

○川田龍平君 東日本大震災の例を出されましたけれども、この最大の被害を想定するということであれば、津波の高さについても、百年前と地形が全く違うのに津波の高さを同じような想定で被害の想定をするんですか。中川大臣、いかがですか。

○副大臣(後藤斎君) 先生今御指摘のとおり、当然、九十数年前よりも医療水準も栄養水準も、また薬の効能も、いろんな形でプラスの面もございます。一方で、先生が逆に御指摘をされているように、人口が密集をして、そしてたくさんの方が瞬時に移動するというふうなこと、この二つが、効果の面と要するにマイナス面、これを、両方が複雑に絡み合っているということで、そういう意味では効果の面も大きくあるもののマイナス部分もあるということで、スペイン風邪というものを一つの最大値と前提としながら今の計画を立てているということで御理解をいただければというふうに思います。

○川田龍平君 全く前提が科学的ではないと思います。
 次に、被害想定について厚労省にお尋ねします。
 感染のピークを少なくし、医療機関のパンクを避けることが措置の目的だとしたら、日ごろから感染症病床や病院を整備しておくべきではないでしょうか。藤田政務官、お願いいたします。

○大臣政務官(藤田一枝君) 地域において感染が拡大しつつある地域感染期以降の都道府県では、原則として、感染症指定医療機関だけでなく、一般の医療機関で新型インフルエンザ患者の診療を行うこととしているところでございます。
 このため、平時から医療機関において新型インフルエンザに対応する体制の整備を図るために、従来から、新型インフルエンザ発生時に新型インフルエンザ患者への入院医療を提供する医療機関の簡易陰圧装置あるいは人工呼吸器などの設備、そしてまた外来における院内感染防止のための設備、感染症指定医療機関に対する運営費などへの補助を行ってまいりました。
 感染リスクの高い医師等の医療関係者に対しては、平時から、新型インフルエンザの診療についての研修を行うことによって、診断能力の向上や正しい知識の普及啓発を図っているところでございます。
 平時からしっかり対応できるよう、医療体制の整備をこれからも図ってまいりたいと思います。

○川田龍平君 この医療提供体制がきちんと整備できていないことこそが根本原因だと思います。その点をしっかりわきまえていただきたいと思います。
 続けて厚労省に伺いますが、医療提供体制がパンクするほどならば、例えば診療なしで抗インフルエンザ薬を処方したり、看護師が診察なしでワクチンを接種したりするなど、医師法の規制を外す規定は設けないのでしょうか。私権をこれだけ制限しておいて、医師法は守るのでしょうか。

○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 医師法の二十条という規定がございますけれども、医師が自ら診察せずに処方箋を交付するということは原則的にできないということになっております。これは言うまでもございませんけれども、患者の方の安全性を守ると、担保するということでこういう規定があるんだというふうに承知をいたしております。
 病原性の高い今回の新型インフルエンザが発生した場合におきましても、やっぱり誤診というものはあってはいけないということでございますので、患者の被害をなくす上でやはり診察というのは非常に重要だろうというふうに思っております。その必要性に変わりは原則的にないんだろうと思います。今回の法案におきましても、したがいまして、医師法の当該規制の特例を設けるということはいたしておりません。
 ただ、現行法におきましても、特に在宅の療養患者さん等々ということでございますけれども、電話等による診療によりまして新型インフルエンザの感染が、有無が診断できたという場合には処方箋を発行することは可能でございますし、こういった対応で、迅速でかつ一定の効果のある対応は可能だろうというふうに考えているところでございます。

○川田龍平君 それでは、特措法の実施した際の効果について幾つか質問いたします。
 法律上の各種措置が実施された際に、六十四万人死亡といった想定の被害がどの程度減ると見込んでいるんでしょうか。何万人減、何%減などの具体的数値目標はあるのでしょうか。

○副大臣(後藤斎君) 具体的な数値はございません。いずれにしても、この特措法の目的に従ってできるだけ感染を拡大しない、そして幾つかの先生の御指摘のような、医療体制の確保、予防接種、学校等の制限等の要請、それぞれが相まってできるだけ早期に改善が図られるような形ということで、一概に数値というものは、冒頭申し上げましたように、ございません。

○川田龍平君 この各種措置のうち、四十五条の施設の使用中止、催物の中止の効果の見込みはどう見積もっているのでしょうか。また、効果があることを示す論文はあるのでしょうか。参考にした具体的な論文を挙げてください。

○大臣政務官(園田康博君) まず、施設利用の制限等につきましては、先ほど来お話がありますけれども、また大臣も先ほど御答弁させていただきましたけれども、スペイン・インフルエンザ発生時の米国でのセントルイスあるいはフィラデルフィア、この事例をとらえさせていただいています。これでいきますと、やはり対策を講じなかったフィラデルフィアと比べまして、ピーク時の死亡率は四分の一以下であったというデータがまずございます。
 学級閉鎖につきましては、先ほども議論がありましたけれども、これは押谷東北大学の教授らの報告にもありますように、新型インフルエンザ流行時における学級閉鎖に関する基本的な考え方という形の論文の中に出ているところでございまして、これでいきますと、学校閉鎖はピーク時の罹患率を四〇%まで減少させるなどのデータが紹介されております。これは押谷教授のその論文の中にも表れておりまして、先ほど申し上げましたアメリカの事例もこの中に記載がされているというところでございます。

○川田龍平君 先ほど古川委員の質問にもありましたし、それから参考人の川本参考人も意見言っていましたけれども、この論文というのは効果がないとする論文もあるのではないでしょうか。それらも検討した上で施策を考えないと真っ当な検討にはなりません。
 スペイン風邪の流行時に米国のセントルイスで被害が抑えられた事例について挙げられていますが、論文があるんでしょうか、具体的に御紹介ください。
 セントルイスでは、企業活動や交通機関も制限し、社会活動をほぼ全面停止したわけですが、現代日本でも社会活動の全面停止をするのでしょうか。全面停止するのではなく、集会のみを中止した場合の効果をどう評価しているんでしょうか。

○大臣政務官(園田康博君) お答え申し上げます。
 まず、米国のセントルイスの事例につきましては、一九三〇年九月に米国政府より公表されましたモータリティー・フロム・インフルエンザ・アンド・ニューモニア・イン・フィフティー・ラージ・シティーズ・オブ・ザ・ユナイテッドステーツ・ナインティーンテン・ナインティーントゥエンティーナインに記載がされているというところでございます。
 なお、企業活動や交通機関も制限をして社会活動をほぼ全面停止したかという点につきましては、WHOの資料でも、セントルイス市長が劇場、映画館、学校、プール、ビリヤード場などについては閉鎖をしたという記載がなされているところでございます。また、一般的な企業活動等については本報告書からは確認ができてはおりません。
 そして、御指摘の現代日本においても社会活動の全面停止を行うのかというお問いにつきましては、感染拡大防止とともに、その一方で、やはり国民生活とあるいは経済の安定性の確保といったものをやはり私どもとしては重要であるというふうに考えておるところでございまして、そのために、この法案の想定の中においては社会活動を全面的に停止をするということについては想定をしていないというのが現状でございます。

○川田龍平君 このセントルイスの例と違って、集会だけやめた場合の効果を評価する論文というのは存在しないのではないですか。そうした間違った参照によって政策を正当化するのは問題です。
 二〇〇九年時に神戸発のウイルスが学級閉鎖、催し自粛で消滅したといいますが、ほかのウイルスで消滅したものはないのですか。これは学級閉鎖の効果であって、集会中止の効果だとは言えないのではないでしょうか。いかがですか。

○大臣政務官(園田康博君) 国立感染症の研究所の研究で申し上げさせていただきますが、平成二十一年の新型インフルエンザにおきましては、兵庫、大阪や福岡で当初確認されていたウイルス、これについてはほかの地域では確認されていないということがまず分かっております。
 また、兵庫県がまとめておりました兵庫県新型インフルエンザ対策検証報告書、こちらにおいては、この二十一年の新型インフルエンザ発生時において、県内、兵庫県内でございますけれども、県内で新型インフルエンザの患者が確認された後、県が迅速に学校の臨時休業のみならず、催物の自粛の要請をして、これが合わさって新型インフルエンザの感染拡大防止に一定の効果があったということはこの報告書の中にも出ているところでございます。

○川田龍平君 子供たちが至近距離でじゃれ合うような学校と一般的な集会というのは状況が余りにも違い、イベント自粛を集会中止の効果にすぐに結び付けるのは安易ではないかと考えます。しっかりとした科学的な分析をしていただきたいと思います。
 続けて、法を施行する際に生じる不利益について幾つか伺います。
 各種措置をとったときの悪影響はどの程度だと見込んでいるのでしょうか。経済的損失や人権侵害がどれくらいあると考えていますか。

○大臣政務官(園田康博君) この各種措置をとった場合の影響についてでございますけれども、やはりそのときの蔓延状況でありますとか、あるいは病原性の程度であるとか、社会の状況等様々な形が想定をされるところでございますので、大変恐縮でございますけれども、一概にこの時点でこの部分の影響があると言うことは困難であるというふうに考えておりますけれども、いずれにしても、その各種措置を講じる際には、それによって得られる、やはり国民の生命、あるいは経済、健康の被害の低減であるとか、社会の安定のみならず、先ほど先生からも御指摘あったように経済的な損失であるとか私権の制限、これについてはやはり最小限にとどめられるように私どもとしては最大限の配慮をしなければならないというふうに考えているところでございます。

○川田龍平君 実際の二〇〇九年の経済的損失を正確に把握しているのでしょうか。経済的損失に関する各種の試算がありますが、催し自粛による損失だけでなく、風評被害による観光客減少もありますし、学級閉鎖による保護者の休業による被害だってあります。いかがでしょうか。

○大臣政務官(園田康博君) 地方公共団体の状況として、例えば、先ほど申し上げましたけれども、兵庫県の二〇〇九年の報告書で申し上げますと、保育所の休業により、一人親家庭等で子供を預けることができない親が仕事を休まざるを得ず収入減になった事例でありますとか、県民の利用施設の休業、宿泊キャンセルなどの地元観光にも大きな影響があったということは、あの報告書の中にも記載がされているところでございます。
 このほかにも、これは神戸市でございますけれども、新型インフルエンザ対策を検証した報告書で、やはり風評被害、こういったところが発生をして、神戸の小売業や観光業などへの影響が、経済的影響が見られたという記載はございました。しかしながら、数量的な把握というのはこの時点においても行っていないということでございます。
 なお、この法案の策定過程においては、兵庫県を始め様々な自治体の皆さん方とも意見交換をさせていただくなり、実務レベルで、三回程度でございましたけれども、しっかりと御意見は聞かせていただいたところでございます。

○川田龍平君 今の経済的損失というのは、二〇〇九年時の新型インフルエンザに対する影響にすぎないと考えます。この法案での措置をした場合は全く違う想定になり、参考にならない見込みではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(園田康博君) 関係省庁の中で平成二十一年の二月に取りまとめました新型インフルエンザ対策ガイドライン、ここの中に経済被害の算出例の参考値として示しているものとしては、オーストラリア、豪州のLOWY国際政策研究所、LOWYでございますけれども、などが試算をしたものについては把握をしているところでございます。そういったところの一応参考値としてのものは、例えば軽症であるとかあるいは重症、最重篤というような場面で様々な経済被害というものはこの報告書の中にも報告がなされているところでございます。

○川田龍平君 先日の参考人質疑で、川本参考人が、風評被害についての想定が今までなかったことも指摘しておられました。被害は非常に幅も広いもので、従来の試算では十分信用できません。規制をすることによる効果と不利益のバランスで、二〇〇九年の場合は不利益の方が大きかったのではないでしょうか。いかがでしょうか。

○副大臣(後藤斎君) 午前中の御質疑の中でもお答えをしましたが、三年前の新型インフルエンザの発生に対する厚労省がその後の総括会議でまとめた報告書によりますと、まず水際対策の実施については、病原性等を踏まえ、専門家の意見を基に機動的に縮小などの見直しが可能となるようにすべきという点、さらには、学校等の休業要請については国が一定の目安、方針、基準などを示した上で地方自治体が運用を判断すべきなど提言をされているところでございます。
 そういう意味で、今回の法案につきましては、検疫などの新型インフルエンザ対策の実施に当たっては、専門家の方々の意見を踏まえて、基本的対処方針を定め、的確かつ柔軟に行うこと、さらには、学校、興行等の使用制限、停止などの要請等については国が基本的な対処方針で示すこと等を盛り込んでいるところでございます。
 そして、先生が御懸念の部分につきましては、効果と不利益のバランスをどう取るかという点については、まさに国民生活、国民経済に著しい支障が、どちらが強くなるのかということで、これからの措置の運用に当たって、バランス良く、バランスを考えながら基本的対処方針等をきちっと作っていくということだと思っています。
 あわせて、先ほど園田政務官からもお答えをさせていただきましたが、全体の経済損失というのはその風評被害も含めて当然、類推、推計をすべきだと、そういう中できちっとしたバランスを取るべきだという先生のお気持ち、ごもっともだと思います。
 そういう意味で、なかなか数字等が全世界でどのくらいになるかというのも、先ほど検証のときにはGDPで全世界で三千三百億ドル、全世界のGDPの〇・八%相当、最重篤のシナリオではGDP損失が四兆四千億ドル、世界のGDPの一二・六%に相当するという推定もございますし、日本の経済被害の推計も、これは民間の機関が推定するものでも二十兆円、四・一%のGDPの損失、ほかの数字では六・一%、三十兆円のGDP損失と。
 いろんなもう幅がありますんで、いろんな前提の数字を、条件も含めて置きながら、こういうふうな数字になってしまうということについては、先ほどもお答えをしましたように、なかなかこれだという推計がしにくい部分については、是非幅を持ちながらの議論が前提であるということについても改めて御理解をいただきたいというふうに思います。

○川田龍平君 二〇〇九年の検証がきちんとできていなくて把握も的確ではないのですから、そこから教訓を学べないのではないかと思います。先日の参考人質疑の感染症専門家の先生でさえ見誤った点があることを認めているのを忘れないでいただきたいと思います。
 続けて、四十五条の感染防止のための協力要請について幾つか質問いたします。
 使用中止になる施設の範囲はどうなんでしょうか。集会場、公園、道路、駅、電車、バス、企業の事務所や社屋、選挙事務所や投票所が入る可能性があるのですか。入らない可能性があるものは何ですか。お答えください。

○国務大臣(中川正春君) 法律で法定化したのは学校、社会福祉施設、興行場ということなんですが、それとともに更に対象となるもので、多数の者が利用する施設という表現になっております。これは政令で中身を定めていくということにしておりまして、感染拡大防止の効果がある、人と人の接触の一時的な制限というこの目的を踏まえて、施設や集まりが果たす社会的機能、これも勘案をしながら、今後、専門家の間で具体的な議論を詰めていただくということ。
 それと同時に、是非、パブリックコメントなど広く国民の、先ほどお話に出ましたけれども、国民的な議論というのもこの中でやっていきたいというふうに思います。

○川田龍平君 その電車、バスというのはどうですかね。電車やバス。

○国務大臣(中川正春君) 電車やバスというのは指定公共機関という範疇の中で協力をいただくということになっておりまして、その中で例えば間引きをしていくとか、状況に応じた形の運行をしていくとかというようなことが出てくる可能性はあるというふうに思っております。

○川田龍平君 それでは、使用中止によりキャンセル料の支払などの損害が生じた場合は、補償はするのでしょうか。しないのならば、なぜしないのかも併せてお答えください。

○国務大臣(中川正春君) 学校、興行場等の施設の使用が新型インフルエンザのいわゆる大規模な蔓延の原因となるということからこの制限が実施されるということでありますので、施設の利用行為等は本来自粛をされるべきものであるというふうな前提に立っております。
 したがって、新型インフルエンザ等緊急事態宣言中に潜伏期間及び治癒までの期間を考慮してなされて、それが一週間から二週間ということであること、それから、学校、興行場等の使用制限の指示を受けたものは、法的には義務を負うけれども、罰則による担保等によって強制的に使用を中止させるものではないということ、こんな前提がありますので、権利の制約の内容というのは限定的だと考えられると思います。
 したがって、こうした意味での公的な補償というのは、こういうケースでは考えていないということであります。

○川田龍平君 先日の参考人質疑では、川本参考人が、補償が必ず必要になってくるとおっしゃっておられます。指示という事実上の義務規定を受けながら補償も受けられないままでよいのか、よく検討をしていただきたいものです。
 次に、多数の者が利用する施設とありますが、多数とは何人ぐらいを指すのですか。何人以下ならよいのでしょうか。あるいは、人数ではなく利用形態によるのだとしたら、人々が密接に触れ合う施設、催しの制限に限定しないのはなぜなのでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 一概に何人以下ならということを言うことは今ここではできないというふうに思っております。学校や興行場等と並ぶような規模の施設を想定はしているんですけれども、それについての具体的な基準といいますか、行動計画というのは、改めて、専門家も含めて議論をしていきたいというふうに思います。

○川田龍平君 この中止の対象は、当初、集会等と説明していましたので店舗や交通機関や企業は含まれないはずですが、変更したんでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 集会等の等には法案に例示されているようなものも含まれるんですが、一定の社会活動を維持することは国民生活の混乱を回避するために必要なことであるということで、企業の事務所等は対象になりにくいということです。交通機関は施設の対象にはなじみにくいと考えているが、いずれにせよ、感染拡大防止のため効果がある、人と人との接触の一時的な制限という目的を踏まえて、その施設や集まりが果たす社会的機能も勘案しながら専門家に任せていきたいということでありますが、ただ、それこそ、こういう時点でのいわゆる企業の持続可能な準備といいますか体系というのを考えていくのに、企業によっては、もう事前に、いわゆる罹患する前から従業員の通勤というのを半分に抑えて、あと自宅で仕事をしなさいというような形で対応してピークを抑えていくような、そういうことも含めて、事前の話合いというのを十分にして対応をしていくということが大事だというふうに思うんです。

○川田龍平君 この期間は一、二週間ということですが、流行する場所が一、二週間ごとに変遷することで長期化してしまう可能性はないのでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 当該の要請等は、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮しておおむね一、二週間程度を目安に行われる、これは第四十五条で御指摘のとおり定めてあります。
 この制限等を要請等する都道府県知事は、国が専門家に意見を聞いて作成する基本的対処方針、これ第十八条ですが、これに従って地域の蔓延の状況を見て具体的に判断をしていくこととなっておりまして、人の移動の広域性あるいは感染力の強さから永田町や霞が関といった狭い範囲で指定するということは想定されていないということでありまして、その運用によって長期化するということはないと思います。

○川田龍平君 このパンデミックワクチンの総額は幾らになるのでしょうか。細胞培養ワクチン製造のために投入した公費は総額幾らになるでしょうか。また、ウイルス株の入手までの期間、入手後の全国民への製造までの期間はどれぐらいでしょうか。流行に間に合うのでしょうか。
 先ほど質問ありましたけれども、感染防止や重症化防止、社会での蔓延を防ぐ効果はどのように予想されているのでしょうか。具体的に、それぞれ何%減といった数字をはじき出しているのでしょうか。藤田政務官、お願いいたします。

○大臣政務官(藤田一枝君) 細胞培養法を活用したワクチン等の生産体制整備については、平成二十一年度の補正予算で、第一次、第二次の補正予算ですけど、合計一千百九十億円を措置しておりまして、当面、これに加えて新たな予算措置をする予定はございません。
 また、ワクチン製造までの期間ですけれども、ワクチン製造株を入手をし、ワクチンの製造に着手するまでの期間は約二か月程度ということが見込まれております。その後、約半年で全国民分のワクチンの生産ができるようになると想定をしているところでございます。
 また、間に合うのかというお尋ねでございますが、パンデミックワクチンが供給できるまでの間は、手洗いであるとかマスクの励行、検疫や集会の自粛などの公衆衛生対策を実施することによって可能な限り流行の遅延に努めることとなるわけでございます。
 また、ワクチンの効果については、季節性インフルエンザに関する治験ということになりますけれども、国内では、高齢者における発症予防効果、六〇から七〇%であるということが報告をされております。また、アメリカでは、成人における発症予防効果が七〇から九〇%、そして高齢者における死亡予防効果というのは八〇%、こうした結果が報告をされているところでございまして、一定程度の発症予防効果や重症予防効果というものが示されているところでございますが、ただ、蔓延を防ぐ効果については残念ながら実証されていないという状況でございます。
 いずれにしても、ワクチンの効果というものは、こうした結果が期待できると考えております。

○委員長(芝博一君) 川田委員、申合せ時間が来ておりますので、終結をいただきますようお願いいたします。

○川田龍平君 はい。
 半年で製造できると言いますが、ウイルス株の入手までに二か月掛かり、先ほども山谷委員からも質問がありましたけれども、入手後に半年掛かると報告されていますので、実際に流行に間に合うかどうかは非常に不安です。二〇〇九年にあれだけの無駄をした反省もなく、教訓を生かせないままで本当に国民の命と暮らしを守れるのでしょうか。命を最優先にする社会の実現のためにしっかり仕事をしていただきたいと思います。
 質問、まだあるんですけれども、是非情報公開をしっかり行っていただきたい。特に、関係省庁の対策会議の関係者の意見聴取の議事録など、まだ公表されていないものがあります。しっかりそういったものも情報公開をしていくことが大事なことだと思いますし、先日の参考人質疑では、川本参考人は人権侵害の議論が余りにもないとおっしゃっていました。専門家でさえそうなのに、きちんと議論したとは到底思えません。
 こうした重要な法案策定において、きちんと議事録を公表しないのでは国民の信頼を得られないことを肝に銘じていただきたくお願いいたします。是非、情報公開をお願いします。

○委員長(芝博一君) 以上をもちまして川田龍平君の質疑を終了いたします。
    
○委員長(芝博一君) 引き続き、糸数慶子君。

○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。
 まず、新型インフルエンザ等対策特別措置法案、法制化のまず必要性について大臣にお伺いをいたします。
 本法律案は、新型インフルエンザ及び全国的かつ急速な蔓延のおそれのある新感染症に対する対策の強化を図り、国民の生命及び健康を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするものですが、これは、新型インフルエンザ等の対策につき法制化する必要性は何なのでしょうか。
 現在でも、新型インフルエンザ対策行動計画や新型インフルエンザ対策ガイドラインが実際に定められており、これに基づき対策を講じればよいと考えますが、あえて法制化する必要性について大臣にまずお伺いいたします。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のとおり、行動計画があって、以前にも、それが三年前に運用されたということがあったわけであります。
 そういうところも踏まえて、いろいろな先ほど議論が出ていましたけれども、反省点といいますか、そういうところのものも総合して、一つは、その行動計画等の実効性を更に高めていくということ。それから、特に知事会始め地方公共団体の方でも、そこのところは危機管理としてそれらの権限をはっきりさせていくということ、これが大事だというような御指摘もあったということ。それから、新たに法的整備が必要かどうかということについて、医師会、地方自治体だけではなくて医療関係団体、あるいは経団連や感染症等の学歴経験者から幅広く伺ったわけでありますが、これは一言で言えばあるにこしたことはないというようなことで法制化に踏み切っていったということであります。
 その中で、行動計画だけでなくて、発生時の対策本部の法定化、これが一つ、それから指定公共機関制度というのをつくったということ、それから予防接種法や医療法の中での特例ということにこれはなっていくということ、それから国民生活及び国民経済の安定確保等の仕組み、こういうものも盛り込んで国会提出に至ったということでございます。

○糸数慶子君 今御答弁いただきましたけれども、四月四日の本院の予算委員会におきまして、本日、委員外議員として舛添要一先生も御出席でございますけれども、そのときに質問されておりましたように、やはりもっと国民の意見を聞いてから進めるべきであって、拙速に法制化すべきではないという、私はその視点に立って順次お伺いしたいと思います。
 まず、過剰な人権制限のおそれについてでありますが、やはり本法案は、新型インフルエンザ等が発生した場合に国民の生命及び健康を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることを目的としていますが、そのため政府がとる様々な措置が規定されておりますが、その中には国民の権利を制限する措置があります。
 例えば、先ほども出ました外出自粛要請、それから興行場、そして催物等の制限の要請、指示、これは第四十五条です。それから、第四十九条の臨時の医療施設開設のための土地等の使用、さらには第五十四条、緊急物資の運送等などでありますが、この法案の第五条に、「新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならない。」と規定されています。
 国民の生活を守るために新型インフルエンザ等対策のための措置は必要ですが、過剰な人権制限になってはならないというふうに考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

○国務大臣(中川正春君) 危機対応法制というのはいつも、それぞれ国民一人一人の権利というものと、それから危機対応に対するリスクというものに対しての国としての対応、いわゆる権力行使ということになるわけですが、それとの葛藤というのがあるんだというふうに思います。
 今回の場合は、先ほど御指摘もあったように、法案第五条で、そうした中で国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するための必要最小限のものでなければならないという規定をかぶせております。あとは運用の中で、先ほど御指摘のあった集会場あるいは興行等々の制限をどの時点でどの地域にどういう期間適用していくかというふうな判断があって、それがどれだけインフルエンザの蔓延を後の方に遅らせていく、あるいはそれを、ピークを抑え込んでいくということに効果があるかという、そこの判断だというふうに思っております。
 そこは絶えず専門家と会話を交わしながら政治判断が働いていくということになっておりまして、その点でもでき得る限り国民の権利の侵害がない配慮というのは必要だということをこの総論の中で押さえているということでありまして、そのように我々もこの法案の前提を考えていきたいというふうに思います。

○糸数慶子君 この問題につきましては、先ほどもございましたけれども、日本弁護士連合会、日弁連の方が三月二十二日に、各種人権に対する過剰な制限がなされるおそれを含むものであると会長声明が出ていることもあります。
 新型インフルエンザ等対策においては、人権制限は是非とも最小限になるように十分に配慮することを要求いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、感染症法やあるいは検疫法、新型インフルエンザ等対策として運用する場合でございますが、この新型インフルエンザ等対策に関連する法律としては、感染症法や検疫法があります。これらの法律を新型インフルエンザ等対策として運用する場合についても、必要最小限でしか人権を制限しないという解釈でよろしいのでしょうか。
 平成二十一年度の新型インフルエンザ対策では、検疫法に基づいてなされた停留措置が、余り効果がないのに人権を過度に侵害するものとして問題視されました。あのときのような広範な停留措置はもう行わないということなのか、併せてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(外山千也君) 停留は、患者から感染したおそれのある方に入国せずに停留施設にとどまっていただくことにより、国内での感染の拡大を防ぐことを目指して実施する措置でございます。
 平成二十一年の新型インフルエンザの発生時には、五月八日に機内検疫で三名の患者を発見、隔離し、その濃厚接触者約五十名を停留させ、停留中に発症した患者を一名確認したことにより、発生初期の段階でこれらの患者を端緒とした流行を防止できたものと考えております。
 一方、停留の具体的な実施について、今年一月の専門家会議の意見書では、病原性が高い又は高い可能性があり、海外での感染の広がりが限定的な場合に限って、原則として患者と同一旅程の同行者に対象を絞って行うことや、合理性が認められなくなった場合には措置を縮小することが提言されております。こうした意見も踏まえまして、合理的な範囲で停留を実施することとしたいと考えております。

○糸数慶子君 次に、放送の自律を保障することへの特段の配慮についてでありますが、実は、マスコミ関係者からはこの法律への懸念の声が上がっています。
 新型インフルエンザ法の策定に当たり参考にされたのが災害対策基本法、これは一九六一年ですが、続きまして二〇〇四年、国民保護法によって、NHKや民放など放送事業者はこの二つの法律では首相が指定する指定公共機関あるいは都道府県知事が指定する指定地方公共機関に指定され、大規模災害や、それから他国から武力攻撃を受けた場合、放送を通じた協力の責務や義務が明記されています。
 この新型インフルエンザ法でも、NHKは指定公共機関として条文に例示し、民放は知事が指定する枠組みを想定されています。これは、緊急時とはいえ、放送内容への関与は放送の自由を制約することから、行政機関から求められるその放送内容について、災害対策基本法では「予想される災害の事態」、あるいは国民保護法では「武力攻撃事態等の現状及び予測」などというふうに明記しています。一方、新型インフルエンザ法では、首相や知事に総合調整という権限を与え、これに応じない公共機関に対して必要な指示ができる形になっています。
 そこでお伺いいたしますが、日本民間放送連盟は、本年一月、指定について、通常の業務範囲を超えて対策に寄与するよう求めるのであれば指定は無用との意見書を提出しています。衆議院での質疑では、園田政務官は、報道の内容を規制する構成になっていないというふうに答弁されていますが、放送内容は指示あるいは総合調整の対象にならないということでよろしいんでしょうか。

○大臣政務官(園田康博君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、報道の内容につきましても、当然、この政府対策本部長等の総合調整であるとかあるいは指示の対象ということにはなっておりません。
 衆議院のときもお答えさせていただいたんですけれども、放送法の第三条で申し上げますと、この放送法によれば、「法律に定める権限に基づく場合でなければ、」というのがございます。すなわち、もう既に事前にそういった法律、おっしゃるように災害対策基本法であるとか武力事態法のような法律によってあらかじめきちっとした形が決められているものでなければ、当然ながら、放送事業者は放送番組編集の自由を侵されないというもう既に規定がございますので、翻ってみて、今般の私どもの提出をさせていただいている新型インフルエンザ等対策の法律案につきましてはこのスキームにはなっていないということでございまして、報道内容の抑制にも当然ながら当たっていないということでございます。

○糸数慶子君 次に、知事が指定する地方指定公共機関に民間放送を想定しているのでしょうか。それから、指定する可能性はあるのでしょうか。その際、指定公共機関や指定地方公共機関はどのような行動計画を作ることを求められているのでしょうか。お伺いいたします。

○大臣政務官(園田康博君) 御指摘のように、指定公共機関となる放送事業者、これにつきましては、現段階においては日本放送協会、NHKでございますけれども、それ以外には想定をいたしておりません。
 そして、なお、指定の地方公共機関につきましては、これは先生御指摘のように知事が指定する仕組みという形になっておりますけれども、この放送事業者を指定することは、民放については今、現段階においてもやはり想定はしていないという、ところでございますので、したがって、その指定された場合の云々かんぬんという、その過程も今の段階では私どもは考えておりません。

○糸数慶子君 新型インフルエンザの感染予防のために、厚生労働大臣が国民生活及び国民経済の安定に寄与する事業者を登録し、首相の指示に基づき従業員や公務員らに優先的に予防接種をする仕組みである登録事業者制度に新聞社も入るのでしょうか。その際、取材自粛などの要請もあり得るのでしょうか。お伺いいたします。

○大臣政務官(園田康博君) 新聞社がこの登録事業者に入るかどうかというお尋ねでございますけれども、これについては、この法律の二十八条のスキームからちょっと申し上げさせていただきますと、いわゆる二十年の九月の十八日に報告書が、取りまとめがございますけれども、先行接種の対象者と順位についての案をこの取りまとめ第一次案の中で盛り込まれたところでございますけれども、今般のこの法律案につきましては、政府行動計画において特定の接種の対象となる登録事業者の基準に関する事項を定めるというふうにまずさせていただいております。その具体的な内容につきましては、様々な事案が想定されますので、現段階においてどうだということは申し上げられないというのが現状でございます。
 衆議院の段階でも大臣からお答えさせていただいておりますけれども、大体のそのカテゴリー分けについては申し上げさせていただきまして、例えばカテゴリー?気砲弔?ましては、これは感染拡大防止の被害の最小化に資する業種、指定の医療機関等々がまず挙げられるということは、この平成二十年のところでもございましたけれども、そういったカテゴリー?気?ら?供↓靴箸い辰秦枋蠅呂気擦討呂い燭世い討?ります。
 しかしながら、具体的にこれから、まさしく幅広い専門家の御意見であるとか関係者の御意見、そしてまた、やはり国民の御意見という形でパブリックコメントを付させていただきながら、その先行対象者、先行接種の対象者というものは決めていく必要があるのではないかというふうに考えておりますが、現段階において、何かここが入っている、入らないといったことはまだ想定をしていないということでございます。

○糸数慶子君 私がなぜこのような質問をするのかと申しますと、それは二〇一〇年に宮崎県で発生いたしましたあの口蹄疫をめぐる報道や、それから昨年の東京電力福島第一原発事故の報道では、現地での取材が規制されている中で、県や政府、東電からの情報に依存していた、いわゆる報道機関に対する国民のこの不信感、高まっている、その現状から危惧をして申し上げております。
 今回の新型インフルエンザ法の枠組みでは、実際に発生した際、被害の実情を伝える報道の役割を果たせない可能性もありますし、やはり行政も報道機関も再び不信感を招いてしまうのではないかというふうに危惧しておりまして、この点を指摘いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、国民への周知及び新型インフルエンザ等に関する情報の提供についてでありますが、本法律は国民の権利を制限する政府の措置が多く定められています。そのため、十分な国民への周知が必要ですが、第十三条に国民に対する啓発の規定があります。政府はどのような周知方法を考えているか、大臣にお伺いいたします。
 また、いざ新型インフルエンザ等が発生した場合には、国民が慌てずに冷静に行動できるように正確かつ迅速に新型インフルエンザ等に関する情報を提供しなければなりませんが、国民への情報提供についてはどのような対策を取るのか、大臣にお伺いいたします。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、この十三条というのは大事な規定だというふうに思っておりまして、この法案によって講じられる対策について正しく理解をしていただくということも併せて対策を進めていきたいというふうに思っております。
 この法案においては、新型インフルエンザ等の予防及び蔓延の防止に関する知識の普及や理解の促進をしなさいということ、あるいは政府行動計画においても新型インフルエンザ等に関する情報を国民等に対して適切な方法により提供することについて定めているわけですが、これを前提にして、本法案で対象とする新型インフルエンザ等の内容、あるいは特徴、あるいは法案により講じられる対策、これについて、分かりやすいリーフレットの作成だとか、あるいは様々な機会をとらえた周知活動、そして報道機関等々も含めてそれを周知していく媒体、こういうのも工夫をしながら国民が十分理解できるように努めてまいりたいというふうに思っております。
 また、新型インフルエンザ等の発生時については、国民や現場の医療関係者等に正しい情報が迅速に伝わるということが大切なことでありますが、コールセンターの設置、あるいはインターネットの活用、あるいは情報の受取手に応じた情報提供、これは改めてシステムを構築をしていくということを考えていかなければならないと思っています。
 それから、対策の現場とのメール等によるリアルタイムかつ双方向の情報共有、こうしたものも含めて新たなICTを前提にした対策というのを講じていくということ、これが大切だというふうに思っております。

○糸数慶子君 次に、沖縄など離島に対する対応についてお伺いしたいと思います。
 インフルエンザは冬に寒い地方で広がりやすいというイメージがあるわけですが、平成二十一年の新型インフルエンザによる初の日本国内での死亡例は、八月、沖縄県内においてありました。そのことについては留意する必要があると思っておりますが、沖縄など離島地域におきましては、仮に新型インフルエンザ等緊急事態になった場合、本土と異なって周辺の自治体から応援が簡単ではない、あるいは物資それから資材などが不足した場合の供給に手間とコストが掛かるという事態が容易に想像されます。
 政府行動計画において、新型インフルエンザ等の発生に備えて離島地域でどのような取組を進めていかれるのか、また指定公共機関等に対して離島地域での新型インフルエンザ対策についてどのような行動を求めていくのか、お伺いしたいと思います。

○大臣政務官(園田康博君) 離島についてお答えを申し上げます。
 その前に、先ほどの新聞社の取材について、ちょっと私の答弁が足らなかったものですから付け加えさせて申し上げさせていただきますと、取材の自粛の要請まで行うことができる、なるのかというお問合せ、御質問ではなかったかというふうに思いますけれども、そういったことの、取材の自粛の要請を行うということも想定はしていないということでございます。当然ながら登録事業者の中に新聞社が入ることも今後あり得るわけでございますけれども、もしそうなったとしても、取材の自由まで自粛要請をするということは想定していないということだけ付け加えさせていただきます。
 その上で、今御質問ございました離島でございますけれども、当然ながら国が対策本部をつくり、そして都道府県も対策本部をつくっていただくという形になるわけでございますが、御指摘のように、離島地域においてはその都道府県だけでなかなか対策が講じられないといった部分もあるかと存じます。
 そういった部分には、逆に都道府県が国に対して対策の実施に関して必要な要請をすることができるという規定がございます。それに基づきまして、恐らく都道府県が国に対してその要請をしていただければ、当然ながら国がしっかりと、国とそれから都道府県とで一体となってその対策に、迎え撃つという初動体制を取っていくという形になっていくのではないかというふうに思っております。こうした枠組みなどを活用して、沖縄等の離島地域においても当然ながら新型インフルエンザ等対策が的確かつ迅速に実施されるように万全を期していきたいというふうに思っております。
 また、離島地域の指定公共機関に対してどのような対応を求めるかというお問合せでございますけれども、基本的には当該の法人の本来の業務を、これを継続して実施していただくというのが大変重要なことではないかというふうに思っておるところでございまして、この当該の地域の実情に応じて、発生時の状況等を踏まえてしっかりと検討されていくというふうに考えているところでございます。

○糸数慶子君 ありがとうございました。
 次に、法案の第六十二条ですが、これ、停留のための施設の強制的な使用の場合などについては、先ほども出ておりましたが、損失をやはり補償することとしていますが、広範に国民の権利を制約する法案である割には損失補償の対象となる事柄が少ないように見受けられます。国民の権利を制約するにおいて、どのような場合に損失を補償し、どのような場合は損失補償を要さないと考えていらっしゃるのか、本法案に則してお示しをいただきたいと思います。
 また、医療関係者におきましては、第三十一条の要請等に基づいて医療に従事して死亡等の結果が生じた場合、損害補償の対象となっていますが、地方自治体や指定公共機関の職員が新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に際して感染し、死亡等の結果が生じた場合の損害補償については規定されていません。通常の労災のような扱いで済ませるような考え方で緊急時に必要な人員が確保できるのでしょうか。また、医療関係者への補償も手厚くしなくては医療行為が確保できない懸念もございます。
 医療関係者、それ以外の職員に被害が生じた場合に国は責任を持って賠償するのか、お伺いをいたします。

○副大臣(後藤斎君) 先生から御指摘をいただいたように、今回の法律の六十二条一項におきまして、都道府県知事が臨時の医療施設を開設するため所有者の同意なくして土地等を使用した場合や、所有者の同意なく物資を収用した場合などにその損失を補償しなければならないというふうに規定をしております。
 通常、このように同意なくして土地を収用したり物資を収用するということについては、当然のことながら、特定の個人に対する特別の犠牲ということで社会的制約として受忍すべき限度を超えているというふうな場合、その損失を補償するというふうな形になっております。
 一方で、先ほど来これも御議論にありますように、施設の使用制限や催物の開催制限につきましては、興行場等が大規模な蔓延の原因になるということ、さらには新型インフルエンザ等緊急事態宣言が行われた場合実施されるものというふうに限定をされます。
 この部分につきましても、国民の生命、健康の保護の観点、それから元々催物の開催自体が自粛をされるということと、期間が先ほどもお答えをしているように一時的ということで、新型インフルエンザの感染力の強さや国民の多くが影響を被るということも踏まえて、その損失を補償するという規定は置いておりません。
 さらに、先ほどこれも御議論があったように、そのままではなかなか、その後の経済的損失がある場合、お仕事等が継続できないという部分につきましては、第六十条の規定を設けまして、特別な融資というふうな規定を設けさせていただいているところでもございます。
 もう一点の、先生が御指摘の医療関係者に対する補償制度というのは、当然のことながら直接患者さんと接するということで、他の社会機能維持業務と比較して異なる特殊な部分で直接発症、感染というリスクが極めて高い、感染リスクの高さという点の着目、さらには患者さんへの医療提供というものは感染拡大と発生による健康被害を最小限に抑えるため極めて重要な業務という業務の特殊性という、この二つに主に焦点を当てて医療従事者に関する補償、損害補償という制度を設けさせていただいております。
 そういう意味では、一般の公務員の方々や指定公共機関の従業員の方々、これは知事の要請を受けて対応している医療関係者の方々とは当然異なりますので、そういう意味で、医療関係者とは差を設けながら、それ以外の、その業務が同様の感染リスクの高さや業務の特殊性を伴うものではないというふうに判断をして特別の補償制度を設けていないということで整理をさせていただいたところでございます。

○糸数慶子君 次に、新型インフルエンザ対策ガイドラインの見直しに係る意見書についてお伺いしたいと思います。
 本年一月三十一日に厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議におきまして、新型インフルエンザ対策ガイドラインの見直しに係る意見書が取りまとめられました。これは、平成二十一年に発生した新型インフルエンザから得られた知見、教訓を踏まえてガイドラインの見直しについて意見を取りまとめたものと承知しておりますが、その内容につきまして何点か御質問させていただきます。
 まず、水際対策についてでありますが、水際対策は効果が薄いといった意見がありますが、飛行機や宿泊施設における停留は国民の活動を大きく制限するものであり、必要最小限のものでなければならないと思います。
 ガイドラインの見直しに係る意見書にも、水際対策につき合理性がなくなった場合は停留措置を縮小することが記載されていますが、水際対策は国内発生をできるだけ遅らせるための効果があるにしても、国民を何日間か引き止めておくことは多大な人権制限につながるおそれがあります。そのため、停留等の措置は、実施するのであれば科学的知見に基づき必要最小限の範囲で行わなければならないと考えますが、厚生労働省の見解をお伺いいたします。

○政府参考人(外山千也君) 平成二十一年の新型インフルエンザに対する水際対策の科学的証拠といたしましては、発生後に行われた海外の研究によりまして、日本を含めた検疫の実施国において国内感染をある程度の期間遅らせる効果があった可能性を示唆する結果が報告されております。また、厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議におきましては、水際対策は海外での感染の広がりが限定的である場合等に侵入遅延に有効となる可能性が期待できる対策であるとの意見をいただいております。
 こうした専門家の意見等を踏まえまして、ウイルスの病原性や感染力、海外の状況等の情報を勘案して合理的な範囲で水際対策を実施することが重要であると考えております。

○糸数慶子君 次に、パンデミックワクチンについてお伺いいたします。
 海外で新型インフルエンザが発生いたしますと、当該インフルエンザに効くワクチンを日本国内でも製造しなければならなくなります。国際機関を通じて、発生したインフルエンザの株を入手し、ワクチンを製造し、国民に接種することになりますが、今現在、海外で新型インフルエンザが発生し、国民に接種できるまで何か月掛かるのでしょうか。
 また、新しいワクチンの製造法の研究開発状況、またワクチンの生産ラインの整備について、先ほどもございましたけれども、改めまして厚生労働省にお伺いいたします。

○政府参考人(外山千也君) 新型インフルエンザ発生時には、ワクチンの製造の着手までにWHOの推奨株の決定やワクチン製造用の株の開発などに二か月程度掛かることが見込まれております。また、ワクチン株の増殖のしやすさによって変動する可能性はございますけれども、現在、開発に取り組んでいる細胞培養法による生産体制が整備された場合には、製造に着手後三か月程度で最初のワクチンを出荷でき、六か月程度で全国民のワクチンの生産ができるようになると想定しております。
 国民への接種につきましては、ワクチンの生産と同時並行で実施することとしておりまして、最初の出荷後速やかに接種を開始し、集団接種を基本に、可能な限り速やかに全国民への接種を完了できるようにしたいと考えております。
 また、細胞培養法による生産体制の整備事業につきましては、これまでのところ、平成二十一年度補正予算で合計一千百九十億円の基金を創設いたしまして、第一次事業では平成二十二年七月に四事業者を採択し、実験用工場の整備等を実施いたしまして、第二次事業では平成二十三年八月に四事業者を採択し、実生産工場の整備等に取り組んでいるところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この事業を着実に進め、平成二十五年度中を目途に新型インフルエンザワクチンの新たな生産体制を整備できるよう最大限取り組んでまいりたいと考えております。

○糸数慶子君 次に、仕事を休めない保護者対策についてでありますが、新型インフルエンザが蔓延いたしますと学校あるいは保育所などが臨時休業となる場合が想定されます。その場合、保護者が仕事を休むことができればよいのですが、どうしても仕事を休めない保護者も存在すると考えられます。その場合の対応は今般のガイドラインの見直しでどのようになったのか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(外山千也君) 今年一月に取りまとめられました新型インフルエンザ専門家会議の意見書では、事業所、事業者が新型インフルエンザの発生に備えた業務継続計画を策定する際には、学校や保育施設等の臨時休業による保護者の欠勤についても見込むことが求められるとしております。一方、社会機能維持等のためどうしても乳幼児等に付き添えない保護者もおりますことから、可能な範囲でファミリー・サポート・センター事業等を活用すること、それから医療従事者や社会機能維持者の事業所内保育事業につきましては臨時休業の例外として対応すること、感染拡大防止策そのものの効果が減弱する可能性も十分に考慮した上で、一部保育施設の部分的な開所について認めることなどの例示が示されているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした意見書の内容も踏まえまして必要な対応を検討していきたいと考えております。

○糸数慶子君 次に、平成二十一年の新型インフルエンザでは日本の死亡率は諸外国に比べて低かったというその理由の一つとして学校閉鎖が挙げられますが、確かに学校閉鎖は死亡率を抑えることに大きく貢献いたしましたが、一方で過剰であったとの批判もあると聞いております。学校閉鎖のような国民の権利を制限する対策は必要最小限とするべきだと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

○国務大臣(中川正春君) 実際の運用の中で必要最小限にしていくということ、これはそういうことだというふうに思っております。
 この中で、第五条、前にも紹介しておりますように、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するために必要最小限のものでなければならないという、これが基本になるわけであります。
 この長期の要請、指示というのは、病原性の高い新型インフルエンザが国内で発生した場合等の新型インフルエンザ等緊急事態宣言の対象区域にまず限って発動可能であるという枠組みが一つあるということ、これが法案第三十二条ですが。それから次に、潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して定める期間に限って行うこと、これは法案の第四十五条第二項。それから、関係者が指示に従わない場合であっても、これを罰則は設けていないということでありますが、そういう具体的な前提の中で過剰な対応を取らないように配慮をしているというふうに考えております。

○糸数慶子君 最後の質問になりますが、生活関連物資等の買占めあるいはその売惜しみに対する対策、つまりパニック対応についてでありますが、新型インフルエンザの蔓延によって生活関連物資等の需要が一時的に高まり、価格の高騰、それから事業者による買占め、売惜しみが生じる可能性があるわけですが、政府としてはどのような対策を考えているのでしょうか、お伺いいたします。

○副大臣(後藤斎君) 三年前の平成二十一年の新型インフルエンザのときにもお店から、特に薬局からマスクが消えたということで、私は余り買った記憶がないんですが、それがかなり全国的に行われました。そういう意味では、昨年の三・一一の東日本大震災以降でも、かなり数週間にわたって、首都圏の中でもそうですし、私、山梨に住んでおりますが、山梨でもそういうことが行われました。
 今回のこの法案では、御案内ですが、五十九条に生活関連物資の価格の安定等という項を規定を置かさせてもらいました。そういう意味では、病原性の高い新型インフルエンザが発生したときに、先生御指摘のように、生活関連物資の供給不足や、その不安等を理由とした物価の高騰、買占め、売惜しみ等が発生しないように、国民生活、国民経済に大きな影響を与えないような形を、当然のことながら、関連法令とも連携をしながら適切に対応していくということが政府に課せられた大きな役割だというふうに認識しております。

○糸数慶子君 時間ですので終わりたいと思いますが、先ほど園田政務官が追加してお答えになりましたように、報道に関しましてはやはり感染防止の陰で表現の自由を侵害するようなそういう状況が起こらないように改めて要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○委員長(芝博一君) 以上で糸数慶子君の質疑を終了いたします。
 この際、お諮りをいたします。
 委員外議員舛添要一君から新型インフルエンザ等対策特別措置法案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(芝博一君) 異議ないと認めます。
 それでは、舛添君に発言を許します。舛添要一君。

○委員以外の議員(舛添要一君) まず、この委員会に出席して質問をこのようにさせていただく機会をいただきましたこと、委員長始め委員会の皆さん方に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
 それから、私が非常に危惧しておりましたのは衆議院での審議時間が僅か五時間ということで、これは国民の命にかかわる非常に重要な法案ですので、我々この参議院で、この委員会で非常に真剣な、しかも水準の高い議論を皆さんがなさっているということに敬意を表したいと思います。私は、参議院らしい在り方だと思っております。
 先ほどからも御議論を聞いておりましたけれども、私が厚生労働大臣のときにこの新型インフルエンザが起こりました。とにかく、どういう毒性を持っているかも分からない、メキシコでも七十人死んだというような報道がありましたので、てんやわんやの騒ぎで、今から考えれば、たくさんこれは反省しないといけない、あのときこうすればよかったなというのはあるんですけれども、そういう点について厚生労働省を中心に総括、反省をなさって、この法案の中にも大変評価できる内容がたくさんあると思います。
 ただ、その中で私は幾つか危惧していることの原則を申し上げますと、先ほど川田委員がおっしゃったと思いますけれども、やはり危機管理というのは情報公開、それから現場の声をよく聞くと、現場第一主義と、これが基本だろうというふうに思っています。私は今朝この委員会に出れなかったのは、外交防衛委員会で集中審議しておりましたけれども、北朝鮮のミサイルの問題もやっぱりこの情報の公開というところが一つの問題でした。それから、大震災、原発事故についても情報公開と。それから、官邸と現場との意思疎通は良くなってないと。
 そういうことがあったと思いますので、私は実際に三年前のこの新型インフルエンザに対応しているときに、かえって事前の行動計画が足かせになって動かないとか、我々が指示したことと違うことをやった方がいいんだという声が神戸、大阪、こういうところのお医者さんから来ましたので、そのときは私の責任でそれをやっていただいたと。あの発熱外来なんというのをつくるよりも、むしろ、その手間暇掛けるより患者の命を救うことが先だというようなことの御判断が現場の医師にあったんだろうと思います。
 それで、先ほど来皆さん方の議論でありますように、例えば三十一条の医師に対する指示、これが今言ったようないい方向とは逆の方向になっては困るなという懸念がございます。
 そして、原発事故よりも、実を言うとこの新型インフルエンザはある意味でもっと厄介な面がある。というのは、潜伏期間があります。それから、どこでビールスが飛散するか。世界中に飛散する。原発事故の場合は、三十キロ以内、何キロ以内とこういう放射性物質の拡散範囲が分かりますから、むしろある意味で規制掛けやすい。非常に規制が掛けにくいんだろうと。だから、この法律の目的とすることは、新型インフルエンザから国民の命を守るというときに効果がなければ意味がない。だから、今の糸数委員の御質問にもありましたように、いろんな規制、制限を人権含めて掛けるわけですけれども、それが本当に感染を予防し、また感染者を増やさないことにつながるのかどうなのか、そこのところが実は原発事故以上に難しいというふうに思っています。
 我々は一生懸命、水際作戦やりましたけれども、結局、大阪から患者が出てしまった。いまだ、どこからそのビールスが入ってきたか分かりません。そういうことの反省もございますので、まず、その点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 当時御苦労されて、大変貴重なお話をいただいたというふうに思っておりまして、これからも是非、そういう体験の中から、運用、その方針、具体的なものを決めていくときに是非御参加いただいて具体的なアドバイスをいただければ有り難いというふうに思っております。
 その上で、確かに難しいなと思うのは、原発のときもそうなんですが、専門家の知見というのが一つあって、それと、それこそ政治家がそれをベースにして判断をしていかなければならないということ、これが一つの今回のこの危機対応に対しての構図でもあろうかというふうに思うんです。そういう意味では、事が起こったときだけではなくて、その以前から、先ほどのお話のように、現場の声も含めてしっかり運用の中でそれがどう生きるかということを前提にして聞いていく、そしてそれを取り込んでいくような、そういう場を設けていくということ、これも大事なことだというふうに思っております。それが一つ。
 それからもう一つは、さっきのお話のように、事が起こって進展していく中で恐らく専門家の意見も割れていくんだろうというふうに思うんですね。割れたときに、あの原発のときもそうだったんですが、こちらが、じゃどういう判断したらいいのかということが非常に問題になるということだと思うんです。それを避けていくためには、いろんなシミュレーションを事前にやっておいて、こういうケースにはこうした対応がやっぱりベストなんではないか、いや、ベストでなくてもベターなんじゃないか、その完全な対応というのはないんだと思うんですが、そういうようなものを事前に準備をしておいて、その中で政治家がその中のどの類型を取っていくかということが判断できるような、そういう具体的な仕組みが必要なのかなということを私、当事者になって改めて感じておりまして、そんなことも含めた運用計画というようなものを議論していく必要があるんだろうというふうに思います。

○委員以外の議員(舛添要一君) この機会ですから余り日ごろ言わないことを申し上げますと、例の水際作戦、これは医学的に見てある意味で意味がない、それは分かっているんです。ただ、ですから、今専門家の意見ということを聞きましたけど、あのとき私もそういう意見を、もうお医者さんがあんなもの意味ないですよと、大臣、意味ないと。それから、着ているガウンみたいなやつだって、そこにビールス付いていて、その同じのを着てまた別の飛行機乗ったら、結局、厚生省の係やお医者がうつしていることになりませんかと。全部それ正しいんです。
 ただ、しかし、あのとき判断をしたのは、日本国民の感情を考えたときに、一切水際作戦やりませんと、それは足立というお医者さんがそんなの無理だと言ったからだと、こう言ったときに収まるかと。むしろ、私は、あのときは社会心理学的な要因を入れて、ある意味でこれだけ政府頑張ってやっているんだという安心感を与えるという意味もあったんで、私は、お医者さんというか、ビールスの専門家だけじゃなくてそういう社会心理的な側面も必要で、しかしそのときはトップである大臣が責任を取ると、こういうことだろうと思います。
 それで、強毒性か弱毒性か分からなくて、あのときは鳥インフルで強毒性が来ると思って、七十人死んだというから私は強毒性だと思っていた。それで対応をやって、非常にやり過ぎな面ももちろんありました。大阪の例を挙げますと、とにかく、とにかく学級閉鎖を含めて早くやってくれと、やりました。今度、いつ解除するかと。このいつ解除するかのタイミングがまた難しくて、今度は大阪から、橋下知事でしたが、悲鳴を上げたのは、早く解除してくれ、ノーマルな生活に戻れないと、こういうことなんで、規制をつくるのはいいんですけれども、解除するときにどういう判断でどういう基準でやるかというのは非常に重要なんで、その点をどういうふうにお考えでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 私も、あの当時のその対応の結果、どういうインフルエンザの伝播が広がっていったかというようなことも含めて説明を聴取をいたしました。あの当時の判断としては正しく判断されたんじゃないかと私は思うんです。その中で、一回目の波というのはやっぱりぐっと抑え込まれたと。ところが、二回目の波が来たという情景ですが、それはどうもその種類が違うんじゃないかというふうな形で報告がなされておりますが、そういうこともあったんだというふうに思います。
 それで、要は、その二回目の波が来たときに、その状況が続いて、どういう形で解除をしていくか、どこで終息を考えていくかということの判断なんだろうと思うんですが、私のこの答弁を事務方がこれ用意してくれたんですが、その中では、どうもこの判断についてはリスクということを考えていくと時間が掛からざるを得ない、そう軽々に外すということもできなかったというふうなことを前提に答弁をするようにと、こういうことでメモが来ているんですが、そこのところはいろんな御意見があって、専門家のそれこそ知見というものがここで争われるんだろうというふうに思います。
 そういう意味も含めて、これから具体的な行動計画、これを議論していく中で、その点についてももう少し専門家の詰めた話を、あるいはどういう基準でそこをつくっていくのかというのを組み立てていきたいというふうに思います。

○委員以外の議員(舛添要一君) 先ほど来の議論でも損害賠償とか補償という話がありました。我々が新型インフルエンザに対応したときも、現場のお医者さんや行政、地方から、コストは誰が担うんだと、これはワクチン接種も含めてです。それから、何かあったときの費用だということなんで、どうしても法体系をつくるというのは、役所的な発想でいえば責任とコストの明確化ということが出てくるんですけれども。
 ただ、現実に、原発の場合もそうですけれども、とにかくもう止めないといけないといって現場が一生懸命やっているとき、恐らく彼らは命懸けでやっているんだろうと思います。だから、むしろ、そういう人たちの意を体してとにかく国民の命を守ることが先なんだと。極端に言えば、私たちの国会で補償や何かあれば特別な法律をそのとき作ったり、臨時の予算を作ればいいわけですから、我々は国会が国権の最高機関として機能すればいいんで、是非そこを、国民の命を守るのが最優先だというちょっとその基本的な哲学が少し背後に責任とか費用の分担が出てきたがために隠れちゃったような感じがしてならないんです。ですから、是非、その運用なんかのときにそのことをしっかりと念頭に置いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) 大事な御指摘をいただいたということで、しっかり受け止めさせていただきたいというふうに思います。
 医師に対してということになると、それこそ一般のそれぞれの今ある持ち場でこうした患者を治療をしていくということ、これが一つ原点としてあるわけでありますが、それに加えて、要請であるとかあるいは指示であるとかというふうな形で、こちらがお願いするような枠組みというのが今度でき上がるわけですね。その結果によって、それこそ健康に及ぼす被害、あるいはそれで命を落としたとかいうような、そういうことがあった場合を前提にしてその賠償とか補償ということだと思いますので、そのことについてもしっかりと御理解がいただけるような話を医師の皆さんにもしていきたいというふうに思います。

○委員以外の議員(舛添要一君) 私たちは法律を作るのが仕事ですけれども、この法体系見たときに、今回の法律もそうですけれども、感染症法とか予防接種法、検疫法、ちょっと私は先進国の法の在り方として長期的に考え直した方がいいような気がしてならないんです。というのは、お上が国民を管理してこうすると、強制的なこうするというような感じになっている。
 それから、災害対策の基本法なんかは、これはもう大地震とか大きな災害があったときに緊急に予算を配分するということなんですけれども、この国民の健康を守る新型インフルエンザ対策特措法にしても、どういう法体系であった方がいいんだろうかと、私は災害対策特別法的な構成でいいのかなと。それから、これだけの先進国ですから、やはり国民の自主性を尊重すると。必要最小限ということを先ほど来政府の方で答弁なさっていますけれども、三年前はゴールデンウイークのときでした。何も私、言っていません。全員自発的にイベントをやめましたね。そして、好きこのんで外に出ていきません。
 だから、そういうことを考えると、これは我々国会議員全体の問題意識として持っていただきたいというように私は思うんですが、この日本の今の様々な検疫法を含めての関連法案、この位置付け、これを大きく見直すいい機会ではないかと思いますが、大臣の御所見をお願いいたします。

○国務大臣(中川正春君) その感じておられるところ、共有するところ大でございます。
 今、私、防災全般も担当しているんですが、確かに大震災を前提にすると、もうその災害が発生したとき自体は自助なんですよね。自助と共助、そのコミュニティーから自分たちの判断の中で組み上げてくる対策ということで命をつなぐ、生き延びてくると。それに対して制服組というか自衛隊や警察が命の救助に入っていくというような、そういう体制があるわけで、それだけに情報のシステムであるとかあるいはその判断基準というのが、コンピューターでいえば、ふだんからクラウド型といいますか、一極集中じゃなくてクラウド型に設計をして、その設計をした中でそれぞれが判断して自立のその形が浮き上がってくるような、そんな体制をつくっていくというのが、それこそある意味でしなやかな国家ということになってくるのかなというのを今感じつつ、対策を考えているんです。
 そういう意味でいいますと、このインフルエンザもこれ危機対応でありまして、地方自治体の判断であるとか、それから現場の医師の判断とか、そういうものがしっかりとその場で対応できるような形というのをふだんからつくっていくということと、それからもう一つは、国の役割としては、しかし、それをトータルで見て、世界的なその関連あるいは専門家の知見、こういうものを併せ見て、国民に対してどういう情報を流さなきゃいけないかと、その情報を流すというところを焦点にしながら全体のマネジメントもやっていくんだろうというふうに思っております。

○委員長(芝博一君) 舛添要一君、時間ですので、おまとめください。

○委員以外の議員(舛添要一君) ありがとうございました。
 法律を作ったからといって危機管理ができるわけではありません。これは国民の命を守るという点では与野党協力してやっていかないといけないというふうに思いますので、今日は大変すばらしい皆さん方の議論に参加させていただきましたことに改めてお礼を申し上げますとともに敬意を表しまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○委員長(芝博一君) 以上で舛添要一君の質疑を終了いたします。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
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