衆議院議員小選挙区 / 三重県第2区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU


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衆議院 内閣委員会

平成24年3月28日(水)

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 新型インフルエンザ等対策特別措置法案(内閣提出第五八号)

     ――――◇―――――

○荒井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官田河慶太君、厚生労働省健康局長外山千也君、農林水産省消費・安全局長高橋博君、環境省大臣官房審議官小林正明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○荒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○荒井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩川鉄也君。

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 新型インフルエンザが大規模、急速に蔓延をして、国民の生命、健康を損ない、国民生活や経済活動に深刻な被害をもたらす場合に備え、その対策を講じていくことが必要であります。一方、緊急事態への対応という理由で基本的人権を制約する措置については、慎重な検討が求められます。

 そこで、まず、この法案が想定をしております被害、この被害の想定についてお尋ねしたいんですが、この法案の前提としている人的な被害についてはどのようなものを想定しておられるのか、確認でお尋ねいたします。

○中川国務大臣 お答えをいたします。

 この法案そのものが、これまでの新型インフルエンザ対策行動計画、これは実は九月二十日に改定をされているんですけれども、この流行規模及び被害想定を前提としております。

 その中身ということなんですが、過去に世界で大流行しましたインフルエンザのデータを参考にして、全人口の二五%が新型インフルエンザに罹患をして、致死率については、アジア・インフルエンザ等並みの中等度の場合は〇・五三%、スペイン・インフルエンザ並みの重度の場合が二%というふうに想定をすると、医療機関を受診する患者数の上限は約二千五百万人。それから、入院患者数の上限は、中等度の場合で約五十三万人、重度の場合で約二百万人。それから、一日当たりの最大入院患者数は、中等度の場合で十・一万人、重度の場合で三十九・九万人。それから、死亡者数の上限は、中等度の場合で約十七万人、重度の場合で約六十四万人。欠勤率でいきますと最大四〇%という程度で推計をしております。

 この被害推計は、最新の科学的知見に基づいて、随時これからも見直していくという前提で運営をしていきたいということでございます。

○塩川委員 先週の質疑の中で、大臣は、最悪の事態を想定して対処していくことが必要だと述べておられますけれども、今言ったスペイン・インフルエンザなどを想定した重度の場合、これがその最悪の事態ということでしょうか。

○中川国務大臣 現状の想定はそういうことなんですが、先ほど申し上げたとおり、これからも、最新の科学的な知見に基づいてこの状況というのを随時見直していくということを前提にした中での最悪ということであります。

○塩川委員 ただ、専門家の皆さんからは、もっと深刻な事態もあるのではないのかという指摘もございますし、一方、スペイン・インフルエンザをベースにしたような、こういった被害想定そのものが今の実態とかみ合っていないんじゃないのか、こういう意見も出されております。

 そういう点では、この新型インフルエンザ対策を進める上では、国民的な協力が不可欠で、そのためにも正確な情報提供が必要ですけれども、残念ながら、今、多くの国民の皆さんにこういった内容について伝わっていない。そういう点で、国民的な議論が欠けているのではないのかということを思わざるを得ません。

 その上で、四十五条二項に関連して、権利制限の規定についてお尋ねをいたします。

 四十五条二項では、「都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設、興行場その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。」とあります。

 そこで、お尋ねしますけれども、ここで言っているその他政令で定める施設管理者等には、例えば、公園を使用した集会主催者も入るということでいいんでしょうか。

○中川国務大臣 多数の者が集まる機会をできるだけ少なくするということが新型インフルエンザの感染拡大を防止するのに有効な手段であるということから、催し物の開催の制限、停止等の措置を盛り込んでいるということでありますが、学校、社会福祉施設あるいは興行場、先ほどお尋ねのあったものも含めて、今後政令で定めていくということになっておりまして、専門家の御意見等も踏まえつつ検討していくということでございます。

 これは、もう一方で、社会的機能ということも勘案しながらということになりますので、できれば、パブリックコメントなど広く、先ほど御指摘があったように、国民的な議論を得て検討してまいりたいというふうに思っております。

○塩川委員 公園を使用した集会主催者というのも含むということでいいんでしょうか。

○中川国務大臣 自然な議論になるとそういうことだと思うんですが、これも改めて専門家の議論を得た上で決めていきたいというふうに思います。

○塩川委員 自然な議論ではそうだということで、入るという話であります。

 また、人が集まるような施設、場所ということであれば、鉄道の駅ですとか、あるいは工場とかスーパーマーケットもあるわけですけれども、こういったところはどうなんでしょうか。

○中川国務大臣 これも、例えば対象施設の考慮要素といいますか、何を考慮しなきゃいけないかという要素で考えていくと、利用人数であるとか、あるいは施設の広さ、あるいは利用の状況、密度とか接触機会、あるいは手指の消毒等ができるかどうかとか、そういうさまざまな要素があると思うので、その辺も加味しながらの一つ一つの基準づくりということになっていくと思います。

 そういう意味で、改めて専門家の中でそれを議論していただいて基準を決めていくということにしていくということです。

○塩川委員 専門家の議論も経て中身を決めていくということですから、現時点で、除くとなっているということでもありません。そういう点では、具体的にこれこれは除くという対象への限定ということについては、この法文上は示されていないわけであります。

 学校、興行場等の使用制限、停止などの要請等については、政府対策本部が基本的対処方針を示していく仕組みとなっております。その際に、「新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認める」、こういう要件に立って国が判断をすれば、実際には限定なく対象が広がりかねないのではないのかという疑問を持つわけであります。

 その点では、期間についても同様で、政府対策本部が基本的対処方針において統一的な方針を定めることになっており、法文上には特段の期間の限定というのはないと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○中川国務大臣 国、都道府県あるいは市町村が連携しながら対応していくわけですが、講じるべき対策というのは非常に多岐にわたっておりまして、実際には、先ほどお話しの公共的機関や公益的事業を営む法人に担っていただく対策も非常に多いということが想定をされます。

 このため、あらかじめ国または都道府県が指定公共機関を指定しまして、当該機関に新型インフルエンザ等発生時の対策を実施する責務を課していくということになるわけですが、そういうことによって、国、地方あるいは民間の公共的機関や公益的事業者とが総合的な対策として組み合わせて準備ができるということになってきます。

 本法案における機関あるいは法人ということについては、条文上、災害対策基本法等と同様に、電気、ガスの供給事業、通信、運送の事業を営む法人に加えて、新型インフルエンザ等対策において重要な位置を占める医療、医薬品それから医療機器の製造または販売事業を営む法人を例示的に挙げております。

 実際にどのような機関を指定するかということについては今後検討していくことになるんですが、指定公共機関等として指定する場合には、新型インフルエンザ等発生時に指定公共機関等として責務を果たしていただくためにその役割について十分な理解をしていただく、それが前提になるわけですが、そこが重要だというふうに考えております。

○塩川委員 失礼、ちょっと言葉が足りなかったと思うんですけれども、指定公共機関の機関じゃなくて、スパンとしての期間の話です。

 つまり、使用制限ですとか停止などの要請を行うわけですけれども、その際にどのくらいの期間、使用制限とかあるいは停止を求めるかということについては法文上に特段の限定がないと思うんですが、この点についてお尋ねします。

○中川国務大臣 失礼しました。

 法文上には指定はしておりません。ただ、想定しているのは、発生初期などおおむね一、二週間程度を目安に講ずることが主に想定をされているということであります。政府対策本部の定める基本的対処方針が出てくるわけですが、ここにおいて統一的な方針を定めることを想定しておりまして、できる限り内容等をその時点で明確にしていくということであります。

○塩川委員 今、発生初期などおおむね一、二週間程度を目安に講ずることが想定されているということなんですけれども、発生初期などということです。その点では、新型インフルエンザ対策行動計画を見ても、国内発生早期、国内感染期、それから小康期とそれぞれ区分があるわけですよね。そうすると、発生初期などとおっしゃっておられるので、その期間というのは国内発生早期に限定されているものなんでしょうか。

○中川国務大臣 実際に発生の状況を見ていくと、恐らく、まず地域ごとに指定が順番になされていって、それが全国に広がっていくというプロセスになっていくんだろうというふうに思います。

 そういう意味で、地域の状況を見ながら発生時期に応じた形で想定したのが一、二週間ということですが、時と場合によっては、その状況によって変わってくるということも想定をされるということであります。

○塩川委員 この行動計画では、国内発生早期だけではなく国内感染期でも、集会の自粛等の権利制限の要請を行うことを想定しているということになっていますね。

○田河政府参考人 感染を防止するための協力要請でございますが、この法案の条文におきましては、具体的な期間は定めておりません。しかしながら、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して都道府県知事が定める期間、これは、先ほど一、二週間程度と申し上げましたのは、そうした潜伏期間とか治癒までの期間を考慮してというふうに法律上規定しているため、そのようにお答えしたものでございます。

 そしてまた、どういう場合に協力要請を行っていくのかにつきまして、確かに行動計画の中でも記載もしておりますが、その点につきましては、厚労省の新型インフルエンザの専門家会議でも、どういうふうに協力要請をしていくべきか、そういう議論もされております。

 そして、その専門家会議などを見ますと、例えば、発生の最初のころにするのが効果的ではないかなどの議論もされているところでございまして、そうしたことにつきましては、私ども、新型インフルエンザの専門家の方々の御意見を聞きながら、今後さらに検討を深めていきたい、そのように考えております。

○塩川委員 法文上に期間の規定はないということで、政府が専門家に意見も聞きながら基本的対処方針の中で決めるということですけれども、例えば、今言ったように、国内感染期でも集会の自粛等の権利制限の要請も予定していますし、小康期でも、「臨時休業や集会の自粛等の解除の目安を示す。」とあるので、小康期においても集会の自粛等が想定されるものとなっております。この行動計画でも、流行が各地域で約八週間続くという仮定のもとでのシミュレーションなども行っているということですから、単純に、今言った潜伏期間及び治癒までの期間ということではないし、また、第二波があるんじゃないかという話もあります。

 期間の限定が示されていない。なるべく期間を短く限定するという明文上の規定もない。そういう点では、この法案では、対象も期間も限定がなく、国の基本的対処方針次第となっているというスキームであります。

 こういったことについて、本来は国民的な議論が必要であります。しかしながら、法案提出に至る検討が行われた関係省庁対策会議や内閣官房新型インフルエンザ等対策室における検討については、議事録が公開されていない。そのために、どのような議論が行われたかが国民の前に明らかではないということだと思うんですが、この議事録というのは公開されているのかどうか、その点を確認させてください。

○田河政府参考人 この新型インフルエンザ対策に関しましては、御指摘のように、関係省庁の局長級の会議の中でも議論が進められてきたところでございます。また、そのほかにも、医療関係者あるいは地方自治体の方々とも意見交換等をさせていただいております。

 それで、御指摘の局長級の関係省庁対策会議は、議事概要がたしかホームページに掲載されていたかというふうに考えております。

○塩川委員 いや、議事録が公開されているかとお聞きしたんですが、その点はいかがですか。

○田河政府参考人 お答えいたします。

 議事録ではなく議事概要が公表されております。

○塩川委員 ですから、議事録が公開されていないんですよ。専門家のヒアリングなども行われているけれども、その中身というのもわからないという状況です。

 この間でいえば、原発事故対処に当たっての議事録も残っていなければ、秘密保全法制についての有識者会議の議事録の公開も行わない、こういった政府の対応があるからこそ、国民の信頼が損なわれているのではないのかということを言わざるを得ません。また同じことを繰り返そうとしているのではないのか。

 国民的な議論を経て基本的対処方針などを決めるということですけれども、その前段として、そもそもこの法案審議に当たって、透明化を図って、国民的な意見を踏まえたものにしてこそ、国民的な協力の道だと思います。情報開示もまともに行わず、国民的な議論の場も保障しない状況で、基本的人権の制約等に関して国民から懸念の声が上がるのは当然であります。

 新型インフルエンザ流行という深刻な事態においては、国民的な協力が欠かせないわけで、このような国民の理解と納得のないまま拙速に進めれば、結果として、国民の協力が得られないということにもなりかねない、このことを指摘しておくものであります。

 次に、指定公共機関に関連してお尋ねをいたします。

 この指定公共機関には、放送局としてNHKが例示をされています。政令で定めるということがありますから、この政令で定めるものの中に民放は含まれるんでしょうか。

○中川国務大臣 指定公共機関は、国によって指定されるものでありまして、この枠組みは災害対策基本法と同様のものを前提にしております。そういう意味で、日本放送協会、NHKもここに例示をされているということであります。

 現時点では、業務計画の策定等はNHKについては義務づけられていないために、仮に新型インフルエンザ等が発生した場合に、確実に業務を継続することに支障が生じるというふうなおそれがあります。このために、指定公共機関として指定し、蔓延時に備えるために、業務計画の作成、その概要の公表等、国民に対し一定の責務を担っていただくということであります。

 民放各社については、災害対策基本法では指定をされておりませんので、本法案についても、現段階においては政令で指定することは想定をしていません。

○塩川委員 災害対策基本法と同様のものを基本にしているとおっしゃいましたけれども、この間の説明では、地方との関係では災害対策基本法、国のあり方の問題では国民保護法という危機管理法制をベースに法案化したと承知をしているわけですけれども、それはそうですね、違うんですか。

○田河政府参考人 指定公共機関に関してのお尋ねでございますが、この法案、災害対策基本法と国民保護法、その両方のよいところをなるべく取り入れるような形でつくったつもりでございます。そういう面で、それぞれ踏まえながら、必要性に応じて考えている。

 ですから、例えば、先ほど民放のお話もいただきましたが、それに関しては、現時点で私どもは余り考えていないというふうな状況でございます。

○塩川委員 国民保護法では指定公共機関に民放が入っていると承知していますが、その点を確認してもらえますか。

○田河政府参考人 国民保護法におきましては、御指摘のように、これは民放も含まれております。これはやはり、国民保護法が想定している緊急事態に警報を出す、そうしたことも関係しているのかというふうにも思っております。

○塩川委員 さっきの答弁で、現時点では民放は考えていないということですけれども、それは現時点の話でもありますし、国民保護法と災害対策基本法のいいところを踏まえてつくったということであれば、政府として、国民保護法のいいところという趣旨として、指定公共機関に民放を入れるということもまた排除されないということも言えるわけであります。

 それで、指定公共機関は業務計画の作成が義務づけられます。そこで、お聞きしたいのは、九条二項一号に、当該指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策の内容及び実施方法に関する事項とありますけれども、例えばNHKで、業務計画に放送内容についても書き込むというふうになるんでしょうか、ならないんでしょうか。

○田河政府参考人 ここの指定公共機関の業務計画、いわゆる業務継続計画とよく言われますが、BCPと言われている場合もございます、そうしたものを私どもは想定しています。そういう意味におきましては、放送の自律性、そうしたものは当然尊重されるべきものである、私どもはそのように考えております。

○塩川委員 それから、政府行動計画の作成、公表に係る六条二項二号のロでは、「新型インフルエンザ等に関する情報の地方公共団体、指定公共機関、事業者及び国民への適切な方法による提供」とあります。つまり、政府として指定公共機関等に適切な情報の提供とあるわけですけれども、それを踏まえて、放送局に対し、政府の情報を報道してくださいねという要請というのは、これはあり得る話なんですか。

○田河政府参考人 お答えいたします。

 第六条第二項の、ここのロのところでございますが、「新型インフルエンザ等に関する情報の地方公共団体、指定公共機関、事業者及び国民への適切な方法による提供」、これは、いろいろな主体となる地方公共団体、指定公共機関、放送局以外の、むしろいろいろな電力とかそういうところも想定されます。そうしたところが適切に対応できるよう、そういうところに対して情報提供するという内容でございます。

○塩川委員 新型インフルエンザ発生時には、政府対策本部長は、基本的対処方針に基づき、指定公共機関に対し総合調整を行うことができる、従わない場合には、政府対策本部長は、指定公共機関に対し必要な指示をすることができるとあります。この規定を踏まえると、放送内容への介入が可能となるのではないのかということも見てとれるわけですが、この点はどうでしょうか。

○田河政府参考人 お答えいたします。

 私ども、放送事業者に関しましては、報道の自由あるいは編成権の自由との関係もあり、これらが最大限尊重されるべきことは当然だろうというふうに思っております。放送法にも、法律に定める権限に基づく場合でなければ、放送事業者は放送番組の編集の自由を侵されない、そういう規定もございます。そうしたことを当然踏まえながら、対応していく考えでございます。

○塩川委員 業務継続計画をつくってもらう、だからこそ指定公共機関だという話がありましたけれども、そういう意味では、ふだんの業務を続けてください、そのための体制をしっかりつくってくださいねという趣旨でしょうけれども、そういう点でいいますと、放送法上、NHKにはあまねく義務がかかっています。ですから、あらゆる事態も想定をしてNHKは放送を届けるという義務がそもそもかかっているんですから、何も新たに指定公共機関に入れる必要がないんじゃないですか。

○田河政府参考人 お答えいたします。

 日本放送協会さんを法案の中で指定している、これは災害対策基本法と同様な枠組みでございますが、現在、日本放送協会につきましては、現状の状態を申し上げますと、新型インフルエンザ蔓延時における業務計画の策定等は法律上義務づけられておりません。そうした意味におきましては、仮に新型インフルエンザが発生した場合、確実に業務を継続することに支障が生じるおそれがあるというふうに考えております。

 このため、私ども、法案の中におきましては、日本放送協会につきましては指定公共機関として指定し、蔓延時に備えるため業務計画の作成をお願いする一方で、また、そのことに対して、きちんと業務が継続できるよう、NHKの方から国や地方公共団体に対し協力の応援を求めることができる、そうした枠組みとすることが適当であるというふうに考えているところでございます。

○塩川委員 NHKにそういったのをかける必然性というのはわかりません。

 時間が来たので終わりますけれども、この法案のベースとなった国民保護法では、放送局に対し、警報、避難の指示の放送義務を課しています。有事法制である国民保護法を下敷きにしたこの法案では、放送内容への介入が生じる懸念は拭えません。本来、パンデミックに備えるということであれば、危機管理だけを議論するのではなくて、日常的な医療体制の強化など総合的な対策が必要です。

 そういう点でも、例えば保健所です。保健所においても、今まさに公衆衛生の拠点、司令塔の役割を果たすわけですけれども、この間、保健所の数は減少しています。さらには、保健所長の医師資格という要件を外すという要望が地方団体とか地方分権改革推進委員会から出ているわけですよね。それはおかしいじゃないかと厚労省なども言っているわけですけれども、なぜそういう声が出ているのかといえば、医師確保が困難だからというのが地方側の声になっているわけですよ。そういった現状の医師不足という事態こそ打開をすべきだ。こういうことにこそ力を入れることによって、日常的な医療体制の強化などの総合的な対策を図る。

 この間、地域医療体制が掘り崩されるような国の地方財政措置の後退などを改めて、医療体制の充実、マンパワーの充実こそ非常時への一番の備えだということを申し上げて、質問を終わります。

○荒井委員長 次に、浅尾慶一郎君。

○浅尾委員 みんなの党の浅尾慶一郎です。

 基本的にこの法案には賛成でありますけれども、幾つか技術的に確認をさせていただきたいことがございますので、質疑をさせていただきたいと思います。

 質疑をする中身が、今、塩川さんが取り上げたところとかなりかぶっているところもありますけれども、具体例をできるだけ出していただけると大変ありがたいなというふうに思います。

 この法の三十三条第一項におきまして、政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態において、第二十条第一項の総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときに、指定公共機関に対して必要な指示をすることができるとされております。

 この指定公共機関というのは、法の二条六号で、独立行政法人とか日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び医療、医薬品または医療機器の製造または販売、電気またはガスの供給、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、政令で定めるものと定義されております。

 その他の公益的事業を営む法人というのが政令で定めるということになっておりますけれども、これが結構、政令の定め方によっては幅広くできるのではないか。先ほど中川大臣も、そこはそうでないというようなことをおっしゃっておられましたけれども、法を新たにつくるというときに、立法者の意思というのが、御答弁いただくことによって政令の範囲がある程度予測できる。

 今後の有識者からの意見ということもあろうかと思いますけれども、現段階で想定しているものとして、公益的事業を営む法人としては、どのような法人を政令で定めることを予定しておられるか、具体例をまず出していただければと思います。

○中川国務大臣 前提としては、災害対策基本法等と同様のものを想定しているということであります。

 条文上では、さっきのお話のように、電気、ガスの供給事業、それから、通信、運送の事業を営む法人に加えて、新型インフルエンザ等対策において重要な位置を占める医療、医薬品、医療機器の製造または販売事業を営む法人を例示しております。

 さっきちょっとお話が出ました民放各社については、災害対策基本法では指定をされておりません。そういう意味においても、本法でも現段階においては政令で指定することは想定をしていないということであります。

 その他については、新型インフルエンザ等発生時に指定公共機関等としての責務を果たしていただくために、十分、その役割について理解をいただくことが重要と考えておりまして、これからの議論の中でさらに詳しく詰めていきたいというふうに思っております。

○浅尾委員 ここで例示があるようなんですね。組織、日本銀行とか日本赤十字社とか日本放送協会その他はいいんですけれども、あるいは、新型インフルエンザということで、医療、医薬品あるいは医療機器というところもわかるわけですが、要は、法が守ろうとしている利益というのは多くの人が来る場所ということが想定されるんだと思います。

 公益的事業といったときに、例えば金融機関の支店なんというのは、これは今後考えるということになるのかもしれませんが、含まれるのかどうか。そうやって広げていくといろいろなところが入るんだろうと思いますが、そこはどういう哲学に基づいて政令を考えていかれるのか、伺いたいと思います。

○中川国務大臣 国民保護法であるとか、あるいは災害対策基本法では、指定公共機関として、ここで例示をした以外のものもたくさん含まれておるわけですが、これに対して、今回はインフルエンザということでありますので、それを前提にして協力をいただく、あるいは必要な機能を負っていただくというようなところを判断しながら指定をしていくということになりまして、これからの詰めということで御理解をいただきたいと思います。

○浅尾委員 要するに、いろいろな人が集まるところは感染のリスクがあるから指定をするという、多分、哲学になるんだろうなというところもあると思います。

 そのときに、一方で、指定を受ける側からすると、受ける結果、いろいろな責務が生じる。責務というのは、結果として、指定を受けた企業ないし組織からすると、従来にない負荷がかかる。それから、そこの、公共的事業を営む法人であっても、それを利用する人に対してもそれなりの負荷がかかるということになるんだと思いますので、できるだけ、ここはその哲学を明らかにした上で、予測可能性が高いようにしておかないといけないんだろうなというふうに思います。

 それは今後有識者からの声も聞いてということでしょうけれども、ある程度、今の段階でこれは入るとか入らないというのは多分なかなか言いづらいところもあろうかと思いますが、予測可能性を高めるという意識はあるというぐらいの御答弁をいただけると大変ありがたいのではないかと思うんです。

○中川国務大臣 御指摘のとおりだというふうに思います。

 それで、同時に、それぞれの公共機関に対して理解をいただくということがこれは大前提になるというふうに思いますので、その努力をこれからしていくということであります。

○浅尾委員 今例示されていない公共機関で、仮に有識者からの指摘があって、それを政令で含めるというふうになる前には、多分パブリックコメント等々も求められるのではないかなというふうに思いますが、そういう理解でよろしいですか。

○中川国務大臣 これは政令事項になっていきますので、そういう意味でも、あわせてパブリックコメントということで理解を求めていきたいと思っています。

○浅尾委員 次の質問に移らせていただきたいと思います。

 法律の二十条第一項で、政府対策本部長は、「指定行政機関、都道府県及び指定公共機関が実施する新型インフルエンザ等対策に関する総合調整を行うことができる。」とされております。

 この総合調整という言葉も、多分、それはいろいろなことがあるから当然さまざまな内容を含むんだと思います。逆に言うと、さまざまな内容が含み得ることからして、場合によっては、その結果、当然、行政府としては国民の生命を守るために国民の私権を制限するということになるんだと思います。制限される可能性もあるということです。

 そうすると、では具体的にどんなことがその総合調整の中にあるのかというのを、特に民間の法人との関係で例示をしていただければということできのうレクでお願いしておいたので、ぜひ何か例を出していただければと思います。

○後藤副大臣 先生御指摘のとおり、今回新たに指定公共機関に認定する方、従来の緊急の災害法体系と若干プラスに多分なっていくと思います。

 この法律の一条の趣旨、目的にも記載をさせてもらったように、今回は、あくまでも新型インフルエンザ等が、一般に、現在の国民の大部分が感染症に免疫を獲得していないという前提の中で、その全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に重大な影響を与えるおそれがある、これを回避するために、国を挙げて社会全体にわたる総合的な対策を講じていく必要性という中で整理をさせていただいています。

 先生御指摘の二十条一項で、政府対策本部長は、多くの組織が関連する新型インフルエンザ対策が全体として適切に行われるように総合調整を行うことができるという規定がございます。

 この総合調整というのは、それぞれの主体の活動や行為がそれぞれの仕事によって当然違いますから、それを、それぞれの目的、手段、手続等の見地から相互に調和して行われるような助言、要請、勧告というふうなことを想定しています。

 具体的にお話をさせてもらえば、例えば、電気事業者等である指定公共機関が、みずからの業務計画で定めるところにより、電気等を安定的かつ適切に供給するために必要な措置を講ずる、五十二条一項のような要請を行うことや、例えば運送業者、五十三条一項でございますが、指定公共機関は、みずからの業務計画で定めるところにより、旅客及び貨物の運送を適切に実施するために必要な措置を講ずる。

 こういうふうなことですから、先ほど大臣がお答えをした部分にもちょっと関連をしますが、あくまでもこの総合調整というのは、新型インフルエンザ等が発生したとき、この法律の定める範囲内において、その業務にかかわるインフルエンザ等対策を実施する責務という三条五項の部分が多分考え方のベースになってくると思います。

 そういう意味では、最終的にまたこの総合調整に従うかどうかというのは、当然、法的な罰則はこの法律には規定をされておりません。しかしながら、全体として、冒頭申し上げました一条の趣旨に従って、総合調整を受けた主体に最終的な判断は委ねられているものの、やはり政府対策本部長に従っていただくようなことは、それぞれの事業者の責任と誇り、使命感というような、少し抽象的になりますが、そういうものと総合的に、指定公共機関の皆さん方がこの法律の目的に従って総合調整の仕組みを受け入れていただけるというふうに思っております。

○浅尾委員 この総合調整は、先ほども条文を読み上げましたけれども、三十三条一項では、総合調整に基づく所要の措置が実施されない場合であって、新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときに、指定公共機関に対して必要な指示をすることができるというふうになっていますが、例えば、民間企業に対しての指示というのは具体的にどういうものがありますか。

○後藤副大臣 三十三条には、先生御指摘のとおり、必要があると認める場合には必要な指示をできるというふうな規定がございます。これも、繰り返しの部分は省略をしますが、全国的かつ急速な蔓延の部分で国民生活及び国民経済に重大な影響を与えるおそれがある、これを回避するために、官民総がかりで社会全体にわたる総合的な対策の実施を講ずるという、その必要性に応じて対応するものであります。

 この三十三条一項の指示というのは、一定の行為について方針、基準、例えばそれぞれのケースで、ガイドラインと言えるかどうかは別としても、今後これは詰めていくことになると思いますが、必要な基準というようなものを示しながら、それを実施させるということ。例えば、電気、ガス事業者であれば供給責任、医療関係者であれば医療の提供、医薬品や医療機器の製造、販売をきちっとしていただくというふうなことを念頭にしております。

 いずれにしても、先ほどの二十条の総合調整をまず要請し、その要請による措置が実施されない場合に、特に必要がある場合の三十三条の指示という規定ですから、二段階というある意味では慎重な手続をとりながらも、先ほどの総合調整と同様ですが、強制をする担保という規定、罰則規定等は設けておりませんが、これも指定公共機関になっていただく皆さん方の自主性また使命感も含めたものに十分配慮して運用ができるように、期待と、また対策本部もその要請をしていくというふうなことになっていくと思います。

○浅尾委員 具体的にどんな内容かということで伺っているので、できれば具体例を出していただきたかったんですけれども、こちらで具体例を出しますから、お答えいただきたいと思います。

 例えば、指定公共機関である電鉄会社が、外出自粛が出ているので、少し輸送量をふだんより間引きをするような指示というのは可能性があるんでしょうか。

○後藤副大臣 そういうことも可能性としたらあると思いますが、これから政令の指定に当たって基準等は具体的に詰めていくことになるというふうに思っています。

○浅尾委員 守るべき法益というものがあるでしょうから、決して、今申し上げた例がだめだということではありませんが、そうなると、かなりいろいろな方の利便性その他も制限するということになるので、繰り返しになりますけれども、基準自体は事前にわかりやすい内容で決めていただきたいということを御要請させていただきたいと思います。

 それから、先ほど放送機関についてはお答えいただいたので、一点だけ確認ですが、これは、条文を読むとそう読めなくもないということですけれども、昨日のレクの段階で、そういうことはあり得ないというふうに言っておられたので、報道の中身、いわゆる政府がこういうふうにしてくださいということ以外の報道の内容の規制はありませんという理解でよろしいんだと思いますが、そういう理解でよろしいですか。

○園田大臣政務官 先生おっしゃるとおりで、この法案において、報道の内容についてまで規制をするというような構成にはなっておりません。

 むしろ、そういったことは放送法に言われておりますが、法律に定める権限、すなわち個別にこれを規制するというような形があればそれは当然そのような形にはなっていくのかもしれませんけれども、この私どもが提出をさせていただいている法律の中身には、放送に関する個別具体的な規制をする内容のものにはなっておりませんので、したがって、先生のおっしゃるように、報道内容を規制するものではないということだけは申し上げます。

○浅尾委員 それでは次の質問に移らせていただきますが、三十二条の一項で、新型インフルエンザ等緊急事態宣言をする際には緊急事態措置を実施すべき期間を公示するというふうになっておりまして、その期間は二年を超えてはならないというふうに書かれております。

 私は医学は全く素人なのでありますが、何となくパンデミック的に広がっていくもの、昨日のレクの段階では、潜伏期間というか、抗体ができるまで二年ぐらいかかるという、何かそんな御説明だったと思いますが、重篤な事態に陥る可能性のあるインフルエンザがはやり出して、さらにそこから二年も感染が続いていくということは本当にあり得るんだろうかと。それは、どちらかというと、この場にいらっしゃるほかの、お医者さんの人にはそういうこともあり得るんだと言っていただいた方がいいのかもしれませんが、何となく、そうなった場合は、既に一般的なインフルエンザのような気がしなくもないんですね。

 ですから、想定しているのは、そういうことがあってはいけないんでしょうけれども、伝染性が比較的高くて、しかも重篤な事態になるというものだとすると、この二年というのは期間として本当にかなり長目にとっているんではないかなというふうに思います。

 もし大臣が今申し上げた点についてお答えいただければありがたいと思いますし、加えて、本当は、二年ということではなくて、期間は短目にしておいて延長ができるようにした方がよかったんじゃないかというふうに思いますが、その二点について、大臣の方からお答えいただければと思います。

○中川国務大臣 これは専門家の知見をベースにしてこの二年というのは決めたということでありますが、二年程度を目安にしてということなので、これで全て決まりということではなくて、これよりも短ければ、その判断ができれば短く、延長しなければならないということであればそういうふうに運用をするということであります。

 先ほどお話が出たように、この二年というのは、多くの国民が大体免疫を得るようになるために通常必要と言われる期間ということでありますので、恐らく流行の山があって、山が頂点になって、それから下がっていく過程の中で、この免疫性というのが国民に行き渡った上、まあそういうことがあるから山が下がってくるんだろうというふうに思うんですが、その辺の判断がここにあるんだろうと思います。

 参考に、スペイン風邪のときも大体二年近くというふうに判断をしておるようであります。

○浅尾委員 私権の制限的な要素も入っている法律ですので、できるだけ実態に合わせた形で緊急事態宣言は出していただければというふうに思います。

 その上で、緊急事態措置を実施すべき期間というのは、一年の延長というのが三十二条の三項、四項で可能になっております。

 これはちょっと対比がいいのかどうかというものがありますが、いろいろな国が行う行為で、国会への報告と国会での承認というものがありまして、どちらかというと安全保障関係は国会承認というものが比較的多いような気がします。これは安全保障と新型インフルエンザは違いますけれども、ある種国民の権利を制限するということであれば、特に緊急事態宣言をするときは急ぎの場合があるでしょうから、事後ないしは報告ということはあり得ると思いますが、延長ということになれば、延長しなければいけないということはそれなりに予測可能性が高いだろうというふうに思いますので、そうだとすれば、延長のときぐらいは、本来は報告ではなくて国会承認にした方がよかったんじゃないかというふうに思います。

 これは、出されたからにはその方がいいとはなかなかおっしゃりづらいと思いますが、考え方について、どういうふうに思われるか、伺えればと思います。

○中川国務大臣 先ほど御指摘のように、国会承認ということになると、自衛隊の防衛出動や、あるいは警察を内閣総理大臣の統制下に置く場合など、実際に国が実力部隊を動かすというふうな、そういう際に求められるということがこれまで通例になっておるということだと思います。

 そのことを前提にして考えていきますと、今回の延長時、及び解除するときもそうなんですが、この議論というのは、国会に報告をさせていただいて、そこでこれもまた十分な御議論をいただくわけですから、この辺でいいのではないかという判断をさせていただいたということであります。

○浅尾委員 ありがとうございます。

 それでは、新型インフルエンザからちょっと離れまして、中川大臣が新しい公共も御担当されているということなので、ちょっと一つだけ質問させていただきたいというふうに思います。

 たまたま私の事務所にというか、これはインターネット上で常に政策の提言を募集している中に、比較的、ああ、なるほどなと思うような提言がありました。その提言の中身を先に申し上げた上、私の理解、現行で行われていることを申し上げた上で、これが新しい公共に合致するのかどうかはわかりませんが、多分、新しい公共的な考え方、広い意味ではその中に入っているんだろうと思いますので、大臣に伺わせていただきたいと思います。

 この政策の提言をされた方は、よく、海外に行かれると、小銭は最後両替ができない、だから、余った小銭は現地で無理やり使うか、要するにデューティーフリーショップの中に入ってから余った小銭を使うというケースを自分も体験してきた。翻って、日本に来られる外国人もこれは同じことなんだろう。要は、日本の場合は、当然のことですけれども、千円以下については両替できないということだとすると、日本に来られた外国の方も、お土産のかわりに小銭を使っているかもしれませんが、それを無理やり使っているケースもあるのではないか。だとすれば、特に今は、東日本大震災の支援のために、余った小銭は置いていっていただけないかということを呼びかけたらどうだろうかという提言をいただきました。

 調べたところ、成田と関空にそれぞれ募金箱はあるようでありますが、そして羽田にもあるそうなんですが、羽田は余り使われていないということで撤去されてしまったということで、多分、募金箱はあるそうなんですが、告知みたいなことがされていないのではないか。

 むしろ、もう少し話を大きくすれば、各国ともそれぞれ自国で何らか使いたい事情というのがあるだろう、だから、全部日本にくれということじゃなくて、それぞれの国の観光に来られた方が余った小銭を、それは別に、もちろん善意ですから強制でも何でもないんですけれども、告知をすることによってそれが本当に必要な分野に回るというのは、なかなか考え方としてはおもしろいのではないかなというふうに思います。

 特に、広い意味での、外国の方が日本に来られた関係でのパブリックということになるかもしれませんし、日本の、特に震災から一周年ということで、何らか政府として、特に新しい公共を御担当されている大臣として、こういうアイデアもありましたということで、後ほど差し支えなければこのメールも転送させていただければと思いますが、少しそういったようなことも含めて御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○中川国務大臣 とても大事な御提言をいただいて感謝します。

 どういう主体で寄附金を集めるかということであるとか、目的をどういう形でアピールしていくか、いろいろな工夫が要るんだろうと思うんです。しっかり受けとめさせていただいて、積極的にやらせていただきたいと思います。

○浅尾委員 時間が残っていますけれども、大変前向きな答えをいただいたので、これで質問を終わりたいと思います。

○荒井委員長 次に、鴨下一郎君。

○鴨下委員 きょうは新型インフルの審議でありますけれども、今までの審議を伺っておりまして、ほぼ全体的には議論が尽くされているかなというふうに思うわけでありますけれども、少し幅を広げていろいろと伺いたいと思います。

 中川大臣は、今、新型インフルの法案の担当大臣でありますけれども、どういう立場でこの新型インフルの所管になっていらっしゃるんでしょうか。

○中川国務大臣 改めてそう聞かれると迷ってしまうんですけれども。いずれにしても、特命大臣ですから、総理の方からこれをということで賜ったんですけれども、危機対応とか防災担当という、その範疇の中で指示があったというふうに理解をしております。

○鴨下委員 それで結構なんですけれども、防災の担当ということは、新型インフルの場合でいうと、例えばパンデミックになってきたときに、単純に言えば政府が緊急事態宣言を発出したとき、これはまさに防災担当大臣が頑張らなければいけない。こういうようなことなんでしょうけれども、普通の、例えば地震なんかが発災したときはあっという間にそういう事態になるわけですが、インフルの場合には、一番最初はそういうようなことじゃなくて、じわじわいろいろなことが起こってきて最終的にパンデミックになっていく、こういうようなプロセスを踏むわけであります。

 そういう意味でいうと、大臣が頑張らなければいけないところまで立ち至れば、これは国にとっても大変なことですから、国民保護法制的なさまざまな危機管理が必要なんでしょうけれども、そこまでの間にかなりのいろいろなことがプロセスとしてあるわけですよね。

 きょう申し上げたかったのは、一つは、例えば日本の国内で渡り鳥が死んだ、それが湖畔に死骸として上がっている、こういうようなところで、これを担当するのは一体誰が最終的にウオッチしているのか。それから、その後に、例えば養鶏業者の中のいろいろな家禽が何羽か死んだ、これはどこが担当だとか。こういうようなことが今までの鳥インフルエンザのプロセスの中であったわけでありますけれども、そこは残念ながら、野鳥は環境省、家禽は農水省、そして場合によって人に感染したというようなことになったら厚労省、それで、本当にだめなというか、ひどい事態になってきたら中川大臣、こういうようなことなんですよね。

 そうすると、そこのところで、誰かが最終的にヘッドクオーター的に、これはどういうプロセスを踏んで危なそうだとか、これはこのくらいでおさまりそうだとか、全体を見ている人というのは現実には国の中にいないのが現状なんですよ。

 だから、そこのところを少し整理しておかないといけないかなと思っていて、そういういろいろな情報が集まるところは一体どこで、誰が最後そういうことの全体的情勢を見ているのか。場合によると、もっと国外的なことで、例えば中国の奥地で、どなたかいわゆる新型インフルエンザと言われるようなことで亡くなった方がいる、こういう情報をいち早くキャッチして、そして日本がどういうふうな影響を受けるか、こういうようなことまで含めて、トータルで全体を見ている人というのはどこにいるんだろうか。このことをまず大臣から、お考えが整理されていれば伺いたいと思います。

○中川国務大臣 防災という考え方からいっても、事が起こってからそれの危機対応をしていくということだけではなくて、事前に、事が起こったとき、あるいは予知ということも含めて対応を考えていく、また行動計画をつくっていくということ、これが防災担当大臣としての私の仕事だというふうに思っております。

 そういう意味で、このインフルエンザも、事が起こってから私の担当ということよりも、その以前から、プレパンデミックのワクチンを準備していくということはもちろんですけれども、さっき御指摘のあったような、鳥や豚などの間でインフルエンザウイルスが変異をしていく、あるいは人から人に感染する、その過程をウオッチしながら絶えずモニターしていくというふうなこと、それも各省庁の中で連携をとっていくということ、これは本当に、改めて御指摘いただいたんですが、大事なことだというふうに思っております。

 それを、実は各省庁、それぞれの現場でやっていくわけですが、それを統括していくのは内閣官房の新型インフルエンザ等対策室でありまして、まさにこの法案を準備してきたところなんですが、そこが取りまとめるということになっております。定期的に各省庁横断的に対策会議等を開催いたしまして、緊密な連携を確保していくということ、こんなことも前提にしながらやっていきたいというふうに思っております。

○鴨下委員 きょうはせっかくそれぞれの所管の、担当省の人が来ていますから、まず、野鳥が死んだ、こういうようなことが例えば地域の住民だとか何かから報告があったときに、それを受けて、これは新型インフルエンザの可能性があるというようなことになったときに、どういう形で政府の中で情報を共有化していくかというのを、まず環境省の方から聞かせてください。

○小林政府参考人 ただいま御指摘の点でございますが、環境省におきましては、ふだんから高病原性の鳥インフルエンザに関する監視活動また情報提供を行うということで、具体的には、今御指摘がありましたように、死んだ鳥がいたというようなところについて監視点を設けまして、ウイルスの保有状況などについてチェックをいたしまして、もしこれが陽性であるということでありますとさらに詳細な調査もし、高病原性であるというようなことになりましたら、随時その情報を内閣官房あるいは農水省などの関係省庁に提供し、また関係機関にも周知を図っていくというようなことをしております。

 あわせて、そのおそれがあるため、なるべく早くキャッチするという意味で、渡り鳥の経路ですとか、あるいは渡来の状況などもチェックをしているものでございます。

○鴨下委員 それは、制度としてルールになっていますか。例えば、環境省がキャッチしたら必ず農水省と内閣官房に上げるというようなことについては。

○小林政府参考人 これにつきましては、ガイドラインを設けまして具体的な手順、それから、内閣官房を中心に、関係者で対策会議、またメール、電話などを通じまして情報を共有するという体制をとっているところでございます。

○鴨下委員 渡り鳥はパスポートを持たないで越境してきますので、水際作戦はなかなかうまくいかない。例えば、本当に、プレパンデミックワクチンだとか何かを用意する上でも、場合によるとH5N1のキャリアで飛んでくる場合もありますので、ぜひそこは感度を上げて取り組んでいただきたいと思います。

 加えまして、農水省にも同じような質問です。

 前回も大変な騒ぎになったことがありましたけれども、家禽がいろいろな形で鳥インフルエンザに罹患してばたばた倒れていく、こういうようなことをできるだけ早い時期に見出すということ、もちろん、飼育している人たちは物すごく敏感に感じているでしょうけれども、それを早目にキャッチして、国全体の情報として共有する。こういうようなことについては緊張感を持ってやっていただきたいというふうに思いますが、そこは制度的にきちんとなっているかどうか。確認です。

○高橋政府参考人 高病原性鳥インフルエンザにつきましては、今御指摘のとおり、養鶏産業に甚大な影響を与えるということでございます。

 先般の家畜伝染病予防法の改正を踏まえまして、今おっしゃられましたとおり、飼育者に当然通報義務があるわけでございますけれども、このほかに、日ごろから、私ども防疫指針を定めておりまして、全国の家畜保健衛生所一カ所当たり三農場について、毎月、定点的にモニタリングを行うということをやっております。加えまして、渡り鳥の飛来状況を勘案いたしまして、毎年十月から翌年五月にかけましては、対象農家を無作為に抽出いたしまして、強化モニタリングも実施をしているところでございます。

 先ほどの環境省におけます渡り鳥の調査とあわせまして、関係省庁の間で情報交換をきちんと進めてまいりたいというふうに思っております。

○鴨下委員 あとは、厚労省も来ていますね。

 例えば、アジアの諸国の中で、鳥インフルエンザであろうということで何人か亡くなるような事案があったときに、例えばアメリカのCDCだとか何かを含めて協力体制で、そういう情報を政府の中で共有できるように、内閣官房と、それから最終的には中川大臣がヘッドクオーターだそうですから、そこで全体的な情報の共有ができるような仕組みにはなっていますか。

○外山政府参考人 新型インフルエンザの発生というのは時々刻々起こっているわけでありまして、パンデミックにならないまでも、ちょっとした変異の情報につきましては、例えば感染症研究所は世界五カ国にありますWHOのインフルエンザ協力センターになっておりまして、そういったところからの情報、あるいは外務省ルート等々で日常的に把握しております。

 そういった情報については、入念的に、関係省庁あるいは内閣官房と密接に日夜情報を共有しております。

○鴨下委員 これは多分、制度だけじゃなくて、属人的なこともあって、あっ、これはちょっと危なそうだなというのは直観的にわかる、こういう感度がないとうまく対応できないということがあると思います。

 そこに座っている四人は、そういう意味では非常に立派な人だと私は思っていますから、ぜひ、これは事態としてこれから大きくなりそうだということだけじゃなくて、万が一があるなというようなときに、必ず内閣官房で集約して、最終的には中川大臣に伝え、なおかつ万全な対応ができるように、こういうようなことを緊張感を持ってやっていただきたいというふうに思います。内閣官房の審議官。

○田河政府参考人 今御指摘いただきましたことは非常に重要なことだろうというふうに思っております。

 私ども、サーベイランスということは非常に重要視しております。そのため、この法案の中の、行動計画の中にもそうしたサーベイランスを記載させていただいておりますが、その際、鋭敏に対応するという意味においては、人の新型インフルエンザに変異するおそれのある、そうした可能性のある動物のものについてもサーベイランスをしていく、そうした考え方でこの法案を取りまとめさせていただきました。

 御指摘のように、緊張感を持って取り組んでいきたいというふうに思っております。

○鴨下委員 そういう意味で、この法案ができただけではだめで、むしろ、その運用に当たって皆さんがしっかりと対応するということが重要であります。そのための、いわば武器といいますかツールを法案として与えるわけですけれども、そこから先は皆さんの頑張りでしかないわけでありますから、最終的には、田河審議官が室長だから、もう二十四時間いつもそのことを考えて、ぜひ緊張感を持ってやっていただきたいというふうに思います。

 今度は、国内の中に実際に新型インフルがいろいろな形で感染が起こってきた、あるいは起こりつつある、こういうようなときには、どういうふうに対応していくかということであります。

 この法案は、新型インフルだけじゃない、新型インフルエンザ等というようなことでありますけれども、これは健康局長がいいのかな、新型インフルエンザ以外にこの法律の適用になるような、想定される疾患というのは、ほかにはどんなものを考えていますか。

○田河政府参考人 法案におきまして、新型インフルエンザ等というふうになっております。この「等」につきましてでございますが、法案の中におきまして、第二条のところに用語の意義、定義規定が置いております。

 そこの中では、新型インフルエンザ等としまして、「感染症法第六条第七項に規定する新型インフルエンザ等感染症及び同条第九項に規定する新感染症」。それも、限定を加えております。「全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。」これは、新感染症といいましても、例えば、接触感染でしかうつらなくて広く蔓延するおそれのないもの、そうしたものに対しては適用する必要がございませんので、限定を加える形にしております。(鴨下委員「具体的にどんな疾患があるか」と呼ぶ)

○外山政府参考人 具体的に新感染症というのはまだはっきりしておりませんけれども、そもそも、ここ数十年間で、人畜共通感染症という問題や、エマージングディジーズということで世界各国起こっているわけでございまして、そういった観点から、今、内閣官房が答弁したような事態というのは十分あり得るという意味で、具体的な個名は申し上げられませんけれども、そういった概念のものだということでございまして、出てくればすぐ名前を言えますけれども、名前はちょっと申し上げられません。

○鴨下委員 例えば、カラスが死んだときに西ナイル熱だとか何かの可能性があるとか、こういうようなことを報道されたことがありますけれども、その程度の疾患だと、この新型インフルエンザ等の中には適用されないんだろうか。

○外山政府参考人 今、ウエストナイル熱の話が出ましたけれども、具体的には、新感染症の脅威、致死率ですね、そういったことも、現状のウイルスがどういうふうに変異しているかを十分見させていただきながら判断するということになろうかと思いますけれども、現行のウエストナイル熱であれば、それほど新感染症に該当していないんじゃないかと思っています。

 ウエストナイル熱も、どうも観察していると、ある一定の期間に変化するようでありまして、油断はならないですけれども、今のところ、そういうふうに考えております。

○鴨下委員 本題に戻りますけれども、そのときに、例えばCDCだとか何かは、変異したH5N1なんかをできるだけ採取して、そしてプレパンデミックをつくっていくための種をしっかりと採取している。日本はなかなかそこまでは体制はできないんでしょうけれども、今用意してあるプレパンデミックワクチンというのはどういう範疇に入るんですか。

○外山政府参考人 日本の国立感染症研究所は、さっき申し上げましたように、世界五カ国のWHOのインフルエンザ協力センターになっていまして、そういう関係上、世界各国でそういった新しいH5N1のようなものが出れば、株をもらえるような約束になっています。どの程度速やかにもらえるかというのは、ちょっとこれからちゃんとやらなきゃいけませんけれども。

 それで、今、プレパンデミックワクチンにつきましては、鳥インフルエンザH5N1の中から複数の株を選定して備蓄しています。これは、何種類か選びまして、交差免疫性というのを重視したり、それから大体どの株がはやりそうかというようなこと等々を総合的に勘案して、どれが当たるかわからないものですから、何種類か念のために備蓄しているという考え方に立っております。

○鴨下委員 そうすると、プレパンデミックワクチンといっても一律のものじゃなくて、幾つかの種類についてのワクチンがプレパンデミックワクチンという中にはあるという理解でいいですか。

○外山政府参考人 そのとおりでございまして、現在であれば、安徽株であるとか、それからベトナム株、インドネシア株、まだ有効期限切れになっていないかと思いますけれども、もうじき有効期限切れになりますけれども、前は青海株というのがありまして、そういうふうな状況と、それから、これからはやる、実際にはやった場合は、交差免疫性とかを比べて、一番いいものを接種するという戦略になろうかと思っています。

○鴨下委員 そうすると、プレパンデミックワクチンの用意状況というのは、例えば何千万人分とかというのがあったけれども、今は、局長がおっしゃっているように、幾つかの株について分けて、仮に一千万人分だとすると二百万人分ずつ五種類あるとか、こういうような考え方で用意してあるということですか。

○外山政府参考人 例えば、今準備してございますのは、安徽株が一千万人分、ベトナム株とインドネシア株が一千万人分、それから、さっき申し上げました青海株はもうじき有効期限切れになりますけれども、一千万人分というふうな形になっております。

○鴨下委員 そうすると、交差免疫性だとか何か考えると、大体一千万人分ぐらいあればとりあえず最初の投与には間に合う分ぐらいは、今想定されるものとしてはあるという理解でいいですね。

○外山政府参考人 いろいろ組み合わせれば、一つで効かなくても場合によっては交差免疫性が拡大しますから、そういうやり方も含めて、かなり期待している部分はあるんです。

 ただ、これは起こってみなきゃわかりませんものですから、その場合には、これじゃだめだということになれば、パンデミックワクチンの方を使わなきゃいけない。パンデミックワクチンの方をなるたけ急いでファーストレスポンダーの方に、社会機能維持者であるとか医療従事者の方に早目に打つ、こういう戦略に変わろうかと思います。

○鴨下委員 ぜひ、それぞれまた変異する株が変わっていく場合には、それに対応していく、こういうようなことも日夜努力をしていただきたい、こういうふうに思います。

 それで、この法律において、指定公共機関ということで先ほどから議論になっておりまして、銀行はどうするんだとか、それから赤十字社とかNHKはどうするんだ、こういうような話はもう既にあったわけでありますけれども、もっと根本的な話として、例えば医師会だとか薬剤師会だとか歯科医師会だとか、こういうものはこの指定公共機関にはどういう扱いになるんでしょうか。

○田河政府参考人 この法案の中で、指定公共機関制度を設けております。

 それで、ほかの法令等を見てみますと、都道府県において指定公共機関にしている幾つかの中身を見てみますと、医師会であるとかそういうところ、医療関係の法人が指定地方公共機関として指定されていることがございます。この新型インフルエンザ対策、医療関係者の協力を確保していくことも重要でございます。

 そうしたことも踏まえながら、具体的にどういうものを指定公共機関にしていくか。これは、それぞれの団体のお考え等も聞く必要があると思っております。今、例えば日本医師会の方からも、指定公共機関のことの議論、そうしたこともお伺いをしているところでございます。今後、学識経験者の御意見等も踏まえながら、これは医療関係者も含まれると思いますが、検討させていただきたいというふうに思っております。

○鴨下委員 この法律が通って、最終的に、いざというときの最前線に立つのは、今申し上げたような三師会を含めた医療従事者でありますから、こういう医療従事者の協力を全面的にしてもらうためにも、ぜひ、これから議論をきちんとして、そして双方納得いくような体制をつくっていただきたいと思いますが、これはちょっと大臣に。

○中川国務大臣 まさに御指摘のように、それぞれの関係機関が主体的に協力をしていただけるような環境を我々しっかりつくっていくということは大前提だというふうに思います。そういう配慮をしながら、この法律に基づいた形で政令の中身というのを、会話をしながら議論をしていきたいというふうに思います。

○鴨下委員 ぜひ、実際に機能するように、想像力を働かせながらこの体制を整えていっていただきたいなというふうに思います。先ほど、一羽の鳥から始まって、最後は国民の皆さんの生命の問題にまで及ぶわけでありますから、ぜひ、総合的な全体的な観点に立って、しかも具体的にイメージできるようにしていただきたいなというふうに思います。

 他方、この法案に対していろいろな批判があります。

 一つの批判は、先ほども議論ありました、例えば過去のスペイン風邪のように、多くの方が亡くなるというような最悪の想定の上でこの法制は成り立っている部分がありますけれども、現実には、あのころは、例えばタミフルもありませんでした、プレパンデミックワクチンもありませんでした、それから細胞培養法によるワクチンの製造の工程もありませんでした。

 そしてなおかつ、情報量として圧倒的に、今のようなインターネットがあるとか、それからテレビがあるとか、こういうような意味での国民に対しての情報提供も十分でない。もちろん、医療全体のレベルもそんなに高くなかった。

 こういうようなときに、亡くなった方の数を想定して、さあ大変だと、余りにもそれを言ってしまうと、逆に言うといろいろな意味で国民の権利を縛ることになるかもわからないし、放送関係の方々は、放送のいろいろな自由を奪うんじゃないか、こういうような懸念もあるわけで、私は、もちろん国民の皆さんの生命を守るというのは一義的なことで大事なことでありますけれども、それをいわば金科玉条のごとくにして、そして逆に国民の権利を極端に縛るというようなことになると、アンバランスはよくないなというふうに思っている。

 これは多分、政治家の中川大臣がもし当事者だったら、きちんとそこはバランスをとるという感覚というのは非常に重要なんだろうと思いますけれども、そういう懸念をしている人たちがたくさんおりますので、もし今この法案が通った後の運用において、直線的に国民の権利を縛っていくことが予防につながるんだ、こういうようなことだけではないんだということについて、お答えをいただければと思います。

○中川国務大臣 確かに、最悪の事態を想定するということに前提がなっているんですけれども、ここについては、見る角度によって先ほどのような指摘があるということも事実だと思います。

 もう一方で、スペイン・インフルエンザの発生時と比較すると、人口の増加と高齢化による基礎疾患を有する者の増加、これが大きくある。都市への人口集中であるとか、あるいは高速大量交通の飛躍的な発達などによって社会生活環境も大きな変化を遂げている、こういうことが平成十六年八月の厚労省の新型インフルエンザ対策検討小委員会の報告書の中でも指摘をされております。

 こういうことを勘案しながら、一つは、被害想定に係る推計については、これで決め置きということではなくて、随時最新の科学的知見を踏まえて見直していくという姿勢が大事だろうというふうに思っておりまして、そういうことを繰り返しやっていきたい、専門家の中で知見を集めていきたいというふうに思っております。

 その上で、どういう配慮をしていくかということでありますが、一つは、いわゆるリスクコミュニケーションだというふうに思います。

 平成二十一年の新型インフルエンザの発生時における広報、リスクコミュニケーションについては、厚生労働省の総括会議の報告書において幾つか指摘をされておりまして、一つは、複数の情報が流れて混乱を招くことのないようにすべきだということであるとか、外国人や高齢者等、情報が届きにくい人にも配慮すべきだというふうなこと、あるいは、対策の現場である地方自治体や医療機関等に迅速に情報提供をすべきだということ。もちろん、基本的な情報を開示していくということ、これはもう大前提になりますが、そういうことも含めて工夫をしていかなければならないというふうに思っております。

 厚生労働省及び内閣官房においては、マスコミのみならずに、コールセンターの設置であるとかインターネットの活用などの、情報の受け取り手に応じた情報提供、それから、対策の現場とのメール等によるリアルタイムかつ双方向の情報共有、こういうことをしていきたいと思います。

 協力をしていただく公益関係機関にとっても、こうした情報がベースになって、法律で縛られるということではなくて、自発的にその体制に対して協力をしていく、こういう体制になっていくという流れをつくっていかなければならないというふうに思っておりまして、それをこれからの専門部会の中でもしっかり議論しながらつくっていきたい、体制をつくっていきたいというふうに思っております。

○鴨下委員 非常に重要なことでありますので、余り一辺倒に規制だとか権利を制限するとか、こっちの方にだあっと走らないように、いろいろと科学的な知見を踏まえて冷静かつ一番有効なことを判断していく、こういうことが多分、中川大臣を含めて政治の役目なんだろうと思っておりますので、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。

 その上で、最終的には緊急事態宣言を発するというようなところに至ることも想定をして考えていかなければいけないんですけれども、今申し上げたような各段階において、それぞれ、机上でやってもいい部分もあるし、具体的にいろいろと訓練というのを、政府の中でやるのも必要かもわからないし、一部国民の皆さんに協力していただいてやることも必要かもわかりませんけれども、いわば新型インフルエンザの予防あるいは蔓延防止に対しての訓練、こういうものもやっておく必要があるんだろうと思いますけれども、いかがでございましょうか。

○後藤副大臣 先生おっしゃるように、具体的な机上、実践での訓練、大変重要だと思っています。

 先ほども大臣が御答弁をされたように、防災でも、自然災害に備えて、地震、津波、火山、いろいろなものに備えて実践的な訓練をしております。今までこの新型インフルエンザも、国や地方公共団体が主体の中で、平成十八年以降、四回にわたってインフルエンザの発生を想定した訓練を実施しているというふうに聞いておりますが、やはり今後は、先ほど来御議論がありますように、指定公共機関が新たに入ってくると、民間の方々もきちっとこの大きな計画に参加をしていただかなければ、この法目的も当然達成できません。

 そういう意味で、官民が幅広く連携した実践的な訓練を実施できるように、この法案ができ、成立をさせていただいて、そして政令ができ、具体的ないろいろな基準ができ上がって、できるだけ自治体の皆さん方とも連携をしながら、先生の御趣旨のような形での活動が全国的に展開できるように、政府としても努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○鴨下委員 ぜひ、そういうようなことを具体的に計画していただきたいと思います。

 そのときに、市町村それぞれ、大きなところもあるし、具体的に自分たちだけで自立してできるところもあると思いますけれども、小さな市町村においては、予算もない、スタッフもいない、そういうような事態もあると思いますので、こういうところについては、ある程度国がサポートをする、支援をする、財政的にも何らかの形で補助をする、こういうようなことも必要なのかなと思いますが、いかがでございましょうか。

○後藤副大臣 先生御指摘のとおり、全国に市町村は約千八百あり、政令指定都市のような大きな人口を持つ都市もあれば、人口千人程度の町村もある。私の選挙区でもそうであります。

 そういう意味では、都道府県行動計画は、ある意味では今まで全てもう基準を、ある程度計画をつくっている、市町村については今多分半分まで行っていないという中で、これは市町村の地域防災計画もそうなんですが、やはりモデル的なもの、マニュアル的なもの、ガイドライン的なものを政府が形をつくって、それを市町村にも御提示しながら、都道府県とも協議をしてもらいながらやっていくというのが、できるだけ早く、そしてより具体的にいいものがそれぞれ吸収できるというふうに思っていますので、そのようなガイドライン、モデル案みたいなものを提示しながら支援もしていきたいと思っています。

 また、財政的な措置については、この法律の六十九条、七十条にもございます。

 いろいろな角度から、全国できちっとそれぞれ、ある意味では蔓延ということになったら地域性は当然ございますけれども、先ほどの先生の御質問にありましたように、やはり平時の訓練をしながら、その訓練の準備段階として市町村の行動計画もきちっと、より具体的に、できるだけ早く、まだ半分程度の計画が千八百の全市町村にわたってできるように、これから、国ももちろんでありますけれども、都道府県、市町村ともきちっと十分に連携をしながら、対応を進めてまいりたいというふうに考えております。

○鴨下委員 ぜひ、そうやってやって前に進めていただきたいと思います。

 そのときに、これから例えばプレパンデミックワクチンを打たないといけないような事態が生じたときに、さて、誰から順番に打っていくのかということについても、ある程度想定をしてルールを決めておく必要があるんだと思います。その都度、例えば地域によって、多少、いろいろと方法論というのは変わってくるのかもわからないけれども、大筋のルールというのは決めておく必要があると思います。

 例えば、医療機関の従事者にはいち早く打つのか、あるいは行政はどうするのか、政治家はどうするのか。こういうようなことまで含めて冷静なときにきちんと決めておかないと、我先にというようなことになるとパニックが起きかねませんから、そのことについては、この法律ができたらできるだけ早い時期に、社会機能を維持するために優先的に打たざるを得ない人たちはこういう人たちなんだということは国民に周知しておかないといけないんだろうと思います。

 大臣、そのことについて。

○中川国務大臣 これまでは、平成二十年九月十八日にありました新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議において、「新型インフルエンザワクチン接種の進め方について」の第一次案というのを取りまとめておりました。これで先行接種の対象者とその順位についての案というのを提起してきたんですが、今回、この新しい法律においては、この二十年当時の考え方が今後の検討の一つの土台にあるということはあるんですけれども、改めて登録の基準に関する事項を定めることとしておりまして、その具体的な内容については、今後、専門家を初めとする幅広い関係者の御意見を踏まえて、あるいはまたパブリックコメント等国民的な議論を経て定めることとしたいと思っております。

 そういう手順で、まず国民の理解を得ていくということ、これを大事にしながら進めてまいります。

○鴨下委員 本当は、この法律が成立するまでにある程度のイメージはきょう大臣からお話をいただいておいた方が、皆さんも納得してこの法案が成立する、こういうようなことになるんだろうと思います。

 今お話しになったように、多くの人たちの意見を聞くのはもちろん必要でありますけれども、そうすると、本来的に優先順位が高い人たちがなかなか打てないという事態にもなりかねませんので、ここは、本来の目的は、社会機能を維持し、なおかつ国民の生命を守るためにどういうような人たちから順番に打つんだという具体的なことを、もしお答えになれれば、ある程度想定していることについて議事録に残していただきたいと思いますけれども。

○中川国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、平成二十年の考え方というのを土台にしてこれから議論を進めるということでありまして、その平成二十年の考え方というのを少しお話しさせていただくのがいいかなというふうに思います。

 「先行接種の対象者と順位(案)の考え方(2)」というのがありまして、これでカテゴリーを1、2、3と定めております。

 カテゴリーの1というのは、感染拡大防止、被害の最小化に資する業種、職種で、これは、例えば感染症指定医療機関、保健所、救急隊員、消防職員、それから検疫所、入国管理局、税関、在外公館職員、自衛隊、海上保安官、警察職員、停留施設、国際航空、空港管理、外航海運等というカテゴリーが一つです。

 それから次に、2の方でいきますと、新型インフルエンザ対策に関する意思決定に携わる者、それから国民の生命、健康の維持にかかわる業種、職種、それから国民の安全、安心にかかわる業種、職種、こういうふうになっております。

 これが、先ほどの意思決定にかかわる方ということになると、首相、閣僚等、それから国、地方自治体の新型インフルエンザ対策の意思決定にかかわる者等。それから、国民の生命、健康の維持にかかわる業種、職種で、感染症指定病院等以外の医療従事者、福祉・介護従事者、医薬品・医療機器製造販売ということになっています。それから、国民の安全、安心にかかわる業種、職種ということになりますと、国会議員、地方議会議員、警察職員、報道機関、通信事業、法曹関係者、それから矯正職員等ということになります。

 最後の三番目のカテゴリーなんですが、ライフライン維持にかかわる業種、職種ということになりますと、電気、原子力、ガス、石油、熱供給事業、水道関連事業、郵便、航空、空港、水運、鉄道、道路旅客・貨物運送、道路管理、倉庫、運輸附帯サービス、食料品・生活必需品の製造・販売・流通、金融、情報システム、火葬、埋葬、廃棄物処理、国家・地方公務員、最低限の生活維持に不可欠な事務事業に携わる者等ということであります。

○鴨下委員 そういうことをたたき台に、より効率的、なおかつ優先順位が国民皆さんが納得できるようなことをできるだけ早く情報発信していただきたい、こういうふうに思います。

 また、この法律案の六条第二項、政府の行動計画に定める事項という中に、住民に対する予防接種の実施その他の新型インフルエンザ等の蔓延の防止に関する措置、こういうようなことが書かれているわけでありますけれども、それについて、二点だけ伺いたいと思います。

 一つは、タミフルを含めて、新型インフルエンザのウイルスに感受性のある薬剤を予防的に投与するときの手順であります。

 本来的に言えば、薬というのは、医師が診断して処方して、そして受け取る、こういうようなことでありますけれども、場合によっては、あるエリアでタミフルを予防的に配付しなければいけない、こういうようなときの法的根拠みたいなことを、一応想定した上で裏づけをつくっておかないといけないんだろうと思います。そういうような事態に立ち至ったときの薬剤の配付の仕方、これについて。

○外山政府参考人 予防投与もレベル、規模によると思います。小規模であれば、体育館等に集まってもらって、誰かが診察しながら次々と投与するというパターンもあると思います。

 問題は、それが物すごく大規模になった場合だと思いますけれども、具体的な取り扱いについては、今後また詳しく検討したいと思います。それがもうにっちもさっちもいかないときには当然違法性が阻却されるんだと思いますけれども、現在のガイドラインは予防投与するという形になっていますので、これは医師法の観点から、診察するということを前提にしております。

 ただ、先生御指摘の点はさらに大きい場合だと思いますので、それは今後また深く検討させてもらいたいと思っております。

○鴨下委員 本当のいざというときには、局長おっしゃるように、違法性が阻却されるということもあるかもわからないけれども、でも、やはり秩序立ってきちんと配付ができるルールというのを今冷静につくっておいた方がいいに決まっているわけだから。

 だから、そこは、この法案ができたら、政省令なのか何かわかりませんけれども、大臣、ちゃんと、そういう事態に陥ったときに、今局長が言っていたように、体育館に集まって、避難所に集まってくださった人たちに対しては、一人の医者がいて顔を見ながら配るというのはあるかもわからないけれども、いわばもっと孤立したようなところで、物資だけ渡して、誰が配ってどうするのかというのもルールをつくっておいた方がいいと思いますので、ぜひ、そういうようなことは検討しておいて、想像力を働かせてやっていただきたいというふうに思います。

 それからもう一つは、パンデミックのワクチンが用意できたときに、全体的なワクチンの総事業費というのは、国民皆さんに接種するというようなことになると、ざっとどのくらい費用はかかるんですか。

○田河政府参考人 実際、予防接種を行う場合におきましては、対象人数あるいはその状況等に応じまして状況は変わってまいります。そのため、現時点においてなかなか申し上げにくいところはございますが、非常に多くの方に予防接種をするとなると、これはやはり数千億円かかってしまうんじゃないかなというふうに思っております。

○鴨下委員 数千億円かかるというようなことで、これは地方負担もあるんでしょう。地方負担についてちょっと答えてくれますか。

○田河政府参考人 この法案におきまして、予防接種法に基づく予防接種を対策本部長が指示を行うという形になっております。

 予防接種法におきます国庫負担の割合、臨時接種ですと三分の一とかでございますが、この法案におきましては、国庫負担率を二分の一にし、さらに、予防接種は市町村が実施主体になりますが、市町村の税収規模に応じまして、百分の一を超える場合は八割負担、そしてさらに九割負担という形で国庫負担のかさ上げ措置を講じ、また必要な財政措置を講じていく、そういうふうな体制となっております。

○鴨下委員 この法案の六十九条で、国庫負担のかさ上げ、こういうようなことを書かれているわけであります。

 大臣、私はやはり、国民の皆さんが希望して、予防接種を受けたいという方々が圧倒的になったときに、地方、地域によって、例えば、予算上の地方負担分がなかなか段取りがつかないというようなことで、ちゅうちょされるところが出てくるのを非常に心配します。

 ですから、このことについてはできるだけ国が前に出て、いわゆる普通の地方事業と違って、裏負担がある、ないなんていうのじゃなくて、やった方がいいに決まっているんだから、国が前面に出て、場合によると全額国の負担でも結構だ、こういうようなことを何らかの形で担保しておく必要があるんだろうと思います。

 七十条には、そういうことが運用上できるようなことが書かれているんだかどうかわからないけれども、大臣から、どういった対応があるかということがもしあれば、あるいは前向きに、地方が財政上の問題で予防接種が十分に行われないなんていうのは一番困った話ですから、ぜひ、そういうときには国としては前面に出るんだ、こういうような決意を聞かせてください。

○中川国務大臣 六十九条の想定というのは、先ほどもお話が出たように、大規模災害と類似をする状況というふうに判断をして、そういう意味での、災害救助法に倣った地方公共団体の財政力に応じた国庫負担率のかさ上げ、こういう措置をまずしているということであります。

 これに加えて、先ほど御指摘のありましたように、七十条で、国は必要な財政上の措置を講じるということをさらにかぶせているんですが、そこのところのもう少ししっかりとした担保を私の口から、こういうことだと思うんですね。

 そこは、実質的に地方負担を軽減するための国庫補助金を設けることや地方負担に対する地方財政措置を講じることというのは、この法案の性質上本当に必要だというふうに思っておりまして、法制上の措置も含めてこれから検討をしていくということで預からせていただきたいというふうに思います。

○鴨下委員 大臣、もう一歩踏み込んでもらって、地方負担はできるところはやっていただくのは当然だけれども、万が一、財政上の問題がネックになって最終的に予防接種を打てない地域が出てくるというのは、これは本当に困った話でありますから。

 トータルで、国民の生命を守るために全部で数千億の規模の話の数%ですよ。だから、これは俺がやるというふうに大臣が言っておけば、中川大臣のときにパンデミックが起こるとは私は思っていないけれども、その後の二代、三代後にそういうことが起こったときに、地方は中川大臣のあの答弁をよすがにまずワクチンを打っていく、こういうことになると思いますので、この法案の審議の中でそういう議論があったということをきちんと残しておいていただきたいと思います。

○中川国務大臣 地方公共団体にとってはいろいろなケースが出てくると思いますので、最終的には国が責任を持ってやっていくということ、これを確認しておきたいと思います。

○鴨下委員 中川大臣のときに新型インフルエンザについて脅威が訪れないように私も願っていますし、新型インフルエンザがパンデミックになるということは本当にいろいろな意味で恐ろしいことでもある。しかし、科学的な根拠にのっとって、対応は冷静にやるべきだというふうに思います。

 国民の皆さんは、新型インフルエンザでH5N1が出てきたときには、スペイン風邪並みに亡くなる人がふえるんじゃないかといって、場合によると大変なことになるかもわかりません。そういうことではなくて、我々はあらゆる英知を結集して、最終的に、国も地方も各指定公共機関も、それから国民一人一人も、みんなで協力して、できるだけ未然に、あるいは被害が最小限になるように頑張るというのが、ほかの災害とは違う話であります。

 地震だとか何かだと、待ったなしに起こってあっという間に結果が出てしまいますけれども、こういう伝染病というのは、我々の頑張りようによってはいかようにでも被害を防げるということもありますので、最後に大臣の決意を伺って、質問を終わります。

○中川国務大臣 この法律が通ったからこれで完成ということじゃなくて、この法律がスタートになっていくんだというふうに思います。

 先ほど御指摘いただいたように、それぞれの分野の英知を結集して、しっかり緊張感を持って対応していくという体制、これをふだんからしっかりつくり上げていきたいというふうに思います。

 きょうはありがとうございました。

○鴨下委員 終わります。

○荒井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

○荒井委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。

○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、新型インフルエンザ等対策特別措置法案に対して反対の討論を行います。

 新型インフルエンザは、人々の生命と健康に甚大な被害を与えるとともに大きな社会的な影響をもたらすものであり、近年、強毒性のH5N1型のインフルエンザの流行の懸念が世界的に高まっています。

 こうした重大な感染症から国民の生命と健康を守り、国民生活を守ることは喫緊の課題であり、新型インフルエンザの影響を最小限に抑えるための対策が求められています。そのためには、二〇〇九年の新型インフルエンザの際に適切な対策をとることができず、混乱を招いたことの教訓と総括を生かさなければなりません。この間、検疫などの人的体制の強化や土台となる地域医療体制の強化など、総合的な対策が議論になってきました。

 ところが、政府提出の新型インフルエンザ等対策特別措置法案は、危機管理の角度からの対策が強調されています。多数の人々が集まる施設の使用停止の指示などの人権制限規定に対しては、さまざまな疑問の声が上がっています。対策のために人権制限が必要だとしても、その必要性や要件、運用方法については国民的な議論による合意が不可欠であります。そうした国民的な合意がなければ、対策の推進に資するどころか、反対に混乱すら招きかねません。

 今回の法案は、国民的な議論や合意の積み上げが決定的に不足していることを指摘せざるを得ません。かかる法案は、国会において、専門家の意見聴取、各地での公聴会も含めて、徹底的かつ慎重な審議が必要であります。にもかかわらず、閣議決定から三週間足らず、わずか五時間の審議で採決というものであります。これで国民の理解と合意を得られるでしょうか。

 引き続き慎重な審議こそ必要だということを重ねて申し上げ、討論を終わります。

○荒井委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

○荒井委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、新型インフルエンザ等対策特別措置法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○荒井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

○荒井委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、津村啓介君外三名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及びみんなの党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。平沢勝栄君。

○平沢委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。

 その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。

    新型インフルエンザ等対策特別措置法案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。

 一 本法の新型インフルエンザ等対策等が円滑に実施されるよう、地方公共団体、指定公共機関等、事業者及び国民に対し、本法の内容を周知徹底すること。

 二 政府行動計画を策定する際の根拠となる被害想定については、最新の科学的知見を踏まえ、いたずらに過大なものとすることのないようにすること。

 三 本法の規定に基づく私権の制限に係る措置の運用に当たっては、その制限を必要最小限のものとするよう、十分に留意すること。

 四 新型インフルエンザ等緊急事態宣言を行うに当たっては、科学的根拠を明確にし、恣意的に行うことのないようにすること。

 五 放送事業者である指定公共機関等が実施する新型インフルエンザ等対策については、放送の自律を保障することにより、言論その他表現の自由が確保されるよう特段の配慮を行うこと。

 六 平時から新型インフルエンザ発生に対応できるよう、医療体制の整備を図るとともに、特に患者が急増するまん延期においては、一般の医療機関も含め、入退院措置など適切な措置により医療提供体制の維持を図ること。

 七 患者等に対する医療等の実施に関する医療関係者の協力については、医療関係者の理解が得られるよう、各種の安全対策や実費弁償、損害補償の枠組みを十分に説明すること。

 八 独居世帯を含めた在宅患者への薬剤処方の在り方を明示し、周知徹底を図るとともに、在宅の一人暮らしの高齢者や障害者など社会的弱者に対しては、市町村と協力し、見回り、介護、訪問診療、食事提供、搬送等の適切な支援を図ること。

 九 先行接種するプレパンデミックワクチンの製造備蓄を万全なものとするとともに、特定接種の対象者及び優先順位の在り方を明示すること。

 十 全国民分のパンデミックワクチンをより短期間に製造するための研究開発を推進・支援するとともに、接種の優先順位の在り方を明示すること。

 十一 新型インフルエンザ等対策等については引き続き国際的な連携を図るとともに、特に発展途上国での医療体制や公衆衛生の向上に積極的に貢献すること。

以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。

○荒井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○荒井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。中川国務大臣。

○中川国務大臣 ただいま御決議いただいた附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

○荒井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○荒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○荒井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
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