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中川正春 NAKAGAWA MASAHARU


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衆議院 災害対策特別委員会 会議録?◆聞湘聴儖÷、高橋委員、重野委員、柿澤委員、石田委員、中林委員)

平成24年3月15日(木)

○村井委員長 次に、江田康幸君。

○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 東日本大震災から一年、今なお三十万人を超える方々が避難生活を余儀なくされておられます。また、被災地では今も震災瓦れきが積み上げられたまま。社会的インフラの復旧や産業再生と雇用の回復、そして原発事故の一刻も早い収束、さらには、除染や健康への影響問題、風評被害や賠償問題、このように、課題は山積しているわけでございます。

 復興へ向けて迅速な対応が求められており、政治に課せられた課題は大変大きいものがあると思います。公明党は被災地の再生と日本の再建に向けて総力を挙げて取り組むことを申し上げて、質問に入らせていただきたい、そのように思います。

 本日は、東日本大震災を踏まえて検討が進む国の防災対策の見直しについて質問をしたいと思っておりますので、大臣、よろしくお願いいたします。

 その前にちょっと一言申し上げたいのですが、昨日は二つの大きな地震がございました。一時的には避難も、また津波対策ということでとられたわけでございます。千葉県の東方沖ですか、ここで起こったのが震度五強の地震でございました。大変大きな揺れを我々も経験したわけでございますが、その夜に、野田総理は、一年生の民主党議員の皆さんと東京都内の日本料理店で会食をされていた。そして、その後も一時間以上もこの会合を続けて、その対応をとるという気配がない。

 このような状況について、大臣、どのように思われますか。

○中川国務大臣 私も、ゆうべは、その地震が起きたときには宿舎におりまして、絶えず省庁の方から、内閣府からその状況について連絡をとり合いながら確認をしてきたということであります。

 恐らく総理についても、同じような情報が総理のところに入って、それを確認しながら対応しておっていただいたというふうに思っておりまして、絶えずそうした緊張感を持って我々もやらせていただいておるということでございます。

○江田(康)委員 災害対策また危機管理対応のトップにおる総理がこのような状況では、幾ら我々が災害対策、日本の防災対策において新たな制度を構築しようとしても、これはままならないわけでありまして、その緊張感、そしてまた危機管理の責務を負っているという責任を忘れないように、政権には強く申し上げておきます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まずは、防災基本計画の修正、この見直しについてでございますが、津波の避難対策についてお聞きをさせていただきます。

 東日本大震災を教訓としまして、津波対策の見直しを中央防災会議で行ってきたわけでございますが、その専門調査会の取りまとめた報告を受けて、昨年十二月には、国の防災基本計画が修正をされました。最大クラスの巨大地震については、堤防等ハードの施設では防ぎ切れない。やはり、住民の避難のソフト対策を中心に据えているところであります。

 全国の自治体では、この基本計画の修正に基づいて地域防災計画等の対策の見直しが進められておるところでありますが、この基本計画には、こういうことが書かれております。それは、津波到達時間が短い地域においては、おおむね五分程度で避難が可能な町づくりを目指していくという考え方が示されているわけですが、これは多くの自治体にとって、言うはやすく行うはかたしであります。

 したがって、自治体が避難に要する時間を五分程度に短縮する目標を達成するために、どうやって国がその方向性を示していくか、ここが重要でありまして、自治体への支援策をどのように考えておられるのか、国の考え方を大臣にお聞きします。

○中川国務大臣 この防災基本計画というのは、先ほど申し上げたとおり、十二月に一回目の見直しをしたところでありますが、そうしたいろいろな問題を前提にしながら、これから絶えず更新をしていくということで見直していきたいというふうに思っております。

 そんな中で、先ほど御指摘のように、津波の到達時間が短い地域では、おおむね五分程度で避難が可能となるような町づくりを目指していくというふうなことが書かれました。

 私も、先日、東海地震の発生した場合に短時間での津波の到達が想定をされています静岡県の焼津市に参りまして、現地で市長さんあるいは知事さんとも懇談をいたしました。津波避難ビルの指定であるとか津波避難タワーの整備、あるいはまた逃げ道を確保していくための方策など、やはり地方自治体では、具体的な政策提言というのがそのときにもなされてきたというふうなことであります。

 そんなことを踏まえて、実は、中央防災会議の専門調査会のもとに津波防災に関するワーキンググループというのを設定しておりまして、これで、具体的なそうした政策についても、ぜひ総合的にまとめていきたいというふうに思っております。大体ことしの夏ぐらいをめどに、そういうまとめをできる方向で頑張っていく所存でございます。

○江田(康)委員 余り具体がございませんけれども、やはり、おおむね五分程度で避難が可能になるということは、その近くに津波避難ビルとなるような高いビルが必要であります。また、避難場所があるか、さらには、高齢者にとっても、避難経路、避難階段の整備、こういうようなところが非常に困難を来すわけで、そういうようなものに対して、やはり国が全国でどのような支援をしていくかというところまで出していかないと、これはもう絵に描いた餅ということになるかと思います。

 次に、防災対策基本法の改正に向けた検討について、お伺いをさせていただきます。

 今回の東日本大震災の被災地のように、自治体の行政機能が喪失した場合における国の役割、代行等についてお聞きしたい。

 現行の災害対策基本法では、国、県、市町村がそれぞれ役割を担って、しかし、まず市町村が災害対応に当たって、必要ならば県や国が支援するということになっております。市町村がやはり第一義的であって、大きな役割を果たす、そういう仕組みが現行制度であるわけであります。また、災害が起こっても、この行政機能が保たれているということを前提に、これはつくられているのではないかと思います。

 しかし、先ほども申し上げましたように、東日本大震災では、市町村長また多くの職員が被災され、また庁舎が被害を受けたことから、著しく行政機能は低下して、行政機能を実行するに大きな支障が出たわけであります。現在でも多くの市町村が、人手が不足しているということで、職員の派遣を求めております。

 我が党は、今、職員の派遣において、国がまさにこれに対応しなければならないと強く申し上げているところでありますけれども、災害対策基本法においては、市町村が被災した場合、行政機能が著しく喪失した場合においては、その応急措置については都道府県による代行措置の規定があるものの、災害復旧にかかわる代行規定はございません。そしてまた、応急復旧に関して、自治体から国に職員の派遣を要請することはできますけれども、応援、すなわち消防団とか、そういう組織の応援の規定はないわけであります。さらに、自治体間の応援の規定というのは、自治体間ではあるけれども、対象業務は応急措置に限定されている、こういう状況であります。

 東日本大震災を我々は経験したわけですけれども、今後、そういう巨大災害の発生に備えて、市町村の行政機能が喪失した場合、それに対応するために、都道府県による代行措置の対象を応急措置以外に広げること、また、応急復旧にかかわる国の自治体への支援を、職員の派遣だけでなくて応援にも広げる、さらには、自治体間の応援の対象業務を応急措置以外にも広げる、このことが必要になってくると思いますけれども、大臣、どのように対応をお考えでしょうか。

○中川国務大臣 御指摘のように、これまで応急措置に関連をして地方自治体間で円滑に対応をしていくということが前提であったというふうに私も理解をしております。

 先ほど、まさに重要な御指摘をいただいたと思うんですが、中央防災会議の防災対策推進検討会議におきましても、三月七日に中間報告を取りまとめております。

 その中で、今回は、首長を初めとする職員や庁舎が被災するなど、行政機能が著しく低下するほどの甚大な被害が広範囲にわたったということがあって、住民の避難や被災地方公共団体への支援等に対し、広域的な対応がより有効に行える制度の必要性が痛感をされたと。方向性としては、広域災害や大規模災害の発生時に、都道府県または国による広域調整のもとで、地方公共団体間の水平的な支援が行える仕組みの導入を図るべきであるということ、そして、円滑な広域避難に資するために、都道府県が、広域避難に関する指示、調整を行うことができる仕組みの確立を図っていくということ。

 これは、恐らく、災害が起こったときだけではなくて、その後の調整ということについても、都道府県あるいは国がその調整に当たっていくことを前提にしているんだということを私も理解しております。同時に、平時から、特に広域的な対応の備え、市町村間のいわゆる水平的なネットワークといいますか、これを常時つくっておくということも、もう一つの観点として大事なところであろうかと思います。

 中央集権的に調整をすることと同時に、水平的なネットワークづくりというのを並行してやる、そんな観点も持って今度の改革をしていきたいというふうに思っております。

○江田(康)委員 ちょっと頭を整理しないとわかりませんけれども、都道府県による代行措置の対象を応急措置以外に広げるということに関しては、その方向は妥当だ、検討を今やっているということでしょうか。

○中川国務大臣 さっき申し上げたのは、代行措置ということではなくて、調整機能をしっかりとしたものにしていく、広域的にそれぞれ、被災地以外の市町村とそれから被災地の市町村の間の調整機能というのを、都道府県、国の方がしっかりしたものにしていく、そういう意味であります。

 代行という部分については、御提言いただいたものを受けとめさせていただいて、検討はしていきたいというふうに思っております。

○江田(康)委員 もう一つお聞きをさせていただきますが、国民への防災知識の普及についてちょっと質問させていただきます。

 修正された先ほどの防災基本計画では、強い揺れを感じた場合には迅速かつ自主的に避難するなどの知識の普及や防災教育の推進、津波に関する教育プログラムの開発、また津波のハザードマップの整備、国民への周知徹底、こういうところが触れられているところでございます。

 国民の防災に対する知識の普及、そして意識を高める、こういうことは、今回の東日本大震災を踏まえても大変重要になってきておりますが、この防災教育等について、平成二十四年度の予算等については具体的にどのような施策が盛り込まれているかを示してもらいたいと思っています。

 それに関してなんですけれども、大臣は釜石の奇跡というのは御存じでしょうか。

 この釜石の奇跡、多くの子供たちの命また住民の命が救われたわけでございますけれども、これは、群馬大学の片田教授が小中学生に直接防災教育を長年にわたり教えていた、このことから生まれたわけであります。これは防災教育のモデル事業として実施されたわけでございますけれども、このモデル事業は、自公政権のときに予算を確保して、そして必要な施策として実施してきたわけであります。それを一一年度に打ち切ったのが民主党の皆様方でございまして、これは事業仕分け等で無駄ということで廃止された、このことを大臣は知っているかどうか。

 そういう釜石の奇跡のような事例を防災教育の中心に据えて進めていく、そういうようなことを含めて、この防災教育に関しては十分な予算等の配慮が必要かと思いますけれども、その後どのようになっているか教えていただきたい。

○中川国務大臣 釜石の奇跡については、予算委員会でも御指摘がありまして、改めて認識をしたところであります。

 モデル事業という形で展開をしていただいていたわけでありますが、その片田先生については、我々の防災教育の軸としてさまざまな検討会だとか審議会に御参加をいただきまして、一緒に中身の企画立案に携わっていただいております。

 そういう意味では、今回の教訓を全国に生かしていくという形で展開をしていきたいというふうに思っておりますし、また、防災教育についての特に文部科学省での取り組みというのが、今、次に向かって充実をしながら新しい展開を迎えているというふうに認識をしておりまして、特に学校ということだけの防災教育、訓練ではなくて、地域と学校が一緒にやっていく、あるいは参加をしながら新しいものをつくり上げていく、そういう取り組みをなされているというふうに理解をしております。

 二十四年度の予算でありますが、内閣府では、災害被害を軽減する国民運動の展開に四千二百万円、それから消防庁では、防災・危機管理教育におけるe―カレッジの運用及び充実強化二千万円、及び防災意識、防災知識の向上に七百万円、文部科学省では、先ほど申し上げた防災教育に三億七千万円、それぞれ計上をしておりまして、中身の見直しも含めて対応をしておるところでございます。

○江田(康)委員 次に、地方防災会議の組織の見直しについてお伺いをさせていただきます。

 地方防災会議の組織に関しては、その有する専門知識等を生かして専門事項を調査するために、関係行政機関等のうちから、自治体の実情に応じて専門委員を置くことができるとされているものの、その委員として考える者については、指定地方機関の職員や警察官、教育長、消防長、消防団長、指定地方公共機関の職員と限定列挙がされております。ほかの必要な方々が示されていないわけです。

 我々公明党は、女性や障害者の皆様の視点、これが、東日本大震災でも大変に重要であるということで、昨年の八月に女性防災会議を立ち上げて、女性の視点からの防災行政総点検も行わせていただきました。その結果として、地域防災計画を決める地方防災会議の委員に女性委員がゼロと回答した自治体が、何と全体の四四%もいた。また、計画策定に至るまで女性の意見を聞いていないが五五%、さらには、避難所の整備、運営に女性の視点や子育てニーズを反映していますかといった問いに対しては四七%の自治体がノーと答える等々、女性の視点が生かされていないという事実が明らかになったわけでございます。

 これらの調査結果をもとにして、公明党は、野田総理に十一項目にわたる第一次提言を行ったわけであります。具体的な内容として、国の中央防災会議における三割以上の女性委員の登用、そして、地方防災会議で女性委員を登用しやすくするための災害対策基本法の改正、さらには、女性の視点からの防災対策マニュアルの策定と周知徹底、さらに、物資の備蓄を女性や高齢者の視点から見直して、自治体への予算措置を行う、こういう十一項目にわたる提言でございます。

 これについては政府も一部動かれて、中央防災会議のもとに設置された防災対策推進検討会議では十二名中四名の女性が登用されたことを初め、防災基本計画等においても、女性の参画の拡大の必要性が明記され、また、避難所運営における女性や子育て家庭のニーズへの配慮等が盛り込まれたところでございます。

 こういう現状に対して、やはり女性の視点、また、女性に限らず、大震災でも明らかになりましたけれども、障害者の皆様方の視点、住民の代表等の視点、こういうようなことが大変重要になってくるかと思いますが、地方防災会議の組織の見直しにおいて、こういった委員の対象を拡大していく明確な国の方向性を示すべきと思いますけれども、いかがでしょう。

    〔委員長退席、市村委員長代理着席〕

○中川国務大臣 これまで非常に貴重な提言をいただいたということで、感謝を申し上げたいというふうに思います。

 先ほど御指摘のように、早速に防災対策推進検討会議のメンバーに四人の女性の学識経験者に参加をしていただきまして、具体的な、弾力性を持った対応が始まっておるということであります。

 さらに、先ほど申し上げた、防災対策推進検討会議が三月七日に取りまとめました中間報告においては、女性の視点がないために女性用の物資が不足するなど、女性が避難生活に困難を抱えて、また、障害者、高齢者、外国人等の災害時要援護者について、情報提供、避難生活等々さまざまな場面で対応が不十分であったということが指摘をされました。この教訓を踏まえて、これからの方向性として、意思決定の場に女性や住民代表が参画をして、女性、障害者、高齢者、子供を含めた地域住民の視点に立った地域防災計画、地域復興計画や避難所の運営となるよう、地方の方ですが、地方防災会議の構成等について見直しを行うべきだということを提起していただいております。

 この見直しに当たっては、地域の防災力の強化を図るため、御指摘いただいたところをしっかり受けとめさせていただいて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

○江田(康)委員 よろしくお願いします。

 次に、三連動地震の対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 駿河湾から我々の九州沖まで、南海トラフのプレート境界では、歴史的に百年から百五十年の間隔で巨大地震が発生しておるわけでありまして、今後、東海地震が相当期間発生しない場合においては、東海、東南海、南海、この三連動地震の可能性があると考えられております。

 これを受けて中央防災会議の調査会が検討した結果では、三連動地震が朝五時に発生した場合には、最大で、死者数が約二万五千人、全壊棟数が約五十五万棟に達するとしております。そのため、この三連動地震が発生した場合に備えた広域的防災対策について検討する必要があるということになってきているわけでございます。

 昨年九月にまとめられた中央防災会議の調査会の報告では、「今後、地震・津波の想定を行うにあたっては、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震・津波を検討していくべきである。」とされております。昨年十二月の検討会では、東海沖から九州沖の南海トラフで発生する巨大地震に関する中間取りまとめが公表されました。

 ここで質問ですが、想定する震源域は約十一万平方キロメーターとされておりました。これは、かつて、平成十五年の東海、東南海、南海地震等に関する資料における三連動の震源域約六万一千平方キロに比べて約二倍となって、大きく拡大しております。

 改めて、これは大綱等の具体の対策を早急に策定することが必要となっているわけでございますけれども、今、政府のこの対策の見直し、その内容、ポイント、スケジュール等について、どのように考えているのかを示していただきたいと思います。

    〔市村委員長代理退席、委員長着席〕

○中川国務大臣 先ほど御指摘のように、震源域がまず広がったということ、これが一つございました。それから、これから出してくるものについては、最大クラスの地震像、これを、現在、理学、工学の専門家から構成される内閣府の中の南海トラフの巨大地震モデル検討会というのを持っておりまして、これにおいて検討しておるところでございます。これが、地震の強さとそれから津波の高さ、これの想定を三月中に出していきたいというふうに思っておりまして、その公表をしていきたいということ。

 さらに、具体的な対策について、これをもとに検討していくわけでありますが、南海トラフの巨大地震対策の検討ワーキンググループというのを設置していくということをこの三月七日に決定したところでありまして、ここで、被害想定の見直しから始まって、それに対する総合的な対策をまとめていくということにしております。

 極めて広域的な被害に対する予防、応急、復旧復興、これの各対策の方向性等を総合的にここで検討していくわけでありますが、夏ごろまでに当面の実施すべき南海トラフ巨大地震対策というのをまとめるということでありまして、それをもとに、経済被害の推計なども踏まえて、冬には、南海トラフの巨大地震対策の全体像をまとめて、大綱にも生かしていくということにしていく予定でございます。

○江田(康)委員 その具体の内容についてもお聞きをしたかったところでございますけれども、しっかりと進めてまいりたいし、我々政治側も、しっかりとこれに関しては具体の提言等を踏まえていきたいと思っております。

 時間が最後になってきましたけれども、防災対策においては数々の対応する課題があるわけでありますけれども、一つ象徴的なものに、活断層というのが我が国にはかなりございます。私のところの九州でも、北部九州中心に活断層があります。西方沖地震は警固断層、そういうもので起こったともされているわけであります。近畿地方にかなり集中しているところもございます。

 報道によれば、全国の学校と活断層の位置を明確にするために、広大の中田先生たちと岡山大のグループが、二〇〇三年に、国土地理院の地図に教育施設として載っている小中高や大学など四万三千三百六十の校舎を対象に調査を行った。その結果、活断層から二百メーター以内に何と千五校、その中で五十メーター以内には五百七十一校がある、さらに真上に二百二十五校ある、こういうふうな結果が示されたわけでございます。京阪神の地域に活断層が大変集中しているということで、その真上に学校が多くある。これは全国的にも示されておりますので、京阪神だけではありません。

 活断層の上に建物が立地していると、我々が幾ら耐震補強を公立小中学校にやっていったとしても、地震で地表に段差ができたり、左右にずれたりして、建物が壊れる可能性が強いと言われております。

 東日本大震災を受けて、津波被災地では高台移転が計画されているわけでございますけれども、活断層でも同様の対策が必要ではないかと思うわけであります。学校は、子供の命を預かるとともに、地震時に地域の避難所また防災拠点となる重要な施設でありまして、国として調査の上、早急にしっかりとした対策をとる必要があると考えますけれども、国の見解をお伺いいたします。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 今いただきました御指摘の報道については承知をいたしております。

 今お話にございましたように、学校施設は、子供の安全の確保、そして地域コミュニティーの中心でもありますし、避難所、防災拠点の役割も果たすということで、耐震化を含めた対応が大変重要であるというふうに認識をいたしております。

 学校施設の立地については、学校施設整備指針などにおきまして、その地質や地盤にも十分配慮するようにということで、設置者に対しては周知をしてきたところであります。

 御指摘のありました活断層についてでありますが、全ての活断層の正確な位置でありますとか、その具体的な影響、仕組み等をなかなか正確に把握するのは困難だというのは現実だというふうに思っておりますが、先ほどの記事にもございましたし、また別の意見も含めて、学界でも意見が分かれているというところが実情だというふうに受けとめております。

 そしてまた、我が国は、国土を有効利用するために、なかなか混み合った土地利用が続いているというところが実情でもありますが、ただ、そうはいいながらも、学校施設に限らず、この手の話は建築物全般に係る事柄であるというふうに思っておりまして、その意味では、関連省庁としっかり相談することを含めて、これは目をそらせないさまざまな検討課題があるというふうに考えております。

 その意味では、学校施設の耐震化もそうでありますけれども、そうした建築物全般に係る事柄として、関係省庁と連携をしながら、安全性の確保に努めていきたいというふうに思っております。

○江田(康)委員 もちろんであります。命を預かる病院、そして公共施設、さまざまな建物がございます。それに対して対応を、活断層対策というのをしっかりととっていかなければならないことを、今後の防災対策の中で明確に省庁連携して取り組んでいっていただきたいと強く申し上げておきたいと思います。

 きょうはこれで時間になりましたけれども、東日本大震災を踏まえて、国の防災対策の今後のあり方ということについてお話をさせていただきました。国として、危機管理対応、防災対策をしっかりととっていけるように全力で取り組んでいただきたいことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

○村井委員長 次に、高橋千鶴子君。

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうはまず、災害弔慰金と災害障害見舞金制度について伺いたいと思います。

 災害弔慰金の支給等に関する法律は、昭和四十八年に議員立法で成立し、災害救助法が適用されたなど自然災害によって死亡した場合、最大五百万円が支給されることになっております。また、昨年七月は、本委員会で、同居していてほかに遺族がいないなどの場合、兄弟姉妹にも遺族として受給できるという改正がされました。私はこのとき、ぜひ質問をしたかった。要するに、もう一つ、きょう取り上げる法改正をやっていただきたいという要望がございました。きょうはその機会をようやっといただいたわけでございます。

 それで、三月二日現在で一万七千六百二十三件の災害弔慰金が支給をされておりますが、それに対して、災害障害見舞金は被災三県で二十八名にすぎません。負傷者は六千二十五名いるわけですけれども、災害障害見舞金二十八名というのはまだ少ないように思いますけれども、その理由をどのように考えているか伺います。

○西藤政府参考人 お答えいたします。

 災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく災害障害見舞金は、自然災害により精神または身体に著しい障害を受けた方に対して、お見舞いの趣旨で最高二百五十万円を支給する制度でございます。

 この災害障害見舞金は、災害により負傷し、または疾病にかかり、治ったときまたはその症状が固定したときに、法律別表に掲げる程度の障害がある方に対して、市町村において支給するとされております。

 まだ市町村において手続中のものなどがあると承知しておりますが、その支給対象者は、両目が失明した方、両方の上肢の用を全廃した方、両方の下肢の用を全廃した方など、法律別表に掲げる重度の障害を負った方を対象としているということでございます。

○高橋(千)委員 今は理由を伺ったんですけれども、それは、まだ早いから今後出てくるだろうという趣旨だけですか。

○西藤政府参考人 そういうものもございますし、障害を負った方全ての方を対象とするわけではなく、法律の別表に掲げる程度の、重度の障害の残った方を対象とするということもあると思います。

○高橋(千)委員 やはり、後段の方で、法律そのものに別表という形で、今読み上げた九項目なわけですね。これは障害一級に値するわけですけれども、明確に書かれているものですから、かなり厳しく限定されるものになってしまう。ここに大きな問題があるのではないか、もっと要件を緩和するべきではないかということが、内外から意見が寄せられているというところだと思うんですね。

 それで、東日本大震災の被災三県では、要介護申請が震災後一・三倍にふえたといいます。避難先を転々とし、閉じこもることがふえて足腰が弱くなったり、周囲と会話がなくなって認知症症状が出るなど、避難所で暮らす高齢者の六割に歩行困難などの生活機能低下が起きていたとの調査結果もあります。

 また、大震災一年目に当たっての毎日新聞の調査で、余震や新たな津波への不安、原発事故再発への不安を持つ方が七六%にも上り、また三割が心身の調子を崩していると答えています。自殺者も被災地はふえているなど、長引く避難生活の中で、心身状況が悪化するのは想像にかたくないと思います。こうした実態をしっかりと捉えて、柔軟に対応するべきではないかと思うんです。

 そこで、まず確認をしたいんですけれども、お手元に資料を配りました。災害弔慰金と災害障害見舞金の支給状況、過去十年分を表にした資料であります。これは見ていただくとわかるんですが、同じ災害の名前が何度か出てくるところがございます。注目なのは、阪神・淡路大震災による災害弔慰金の支給は発災から七年後の平成十四年に一件ありますし、障害見舞金は六年後の平成十三年に一件あるわけです。これは、災害弔慰金と災害見舞金の申請に期限がないためであるということなんですね。

 そうすると、これから先も、ほかの災害についても申請できる条件があるということを確認させていただきます。

○西藤政府参考人 災害弔慰金や災害障害見舞金の支給は、相当の時間を経て災害を原因として亡くなられた方の御遺族が新たに判明したり、また、負傷した方に係る障害認定がなされるといったことなども想定されます。

 したがいまして、相当の時間を経てからこのような事例について、市町村が過去の災害が原因であると判断した場合は、災害弔慰金あるいは災害障害見舞金が支給されることになります。

○高橋(千)委員 まず、このことがとても大事かなと思いまして、これからでも、当然、時間がたってわかることもあるのだということで、まだ非常に認定件数が少ないんですけれども、可能性があるということをまず確認させていただきたいと思います。

 あわせて、平成十八年の豪雪、これは十七年度というところと十八年度というところに二つ出てきます。足しますと、百十六名に弔慰金が支払われて、十一名に見舞金が出されております。これは本委員会で、私自身、雪おろし中の事故などによる死亡に対して災害弔慰金の支給ができるはずだということで質問をしたことがございました。亡くなった方が戻ってこないとはいえ、支えを失って途方に暮れる遺族をわずかでも励ますことができた、こういう声が寄せられたことであります。

 それで、確認ですけれども、今冬の豪雪も、百二十一名が死亡し、先ほどの大臣の数字ですと、数字がふえていますので、重傷者が既に七百八十八名いるわけですね。当然、受給資格のある方には漏れなく渡してほしいと思っておりますが、この点について、対応方を伺います。

○西藤政府参考人 お答えいたします。

 災害弔慰金の支給等に関する法律においては、自然災害により死亡した住民の遺族に対しては災害弔慰金が、また、災害により著しい障害を受けた方に対しては災害障害見舞金が支給できることになっております。

 自然災害による死亡等であるか否かの判断は、法を踏まえ、支給の実施主体である市町村が行うこととなりますが、今冬の豪雪による災害に対しましても、私ども厚生労働省といたしましては、周知を図りますとともに、都道府県を通じて、市町村からの相談に十分応じてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 周知徹底をお願いしたいと思います。

 そこで、阪神・淡路大震災では一万六百八十三名重傷者がいた。それに対して、まだ六十四名の災害障害見舞金の支給にとどまっております。震災後二年目の平成九年の四月に、毎日新聞が特集、「そして今―後遺症とともに」と題して震災障害者の問題を報道したのを皮切りに、新聞各紙が報道し、シンポジウムなどで震災障害者の問題が顕在化してきたと思います。

 二〇〇六年一月の、震災で障害・後遺症を負った方と家族を支援する会が開催された様子を朝日新聞が報じています。神戸市須磨区の二十一歳の娘について語った女性が、震災当時小学校四年生だった娘は、今も当時の記憶が戻らない、自律神経失調症が進み、幼いときの記憶も失った、過食症と拒食症を繰り返し、リストカットに走ったこともあった、本当に疲れた、この女性自身が神経障害に悩まされている、こういう報道をしております。

 また、震災でピアノの下敷きになって脳に障害を負った神戸市北区の二十五歳の娘さんを持つお母さんの言葉が紹介されております。きょう出会った人たちは、十一年間自分だけで障害と向き合ってきていた、やはり震災障害者はおられたんですねと述べています。

 これは非常に重く受けとめました。自分だけで障害と向き合ってきていた、この問題に光が当たらず、本当に同じ立場の方たちと出会えずに苦しい思いをしてきたこと、また、行政の窓口に行っても、何の情報もまた支援も得られないで、この当事者同士の交流を待ち望んでいた、そういうことに、私たち国会自身も受けとめて、応えていかなければならないなと思ったわけです。

 二〇一〇年、兵庫県と神戸市がようやく実態調査に踏み出し、少なくとも震災によって障害を負った方が三百二十八名と発表しました。身体障害者手帳に原因が震災と書かれていた人を数えたそうであります。調査やこうした集いに取り組んできた岩崎信彦神戸大学名誉教授らは、置き去りにされてきた震災重傷は障害者として、災害弔慰金法の改正を強く要請しています。

 災害障害見舞金の要件については、昭和五十七年の局長通知、労働者災害補償保険法施行規則別表一に規定する一級の障害に準拠したものというふうに指定がされております。この要件を緩和すべきではないでしょうか。

○津田大臣政務官 高橋委員にお答えを申し上げます。

 今委員申されたように、この災害弔慰金の支給等に関する法律は、議員立法で昭和四十八年に成立をいたしました。このときは死亡者のみに弔慰金が行くという制度でございまして、御案内のように、五十七年の改正によりまして、重度の方に対する見舞金という形で改正をされたわけでございます。

 この災害障害見舞金につきましては、自然災害により死亡した場合に匹敵するような重度の障害を受けた方に対する見舞金として、市町村が支給をする制度であります。この支給要件は法律に明文で規定されており、技術的な判定方法は、通知により、労災制度の例によるというふうに示しているわけでございます。

 したがいまして、この法律に規定されております災害障害見舞金の支給要件を緩和すべきではないかというお話でございますが、昭和五十七年に議員立法により制定されたという立法の経緯、さらには、障害を受けられたことに関する生活支援というのは一般の社会保障制度により対応しているというこの二点から考えますと、これは国会で幅広く御議論をいただいた上で、また御検討いただくものではないのかなというふうに考えております。

○高橋(千)委員 昭和五十七年ですから、やはり本当に重度ということが今の限定的な理由だったと思うんです。ですから、その規定があったがために、二十五歳、二十四歳、あるいは小学生のとき、そういう若い、これからの人生が一遍に変わってしまって、そして何の支援も受けられなかったという方たちが、ようやっと今、声を出し始めたということなわけですね。そこに本当に応えていくべきではないか。

 議員立法だからとおっしゃいましたけれども、私は、これは当然委員会の皆さんにも呼びかけたいし、委員会の皆さんにも要望が来ていることなんですね。ただ、厚労省としても、よく実態を把握しながら、重度で線を引いたことが正しかったかどうかも含めて調査をしながら、議員立法であればそれに応えていくよ、また必要なことをやっていくということはお答えになっていただけますか。

○津田大臣政務官 国会で御審議をいただき、方向性を出していただいたならば、直ちにその方向に向かって努力をしてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 お願いします。

 そこで、大臣に伺いたいと思います。例えば、東日本大震災に伴う労災保険の給付、支給決定件数が今三千四百六十三件です。そのうち、もう亡くなってしまった方、遺族給付は二千五十二件なんです。そうすると、その差は一千四百十一件、生きている方に対する労災が支給決定されています。これは、労災というのはメニューが幾つもありますよね、年金ですとか医療給付ですとか。ですから、さまざまなメニューがあるということ、すごくこれは大事だと思うんです。同じように、仕事があった方には労災があり、しかし、なかった方にはこれしかないわけです、本当に重度の人にしかない。

 これは、同じように義援金でいきましても、今、住宅の損壊程度しか基準がないわけですよね、基準がないといいますか、配分委員会がそうしているわけなんですけれども。配分委員会が住宅の損壊にしているために、住宅が一部損壊程度であれば何の支援もないですし、何らかの傷害や病気になり長期に医療や介護を必要とされた方、こうした方に対しては義援金さえも対象とならないわけです。

 ですから、こういういろいろな制度に思いっ切りすき間がある、この実態をちゃんと調査して、もっと広い被災者に手が届くようにすべきではないか。この点、大臣がぜひ受けていただきたいと思います。どうでしょうか。

○中川国務大臣 労災という前提の中で救済される人々、と同時に、働いているということでない形で災害を受けた、そして、それをどう救済していくかということだと思うんですが、基本的には、医療保険それから介護保険という一般的なセーフティーネットというベースがあるんだと思うんですね。それを前提にして、それにどうかさ上げするかという議論に恐らくなっていくんだろうというふうに思います。

 今の制度の中では、自然災害の被災者に関する医療保険、介護保険の給付に関して、一部負担金の減免措置ということをやっておりまして、この措置がどれだけ生きているかということだと思います。さらに、これらの給付に加えて、被災者生活再建支援制度、これは、建物というか、トータルでいけば建物ですが、その以前のベースになる一時金というのはこの再建支援制度がかかってくると思いますし、それから、生活福祉資金、災害援護資金による貸付制度、こういう形で整っているんだというふうに思います。

 これが、御指摘のようにどれだけ機能をしているか、現実対応になっているかということ、これについては引き続き検証をしていきたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 ぜひこれは検討いただきたいと思います。労災と比べたら額なども全然違いますから、メニューがなさ過ぎるんだと。医療費の負担免除をおっしゃいましたけれども、やっと延長して九月ですからね、全然そういう問題ではないんだと。長期になった方に対する支援がないじゃないかということを言いましたので、きょうは検討をお願いしますということです。

 さて、もう一つきょうはテーマがございます。二月十三日に災対特で長野と新潟の豪雪調査に行ったときに、長野県の知事から、応急仮設住宅の仕様に関する提言が出されました。豪雪寒冷地等で発生した大規模災害時において、豪雪寒冷地等に対応した応急仮設住宅を速やかに建設することが可能となるように、各都道府県や市町村の意見を十分に反映した標準仕様の整備をやるべきだということで、積雪荷重に対応した建設地の構造や屋根つき外廊下及びスロープの設置、二重サッシ、床、壁、天井の断熱材の割り増し、給水設備の凍結防止など、十数項目の具体的な提案をしています。また、栄村は独自の特別仕様で建設した住宅があるということで、私たちも見てきたところです。

 今回の大震災では、水道凍結や寒さ対策の不十分さが繰り返し指摘をされ、政府が後から追加対策をやったり国費を追加交付するということで、大きく膨らんだわけです。ですから、今回の教訓を踏まえて、これからも避けられない災害に備え、最低でもこれくらいはという標準仕様を示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○津田大臣政務官 お答え申し上げます。

 スピードを速くしなきゃいかぬ、早く仮設住宅をつくらなきゃいかぬ。一方で、質もよくしなけりゃいかぬ。スピードもグレードもということ、これは当然のことなんですが、なかなかそこが十分行き届いていない点は、我々も反省しなければいけないというふうに考えております。

 既に、厚生労働副大臣を座長とするプロジェクトチームでアンケート調査を行いまして、その結果を踏まえて、バリアフリー対策や寒さ対策の追加工事等をこれまで行ってまいりました。

 委員の御指摘のとおり、長野県におきましても、豪雪地帯であるということも鑑みて、標準仕様を見直していただきたいと。基本的に、標準仕様につきましての取り組みというのは、県とプレハブ協会さんとがどういう仕様にするかということをやられる。国は、ある面では、その金額的な標準を示しているという状況でございます。それは当然、あれもこれもということになれば、金額が高くなっていくわけでございまして、そこには一定の制限があるということはあるわけでございます。

 しかし、そうはいっても、厳しい生活環境にあることを考えれば、この応急仮設住宅の仕様上の課題というのは、これはしっかり取り組んでいかなければならないことだというふうに認識をしておりますので、今後、私どももしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 私は、少なくとも最低基準という形で示すべきだと思うんです。ですから、岩手・宮城内陸地震までは畳が標準仕様であったんです。各県がやっていた、阪神のときも中越のときも。それなのに、今回、畳が入っていなくて、厚労省がわざわざ、アンケートで明らかになって、畳を入れるのにお金を出しましょうと。そういうのが、余りにも後手に回ったということになるんですね。それが経費の膨大にもなるわけですから、少なくとも、今回、プロジェクトチームが指摘をして後で措置された問題、そして長野県から上がってきたような豪雪仕様の問題、それはもう最低基準なんだ、その上に自治体の創意工夫もあっていいんだというくらいにしなければならないということを指摘して、ぜひ検討をお願いしたいと思います。

 もう一問あったんですが、あしたにしたいと思います。ありがとうございました。

○村井委員長 次に、重野安正君。

○重野委員 社会民主党の重野安正でございます。与えられた時間、十分という時間でありますので、前口上は省きまして、早速、具体的質問に入ります。

 まず、減災という文字についてです。

 大臣は、所信の中で、一定規模以上の津波に対してはハードとソフトを組み合わせて対応する減災の考え方を示されました。一方、昨年十二月に改定された防災基本計画では、地震、津波、暴風、豪雨、地すべり、洪水などの自然災害と、社会、産業の高度化などを例に挙げて、これらの災害を完全に防ぐことは不可能とした上で、減災の考え方を示している。

 そこで、この減災という考え方は、津波に限らずあらゆる災害について、一定規模以上のものにはこの減災という思想が適用されるというふうに受けとめるんですが、そういう受けとめでいいのかどうか。

○中川国務大臣 そういうことでございます。

 これまで余りにも、例えば海岸保全施設等に過度に依存をしていたということ、それによって、本来、それを越えてきたときの備えができていなかったということが、基本的な今回の東日本大震災に対する原点なんですが、それを踏まえて、あらゆる災害に対してそうした考え方を持って臨んでいくということだと思っております。

○重野委員 そういうふうな話の中で、そういう災害が発生をしたときに、やはり個人の責任というものが問われるケースがふえてくるのではないか。公的機関がこの減災という思想をどう受けとめるのか、あるいは国民個人個人が減災という思想をどう受けとめるのか、そこのところは極めて重要な問題をはらんでいる。そこのところが、やはり国としても厳格に、より具体的に、丁寧に説明していかないと、アバウトな説明は後で間違いを起こすので、そこら辺について大臣としてはどういうふうな考え方を持っているんですか。

○中川国務大臣 非常に大事な点だというふうに思います。

 自助、共助、公助というふうに言いかえることができるんだと思うのですが、自助というのは、住民等による備蓄、避難の判断、それから訓練、こういうことへの参加等ということになりますし、共助ということになると、地域やボランティアが取り組みを、事前にしっかりとした形で体制をつくっておくということ、それから公助では、国、地方公共団体が役割分担をしっかりしながら対応していく体制をつくっていくということ、そういうことを全て組み合わせてトータルな防災計画があるということ、これが基本的な考え方になっていきます。

○重野委員 きのうだったか、テレビで、東日本大震災にかかわる福島県の津波の問題について、ある学校の先生が長い間そういうことに一生懸命取り組んでこられた、その成果が、あの事態において子供たちを的確に誘導して、まさに減災ですね、被害を最小限にとめたというテレビの報道があっていましたけれども、非常に教訓的な指摘をされていたと思うんですね。

 そういう意味では、そこら辺、ソフト、ハード全体にわたってより掘り下げた議論とやりとりをしていく、そういうことを大臣としてもしっかり心がけてやっていただきたいな、このように思います。

 次に、食料備蓄の問題について。

 防災基本計画では、国、公共機関、地方自治体などが住民に対して行う普及啓発として、これまでの二から三日分としていた食料、飲料水の備蓄を三日分というふうにしています。

 まず、三日分としたのは、どういった理由からそういうふうにしたのかということが一つ。それから、東日本大震災では、救援網から漏れた避難所など、一週間以上にわたって救援物資が届かない事態も発生した、このように聞いております。

 そこで、今回の震災で三日以内に救援物資を届けることができなかったのはどの程度あるのか、それについてお聞かせいただきたい。

○中川国務大臣 昨年の十二月に修正しました防災基本計画において、国、公共機関、そして地方公共団体等は、住民に対して、三日分の食料、飲料水等の備蓄を含む、家庭での予防、安全対策について普及啓発を図るということにしております。

 先ほどの、三日分の根拠ということでありますけれども、これは、発災当初は、救助、救急活動、医療活動等、人命救助のための活動を優先して、次の段階として、食料、飲料水等の供給のための活動を行わざるを得ないという状況があるということ、救援物資の供給においては、手配してから被災者のもとに届くまで相当のタイムラグが生じてしまうということ等の事情から、大体三日分ということであれば家庭での備蓄を推奨できるであろうというふうに判断をしたところでございます。

 このことも前提にして、いろいろな食料、飲料水等の供給について、ニーズを把握してそれに対して支援物資を届けるということがこれまでの前提であったんですけれども、これも見直していこうと。こちらから、プッシュ式でどんどん想定をしながら供給していく、そんな体制もつくっていく必要があるんじゃないかということも含めて見直しをしていきたいというふうに思っております。

 発災当初、三日以内に救援物資が届かなかった場合について、どれぐらいあったのかということなんですが、残念なことに、まだそこまでの把握には至っておりませんで、これも一度しっかりと検証をしてみる必要がある、御指摘のとおりでございまして、やってみたいと思います。

○重野委員 関連して、マスコミが調査をしているのでありますが、備蓄をしていないという返事をしたのが全国で三三%ということです。政府が推奨する三日以上はわずか二六%にすぎない、こういうことです。

 この数字を大臣はどのように受けとめておられるか。また、今触れましたけれども、今後、どのような対応を自治体、国それから国民に求めるかというふうな点についてお聞かせください。

○中川国務大臣 これも大事な御指摘をいただいたと思っております。

 この数字というのは非常に低いという認識をしておりまして、さらに私たちで努力をしていく必要があるというふうに思っております。

 防災基本計画において、国、公共機関あるいは地方公共団体というのは、先ほどの三日分の食料、飲料水等の備蓄について、住民に対して普及啓発を図るということにしておりますが、内閣府としても、これまで「減災のてびき」だとか「みんなで減災」のパンフレット等により食料等の備蓄について周知をしてきたということになっておりますけれども、実態として、それがしっかりしたものに結果としてなっていないということであります。さらにどういう形でこの意識を高めていったらいいかということ、これは真剣に検討をしていきたいというふうに思っております。

○重野委員 今後、東日本大震災に匹敵をするような、そういう大きな災害がいろいろな角度から指摘をされておりますだけに、この部分のソフトな部分は、やはりしっかり国としても目的意識を持って進めていくということが求められていると思いますので、その点を十分ひとつ配慮して頑張っていただきたいと思います。

 終わります。

○村井委員長 次に、柿澤未途君。

○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きのうの国土交通委員会においても、津波警報の六メートルといういわば過小評価の警報が、沖合の海底に設置されている水圧式津波計の津波観測データがあったのに速やかに修正されなかったのはなぜかということについてお尋ねをしました。

 また、加えて、約十五分後には計算をされるモーメントマグニチュードを使って津波警報の続報を発表するはずが、測定範囲を超えて地震計の針が振り切れたためそれができなかった。というより、警報の六メートルよりもっと大きな津波が来る可能性について、わかっていながら知らせなかったのではないか、こういうことを指摘させていただきました。

 きょうは、その続きを質問したいというふうに思います。

 皆様方のお手元に今一枚の資料をお配りさせていただいております。「気象庁精密地震観測室で試算した「平成二十三年東北地方太平洋沖地震」のマグニチュードについて」という、平成二十三年九月十日付の気象庁報道発表資料であります。

 長野県の松代にある気象庁の精密地震観測室で、この地震の十分後、マグニチュード九・〇という観測データを記録しながら本庁に報告をしなかった、こういうふうに書かれています。

 皆さん、思い出していただきたいんですけれども、気象庁発表のマグニチュードは当初七・九で、二日後までそれは修正されなかったんです。二日後になって九・〇ということになった、このように記憶をしています。きのうも言いましたけれども、七・九と九・〇というのは、全く規模の違う地震だと言ってもいいぐらい違います。

 なぜこの精密地震観測室でのデータは本庁に報告をされなかったのか、この判断はいつ誰がどのように下したのか、お伺いをしたいと思います。

○羽鳥政府参考人 お答えいたします。

 精密地震観測室で用いているマグニチュード計算手法は、我が国から遠い外国の地震の規模を求めるためのものでございました。この手法を国内の地震に適用した場合には、大きく算出される傾向がある、あるいはばらつきが大きいということで、信頼性が低いということについて本庁及び同室において評価してきておりました。このため、これまでも気象庁に報告することにはなっておりませんでした。

 以上でございます。

○柿澤委員 ということは、先ほど申し上げたような形で精密地震観測室が本庁に言わなくていいんだという判断をしたことは、気象庁本庁としても、問題ない、そういう判断を下して差し支えない、こういうふうに考えているということでよろしいんでしょうか。

○羽鳥政府参考人 お答えします。

 そのとおりでございます。

○柿澤委員 もう一度資料をごらんいただきたいんです。

 ここで観測をされた地震のデータというのは、地震発生後約十分でマグニチュード九・〇、十三分後には九・一であったが、振り切れたデータを用いており、正しい値ではない、こういうことが書かれている。

 しかし、針が振り切れて正確でないから報告しなかった、今までもそうしてきたというのと、正確な数値じゃないけれども、針が振り切れて尋常でない値が出ているので本庁に報告したというのと、この場合、どっちが適切な判断だったというふうに思いますか。

○羽鳥政府参考人 今回の事象につきましては、これまでも、大きく出る傾向がある、あるいはばらつきがあるということでございますので、精密地震観測室の緊急時の判断としても報告がなされなかったということについては適正なものと思ってございます。

○柿澤委員 きのうも申し上げましたけれども、マグニチュード七・九がマグニチュード九クラスのものであるという可能性が仮に地震の十分後に認識をされていたならば、その場合、気象庁が当初マグニチュード七・九を前提に発令した六メーターの津波警報というのは、その直後には迅速に修正が図られて、十メーター以上の津波がやってくる可能性があるということを知らせることができたんじゃないですか。

 こういう点を踏まえてもなお、こうした対応をとったことは適正であったと、先ほどの答弁のとおりおっしゃるんでしょうか。

○羽鳥政府参考人 当時の状況を考えますと、先ほども言いましたように適正とは思いますが、今回の経験をしっかりと教訓としまして、津波警報を改善するために、巨大地震であるという可能性をできるだけ早期に検知するということを考えてございまして、さまざまな手法、今回の精密地震観測室の手法も改善に努めて、確実に検知できるように気象庁としては努めていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

○柿澤委員 今回の震災で、別にこれが唯一の原因だとは言いませんけれども、しかし、津波から逃げおくれる形で多くの人の人命が失われている、こういうことを考えると、私は、きのう来、たびたび羽鳥長官から御答弁いただいていますけれども、本当にそのことについてどうお感じになられているのかな、こういうふうにも思うんです。

 結局はこういうことなんじゃないんですか。確かに、精密地震観測室のデータにぶれがあって、そして高く出る傾向がある、これは私は専門家ではないから精査に入りませんけれども。しかし、結局、この精密地震観測室で地震を検知しても、観測しても、本庁には情報を上げないということをずっと慣習としてやってきた、だから今回もやらなかった、こういうことなんじゃないですか。

 要するに、これだけある種例外的な大きな地震が起きても、日々のマニュアルどおりに行動して、そして結果的に、気象庁が発令している津波警報、その前提となっているマグニチュード七・九を上回る、そうした可能性があるということについて本庁に警鐘を鳴らすことができなかった、こういうことなのではないかというふうに思うんです。

 結果的に、そうしたことがあった上で、気象庁長官が、この地震発生直後の津波警報が津波の実際の高さより低い可能性がある、過小評価である可能性がある、こういうふうに認識をしたのは結局いつの時点だったんですか。お伺いいたしたいと思います。

○羽鳥政府参考人 私が認識いたしましたのは、地震発生から二十八分後に津波警報の切り上げが行われ、その情報を受けたときでございます。このときに第一報の過小評価の可能性というものを認識した次第でございます。

 以上です。

○柿澤委員 かつて、十五時前後にGPS波浪計を見てそのことが認識をされた、こういうお話があったようにも記憶をしていますが、いずれにしても、三十分後までこうした可能性が気象庁長官は認識できていなかったということになるわけです。

 これだけじゃないんですよ。きょうのこの話だけではないんです。きのうも、水圧式津波計の津波警報の更新への活用ができず、これが残念ながら情報として生かせなかった、ことしの三月九日からそれができるようになりましたと発表されていますけれども、なぜその時点でできなかったのかというふうに申し上げました。

 モーメントマグニチュードが測定範囲を超えた事実も把握をしながら生かせなかった、精密地震観測室のデータも本庁には上がらなかった、こういう実態を気象庁はどういうふうに認識しているんですか。私から言わせれば、たび重なる看過というか、言葉を厳しく言えば過失で、津波警報の迅速な更新が行えなかったというふうにも思うんですけれども、見解をお述べいただきたいと思います。

○羽鳥政府参考人 今回発表しました津波警報につきましては、当時のシステムあるいは作業手順という点では現場において十分な対応を行ったとは考えてございますが、先生御指摘のように、実際の津波とは大きな乖離があったということでございまして、我々の技術力が十分に及ばなかったということを痛感し、大変申しわけなく思っている次第でございます。

 これまでも何点か先生から御指摘いただきましたが、先ほどの、広帯域地震計によるモーメントマグニチュードが算出できなかった、あるいは水圧式津波計のデータが利用できなかったということにつきましては、これらを大きな教訓としましてしっかりと受けとめて、津波警報の改善に生かし、今後の津波防災に生かしていきたいと思います。

 以上でございます。

○柿澤委員 時間は過ぎておりますが、防災大臣に一言、最後に、今までのやりとりを聞いてどう思うかということをお尋ねしたいと思います。

○中川国務大臣 人類の進歩というのは、それぞれ反省するところは謙虚に反省をして、その原因を分析して、その結果を次の段階に生かしていくということ、これに尽きるというふうに思います。

 そういう意味では、気象庁の先ほどの対応についても、基本的に、結果として津波警報の更新が適切に行えなかったということにつながっておるわけですから、しっかりとした検証に基づいて次の対応をとっていくということだと思っております。

○柿澤委員 同じことを繰り返さないでほしいということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

○村井委員長 次に、石田三示君。

○石田(三)委員 新党きづなの石田三示でございます。

 きょうは質問時間をいただきましてありがとうございます。時間も少ないことでございますので、早速質問に入らせていただきます。

 災害対策法制の見直しということで御質問させていただきたいんですが、現在の災害対策基本法の仕組みは、災害が発生したら、まず市町村が応急対策に当たり、必要があれば都道府県や国が助けるという仕組みになっております。しかし、今回の東日本大震災においては、例えば陸前高田市ですとか大槌町というのは、市役所、役場そのものが被災を受け、壊滅状態となりました。また、多くの職員の方も犠牲者が出るなど、自治体としての機能が全く失われたということだろうと思います。

 そこで、質問をいたします。

 東日本大震災では、実際、どのくらいの自治体がその自治体機能を喪失したのか、その数をお伺いしたいと思います。

○田部政府参考人 今回の震災で、市町村の本庁舎が津波によって流失したり、原子力災害に伴い本庁舎からの退避を余儀なくされる事態が生じたところでございまして、これらの団体におきましては、仮庁舎の建設や既存施設の改修、情報システムの復旧などの市町村役場の機能の回復が喫緊の課題となったところでございます。

 これに対し、総務省といたしましては、市町村行政機能応急復旧補助金を創設したところであり、その対象となる団体は五十九団体というふうになってございます。なお、この五十九団体の被災の程度はかなりばらつきがございまして、このうち、本庁舎が壊滅的な打撃を受けた団体は十三団体、原子力災害に伴い区域外に移転した団体は九団体となってございます。

○石田(三)委員 ありがとうございます。

 現行の災害対策基本法というのは、このように自治体そのものの機能が失われたときに、第一義的に応急対策の役割を市町村に担わせるのは現実的に難しくて、巨大災害に対応するものになっていないのではないかというふうに思われます。

 早急に災害対策基本法は改正されるべきだというふうに思いますけれども、具体的な見直しの内容についてはどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。

○中川国務大臣 御指摘のように、今見直しの検討に入っているというところでございます。

 防災対策推進検討会議の中間報告は、以前に申し上げたとおり、三月の七日にまとめたんですけれども、その中で二つ教訓があります。一つは、先ほどの、それぞれ自治体機能が失われた場合の対応、それからもう一つは、減災という考え方をしっかりと付加していかなければならないということ、この二つが主なポイントであります。

 それを受けて、防災対策の見直しの方向性として挙げられた項目のうち、法制面での見直しを考えていくというものについて、まず一つは、大規模災害時における都道府県や国の調整による地方公共団体間の支援の仕組みを強化していくということ。それから、都道府県が広域避難に関する指示、調整を行うことができる仕組みをつくるということ。それから、被災地の要請がなくても、先ほど申し上げたんですが、物資を送り込むプッシュ型、これの制度の構築をしていくということ。それから、減災の考え方や、公助を基盤とした、自助、共助の明確化をしていくということ。これは水平的なネットワークをふだんからつくっていくということも含めた形であります。それから、日ごろの防災教育、訓練の強化や多様な主体の参加による地域防災力の強化ということ、これも考えていく。

 こういう点が指摘をされておりまして、こうしたことを踏まえて、さらに基本法の改正の検討に入っていくということでございます。

○石田(三)委員 大災害に向けて、平成七年の阪神・淡路大震災では二回の大幅な改正をしているわけですね。昨日も東北と千葉沖で地震がありました。いつ大災害が起きるかわからないという状況の中で、やはりこれは早急に見直せるところからやるべきだというふうに私は思っています。

 スケジュール感についてちょっとお伺いをしたいと思ったんですが、ぜひ早急に改正をすべきということをお伝え申し上げて、次の質問に移ります。

 大臣は、防災ボランティア活動の環境整備の取り組みを進めというふうに述べられております。災害が起きたときに、先ほども自助、共助、公助ということがありました、自助、共助というのが初期に非常に大切になるんだろうというふうに私は思っております。そういった中で、大臣のこの防災ボランティアに対する御所見というのは非常にすばらしいなというふうに思っております。

 そういった中で、防災ボランティア活動の環境整備の取り組みを進めるとありますが、これは具体的にどうお進めになるのか、お伺いをしたいと思います。

○中川国務大臣 東日本大震災の発生直後から一年間、被災地内外で多くのボランティアの方々が活動をされて、それがいかに支えてきたかということ、これに改めて心から敬意を表するところでございます。

 これまで、平成十六年度から防災ボランティア活動検討会というのを運営してきましたが、それに活動をしている皆さん方あるいは有識者から有益な提言をいただいておりまして、幅広い課題の把握とその解決方法の実現へ向けて一緒にやらせていただいています。

 活動の情報・ヒント集というようなものだとか、受け入れノウハウをまとめたパンフレットなどの情報提供だとか、あるいは、これは平成二十二年度から始めていますけれども、政府総合防災訓練へのボランティアの方々の参画をいただいていまして、そんな準備を進めてきたんですが、それだけでは十分でないということを考えておりまして、もう一度、特に南海トラフあるいは首都直下型地震に備えて、ボランティアの広域連携のための体制構築を図っていきたいというふうに思っています。

 まず一番目には、東日本大震災を初めとする大規模災害での防災ボランティアを取り巻く課題をもう一回まとめていくということと、課題を踏まえた広域連携の取り組みのポイントも再点検をしていきます。それから、現在行われている広域連携のケーススタディー等について、実際にボランティア活動を担っている方々の協力を得て、広域連携のポイント集として今取りまとめているところでありまして、速やかに情報提供を行うこととしております。

 私も、この間、静岡に行きまして、図上の訓練というのを、全国のボランティアの皆さんに集まってきていただいて、やっていただいていましたが、我々の企画立案の部分へボランティアの皆さんにしっかり参画をしていただく、それからボランティア活動の広域的な環境整備を図っていく、このことについて非常に重要だということを痛感いたしました。進めていきたいというふうに思います。

○石田(三)委員 大臣からいろいろとお取り組みのお話を伺ったんですが、私の手持ちの資料の中で、防災関係予算のボランティアに関する予算というのは、内閣府の防災ボランティア関連施策の充実二千百万、それから消防庁の防災ボランティアの活動環境の整備推進二百万、二千三百万。これ以外の中にも予算化されていることがあるのかもしれませんけれども、これを見る限り、大臣がおっしゃられた、防災ボランティアを促進していくんだという部分は見えないんです。

 今いろいろおっしゃっていただいたことをこの予算以外の中でやられるということだろうというふうに思いますが、自助、共助の部分が、被災したときに私は一番大事だろうというふうに思いますので、そういったことをぜひしっかりお進めいただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

○村井委員長 次に、中林美恵子君。

○中林委員 民主党の中林美恵子でございます。

 きょうは、大臣の所信に対する質疑ということで二十分の時間をいただきました。ありがとうございます。

 既に八人の委員の皆さんが防災に関する多岐にわたる質問をさせていただいたところでございますけれども、確かに、防災というものに関しましては、多くの角度から、多くの見方、そして心配、そして将来への計画、見通しへの質問が上がっているというところでございます。

 日本は自然災害の本当に多い国で、台風、豪雨、豪雪、また最近では、南海トラフの震災、大きな地震が起こったらどうするのか、こういった巨大地震に関するもの、また、首都直下地震と言われているもの、巨大な火山の噴火が起こったらどうするのか、こういったことが今大きな問題として挙げられています。

 その中で、私は神奈川の横浜出身の衆議院議員でありますので、首都直下地震、都会型のこうした大きな災害のときにどうしたらいいのかということに的を絞りましてお伺いをしていきたいというふうに思っております。

 実は、私の地元である横浜の市民も、さまざまな防災の活動を進めています。先日は、市民が、帰宅困難者になったときにどうしたらいいのかということで、歩いて自宅に帰る訓練、そして帰る途中でどんな障害があるのかということを自分の足で、目で確かめて歩く、そんな訓練にも参加してまいりました。そしてまた、磯子の杉田小学校というところに、別の機会ではありましたが、雨が降る日、地元の方々が集まって、自治体の皆さんを中心に、NPO、ボランティア、専門家の方々が集まって、無線でどういう連絡をし合うのかという訓練、そして食事がなくなったときに、被災して避難をしたときにどういうふうにして食料を確保するのか、また火事が起こったときにどういうふうにそれを消火するのかということを実際に訓練しているところに私も参加をさせていただきました。

 それを見ますと、地域の方々が皆さんそれぞれできる範囲で、週末を使ったり、いろいろなプライベートな時間を使って努力をしている。これは本当に、私たち市民一人一人が身にしみる活動として頑張っているという実際の姿だと思います。

 しかし、やはり参加する人数がまだまだ、特にこういった小学校などを使って自治会の皆さんが行っている訓練にはもっともっと参加してほしい、もっともっと市民の皆さんにわかってほしい、それが特に都会型の地震の中では大事であろうということで、まだまだ課題を抱えているということも学んできました。

 そこで、きょうは、こういった多岐にわたる防災の中でも、首都直下型地震ということで、まさに消防庁、警察庁、そして大きな、首都機能ということも抱えている防衛省にもこれはかかわってくるというふうに思いまして、幾つか現状についてお話を伺っていきたいと思います。

 その前段階で、まず中川大臣に、首都直下地震というものは一体どういうものなのか。私も、そういった地域の訓練に身を置きながら、一体首都直下地震というのはどういうものなんだろう、何を意味しているんだろう、その範囲や災害の形態、そういったものについてどのようなコンセプトを今持っておられるのか、お伺いしていきたいと思います。特に、神奈川では相模トラフ沿いの巨大地震ということも言われておりますので、それとの連携も含めまして、心の準備として、その定義をお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○中川国務大臣 これまでの首都直下地震の想定対象、まずそこから始めたいと思うんですが、全部で十八タイプが考えられておりまして、いわゆる都心の西部直下型から、それぞれポイントポイントで、関東圏がありまして、茨城県の南部地震まで、そのどこで起こったらどれぐらいの表面的な震度になるかということを全部分析した上でそれぞれ対応を立てていくというふうなことになっております。

 今、構造的には、よく言われておりますが、地殻内の浅い地震、フィリピン海プレートと北米プレートとの境界の地震、それからフィリピン海プレート内の地震、そういうところを想定しながらということでありますので、それに対応する形の対策をとっていくということなんですが、これの詳細と、それから、地表でどれぐらいの震度になるかということについては、これまでは、文科省傘下の、専門家による分析を行ってきたんですけれども、今回、内閣府の中に改めて、それをベースにした専門家の検討会を置きました。

 それでもって、今回言われた、想定よりも浅いところで地震が起きる可能性があるというふうに文科省の方であった検討会では発表がされましたけれども、それを受けて、それが地表でどういう結果になってくるのかということを専門家の間で分析していただいて出してくるというふうな工程に今なっております。

○中林委員 ありがとうございます。

 大臣が今おっしゃられましたように、防災対策推進検討会議というものがあって、三月七日に、今月ですけれども、中央防災会議のこういった中間報告をいただいていて、これはまさに、まだ中間報告ですから、これからどういうことを検討しなければいけないかという問題を洗い出しているというふうに感じました。ただ、その洗い出しはかなり詳細にわたっておりますし、これからますますぜひそれを掘り下げて、最終報告に結びつけていただきたいというふうに思います。

 そして、その中にも、直下型地震、首都直下地震というものが明記されておりまして、先ほど大臣がおっしゃられましたように、文部科学省の委託研究といたしまして、東京大学、京都大学、それから独立行政法人などを通して、研究所が「首都直下地震に備えて」というような報告を出す、そして文部科学省としては月末にこれを正式に発表ということになっているようです。

 こういった首都直下地震についてどういう備えをしたらいいのかということもまだまだ検討が始まったばかりであるというふうに認識しております。ということは、私たちも含めて、さまざまな知識や経験、そして地域の方々のお声を入れて、本物の防災対策をこれからつくっていかなければならないという状況だと思うんです。

 その中で、消防庁、特にこの首都直下地震では、実は、津波や建物の倒壊といった危険も当然ありますけれども、それ以上に火事で亡くなる方が非常に多いということを聞いております。この火事によって亡くなる方を少しでも少なくしていく、できればない方がいいことは確かではありますけれども、火事に対する対策はどのようになっているのか、現状を押さえさせていただきたいと思います。お願いいたします。

○佐々木(克)政府参考人 首都直下地震につきましては、私ども消防は、全国からの緊急消防援助隊という仕組みを持っておりまして、その円滑な部隊運用のための運用方針あるいは運用計画としてのアクションプランを事前計画として策定いたしております。

 先ほど大臣の方からも答弁がございましたけれども、被害想定なり、今後できていく想定を踏まえまして、私どもとしましても、消防として対応するべき方針なりをまた改定してまいりたいと思っております。

 特に、火事につきましては、私ども消防の非常に大事な、取り組むべき分野ということでございますので、緊急消防援助隊の消火に関する隊数の増強といったものにこれまで取り組んでまいっておりますし、また、できるだけ火事が大きくならないように、予防という面で、建築その他、消火のために、大きく広がらないような形での事前の査察、そういったものの強化に努めているところでございます。

○中林委員 火事につきましては、私たちが、一人一人の市民が火元をきちっと管理したり、いろいろな周知徹底というものがとても大事になるかと思うんですけれども、それに対する対策はどの程度進んでいらっしゃるか、追加で教えていただければと思います。

○佐々木(克)政府参考人 さきの関東大震災のときにも、被災者の方の八割から九割が火事で亡くなられたということがございまして、特に東京を中心に、東京消防庁を初め、火災予防の観点から、住民の方々への周知あるいは火災のときの対処の訓練、住民に対する取り組みの促進といったものにかねてより鋭意取り組んでいただいております。

 私どもとしましても、消防の防火管理者制度ですとか、そういったものの見直しといいますか強化といったものも考えながら、より一層、火事をできるだけ抑える、発災したときには当然消火作業をしなきゃいけないわけですけれども、その前の、事前の、火災をできるだけ小さなものに抑えるということに今鋭意取り組んでいるというところでございます。

○中林委員 ぜひ、自治会や町内会、そして市町村、自治体ですね、また学校関係の方、さまざまな地域の組織の皆さんとも深く連携をしていただきたいというふうに思います。

 それでは、そういった火事が起こりましたときに、やはり警察庁の方で、大きな道路のことですとか、どういうふうに物を運ぶのか、車が動くのか、規制をするのかというところも重要になってくると思います。

 今までは各都道府県の県警などが連携する、また同じルールを持つということがなかったようですが、最近これを改良しつつあるというふうに伺っています。今どこまでその検討が進んでいるか、また改良がなされたのか、お聞かせください。

○石井政府参考人 先生御指摘のとおり、地震による被害を防止するためには、地震発生後速やかに、警察、消防、自衛隊などの広域応援部隊や、水、毛布、食料等の物資などを被災地に輸送する必要がございます。

 そこで、警察庁では、先般、関係都県警察とともに、広域の交通規制計画案を策定しました。この計画案におきましては、地震発生直後から都心部への車両の流入を禁止するほか、緊急交通路の指定予定路線から一般車両を排除し、緊急交通路として指定をすることとしております。具体的には、高速道路四十六路線、一般道路六路線を指定予定路線とし、あわせて、これらの路線が利用可能であるかどうかを確認するための緊急点検箇所や交通検問箇所を選定し、都県警察が連携した迅速な対応を講じられるようにしたところでございます。

 今後は、この計画案をもとにした訓練を実施する中で、関係機関相互の連携の緊密化や住民の方々への周知を図ってまいりたいと考えております。

○中林委員 では、続いて防衛省にお伺いします。

 大災害での役割は防衛白書にも明記されているとおりですけれども、今回の東日本大震災を見ましても、自衛隊、そして海外の軍隊との連携、こういったものが非常に大きな役割を果たしました。

 これについて、防衛省では、首都直下地震についてどこまでそれを精査しているのか、または、これから検討する計画があるのか、そういった発表を行う計画があるのか、また、海外との連携をどうするのかというところについて、現状を教えてください。

○松本政府参考人 お答えいたします。

 まず、首都直下地震に対する自衛隊の体制等でございますが、防衛省・自衛隊といたしましては、中央防災会議におきまして大規模地震に対応する応急対策活動要領というのが策定されております、これを踏まえまして各地震への対処計画をそれぞれ策定しているという状況でございます。

 御質問の首都直下地震対処計画、もちろんあるわけでございますが、そこの中では、非常に被害の発生が大きいだろうということで、各自衛隊が協同して組織的に対処することにいたしたいというふうに考えております。この場合、陸上自衛隊は最大で約十一万人の部隊などを被災地に集中させる。また、海上自衛隊では最大で艦艇約六十隻、航空機五十機を出動させ、また、航空自衛隊では偵察機等、最大約七十機を運用させることといたしております。

 今後の対応はどうかというような御指摘がございましたが、これにつきましては、昨年起きました東日本大震災におけます教訓でございますとか、あるいは、先ほど大臣の方からもお話がございました、現在政府の中で検討が進められております首都直下地震対策等の内容等を踏まえまして、私どもも、首都直下地震に適切に対応できるよう所要の検討を進めていきたいというふうに考えております。

 また、米軍といいますか、諸外国の軍隊との連携という御質問がございましたが、これについては、昨年、東日本大震災においては、特に米軍との間で緊密な連絡調整というのが重要な課題になりまして、そういった観点から、日米調整所というのを設けました。これで、在日米軍でありますとか、あるいは自衛隊の活動内容等の調整を行ったところでございます。

 そういった観点からしますと、将来、首都直下地震に際しても米軍と連携することになるのであれば、やはりこの日米調整所というのが一つのモデルになるのかなというふうに考えているところでございます。

○中林委員 ありがとうございます。

 時間もなくなってまいりましたので、最後に中川大臣にお伺いいたします。

 大臣の所信表明の中で、首都直下地震に対する取りまとめを本年の夏ごろを目指して決めていきたいというふうにおっしゃっておりました。こういったさまざまな省庁がかかわる首都直下地震の特性があろうかと思います。いろいろな省庁をどういうふうに取りまとめていこうとなさっているのか。これは、やはり余り待てない、早く取りまとめを行わなければいけないタイプの災害対策だと思いますので、その方策についてお伺いしたいと思います。

 さらには、これは時間がないので一言になってしまうかもしれませんけれども、地方自治体との連携、また周知徹底の仕方、そして政府としてのシミュレーションの重要性。よく海外では危機のシミュレーションというものを行っております。日本では、軍事的なシミュレーション以上に、自然災害のシミュレーションというものが大事になってくる可能性があります。したがって、そのシミュレーションの重要さ。また、海外の支援をどう受け入れるのか。これが国内で混乱していると、海外の人たちがかえって心配して、日本の国際的な地位にもかかわってまいります。情報発信がとても重要なことになります。

 災害時における、そういった全ての分野のものを取りまとめる努力についてお伺いいたします。

○中川国務大臣 これまで、大震災を受けて、専門家の中から、内部的に圧力が負荷されてきておる、不安定になってきているという指摘がされまして、切迫感が出てきております。

 それを前提にして、これまでの対策といいますか、見直しとしては、首都の中枢機能の継続性ということを中心にした議論を検討会が重ねてきました。それからもう一つは、これは東京都と一緒になってやっているんですが、避難対策ですね。相当の人が首都圏に封じ込められる、そういうことになるわけでして、それにどう対応していくかということ。

 その二つのことについて主にやってきたんですけれども、その辺の中間報告だとか、この間のマグニチュード七・三、七以上ということを前提にした中で、そうしたことと同時に、さっき御指摘があったトータルな政策を考えていくということで、ワーキンググループを七日に立ち上げまして、そこで総合政策へ向けて検討を始めていくということにしております。それは、もちろん各省庁も含めた形で、予防、応急、復旧復興、各対策の方向性についてトータルでやっていくという前提になっております。

 全体像については、夏ごろをめどに、このワーキンググループの取りまとめをしていきたいというふうに思っておりまして、それを踏まえて、秋ぐらいには、震度分布や津波高の推計も同時並行的にやっていきながら、被害想定の結果をまとめて、そして、具体的な対応策とそれに対する来年度に向けての予算づけ等々含めた対応に移っていきたいというふうに思います。

 最終的には、対策のマスタープランである地震対策大綱であるとか、あるいは、警察、消防や自衛隊等の各機関がとるべき行動内容を定めた応急対策活動要領、これを見直していくということになるんですが、できるところからどんどんやっていきたいというふうに思っておりまして、これからしっかりとした取り組みをしてまいります。

○中林委員 防災には総合的な力が問われると思います。時間が参りましたので、私の質疑を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

○村井委員長 次回は、明十六日金曜日午前八時三十分理事会、午前八時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
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