三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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内閣府特命担当大臣

記者会見

平成24年7月3日(火)

1.発言要旨

 おはようございます。

 まず、私から2件ほど報告をします。

 一つは、「APEC女性と経済フォーラム」がありまして、6月29日の金曜日から30日の土曜日まで出席をいたしました。ロシア連邦のサンクトペテルブルク市で開催されまして、ハイレベル政策対話が6月30日にあり、APECエコノミーから閣僚級が出席をしました。このフォーラムでは、クリントン国務長官も含めて、女性の閣僚がほとんどということでありましたけれども、APEC域内の経済発展に不可欠な女性によるイノベーション、それから女性のリーダーシップ及び女性の能力の向上等について意見交換をいたしました。男性の閣僚は希少価値でしたので、それなりの注目をしていただいたと思います。私からは、女性の活躍による経済活性化の推進のための我が国の取組について説明を行いました。

 その結果は、議長声明として発表され、APEC域内の経済の繁栄と成長のために各エコノミーが女性の経済参加の促進に向けた取組を促進することなどが合意をされました。今回の会合の成果を踏まえ、引き続き女性の活躍による経済活性化の取組等を積極的に推進していきたいということであります。

 次に、「世界防災閣僚会議in東北」に出席をいたします。本日3日から4日にかけて「世界防災閣僚会議in東北」が開催をされます。この会議は「世界の英知を被災地に、被災地の教訓を世界に」というのがタイトルですが、これをテーマとして外務省、内閣府等の主催によって開催するもので、世界約100の国、国際機関の代表が仙台を中心に被災地に集まります。私も、国会の了解が得られれば、明日4日に行われる全体会合、それから閉会式に出席してまいりたいと思っております。この機会に日本を訪れる防災関係の閣僚や国際機関等との第二の個別会談も予定をされておりまして、しっかりとした連携を模索していきたいと思っております。

 以上です。


2.質疑応答

(問)朝日新聞の岡本です。すみません、政策分野じゃないかもしれませんが、民主党の小沢元代表が、昨日離党届を出されて、新党結成をされるということを表明されましたが、まず、その受け止めをお願いします。

(答)非常に残念なことだと思います。野田内閣、あるいは私自身もそうですが、一つ一つの政策を先送りすることなく確実に実施していくということ、これに尽きると思います。本日、野田総理からも閣議の後、閣僚懇でお話がありまして、我々もそのことに接していくということと同時に、気を引き締めて新しい民主党を作っていくというぐらいの気持ちでしっかりと取り組んでほしいということでありました。それぞれやるべきことをやっていくということに尽きると思っております。

(問)小沢さんは、政権交代を果たした民主党ではなくなったというような趣旨の発言をされているんですが、その発言についてはどういうふうにお感じでしょうか。

(答)小沢さん自身も、野党の頃から政権交代に向けてリーダーシップをとりながら一緒にやってきていただいたわけでありますが、その中でマニフェスト、あるいはそれ以降の新しい情勢、特に大震災により新しい状況が生まれたわけなのですけれども、それで思い切った政策を打ち出して、私はやってきたと思います。民主党への政権交代があったからこそ、予算の組み替えが具体的にはなされて、特に社会保障分野、それから教育分野、科学技術分野に投資が確実にシフトしていると思います。震災という新しい状況の中で、これを克服していくために、本来、消費税を上げていくのはもう少し後のスケジュールであったのですが、それを前倒しで今回持っていかざるを得なかった。それは国民の皆様に本当に説明をして理解を得ていかなければいけないことですが、そういう意味では、これはやっぱり先送りせずに、今取り組まなければいけないということだったと思うのです。そういうことに対してしっかりと対応して措置するというのはできていると思いまして、そういう意味では、小沢さんの言っていることは当たらないと思います。

(問)ちょっと今の御発言で確認しておきたいんですが、震災を克服するために消費税を上げるというような趣旨のことをおっしゃったんでしょうか。

(答)違います。消費税そのものは、社会保障の新たな体制をつくっていくといいますか、まだこれで完成したわけではなく、これから課題が残っている、その財源として目的税化の中で御理解をいただいているのですけれども、しかし、国トータルとして考えて、時期ということを考えていくと、やはり震災で更に大きな借金が膨れるということ、これはマーケットにとっても非常に大きなリスクだと思うので、そういう前提があって今の時期に持っていったと言えると思います。そういう意味ではトータルで関連があるのだというように思います。時期をどこに設定するかという判断の中では。

(問)あともう一つ、今回、小沢さんのグループは離党する方が多かったんですが、離党はせずに党内に残った法案に対して反対した方々もいらっしゃると思うんですが、特に鳩山元首相が筆頭だと思うんですが、この方々が党内に残るという判断をしたことについてはどういうふうにお考えでしょうか。

(答)さっき申し上げたように、小沢さんもこれまで一緒にやってきていただいたわけですから、本来は中でしっかり議論を尽くして、党内で所定の手続をとって、党の意思決定として決まったことに対してはみんなが協力をしていくという、本来はどこかの中で進めていくべきことだったと思うのですね。そういう意味で、消費税に反対という皆さんについても、党内に残って反対という皆さんについても、更に議論を尽くして、党の決定したことに対して、そのように協力をしていただきたいと思っています。

(問)結局、残った方は別としても、民主党自体が分裂する結果になったわけであって、この責任というのはどこにあるとお考えでしょうか。

(答)私たちとしては、さっき申し上げたように、党としてどこかで意思決定をしていかなければいけないということだと思うのですね。総理大臣をつくっていった時といいますか、代表選挙の時もそうした議論があって、それこそ選挙で代表が選ばれて、そこで方向性が決まったということでありますから、そういう意味では、民主党としてのデュープロセスといいますか、党として運営していくルールに基づいてやってきたということですよね。それに対して従うことができない、あるいはルールに乗っていくことができないということについては、党を否定していくような形になっていくわけですから、そこは間違っていると思いますね。

(問)執行部の責任は今回に関してはないというふうにお考えでしょうか。

(答)責任というような言葉で表す話ではないと思うのです。日本で政党政治をどのように成り立たせていくかということについては、恐らく民主党の中だけではなくて、これからいろいろな局面が、時代を大きく変えていくという中ではあるのだと思うので、そこはだれが責任を取るとか取らないという話ではないと思うのです。この時代を変えていくという時に、どんな政党政治をベースにした仕組みを作っていくかということが、政治家全員に問われるのだと思うのです。ある意味で成熟していないといいますか、あるいは政治手法として、連立制なども含めたやり方というものがまだ我々の中に工夫されていないといいますか、やはり成熟度というところだと思うのです。

(問)長くなってすみません。最後に、今後の政権運営は、自民党・公明党頼みになるしかないんじゃないかという見方が強まっていますが、それについて、今後の政権運営について大臣のお考えをお聞かせください。

(答)まだ参議院の議論が残っているわけで、これについては野党の皆さんの理解、もともと消費税に対しても、特に自民党は上げていかざるを得ないという考え方をとっているわけで、その辺を前提にしながら参議院の採決があって、消費税を含めた一体法案が成立をしていくということだと思います。他の問題については、これまた別の議論があるのだろうと思うので、これからその議論をしていくということだと思います。

(問)別の議論というと。

(答)別の議論というのは、それぞれの政策によって体制といいますか、組み合わせが違ってくるという可能性はあると思います。

(問)今後は、いわゆるパーシャル連合と言われるようなものを目指すべきだというふうにお考えというふうにとらえればいいんでしょうか。

(答)パーシャル連合、連合まではいかないですね。賛成、反対というだけの話ですから。

(問)NHKの加藤と申します。ごめんなさい、全然政治の話と関係ないんですけれども、先週、北海道から、津波の予測というのが出されて、数字が34.6メートルということで、これまでの黒潮町よりも更に高くなって、結果的に伝えられている部分で見ると、数字が膨張されてしまったわけですけれども、大臣、従前からそこじゃないと言っていましたけれども、結局そういうふうになってしまうということになったわけですけれども、北海道の想定についての率直な印象と、それから今後、南海トラフと首都直下以外の地域では、そういった考えられる最大を想定しようという動きが更に出てくる可能性があると思うんですけど、そうすると、またその大きな数字、大きな範囲、体制が後回しということになる可能性もあると思うんですけれども、そういった機運についてはどのようにお考えでしょうか。

(答)ここはもう一度説明の仕方というのを私たちも工夫しなければいけないと思います。南海トラフや首都直下を説明した時も数字だけが一人歩きをして、それぞれの自治体、あるいは住民の皆さんにとっては混乱をしたところもありましたので、その意味するところというのを、これは専門家と相談をしなければいけませんが、しっかりと認識をしてもらって、その上でどういう対策を立てていくかということも併せて説明をしていくということが大事だと思うので、そういう体制をつくっていきたいと思います。南海トラフを実はそういう形で今進めているんです。
 今回の北海道もそうですし、それから富士山の噴火ということもそうだと思うのですが、それぞれの研究者が自分のフィールドで深掘りをして研究しているわけです。その結果をそういう形で発表したり、あるいは自治体、北海道の場合は自治体が独自にそういう可能性を専門家に委託をして調べたということ、その結果が出てきているんですが、そこについては少し整理をしないといけないと思います。日本海側もそんな議論が今出てきている。自治体で独自にもう一回検証し直すというような話も出てきている。現在、専門家の間では切迫した話というのは首都直下と南海トラフだということでその体制を現在とっているんですが、それでいいのかという、それだけでいいのかという思いが私もしておりまして、切迫という意味はどういう意味なのかということも含めて、専門家の中でしっかり整理をしてもらって、それで国としてトータルで見解をつくっていったらいいなというように思います。

(問)NHKの岡崎です。先程、大臣、小沢さんたちの言っていることも当たらないと思うという話がありましたけれども、小沢さんたち今、野党第二党という立場に、もし新党をつくればですね、なるわけですけれども、野田政権から見て、小沢さんたちの主張されていることというのは、どういうところが間違っているというふうに閣僚の立場としてはお思いになりますか。

(答)一つは、消費税に関連して言えば、野党の時代に、小沢さんも含めて議論した前提というのは、我々の任期中、次の選挙までに具体的に消費税を上げるというような政策はとらないけれども、しかし、このままでいけばいつかは消費税は国民に対して上げるということを説明していかざるを得ないという前提だったのですよね。それだけに、時期が、今法律を具体的に出して成立させていくという努力を野田政権はしているわけですけれども、いずれにしても、消費税自体を否定するということであってはならないと思うんですよ、小沢さん自身も。そういう意味で相入れないといいますか、これまで我々が議論してきたことと基本的に違うのではないかということ、これが一つですね。
 それから、あるいはまた原発もあるのかもしれないけれど、ちょっと主張がはっきりしていないと思います。マニフェスト自体も、100%実現しなければマニフェスト違反だというような主張に聞こえるのですが、そうではなくて、マニフェストの中で実現できたこと、そして芽出しができたこともあり、与野党の話合いの中でも具体的にいろいろな折衷点といいますか、落とし所というのが模索された中で今やっているわけです。その中で子ども手当、名前は変わりましたけれども、ああいう政策であるとか、あるいは高等学校の無償化の問題であるとか、あるいは農業の戸別補償の問題であるとかというのは、100%我々が野党時代に言っていた形では実現がされていないということは確かだと思うのですが、構造として変わった。この新しい少子化・高齢化という課題に対して、これまで先送りされていたところが構造的に変わって、そこを社会全体で安定させていこうという方向は確実に出ていると思っております。マニフェスト全体を我々が否定しているのだと、野田政権がマニフェストから完全に離れているというような批判があるとすれば、それも当たらないと思います。それは向こうも分かっていて、「ためにする批判」であるように思いまして、そういう意味では、一緒にやってきて何が基本かがよく分かってもらっていただくはずであるのに、そこのところをあえて矮小化して批判するというのは非常に残念だと思います。


(以上)
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