参議院 内閣委員会
平成24年6月14日(木)
○委員長(芝博一君) 次に、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、新型インフルエンザ対策等に関する件について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
新型インフルエンザ等対策特別措置法案についてでございますが、これも十分に審議は進んできて採決も終わったところではございますけれども、基本方針を作って責任体制、権限の明確化を図ると、こうした基本的な考え方には大賛成でございますけれども、しかしその立法の根拠になる根拠事実が曖昧だという、これは私は今もその疑念は消えておりません。
スペイン風邪並みの六十四万人が短期間で死亡するという想定の下にという想定自体が分かりませんし、それから生産体制完了するまでに九か月掛かってしまう、これでは流行が終わってしまうんじゃないかと。しかも、欧米ではやっていない国民全員一億二千万人に接種するという計画で、既に四事業者指定が終わって、お金も何百億円付いているという、こうしたことが本当に想像という土台の上に乗っての、法律が成立しても、これから政令を決めたりいろんな運用をやっていく中で、やはり疑念を消すことはできないということを申したいと思います。
平成二十一年の反省の上に立ってなんですが、このとき、新型インフルエンザだと、厚生労働省は専門家委員会で二回接種、七千七百万人のワクチンの確保を決定しました。しかし、弱毒性で、はやりもしなかった。頼んだワクチンは余ってしまって、非常にお金を無駄にしてしまったということがあります。これはなぜ間違ったんでしょうか。
○政府参考人(外山千也君) お答えします。
平成二十一年の新型インフルエンザ発生時のワクチンの接種回数につきましては、国際的な評価が定まっておらず、国内での臨床試験の結果を含め十分な根拠がそろうまで待つ必要があったことから、余剰が生ずる可能性も考慮の上で、当面二回接種を前提として十分な量のワクチンを確保することとしたところであります。
その後、健康成人二百人、中高生百一人、妊婦百三十一人を対象とする臨床試験を実施し、一回接種で良好な結果が得られることが確認された対象者につきましては、有識者との意見交換会での検討結果を踏まえまして、順次一回接種への変更を決定したところであります。
○山谷えり子君 七千七百万人のワクチンを確保しよう、二回接種だと。それは九月なんですよね。で、十月にはもう一回接種でいいと。今のサンプルの数聞いてもいいかげんでございまして、つまりそういうことなんですよ。この特別措置法の下に、実際に運用されるときにはまた平成二十一年の間違いを犯すんではないか。
これは誰の責任だったと、平成二十一年の場合考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(中川正春君) いわゆるパンデミックフルー、新型のインフルエンザに関連する法案、御了解をいただいて通していただいたということを本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
御指摘のように、これは運用していく段階では、やはり一つ一つ専門家の知見というのをしっかりとした形で固めて、それに基づいて運用していくということが何よりも大事なことだというふうに思っていまして、これから具体的な計画を作っていくわけでありますが、そこにそうした専門家の知見が反映できるような、そういう組織とそれから権限というものをはっきりさせて仕組みをつくっていきたいというふうに思っております。
その上で、二十一年、いわゆる三年前のインフルエンザ、H1N1だったわけですが、これについて時系列的に、どういうところで誰がどういう判断をしてきたかということをちょっと説明をさせていただきたいというふうに思います。
まず、出発は平成二十一年四月の二十八日にWHOがフェーズ4、これは今H5N1というのはフェーズ3、まだ3の段階なんですが、それがそのフェーズ4になるとそれぞれアラートという形で世界中がそれに準備を始めるわけですが、その4の宣言をしまして、それを受けて、政府の対策本部ではウイルス株を早急に入手をしてパンデミックワクチンの製造に取り組むということを基本的な対処方針として決定をしました。
続いて、五月一日に設置をされました、政府対策本部で、これもここで、専門家の諮問委員会においてこの判断について議論をしていただいて、この基本対処方針というものでやっていきなさいということでありましたので、その専門家の立場から確認されたということを基にしまして実行に移していったということであります。
さらに、WHOについても、各国におけるワクチン接種に向けたウイルス株の選定、配付を行ったこと、それから、同年七月末以降に厚生労働省において専門家で構成する新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会において検討を更にやっております。その上で、新型インフルエンザは国民のほとんどが免疫を持っていないということ、それから非常に大きな流行がそのために懸念をされるということを踏まえて、二十一年の十月に新型インフルエンザワクチン接種の基本方針というのを決めまして、政府対策本部においてワクチンの接種の実施をここから発動をしているということであります。
そうした意味で、判断そのものにはその当時の専門家が入った上での判断をしてきたということでありまして、結果としてそのワクチンは余って廃棄をしたということは事実なんでありますが、しかし、この時点の判断としてはそれで間違っていなかったということだというふうに私も解釈をしております。
○山谷えり子君 欧米などではやっていなかった水際対策をやったりとか、やっぱり余りにもばたばただったと思いますし、それから欧米での情報収集をやっぱり十分ではなかったというふうに思っております。採決は済みましたけれども、これからも折々フォローアップをしながら、想像上のことで暴走しないように、そしてまた利権とおかしな絡み方をしないように私どもチェックをしていきたいというふうに思います。
それから、日本のワクチン行政なんですけれども、少し前のめりではないかと思う点がございます。
先月五月二十三日、厚生労働省予防接種部会が子宮頸がんワクチン来年度より予防接種法に基づく公的予防接種に加えようという提言をいたしました。しかし、この子宮頸がんワクチンは、二年前同じ予防接種部会の資料として、免疫持続期間が明らかでないと、費用対効果、評価難しいと。がん対策室長も、その前に長期のデータがない、副作用の情報が不十分と言っております。それから、去年の九月も厚生労働省の審議会でドクターから、他の予防接種に比べて失神などの副作用報告が目立つというようなことでありまして、有効性、安全性、副作用、長期データ、まだ集まっておりません。私、メーカーにも三度ほど問い合わせましたけれども、フォローアップのデータはこれから集めていくというような状況です。
そんな中で、どうしてこの予防接種法の改正案を出されようとしていらっしゃるんですか。
○大臣政務官(藤田一枝君) ただいま先生から御懸念の点御指摘をいただきました。
現在のところは、このデータの安全性、有効性のデータということでございますけれども、グラクソ・スミスクライン社の子宮頸がん予防ワクチン、サーバリックスの有効性については、二十歳から二十五歳の女性千四十例を対象にした国内の臨床試験で、子宮頸がんの原因であるHPV16型と18型の六か月間の持続感染を一〇〇%予防することが確認をされておりまして、がんに移行する前段階の病変の発生予防効果というものが確認をされているところでございます。
また、十五歳から二十五歳の女性、これは四百三十七例を追跡した海外の臨床試験でございますけれども、平成二十三年三月時点で予防効果が最長九・四年間持続することが確認をされておりまして、更なる長期的な有効性について現在このグラクソ・スミスクライン社で製造販売後の調査を行っているところでございます。
また、副反応についてでございますけれども、接種後の注射部位の疼痛などのほかに、先ほど先生からお話もございましたが、全身性の症状として疲労、疼痛、発疹、発熱などがあり、また失神であるとか血管迷走神経反射やアナフィラキシー関連の症状というものがあるということも承知をしておりますけれども、ワクチン接種後の副反応情報に関する専門家の方々によります評価の結果では、現時点では因果関係が明らかな重篤な副反応というものは認められていないところでございます。
こうした評価、データの蓄積がないという御指摘でございますけれども、こうした評価であるとか、平成二十二年の十月の予防接種部会意見書を受けて、当面の対応として平成二十二年度より補正予算によって基金事業で実施をしてきた経緯がございまして、それを踏まえて、今般の第二次提言で子宮頸がん予防ワクチンについて二十五年度以降も円滑な接種を行えるようにする必要があると提言されたところでございますので、御理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
○山谷えり子君 子宮頸部の粘膜に抗体がにじみ出続けることによって予防が持続するというようなことが考えられているんですが、その子宮頸部の粘膜に抗体がにじみ出続ける長期のデータというのはないんですよね。それから、持続期間もやっと九年。今、十三歳でセクシャルデビューなんというとんでもない単語を使って打ち始めているわけです。九年しかまだ分からないと。そうした有効性、安全性、副作用、フォローアップデータ、まだないんですよ。
それから、サーバリックスは、ヒトパピローマウイルスという子宮頸がんに移行するウイルス、百種類ぐらいあるんですが、16型と18型に効くだけです。今度認めるガーダシル、6型、11型、16型、18型。ところが、日本人に多いのは52型、58型。おかしいじゃないですか、行政として。もう少し謙虚に、前のめりにならないで、今国会に予防接種法の改正を出すなんということは慎重にしていただきたいと思います。
続いて、文部科学省にお伺いします。
これは、集団的個別接種ということで便宜的に学校を会場にしているところが非常に多いんですね。子供たちはとても拒否しづらいということなんです。打たないと、もう十三歳セクシャルデビューなんといって打って、その後は性行為オーケーだとか、あるいは、親の懸念があってうちの子には打たせないという子供に対しては、あなたはもう性行為しているから、もう間に合わないから打たないんでしょうという、考えられないおかしないじめとか変なことが起きているんですよ。こういうことは把握していらっしゃいますか、今。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
現時点での学校を会場とした子宮頸がんワクチン接種の状況については把握していないところでありますけれども、ただ、先ほど御指摘いただいたようなその個別の状況というところも含めて、今後も、厚生労働省における定期接種化の検討状況も横に見ながらでありますけれども、既に基金によって行われている接種の実施状況等も厚生労働省から伺いながら、そこは連携をして必要な対応をしていきたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 栃木のある市では学校での集団接種率九五%というのも聞いていますので、全国でどのぐらい学校が会場に使われているのか、文科省、すぐに調査をしてほしいんです。そして、子供たち、あるいは保護者の間で、あるいは先生はどのように教えてこの接種を保護者に説明しているのか。そうしたデータは今はないわけでしょう、今の話では。ですよね。これからどんなふうに把握していこうと考えていらっしゃいますか。
○大臣政務官(城井崇君) いわゆるデータということでは、先ほどの把握していないところでありますけれども、これまでの知見ということだけで申し上げますと、いわゆる学校でワクチン接種を行って問題があったというふうな報告例、聞いた例というのは今のところないという状況ではあるんですが、ただ、先ほどからのいわゆる現実はどうかという議員からの御指摘等もありというところを踏まえますと、厚生労働省と連携しながら必要な対応は検討していきたいというところでございます。
以上でございます。
○山谷えり子君 私がこの質問をしているのは、いろんな国会議員からすごく問題が起きているという声をたくさん聞くからなんです。そして、私自身も聞いているからなんですね。
この子宮頸がんになるハイリスク要因、一番の原因は何でしょうか。文科省。
○政府参考人(外山千也君) 前回もお答えいたしましたけれども、最近の若年齢化の原因は、学者によれば、性行為年齢の若年化がその一つの要因であろうというふうなことも言われておりますし、さらには、先生今御議論されているように、ヒトパピローマウイルスという感染症も原因なことは明らかなわけでございますけれども、そういった要因が重なってこういった発生状況だというふうに理解しております。
○山谷えり子君 そうなんです。低年齢で性交渉をする、そして複数のパートナーがいる、これが一番の原因なんです。
そして、日本人には極めて限定的にしか効かないワクチンであるということと、長期のフォローアップデータがまだないというワクチンなんです。そのことを文科省は教育としてきちんと伝達すべきではないですか。いかがですか。
○大臣政務官(城井崇君) 子宮頸がんワクチンということも含めてになると思いますけれども、若い世代への性に関する指導については大変重要だというふうに考えております。
その上ででありますが、必要な部分は、一つは性に関しての正しい理解と、そして適切に行動を取れるようになることと。その二つ目の適切に行動を取れるようになることというところに今の御指摘は非常に当てはまっているというふうに思っております。その上ででありますが、発達段階を踏まえるということとともに、保護者の理解を得ることなどにも配慮することが重要だというふうに思っております。
いずれにいたしましても、今の御指摘を踏まえて、指導を適切に実施をされますように努めてまいりたいと思います。
○山谷えり子君 厚生労働省は、このワクチンの限界、検診もその後しましょうというような、そういう通知ではなくて、ワクチンそのものの限界性というものをきちんと広報で教えるべきではありませんか。
○政府参考人(外山千也君) このワクチンだけでなくて、予防接種法に基づく定期接種などでは、実施主体の市町村が予防接種の効果及び副反応、その他接種に関する注意事項等について十分周知を図ることとしております。また、接種前の予診の際にも有効性や安全性について保護者に説明を行い、同意を得た場合に限り接種を行うことにしております。
今回の子宮頸がん予防ワクチンの問題につきましても、その辺を十分に勘案して周知を図った上で、あるいは同意を得た上で接種すべしという形で実施要綱にも明記しているところでございます。
○山谷えり子君 九年ちょっと前ですか、「ラブ&ボディBOOK」という、ピルの製薬会社からお金を集めて厚生労働省の外郭団体が「ラブ&ボディBOOK」という小冊子を作ったんですね。中学三年生、全国の全員、百三十万人分印刷して配り始めていたんです。
そのとき私は、文科委員会で遠山敦子文科大臣に不適切じゃないかと。ピルは世界のみんなが使っているよ、女の子だけで避妊できるのが最大のメリットだと、面白おかしく漫画で、イラストですね、もうゲーム感覚。遠山大臣は、子供に対してこの表現は不適切だと。WHOでは飲まないようにと、十八歳以下はですね。そのピルをお勧めするように入手方法まで書いて、中学三年生の全国の全員に厚労省は配ろうとしたんですよ。厚生労働大臣は見て見ぬふりしましたよ、そのとき。
ですから、この子宮頸がんワクチンだって同じなんです。十三歳、セクシュアルデビューなんという漫画本を作って、今子供たちにもうばんばん漫画本は配るわ、インターネットでキティちゃんのマーク使ってやるんですよ。文科省は、子供の心と体、発達状況をもっときちんと厚労省に、おかしいじゃないか、そのやり方はということを私は発言すべきだと思いますよ。
遠山敦子大臣は私の質問に答えて、これ回収すべきだと言ったんですよ。ところが、厚労省は、これはうちが作ったものだから文科大臣には権限ないと言ったんですよ。それで、その本がいいと思うおかしな先生たちは学校の外の校門で配っていたんですよ。非常におかしなことが九年半前。そして、あの時代にコンドームのはめっこ教育とか、ひどい教育が物すごく行われたんです。そこで、子供たちはゲーム感覚で、もちろん出会い系サイトとか、ひどい情報のいろんなツールもありました。そこで、初交年齢がぐっと下がって、複数化、パートナーの複数化が起きたんです。そして、潜伏期間を経て、今十年後、二十代の子宮頸がんの急増になっているわけですね。そういう長い目で原因、結果をきちんと見ていただきたいと思います。
子供たちがどのような状況で今打っているのか、そして子宮頸がんワクチンの限界性、これを文科省は、厚労省の問題だからといって腰を引かないで、きちんと取り組んで一緒にやってほしいと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
子宮頸がんワクチンも含めて、今、予防接種上の定期接種化に向けた検討が厚労省において行われておると。その中で安全性の検証については厚労省ということかというふうに認識をしておりますけれども、今御指摘いただいた学校現場を取り囲む状況もしっかり見据えつつ、この検討状況を我々もしっかり見させていただきながら必要な対応を是非させていただきたいと、検討させていただきたいというふうに思っております。
○山谷えり子君 厚労省にはしっかりした情報収集と公表、そして文科省にはしっかりした子供の心と体を守るという点からの取組を期待したいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上をもって山谷えり子君の質問を終了いたします。
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○委員長(芝博一君) この際、小宮山国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小宮山国務大臣。
○国務大臣(小宮山洋子君) 少子化対策を担当いたします内閣府特命担当大臣として、一言挨拶をさせていただきます。
少子化対策については、平成二十二年に策定した子ども・子育てビジョンに基づき、安心して子供を産み、育て、さらに仕事と家庭を両立させることができる環境を整備していくため、バランスの取れた総合的な子育て支援策を推進していきます。
また、子ども・子育て支援に関する法案を三月末に国会に提出し、御審議いただいています。
こうした法案について皆様の御理解をいただきながら成立に向けて努力するとともに、安心して子供を産み、育てることのできる社会の実現に向けて全力で取り組んでいきます。
芝委員長を始め、理事、委員の皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
○委員長(芝博一君) 次に、中川国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川国務大臣。
○国務大臣(中川正春君) 遅参をいたしまして、大変御迷惑をお掛けをいたしました。おわびを申し上げます。
公務員制度改革担当大臣として、一言御挨拶を申し述べます。
公務員制度改革については、幹部人事の一元管理や退職管理の一層の適正化、労使交渉を通じて人事・給与制度の見直しに取り組むことのできる自律的労使関係制度の措置など、公務員制度の全般的かつ抜本的な改革を実現するための法案を国会に提出しているところであり、その成立に向け努力をしてまいります。
また、併せて担当することになった独立行政法人制度の抜本改革についても取り組んでまいります。
独立行政法人については、政策実施機能やガバナンスの強化などの制度改革を行うとともに、大胆な統廃合により法人数を四割弱削減するなど、抜本的な見直しを本年一月に閣議決定をいたしました。平成二十六年四月からの新制度への移行に向けて、関連法案を国会に提出したところであり、その成立に向け努力をしてまいります。
芝委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。
ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 次に、吉田内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。吉田内閣府副大臣。
○副大臣(吉田泉君) 内閣府副大臣を拝命しました吉田泉でございます。原発事故の収束及び再発防止を担当いたします。
細野大臣を支え、全力を尽くしてまいりたいと思いますので、芝委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(芝博一君) それでは、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広でございます。
それでは、限られた時間でありますので、簡潔な御答弁をお願いをしたいと思います。
まず、小宮山厚生大臣に、これは後ほど山谷委員が質問に立たれますので、私は基本的な考え方を伺いたいと思います。
総合こども園の創設についてでありますが、税と社会保障の一体改革の中の修正協議の中で撤回するということを容認すると考えを示されたとの報道がありますけれども、この総合こども園の創設を撤回した場合、今般の消費税の引上げにより確保するとしている予算はもちろん少子化対策に使われるのであろうというふうに考えておりますが、確認の意味で小宮山厚生大臣からこの考え方についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、三党で修正協議中でございますので、私から余り多くを申し上げない方がいいかとは思いますが、お尋ねにお答えをいたしますと、子育てをしっかり応援するために今より財源が必要だということは、今までの審議から各党共通した認識だというふうに思っています。政府としては、子ども・子育て支援のために、税制抜本改革によって得られる恒久的な財源から〇・七兆円を、そしてそのほかの財源の見直しも含めて、全体として一兆円超の財源を得たいと考えています。
それで、今、総合こども園の法案を撤回をするというふうに報道されていますが、これは自公政権時代につくられました認定こども園、特に幼保連携型の認定こども園が学校教育と保育を一体的に行う先駆的な取組をされていますので、それを更に改善強化をすることによりまして目指している方向を実現をするということで今修正協議が進んでいるかと思いますので、当初予定している形でこれに使わせていただきたいというふうに思っています。
○岡田広君 是非、少子化対策に予算を振り向けたことは私も大賛成でありますので、この子ども・子育て新システムに付けた予算というのは、認定こども園の拡充というお話がありましたけれども、それを始めとして待機児童の解消などのため、子供のための環境整備に是非使っていただきたいというふうに考えています。
今般の子ども・子育て新システムは、母親の就労のための施策といった印象が、私はそう感じるわけでありますけれども、大臣はもちろん違うんでありましょうけれども、親の子育て環境を充実させることは子供のためでもありますけれども、もっとやっぱり子供のために何が一番大事なのかという理念、まさに民主党の言うチルドレンファーストの理念が必要なのではないだろうかと私は思うわけであります。
無理して幼保一体化を進めるというのは霞が関の理論であり、チルドレンファーストではないんだと私は思っているんです。市場主義の考え方ではなくして、やっぱりこれは児童福祉の観点から考えていくと政策もおのずと開けていくんだろうと私は考えているんですけれども、幼児期の教育というのは人格形成の基礎を培うものでありますので、この幼児期の子供をいかに育てるかということを国家戦略として考えていかなければならないというふうに考えているんですが、小宮山大臣の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃったこと、そのとおりのことを私どもも考えています。これは決して親が働きやすいためにこういうことをするのではなくて、全ての子供たちがいかにいい環境の下で幼児期の学校教育と保育を受けられるかという子供の視点であくまでもつくっておりますので、そういう考え方は同じくしているというふうに考えます。
○岡田広君 是非子供の視点、特に申し上げました市場原理ではなくして児童福祉の観点ということでお考えをいただいて、この政策をこれから広げていただきたい、少子化対策に資していただきたいというふうに要望して、小宮山大臣には終わりたいと思います。
中川大臣、国家公務員制度改革についてでありますけれども、まず国家公務員への労働基本権の付与についてであります。
昨年四月に出されました「国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の「全体像」について」ということで、国民にこの考え方を説明されたとしていますが、まだまだ国民が理解したとは私は思えません。また、昨年の一月にも、意見募集で集まった意見、これも二百件程度でありました。特にしかも反対意見が多かったような私は認識をしていますが、国民の関心が高いとは現時点では私は考えられません。
国民の理解を進めるための努力が行われているのだろうか。また、理解の度合いを客観的に把握するために内閣府において国民の皆様方に世論調査等を実施すべきではないかと考えているんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中川正春君) この法案について、政府としては、基本法の第十二条の趣旨を踏まえまして、実は自公政権下において設置された労使関係制度検討委員会、ここでの議論、これがまず行われておりまして、それを参考にしながら、それに検討を重ねた上で、一つは、自律的労使関係制度構築の目的、制度の概要、便益、費用等を盛り込んだ自律的労使関係制度に関する改革素案、これを公表いたしまして、まずパブリックコメント、先ほど御指摘もありましたが、をしております。そして、法案に定める主な事項を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の全体像というものについて、これを国家公務員制度改革推進本部において決定をいたしまして公表をしてまいりました。
国民に開かれたプロセスを踏んだ上でこの法案を国会に提出を今回させていただいたわけですが、この国会を通じて今度は十分に御議論をいただいて、その中でコンセンサスを得ていくということ、これが大切だと思っております。
○岡田広君 今大臣から答弁がありましたけれども、これ国家公務員制度改革基本法の第十二条というお話がありました。これは、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するもの」と規定がされているわけでありますが、まだまだこの全体像が国民には提示されていないというふうに考えています。
十分議論をしてという大臣の答弁でありましたけれども、これは昨年の六月に提案をされているんだと承知をしておりますが、しかも国会が問責で停滞をしている六月一日、自民党抜きで何か本会議で趣旨説明、質疑があったという理解をしているんですけれども、本当に十分な議論をしてこれを成立する考え方があるのかどうか、ちょっと私は大変疑問であります。
これは、時間ありませんから、そういう考え方だけ申し上げておきたいというふうに思っています。
公務員庁についてお尋ねをします。
新たに設置される公務員庁、人事院と総務省の人事・恩給局の機能だけではなくして、総務省行政管理局の機能の大部分も取り込むことになっているということであります。さらに、内閣官房には内閣人事局を設置をする。自公政権時代に提案した国家公務員改正法案で設置しようとした内閣人事局は、肥大化していると、これは民主党側からそういう批判の声が随分上がったと承知をしておりますが、公務員庁は公務員制度には直接関係がない独立行政法人制度まで所管することとなっております。肥大化が私は大きいのではないかと、そういうふうに思うわけであります。
御党の原口元総務大臣もブログでそういう考え方を示されております。岡田副総理も最近の報道でも内閣府のスリム化を提言しているということでありますが、内閣府に設置する公務員庁を肥大化させるということ、これは内閣府のスリム化にも逆行するのではないかと私は思うのですが、大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) もう一度整理をさせていただきますと、まず、内閣人事局、これは幹部人事の一元化、一元管理を担うところとして設置をいたします。次に、公務員庁でありますが、これは自律的労使関係制度の措置に併せて人事・給与制度全般を所掌し、労使交渉を通じて人事・給与制度の総合的な改革を行うということを担わせていくということ、それから、行政機関の機構、定員に関する事務等を併せて担うということであります。そして三番目に、人事公正委員会の設置ということでありまして、これは人事行政の公正の確保を図るための第三者機関と、こういうことであります。
これを設定していく前提として、一つは、人事院やそれから官民人材交流センターの廃止、これをしていきます。それから、総務省においては、国家公務員制度の企画立案等に関する事務、行政機関の機構、定員等に関する事務を担わなくなっていきますので、ここで二局が廃止をされるということになります。
それから、具体的なポストの設置に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドの原則にのっとって効率的な組織づくりに努めていくということで、更にスリム化できる部分等々しっかり考えていきながら現実に移していきたいというふうに思っております。
○岡田広君 是非、答弁がありましたように、内閣のスリム化ということに関して最大限注視をしてこれを進めていただきたいというふうに思っています。
今、答弁の中にありましたように、幹部人事の一元管理とか、あるいは幹部候補育成課程の設置とか退職管理の適正化などについては、自民党も方向性としては一致できると私は考えております。
そういうことを考えると、先ほど申し上げました協約締結権の付与問題を切り離した上で国家公務員法案の修正に向けて合意をしていくという考え方については、大臣どうお考えでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) この点については、それぞれがいわゆるトータルなシステムとして機能するということが前提になっていくというふうに思っております。
特に、それぞれ具体的な基準というのを作っていく中で、交渉をしていきながらその中身をオープンにして国民の理解を得ていく。その中での合理化といいますか、そんな流れをつくっていくということからいきますと、やはり一体的に是非御議論いただいて、御賛同をいただきたいというふうに思っておる次第でございます。
○岡田広君 今回のこの国家公務員法改正案が成立しない場合、三月二十三日に決定をしました国家公務員の雇用と年金の接続に関する基本方針に基づく国家公務員の再任用制度の拡充のための法案提出が行えなくなる懸念があるのではないかと思うわけでありますけれども、この国家公務員制度改革関連法案のデッドラインについてはどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 退職共済年金の支給開始年齢の引上げに伴う国家公務員の雇用と年金の接続ということで御指摘がありました。
本年三月、全閣僚を構成員とする国家公務員制度改革推進本部及び行政改革実行本部の合同会合におきまして、希望者の再任用を任命権者に義務付けて雇用と年金の接続を図る旨の基本方針を決定をしておるということであります。現在、この基本方針に基づいて新たな再任用制度の詳細な制度設計の検討を進めておりまして、平成二十五年度、四月ということになりますが、以降の退職共済年金の支給開始年齢の引上げに伴い空白期間が生じることのないように、こういうことが起こらないように適切な時期に法制上の措置を講ずるということで今準備を進めております。
○岡田広君 この国家公務員制度改革基本法は、第五条で、政治任用できる職員として内閣官房に国家戦略スタッフを、各府省に大臣を補佐する政務スタッフをそれぞれ置くとしていました。
この国家戦略スタッフにつきましては、民主党が平成二十二年に出されました政治主導確立法案に設置が盛り込まれておりましたけれども、この法案は昨年政府が撤回をされています。
政治主導のために必要な国家戦略スタッフあるいは政務スタッフの設置についてはどのように定めていくのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案、政治主導確立法案と呼んでおりますが、これを提出していたところでありますが、その後、この法案は震災対応優先の観点から撤回をされました。しかし、引き続き政策決定における政治主導の確立を図るという方針には変わりがなく、そのための方策について政府として検討をしておるところでございます。
そういうことで、この努力を続けていきたいというふうに思っております。
○岡田広君 民主党のマニフェストでは、衆議院の選挙のときも参議院の選挙のときも同じでありましたが、国家公務員総人件費の二割を削減をするとしております。
今回行われました給与削減については、二十四年、二十五年度の間、二年間という時限立法で平均七・八%の給与削減の法律が成立をいたしました。しかし、これはあくまでも震災復興のための時限立法であり、削減額も年間約二千九百億円であると、こういうことでありましたけれども、人件費削減の方策として給与削減と並んで定数削減も打ち出していたわけであります。この定数削減のための一つの大きな柱は出先機関改革であったはずであります。
この出先機関改革の各論については様々な意見があり、慎重に進めていくということが大切であると考えていますけれども、国家公務員の約三十万人のうち約二十万人が出先機関に所属するということから考えますと、この改革がなくしては大幅な定数削減はできないということになるんではないかと、私はそう考えるわけでありますけれども、しかし、政府は十五日に提出する予定でありました出先機関改革の法案を、まあ党内の反対も多いんでしょうかね、提出を先送りしたということが報道されております。
これは国家公務員総人件費二割削減自体の先送りも意味することなのか。出先機関改革は国家公務員の働き方にも大きな影響を与えるものと考えられておるわけでありますけれども、これは中川大臣の所管でいいんでしょうか、中川大臣のまた考え方をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 実質的には私の所管ではないんですが、内閣の意思として、この地方支分部局の廃止あるいは地方への移管ということについては引き続き努力をしていく、そして実現をしていくということで変わりはございませんので、そのように御理解をいただきたいというふうに思います。
○岡田広君 これは岡田副総理が担当かと思っておりますが、是非お願いをしたいと思っています。
これ、四月に岡田副総理に質問をいたしました。多分、この平均七・八%、復興財源につきましては二年間ですから、三年間は、先は分かりません。御党の前原政調会長は、三年間、三年目からも続くんではないかということは報道されていますけれども、しかし分からない、そのときに政権が替わっている可能性もあるわけですから、しかし私は分からない。
だから、これは総人件費二割削減の中には入っていないという認識でありますから、しっかりとここを、総人件費の名を捨てて実を取るという考え方がありますが、子ども手当、児童手当に変わりました。このときに、岡田副総理に、名を捨てて実を取るということでこの総人件費二割削減が果たしてできるんだろうか、そういう質問をしましたら、残された期間で努力をするという答弁でありましたから、是非しっかり注視をしていきたいと思いますので、ここも、この出先機関の改革についても、岡田副総理、そして中川大臣も是非協力してお願いをしたいと思います。
そのことを要望をして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上で岡田広君の質疑を終了いたします。
次に、山谷えり子君。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
内閣委員会、本日、大臣の都合で三ラウンド目でございます。しかしながら、三ラウンド目が始まって民主党は二人しかいらっしゃいませんでした。過半数を超えたのは十五分後でございました。政権与党でございます。是非、謙虚に義務はきちんと果たしていただきたいと思います。
子ども・子育て新システム、総合こども園の考え方が撤回されたと。大変に結構なことだというふうに思っております。子育ての第一義的責任は、親、家庭にあります。しかし、この子ども・子育て新システム、子育てにシステムという名前を付けるネーミング自体私は無神経だというふうに思っておりますけれども、総合こども園の考え方というのは、育児の社会化をあおる、育児支援というよりもむしろ育児代行をしていって、家庭の教育力、保育力を下げていくものだというふうに思っております。
例えば、ゼロから二歳の保育園児ですね、二〇一〇年、二三%だったものを、二〇一七年には、あと五年後ですが、四四%って倍ぐらいに、ゼロ、一、二歳の子供たちの保育園、あと五年で倍ぐらいにしていくと。これはどういう積み上げ方で、この資料にですね、この数字を出されたんですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 山谷委員からの御質問でございますが、まず、政府の提出の法案でも父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識に立っていることを明記をしておりまして、子供は親、保護者が育むことが基本と考えているということは申し上げておきたいと思います。
その上で、今の三歳未満児の保育利用率ですけれども、二〇一七年度末の三歳未満児の保育利用率に関する四四%という目標値は、次世代育成支援対策推進法に基づいて市町村が二〇一〇年度からの後期行動計画を策定するために、母親の就労希望などの潜在的なニーズを含め把握をした保育所利用の目標値を足し上げたものです。この目標値はフランスの四八・七%などの保育利用率とほぼ同水準で、潜在的に保育が必要な子供に対しても対応できる目標値というふうに考えています。
○山谷えり子君 それは、保育所に入れたいかとか働きたいかという大ざっぱな質問なんですね。
人口問題基本調査では、三歳までに子育てに専念した方がいいという二十代、三十代、八割もいるんですよ。四十代から六十代は九割なんです。ゼロ、一、二歳は、できれば家庭で保育する方をむしろ支援する。例えば、再就職支援とか企業に支援していく、あるいは三世代同居、近居、優遇税制をつくるとか、育児休業、育児控除ですね、それからより多くの子供たちを持つ家庭にいろんな有利な政策をするとか、もっともっとほかにやることがあるのに、小宮山大臣たちがやろうとしていることは、ゼロ、一、二歳の保育園児をあと五年後に倍にしていこうという、それも積算根拠は極めてあやふやなものだということで、これが撤回されたというのは本当に良かったというふうに思います。
ゼロ歳児の保育というのは一か月幾らぐらい掛かっていると思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、もちろんゼロ歳児を自宅で両親などが見た方がいいということは、私もそのように思います。そういう意味では、育児休業を取りやすくするとか、本当に自宅でゼロ、一、二歳を見たいと思っていらっしゃる皆さんたちは、子供たちのためにも見られるように支援をしていく必要があると思っています。ただ、仕事の関係上などでどうしてもゼロ歳児を預けなければならない人のためには、その家庭に代わってしっかりと保育ができる場所を用意する必要があると考えています。
そして、お尋ねの件ですけれども、定員九十名の保育所でゼロ歳児を保育した場合、児童一人当たりの一か月の負担額を試算しますと合計額はおよそ十七・一万円で、その内訳は、国がおよそ六・九万円、都道府県がおよそ三・四万円、市町村がおよそ三・四万円、利用者がおよそ三・四万円の負担となっています。
○山谷えり子君 小宮山大臣は、子育ての第一義的責任は親、家庭にあるとおっしゃられたり、ゼロ歳児は家庭で育つのが望ましい、おっしゃることはおっしゃるんです。でも、実際、こういう数値目標を立てたり法律を見ますと、全くそれとは違うことを行おうとしているということを指摘させていただきたいと思います。
今、ゼロ歳児、一か月の赤ちゃんに幾ら掛かるか、十七万円とおっしゃられました。これは最も財政力がない自治体でございまして、実は十七万から五十数万円です。平均は三十万円ぐらいなはずですが、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 自治体によりまして上乗せをしているところなどもありますので、これは、私が申し上げたのは定員九十名の保育所という例を取って申し上げたところです。
○山谷えり子君 全国で最も低い数値をあえておっしゃられたんですよ。ゼロ歳児、一か月一人の赤ちゃんに十七万円から五十数万円掛かっている。それで赤ちゃん幸せですか。お母さん幸せですか。そのお金をもっと別の形で掛けた方がよろしいんじゃないですか。ゼロ、一、二歳、家庭で保育したいという二十代、三十代、八割、四十代から六十代、九割いるんですよ。国民のニーズって、思いというのはそういうことなんじゃないでしょうかね。
生殖適齢期というのはあると思われますか。安心して子供を産み育てることのできる社会というふうに今所信でお述べになられましたが、生殖適齢期、ありますでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり子供を産みやすい、そして生まれてきた子供にとっても最もふさわしい年齢帯というのはあるかというふうに思います。
○山谷えり子君 それは何歳だとお考えですか。
○政府参考人(石井淳子君) 特定の何歳というのはございませんけれども、やはり若い方が妊娠しやすく、また妊娠出産リスクが少ないというのがございまして、一般的には二十代というのがやはり妊娠しやすいと言われておりますし、三十五歳を過ぎますと、そういう意味では流産率が高まるとか、そういう危険も高まるというふうに調査結果などでは出ているというふうに承知いたしております。
○山谷えり子君 これは虎の門病院の産婦人科の十年前ぐらいのデータなんですが、年齢別自然流産率、二十五から二十九歳、一〇%、三十から三十四歳、一〇%、三十五から三十九になりますと倍になって二〇%、四十歳以上だと四〇%という、こういうデータを案外国民は知らないんですよ。
ですから、ある薬のメーカーさんが第一子を産みたいと思っている年齢幾つですかと聞いたら、約半数が三十五から四十と答えているんですね。それから、フィットネス用品の会社が千人の二十五から三十九の既婚の女性たちに、出産を望んでいるけれどもなぜしないんですかと聞いたら、妊娠しないからという、四九%なんです。これは、経済的な負担が重いからというのは二六%、つまり妊娠しないからというのが今トップになる。そんな時代の変化というのを恐らく小宮山大臣は全くキャッチしていらっしゃらないというふうに思います。
出産・生殖適齢期があるんだというキャンペーン、欧米始めております。タイムクロック・キャンペーン、バイオロジカル・キャンペーン、妊娠、出産、育児、どういう年齢でどうあるのが望ましいかという医学的、科学的、あるいは脳科学、いろんなデータをもっと発表すべきではないですか。小宮山大臣、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
結婚年齢の上昇ですとか、晩産化、また不妊治療を受ける人の年齢の上昇が進んだりする中で、安心して妊娠、出産できる環境整備、これを行うことはとても重要だと考えています。妊娠、出産に伴うリスクを軽減をするというためには、一つは妊娠に適する年齢や不妊に関する知識を取得をすることのほか、適切な栄養摂取、痩せ過ぎというようなことがなかなか子供を産みにくいということにもつながっています。また、風疹などの感染症予防など、妊娠前からの健康づくり、こうしたことも重要だということ。委員の御意見もありますし、産婦人科医などの専門家の協力も得ながら、そういうことの普及啓発を図っていくことは私も大切だと思っています。
○山谷えり子君 妊娠に適切な年齢があると、今答弁書をお読みになられたんですが、では生殖適齢期は幾つですかと聞いたら、小宮山大臣答えられなかったんですね。つまり、そういうことなんですよ、具体的な事実が見えていないんです。
私の質問いたしましたタイムクロック・キャンペーン、バイオロジカル・キャンペーン、厚生労働省としておやりになるおつもりございますか。
○政府参考人(石井淳子君) 先ほど来、山谷先生からの御指摘は誠にごもっともでございまして、こうした知識というのを広く知っていただく必要があると思っております。現在、産婦人科医などの専門家の御協力をいただいて普及啓発を図っていきたいと思っておりまして、当面でございますけれども、女子大生向けの資料を作成すべく準備を進めているところでございます。
○山谷えり子君 平成十七年に少子高齢社会に関する調査会でフランスやドイツを回りました。そのとき、フランスの政策担当者に、フランスがやや出生率が上がったと、いろんな理由はあるんだろうけれども何が大きいと思いますかと聞きましたら、若い時期での出産を促すそのキャンペーンを医師会と一緒にやったんだと言うんですね。
いろいろな国々でキャンペーンのやり方あります。例えば、バスの中にタイムクロックといって、そういう情報をポスターで張っているところもあるんですね。今、女子大生に一部どんな形で何万人に配るのか知りませんけれども、もっと積極的なキャンペーンの在り方、小宮山大臣はマスコミにいらしたんですから、工夫なさったらいかがでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(小宮山洋子君) 検討させていただきたいと思います。
○山谷えり子君 昨年の暮れに新聞の報道でこのような報道がございました。体外受精培養液に高濃度の化学物質、胎児への影響懸念、厚生労働省研究班調査。その研究班のドクターのコメントとして、生命発生の重要な時期にこのような培養液を使って大丈夫なのか、詳しく調べる必要があるという新聞報道でございました。
それから六か月たっております。調査はどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(平山佳伸君) お答えいたします。
御指摘の研究は、厚生労働科学研究の中で行われました化学物質の子供への影響に関する研究の一環でございます。この研究によりますれば、人工授精用の一部の培養液から母体血中濃度の十倍から百倍のフタル酸エステルが検出されたというものでございます。
一方、この研究班の中の別のグループでありますけれども、人のiPS細胞を用いまして、その培養液で検出された濃度と同じ濃度のフタル酸エステルを添加いたしまして人の細胞の活性度を測るという研究がなされておりまして、その研究におきましては遺伝子の活性への変化というのは観察されていないということで、人の細胞への直接の影響は見られていないという結果でございました。このため、同様の科学的な知見が出てくるのかどうか、あるいはその知見の集積や集積後の評価というのが重要であると考えております。
したがいまして、厚生労働省といたしましては、今後とも、知見を集積するために関連する研究を積極的に進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○山谷えり子君 そうしますと、不妊治療、今盛んですが、体外受精培養液に高濃度の化学物質、胎児への影響懸念、厚生労働省研究班調査、これはまだ結論が出ていないということでしょうけれども、いつごろ結論というのは出るんでしょうね。なかなか難しい話かもしれませんが、不安に思っていらっしゃる方多いと思います。
○政府参考人(平山佳伸君) これは、更に新たな研究を続けるということが必要でございますので、いつまでにというのは、なかなか期限をお示しすることはできませんけれども、例えばこの原因となっているものが、血清アルブミンというものを添加したときに一緒に入ってくるということが分かっておりますので、そういう血清アルブミンを添加することによって体外受精の成績がどうなったかとか、そういう研究をすれば影響がより分かってくるのではないかというふうに考えておりますので、そういうふうないろいろなアイデアを考えて研究を進めていきたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 本当に頼りない答弁で、本当に不安は拭うことができません。しっかりしていただきたいと思います。
それから、先ほどゼロ歳児の保育あるいは長時間の保育、スウェーデンやフィンランドでは、ゼロ歳児保育は望ましくないということで国策としてはやっておりません。あるいは長時間保育も望ましくないということで、デンマークやオランダは四時とか五時でございますね。日本のゼロ、一、二歳がこんなにも長時間保育であること、そしてまた、小宮山大臣は数を増やすことに何の抵抗もないという、これはどういうふうに考えていらっしゃるんですか、ゼロ歳児保育あるいは長時間保育に関しては。
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げたように、特にゼロ歳児とか小さい子供たちはやはり母親を始め家族が育てるということが望ましいということは先ほども申し上げたとおりです。
これは、やはり今の日本の働き方がそうなっていない面がありますので、ワーク・ライフ・バランスと言葉は随分前から言われていますけれども、なかなか働く実態が変わっていない中で、今政府としても、今年、間もなくまとめようとしている日本再生戦略の中にも、これは働きたいと思う女性をですけれども、ちゃんとそこを支援をしながら子育てとも両立をするようなワーク・ライフ・バランスを考えた働き方ができるように、これは私どもも本省や各労働局の雇用均等室などから企業の方へ出向きまして、そこはしっかりとワーク・ライフ・バランス、またいろいろ、ポジティブアクションなどで、しっかり仕事をしながら子育てもできる、その仕事と生活のバランスがちゃんと取れるようにという、働き方の方へのアプローチも積極的にしていきたいと考えていますので、その辺が相まって、子供にとっても、そして親にとってもいい生き方ができるようにしていきたいというふうに考えています。
○山谷えり子君 ワーク・ライフ・バランスとかポジティブアクションとか、聞いていらっしゃる方はよく分からないと思います。
仕事、キャリア上、どうしても辞められない方はいらっしゃると思います。それから、どんなに節約しても生活できないから働かざるを得ないとかいう方はいらっしゃると思います。しかし、今、子育て大変だから、保育園に預けてお小遣い稼いだ方が楽だからという方たちも増えているということも、また残念ながら事実なんじゃないでしょうかね。きめ細かく私は現実をフォローした方がいいと思いますよ。民主党政権は生活保護のばらまきで、どんどんどんどん増えているじゃないですか。
現実を見て、きちんと、まず家庭保育が大事であるということ、そして一か月にゼロ歳児の赤ちゃんに十七万円から五十数万円、平均で三十万円もゼロ歳児の赤ちゃんに掛けている、これでいいんですかと。子供は幸せですか、家庭は幸せですか、そういう家庭が二十年後、三十年後どのようになっていきますか、社会は安定しますか、そういう視点からきっちりと考えていただきたいと思います。
終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、山谷えり子君の質疑を終了いたします。
次に、浜田昌良君。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
本日は、それぞれ少子化担当大臣、また公務員制度改革担当大臣から所信をお聞きしまして、それに対する質疑でございますが、まず小宮山大臣にお聞きしたいと思います。
民主党政権になりまして、少子化担当大臣が九人目と言われているんですよね、三年弱で。一人当たりが大体四か月弱と。これじゃなかなか十分な対策が打てませんよね。そういう意味では、やはりちょっとこれは反省していただきたいと思っています。
ただ、一つ小宮山大臣に期待しておりますのは、今回、厚生労働大臣で兼任されるというのは初めてなんですね。これは非常に重要なことでございまして、特に少子化対策で厚生労働行政との関係が深いものが多うございます。それを充実させながらやっていただきたいと。特に、所信でもありますように、仕事と家庭の両立させると、これが大きな課題でございます。いわゆる育児休業という問題で、これについても我々も与党時代にも取り組んでまいりました。
その中で、子の看護休暇ってあるんですね。これは何かというと、小学校就学前のお子さんをお持ちの方については、一人当たり五日ですね、二人以上の場合は十日間休みが取れると。これについては結構、女性だけでなくて男性の取得率が高いんですよ。調べていただくと、平成十七年時点でも二・五%、平成二十年時点で二・八%。育児休業の方はなかなか男性、最近増えてきましたけれども、その時点ではそれぞれ〇・五%と一・二三%ですから、割と急に子供さんが熱を出して何とかしたい、奥さんも働いているときにぱっとその日に口頭でも休暇が取れるという制度なんですが、ただ、これが小学校就学前までなんですよ。
これを少し、もうちょっと年数を子供が小学校卒業ぐらいまでも延ばしてくれないかという御要望は結構ありまして、これについてそういう検討を是非お願いしたいと思うんですが、小宮山少子化担当大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 少子化担当大臣がくるくると替わって本当に申し訳ないと思っておりますが、私もずっと子育て支援は携わってまいりましたので、しっかり務めさせていただきたいというふうに思っています。
子の看護休暇の件ですけれども、今おっしゃいましたように、現在の子の看護休暇では対象となる子供が小学校就学する前までの子供にしています。その理由というのは、小学校に入ってから後の子と比較をいたしますと、病気やけがをした際に自分一人で十分に対応することが困難であるとか、労働者が看護のために休暇を取得するケースが多い、そうしたことからここにしてあります。
平成二十一年の育児・介護休業法改正によりまして、小学校就学前の子が二人以上である労働者については子の看護休暇の取得日数の上限を五日から年十日に拡充をしていますし、また、小学校就学の後も看護休暇の対象とする企業の好事例を広めたり紹介したりというようなこともしておりますというところまでが答弁書にございますが、私は、諸外国の例なども見ましても、やはり子の看護休暇というのはもっと北欧の国などではたくさん取れるようになっていますし、中には小学校のPTAなどにもその休暇を、親休暇を使っていける国などもありますので、検討させていただきたいと思います。
○浜田昌良君 ありがとうございます。
特に男性が結構取得していますので、なかなか年休というのはやっぱり急に取るといっても取れないこともありますし、時季変更権を雇主が持っている場合がありますから、そういう意味では、これは非常に有り難い権利でありますので、検討いただくという御答弁いただきました。ありがとうございます。
もう一点は、今ありました子供が急に熱を出す、子の医療の安心という問題でありまして、これについては我が国の保険制度上は小学校の就学前までが自己負担が二割となっていまして、それ以降は三割となっていると。
ただ、これについては自治体の方で結構いろんな補助制度がございまして、調べていただきますと、四十七都道府県のうち三県、群馬県、東京都、鳥取県は十五歳の年度末までが通院まで補助があると。ところが、ほとんどは小学校就学前までがなっていると。私の地元の神奈川県だと小学校就学前までなんですが、また市町村でいろんな制度もありまして、厚木市や海老名市は中学卒業まで無償なんですけれども、横浜市や川崎市は小学校就学前と。結構お母様方で、また保護者さんで何だか不公平感があるんですね。
その原因として、やっぱり保険制度全般としてもう少し、小学校就学前までじゃなくて、卒業前まで少し二割負担にしていただくとか、そういうことの一歩一歩が進めていただけるとこの自治体の方でのアンバランスも解消できるんじゃないかと思うんですが、これについては、とはいっても財源が要る話ですから、調べていただきました。そうしますと、小学校就学前までを小学校卒業前まで二割負担にすると約八百億円と言われていますね、これ。患者負担分が四百億円で、逆にこれで医療費が増えるかもしれないという効果も見ていただいて、それを合わせて八百億円。中学まですると、二割負担だと更に四百億円で合計千二百億円。さらに、高校卒業まですると、更に三百億円で千五百億円という大きなお金かもしれません。
ただ、一方で、これは七十歳から七十四歳までのいわゆる二割負担を一割にするという、これも補助をしていまして、これの金額約二千億円なんですよ。それに比べれば少ない金額ではあるんですが、非常に、今後こういうものについて自治体間のアンバランス感といいますか、やっぱりお母様方、お父様方の安心を得るためにこういうものの検討も是非進めていただきたいんですが、小宮山大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) これはちょっと財源を伴うもので、なかなか私がこうしますというふうには申し上げられないところなんですが、平成二十年度から小学校入学前の子供まで三割から二割に軽減する措置の対象年齢を広げているわけですね。それで、更に軽減するためには、やはり医療提供体制の確保や保育など、ほかの子ども・子育て関連の施策との均衡を勘案する必要がある。また、医療保険制度の給付割合の引上げによりまして自己負担を軽減する場合は、公費負担のほかに保険者負担も増加をするため現役世代の保険料負担が増加するなど、いろいろな課題があるかというふうに思います。未熟児ですとか子供の難病といった特に手厚い援護が必要な児童に対しましては、その医療費の公費助成を実施をしているということはもう御承知のとおりだと思います。
おっしゃるように、七十から七十四歳の自己負担二割から一割に戻すということは来年度予算の中でやりたいと思っていますので、また全体の、もちろん財務省との財源の話というのが大事なんですけれども、厚労省のその予算の中でもそうしたことも含めてまた考えたいとは思いますが、ここはなかなかすぐにはいと言うわけにはいかないという部分があるのは御理解をいただければと思います。
○浜田昌良君 財源のある話ですから難しい話ですが、消費税の議論も進めておりますし、その中で、やはりそういう負担される方々、お父様、お母様方のいわゆる政策の納得感という話もありますので、幅広く御検討いただきたいと思います。
済みません、中川大臣、時間なくなりまして。
先ほども岡田委員から質問ございましたこの公務員制度改革の問題が大きな問題だと思っています。これについては、先ほどもありましたように、公務員制度改革基本法十二条の、先ほど大臣も答弁で引用されました。これについては、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に示すと。便益、費用というのは、やっぱり定量概念なんですよ、定性じゃなくて。具体的にどういうことを定量的に示されたのか。また、その理解の下に進めると。どれぐらい国民が理解しているのかと、まだ我々もしていないと思うんですよね。
その理解を進めるために、是非、時間がないのでまとめて答弁いただきたいんですが、中川大臣は独法も担当されると。一部独法は公務員から外れて、この協約締結権を持ち出すところもあるんですよ。じゃ、そこが本当に、例えば今回給料が下がると、勝手に自律的な給与の下げ方で下がったのかと。下がっていないと思いますよ。
そういうことを是非、本当に協約締結権が付与されたらこういうふうになっていますよということが御説明できるのであれば、最後、済みません、余り時間ありませんが、御答弁いただいて、私、質問終わりたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 十二条のお話ですが、ここで定量的に明らかにしなさいという、そういう想定の中で決められた条文でもないというふうに理解をしておりまして、具体的には、これまで全体像、いわゆる国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の全体像というのをお示しをしているんですが、その中でこの便益と費用というのを定性的に説明をしています。
一つは使命感、交渉していく過程の中で使命感あるいは使用者としての責任感、これが出てきて、かつその過程というのがオープンになりますから、国民にとって何が話し合われているかということが確実に理解ができる、またオープンにしなさいという、そういう条項が入っておりますので、そのところに一つの便益としての効果があるということ。それから、確かに費用については、お互いが納得、話し合ってすぐ納得できればいいけれども、それが幾重にも時間が掛かっていく、あるいはまた交渉回数だとか、あるいはその中でまた中労委等々含めた仲裁も入ってくるという、当初はそういう可能性があるということも前提なんだろうと思うんです。
しかし、民間でもそうですが、その中で熟してくれば、確実にそこのところはコンセンサスが生まれて話合いが進んでいく、あるいは、さっきの話で、責任感というものの中で国家というものが対象になった話合いができてくるというふうなことが想定されるというふうに思っております。
そういう意味で、定性的に評価をお示しをしたということであります。
○浜田昌良君 終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、浜田昌良君の質疑を終了いたします。
次に、江口克彦君。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
まず、中川大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
先ほどお読みいただきましたけれども、公務員に労使交渉を導入する公務員改革法案ということでございますけれども、これは実際に機能するかが重要だというふうに思います。
営利企業であれば、企業の業績の良しあしでおのずと従業員の給与の増減を判断できるわけでありますけれども、公務員の給与の適正水準というのは何によって判断することになるのでしょうか。その点について教えていただければと思います。
○国務大臣(中川正春君) この法案の前提としているのは、一つは公務員庁を設置をしていくということですが、これは、公務員庁は人事院の今の機能というのを公務員庁の中に取り込んでいくということなんですね。それで、民間の給与の実態の調査、それから、それを把握してその結果を公表をしていくということ、これをベースに交渉に入っていくということ、これが一つございます。だから、労働組合との交渉主体というのがこの公務員庁になるわけです。その事前の、もう一回言いますと、その事前に調査をしていくことというのは、民間の給与の実態、これを調査して把握をして、その辺を参考にしながら、この公務員のベースと、それから総体的に国民に理解がしていただけるような基準ですね、そんなものを作っていって、それをベースに交渉を進めていく、またそのベースを国民に対して公表をするというプロセスがまず入っております。
それからもう一つは、この給与等の政府全体で統一的に定める勤務条件、これについては、団体協約の内容を反映させた法令で定めるということになっていますね。法令で定めるということは国会にかかわってくるわけです。国会の中でそれを更にチェックをしていきながら、いわゆる民主的統制の下で決定をされていくということ。
この二つのプロセスによってガバナンスが働いてくるというふうに思っております。
○江口克彦君 国会でということも分かりますけれども、その前に、民間の企業の実態とか、あるいはまた国民に理解してもらう、極めて抽象的ですよね。民間の企業ってどこのどの辺りの企業を言うのかどうかというところがあると思いますけれども、その辺りは明確にやはりされるということが必要であるし、そして、それがまた国民の理解を得るということにもなるのではないだろうかというふうに思いますので、漠然と民間の企業の実態とかあるいはまた国民の理解を得るということではなくて、明確にやはり何らかの基準というか物差しというか、そういうものを是非お考えいただく、その方がよろしいのではないだろうかというふうに申し上げたいと思います。
時間がほとんどまた我々にはありませんから、小宮山大臣と是非お話をしたいと思いますので、小宮山大臣に、非常に初歩的なことで誠に申し訳ないんですけど、総合こども園というものをどうしてお考えになったのか。総合こども園というのは、どういうところでいいという、どういう面がいいというふうにお考えになってこども園ということをマニフェストに載せ、そして提案されたのか。その辺について、簡単にかつ明確にお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げましたように、子供たちにとって、就学前にとにかく親の働き方にかかわらず幼児期に必要な質の良い学校教育、保育を全ての子供に受けられるような、そういう仕組みが必要だというふうに考えまして、それからもう一つはまた、今、幼稚園は三割空きがありますけれども、保育所は都市部を中心に待機児さんがいると。その待機児解消ということと、それからもう一つ併せて、これは総合こども園だけではありませんけど、今回の仕組みの中で家庭の養育支援と、その三つのことを目的にしています。
総合こども園は、やはり今、認定こども園というのがそのような形で先駆的に行われて、これは自公政権のときにつくられてやっていますけれども、二重行政とそれから財政支援がないということが広がらないもとになっていると当事者もおっしゃっているので、そういう意味で新たな仕組みが必要だと思って総合こども園を提出をさせていただいています。
○江口克彦君 今大臣がおっしゃったこと、一つ一つごもっともだなというふうに思うんですね。
しかし、その総合こども園を政府・与党は撤回しようというような報道もなされているわけですね。そういうふうにメリットを、こういうところがある、こういういいところがあるし、こういうことを考えたんだというような、そういう総合こども園案をどうしていとも簡単に撤回されようとしているんですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) それは今三党で協議が行われておりますので私が余りこの場で申し上げるのはふさわしくないとは思うんですが、今までの百時間を超える衆議院の特別委員会の審議の中でも、自公の皆様を中心に、今の認定こども園の幼保連携型が先駆的取組だろうと、こちらの法改正でやって何がいけないのだという御主張もございまして、これはねじれ国会の中で多くの党の会派のまた賛成をいただかないと成立をいたしませんので、子供の状況も待ったなしでございますから、それは総合こども園という今の法形式を取り下げたといたしましても、認定こども園、今のままというのではなくて、その課題になっていたことを解消をして更にバージョンアップをする、より良くするということでは総合こども園と狙いは近づいてまいりますので、そういう意味ではそういう現実的な選択を今協議の中でしているというふうに承知をしています。
○江口克彦君 いろいろと大臣はおっしゃいますけれども、いずれにしても総合こども園というのを、構想を、考え方を撤回されるということはもう報道、マスコミ各紙が報じているわけで、説明を小宮山大臣されればされるほど何か言い訳に聞こえるというのは私だけでございましょうか。
しかし、私には、消費税増税を通すためにやむなくいろんな譲歩を自公さんとやって、修正協議をやって、そしてせっかく小宮山大臣が、これとこれとこれとこれと総合こども園はいいところがあるんだというのを、これ、消費税増税のためにそういう認定こども園に擦り寄るというか、近づくというか、そういうことであるとするならば、それはどうも本当の子供のための発想ではないように思うんですよね。
そうすると、一回、もう全てこの法案を撤回して、改めて実効性ある案を盛り込んだ法案を出された方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。この質問で終わらせていただきます。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今までの各党の審議の中でも、子供にもっと財政支援をしなければいけないということや、先ほど申し上げた就学前の子供たちに質の良い学校教育、保育が必要だということは、各党一致した意見だと思います。
そういう中で、ですから、今取り下げてとおっしゃいましたけれども、総合こども園というその法形式は取り下げたとしても、その目的を達成するためにどうしたらよいかということを協議をしていますので、良い結論が出ることを期待したいと思います。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上、江口克彦君の質疑を終了いたします。
次に、糸数慶子君。
○糸数慶子君 本日の最後の質問になりましたが、小宮山大臣にまずお伺いしたいと思います。
六月五日、厚生労働省が平成二十三年度人口動態統計を公表いたしました。これによりますと、第一子の出産時の母親の平均年齢が初めて三十歳を超し、また合計特殊出生率は前年と同じ一・三九でありました。これらの数字からいたしますと、やはり引き続き深刻な少子化の状態が続いていることが明らかになっています。政府は様々な少子化対策を講じていますが、少子化の流れは加速していく一方であります。
そこで、このような我が国の深刻な少子化の現状を大臣はどのように認識し、またどのように少子化対策に取り組んでいかれるのか、改めまして決意をお伺いいたします。
○国務大臣(小宮山洋子君) 少子化が進んでいる要因はいろいろあると思いますが、若い人たちが結婚そして出産の希望がかなわないということ、それは何としても政策的にしっかりと対応したいと思っています。
そうした状況が進んでいる背景としては、若者が雇用など将来の生活への不安を持っているということ、核家族化や地域のつながりが薄くなって家庭の養育力が低下をしているということ、また子育て中の孤立感、負担感が大きい、家庭生活との両立が困難な職場の在り方ですとか、結婚や家族に関する意識の変化などいろいろあるかと思います。
政府としましては、子ども・子育てビジョンに基づいて、今御説明をしている子ども・子育て関連三法案を提出をしているということ。また、若者の自立した生活、就労に向けた支援として、ジョブサポーターなどによる支援を行っているということ。また、男性も女性も仕事と生活が調和するワーク・ライフ・バランスの取れた社会の実現。このためには、パパ・ママ育休プラス、こうしたことの導入など、改正案の育児・介護休業法の周知徹底にも努めていますので、引き続きバランスの良い政策で、持ちたい人が子供を持てることで少子化ではなくなることに努めていきたいというふうに思っています。
○糸数慶子君 先ほどから何度も出ておりますけれども、改めてお伺いしたいと思います。通告に関しては四問提出をしたんですけれども、重なるのはちょっと割愛をしたいと思います。
政府が提出いたしました子ども・子育て新システム関連法案については、現在衆議院において審議されており、それと並行して、今、与野党の修正協議も行われているところでありますが、小宮山大臣は総合こども園及び指定制度について譲歩するとの報道もございますが、今現在、大臣は総合こども園の創設及び指定制度の導入についてどのように考えていらっしゃいますか。これ、恐らく与野党で対立しているその問題、例えば児童福祉法第二十四条の改正もあるわけですが、大臣としてこれだけは譲れないというその項目があるのでしたら、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 政府提出法案の総合こども園法案を、認定こども園を改良する形に近づけるということの意味合いは先ほどお話をしたところです。
指定制の導入につきましては、質の確保のための客観的な基準を満たした施設、事業を指定をして、そこへ財政支援をすることによって、保育の需要がある地域で機動的に質の確保された保育の量的拡充を図って待機児童の解消を実現したいと思いまして、これを提案をしています。今までの認可よりも幅広い指定で多くの多様な形のところに財政支援をしたいと考えていますが、ここも今議論になっているところだと思います。
また、二十四条の改正につきましては、現在設けられている待機の状況を勘案した例外規定、これを小規模保育など機動的な保育の制度化に伴って削除し、むしろ市町村の責任を強化することにしているところです。
この指定制につきましては、例えば認可を広げるとかほかのやり方もあるかと思っています。
この二十四条のところも今御議論をいただいているところですので、子供たちにとってより良い仕組みになるように、良い結果が得られればと思っています。
○糸数慶子君 待機児童の解消には保育の需要を正確に把握することが重要でありますが、しかし、新たな待機児童対策を打ち出すと、今まで専業主婦だったお母さんたちが働きに出ることになり、新たな保育の需要が掘り起こされて待機児童が増えるというケースがあるわけですが、また、ある市町村が待機児童対策を打ち出すと、その周辺に住んでいて保育所を探している保護者がその市町村に集まってきて、また待機児童が増加するというケースもあるわけですが、こういった潜在的なものも含めると保育の需要を正確に把握するのは非常に難しいと思われますが、どのように対処していらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在の制度は、保育に欠ける判定と保育所への入所の可否、この決定を同時に行う仕組みなんですね。
保育に欠ける要件を変えるべきだということはもうずっと以前から議論をされているところです。今のこの現状でいきますと、待機児童が多い中では、入所の申込みを諦めるとか、保育に欠けるか否かの判定を市町村が裁量で行ってしまって、確実な数が把握できずに量的なものが満たされないというような状況があるというふうに考えます。
これに対しまして、今回の子ども・子育てに関する制度改革では、入所判定から独立した手続として、市町村は申請があった保護者に対して客観的な基準に基づいて保育の必要性の認定を行うことにしています。これによって、その潜在的な需要を含めて地域の保育需要を正確に把握することが可能になりまして、こども園や地域型保育事業といった保育の供給量との比較から正確な待機児童数を把握することが可能になります。
こうして把握を正確にされた保育需要の見込みに基づいて、市町村が五年ごとに子ども・子育て支援事業計画を策定をして、計画的な保育の基盤整備を行うことができると考えています。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
時間も限られておりますが、最後に中川大臣にお伺いいたします。
今月の一日に衆議院の本会議におきまして、国家公務員に対して協約締結権を付与することなどを内容といたしました国家公務員制度改革関連法案が審議入りされましたが、今回の法案は国家公務員制度改革基本法に基づくものでありますが、基本法第十二条において、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。」と規定されております。
したがって、政府は、本法案を提出するためには、国民の理解を得られるため通常より手厚い努力が必要とされるわけですが、パブリックコメントを実施し、全体像についての資料を公表したと説明されているようです。それだけで本当に十分とお考えでしょうか。
また、今後、国民の疑問、不安を解消するためには、例えばQアンドAや分かりやすい説明冊子の公表、説明会の実施などの取組を行うことが検討されているのか、大臣の所見をお伺いいたしまして、質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) まず、この問題は自公政権下からずっと議論をされてきておりまして、労使関係制度検討委員会においてもそこの中の議論をまずベースにしているということ。それから、さっきお話のあったパブリックコメントで皆さんに意見を募ったということ。それからもう一つは、全体像という形で、便益とそれから費用といいますか、それに掛かるものを説明する形で公表をしてきました。
その上で、この今、国会で議論を是非お願いをしたいと、こういうことを言っておるわけでございますが、ここで是非様々にまた御議論いただいて、それが報道されていく過程で国民がまた改めて議論をしていただくということになっていくと思います。そんなことを前提にしながら国民の理解を得ていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○糸数慶子君 終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、糸数慶子君の質疑を終了いたします。
これをもちまして、本日の調査はこの程度にとどめます。
両大臣には御苦労さまでございました。
質疑のある方は順次御発言を願います。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
新型インフルエンザ等対策特別措置法案についてでございますが、これも十分に審議は進んできて採決も終わったところではございますけれども、基本方針を作って責任体制、権限の明確化を図ると、こうした基本的な考え方には大賛成でございますけれども、しかしその立法の根拠になる根拠事実が曖昧だという、これは私は今もその疑念は消えておりません。
スペイン風邪並みの六十四万人が短期間で死亡するという想定の下にという想定自体が分かりませんし、それから生産体制完了するまでに九か月掛かってしまう、これでは流行が終わってしまうんじゃないかと。しかも、欧米ではやっていない国民全員一億二千万人に接種するという計画で、既に四事業者指定が終わって、お金も何百億円付いているという、こうしたことが本当に想像という土台の上に乗っての、法律が成立しても、これから政令を決めたりいろんな運用をやっていく中で、やはり疑念を消すことはできないということを申したいと思います。
平成二十一年の反省の上に立ってなんですが、このとき、新型インフルエンザだと、厚生労働省は専門家委員会で二回接種、七千七百万人のワクチンの確保を決定しました。しかし、弱毒性で、はやりもしなかった。頼んだワクチンは余ってしまって、非常にお金を無駄にしてしまったということがあります。これはなぜ間違ったんでしょうか。
○政府参考人(外山千也君) お答えします。
平成二十一年の新型インフルエンザ発生時のワクチンの接種回数につきましては、国際的な評価が定まっておらず、国内での臨床試験の結果を含め十分な根拠がそろうまで待つ必要があったことから、余剰が生ずる可能性も考慮の上で、当面二回接種を前提として十分な量のワクチンを確保することとしたところであります。
その後、健康成人二百人、中高生百一人、妊婦百三十一人を対象とする臨床試験を実施し、一回接種で良好な結果が得られることが確認された対象者につきましては、有識者との意見交換会での検討結果を踏まえまして、順次一回接種への変更を決定したところであります。
○山谷えり子君 七千七百万人のワクチンを確保しよう、二回接種だと。それは九月なんですよね。で、十月にはもう一回接種でいいと。今のサンプルの数聞いてもいいかげんでございまして、つまりそういうことなんですよ。この特別措置法の下に、実際に運用されるときにはまた平成二十一年の間違いを犯すんではないか。
これは誰の責任だったと、平成二十一年の場合考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(中川正春君) いわゆるパンデミックフルー、新型のインフルエンザに関連する法案、御了解をいただいて通していただいたということを本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。
御指摘のように、これは運用していく段階では、やはり一つ一つ専門家の知見というのをしっかりとした形で固めて、それに基づいて運用していくということが何よりも大事なことだというふうに思っていまして、これから具体的な計画を作っていくわけでありますが、そこにそうした専門家の知見が反映できるような、そういう組織とそれから権限というものをはっきりさせて仕組みをつくっていきたいというふうに思っております。
その上で、二十一年、いわゆる三年前のインフルエンザ、H1N1だったわけですが、これについて時系列的に、どういうところで誰がどういう判断をしてきたかということをちょっと説明をさせていただきたいというふうに思います。
まず、出発は平成二十一年四月の二十八日にWHOがフェーズ4、これは今H5N1というのはフェーズ3、まだ3の段階なんですが、それがそのフェーズ4になるとそれぞれアラートという形で世界中がそれに準備を始めるわけですが、その4の宣言をしまして、それを受けて、政府の対策本部ではウイルス株を早急に入手をしてパンデミックワクチンの製造に取り組むということを基本的な対処方針として決定をしました。
続いて、五月一日に設置をされました、政府対策本部で、これもここで、専門家の諮問委員会においてこの判断について議論をしていただいて、この基本対処方針というものでやっていきなさいということでありましたので、その専門家の立場から確認されたということを基にしまして実行に移していったということであります。
さらに、WHOについても、各国におけるワクチン接種に向けたウイルス株の選定、配付を行ったこと、それから、同年七月末以降に厚生労働省において専門家で構成する新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会において検討を更にやっております。その上で、新型インフルエンザは国民のほとんどが免疫を持っていないということ、それから非常に大きな流行がそのために懸念をされるということを踏まえて、二十一年の十月に新型インフルエンザワクチン接種の基本方針というのを決めまして、政府対策本部においてワクチンの接種の実施をここから発動をしているということであります。
そうした意味で、判断そのものにはその当時の専門家が入った上での判断をしてきたということでありまして、結果としてそのワクチンは余って廃棄をしたということは事実なんでありますが、しかし、この時点の判断としてはそれで間違っていなかったということだというふうに私も解釈をしております。
○山谷えり子君 欧米などではやっていなかった水際対策をやったりとか、やっぱり余りにもばたばただったと思いますし、それから欧米での情報収集をやっぱり十分ではなかったというふうに思っております。採決は済みましたけれども、これからも折々フォローアップをしながら、想像上のことで暴走しないように、そしてまた利権とおかしな絡み方をしないように私どもチェックをしていきたいというふうに思います。
それから、日本のワクチン行政なんですけれども、少し前のめりではないかと思う点がございます。
先月五月二十三日、厚生労働省予防接種部会が子宮頸がんワクチン来年度より予防接種法に基づく公的予防接種に加えようという提言をいたしました。しかし、この子宮頸がんワクチンは、二年前同じ予防接種部会の資料として、免疫持続期間が明らかでないと、費用対効果、評価難しいと。がん対策室長も、その前に長期のデータがない、副作用の情報が不十分と言っております。それから、去年の九月も厚生労働省の審議会でドクターから、他の予防接種に比べて失神などの副作用報告が目立つというようなことでありまして、有効性、安全性、副作用、長期データ、まだ集まっておりません。私、メーカーにも三度ほど問い合わせましたけれども、フォローアップのデータはこれから集めていくというような状況です。
そんな中で、どうしてこの予防接種法の改正案を出されようとしていらっしゃるんですか。
○大臣政務官(藤田一枝君) ただいま先生から御懸念の点御指摘をいただきました。
現在のところは、このデータの安全性、有効性のデータということでございますけれども、グラクソ・スミスクライン社の子宮頸がん予防ワクチン、サーバリックスの有効性については、二十歳から二十五歳の女性千四十例を対象にした国内の臨床試験で、子宮頸がんの原因であるHPV16型と18型の六か月間の持続感染を一〇〇%予防することが確認をされておりまして、がんに移行する前段階の病変の発生予防効果というものが確認をされているところでございます。
また、十五歳から二十五歳の女性、これは四百三十七例を追跡した海外の臨床試験でございますけれども、平成二十三年三月時点で予防効果が最長九・四年間持続することが確認をされておりまして、更なる長期的な有効性について現在このグラクソ・スミスクライン社で製造販売後の調査を行っているところでございます。
また、副反応についてでございますけれども、接種後の注射部位の疼痛などのほかに、先ほど先生からお話もございましたが、全身性の症状として疲労、疼痛、発疹、発熱などがあり、また失神であるとか血管迷走神経反射やアナフィラキシー関連の症状というものがあるということも承知をしておりますけれども、ワクチン接種後の副反応情報に関する専門家の方々によります評価の結果では、現時点では因果関係が明らかな重篤な副反応というものは認められていないところでございます。
こうした評価、データの蓄積がないという御指摘でございますけれども、こうした評価であるとか、平成二十二年の十月の予防接種部会意見書を受けて、当面の対応として平成二十二年度より補正予算によって基金事業で実施をしてきた経緯がございまして、それを踏まえて、今般の第二次提言で子宮頸がん予防ワクチンについて二十五年度以降も円滑な接種を行えるようにする必要があると提言されたところでございますので、御理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
○山谷えり子君 子宮頸部の粘膜に抗体がにじみ出続けることによって予防が持続するというようなことが考えられているんですが、その子宮頸部の粘膜に抗体がにじみ出続ける長期のデータというのはないんですよね。それから、持続期間もやっと九年。今、十三歳でセクシャルデビューなんというとんでもない単語を使って打ち始めているわけです。九年しかまだ分からないと。そうした有効性、安全性、副作用、フォローアップデータ、まだないんですよ。
それから、サーバリックスは、ヒトパピローマウイルスという子宮頸がんに移行するウイルス、百種類ぐらいあるんですが、16型と18型に効くだけです。今度認めるガーダシル、6型、11型、16型、18型。ところが、日本人に多いのは52型、58型。おかしいじゃないですか、行政として。もう少し謙虚に、前のめりにならないで、今国会に予防接種法の改正を出すなんということは慎重にしていただきたいと思います。
続いて、文部科学省にお伺いします。
これは、集団的個別接種ということで便宜的に学校を会場にしているところが非常に多いんですね。子供たちはとても拒否しづらいということなんです。打たないと、もう十三歳セクシャルデビューなんといって打って、その後は性行為オーケーだとか、あるいは、親の懸念があってうちの子には打たせないという子供に対しては、あなたはもう性行為しているから、もう間に合わないから打たないんでしょうという、考えられないおかしないじめとか変なことが起きているんですよ。こういうことは把握していらっしゃいますか、今。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
現時点での学校を会場とした子宮頸がんワクチン接種の状況については把握していないところでありますけれども、ただ、先ほど御指摘いただいたようなその個別の状況というところも含めて、今後も、厚生労働省における定期接種化の検討状況も横に見ながらでありますけれども、既に基金によって行われている接種の実施状況等も厚生労働省から伺いながら、そこは連携をして必要な対応をしていきたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 栃木のある市では学校での集団接種率九五%というのも聞いていますので、全国でどのぐらい学校が会場に使われているのか、文科省、すぐに調査をしてほしいんです。そして、子供たち、あるいは保護者の間で、あるいは先生はどのように教えてこの接種を保護者に説明しているのか。そうしたデータは今はないわけでしょう、今の話では。ですよね。これからどんなふうに把握していこうと考えていらっしゃいますか。
○大臣政務官(城井崇君) いわゆるデータということでは、先ほどの把握していないところでありますけれども、これまでの知見ということだけで申し上げますと、いわゆる学校でワクチン接種を行って問題があったというふうな報告例、聞いた例というのは今のところないという状況ではあるんですが、ただ、先ほどからのいわゆる現実はどうかという議員からの御指摘等もありというところを踏まえますと、厚生労働省と連携しながら必要な対応は検討していきたいというところでございます。
以上でございます。
○山谷えり子君 私がこの質問をしているのは、いろんな国会議員からすごく問題が起きているという声をたくさん聞くからなんです。そして、私自身も聞いているからなんですね。
この子宮頸がんになるハイリスク要因、一番の原因は何でしょうか。文科省。
○政府参考人(外山千也君) 前回もお答えいたしましたけれども、最近の若年齢化の原因は、学者によれば、性行為年齢の若年化がその一つの要因であろうというふうなことも言われておりますし、さらには、先生今御議論されているように、ヒトパピローマウイルスという感染症も原因なことは明らかなわけでございますけれども、そういった要因が重なってこういった発生状況だというふうに理解しております。
○山谷えり子君 そうなんです。低年齢で性交渉をする、そして複数のパートナーがいる、これが一番の原因なんです。
そして、日本人には極めて限定的にしか効かないワクチンであるということと、長期のフォローアップデータがまだないというワクチンなんです。そのことを文科省は教育としてきちんと伝達すべきではないですか。いかがですか。
○大臣政務官(城井崇君) 子宮頸がんワクチンということも含めてになると思いますけれども、若い世代への性に関する指導については大変重要だというふうに考えております。
その上ででありますが、必要な部分は、一つは性に関しての正しい理解と、そして適切に行動を取れるようになることと。その二つ目の適切に行動を取れるようになることというところに今の御指摘は非常に当てはまっているというふうに思っております。その上ででありますが、発達段階を踏まえるということとともに、保護者の理解を得ることなどにも配慮することが重要だというふうに思っております。
いずれにいたしましても、今の御指摘を踏まえて、指導を適切に実施をされますように努めてまいりたいと思います。
○山谷えり子君 厚生労働省は、このワクチンの限界、検診もその後しましょうというような、そういう通知ではなくて、ワクチンそのものの限界性というものをきちんと広報で教えるべきではありませんか。
○政府参考人(外山千也君) このワクチンだけでなくて、予防接種法に基づく定期接種などでは、実施主体の市町村が予防接種の効果及び副反応、その他接種に関する注意事項等について十分周知を図ることとしております。また、接種前の予診の際にも有効性や安全性について保護者に説明を行い、同意を得た場合に限り接種を行うことにしております。
今回の子宮頸がん予防ワクチンの問題につきましても、その辺を十分に勘案して周知を図った上で、あるいは同意を得た上で接種すべしという形で実施要綱にも明記しているところでございます。
○山谷えり子君 九年ちょっと前ですか、「ラブ&ボディBOOK」という、ピルの製薬会社からお金を集めて厚生労働省の外郭団体が「ラブ&ボディBOOK」という小冊子を作ったんですね。中学三年生、全国の全員、百三十万人分印刷して配り始めていたんです。
そのとき私は、文科委員会で遠山敦子文科大臣に不適切じゃないかと。ピルは世界のみんなが使っているよ、女の子だけで避妊できるのが最大のメリットだと、面白おかしく漫画で、イラストですね、もうゲーム感覚。遠山大臣は、子供に対してこの表現は不適切だと。WHOでは飲まないようにと、十八歳以下はですね。そのピルをお勧めするように入手方法まで書いて、中学三年生の全国の全員に厚労省は配ろうとしたんですよ。厚生労働大臣は見て見ぬふりしましたよ、そのとき。
ですから、この子宮頸がんワクチンだって同じなんです。十三歳、セクシュアルデビューなんという漫画本を作って、今子供たちにもうばんばん漫画本は配るわ、インターネットでキティちゃんのマーク使ってやるんですよ。文科省は、子供の心と体、発達状況をもっときちんと厚労省に、おかしいじゃないか、そのやり方はということを私は発言すべきだと思いますよ。
遠山敦子大臣は私の質問に答えて、これ回収すべきだと言ったんですよ。ところが、厚労省は、これはうちが作ったものだから文科大臣には権限ないと言ったんですよ。それで、その本がいいと思うおかしな先生たちは学校の外の校門で配っていたんですよ。非常におかしなことが九年半前。そして、あの時代にコンドームのはめっこ教育とか、ひどい教育が物すごく行われたんです。そこで、子供たちはゲーム感覚で、もちろん出会い系サイトとか、ひどい情報のいろんなツールもありました。そこで、初交年齢がぐっと下がって、複数化、パートナーの複数化が起きたんです。そして、潜伏期間を経て、今十年後、二十代の子宮頸がんの急増になっているわけですね。そういう長い目で原因、結果をきちんと見ていただきたいと思います。
子供たちがどのような状況で今打っているのか、そして子宮頸がんワクチンの限界性、これを文科省は、厚労省の問題だからといって腰を引かないで、きちんと取り組んで一緒にやってほしいと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
子宮頸がんワクチンも含めて、今、予防接種上の定期接種化に向けた検討が厚労省において行われておると。その中で安全性の検証については厚労省ということかというふうに認識をしておりますけれども、今御指摘いただいた学校現場を取り囲む状況もしっかり見据えつつ、この検討状況を我々もしっかり見させていただきながら必要な対応を是非させていただきたいと、検討させていただきたいというふうに思っております。
○山谷えり子君 厚労省にはしっかりした情報収集と公表、そして文科省にはしっかりした子供の心と体を守るという点からの取組を期待したいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上をもって山谷えり子君の質問を終了いたします。
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○委員長(芝博一君) この際、小宮山国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小宮山国務大臣。
○国務大臣(小宮山洋子君) 少子化対策を担当いたします内閣府特命担当大臣として、一言挨拶をさせていただきます。
少子化対策については、平成二十二年に策定した子ども・子育てビジョンに基づき、安心して子供を産み、育て、さらに仕事と家庭を両立させることができる環境を整備していくため、バランスの取れた総合的な子育て支援策を推進していきます。
また、子ども・子育て支援に関する法案を三月末に国会に提出し、御審議いただいています。
こうした法案について皆様の御理解をいただきながら成立に向けて努力するとともに、安心して子供を産み、育てることのできる社会の実現に向けて全力で取り組んでいきます。
芝委員長を始め、理事、委員の皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
○委員長(芝博一君) 次に、中川国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川国務大臣。
○国務大臣(中川正春君) 遅参をいたしまして、大変御迷惑をお掛けをいたしました。おわびを申し上げます。
公務員制度改革担当大臣として、一言御挨拶を申し述べます。
公務員制度改革については、幹部人事の一元管理や退職管理の一層の適正化、労使交渉を通じて人事・給与制度の見直しに取り組むことのできる自律的労使関係制度の措置など、公務員制度の全般的かつ抜本的な改革を実現するための法案を国会に提出しているところであり、その成立に向け努力をしてまいります。
また、併せて担当することになった独立行政法人制度の抜本改革についても取り組んでまいります。
独立行政法人については、政策実施機能やガバナンスの強化などの制度改革を行うとともに、大胆な統廃合により法人数を四割弱削減するなど、抜本的な見直しを本年一月に閣議決定をいたしました。平成二十六年四月からの新制度への移行に向けて、関連法案を国会に提出したところであり、その成立に向け努力をしてまいります。
芝委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。
ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 次に、吉田内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。吉田内閣府副大臣。
○副大臣(吉田泉君) 内閣府副大臣を拝命しました吉田泉でございます。原発事故の収束及び再発防止を担当いたします。
細野大臣を支え、全力を尽くしてまいりたいと思いますので、芝委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(芝博一君) それでは、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。
○岡田広君 自由民主党の岡田広でございます。
それでは、限られた時間でありますので、簡潔な御答弁をお願いをしたいと思います。
まず、小宮山厚生大臣に、これは後ほど山谷委員が質問に立たれますので、私は基本的な考え方を伺いたいと思います。
総合こども園の創設についてでありますが、税と社会保障の一体改革の中の修正協議の中で撤回するということを容認すると考えを示されたとの報道がありますけれども、この総合こども園の創設を撤回した場合、今般の消費税の引上げにより確保するとしている予算はもちろん少子化対策に使われるのであろうというふうに考えておりますが、確認の意味で小宮山厚生大臣からこの考え方についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、三党で修正協議中でございますので、私から余り多くを申し上げない方がいいかとは思いますが、お尋ねにお答えをいたしますと、子育てをしっかり応援するために今より財源が必要だということは、今までの審議から各党共通した認識だというふうに思っています。政府としては、子ども・子育て支援のために、税制抜本改革によって得られる恒久的な財源から〇・七兆円を、そしてそのほかの財源の見直しも含めて、全体として一兆円超の財源を得たいと考えています。
それで、今、総合こども園の法案を撤回をするというふうに報道されていますが、これは自公政権時代につくられました認定こども園、特に幼保連携型の認定こども園が学校教育と保育を一体的に行う先駆的な取組をされていますので、それを更に改善強化をすることによりまして目指している方向を実現をするということで今修正協議が進んでいるかと思いますので、当初予定している形でこれに使わせていただきたいというふうに思っています。
○岡田広君 是非、少子化対策に予算を振り向けたことは私も大賛成でありますので、この子ども・子育て新システムに付けた予算というのは、認定こども園の拡充というお話がありましたけれども、それを始めとして待機児童の解消などのため、子供のための環境整備に是非使っていただきたいというふうに考えています。
今般の子ども・子育て新システムは、母親の就労のための施策といった印象が、私はそう感じるわけでありますけれども、大臣はもちろん違うんでありましょうけれども、親の子育て環境を充実させることは子供のためでもありますけれども、もっとやっぱり子供のために何が一番大事なのかという理念、まさに民主党の言うチルドレンファーストの理念が必要なのではないだろうかと私は思うわけであります。
無理して幼保一体化を進めるというのは霞が関の理論であり、チルドレンファーストではないんだと私は思っているんです。市場主義の考え方ではなくして、やっぱりこれは児童福祉の観点から考えていくと政策もおのずと開けていくんだろうと私は考えているんですけれども、幼児期の教育というのは人格形成の基礎を培うものでありますので、この幼児期の子供をいかに育てるかということを国家戦略として考えていかなければならないというふうに考えているんですが、小宮山大臣の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃったこと、そのとおりのことを私どもも考えています。これは決して親が働きやすいためにこういうことをするのではなくて、全ての子供たちがいかにいい環境の下で幼児期の学校教育と保育を受けられるかという子供の視点であくまでもつくっておりますので、そういう考え方は同じくしているというふうに考えます。
○岡田広君 是非子供の視点、特に申し上げました市場原理ではなくして児童福祉の観点ということでお考えをいただいて、この政策をこれから広げていただきたい、少子化対策に資していただきたいというふうに要望して、小宮山大臣には終わりたいと思います。
中川大臣、国家公務員制度改革についてでありますけれども、まず国家公務員への労働基本権の付与についてであります。
昨年四月に出されました「国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の「全体像」について」ということで、国民にこの考え方を説明されたとしていますが、まだまだ国民が理解したとは私は思えません。また、昨年の一月にも、意見募集で集まった意見、これも二百件程度でありました。特にしかも反対意見が多かったような私は認識をしていますが、国民の関心が高いとは現時点では私は考えられません。
国民の理解を進めるための努力が行われているのだろうか。また、理解の度合いを客観的に把握するために内閣府において国民の皆様方に世論調査等を実施すべきではないかと考えているんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(中川正春君) この法案について、政府としては、基本法の第十二条の趣旨を踏まえまして、実は自公政権下において設置された労使関係制度検討委員会、ここでの議論、これがまず行われておりまして、それを参考にしながら、それに検討を重ねた上で、一つは、自律的労使関係制度構築の目的、制度の概要、便益、費用等を盛り込んだ自律的労使関係制度に関する改革素案、これを公表いたしまして、まずパブリックコメント、先ほど御指摘もありましたが、をしております。そして、法案に定める主な事項を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の全体像というものについて、これを国家公務員制度改革推進本部において決定をいたしまして公表をしてまいりました。
国民に開かれたプロセスを踏んだ上でこの法案を国会に提出を今回させていただいたわけですが、この国会を通じて今度は十分に御議論をいただいて、その中でコンセンサスを得ていくということ、これが大切だと思っております。
○岡田広君 今大臣から答弁がありましたけれども、これ国家公務員制度改革基本法の第十二条というお話がありました。これは、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するもの」と規定がされているわけでありますが、まだまだこの全体像が国民には提示されていないというふうに考えています。
十分議論をしてという大臣の答弁でありましたけれども、これは昨年の六月に提案をされているんだと承知をしておりますが、しかも国会が問責で停滞をしている六月一日、自民党抜きで何か本会議で趣旨説明、質疑があったという理解をしているんですけれども、本当に十分な議論をしてこれを成立する考え方があるのかどうか、ちょっと私は大変疑問であります。
これは、時間ありませんから、そういう考え方だけ申し上げておきたいというふうに思っています。
公務員庁についてお尋ねをします。
新たに設置される公務員庁、人事院と総務省の人事・恩給局の機能だけではなくして、総務省行政管理局の機能の大部分も取り込むことになっているということであります。さらに、内閣官房には内閣人事局を設置をする。自公政権時代に提案した国家公務員改正法案で設置しようとした内閣人事局は、肥大化していると、これは民主党側からそういう批判の声が随分上がったと承知をしておりますが、公務員庁は公務員制度には直接関係がない独立行政法人制度まで所管することとなっております。肥大化が私は大きいのではないかと、そういうふうに思うわけであります。
御党の原口元総務大臣もブログでそういう考え方を示されております。岡田副総理も最近の報道でも内閣府のスリム化を提言しているということでありますが、内閣府に設置する公務員庁を肥大化させるということ、これは内閣府のスリム化にも逆行するのではないかと私は思うのですが、大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) もう一度整理をさせていただきますと、まず、内閣人事局、これは幹部人事の一元化、一元管理を担うところとして設置をいたします。次に、公務員庁でありますが、これは自律的労使関係制度の措置に併せて人事・給与制度全般を所掌し、労使交渉を通じて人事・給与制度の総合的な改革を行うということを担わせていくということ、それから、行政機関の機構、定員に関する事務等を併せて担うということであります。そして三番目に、人事公正委員会の設置ということでありまして、これは人事行政の公正の確保を図るための第三者機関と、こういうことであります。
これを設定していく前提として、一つは、人事院やそれから官民人材交流センターの廃止、これをしていきます。それから、総務省においては、国家公務員制度の企画立案等に関する事務、行政機関の機構、定員等に関する事務を担わなくなっていきますので、ここで二局が廃止をされるということになります。
それから、具体的なポストの設置に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドの原則にのっとって効率的な組織づくりに努めていくということで、更にスリム化できる部分等々しっかり考えていきながら現実に移していきたいというふうに思っております。
○岡田広君 是非、答弁がありましたように、内閣のスリム化ということに関して最大限注視をしてこれを進めていただきたいというふうに思っています。
今、答弁の中にありましたように、幹部人事の一元管理とか、あるいは幹部候補育成課程の設置とか退職管理の適正化などについては、自民党も方向性としては一致できると私は考えております。
そういうことを考えると、先ほど申し上げました協約締結権の付与問題を切り離した上で国家公務員法案の修正に向けて合意をしていくという考え方については、大臣どうお考えでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) この点については、それぞれがいわゆるトータルなシステムとして機能するということが前提になっていくというふうに思っております。
特に、それぞれ具体的な基準というのを作っていく中で、交渉をしていきながらその中身をオープンにして国民の理解を得ていく。その中での合理化といいますか、そんな流れをつくっていくということからいきますと、やはり一体的に是非御議論いただいて、御賛同をいただきたいというふうに思っておる次第でございます。
○岡田広君 今回のこの国家公務員法改正案が成立しない場合、三月二十三日に決定をしました国家公務員の雇用と年金の接続に関する基本方針に基づく国家公務員の再任用制度の拡充のための法案提出が行えなくなる懸念があるのではないかと思うわけでありますけれども、この国家公務員制度改革関連法案のデッドラインについてはどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 退職共済年金の支給開始年齢の引上げに伴う国家公務員の雇用と年金の接続ということで御指摘がありました。
本年三月、全閣僚を構成員とする国家公務員制度改革推進本部及び行政改革実行本部の合同会合におきまして、希望者の再任用を任命権者に義務付けて雇用と年金の接続を図る旨の基本方針を決定をしておるということであります。現在、この基本方針に基づいて新たな再任用制度の詳細な制度設計の検討を進めておりまして、平成二十五年度、四月ということになりますが、以降の退職共済年金の支給開始年齢の引上げに伴い空白期間が生じることのないように、こういうことが起こらないように適切な時期に法制上の措置を講ずるということで今準備を進めております。
○岡田広君 この国家公務員制度改革基本法は、第五条で、政治任用できる職員として内閣官房に国家戦略スタッフを、各府省に大臣を補佐する政務スタッフをそれぞれ置くとしていました。
この国家戦略スタッフにつきましては、民主党が平成二十二年に出されました政治主導確立法案に設置が盛り込まれておりましたけれども、この法案は昨年政府が撤回をされています。
政治主導のために必要な国家戦略スタッフあるいは政務スタッフの設置についてはどのように定めていくのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案、政治主導確立法案と呼んでおりますが、これを提出していたところでありますが、その後、この法案は震災対応優先の観点から撤回をされました。しかし、引き続き政策決定における政治主導の確立を図るという方針には変わりがなく、そのための方策について政府として検討をしておるところでございます。
そういうことで、この努力を続けていきたいというふうに思っております。
○岡田広君 民主党のマニフェストでは、衆議院の選挙のときも参議院の選挙のときも同じでありましたが、国家公務員総人件費の二割を削減をするとしております。
今回行われました給与削減については、二十四年、二十五年度の間、二年間という時限立法で平均七・八%の給与削減の法律が成立をいたしました。しかし、これはあくまでも震災復興のための時限立法であり、削減額も年間約二千九百億円であると、こういうことでありましたけれども、人件費削減の方策として給与削減と並んで定数削減も打ち出していたわけであります。この定数削減のための一つの大きな柱は出先機関改革であったはずであります。
この出先機関改革の各論については様々な意見があり、慎重に進めていくということが大切であると考えていますけれども、国家公務員の約三十万人のうち約二十万人が出先機関に所属するということから考えますと、この改革がなくしては大幅な定数削減はできないということになるんではないかと、私はそう考えるわけでありますけれども、しかし、政府は十五日に提出する予定でありました出先機関改革の法案を、まあ党内の反対も多いんでしょうかね、提出を先送りしたということが報道されております。
これは国家公務員総人件費二割削減自体の先送りも意味することなのか。出先機関改革は国家公務員の働き方にも大きな影響を与えるものと考えられておるわけでありますけれども、これは中川大臣の所管でいいんでしょうか、中川大臣のまた考え方をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 実質的には私の所管ではないんですが、内閣の意思として、この地方支分部局の廃止あるいは地方への移管ということについては引き続き努力をしていく、そして実現をしていくということで変わりはございませんので、そのように御理解をいただきたいというふうに思います。
○岡田広君 これは岡田副総理が担当かと思っておりますが、是非お願いをしたいと思っています。
これ、四月に岡田副総理に質問をいたしました。多分、この平均七・八%、復興財源につきましては二年間ですから、三年間は、先は分かりません。御党の前原政調会長は、三年間、三年目からも続くんではないかということは報道されていますけれども、しかし分からない、そのときに政権が替わっている可能性もあるわけですから、しかし私は分からない。
だから、これは総人件費二割削減の中には入っていないという認識でありますから、しっかりとここを、総人件費の名を捨てて実を取るという考え方がありますが、子ども手当、児童手当に変わりました。このときに、岡田副総理に、名を捨てて実を取るということでこの総人件費二割削減が果たしてできるんだろうか、そういう質問をしましたら、残された期間で努力をするという答弁でありましたから、是非しっかり注視をしていきたいと思いますので、ここも、この出先機関の改革についても、岡田副総理、そして中川大臣も是非協力してお願いをしたいと思います。
そのことを要望をして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上で岡田広君の質疑を終了いたします。
次に、山谷えり子君。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
内閣委員会、本日、大臣の都合で三ラウンド目でございます。しかしながら、三ラウンド目が始まって民主党は二人しかいらっしゃいませんでした。過半数を超えたのは十五分後でございました。政権与党でございます。是非、謙虚に義務はきちんと果たしていただきたいと思います。
子ども・子育て新システム、総合こども園の考え方が撤回されたと。大変に結構なことだというふうに思っております。子育ての第一義的責任は、親、家庭にあります。しかし、この子ども・子育て新システム、子育てにシステムという名前を付けるネーミング自体私は無神経だというふうに思っておりますけれども、総合こども園の考え方というのは、育児の社会化をあおる、育児支援というよりもむしろ育児代行をしていって、家庭の教育力、保育力を下げていくものだというふうに思っております。
例えば、ゼロから二歳の保育園児ですね、二〇一〇年、二三%だったものを、二〇一七年には、あと五年後ですが、四四%って倍ぐらいに、ゼロ、一、二歳の子供たちの保育園、あと五年で倍ぐらいにしていくと。これはどういう積み上げ方で、この資料にですね、この数字を出されたんですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 山谷委員からの御質問でございますが、まず、政府の提出の法案でも父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識に立っていることを明記をしておりまして、子供は親、保護者が育むことが基本と考えているということは申し上げておきたいと思います。
その上で、今の三歳未満児の保育利用率ですけれども、二〇一七年度末の三歳未満児の保育利用率に関する四四%という目標値は、次世代育成支援対策推進法に基づいて市町村が二〇一〇年度からの後期行動計画を策定するために、母親の就労希望などの潜在的なニーズを含め把握をした保育所利用の目標値を足し上げたものです。この目標値はフランスの四八・七%などの保育利用率とほぼ同水準で、潜在的に保育が必要な子供に対しても対応できる目標値というふうに考えています。
○山谷えり子君 それは、保育所に入れたいかとか働きたいかという大ざっぱな質問なんですね。
人口問題基本調査では、三歳までに子育てに専念した方がいいという二十代、三十代、八割もいるんですよ。四十代から六十代は九割なんです。ゼロ、一、二歳は、できれば家庭で保育する方をむしろ支援する。例えば、再就職支援とか企業に支援していく、あるいは三世代同居、近居、優遇税制をつくるとか、育児休業、育児控除ですね、それからより多くの子供たちを持つ家庭にいろんな有利な政策をするとか、もっともっとほかにやることがあるのに、小宮山大臣たちがやろうとしていることは、ゼロ、一、二歳の保育園児をあと五年後に倍にしていこうという、それも積算根拠は極めてあやふやなものだということで、これが撤回されたというのは本当に良かったというふうに思います。
ゼロ歳児の保育というのは一か月幾らぐらい掛かっていると思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、もちろんゼロ歳児を自宅で両親などが見た方がいいということは、私もそのように思います。そういう意味では、育児休業を取りやすくするとか、本当に自宅でゼロ、一、二歳を見たいと思っていらっしゃる皆さんたちは、子供たちのためにも見られるように支援をしていく必要があると思っています。ただ、仕事の関係上などでどうしてもゼロ歳児を預けなければならない人のためには、その家庭に代わってしっかりと保育ができる場所を用意する必要があると考えています。
そして、お尋ねの件ですけれども、定員九十名の保育所でゼロ歳児を保育した場合、児童一人当たりの一か月の負担額を試算しますと合計額はおよそ十七・一万円で、その内訳は、国がおよそ六・九万円、都道府県がおよそ三・四万円、市町村がおよそ三・四万円、利用者がおよそ三・四万円の負担となっています。
○山谷えり子君 小宮山大臣は、子育ての第一義的責任は親、家庭にあるとおっしゃられたり、ゼロ歳児は家庭で育つのが望ましい、おっしゃることはおっしゃるんです。でも、実際、こういう数値目標を立てたり法律を見ますと、全くそれとは違うことを行おうとしているということを指摘させていただきたいと思います。
今、ゼロ歳児、一か月の赤ちゃんに幾ら掛かるか、十七万円とおっしゃられました。これは最も財政力がない自治体でございまして、実は十七万から五十数万円です。平均は三十万円ぐらいなはずですが、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 自治体によりまして上乗せをしているところなどもありますので、これは、私が申し上げたのは定員九十名の保育所という例を取って申し上げたところです。
○山谷えり子君 全国で最も低い数値をあえておっしゃられたんですよ。ゼロ歳児、一か月一人の赤ちゃんに十七万円から五十数万円掛かっている。それで赤ちゃん幸せですか。お母さん幸せですか。そのお金をもっと別の形で掛けた方がよろしいんじゃないですか。ゼロ、一、二歳、家庭で保育したいという二十代、三十代、八割、四十代から六十代、九割いるんですよ。国民のニーズって、思いというのはそういうことなんじゃないでしょうかね。
生殖適齢期というのはあると思われますか。安心して子供を産み育てることのできる社会というふうに今所信でお述べになられましたが、生殖適齢期、ありますでしょうか。
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり子供を産みやすい、そして生まれてきた子供にとっても最もふさわしい年齢帯というのはあるかというふうに思います。
○山谷えり子君 それは何歳だとお考えですか。
○政府参考人(石井淳子君) 特定の何歳というのはございませんけれども、やはり若い方が妊娠しやすく、また妊娠出産リスクが少ないというのがございまして、一般的には二十代というのがやはり妊娠しやすいと言われておりますし、三十五歳を過ぎますと、そういう意味では流産率が高まるとか、そういう危険も高まるというふうに調査結果などでは出ているというふうに承知いたしております。
○山谷えり子君 これは虎の門病院の産婦人科の十年前ぐらいのデータなんですが、年齢別自然流産率、二十五から二十九歳、一〇%、三十から三十四歳、一〇%、三十五から三十九になりますと倍になって二〇%、四十歳以上だと四〇%という、こういうデータを案外国民は知らないんですよ。
ですから、ある薬のメーカーさんが第一子を産みたいと思っている年齢幾つですかと聞いたら、約半数が三十五から四十と答えているんですね。それから、フィットネス用品の会社が千人の二十五から三十九の既婚の女性たちに、出産を望んでいるけれどもなぜしないんですかと聞いたら、妊娠しないからという、四九%なんです。これは、経済的な負担が重いからというのは二六%、つまり妊娠しないからというのが今トップになる。そんな時代の変化というのを恐らく小宮山大臣は全くキャッチしていらっしゃらないというふうに思います。
出産・生殖適齢期があるんだというキャンペーン、欧米始めております。タイムクロック・キャンペーン、バイオロジカル・キャンペーン、妊娠、出産、育児、どういう年齢でどうあるのが望ましいかという医学的、科学的、あるいは脳科学、いろんなデータをもっと発表すべきではないですか。小宮山大臣、いかがですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
結婚年齢の上昇ですとか、晩産化、また不妊治療を受ける人の年齢の上昇が進んだりする中で、安心して妊娠、出産できる環境整備、これを行うことはとても重要だと考えています。妊娠、出産に伴うリスクを軽減をするというためには、一つは妊娠に適する年齢や不妊に関する知識を取得をすることのほか、適切な栄養摂取、痩せ過ぎというようなことがなかなか子供を産みにくいということにもつながっています。また、風疹などの感染症予防など、妊娠前からの健康づくり、こうしたことも重要だということ。委員の御意見もありますし、産婦人科医などの専門家の協力も得ながら、そういうことの普及啓発を図っていくことは私も大切だと思っています。
○山谷えり子君 妊娠に適切な年齢があると、今答弁書をお読みになられたんですが、では生殖適齢期は幾つですかと聞いたら、小宮山大臣答えられなかったんですね。つまり、そういうことなんですよ、具体的な事実が見えていないんです。
私の質問いたしましたタイムクロック・キャンペーン、バイオロジカル・キャンペーン、厚生労働省としておやりになるおつもりございますか。
○政府参考人(石井淳子君) 先ほど来、山谷先生からの御指摘は誠にごもっともでございまして、こうした知識というのを広く知っていただく必要があると思っております。現在、産婦人科医などの専門家の御協力をいただいて普及啓発を図っていきたいと思っておりまして、当面でございますけれども、女子大生向けの資料を作成すべく準備を進めているところでございます。
○山谷えり子君 平成十七年に少子高齢社会に関する調査会でフランスやドイツを回りました。そのとき、フランスの政策担当者に、フランスがやや出生率が上がったと、いろんな理由はあるんだろうけれども何が大きいと思いますかと聞きましたら、若い時期での出産を促すそのキャンペーンを医師会と一緒にやったんだと言うんですね。
いろいろな国々でキャンペーンのやり方あります。例えば、バスの中にタイムクロックといって、そういう情報をポスターで張っているところもあるんですね。今、女子大生に一部どんな形で何万人に配るのか知りませんけれども、もっと積極的なキャンペーンの在り方、小宮山大臣はマスコミにいらしたんですから、工夫なさったらいかがでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(小宮山洋子君) 検討させていただきたいと思います。
○山谷えり子君 昨年の暮れに新聞の報道でこのような報道がございました。体外受精培養液に高濃度の化学物質、胎児への影響懸念、厚生労働省研究班調査。その研究班のドクターのコメントとして、生命発生の重要な時期にこのような培養液を使って大丈夫なのか、詳しく調べる必要があるという新聞報道でございました。
それから六か月たっております。調査はどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(平山佳伸君) お答えいたします。
御指摘の研究は、厚生労働科学研究の中で行われました化学物質の子供への影響に関する研究の一環でございます。この研究によりますれば、人工授精用の一部の培養液から母体血中濃度の十倍から百倍のフタル酸エステルが検出されたというものでございます。
一方、この研究班の中の別のグループでありますけれども、人のiPS細胞を用いまして、その培養液で検出された濃度と同じ濃度のフタル酸エステルを添加いたしまして人の細胞の活性度を測るという研究がなされておりまして、その研究におきましては遺伝子の活性への変化というのは観察されていないということで、人の細胞への直接の影響は見られていないという結果でございました。このため、同様の科学的な知見が出てくるのかどうか、あるいはその知見の集積や集積後の評価というのが重要であると考えております。
したがいまして、厚生労働省といたしましては、今後とも、知見を集積するために関連する研究を積極的に進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○山谷えり子君 そうしますと、不妊治療、今盛んですが、体外受精培養液に高濃度の化学物質、胎児への影響懸念、厚生労働省研究班調査、これはまだ結論が出ていないということでしょうけれども、いつごろ結論というのは出るんでしょうね。なかなか難しい話かもしれませんが、不安に思っていらっしゃる方多いと思います。
○政府参考人(平山佳伸君) これは、更に新たな研究を続けるということが必要でございますので、いつまでにというのは、なかなか期限をお示しすることはできませんけれども、例えばこの原因となっているものが、血清アルブミンというものを添加したときに一緒に入ってくるということが分かっておりますので、そういう血清アルブミンを添加することによって体外受精の成績がどうなったかとか、そういう研究をすれば影響がより分かってくるのではないかというふうに考えておりますので、そういうふうないろいろなアイデアを考えて研究を進めていきたいというふうに考えております。
○山谷えり子君 本当に頼りない答弁で、本当に不安は拭うことができません。しっかりしていただきたいと思います。
それから、先ほどゼロ歳児の保育あるいは長時間の保育、スウェーデンやフィンランドでは、ゼロ歳児保育は望ましくないということで国策としてはやっておりません。あるいは長時間保育も望ましくないということで、デンマークやオランダは四時とか五時でございますね。日本のゼロ、一、二歳がこんなにも長時間保育であること、そしてまた、小宮山大臣は数を増やすことに何の抵抗もないという、これはどういうふうに考えていらっしゃるんですか、ゼロ歳児保育あるいは長時間保育に関しては。
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げたように、特にゼロ歳児とか小さい子供たちはやはり母親を始め家族が育てるということが望ましいということは先ほども申し上げたとおりです。
これは、やはり今の日本の働き方がそうなっていない面がありますので、ワーク・ライフ・バランスと言葉は随分前から言われていますけれども、なかなか働く実態が変わっていない中で、今政府としても、今年、間もなくまとめようとしている日本再生戦略の中にも、これは働きたいと思う女性をですけれども、ちゃんとそこを支援をしながら子育てとも両立をするようなワーク・ライフ・バランスを考えた働き方ができるように、これは私どもも本省や各労働局の雇用均等室などから企業の方へ出向きまして、そこはしっかりとワーク・ライフ・バランス、またいろいろ、ポジティブアクションなどで、しっかり仕事をしながら子育てもできる、その仕事と生活のバランスがちゃんと取れるようにという、働き方の方へのアプローチも積極的にしていきたいと考えていますので、その辺が相まって、子供にとっても、そして親にとってもいい生き方ができるようにしていきたいというふうに考えています。
○山谷えり子君 ワーク・ライフ・バランスとかポジティブアクションとか、聞いていらっしゃる方はよく分からないと思います。
仕事、キャリア上、どうしても辞められない方はいらっしゃると思います。それから、どんなに節約しても生活できないから働かざるを得ないとかいう方はいらっしゃると思います。しかし、今、子育て大変だから、保育園に預けてお小遣い稼いだ方が楽だからという方たちも増えているということも、また残念ながら事実なんじゃないでしょうかね。きめ細かく私は現実をフォローした方がいいと思いますよ。民主党政権は生活保護のばらまきで、どんどんどんどん増えているじゃないですか。
現実を見て、きちんと、まず家庭保育が大事であるということ、そして一か月にゼロ歳児の赤ちゃんに十七万円から五十数万円、平均で三十万円もゼロ歳児の赤ちゃんに掛けている、これでいいんですかと。子供は幸せですか、家庭は幸せですか、そういう家庭が二十年後、三十年後どのようになっていきますか、社会は安定しますか、そういう視点からきっちりと考えていただきたいと思います。
終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、山谷えり子君の質疑を終了いたします。
次に、浜田昌良君。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
本日は、それぞれ少子化担当大臣、また公務員制度改革担当大臣から所信をお聞きしまして、それに対する質疑でございますが、まず小宮山大臣にお聞きしたいと思います。
民主党政権になりまして、少子化担当大臣が九人目と言われているんですよね、三年弱で。一人当たりが大体四か月弱と。これじゃなかなか十分な対策が打てませんよね。そういう意味では、やはりちょっとこれは反省していただきたいと思っています。
ただ、一つ小宮山大臣に期待しておりますのは、今回、厚生労働大臣で兼任されるというのは初めてなんですね。これは非常に重要なことでございまして、特に少子化対策で厚生労働行政との関係が深いものが多うございます。それを充実させながらやっていただきたいと。特に、所信でもありますように、仕事と家庭の両立させると、これが大きな課題でございます。いわゆる育児休業という問題で、これについても我々も与党時代にも取り組んでまいりました。
その中で、子の看護休暇ってあるんですね。これは何かというと、小学校就学前のお子さんをお持ちの方については、一人当たり五日ですね、二人以上の場合は十日間休みが取れると。これについては結構、女性だけでなくて男性の取得率が高いんですよ。調べていただくと、平成十七年時点でも二・五%、平成二十年時点で二・八%。育児休業の方はなかなか男性、最近増えてきましたけれども、その時点ではそれぞれ〇・五%と一・二三%ですから、割と急に子供さんが熱を出して何とかしたい、奥さんも働いているときにぱっとその日に口頭でも休暇が取れるという制度なんですが、ただ、これが小学校就学前までなんですよ。
これを少し、もうちょっと年数を子供が小学校卒業ぐらいまでも延ばしてくれないかという御要望は結構ありまして、これについてそういう検討を是非お願いしたいと思うんですが、小宮山少子化担当大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 少子化担当大臣がくるくると替わって本当に申し訳ないと思っておりますが、私もずっと子育て支援は携わってまいりましたので、しっかり務めさせていただきたいというふうに思っています。
子の看護休暇の件ですけれども、今おっしゃいましたように、現在の子の看護休暇では対象となる子供が小学校就学する前までの子供にしています。その理由というのは、小学校に入ってから後の子と比較をいたしますと、病気やけがをした際に自分一人で十分に対応することが困難であるとか、労働者が看護のために休暇を取得するケースが多い、そうしたことからここにしてあります。
平成二十一年の育児・介護休業法改正によりまして、小学校就学前の子が二人以上である労働者については子の看護休暇の取得日数の上限を五日から年十日に拡充をしていますし、また、小学校就学の後も看護休暇の対象とする企業の好事例を広めたり紹介したりというようなこともしておりますというところまでが答弁書にございますが、私は、諸外国の例なども見ましても、やはり子の看護休暇というのはもっと北欧の国などではたくさん取れるようになっていますし、中には小学校のPTAなどにもその休暇を、親休暇を使っていける国などもありますので、検討させていただきたいと思います。
○浜田昌良君 ありがとうございます。
特に男性が結構取得していますので、なかなか年休というのはやっぱり急に取るといっても取れないこともありますし、時季変更権を雇主が持っている場合がありますから、そういう意味では、これは非常に有り難い権利でありますので、検討いただくという御答弁いただきました。ありがとうございます。
もう一点は、今ありました子供が急に熱を出す、子の医療の安心という問題でありまして、これについては我が国の保険制度上は小学校の就学前までが自己負担が二割となっていまして、それ以降は三割となっていると。
ただ、これについては自治体の方で結構いろんな補助制度がございまして、調べていただきますと、四十七都道府県のうち三県、群馬県、東京都、鳥取県は十五歳の年度末までが通院まで補助があると。ところが、ほとんどは小学校就学前までがなっていると。私の地元の神奈川県だと小学校就学前までなんですが、また市町村でいろんな制度もありまして、厚木市や海老名市は中学卒業まで無償なんですけれども、横浜市や川崎市は小学校就学前と。結構お母様方で、また保護者さんで何だか不公平感があるんですね。
その原因として、やっぱり保険制度全般としてもう少し、小学校就学前までじゃなくて、卒業前まで少し二割負担にしていただくとか、そういうことの一歩一歩が進めていただけるとこの自治体の方でのアンバランスも解消できるんじゃないかと思うんですが、これについては、とはいっても財源が要る話ですから、調べていただきました。そうしますと、小学校就学前までを小学校卒業前まで二割負担にすると約八百億円と言われていますね、これ。患者負担分が四百億円で、逆にこれで医療費が増えるかもしれないという効果も見ていただいて、それを合わせて八百億円。中学まですると、二割負担だと更に四百億円で合計千二百億円。さらに、高校卒業まですると、更に三百億円で千五百億円という大きなお金かもしれません。
ただ、一方で、これは七十歳から七十四歳までのいわゆる二割負担を一割にするという、これも補助をしていまして、これの金額約二千億円なんですよ。それに比べれば少ない金額ではあるんですが、非常に、今後こういうものについて自治体間のアンバランス感といいますか、やっぱりお母様方、お父様方の安心を得るためにこういうものの検討も是非進めていただきたいんですが、小宮山大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) これはちょっと財源を伴うもので、なかなか私がこうしますというふうには申し上げられないところなんですが、平成二十年度から小学校入学前の子供まで三割から二割に軽減する措置の対象年齢を広げているわけですね。それで、更に軽減するためには、やはり医療提供体制の確保や保育など、ほかの子ども・子育て関連の施策との均衡を勘案する必要がある。また、医療保険制度の給付割合の引上げによりまして自己負担を軽減する場合は、公費負担のほかに保険者負担も増加をするため現役世代の保険料負担が増加するなど、いろいろな課題があるかというふうに思います。未熟児ですとか子供の難病といった特に手厚い援護が必要な児童に対しましては、その医療費の公費助成を実施をしているということはもう御承知のとおりだと思います。
おっしゃるように、七十から七十四歳の自己負担二割から一割に戻すということは来年度予算の中でやりたいと思っていますので、また全体の、もちろん財務省との財源の話というのが大事なんですけれども、厚労省のその予算の中でもそうしたことも含めてまた考えたいとは思いますが、ここはなかなかすぐにはいと言うわけにはいかないという部分があるのは御理解をいただければと思います。
○浜田昌良君 財源のある話ですから難しい話ですが、消費税の議論も進めておりますし、その中で、やはりそういう負担される方々、お父様、お母様方のいわゆる政策の納得感という話もありますので、幅広く御検討いただきたいと思います。
済みません、中川大臣、時間なくなりまして。
先ほども岡田委員から質問ございましたこの公務員制度改革の問題が大きな問題だと思っています。これについては、先ほどもありましたように、公務員制度改革基本法十二条の、先ほど大臣も答弁で引用されました。これについては、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に示すと。便益、費用というのは、やっぱり定量概念なんですよ、定性じゃなくて。具体的にどういうことを定量的に示されたのか。また、その理解の下に進めると。どれぐらい国民が理解しているのかと、まだ我々もしていないと思うんですよね。
その理解を進めるために、是非、時間がないのでまとめて答弁いただきたいんですが、中川大臣は独法も担当されると。一部独法は公務員から外れて、この協約締結権を持ち出すところもあるんですよ。じゃ、そこが本当に、例えば今回給料が下がると、勝手に自律的な給与の下げ方で下がったのかと。下がっていないと思いますよ。
そういうことを是非、本当に協約締結権が付与されたらこういうふうになっていますよということが御説明できるのであれば、最後、済みません、余り時間ありませんが、御答弁いただいて、私、質問終わりたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 十二条のお話ですが、ここで定量的に明らかにしなさいという、そういう想定の中で決められた条文でもないというふうに理解をしておりまして、具体的には、これまで全体像、いわゆる国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の全体像というのをお示しをしているんですが、その中でこの便益と費用というのを定性的に説明をしています。
一つは使命感、交渉していく過程の中で使命感あるいは使用者としての責任感、これが出てきて、かつその過程というのがオープンになりますから、国民にとって何が話し合われているかということが確実に理解ができる、またオープンにしなさいという、そういう条項が入っておりますので、そのところに一つの便益としての効果があるということ。それから、確かに費用については、お互いが納得、話し合ってすぐ納得できればいいけれども、それが幾重にも時間が掛かっていく、あるいはまた交渉回数だとか、あるいはその中でまた中労委等々含めた仲裁も入ってくるという、当初はそういう可能性があるということも前提なんだろうと思うんです。
しかし、民間でもそうですが、その中で熟してくれば、確実にそこのところはコンセンサスが生まれて話合いが進んでいく、あるいは、さっきの話で、責任感というものの中で国家というものが対象になった話合いができてくるというふうなことが想定されるというふうに思っております。
そういう意味で、定性的に評価をお示しをしたということであります。
○浜田昌良君 終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、浜田昌良君の質疑を終了いたします。
次に、江口克彦君。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
まず、中川大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
先ほどお読みいただきましたけれども、公務員に労使交渉を導入する公務員改革法案ということでございますけれども、これは実際に機能するかが重要だというふうに思います。
営利企業であれば、企業の業績の良しあしでおのずと従業員の給与の増減を判断できるわけでありますけれども、公務員の給与の適正水準というのは何によって判断することになるのでしょうか。その点について教えていただければと思います。
○国務大臣(中川正春君) この法案の前提としているのは、一つは公務員庁を設置をしていくということですが、これは、公務員庁は人事院の今の機能というのを公務員庁の中に取り込んでいくということなんですね。それで、民間の給与の実態の調査、それから、それを把握してその結果を公表をしていくということ、これをベースに交渉に入っていくということ、これが一つございます。だから、労働組合との交渉主体というのがこの公務員庁になるわけです。その事前の、もう一回言いますと、その事前に調査をしていくことというのは、民間の給与の実態、これを調査して把握をして、その辺を参考にしながら、この公務員のベースと、それから総体的に国民に理解がしていただけるような基準ですね、そんなものを作っていって、それをベースに交渉を進めていく、またそのベースを国民に対して公表をするというプロセスがまず入っております。
それからもう一つは、この給与等の政府全体で統一的に定める勤務条件、これについては、団体協約の内容を反映させた法令で定めるということになっていますね。法令で定めるということは国会にかかわってくるわけです。国会の中でそれを更にチェックをしていきながら、いわゆる民主的統制の下で決定をされていくということ。
この二つのプロセスによってガバナンスが働いてくるというふうに思っております。
○江口克彦君 国会でということも分かりますけれども、その前に、民間の企業の実態とか、あるいはまた国民に理解してもらう、極めて抽象的ですよね。民間の企業ってどこのどの辺りの企業を言うのかどうかというところがあると思いますけれども、その辺りは明確にやはりされるということが必要であるし、そして、それがまた国民の理解を得るということにもなるのではないだろうかというふうに思いますので、漠然と民間の企業の実態とかあるいはまた国民の理解を得るということではなくて、明確にやはり何らかの基準というか物差しというか、そういうものを是非お考えいただく、その方がよろしいのではないだろうかというふうに申し上げたいと思います。
時間がほとんどまた我々にはありませんから、小宮山大臣と是非お話をしたいと思いますので、小宮山大臣に、非常に初歩的なことで誠に申し訳ないんですけど、総合こども園というものをどうしてお考えになったのか。総合こども園というのは、どういうところでいいという、どういう面がいいというふうにお考えになってこども園ということをマニフェストに載せ、そして提案されたのか。その辺について、簡単にかつ明確にお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げましたように、子供たちにとって、就学前にとにかく親の働き方にかかわらず幼児期に必要な質の良い学校教育、保育を全ての子供に受けられるような、そういう仕組みが必要だというふうに考えまして、それからもう一つはまた、今、幼稚園は三割空きがありますけれども、保育所は都市部を中心に待機児さんがいると。その待機児解消ということと、それからもう一つ併せて、これは総合こども園だけではありませんけど、今回の仕組みの中で家庭の養育支援と、その三つのことを目的にしています。
総合こども園は、やはり今、認定こども園というのがそのような形で先駆的に行われて、これは自公政権のときにつくられてやっていますけれども、二重行政とそれから財政支援がないということが広がらないもとになっていると当事者もおっしゃっているので、そういう意味で新たな仕組みが必要だと思って総合こども園を提出をさせていただいています。
○江口克彦君 今大臣がおっしゃったこと、一つ一つごもっともだなというふうに思うんですね。
しかし、その総合こども園を政府・与党は撤回しようというような報道もなされているわけですね。そういうふうにメリットを、こういうところがある、こういういいところがあるし、こういうことを考えたんだというような、そういう総合こども園案をどうしていとも簡単に撤回されようとしているんですか。
○国務大臣(小宮山洋子君) それは今三党で協議が行われておりますので私が余りこの場で申し上げるのはふさわしくないとは思うんですが、今までの百時間を超える衆議院の特別委員会の審議の中でも、自公の皆様を中心に、今の認定こども園の幼保連携型が先駆的取組だろうと、こちらの法改正でやって何がいけないのだという御主張もございまして、これはねじれ国会の中で多くの党の会派のまた賛成をいただかないと成立をいたしませんので、子供の状況も待ったなしでございますから、それは総合こども園という今の法形式を取り下げたといたしましても、認定こども園、今のままというのではなくて、その課題になっていたことを解消をして更にバージョンアップをする、より良くするということでは総合こども園と狙いは近づいてまいりますので、そういう意味ではそういう現実的な選択を今協議の中でしているというふうに承知をしています。
○江口克彦君 いろいろと大臣はおっしゃいますけれども、いずれにしても総合こども園というのを、構想を、考え方を撤回されるということはもう報道、マスコミ各紙が報じているわけで、説明を小宮山大臣されればされるほど何か言い訳に聞こえるというのは私だけでございましょうか。
しかし、私には、消費税増税を通すためにやむなくいろんな譲歩を自公さんとやって、修正協議をやって、そしてせっかく小宮山大臣が、これとこれとこれとこれと総合こども園はいいところがあるんだというのを、これ、消費税増税のためにそういう認定こども園に擦り寄るというか、近づくというか、そういうことであるとするならば、それはどうも本当の子供のための発想ではないように思うんですよね。
そうすると、一回、もう全てこの法案を撤回して、改めて実効性ある案を盛り込んだ法案を出された方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。この質問で終わらせていただきます。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今までの各党の審議の中でも、子供にもっと財政支援をしなければいけないということや、先ほど申し上げた就学前の子供たちに質の良い学校教育、保育が必要だということは、各党一致した意見だと思います。
そういう中で、ですから、今取り下げてとおっしゃいましたけれども、総合こども園というその法形式は取り下げたとしても、その目的を達成するためにどうしたらよいかということを協議をしていますので、良い結論が出ることを期待したいと思います。
○江口克彦君 ありがとうございました。
○委員長(芝博一君) 以上、江口克彦君の質疑を終了いたします。
次に、糸数慶子君。
○糸数慶子君 本日の最後の質問になりましたが、小宮山大臣にまずお伺いしたいと思います。
六月五日、厚生労働省が平成二十三年度人口動態統計を公表いたしました。これによりますと、第一子の出産時の母親の平均年齢が初めて三十歳を超し、また合計特殊出生率は前年と同じ一・三九でありました。これらの数字からいたしますと、やはり引き続き深刻な少子化の状態が続いていることが明らかになっています。政府は様々な少子化対策を講じていますが、少子化の流れは加速していく一方であります。
そこで、このような我が国の深刻な少子化の現状を大臣はどのように認識し、またどのように少子化対策に取り組んでいかれるのか、改めまして決意をお伺いいたします。
○国務大臣(小宮山洋子君) 少子化が進んでいる要因はいろいろあると思いますが、若い人たちが結婚そして出産の希望がかなわないということ、それは何としても政策的にしっかりと対応したいと思っています。
そうした状況が進んでいる背景としては、若者が雇用など将来の生活への不安を持っているということ、核家族化や地域のつながりが薄くなって家庭の養育力が低下をしているということ、また子育て中の孤立感、負担感が大きい、家庭生活との両立が困難な職場の在り方ですとか、結婚や家族に関する意識の変化などいろいろあるかと思います。
政府としましては、子ども・子育てビジョンに基づいて、今御説明をしている子ども・子育て関連三法案を提出をしているということ。また、若者の自立した生活、就労に向けた支援として、ジョブサポーターなどによる支援を行っているということ。また、男性も女性も仕事と生活が調和するワーク・ライフ・バランスの取れた社会の実現。このためには、パパ・ママ育休プラス、こうしたことの導入など、改正案の育児・介護休業法の周知徹底にも努めていますので、引き続きバランスの良い政策で、持ちたい人が子供を持てることで少子化ではなくなることに努めていきたいというふうに思っています。
○糸数慶子君 先ほどから何度も出ておりますけれども、改めてお伺いしたいと思います。通告に関しては四問提出をしたんですけれども、重なるのはちょっと割愛をしたいと思います。
政府が提出いたしました子ども・子育て新システム関連法案については、現在衆議院において審議されており、それと並行して、今、与野党の修正協議も行われているところでありますが、小宮山大臣は総合こども園及び指定制度について譲歩するとの報道もございますが、今現在、大臣は総合こども園の創設及び指定制度の導入についてどのように考えていらっしゃいますか。これ、恐らく与野党で対立しているその問題、例えば児童福祉法第二十四条の改正もあるわけですが、大臣としてこれだけは譲れないというその項目があるのでしたら、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小宮山洋子君) 政府提出法案の総合こども園法案を、認定こども園を改良する形に近づけるということの意味合いは先ほどお話をしたところです。
指定制の導入につきましては、質の確保のための客観的な基準を満たした施設、事業を指定をして、そこへ財政支援をすることによって、保育の需要がある地域で機動的に質の確保された保育の量的拡充を図って待機児童の解消を実現したいと思いまして、これを提案をしています。今までの認可よりも幅広い指定で多くの多様な形のところに財政支援をしたいと考えていますが、ここも今議論になっているところだと思います。
また、二十四条の改正につきましては、現在設けられている待機の状況を勘案した例外規定、これを小規模保育など機動的な保育の制度化に伴って削除し、むしろ市町村の責任を強化することにしているところです。
この指定制につきましては、例えば認可を広げるとかほかのやり方もあるかと思っています。
この二十四条のところも今御議論をいただいているところですので、子供たちにとってより良い仕組みになるように、良い結果が得られればと思っています。
○糸数慶子君 待機児童の解消には保育の需要を正確に把握することが重要でありますが、しかし、新たな待機児童対策を打ち出すと、今まで専業主婦だったお母さんたちが働きに出ることになり、新たな保育の需要が掘り起こされて待機児童が増えるというケースがあるわけですが、また、ある市町村が待機児童対策を打ち出すと、その周辺に住んでいて保育所を探している保護者がその市町村に集まってきて、また待機児童が増加するというケースもあるわけですが、こういった潜在的なものも含めると保育の需要を正確に把握するのは非常に難しいと思われますが、どのように対処していらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在の制度は、保育に欠ける判定と保育所への入所の可否、この決定を同時に行う仕組みなんですね。
保育に欠ける要件を変えるべきだということはもうずっと以前から議論をされているところです。今のこの現状でいきますと、待機児童が多い中では、入所の申込みを諦めるとか、保育に欠けるか否かの判定を市町村が裁量で行ってしまって、確実な数が把握できずに量的なものが満たされないというような状況があるというふうに考えます。
これに対しまして、今回の子ども・子育てに関する制度改革では、入所判定から独立した手続として、市町村は申請があった保護者に対して客観的な基準に基づいて保育の必要性の認定を行うことにしています。これによって、その潜在的な需要を含めて地域の保育需要を正確に把握することが可能になりまして、こども園や地域型保育事業といった保育の供給量との比較から正確な待機児童数を把握することが可能になります。
こうして把握を正確にされた保育需要の見込みに基づいて、市町村が五年ごとに子ども・子育て支援事業計画を策定をして、計画的な保育の基盤整備を行うことができると考えています。
○糸数慶子君 ありがとうございました。
時間も限られておりますが、最後に中川大臣にお伺いいたします。
今月の一日に衆議院の本会議におきまして、国家公務員に対して協約締結権を付与することなどを内容といたしました国家公務員制度改革関連法案が審議入りされましたが、今回の法案は国家公務員制度改革基本法に基づくものでありますが、基本法第十二条において、「政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。」と規定されております。
したがって、政府は、本法案を提出するためには、国民の理解を得られるため通常より手厚い努力が必要とされるわけですが、パブリックコメントを実施し、全体像についての資料を公表したと説明されているようです。それだけで本当に十分とお考えでしょうか。
また、今後、国民の疑問、不安を解消するためには、例えばQアンドAや分かりやすい説明冊子の公表、説明会の実施などの取組を行うことが検討されているのか、大臣の所見をお伺いいたしまして、質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) まず、この問題は自公政権下からずっと議論をされてきておりまして、労使関係制度検討委員会においてもそこの中の議論をまずベースにしているということ。それから、さっきお話のあったパブリックコメントで皆さんに意見を募ったということ。それからもう一つは、全体像という形で、便益とそれから費用といいますか、それに掛かるものを説明する形で公表をしてきました。
その上で、この今、国会で議論を是非お願いをしたいと、こういうことを言っておるわけでございますが、ここで是非様々にまた御議論いただいて、それが報道されていく過程で国民がまた改めて議論をしていただくということになっていくと思います。そんなことを前提にしながら国民の理解を得ていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○糸数慶子君 終わります。
○委員長(芝博一君) 以上、糸数慶子君の質疑を終了いたします。
これをもちまして、本日の調査はこの程度にとどめます。
両大臣には御苦労さまでございました。