第166回国会 衆議院 本会議 第10号 2007年03月03日
平成19年3月3日(土)
○議長(河野洋平君) 中川正春君。
〔中川正春君登壇〕
○中川正春君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました予算委員長金子一義君解任決議案について、賛成の立場で討論をいたします。(拍手)
まずは、先ほど予算委員会において、平成十九年度予算案が強行採決をされたことについて強く抗議をいたします。
きょうの混乱を招いた責任は、ひとえに、強引な委員会運営を強行した予算委員長金子一義君にあります。
金子一義君は、昨年九月二十八日の本会議において、慣例に従い、河野洋平議長によって予算委員長に指名されました。そして、同年十月三日の予算委員会では、「公正かつ円満な委員会運営を図ってまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。」とあいさつを述べ、公正かつ円満な委員会運営を公約いたしました。
しかしながら、その後の金子一義君の委員会運営は、巨大与党による数の力に物を言わせた極めて一方的、強権的なものであり、就任時の公約は全くほごにされております。とりわけ、昨日の予算委員会理事会においては、平成十九年度予算案に対する締めくくり質疑、質疑終局、採決日程を委員長職権で強行設定いたしました。このような強引な委員会運営は断じて容認することができません。
以下、本決議案に賛成する理由を具体的に申し述べます。
第一に、金子一義君は、まるで柳澤厚生労働大臣をかばうように、平成十八年度補正予算の与党単独審議、採決を強行したのであります。言うまでもなく、柳澤大臣は、ことし一月二十七日、島根県松江市において、女性は産む機械である、一人頭で頑張ってもらうしかないという、閣僚として、政治家として、さらには人間としても失格であると言うほかない発言をいたしました。しかも、二月六日の記者会見では、結婚して子供二人が健全だという趣旨の発言を行い、さらに、二月十五日の参議院厚生労働委員会では、工場労働は労働時間だけが売り物だと述べたのであります。
柳澤大臣は辞任すべきであるというのは、今や大多数の国民の声であり、まさに民意であります。この問題を国会として放置することは、国権の最高機関の自殺行為であります。
第二に、金子一義君は、平成十九年度予算案について、例年より著しく少ない審議時間であるにもかかわらず、委員長職権によって強引に質疑を終局させ、採決を強行したのであります。野党の質疑時間がわずか四十七時間という段階で、予算委員長が職権で質疑終局、採決の日程を設定するというのは前代未聞の事態であります。(拍手)
国民生活に直結する極めて重要な予算案を、十分な審議もなしに強行採決することは、将来に禍根を残す重大な行為であります。とりわけ、本予算案は、深刻な格差問題に全く光が当てられておらず、むしろ格差拡大を助長するものであります。このような行為がまかり通れば、国会審議は形だけのものになり、あらゆる問題が与党の一方的な都合で決められることになってしまうのであります。
第三に、金子一義君は、公聴会のあり方を見直そうという河野洋平議長の見識ある問題提起を無視し、議長の顔に泥を塗るという暴挙に出ました。昨年の臨時国会で、採決前の単なるセレモニーとなり、公述人に対しても失礼なものとなっている公聴会のあり方について、河野議長は、公聴会を真に国民各界各層の意見を聞く本来の姿に戻すべきではないかと、見識ある問題提起をされたのであります。にもかかわらず、金子一義君は、公述人から寄せられた貴重な意見を全く生かそうとしなかったのであります。
とりわけ、経済財政諮問会議議員であり日本経団連会長という要職にある御手洗冨士夫氏が代表取締役会長を務めるキヤノンが偽装請負という違法行為を行っている問題については、御手洗氏の参考人招致が必要不可欠であります。にもかかわらず、それを実現することもなく予算審議を強引に打ち切るというのは、公述人の意見を全く踏みにじった暴挙であります。
第四に、金子一義君は、佐田前内閣府特命担当大臣、伊吹文明文部科学大臣及び松岡利勝農林水産大臣の疑惑隠しにも加担をいたしました。
佐田前大臣は、みずからの政治団体の経費として実際には存在しない架空の支出を計上していると報道され、国民に対する説明責任も果たさないまま、逃げるようにして閣僚を辞任いたしました。伊吹大臣及び松岡大臣は、本来なら事務所費に計上するべきでない支出を領収書の要らない事務所経費に計上しているのではないか、その疑惑を持たれながらも、決してみずから公表しようとはしておりません。このままでは、政治と金に関する疑惑は全く解明されることもなく、国民の政治不信はますます高まるばかりであります。それにもかかわらず、金子一義君は、真相を解明しようという努力は全くせず、疑惑にふたをしようとしているのであります。
さらにつけ加えれば、金子一義君は、予算委員会第五分科会の副主査でありながら、我が党の仲野博子、長妻昭両議員の質問を妨害するという、議会人としてあるまじき行為を行った自民党の河井克行議員に対し、予算委員長として全く厳しく対処しようとはしておりません。河井克行議員の行為を黙認するかのような金子一義君のこのような態度は、まさに委員長としての職務放棄であると言わざるを得ないのであります。
以上申し述べましたように、金子一義君は予算委員長として全く不適格であり、解任に値するのはだれの目にも明らかであります。議員各位の御賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)
〔中川正春君登壇〕
○中川正春君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました予算委員長金子一義君解任決議案について、賛成の立場で討論をいたします。(拍手)
まずは、先ほど予算委員会において、平成十九年度予算案が強行採決をされたことについて強く抗議をいたします。
きょうの混乱を招いた責任は、ひとえに、強引な委員会運営を強行した予算委員長金子一義君にあります。
金子一義君は、昨年九月二十八日の本会議において、慣例に従い、河野洋平議長によって予算委員長に指名されました。そして、同年十月三日の予算委員会では、「公正かつ円満な委員会運営を図ってまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。」とあいさつを述べ、公正かつ円満な委員会運営を公約いたしました。
しかしながら、その後の金子一義君の委員会運営は、巨大与党による数の力に物を言わせた極めて一方的、強権的なものであり、就任時の公約は全くほごにされております。とりわけ、昨日の予算委員会理事会においては、平成十九年度予算案に対する締めくくり質疑、質疑終局、採決日程を委員長職権で強行設定いたしました。このような強引な委員会運営は断じて容認することができません。
以下、本決議案に賛成する理由を具体的に申し述べます。
第一に、金子一義君は、まるで柳澤厚生労働大臣をかばうように、平成十八年度補正予算の与党単独審議、採決を強行したのであります。言うまでもなく、柳澤大臣は、ことし一月二十七日、島根県松江市において、女性は産む機械である、一人頭で頑張ってもらうしかないという、閣僚として、政治家として、さらには人間としても失格であると言うほかない発言をいたしました。しかも、二月六日の記者会見では、結婚して子供二人が健全だという趣旨の発言を行い、さらに、二月十五日の参議院厚生労働委員会では、工場労働は労働時間だけが売り物だと述べたのであります。
柳澤大臣は辞任すべきであるというのは、今や大多数の国民の声であり、まさに民意であります。この問題を国会として放置することは、国権の最高機関の自殺行為であります。
第二に、金子一義君は、平成十九年度予算案について、例年より著しく少ない審議時間であるにもかかわらず、委員長職権によって強引に質疑を終局させ、採決を強行したのであります。野党の質疑時間がわずか四十七時間という段階で、予算委員長が職権で質疑終局、採決の日程を設定するというのは前代未聞の事態であります。(拍手)
国民生活に直結する極めて重要な予算案を、十分な審議もなしに強行採決することは、将来に禍根を残す重大な行為であります。とりわけ、本予算案は、深刻な格差問題に全く光が当てられておらず、むしろ格差拡大を助長するものであります。このような行為がまかり通れば、国会審議は形だけのものになり、あらゆる問題が与党の一方的な都合で決められることになってしまうのであります。
第三に、金子一義君は、公聴会のあり方を見直そうという河野洋平議長の見識ある問題提起を無視し、議長の顔に泥を塗るという暴挙に出ました。昨年の臨時国会で、採決前の単なるセレモニーとなり、公述人に対しても失礼なものとなっている公聴会のあり方について、河野議長は、公聴会を真に国民各界各層の意見を聞く本来の姿に戻すべきではないかと、見識ある問題提起をされたのであります。にもかかわらず、金子一義君は、公述人から寄せられた貴重な意見を全く生かそうとしなかったのであります。
とりわけ、経済財政諮問会議議員であり日本経団連会長という要職にある御手洗冨士夫氏が代表取締役会長を務めるキヤノンが偽装請負という違法行為を行っている問題については、御手洗氏の参考人招致が必要不可欠であります。にもかかわらず、それを実現することもなく予算審議を強引に打ち切るというのは、公述人の意見を全く踏みにじった暴挙であります。
第四に、金子一義君は、佐田前内閣府特命担当大臣、伊吹文明文部科学大臣及び松岡利勝農林水産大臣の疑惑隠しにも加担をいたしました。
佐田前大臣は、みずからの政治団体の経費として実際には存在しない架空の支出を計上していると報道され、国民に対する説明責任も果たさないまま、逃げるようにして閣僚を辞任いたしました。伊吹大臣及び松岡大臣は、本来なら事務所費に計上するべきでない支出を領収書の要らない事務所経費に計上しているのではないか、その疑惑を持たれながらも、決してみずから公表しようとはしておりません。このままでは、政治と金に関する疑惑は全く解明されることもなく、国民の政治不信はますます高まるばかりであります。それにもかかわらず、金子一義君は、真相を解明しようという努力は全くせず、疑惑にふたをしようとしているのであります。
さらにつけ加えれば、金子一義君は、予算委員会第五分科会の副主査でありながら、我が党の仲野博子、長妻昭両議員の質問を妨害するという、議会人としてあるまじき行為を行った自民党の河井克行議員に対し、予算委員長として全く厳しく対処しようとはしておりません。河井克行議員の行為を黙認するかのような金子一義君のこのような態度は、まさに委員長としての職務放棄であると言わざるを得ないのであります。
以上申し述べましたように、金子一義君は予算委員長として全く不適格であり、解任に値するのはだれの目にも明らかであります。議員各位の御賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)