参議院 予算委員会(大久保潔重委員、末松委員、竹谷委員)
平成24年4月2日(月)
○委員長(石井一君) 平成二十四年度一般会計予算、平成二十四年度特別会計予算、平成二十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、震災・原発・エネルギー等に関する集中審議を行います。
これより質疑に入ります。大久保潔重君。
○大久保潔重君 おはようございます。民主党の大久保潔重です。
年度が替わりました。新年度もどうぞよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
年度をまたいでも、参議院の予算審議がいよいよ大詰めであります。今日は、先ほど石井委員長申されました震災・原発・エネルギーということでテーマをいただいておりますから、集中審議のトップバッターとして質問をさせていただきます。
昨日の新聞記事の第一面、これを見まして大変危機感を感じました。東海沖から四国沖に連なる海底の溝、いわゆる南海トラフで起こる巨大地震について内閣府の有識者検討会が発表した報告書で、まさにこれ、西日本地域に大きな衝撃が走ったわけであります。関東以外でも東日本大震災と同規模のマグニチュード九クラスの地震の可能性、震度七の分布が全国で十県、震度六弱以上が九州から関東まで広範囲で分布をしております。津波においても、最大で三十メートルを超える津波が押し寄せる地域もあるとの予測であります。
そこでまず、防災担当大臣、中川大臣にお尋ねをします。昨日のあの内閣府の有識者検討会の報告を受けて、まずその内容をどうとらえられているのか、お聞かせください。
○国務大臣(中川正春君) おはようございます。
昨日の新聞、検討会そのものは土曜日にあったんですけれども、南海トラフの巨大地震モデル検討会、これは専門家によって、まずこれは第一次の報告でありますが、出されました。
我々、この報告で前提としてしっかりとらえなければいけないことは、我々の対応それから想定ということが二つのレベルでなされてきた、あるいはなされているということです。
今回、やられたのは、ふだんいろんな防災対策を検討している、いわゆる百年級の津波ですね、それを前提にした従来からの対応、これは堤防を、防波堤を造ってそれを防ぐということを前提にしてなされてきた、そういう海岸の保全施設建設ということを想定をした防災対策、その百年級津波ということと、それから今回は、この百年級ではなくて最大級といいますか最悪の事態を想定をして、これまた予測ではなくて、五つの地震と十一のパターンというのをそれぞれ考えてみて、それで言わば千年級あるいは万年級、万が一という言葉がありますが、それを想定して一番最悪の事態の津波あるいは地震が起こるとすればどういうところを考えていかなければならないか、そういう想定の中で出されたということであります。
ですから、言い換えれば、これは堤防を津波が越えてきたときに、そうした最悪の事態を考えたときにどういう対策を立てなければならないかということ、これを前提にした考え方でありまして、住民等の避難を軸に、ハザードマップあるいは土地利用、都市計画あるいは避難施設、防災施設等々、こういうのを組み合わせて、かつソフト的、ソフト事業というのも防災教育を中心にして組み立てて万が一に備えるということ、これを想定した今回の話だということ、これを理解をしなければならないということだと思います。
ですから、非常にショッキングな数字が出ているんですけれども、これ、冷静にとらえて、そこを最悪の事態として想定して、また、それを超えてくる、専門家によるとそれを超えてくることも考えながらこれをとらえていくということが大切だというふうに思っております。
○大久保潔重君 科学的に起こり得る最大規模の地震、津波を想定をされて発表されたということですね。東日本大震災の反省、やはり災害を過小に見積もっておったと、これが大きく犠牲を拡大したという、そういう反省の上にも立っているんだろうと思います。
中川大臣は、この発表後に記者会見で、今ちょうど申されたような都市計画、防災教育、避難訓練などソフト面も含めた防災計画の見直しが必要で、国もしっかり支援するというようなコメントを出されております。
もう少し具体的にその支援策、ハードだけじゃなくてソフト面での国の支援策について触れていただければ助かります。お願いします。
○国務大臣(中川正春君) これからそれぞれの自治体においても、想定、最悪ということを前提にして、計画の練り直しというか、そういうものが始まってくるというふうに思っています。
まず、避難体制の充実ということからいきますと、津波浸水予測図の検討、これをやっていくわけですが、これの支援、それからハザードマップの作成、これを支援していくということ、それから津波避難計画の作成、これもやっていくわけでありますが、国としては、津波防災ワーキンググループを、夏までにこのグループを中心にして計画のガイドラインというものを作っていって地方に示していきたいというふうに思っています。
それから、津波避難を円滑にするための交通ルールの見直しや、そのための標識の検討、これを考えていく。それに対して、交通管理者による再検討、これが必要になってくると思っています。
それから、避難施設の整備でありますが、これについては、避難路それから避難階段等の整備、それからもう一つは津波避難ビル、これの整備促進、指定促進、それからビルの耐浪化そして耐震化、こういうものを税制の措置とかあるいはPFI等々組み込みながら新しい仕組みを考えていくということ。
それから、町づくりの中では、二線堤ということ、これは東日本でも今言われておりますが、堤防のもう一つ奥に道路や鉄道等々を活用した形の二線堤などの津波防護施設の整備、あるいは人命の保護、津波被害の軽減を図るために津波防災地域づくり法等々に基づく推進をしていくということ。あるいは津波避難を軸にした土地利用計画の策定、これもそれぞれの地方で始まってくるというふうに思います。都市計画部局での検討と対応をこれからしていくということになると思います。
それから、もちろん耐震化それから耐震改修を促進をしていくということ。それからもう一つは防災施設の強化ということになりますが、これは、海岸管理者、これは堤防そのものもどのように見直していくか。これは局部的にいろんなケースが出てきますので、全国一律ということではなくて、その局部的な部分に地方自治体と連携しながら対応していくということがあると思います。それから、重要構造物を強化して、その対策をしていく。これは、それぞれ施設管理者の中で新しい仕組みが出てくるということです。
あと、ソフト面では防災教育、これを充実させていくということであります。さっき申し上げたように、この部分が非常に大事なところだというふうに思います。
そうした具体的な政策をしっかりそれぞれの地域と連携をしながら進めるということを考えております。
○大久保潔重君 この検討会の今後のスケジュール、あるいはこの中央防災会議、これの今後のスケジュール等について御説明をいただきました。最後に地方自治体との連携ということも言われましたので、もう既に地方自治体は動き出しているところもたくさんございます。そういう意味での国の支援というのを非常に求めておられると思いますから、よろしくお願いしたいと思います。
今回の、最大規模の想定でありますので、当然、もうこの津波が来たときに今の既存の防潮堤、これだけでは防ぎ切れません。いかにどう避難するか、逃げるかということも大事であります。
また、その震源の設定が若干内陸側に来ておりますから、当然もう地震があった直後に、早い到達時間で津波が押し寄せてくるということも考えられます。そうなると逃げ切れないということも考えられるし、三十メートルを超えていると、これは高知県でありますけれども、避難タワーに避難しても本当に安全かどうか、これも担保が取れないという状況でありますね。
そういう意味も含めて、今後はそういう自治体、高台への集団移転というのも具体的に検討に入ってくるだろうと思いますから、そういう意味では、是非国としても支援をしていただきたいというふうに思っております。
それから、先ほど五つの地震ということをシミュレーションを描かれたということであります。これは東海、東南海、南海という大きくもう三つの地震を、当然これはそれぞれに特措法という立法措置というのもあるわけでありますが、これもうばらばらではやっぱり良くないんじゃないかなとこれは思っております。恐らく大臣もそのように考えておられると思うんですけれども、今後は、その立法措置も含めて統一化といいますか、そういう部分も是非前向きに考えていただきたいと思いますが、これ、いかがでございましょう。
○国務大臣(中川正春君) これまでの前提では、東海地震の場合はある程度予知ができる、予知をして、それがされたときに緊急事態を想定してどのように全体を動かすかという、そういう想定で東海地震というのはなされている。だから、その予知ができない東南海とか南海とは違った性質の法律になっているわけです。
そういうことも踏まえて、新たにこうして連動という形でそれぞれ出てきたわけでありますので、特に災害対策、どのように地域がそれに対して備えていくかというようなことを前提にして、できる限り分かりやすく一本化をしていくということが望ましいんだろうというふうに思います。だから、予知ということとうまく整合性を持たせながら対応していきたい、考えていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 東海、予知できる、しやすいということであります。
次に、首都直下型地震に対しての質問に入らせていただきます。朝から物騒な話、続けておりますが、国家の危機管理でございますから、よろしくお願いいたしたいと思います。
文部科学省の研究グループが三月三十日に公表した首都直下型の東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の予測震度、最近判明した首都圏の地下構造で、発生領域の深さが従来よりも約十キロメートル浅い位置にプレート境界があるとして計算をされております。したがって、従来は最大で震度六強と言われていたのが震度七に変更をされました。
震度六強と震度七でありますと、その被害の状況が随分これまた変わってきます。耐震性の低い鉄筋コンクリート建物、これ、多くは倒壊するんじゃないかというふうにも言われております。先日の参議院内閣委員会でも、実は私、それを想定して、衆議院、参議院及び国会図書館の耐震性について質問したばかりであります。
東京には、いわゆる立法、行政、司法という三権のみならず、金融、経済、情報、報道、外国の大使館、さらには皇室などが一極に集中しております。特に、この行政中枢機能を考え、首都直下地震の切迫性に鑑みれば、いかなる事態が発生した場合でも業務を停止しない、あるいは即座に復旧できる防災面での強化に加え、万が一停止した場合の首都中枢機能のバックアップの確保が必要であると考えております。東日本大震災の教訓を生かし、二度と想定外の言い訳をしないためにも、政府はバックアップ体制の整備に直ちに着手すべきと考えます。
そこで、前田国土交通大臣にお尋ねをいたします。
国交省が昨年暮れに設置した東京圏の首都機能のバックアップ検討会、この二次取りまとめ案が三月二十二日に示されました。今後のいわゆるこの首都圏、首都機能のバックアップの推進策について前田大臣の御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(前田武志君) 大久保委員にお答えいたします。
委員もう御指摘のとおり、この直下型、震度七ですか、というようなことになると、当然御指摘のような中枢機能が損なわれてそして機能しなくなるというおそれがあるわけですから、直ちにそのバックアップ体制が立ち上がって国家の緊急事態に対応できるということが重要な喫緊の課題であって、そのために、委員も御指摘のように、昨年末から検討会を立ち上げて、三月二十二日の第五回検討会での議論を踏まえて、バックアップ体制を構築するに当たり検討すべき基礎的な論点とその考え方を内容とする取りまとめ作業を行っているところであります。近日中にそれを発表する予定でございます。
もちろん、この検討作業というのは内閣官房や内閣府と連携して進めているわけでございます。行政中枢機能のバックアップ体制の構築は広く全府省庁にかかわる課題であり、その具体化に当たっては、検討会の取りまとめを踏まえつつ、政府全体として鋭意取り組んでいくべきと考えております。国交省としても積極的に更に取り組んでいくつもりでございます。
○大久保潔重君 国交省がこのような検討会、取りまとめをされたということは評価をされるべきことだと思います。その上で、今後、内閣官房あるいは内閣府なのか、全省庁的に連携をしてこのバックアップ体制というのの検討を前向きに進めていただきたいというふうに思っております。
実はこれは、民主党の首都中枢機能バックアップワーキングチームというのがございまして、そのワーキングチームも、つい先日、これは三月十二日の部門会議で発表されましたが、中間報告ということで発表をしました。内容は、かなり具体的な内容に踏み込んであります。これ、中川大臣、御覧になられましたでしょうか。
民主党のいわゆるこの首都中枢機能バックアップワーキングチームの取りまとめた中間報告について、防災担当大臣、どのように受け止めて、そしてその実現をどのように図っていこうと今考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) それぞれで非常に熱心に議論をしていただいて取りまとめをしていただいておること、感謝を申し上げたいというふうに思います。
政府全体としては、昨年の十月に、有識者による首都直下地震に係る首都中枢機能確保検討会というのをやりまして、これの報告書を取りまとめていただきました。その中で、いわゆる首都中枢機能維持のための政府全体としての業務継続計画、これを確立をしていくということ、それから被害想定シナリオの抜本的な見直しをするということ、それから脆弱点発見のための評価、検証の仕組みの確立をしていく、それから官民一体となった連携体制の強化、実践を想定とした訓練体系の整備、こういうことを総合的に煮詰めていかなければならないということであります。
この夏ごろをめどに、改めてトータルで、先ほど国交省の方で検討していただいたバックアップも含めて、あるいは民主党の方から出していただいた、あるいはまた様々な専門家の検討会から出していただいておりますものを総合的に議論しながら、ワーキンググループを設定をいたしまして、夏ごろをめどにこの首都中枢機能確保のための対策の中間報告を総合的に出していきたいというふうに思っております。
そんな中で、非常に具体的な提案をいただいたということ、検討項目の中の一つにしっかり位置付けながら議論をしていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 この民主党の首都中枢機能バックアップワーキングチームの中間報告では、バックアップ拠点の候補場所も、望ましいということで明記をされております。様々な要件というか理由を挙げて、候補場所にふさわしい、社会経済活動の要として様々な民間中枢機関、これは日銀である、もう日銀は既にその候補地として作業を進めておりますが、NHK、金融機関、大企業の本社、本店等、それから当然行政の機関といいますかそういうのも含めて、まず大阪に整備すべきではないかというふうなこの提案がなされております。
今日はパネルを準備することができませんでしたが、皆さんには資料を配付をさせていただいています。
東京と大阪、この東京の霞が関、大手町周辺と大阪のこの中心市街地の同じ面積の中にこれだけ重要な様々な機関があるということで比較をしておりますが、こういうバックアップ拠点を東京以外に移すと具体的に明記をされたことに対して中川大臣のコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 先ほど御指摘ありましたように、大阪については日本銀行やNHKあるいは大企業の本社、本店等が集積をしておりまして、また中央省庁の地方出先機関、これもあることなどから、東京圏外のバックアップ拠点の候補地の一つというふうになり得るものという御指摘、今後の検討に当たって十分に参考にしていきたいというふうに思っております。
いずれにしても、今回の中央防災会議の下のワーキンググループ、先ほど申し上げたように、その検討会で、全体のバックアップの在り方も含めて、あるいはそれが一拠点になるのか、あるいは複数になるのか、またどういう機能をそこで付与していったらいいのか等々含めて、政治のリーダーシップを発揮しながらしっかりとした方向性をまとめていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 一拠点に限らず複数の案も含めて、政治のリーダーシップということであります。その辺も含めて、今度はより具体的にバックアップ拠点としてこういう提案もなされております。現地災害対策本部となる場所を活用することも現実的な選択肢であるということであります。
私は個人的に、今既にこれは東京立川市にも防災センターありますが、何か心もとない感じがしております。本来、これは内閣府が急いでやるべき問題かなというふうにも思っておりまして、そういったところも含めて、いわゆる現実的な現地災害対策本部となる場所についての中川大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(中川正春君) 提案を具体的にいただきましたのは、大阪の合同庁舎第四号館ということだと思います。これは、東南海・南海地震や近畿圏における大規模地震の発生時の政府の現地の拠点として今の計画の中では位置付けられているということであります。中央防災無線設備の設置などによって非常時の通信手段の確保等が図れるということ、それから平成二十二年には国の地方出先機関の参集すべき要員を集めた研修などここで実施をしてきたという実績があります。
しかし、政府全体のバックアップということになると、こうした機能だけではなくて、さらに多方面で考えていかなければならない部分が多く出てくると、そういうことも前提になりますので、先ほど申し上げたように、政府全体としてのバックアップの在り方については他の地域における拠点の確保の必要性も含めて総合的に考えていきたい、そしてできるだけ早くそうした方向性と結論を得ていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 是非それをスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
まあいろいろなクリアすべき条件もありますが、全てパーフェクトにということはなかなか難しいと思います。それぞれ候補となる拠点となればメリット、デメリットが考えられますが、まずは場所を決めて、それにのっとって話を進めていくということも重要になってくるだろうと思いますし、当然、デメリットがあれば複数の拠点というのも考えるわけであります。
総理にお尋ねをいたします。この首都直下地震というのは、明日とも知らずいつ起こるか分かりません。そういう意味で、首都東京が仮に広域的に被災し首都中枢機能が機能不全に陥った場合というのは、これはもう国家の存亡にかかわる問題であります。このいわゆる首都機能バックアップ体制を、一例として大阪挙げさせていただきましたけれども、首都圏以外の場所で早急に構築すべきと思います。総理の御見解をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
首都中枢機能のバックアップの体制については、第三次補正予算で調査費を計上させていただき、内閣官房でも検討していただいていますし、先ほど前田大臣もお話をされたとおり、国交省の中での検討も進んでおります。また、中川大臣が御説明したとおり、この夏までに一定の方向性を出すような議論もさせていただいておりますが、政府を挙げてこのバックアップ機能をどうするかについての検討を鋭意進めているところでございます。党からの御提言もございました。バックアップの候補地なども含めまして、多角的な検討を深めていきたいというふうに考えております。
○大久保潔重君 今後の国としてのスケジュール感というのも御説明もいただきましたし、ただ、総理に申し上げたいのは、やはりもうある程度場所を特定してそしてその方向で進めていく。民主党の提案にも六つの理由がありましたけれども、全ては網羅できないと思うんですね。
仮に大阪、いろんな意味での条件はそろっています。先ほど言いましたような、中枢機関がある、府省の地方部局がある、交通網も発達している、それから大きな既存の施設もある、システムエンジニア等高度な専門性を持っている人材も確保できる、いろいろあります。しかし、この自然災害の蓋然性というのは決して低くないわけであります。関東が首都直下型が起こると同時に、近畿圏だってそれは十分起こり得るわけですから、そういう意味での複数拠点というのは当然これは検討していかなければいけませんし、より具体的に場所をもう特定して話を進めていかなければかなりスピード感を持てないんじゃないのかなと、このように考えております。
実は、この副首都建設構想、石井予算委員長が以前提案をして、これ党派を超えて、また各界からも賛同を得ていると聞き及んでおります。是非引き続き、この大きな副首都構想、これを推進していくとともに、当面切迫する非常事態に備え、東京圏以外でのバックアップ体制構築、これをお願いしたいと思いますが、いま一度総理の発言をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 候補地についてはいろんな御意見があると思うんです。その候補地の問題とかコストの問題とか実現可能性なども含めまして多角的な検討を更に進めていきたいというふうに思います。
○大久保潔重君 先ほどの答弁でも政治的な判断も含めてということがありましたので、是非そこは強いリーダーシップでもってとにかく話を先に進めていただくということでお願いをしたいと思います。
次に、東京電力福島第一原発に質問を移します。
あの福島第一原発の事故から一年余りが経過をいたしました。昨年十二月に野田総理から事故の収束宣言らしきものが出されましたけれども、これは単に原子炉の冷温停止状態のステップツー、これが達成されただけなのかなという感想を持っておりまして、国内外に疑念を与え国民の不信を高めたことは、私が総理に申し上げるのは大変おこがましいんでありますけれども、猛省すべきことではないかなというふうに思っております。
事故原因についても、現在、国会や政府の事故調査委員会で調査をされており、これ、初動の政府の対応、あるいは全交流電源喪失の原因も新たな事実が分かりつつあります。本当に現在のサイト内の状況が冷温で安定しているのか、タンクに貯蔵されている十二万トンを超える汚染水の問題、格納容器のいわゆる破損の問題、建屋間の止水の処置、建屋から流れ込む地下水への対応、さらには、これは、四号機の燃料プールには多くの使用済燃料があります。この次のステップでの安全確保と早期の取り出し、先ほどまた東海の地震の話もさせていただきましたけれども、いわゆるアウターライズ地震による巨大津波による二次的な被害の懸念、敷地内の除染や水素爆発で飛散した瓦れきの回収と処理、作業員の安全確保とともに福島県民の長期にわたる健康管理と生活再建支援、賠償問題など、課題は山積みであります。そういう中で、最終的な事故の収束、廃炉までに要する期間は極めて長期にわたります。
世界でも前例のないこの福島第一原発、この事故の収束に向けた、事業の遂行に向けた総理の御認識と決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東京電力福島第一原発の廃炉に向けた取組は、昨年の十二月に決定した中長期のロードマップに従いまして政府と東京電力が一体となって取り組んでいかなければいけないというふうに思いますが、大久保委員御指摘のとおりに、廃炉に至るまでというのは大変長い期間を要するというふうに思いますので、そのロードマップ自体も継続的に見直しをしていかなければいけないというふうに考えておりまして、特に仮設設備を恒久的設備に更新していくことなど信頼性向上対策についても、速やかに中長期ロードマップを改訂し、的確に進捗管理を行う旨、三月三十日の原災本部において報告を受けております。
また、廃炉に向けた取組は、多くの作業がこれまで経験をしたことのないような技術的な困難性を伴うということから、産業界やあるいは研究機関の協力も得つつ、国内外の英知を結集して進めることとしており、既に原子炉内からの燃料デブリの取り出し準備、放射性廃棄物処理、処分などに係る研究開発プロジェクトについて平成二十三年度補正予算で開始をしたところでございます。
今後とも、中長期ロードマップに沿って、発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○大久保潔重君 本当にこの福島第一原発、これが収束しないと福島の再生というのはあり得ないと思っています。これこそまさに、総理を始め、我々も含めて命懸けで取り組むべき問題だと思います。本当に、専門でない私が考えただけでもこれだけ課題があるわけでありますから、大変な作業だとは思います。
細野大臣も手を挙げられたので、是非今私が申した今後の課題についての対応についてお聞かせいただければ幸いです。
○国務大臣(細野豪志君) 今総理からも御答弁ありましたけれども、廃炉に向かってはまだまだ課題が極めて、もう本当にたくさんあるというふうに思っております。
先ほど大久保委員が、例えば水の問題であるとかデブリの問題であるとか、あと瓦れきの問題であるとか、そういったことを御指摘をされました。また、そうした作業をするときに、作業員の皆さんの環境をしっかりと維持をして守っていくということも極めて重要であるというふうに思っております。
そうした課題一つ一つを克服するためには、これは東京電力に任せておくということはできませんので、政府としてもしっかりと体制をつくってこの廃炉に向かったプロセスをやり抜く覚悟が必要であると、まさに政治家が命を懸けるべきテーマだというふうに思っております。
大変今いろいろ御配慮をいただいた上で御発言をいただきましたが、若干政府の立場を改めて説明をさせていただきますと、廃炉に向かっては様々なトラブルがあり得ますので、それをとにかく減らして確実にやる作業が必要であると。一方で、事故そのものをどう考えるかということに関しては、冷却機能を多重化をいたしましたので、再び冷却ができなくなって皆さんに避難をしていただくという事態はこれは解消したということで、事故そのものについての収束を皆さんに御報告をしたということでございます。
したがって、サイトの中でもう一回そういう本当に深刻な事態になることはないというふうに評価をしておりますが、一方で課題は山積をしておりますので、それは直視をした上で政府としてしっかりと対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○大久保潔重君 昨年のちょうど七月七日にも、同じくこの予算委員会で私も質問をさせていただきました。当時はまだステップツー達成しておりませんでしたので、とにかく原子炉の火種を冷却するということで冷却水を掛けてかなり汚染水がたまっている、汚染水の処理を是非、外国産ではなくて国産の技術を生かしてやっていただきたいということで、細野大臣からも非常に心強い答弁をいただいたわけであります。やはり国産のメーカーのいわゆる汚染水処理で格段に効率が上がったということでありますし、是非それは進めていただきたいと思います。
それから、瓦れきも、放射性物質にいわゆる汚染されていない瓦れきの処理というのも、大臣、総理始め政府の皆さん方が随分動き出して、これは全国の自治体にもお願いをしたりして進めていく。そうはいっても、なかなか自治体の受入れというのも非常に、これ、いろんな事情がある地域もございますし、また、その余力が、これは瓦れきの処理の余力がそもそも少ないという地域もございますので、その中でいわゆる放射性物質に汚染されていないと言われている宮城、岩手の瓦れきの処理も、これはもう私も個人的に提案をさせていただいておりました。民間の、いわゆるセメント、製紙会社等々の民間の力を是非活用してやっていただきたいということで提案をさせていただいて、そのように少しずつ進んでいるということを非常に感謝を申し上げたいと思います。
それで、放射性物質に汚染されている瓦れき、これもこれからどう対応していくか。これとてやはりその除染が必要になってきます。その除染をしてやはり一キロ当たりのベクレルが抑えられれば、これは普通の瓦れきとしての処理もできるのかなという気がいたしておりますから、その除染の作業も含めて、是非内外の英知を集めて取り組んでいただきたいというふうに思います。民主党の原発事故収束対策PTの二次報告も、つい先日、三月二十七日に出ておりますから、是非そこも踏まえた取組をお願いしたいと思います。
原発の安全規制と再稼働についてお尋ねしたいと思います。
先日、原子力安全委員会において、関西電力大飯原発三、四号機の一次評価のストレステストが問題ないとする確認結果を決定したという報道がなされました。しかし、今日の新聞では、それに対しての国民の多くの皆さんが非常な不安を抱えているという報道もなされております。
さっきちょっと触れました、私は昨年七月の予算委員会において、九州電力玄海原発の再稼働の問題で、ちょうど菅総理がストレステストを再稼働の条件としたのを受け質問をしたという経緯がございます。しかしながら、政府内でこの間、ストレステストの基準、再稼働の際の取扱いが十分に検討されているかが、私たちを含め国民の皆さんに対し十分に理解が得られたとは言い難い状況にあると思います。
今後、原子力安全規制の新体制を構築する中で、事故の検証を踏まえてどのように対策を講じていくのか、また、国民に対してどのように理解を得ようとするのか、細野大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(細野豪志君) 原子力安全規制の体制というものについては、やはり国民の信頼を今失墜をしておるところでございますので、できるだけ早くこれを新しくしていきたいと思っております。
そのやはり第一の目的は、原子力を推進をする、エネルギーを供給する立場と規制を分けるということでございます。今、枝野大臣がその両方をやっておりまして、非常に難しい立場でやられている。安全をまず最優先でということでやっているわけですが、それでも供給についても責任を持つ大臣が規制をやり続けることは、これは国民に対してもやはり世界に対しても、私はいろんな、それこそあらぬ疑念を招きかねないというふうに思います。それが第一でございます。そういう考え方の下で原子力組織制度改革法案を今国会に提出をさせていただいておりまして、その中で放射線から人と環境を守る安全規制の制度と防災体制をできるだけ早くつくりたいというふうに考えているところでございます。
そこで、国民に対してということでございますが、事故の検証が国会の事故調査委員会を含めて精力的に行われております。したがって、そこで出てくる様々な知見というものは、それをその時々にしっかりと反映をしていくことは必要であるというふうに思っております。したがって、まずは推進サイドからはっきり分けた形での規制機関を立ち上げさせていただいて、その中で順次組織をしっかりと強化をし、さらには規制を強くしていくという形での国民の理解というものを得ていきたいというふうに考えているところでございます。
○大久保潔重君 それでは、枝野経済産業大臣に続けてお尋ねしたいと思います。
今、細野大臣も触れられましたけれども、原子力組織制度改革法案、これの審議が遅れておりまして、成立がまだできていない状況であります。本来、四月から原子力規制庁発足という予定がございましたけれども、大きくずれ込むことになりました。当面は、ですから、現行の保安院、安全委員会が存続をしながら、過渡的にこの原子力規制、安全確保についての作業が進めていかれるというふうに思っております。
過渡期であっても、原子力の安全確保について空白時間があってはならないと思います。当面の原発の安全規制、それから、今後原子力規制庁が発足したとして、現にある原発の再稼働あるいは将来のエネルギー問題について政府としてどう道筋を付けておられるのかも含めて、枝野大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、原子力施設の安全の問題は空白が許されない問題でございます。何度も申し上げておりますが、稼働していない原発だからといって安全なわけではありません。そこには、つい先日まで稼働していた燃料棒等があれば、冷却が止まればいずれメルトダウンに至るという状況であるのは止まっている原発でも同様でございます。
したがいまして、規制庁が四月一日発足に間に合いませんでしたので、保安院において、これは昨年の原発事故を防げなかった、あるいはその後の対応等に対して国民の皆さんから大変な御批判をいただいている、そのことの自覚を十分にしながら、したがって、より気を引き締めて安全対策に当たってきているところでございますが、これについては規制庁発足までしっかりと取り組んでいくように改めて指示をしたところでございますし、私もその所管大臣としてそうした気持ちでやってまいりたいと思っております。
○大久保潔重君 民主党のPTでも指摘をしております。例えば一つ、地元、先ほど国民の御理解ということで、地元の御理解、その地元の定義すらはっきりしていないわけであります。
私の地元、九州電力の玄海原発というのは実は佐賀県でありますが、もういわゆる過去のEPZ、五キロ、八キロ圏内に実は長崎県の松浦市、もっと広げて三十キロ圏内には壱岐市、平戸市、佐世保市といったところもあるんですけれども、どうしても行政区が違うものですから、いろんな意味での蚊帳の外にされてきたというような感が否めません。そういう意味で、国民の皆さんに対する説明、理解、地元に対する対応というのも、そこら辺りもきちっと丁寧にやっていただく必要があろうかなというふうに考えております。
最後に、もう時間もありませんので、エネルギー基本計画についてここでお尋ねいたします。
私は、ちょうど二年前の六月に、これ地球温暖化対策基本法案について参議院の本会議で質問をいたしました。これは一旦廃案になりました。その後、再提出されましたけれども、以降、全く国会審議がなされていないという状況であります。この法案に関しては、各党、各業界の様々な意見があり、温暖化対策への対応や排出量削減目標の取扱いなど、なかなか意見がまとまらない状況であります。
さらに、昨年十二月のCOP17では、我が国は二〇一三年度から京都議定書第二約束期間に参加しないということを表明をしております。
従来は、この温室効果ガス排出削減の道筋を決めるに当たって、二酸化炭素を排出しないということで原発の活用というのを重要な要素としてこの法案あるいは現在のエネルギー基本計画の中にうたわれておりますが、昨年の三・一一東日本大震災後、劇的に状況が変化をいたしました。是非、今後の原発、再生可能エネルギーの取扱い、さらには京都議定書第二約束期間に入る二〇一三年以降の問題も含めて、この温暖化対策と多種多様なエネルギーの将来、方向性について環境省内で検討されている状況についてお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(細野豪志君) 大久保委員には、温暖化の問題についてこれまでも非常に前向きな提案を度々いただいておりまして、心より感謝を申し上げます。
御指摘の二〇一三年以降の地球温暖化対策につきましては、これはエネルギー問題とやはり表裏一体でございますので、エネルギー・環境会議の場におきまして春ごろには選択肢を提示をし、そして国民的な議論を得て今年の夏ごろには決定をするという方針を持っているところでございます。
環境省では、エネルギー・環境会議の基本方針に基づきまして、中央環境審議会地球環境部会と、その部会の下に設けました二〇一三年以降の対策・施策に関する検討小委員会において、地球温暖化対策の選択肢の原案を現在検討しているところでございます。
その中で、非常に重要なテーマでございます自動車、住宅・建築物、産業、エネルギー供給といった分野ごとに、一層の省エネルギーの推進であるとか再生可能エネルギーの拡大、分散型エネルギーシステムへの転換などの検討を行っておりまして、それらの結果を既に対策の強度に応じて三段階に整理をしております。春ごろと申し上げました春がもう来ておりますので、その整理をしたものに基づいて、そろそろやはり選択肢についても提示をしていかなければならない時期であると考えております。環境省としては三段階ということで申し上げましたが、できるだけレベルの高いものをしっかりと提示をすることが重要だというふうに考えているところでございます。
その一方で、原子力についてはやはり考え方を転換をしていかなければなりませんので、これまでのように原子力に頼った温暖化対策ということではなくて、これは資源エネルギー庁の方ともしっかりと、会議とも連携をしながらレベルを下げていくと、その中でも温暖化の問題どう対応するのかという選択肢をできるだけ早い段階で国民にお示しをしたいというふうに考えているところでございます。
○大久保潔重君 是非、いろんなスケジュールがずれ込んでいるような状況でございますから、しっかりとそれは取り組んでいただいて、早くにその方向性を国民の皆さんにお示ししていただければ幸いでございます。
私はこれで質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で大久保潔重君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(石井一君) 次に、末松信介君の質疑を行います。末松信介君。
○末松信介君 自由民主党の末松信介でございます。今日は、大変限られた時間でございますので、早速質問に移りたいと存じます。
私は、首都直下型地震と東南海地震対策についてお伺いをいたします。
去る一月の三十日、総理の所信に対する代表質問をいたしました。若干納得のいかない答弁でございましたので、今日、御無理を申し上げまして時間をちょうだいしたわけであります。
私、思い出しますのは、実は阪神・淡路大震災が起こる前年、平成六年の七月でありますけれども、地球から数億キロ離れた木星にあるすい星が衝突をいたしました。シューメーカー・レヴィ第九すい星というんです。ある学者は、きちっとそのすい星が木星に当たる日時、もう何時何分まで正確に当てることができたんです。しかし、私たちが今立っているこの地下の岩盤がいつ崩れて地震を引き起こすことになるかということは実は分からなかったと。同じ科学でもえらい矛盾があるなという、そういう思いをいたしたことがございます。
東大の地震研究所が、四年以内に七〇%の確率で震度七の地震が起こるという、そういう予測を立てておられます。最近では三十年で七〇%という話も出ておりますけれども。
この発表、昨年九月だと思うんですけれども、総理、聞かれまして、どのように受け止められているかということ、それとどういう対策を御指示なさっておられるかということ、このことをまずお聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 委員御指摘のとおり、宇宙のいろんなことが解明されつつある中、我々が住んでいる地球の息遣いがまだよく解明できていないということは全くそのとおりだというふうに思います。その中で、今御指摘のように、政府の地震調査研究推進本部は今後三十年以内の南関東におけるマグニチュード七程度の地震発生確率を七〇%と推定をいたしました。これ、三十年以内と言いましたけれども、あした起こってもおかしくない、今起こってもおかしくないということだというふうに思います。
このような切迫性が高いとされる首都直下地震については、中央防災会議におきまして平成十七年に首都直下地震対策大綱を策定するなど、これまでも対策は進めてきているんですけれども、しかし、今般の東日本大震災の教訓も踏まえて、従前の想定をはるかに超える巨大地震にも耐え得る防災対策が必要との考え方の下で、首都直下地震についても、被害想定の見直し、首都中枢機能の継続性の確保、帰宅困難者対策などの対策を強化することとしております。
また、首都直下地震対策を含め幅広い防災対策の充実強化を図るため、中央防災会議の下に防災対策推進検討会議を設置をし、防災対策に係る法制度や災害対応、体制の在り方などについて検討を進めているところでございます。
こうした検討を経て、今年夏ごろを目途に首都中枢機能確保のための当面の対策などを取りまとめることとしており、その上で来年の春ごろを目途として新たな首都直下地震対策の全体像を取りまとめ、迅速に防災対策の充実強化を図ってまいる所存でございます。
○末松信介君 総理は今、来年の春ごろと言われたんですよね。地震は明日あるかもしれないんですよね。民主党政権の速度でやってくるわけじゃないんですよ。
じゃ、一つ、通告していませんけれどもお聞きをしたいんですけれども、昨年の三月十一日、ここ決算委員会中に大地震が起きました。東北で多くの方が亡くなられました。もしこの建物が壊れたら、国会はどこで召集するんですか。
○委員長(石井一君) 中川防災大臣。
○末松信介君 できたら総理から……(発言する者あり)
○国務大臣(中川正春君) 私が担当なんです、はい、防災の。
それぞれの危機対応という前提の中で想定をしているんですが、官邸機能あるいは国会についても、ここが倒れた場合、これは市ケ谷の防衛省の中にある対策室といいますか、そうした本部機能を可能にする施設として指定をしてあります。それから、それが倒れた場合には立川にそういうことを想定をしてということで、まあ順番にあるんですけれども、恐らく国会自体もそういう中で、同じような形で想定をしていくということになると思います。(発言する者あり)
○末松信介君 今、中川大臣から御答弁をいただきましたけれども、市ケ谷にしても立川のバックアップ基地にしましても、これは政府の想定であります。確かに、国会の、この国会議事堂が倒れたら、国会で決めておかなければならないことかもしれないんですよ、これ。
もう一度ちょっと、総理から御答弁ください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) さっきの中川大臣のお答えは政府だと思います。
国会は、これは東京で召集をしていますので、その場所をどうするか、これはなくなった場合には、やっぱり国会の中で御判断いただくことではないかというふうに思います。恐らく、東京で召集ですから、東京の中でどこかということの検討を国会でされるのではないかなというふうに思います。
○末松信介君 今、野田総理からお話がありましたけど、それほど首都東京、この首都圏が破壊された場合、それに代わる体制というのが整っていないこれ証拠ですよ、きちっと答弁できないということは。
今、危機管理都市推進議員連盟の会長はどなたですか。御存じですか。超党派の国会の危機管理都市推進議員連盟の会長の名前、言ってください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 石井一委員長でございます。
○末松信介君 予算委員長が最も注目している今日の質疑ですよ。きちっとやっぱり準備されて、頭の中を整理して御答弁をいただきたいと、私はそのように思っております。
それで、今回発表されました首都直下型地震、歴史が間違いなく語るように、いつか必ず起こるわけなんですよね。福島の原発事故は、識者の方、一部の方はこれは危ないという警告を何度も発せられましたけれども、結局、その対応をまさか起こるまいと怠ったために、実は起きてしまったわけであります。
このような心配から、一月の三十日に私は代表質問で、この首都直下型地震が起きた場合のバックアップ体制についてお尋ねをしました。でも、総理の答弁を自席で聞いていたんです。私の周辺の議員もみんな驚いたんですよ、余りにも緊迫感がない。誰が考えたって、それ官僚の方が書かれた答弁ですよ。その後、民主党の姫井さんや公明党の横山さんや、皆さん同じ質問をされましたけれども、必ずコスト、実現可能性、検討と、この三つばっかりなんですよ。
私が一月三十日に質問して、それから二か月たっても同じなんです。三か月、四か月たって尋ねても同じ答弁をされますよ。
私は、総理に申し上げたいことは、政治主導でしょう。少なくとも自分の言葉で、副首都をつくるとか、最低限バックアップ都市は大阪に持っていくんだという、そのことぐらいは私は総理大臣の意思で決めるべきだと思うんですよ。検討会とか懇話会とか審議会というのは、これは全部隠れみのですよ、隠れみの。責任を転嫁するためにつくられたものですからね。政治の意思が必要なんです。総理のお考えをもう一度お尋ねします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 首都中枢機能のバックアップをどう図っていくかと、その問題意識は持っておりますので、だから第三次補正予算で調査費を付けて、そして検討するようにしているわけでございます。内閣官房でも検討しているし、国交省の中でも前田大臣の下で御検討いただいております。そして、防災対策推進会議の下にこれは一つのワーキングチームをつくって、これは夏ごろまでに方向性を出すことになっておりますので。
そういう検討をしっかり幅広くやっていただきながら、それを踏まえて対応するということは、別にこれ私が、こういう話じゃなくて、様々な御意見があります、幅広い観点が必要でございますので、そういうものを踏まえて対応さしていただきたいというふうに思います。決して後ろ向きではございませんで、こういう審議会等をつくるのは一つの手法でございます。そこは御理解いただきたいというふうに思います。
○末松信介君 総理のお話も理解はできるんですね。でも、この夏までとか来年の春までとか。だから、私が申し上げたいのは、今すぐできることは何かということですね。じゃ、明日あるいはあさって起きた場合に、できることは一体何であったかということは必ず問われると思うんですよ。だから、総理の言われる速度で地震は来ませんよと、それは中長期的におかれて、まず、大阪の合同庁舎の四号館ですか、今日お話がありましたけれども、資機材を入れてバックアップができる機能体制というものを取られるべきじゃないか。そんなに私は大きな費用が掛かると思えないんですよね。石井委員長だって、今うなずいておられますよ、これ。いや、本当、そうですよ、私はそう思うんです。
もう一度総理の御答弁を求めます。私、間違ったこと言っていると思えないんです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、別に後ろ向きではないんですよ。やらなければいけないというふうに思っております。一定の時期にはもう結論を出さなければいけないと思いますけれども、例えば、前、この国会の中で首都移転のための委員会がありました。そのときも三つぐらい候補地があった中で、慎重な検討が行われた中で、途中でなくなったんですね。
これ候補地の問題は、一つの御意見はあると思いますけれども、様々な御意見ございます。そういうものを含めての検討を進めて、一定の時期には結論を出さなければいけないというふうに思います。
○末松信介君 それでは、首都直下型地震がどれほど恐ろしいものであるかということを過去の歴史からして、今、山本一太先生にちょっと提示いただいたんですけれども、これを御覧いただきたいんです。(資料提示)
これは太平洋戦争と、もう一つは過去の地震による被害を見たものです。実は太平洋戦争、これ、関東大震災は貨幣価値が違いがありますので、このことは念頭に置いていただきたいと思うんです。日本のストック、資産を一〇〇とした場合に、第二次世界大戦では国の二五%の資産が失われた、破壊されてしまったんです。関東大震災は幾らかといったら、国の資産を一〇〇とした場合に九%が破壊されてしまったんです。阪神・淡路大震災、どれほど大きいものだと私も思ったんです、経験者として。でも、〇・九%であったんです。今回の東日本大震災というのはどれだけといいましたら、国全体の資産を一〇〇とした場合には一・四から二・二なんです。
この隣はGDPに対しての毀損率です。戦前はやはり日本の経済、まだまだ弱かったんですね。実に日本のGDPの一〇〇%近い八六%もこれ失われたということです。阪神・淡路と東日本では二%、三から五%ですから、必ず日本は復興は私はできると思うんです。我慢すればできるというのは数字上明らかなわけなんです。
これを見て、総理どう思われます。関東大震災は九%壊れるんですよ。だから、東日本大震災、大勢の方が苦しんでおられます、亡くなられました。阪神・淡路大震災も同じです。でも、そのもう十倍からの大きな影響を受けるんです、被害を受けるんですよ。だから明日起こってもいいように考えてほしいと言うんですけれども、春だ夏だというスケジュール感でもっておっしゃっておられる。総理、このストック毀損額、表を出しましたけれども、これを見てどのように思われますか、お答えください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大変分かりやすい資料をお示しいただきましてありがとうございました。東日本大震災、資本ストックの毀損額、それからいわゆる全体に占める比率等々、大きな被害でありますけれども、大きな被害でありますけれども、本当にみんなで頑張れば、復興復旧、これはしっかり対応できる、そういう思いの下でやっていかなければいけないなというふうに思いました。(発言する者あり)
○末松信介君 西田さんがおっしゃったように、首都直下型を見た場合に、ほっておけない大きな話なんですよ。これを見て、特に首都直下型地震については被害が余りにも大きなものが想定されますので、どうされますかということ。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、あした起こったときにおいては、平成十七年に作ったときの対応策でこれはやるしかないと思います。ただ、東日本大震災の教訓を踏まえての対応は、今様々なレベルで検討を進めているものもございます。ということで対応をするということでございます。
○末松信介君 じゃ、ちょっとバックアップ体制の話、少し戻しますけれども、時間なくなってまいりましたので。
これ、国土交通省、東京圏の中枢機能のバックアップに関する検討会、二次とりまとめ、三月二十三日に出たものです、出されたものです。バックアップ体制が機能を発揮するためには、その場所は東京圏と同時に被災する可能性が低いことが不可欠であると。同時に被災の可能性については特定の要因を想定しないと具体的な検討ができないが、現実的な判断要素としては、東日本大震災のように、広域巨大地震や津波、さらには原発事故との複合といった事態を想定する必要があると。まずは東京圏と同時被災の可能性が低いこととなっていますので、もう既に立川とかいった話じゃないんですよ。立川もやられるかもしれぬという前提で考えてほしいということを言ったんですけれども。
私は、大阪のこのバックアップ機能を持たせるということについては、ここで明確に御答弁をいただいた方がいいと思うんです。それから、今後は副首都構想とかいうのが進んでいくと思うんですけれども。総理、ちょっとお考えを述べてください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、ですから、夏ごろまでに検討結果を出すということになっているわけですので、その検討会をやっているときに私が今方向性を出すというのは妥当ではないと思います。
○末松信介君 ならば、結局、検討会が決まったことは参考にされるというよりも、検討会で決まったことをお守りになっていかれるというように考えさせていただいてよろしいんですか。政治家としての意思はないんですね。全て審議会、検討会、懇話会といった方針が政府の意思なんですね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大事な観点だと思いますが、丁寧な議論も必要だと思うんです。その議論を踏まえて夏ごろまでに打ち出すということでございますので、そのとき出てきたものについては、それを真摯に受け止めて対応していきたいというふうに思います。
○末松信介君 もう質問時間が二分となりました。今日は二十分しか時間をいただけませんでしたので突っ込んだ議論はできないんですけれども、とにかく日本の危機に対する管理というのは私はやっぱり甘いと思っています。
最後に、この質問で締めくくりたいと思います。
緊急時、総理の職務継承順位についてお尋ねをいたします。総理が職務を果たせなくなったときに職務継承順位はどうなっていますか。手際よく御答弁願います。
○国務大臣(藤村修君) 順位が決められておりまして、総理の次に第二順位というんでしょうか……(発言する者あり)第一順位というんでしょうか、副総理、岡田副総理です。それから、第三順位が……(発言する者あり)第二順位が私、官房長官であります。第四、五、六と……(発言する者あり)三、四、五と、その他、閣僚で今順位を決めております。
○末松信介君 そうですね。私もちょっと調べさせていただいて、まあ御答弁をいただきたかったんですけれども、一番目は岡田副総理、二番目、藤村官房長官、三番目は農林水産大臣ですね、鹿野さんですね、四番目に川端総務大臣ですね、五番目が田中防衛大臣と。
アメリカでは、法律によってその順位は公職で十八番目まで決められているんです。日本は内閣法によって、内閣法九条によってできるとなっているんですね。承継者を決めることができるとなっているだけなんですよね。
私は、三・一一のこととか、いろいろなことが今後、国際的な危機も起きるかもしれません。法律でもってきちっと順番を、もっときちっとした人数で私は順位を決めていくべきだと思うんですけれども、総理の答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一つの御見解だとは思います。ただ、全部で五人、順番付けている人も全て例えば職務できないような状況のときには、残った国務大臣で順位を付けるというルールもありますし、全部国務大臣がいなくなるような状況の中では、国会で早急に首班指名してつくるという一応ルールにはなっております。
○末松信介君 最後に申し上げます。
阪神・淡路大震災と東日本大震災から得た教訓というのは、一つは想定外という言い訳はできません、二つ目は、仮定の質問に答えられないという、かつて吉田茂さんが言いましたけれども、災害対策については仮定の質問に答えられないということはないということ、このことを申し上げて質問を終わります。
ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で末松信介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(石井一君) この際、竹谷とし子さんの関連質疑を許します。竹谷さん。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
東日本大震災から一年が過ぎました。先日の予算委員会で被災者生活再建支援金の件を指摘させていただきました。それは、お二人暮らしだった方が、一人は住民票を移動していなかったため単身扱いとなり七十五万円を受領、後日、二人暮らしということが証明でき、改めて複数世帯として百万円を申請されました。差額の二十五万円を心待ちにされていましたが、役所から届いたのは、まず支給済みの七十五万円を返還せよとの書面でした。そこには、期日までに返還しなければ年一〇%以上の遅延金を付すとの文言まで記載されていました。
行政の配慮ない対応で被災された方の心がくじかれる、こんな例は少なくありません。しかし、予算委員会で取り上げさせていただき、その場におられた財務大臣が力添えくださり、差額分を支給する制度にすぐに変更することができました。また、既に請求書を送付されていた方には返還する必要がないとの連絡を個別にしていただくことを約束していただきました。
公明党は、復興の理念に人間の復興を掲げています。それは、建物や道路、橋ができ、町が再建しても、そこで暮らしておられる皆様が安心して生活ができる、そして将来に夢と希望を持てるようになってこそ真の復興と言えるからです。そのために、国会議員自ら被災地に飛び込み、被災された方々に寄り添い、皆様の心の支えとなって働き続けていきたいと決意をしています。
今被災地に通わせていただく中で、被災された方々の御経験からたくさんのことを学ばせていただいています。その中で最も痛感をしていること、それは自助、共助、公助の力をフルに発揮して、マグニチュード七・三、最大震度七とも想定される首都直下地震や東海、東南海、南海の三連動地震に備えなければならないということです。そこで、本日はその視点から質問をさせていただきます。
公明党では、今から備えることの大切さを多くの皆様にお伝えする活動を精力的に行っています。パネルを御覧ください。(資料提示)これは防災力チェックシートです。例えば、地震で停電になったら復旧までに何日掛かるか御存じでしょうか。東京では復旧目標は六日です。水道はどうでしょうか。復旧まで三十日がめどとなっています。総理は、御自宅から一番近い給水拠点はどこにあるかすぐにお答えになることはできますか。これは答弁は結構です。知らないというのが多くの方で、私も最近知りました。そういった、いざというときに知っておいていただきたいことをまとめた防災力チェックシートを今東京を中心に配布させていただいています。
次のパネルを御覧ください。これはポケット防災ハンドブックです。折り畳めば財布に入るサイズになります。皆様は、奥様や御主人、お子さんなどの連絡先がすぐに分かりますでしょうか。携帯の電池がなくなると身近な方の連絡先すら分からない人は少なくありません。私も家族の携帯電話番号を思い出せませんでした。ここに災害時緊急連絡先、これを記入しておけば安心です。それらの情報とともに、震災直後にすること、当日にすることなどをまとめています。おかげさまで、チェックシートをやってみると知らないことがたくさんありましたとか、百円ショップで必要なものをそろえましたなど、使える防災グッズとして喜んでいただいています。
自助が個人の防災力だとすれば、共助は地域の防災力です。この共助の取組も同時に進める必要があります。
仙台のNPOの方が、女性の視点から今回の震災の避難生活や復興に向けての取組について調査をされました。多くの自治体で女性への配慮がなく、御苦労された実態が明らかになっています。しかし他方で、東松島市などでは、避難所の間仕切りや女性用の更衣室などが避難直後から設置されるなど、比較的配慮がなされていたという調査結果が出ています。伺ってみると、東松島市では、これまでの大災害で活動してきたみやぎ災害救援ボランティア主催の泊まりがけのワークショップに参加した我が党の議員の提案で災害に備え取り組んできていたということでした。当然、この大災害で様々問題は発生し続けましたが、自治体やボランティアの応援を受け入れる体制も比較的混乱が少なく進んでいました。
東日本大震災から一年が過ぎた今、全国の市区町村で防災訓練が実施されていますが、そのやり方、内容は様々で、行政と一部の方々だけで行われているケースも少なくありません。実際に避難所となる学校に地域の方が集まって、防災訓練、ワークショップを実施すれば、体育館の広さはどれくらいか、トイレはどこにあるか、体育館以外の避難所として使える教室はどれか、備蓄品は何がどれだけあるか、何が足りないかなど、具体的なことが分かり、知恵を出し合うことができます。
先日閣議決定された平成二十四年度総合防災訓練大綱には、地域の実情に合わせた効果的な防災訓練を実施するように求められ、学校等において地域住民と一体的に取り組む訓練を推進することが明記されていますが、単に盛り込んだだけでは不十分です。宿泊を伴う防災訓練を実施したり、高齢者、障害者など支援が必要な方々の視点で実際の避難所となる場所を点検してみるなど、市区町村が新しい形でより効果的な防災訓練やワークショップが実施できるように国が具体的な防災訓練のモデルケースやマニュアルを早急に作成すべきと考えますが、防災担当大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) 非常にきめの細かい大事な視点を御示唆をいただいたということで感謝を申し上げたいというふうに思います。
先ほど、御指摘のように、二十四年度の総合防災訓練大綱、これを二十九日に、先週の、発表いたしまして、この訓練を通じて、それぞれ自助、共助が実際に何をなすべきかということが一人一人しっかりと考えていけるそういう機会、それと同時に、ワークショップという御提案ありましたけれども、実際に避難場所についてそれぞれがしっかり確認ができるような、そういうことをしていくようにということで指示を出しました。
しかし、御指摘のように、指示を出すだけということではなくて、しっかりこれをフォローしていきながら、地方自治体と連携をして実際にそれを取り組んでいくというところまで頑張っていきたいというふうに思います。
○竹谷とし子君 防災訓練のモデルケースやマニュアルの整備、よろしくお願いいたします。
いざというときのために、地域の防災拠点である学校を使っての訓練やワークショップを行う、これを是非進めていただきたいと思います。しかし、実際に地域住民やNPOが学校を使いたいとなったときに、学校側になかなか受け入れていただけないというお声もいただいています。
学校施設の使用については、地方自治法や学校教育法、また政令等で校長や教育委員会等の裁量が広く認められていますが、学校は地域の防災拠点です。公明党の強い主張で学校の防災力を高めるための予算も付けていただきました。教育に支障のない限り、学校を使った防災のワークショップ、防災訓練のために学校を開放していくべきと考えますが、文部科学大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平野博文君) 基本的には、先ほど防災大臣からお話がございました。特に私どもとしては、地域のコミュニティーの拠点は学校であると、こういう観点、また御党の方からも強い御要求もございまして、我々としてはその考え方については全く同感でございます。
したがいまして、文科省におきましても、三月の九日に、学校防災マニュアル、特に地震・津波被害等の作成の手引を今もう配付をいたしておりまして、具体的に、積極的に学校の中において実践的なそういう行動を起こせる訓練をするようにと、こういうことでございます。なかなか消極的なところがございましたら、是非言っていただいたら私の方から強く求めていきますので、よろしくお願いします。
○竹谷とし子君 心強い御答弁、ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
日ごろから地域住民の方のつながりが強い東北地方でも、被災された方の生活を支えるのは容易なことではありません。同じような大災害が大都市圏で起きたらと想像すると、多くの人が不安になると思います。
今、市区町村では、災害時に特に支援が必要な高齢者や障害者の方々の要支援者名簿の作成に取り組まれつつあります。しかし、要支援者リストが作られても、それを支える支え手側がいなければ支援することはできません。そこで、自主防災組織をあちこちで立ち上げて育成することが重要になります。とはいえ、隣に誰が住んでいるか分からないような大都市でゼロから立ち上げることは簡単ではありません。
東京都では、地域において自主的なレスキュー隊を立ち上げたり見守りケアなど様々な活動をされている団体をまずは東京都が認定し、さらにその活動を表彰して広げていくという取組を開始します。四月十五日には第一回の認定式が行われます。先日、三鷹市に伺ったときに、学生さんから六十代の方々までみんなで協力をして長年地域の夜回りをされている方々にお目にかかりました。その活動は地域に定着し、我が家の前も是非通ってほしいという依頼まであるそうです。小さな取組かもしれませんが、このような地域の力こそがいざというときの防災力に直結します。
自助、共助の力を高めるということは、いざというときの行政の負荷を軽くするということに直結します。有り難いことです。国でも、東京都を参考にしながら自主防災、地域の防災力アップに取り組むべきと考えますが、防災担当大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) いざとなったときに、その地域コミュニティーがしっかり立ち上がってそして対応していくという、そういう体制をつくっていくということ、これは東日本の大震災の中でも非常に大きな教訓として私たち肝に銘じていかなければいけないということだと思います。同時に、それをふだんからそうした人間関係をつくっていく、あるいはまた、いろんな先ほどの御指摘のあったような取組の中で制度として、システムとして組み込んでいくということ、これをやっていくことが大切だというふうに思います。
実は、避難における総合的対策の推進経費ということで、この二十四年の予算案の中に四千五百万円を組み込んで、その取組について取組指針というのを作っていくということにしておりまして、都道府県あるいは市町村向けに避難所の運営あるいはまたコミュニティーのそうした運営に対してしっかりとした対応をしていきたいというふうに思っております。
○竹谷とし子君 是非、東京都の取組を全国に広める、そういった支援をしていただきたいというふうに思います。
次に、これは通告をしていないのですが、総理にお願いです。
障害者の方々が災害時にどんな支援が必要か記載したヘルプカードという制度があります。今は市町村により様式も呼び方も異なっています。そこで、東京都は、まずヘルプカードの様式を統一して、市区町村に全額補助し、普及する事業を検討しています。マタニティマークと同じように、国も同じ様式で全国に広めることで、見えない障害を持っている方にも周りの方はどんな支援が必要か明確になります。国も是非、東京都と連携して取り組むべきだと思います。
通告はしていませんが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の大震災の中の教訓、いろいろあると思います。女性の視点が足りなかった、あるいは障害者の配慮というのも一つ大きい要素だったと思います。
東京都の取組をちょっとよく勉強させていただきたいというふうに思います。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
次に、パネルを御覧ください。
中央防災会議の現時点での首都直下地震の被害最大の予測では、東京の焼失家屋は四十一万軒、一都三県では六十五万棟に上ります。阪神・淡路大震災の実に九十倍です。自然災害の発生自体を食い止めることはできませんが、日ごろの備えで減災、つまり災害時に発生し得る被害を少しでも減らすことは可能です。
東京都では七千ヘクタール、東京ドーム千五百個分に及ぶ木造住宅密集地域、いわゆる木密地域や災害時に緊急輸送道路となる幹線道路の耐震化に取り組んでいます。
パネルを御覧ください。これが木密地域です。一旦火災が出ると被害が広がり、また震度七の地震ではほとんど全ての建物が一瞬にして倒壊するという予測もあります。今年一月、この対策を更に加速するため、東京都は十年プロジェクトを策定し、特に必要性の高い木密地域について、最大六分の五の補助をして、不燃化、耐震化を進めることにしました。その費用は一兆円とも言われています。
木密地域や災害時緊急輸送道路の防災対策が必要なのは東京都だけではありません。首都圏近郊の神奈川、埼玉、千葉や大阪など、都市部の共通の課題であります。
国はこれまで、個人の家屋や建物の不燃化、耐震化への公的補助は個人の資産形成に公的資金を出すこととして消極的でした。しかし、一旦地震が起きてしまえば、多くの命と生活が奪われ、復旧復興には莫大な費用が掛かります。災害が起きる前に備えることが命と財産を守り、さらに将来の政府の歳出の削減にもつながります。
都市部の木密地域、緊急輸送道路などの耐震、不燃化、また高台移転など、災害による人的、物的、経済的損失を最小限に抑えるための予備的な対策に今国が強力に取り組むべきと考えます。国交大臣にお考えを伺います。
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、直下型地震がいつ何どき起こるか分からないという状況の中で、実は耐震化というのが随分と遅れております。危機感を持っておりまして、省内においてもこの対策についてスピード感を持って直ちにやれることから着手するように指示を出しております。
委員御指摘のことについて具体的に申し上げますと、今までの密集市街地の整備改善については、社会資本整備総合交付金によって建築物の耐震、防火改修、除却などに対して支援を行っているところであります。建築物の耐震診断・改修への補助を行う地方公共団体についてもこの交付金で支援をしているところであります。特に緊急輸送道路の沿道の建築物の耐震化については、特に補助率をアップするということを考えております。三分の二の補助率に二三%から上げるということです。さらに、耐震改修については、平成二十三年度の第三次補正予算において、今後の大規模地震災害に備える観点から緊急輸送道路沿道の建築物についての支援の重点化を図ったところであり、平成二十四年度予算においても引き続きこれらの措置を継続し、都市の防災対策の強化に努めてまいります。
社会資本整備総合交付金に加えて、全国防災事業についても、この沿道については、沿道の緊急耐震改修ですか、これについては使えるようにいたしております。
○竹谷とし子君 是非、社会資本整備総合交付金とまた別枠に、大災害に備える予防的な対策に力を入れていただきたいとお願いを申し上げます。
国や地方自治体が耐震・不燃化に取り組むといっても一定の時間が掛かります。今大地震が起きて、木密地域であちこちで火災が起きれば大きな被害につながります。その対策として消防バイクの配備、活用を提案したいと思います。パネルを御覧ください。これが消防バイクです。私も試してみました。
木密地域でも駆け付けることができます。渋滞した道路でも迅速に現地に到着できます。これ、まず消防バイクの有効性、活用方法を消防庁で研究して、大都市圏の消防署や消防団に配備をしていただきたいと考えます。消防庁のお考えをお伺いいたします。
○政府参考人(久保信保君) 御指摘のように、木密地域での火災あるいは地震が起きたときの救急救助といった観点から見ますと、消防活動用のバイク、これは有効ではないかと考えておりますので、各消防本部に対しまして、その有効性等につきまして適切な助言をしてまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
最後に一点だけ、税金の無駄をなくすための総理のリーダーシップを期待して質問いたします。
公明党の指摘を受けて提出中の改正国政選挙の執行経費基準法案、突然の鳩山総理の辞任で審議未了となって廃案となっています。来年秋までに衆参両院の選挙は必ずあります。この改正案を通せば、百五十億円もの選挙費用を確実に削減できます。これを国民の皆様に負担増をお願いする前に通すべきだと思います。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 現在、国会において継続審議となっています今の改正法案でございますが、平成二十二年秋の臨時国会に再度提出したものでありますが、効率的な選挙執行と選挙経費の節減を定着させるためにもできる限り早い成立をお願いをしたいと考えております。
○竹谷とし子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で加藤修一君、竹谷とし子さんの公明党の質疑は終了いたしました。(拍手)
これより質疑に入ります。大久保潔重君。
○大久保潔重君 おはようございます。民主党の大久保潔重です。
年度が替わりました。新年度もどうぞよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
年度をまたいでも、参議院の予算審議がいよいよ大詰めであります。今日は、先ほど石井委員長申されました震災・原発・エネルギーということでテーマをいただいておりますから、集中審議のトップバッターとして質問をさせていただきます。
昨日の新聞記事の第一面、これを見まして大変危機感を感じました。東海沖から四国沖に連なる海底の溝、いわゆる南海トラフで起こる巨大地震について内閣府の有識者検討会が発表した報告書で、まさにこれ、西日本地域に大きな衝撃が走ったわけであります。関東以外でも東日本大震災と同規模のマグニチュード九クラスの地震の可能性、震度七の分布が全国で十県、震度六弱以上が九州から関東まで広範囲で分布をしております。津波においても、最大で三十メートルを超える津波が押し寄せる地域もあるとの予測であります。
そこでまず、防災担当大臣、中川大臣にお尋ねをします。昨日のあの内閣府の有識者検討会の報告を受けて、まずその内容をどうとらえられているのか、お聞かせください。
○国務大臣(中川正春君) おはようございます。
昨日の新聞、検討会そのものは土曜日にあったんですけれども、南海トラフの巨大地震モデル検討会、これは専門家によって、まずこれは第一次の報告でありますが、出されました。
我々、この報告で前提としてしっかりとらえなければいけないことは、我々の対応それから想定ということが二つのレベルでなされてきた、あるいはなされているということです。
今回、やられたのは、ふだんいろんな防災対策を検討している、いわゆる百年級の津波ですね、それを前提にした従来からの対応、これは堤防を、防波堤を造ってそれを防ぐということを前提にしてなされてきた、そういう海岸の保全施設建設ということを想定をした防災対策、その百年級津波ということと、それから今回は、この百年級ではなくて最大級といいますか最悪の事態を想定をして、これまた予測ではなくて、五つの地震と十一のパターンというのをそれぞれ考えてみて、それで言わば千年級あるいは万年級、万が一という言葉がありますが、それを想定して一番最悪の事態の津波あるいは地震が起こるとすればどういうところを考えていかなければならないか、そういう想定の中で出されたということであります。
ですから、言い換えれば、これは堤防を津波が越えてきたときに、そうした最悪の事態を考えたときにどういう対策を立てなければならないかということ、これを前提にした考え方でありまして、住民等の避難を軸に、ハザードマップあるいは土地利用、都市計画あるいは避難施設、防災施設等々、こういうのを組み合わせて、かつソフト的、ソフト事業というのも防災教育を中心にして組み立てて万が一に備えるということ、これを想定した今回の話だということ、これを理解をしなければならないということだと思います。
ですから、非常にショッキングな数字が出ているんですけれども、これ、冷静にとらえて、そこを最悪の事態として想定して、また、それを超えてくる、専門家によるとそれを超えてくることも考えながらこれをとらえていくということが大切だというふうに思っております。
○大久保潔重君 科学的に起こり得る最大規模の地震、津波を想定をされて発表されたということですね。東日本大震災の反省、やはり災害を過小に見積もっておったと、これが大きく犠牲を拡大したという、そういう反省の上にも立っているんだろうと思います。
中川大臣は、この発表後に記者会見で、今ちょうど申されたような都市計画、防災教育、避難訓練などソフト面も含めた防災計画の見直しが必要で、国もしっかり支援するというようなコメントを出されております。
もう少し具体的にその支援策、ハードだけじゃなくてソフト面での国の支援策について触れていただければ助かります。お願いします。
○国務大臣(中川正春君) これからそれぞれの自治体においても、想定、最悪ということを前提にして、計画の練り直しというか、そういうものが始まってくるというふうに思っています。
まず、避難体制の充実ということからいきますと、津波浸水予測図の検討、これをやっていくわけですが、これの支援、それからハザードマップの作成、これを支援していくということ、それから津波避難計画の作成、これもやっていくわけでありますが、国としては、津波防災ワーキンググループを、夏までにこのグループを中心にして計画のガイドラインというものを作っていって地方に示していきたいというふうに思っています。
それから、津波避難を円滑にするための交通ルールの見直しや、そのための標識の検討、これを考えていく。それに対して、交通管理者による再検討、これが必要になってくると思っています。
それから、避難施設の整備でありますが、これについては、避難路それから避難階段等の整備、それからもう一つは津波避難ビル、これの整備促進、指定促進、それからビルの耐浪化そして耐震化、こういうものを税制の措置とかあるいはPFI等々組み込みながら新しい仕組みを考えていくということ。
それから、町づくりの中では、二線堤ということ、これは東日本でも今言われておりますが、堤防のもう一つ奥に道路や鉄道等々を活用した形の二線堤などの津波防護施設の整備、あるいは人命の保護、津波被害の軽減を図るために津波防災地域づくり法等々に基づく推進をしていくということ。あるいは津波避難を軸にした土地利用計画の策定、これもそれぞれの地方で始まってくるというふうに思います。都市計画部局での検討と対応をこれからしていくということになると思います。
それから、もちろん耐震化それから耐震改修を促進をしていくということ。それからもう一つは防災施設の強化ということになりますが、これは、海岸管理者、これは堤防そのものもどのように見直していくか。これは局部的にいろんなケースが出てきますので、全国一律ということではなくて、その局部的な部分に地方自治体と連携しながら対応していくということがあると思います。それから、重要構造物を強化して、その対策をしていく。これは、それぞれ施設管理者の中で新しい仕組みが出てくるということです。
あと、ソフト面では防災教育、これを充実させていくということであります。さっき申し上げたように、この部分が非常に大事なところだというふうに思います。
そうした具体的な政策をしっかりそれぞれの地域と連携をしながら進めるということを考えております。
○大久保潔重君 この検討会の今後のスケジュール、あるいはこの中央防災会議、これの今後のスケジュール等について御説明をいただきました。最後に地方自治体との連携ということも言われましたので、もう既に地方自治体は動き出しているところもたくさんございます。そういう意味での国の支援というのを非常に求めておられると思いますから、よろしくお願いしたいと思います。
今回の、最大規模の想定でありますので、当然、もうこの津波が来たときに今の既存の防潮堤、これだけでは防ぎ切れません。いかにどう避難するか、逃げるかということも大事であります。
また、その震源の設定が若干内陸側に来ておりますから、当然もう地震があった直後に、早い到達時間で津波が押し寄せてくるということも考えられます。そうなると逃げ切れないということも考えられるし、三十メートルを超えていると、これは高知県でありますけれども、避難タワーに避難しても本当に安全かどうか、これも担保が取れないという状況でありますね。
そういう意味も含めて、今後はそういう自治体、高台への集団移転というのも具体的に検討に入ってくるだろうと思いますから、そういう意味では、是非国としても支援をしていただきたいというふうに思っております。
それから、先ほど五つの地震ということをシミュレーションを描かれたということであります。これは東海、東南海、南海という大きくもう三つの地震を、当然これはそれぞれに特措法という立法措置というのもあるわけでありますが、これもうばらばらではやっぱり良くないんじゃないかなとこれは思っております。恐らく大臣もそのように考えておられると思うんですけれども、今後は、その立法措置も含めて統一化といいますか、そういう部分も是非前向きに考えていただきたいと思いますが、これ、いかがでございましょう。
○国務大臣(中川正春君) これまでの前提では、東海地震の場合はある程度予知ができる、予知をして、それがされたときに緊急事態を想定してどのように全体を動かすかという、そういう想定で東海地震というのはなされている。だから、その予知ができない東南海とか南海とは違った性質の法律になっているわけです。
そういうことも踏まえて、新たにこうして連動という形でそれぞれ出てきたわけでありますので、特に災害対策、どのように地域がそれに対して備えていくかというようなことを前提にして、できる限り分かりやすく一本化をしていくということが望ましいんだろうというふうに思います。だから、予知ということとうまく整合性を持たせながら対応していきたい、考えていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 東海、予知できる、しやすいということであります。
次に、首都直下型地震に対しての質問に入らせていただきます。朝から物騒な話、続けておりますが、国家の危機管理でございますから、よろしくお願いいたしたいと思います。
文部科学省の研究グループが三月三十日に公表した首都直下型の東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の予測震度、最近判明した首都圏の地下構造で、発生領域の深さが従来よりも約十キロメートル浅い位置にプレート境界があるとして計算をされております。したがって、従来は最大で震度六強と言われていたのが震度七に変更をされました。
震度六強と震度七でありますと、その被害の状況が随分これまた変わってきます。耐震性の低い鉄筋コンクリート建物、これ、多くは倒壊するんじゃないかというふうにも言われております。先日の参議院内閣委員会でも、実は私、それを想定して、衆議院、参議院及び国会図書館の耐震性について質問したばかりであります。
東京には、いわゆる立法、行政、司法という三権のみならず、金融、経済、情報、報道、外国の大使館、さらには皇室などが一極に集中しております。特に、この行政中枢機能を考え、首都直下地震の切迫性に鑑みれば、いかなる事態が発生した場合でも業務を停止しない、あるいは即座に復旧できる防災面での強化に加え、万が一停止した場合の首都中枢機能のバックアップの確保が必要であると考えております。東日本大震災の教訓を生かし、二度と想定外の言い訳をしないためにも、政府はバックアップ体制の整備に直ちに着手すべきと考えます。
そこで、前田国土交通大臣にお尋ねをいたします。
国交省が昨年暮れに設置した東京圏の首都機能のバックアップ検討会、この二次取りまとめ案が三月二十二日に示されました。今後のいわゆるこの首都圏、首都機能のバックアップの推進策について前田大臣の御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(前田武志君) 大久保委員にお答えいたします。
委員もう御指摘のとおり、この直下型、震度七ですか、というようなことになると、当然御指摘のような中枢機能が損なわれてそして機能しなくなるというおそれがあるわけですから、直ちにそのバックアップ体制が立ち上がって国家の緊急事態に対応できるということが重要な喫緊の課題であって、そのために、委員も御指摘のように、昨年末から検討会を立ち上げて、三月二十二日の第五回検討会での議論を踏まえて、バックアップ体制を構築するに当たり検討すべき基礎的な論点とその考え方を内容とする取りまとめ作業を行っているところであります。近日中にそれを発表する予定でございます。
もちろん、この検討作業というのは内閣官房や内閣府と連携して進めているわけでございます。行政中枢機能のバックアップ体制の構築は広く全府省庁にかかわる課題であり、その具体化に当たっては、検討会の取りまとめを踏まえつつ、政府全体として鋭意取り組んでいくべきと考えております。国交省としても積極的に更に取り組んでいくつもりでございます。
○大久保潔重君 国交省がこのような検討会、取りまとめをされたということは評価をされるべきことだと思います。その上で、今後、内閣官房あるいは内閣府なのか、全省庁的に連携をしてこのバックアップ体制というのの検討を前向きに進めていただきたいというふうに思っております。
実はこれは、民主党の首都中枢機能バックアップワーキングチームというのがございまして、そのワーキングチームも、つい先日、これは三月十二日の部門会議で発表されましたが、中間報告ということで発表をしました。内容は、かなり具体的な内容に踏み込んであります。これ、中川大臣、御覧になられましたでしょうか。
民主党のいわゆるこの首都中枢機能バックアップワーキングチームの取りまとめた中間報告について、防災担当大臣、どのように受け止めて、そしてその実現をどのように図っていこうと今考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) それぞれで非常に熱心に議論をしていただいて取りまとめをしていただいておること、感謝を申し上げたいというふうに思います。
政府全体としては、昨年の十月に、有識者による首都直下地震に係る首都中枢機能確保検討会というのをやりまして、これの報告書を取りまとめていただきました。その中で、いわゆる首都中枢機能維持のための政府全体としての業務継続計画、これを確立をしていくということ、それから被害想定シナリオの抜本的な見直しをするということ、それから脆弱点発見のための評価、検証の仕組みの確立をしていく、それから官民一体となった連携体制の強化、実践を想定とした訓練体系の整備、こういうことを総合的に煮詰めていかなければならないということであります。
この夏ごろをめどに、改めてトータルで、先ほど国交省の方で検討していただいたバックアップも含めて、あるいは民主党の方から出していただいた、あるいはまた様々な専門家の検討会から出していただいておりますものを総合的に議論しながら、ワーキンググループを設定をいたしまして、夏ごろをめどにこの首都中枢機能確保のための対策の中間報告を総合的に出していきたいというふうに思っております。
そんな中で、非常に具体的な提案をいただいたということ、検討項目の中の一つにしっかり位置付けながら議論をしていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 この民主党の首都中枢機能バックアップワーキングチームの中間報告では、バックアップ拠点の候補場所も、望ましいということで明記をされております。様々な要件というか理由を挙げて、候補場所にふさわしい、社会経済活動の要として様々な民間中枢機関、これは日銀である、もう日銀は既にその候補地として作業を進めておりますが、NHK、金融機関、大企業の本社、本店等、それから当然行政の機関といいますかそういうのも含めて、まず大阪に整備すべきではないかというふうなこの提案がなされております。
今日はパネルを準備することができませんでしたが、皆さんには資料を配付をさせていただいています。
東京と大阪、この東京の霞が関、大手町周辺と大阪のこの中心市街地の同じ面積の中にこれだけ重要な様々な機関があるということで比較をしておりますが、こういうバックアップ拠点を東京以外に移すと具体的に明記をされたことに対して中川大臣のコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 先ほど御指摘ありましたように、大阪については日本銀行やNHKあるいは大企業の本社、本店等が集積をしておりまして、また中央省庁の地方出先機関、これもあることなどから、東京圏外のバックアップ拠点の候補地の一つというふうになり得るものという御指摘、今後の検討に当たって十分に参考にしていきたいというふうに思っております。
いずれにしても、今回の中央防災会議の下のワーキンググループ、先ほど申し上げたように、その検討会で、全体のバックアップの在り方も含めて、あるいはそれが一拠点になるのか、あるいは複数になるのか、またどういう機能をそこで付与していったらいいのか等々含めて、政治のリーダーシップを発揮しながらしっかりとした方向性をまとめていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 一拠点に限らず複数の案も含めて、政治のリーダーシップということであります。その辺も含めて、今度はより具体的にバックアップ拠点としてこういう提案もなされております。現地災害対策本部となる場所を活用することも現実的な選択肢であるということであります。
私は個人的に、今既にこれは東京立川市にも防災センターありますが、何か心もとない感じがしております。本来、これは内閣府が急いでやるべき問題かなというふうにも思っておりまして、そういったところも含めて、いわゆる現実的な現地災害対策本部となる場所についての中川大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(中川正春君) 提案を具体的にいただきましたのは、大阪の合同庁舎第四号館ということだと思います。これは、東南海・南海地震や近畿圏における大規模地震の発生時の政府の現地の拠点として今の計画の中では位置付けられているということであります。中央防災無線設備の設置などによって非常時の通信手段の確保等が図れるということ、それから平成二十二年には国の地方出先機関の参集すべき要員を集めた研修などここで実施をしてきたという実績があります。
しかし、政府全体のバックアップということになると、こうした機能だけではなくて、さらに多方面で考えていかなければならない部分が多く出てくると、そういうことも前提になりますので、先ほど申し上げたように、政府全体としてのバックアップの在り方については他の地域における拠点の確保の必要性も含めて総合的に考えていきたい、そしてできるだけ早くそうした方向性と結論を得ていきたいというふうに思っております。
○大久保潔重君 是非それをスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
まあいろいろなクリアすべき条件もありますが、全てパーフェクトにということはなかなか難しいと思います。それぞれ候補となる拠点となればメリット、デメリットが考えられますが、まずは場所を決めて、それにのっとって話を進めていくということも重要になってくるだろうと思いますし、当然、デメリットがあれば複数の拠点というのも考えるわけであります。
総理にお尋ねをいたします。この首都直下地震というのは、明日とも知らずいつ起こるか分かりません。そういう意味で、首都東京が仮に広域的に被災し首都中枢機能が機能不全に陥った場合というのは、これはもう国家の存亡にかかわる問題であります。このいわゆる首都機能バックアップ体制を、一例として大阪挙げさせていただきましたけれども、首都圏以外の場所で早急に構築すべきと思います。総理の御見解をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
首都中枢機能のバックアップの体制については、第三次補正予算で調査費を計上させていただき、内閣官房でも検討していただいていますし、先ほど前田大臣もお話をされたとおり、国交省の中での検討も進んでおります。また、中川大臣が御説明したとおり、この夏までに一定の方向性を出すような議論もさせていただいておりますが、政府を挙げてこのバックアップ機能をどうするかについての検討を鋭意進めているところでございます。党からの御提言もございました。バックアップの候補地なども含めまして、多角的な検討を深めていきたいというふうに考えております。
○大久保潔重君 今後の国としてのスケジュール感というのも御説明もいただきましたし、ただ、総理に申し上げたいのは、やはりもうある程度場所を特定してそしてその方向で進めていく。民主党の提案にも六つの理由がありましたけれども、全ては網羅できないと思うんですね。
仮に大阪、いろんな意味での条件はそろっています。先ほど言いましたような、中枢機関がある、府省の地方部局がある、交通網も発達している、それから大きな既存の施設もある、システムエンジニア等高度な専門性を持っている人材も確保できる、いろいろあります。しかし、この自然災害の蓋然性というのは決して低くないわけであります。関東が首都直下型が起こると同時に、近畿圏だってそれは十分起こり得るわけですから、そういう意味での複数拠点というのは当然これは検討していかなければいけませんし、より具体的に場所をもう特定して話を進めていかなければかなりスピード感を持てないんじゃないのかなと、このように考えております。
実は、この副首都建設構想、石井予算委員長が以前提案をして、これ党派を超えて、また各界からも賛同を得ていると聞き及んでおります。是非引き続き、この大きな副首都構想、これを推進していくとともに、当面切迫する非常事態に備え、東京圏以外でのバックアップ体制構築、これをお願いしたいと思いますが、いま一度総理の発言をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 候補地についてはいろんな御意見があると思うんです。その候補地の問題とかコストの問題とか実現可能性なども含めまして多角的な検討を更に進めていきたいというふうに思います。
○大久保潔重君 先ほどの答弁でも政治的な判断も含めてということがありましたので、是非そこは強いリーダーシップでもってとにかく話を先に進めていただくということでお願いをしたいと思います。
次に、東京電力福島第一原発に質問を移します。
あの福島第一原発の事故から一年余りが経過をいたしました。昨年十二月に野田総理から事故の収束宣言らしきものが出されましたけれども、これは単に原子炉の冷温停止状態のステップツー、これが達成されただけなのかなという感想を持っておりまして、国内外に疑念を与え国民の不信を高めたことは、私が総理に申し上げるのは大変おこがましいんでありますけれども、猛省すべきことではないかなというふうに思っております。
事故原因についても、現在、国会や政府の事故調査委員会で調査をされており、これ、初動の政府の対応、あるいは全交流電源喪失の原因も新たな事実が分かりつつあります。本当に現在のサイト内の状況が冷温で安定しているのか、タンクに貯蔵されている十二万トンを超える汚染水の問題、格納容器のいわゆる破損の問題、建屋間の止水の処置、建屋から流れ込む地下水への対応、さらには、これは、四号機の燃料プールには多くの使用済燃料があります。この次のステップでの安全確保と早期の取り出し、先ほどまた東海の地震の話もさせていただきましたけれども、いわゆるアウターライズ地震による巨大津波による二次的な被害の懸念、敷地内の除染や水素爆発で飛散した瓦れきの回収と処理、作業員の安全確保とともに福島県民の長期にわたる健康管理と生活再建支援、賠償問題など、課題は山積みであります。そういう中で、最終的な事故の収束、廃炉までに要する期間は極めて長期にわたります。
世界でも前例のないこの福島第一原発、この事故の収束に向けた、事業の遂行に向けた総理の御認識と決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東京電力福島第一原発の廃炉に向けた取組は、昨年の十二月に決定した中長期のロードマップに従いまして政府と東京電力が一体となって取り組んでいかなければいけないというふうに思いますが、大久保委員御指摘のとおりに、廃炉に至るまでというのは大変長い期間を要するというふうに思いますので、そのロードマップ自体も継続的に見直しをしていかなければいけないというふうに考えておりまして、特に仮設設備を恒久的設備に更新していくことなど信頼性向上対策についても、速やかに中長期ロードマップを改訂し、的確に進捗管理を行う旨、三月三十日の原災本部において報告を受けております。
また、廃炉に向けた取組は、多くの作業がこれまで経験をしたことのないような技術的な困難性を伴うということから、産業界やあるいは研究機関の協力も得つつ、国内外の英知を結集して進めることとしており、既に原子炉内からの燃料デブリの取り出し準備、放射性廃棄物処理、処分などに係る研究開発プロジェクトについて平成二十三年度補正予算で開始をしたところでございます。
今後とも、中長期ロードマップに沿って、発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○大久保潔重君 本当にこの福島第一原発、これが収束しないと福島の再生というのはあり得ないと思っています。これこそまさに、総理を始め、我々も含めて命懸けで取り組むべき問題だと思います。本当に、専門でない私が考えただけでもこれだけ課題があるわけでありますから、大変な作業だとは思います。
細野大臣も手を挙げられたので、是非今私が申した今後の課題についての対応についてお聞かせいただければ幸いです。
○国務大臣(細野豪志君) 今総理からも御答弁ありましたけれども、廃炉に向かってはまだまだ課題が極めて、もう本当にたくさんあるというふうに思っております。
先ほど大久保委員が、例えば水の問題であるとかデブリの問題であるとか、あと瓦れきの問題であるとか、そういったことを御指摘をされました。また、そうした作業をするときに、作業員の皆さんの環境をしっかりと維持をして守っていくということも極めて重要であるというふうに思っております。
そうした課題一つ一つを克服するためには、これは東京電力に任せておくということはできませんので、政府としてもしっかりと体制をつくってこの廃炉に向かったプロセスをやり抜く覚悟が必要であると、まさに政治家が命を懸けるべきテーマだというふうに思っております。
大変今いろいろ御配慮をいただいた上で御発言をいただきましたが、若干政府の立場を改めて説明をさせていただきますと、廃炉に向かっては様々なトラブルがあり得ますので、それをとにかく減らして確実にやる作業が必要であると。一方で、事故そのものをどう考えるかということに関しては、冷却機能を多重化をいたしましたので、再び冷却ができなくなって皆さんに避難をしていただくという事態はこれは解消したということで、事故そのものについての収束を皆さんに御報告をしたということでございます。
したがって、サイトの中でもう一回そういう本当に深刻な事態になることはないというふうに評価をしておりますが、一方で課題は山積をしておりますので、それは直視をした上で政府としてしっかりと対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○大久保潔重君 昨年のちょうど七月七日にも、同じくこの予算委員会で私も質問をさせていただきました。当時はまだステップツー達成しておりませんでしたので、とにかく原子炉の火種を冷却するということで冷却水を掛けてかなり汚染水がたまっている、汚染水の処理を是非、外国産ではなくて国産の技術を生かしてやっていただきたいということで、細野大臣からも非常に心強い答弁をいただいたわけであります。やはり国産のメーカーのいわゆる汚染水処理で格段に効率が上がったということでありますし、是非それは進めていただきたいと思います。
それから、瓦れきも、放射性物質にいわゆる汚染されていない瓦れきの処理というのも、大臣、総理始め政府の皆さん方が随分動き出して、これは全国の自治体にもお願いをしたりして進めていく。そうはいっても、なかなか自治体の受入れというのも非常に、これ、いろんな事情がある地域もございますし、また、その余力が、これは瓦れきの処理の余力がそもそも少ないという地域もございますので、その中でいわゆる放射性物質に汚染されていないと言われている宮城、岩手の瓦れきの処理も、これはもう私も個人的に提案をさせていただいておりました。民間の、いわゆるセメント、製紙会社等々の民間の力を是非活用してやっていただきたいということで提案をさせていただいて、そのように少しずつ進んでいるということを非常に感謝を申し上げたいと思います。
それで、放射性物質に汚染されている瓦れき、これもこれからどう対応していくか。これとてやはりその除染が必要になってきます。その除染をしてやはり一キロ当たりのベクレルが抑えられれば、これは普通の瓦れきとしての処理もできるのかなという気がいたしておりますから、その除染の作業も含めて、是非内外の英知を集めて取り組んでいただきたいというふうに思います。民主党の原発事故収束対策PTの二次報告も、つい先日、三月二十七日に出ておりますから、是非そこも踏まえた取組をお願いしたいと思います。
原発の安全規制と再稼働についてお尋ねしたいと思います。
先日、原子力安全委員会において、関西電力大飯原発三、四号機の一次評価のストレステストが問題ないとする確認結果を決定したという報道がなされました。しかし、今日の新聞では、それに対しての国民の多くの皆さんが非常な不安を抱えているという報道もなされております。
さっきちょっと触れました、私は昨年七月の予算委員会において、九州電力玄海原発の再稼働の問題で、ちょうど菅総理がストレステストを再稼働の条件としたのを受け質問をしたという経緯がございます。しかしながら、政府内でこの間、ストレステストの基準、再稼働の際の取扱いが十分に検討されているかが、私たちを含め国民の皆さんに対し十分に理解が得られたとは言い難い状況にあると思います。
今後、原子力安全規制の新体制を構築する中で、事故の検証を踏まえてどのように対策を講じていくのか、また、国民に対してどのように理解を得ようとするのか、細野大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(細野豪志君) 原子力安全規制の体制というものについては、やはり国民の信頼を今失墜をしておるところでございますので、できるだけ早くこれを新しくしていきたいと思っております。
そのやはり第一の目的は、原子力を推進をする、エネルギーを供給する立場と規制を分けるということでございます。今、枝野大臣がその両方をやっておりまして、非常に難しい立場でやられている。安全をまず最優先でということでやっているわけですが、それでも供給についても責任を持つ大臣が規制をやり続けることは、これは国民に対してもやはり世界に対しても、私はいろんな、それこそあらぬ疑念を招きかねないというふうに思います。それが第一でございます。そういう考え方の下で原子力組織制度改革法案を今国会に提出をさせていただいておりまして、その中で放射線から人と環境を守る安全規制の制度と防災体制をできるだけ早くつくりたいというふうに考えているところでございます。
そこで、国民に対してということでございますが、事故の検証が国会の事故調査委員会を含めて精力的に行われております。したがって、そこで出てくる様々な知見というものは、それをその時々にしっかりと反映をしていくことは必要であるというふうに思っております。したがって、まずは推進サイドからはっきり分けた形での規制機関を立ち上げさせていただいて、その中で順次組織をしっかりと強化をし、さらには規制を強くしていくという形での国民の理解というものを得ていきたいというふうに考えているところでございます。
○大久保潔重君 それでは、枝野経済産業大臣に続けてお尋ねしたいと思います。
今、細野大臣も触れられましたけれども、原子力組織制度改革法案、これの審議が遅れておりまして、成立がまだできていない状況であります。本来、四月から原子力規制庁発足という予定がございましたけれども、大きくずれ込むことになりました。当面は、ですから、現行の保安院、安全委員会が存続をしながら、過渡的にこの原子力規制、安全確保についての作業が進めていかれるというふうに思っております。
過渡期であっても、原子力の安全確保について空白時間があってはならないと思います。当面の原発の安全規制、それから、今後原子力規制庁が発足したとして、現にある原発の再稼働あるいは将来のエネルギー問題について政府としてどう道筋を付けておられるのかも含めて、枝野大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、原子力施設の安全の問題は空白が許されない問題でございます。何度も申し上げておりますが、稼働していない原発だからといって安全なわけではありません。そこには、つい先日まで稼働していた燃料棒等があれば、冷却が止まればいずれメルトダウンに至るという状況であるのは止まっている原発でも同様でございます。
したがいまして、規制庁が四月一日発足に間に合いませんでしたので、保安院において、これは昨年の原発事故を防げなかった、あるいはその後の対応等に対して国民の皆さんから大変な御批判をいただいている、そのことの自覚を十分にしながら、したがって、より気を引き締めて安全対策に当たってきているところでございますが、これについては規制庁発足までしっかりと取り組んでいくように改めて指示をしたところでございますし、私もその所管大臣としてそうした気持ちでやってまいりたいと思っております。
○大久保潔重君 民主党のPTでも指摘をしております。例えば一つ、地元、先ほど国民の御理解ということで、地元の御理解、その地元の定義すらはっきりしていないわけであります。
私の地元、九州電力の玄海原発というのは実は佐賀県でありますが、もういわゆる過去のEPZ、五キロ、八キロ圏内に実は長崎県の松浦市、もっと広げて三十キロ圏内には壱岐市、平戸市、佐世保市といったところもあるんですけれども、どうしても行政区が違うものですから、いろんな意味での蚊帳の外にされてきたというような感が否めません。そういう意味で、国民の皆さんに対する説明、理解、地元に対する対応というのも、そこら辺りもきちっと丁寧にやっていただく必要があろうかなというふうに考えております。
最後に、もう時間もありませんので、エネルギー基本計画についてここでお尋ねいたします。
私は、ちょうど二年前の六月に、これ地球温暖化対策基本法案について参議院の本会議で質問をいたしました。これは一旦廃案になりました。その後、再提出されましたけれども、以降、全く国会審議がなされていないという状況であります。この法案に関しては、各党、各業界の様々な意見があり、温暖化対策への対応や排出量削減目標の取扱いなど、なかなか意見がまとまらない状況であります。
さらに、昨年十二月のCOP17では、我が国は二〇一三年度から京都議定書第二約束期間に参加しないということを表明をしております。
従来は、この温室効果ガス排出削減の道筋を決めるに当たって、二酸化炭素を排出しないということで原発の活用というのを重要な要素としてこの法案あるいは現在のエネルギー基本計画の中にうたわれておりますが、昨年の三・一一東日本大震災後、劇的に状況が変化をいたしました。是非、今後の原発、再生可能エネルギーの取扱い、さらには京都議定書第二約束期間に入る二〇一三年以降の問題も含めて、この温暖化対策と多種多様なエネルギーの将来、方向性について環境省内で検討されている状況についてお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(細野豪志君) 大久保委員には、温暖化の問題についてこれまでも非常に前向きな提案を度々いただいておりまして、心より感謝を申し上げます。
御指摘の二〇一三年以降の地球温暖化対策につきましては、これはエネルギー問題とやはり表裏一体でございますので、エネルギー・環境会議の場におきまして春ごろには選択肢を提示をし、そして国民的な議論を得て今年の夏ごろには決定をするという方針を持っているところでございます。
環境省では、エネルギー・環境会議の基本方針に基づきまして、中央環境審議会地球環境部会と、その部会の下に設けました二〇一三年以降の対策・施策に関する検討小委員会において、地球温暖化対策の選択肢の原案を現在検討しているところでございます。
その中で、非常に重要なテーマでございます自動車、住宅・建築物、産業、エネルギー供給といった分野ごとに、一層の省エネルギーの推進であるとか再生可能エネルギーの拡大、分散型エネルギーシステムへの転換などの検討を行っておりまして、それらの結果を既に対策の強度に応じて三段階に整理をしております。春ごろと申し上げました春がもう来ておりますので、その整理をしたものに基づいて、そろそろやはり選択肢についても提示をしていかなければならない時期であると考えております。環境省としては三段階ということで申し上げましたが、できるだけレベルの高いものをしっかりと提示をすることが重要だというふうに考えているところでございます。
その一方で、原子力についてはやはり考え方を転換をしていかなければなりませんので、これまでのように原子力に頼った温暖化対策ということではなくて、これは資源エネルギー庁の方ともしっかりと、会議とも連携をしながらレベルを下げていくと、その中でも温暖化の問題どう対応するのかという選択肢をできるだけ早い段階で国民にお示しをしたいというふうに考えているところでございます。
○大久保潔重君 是非、いろんなスケジュールがずれ込んでいるような状況でございますから、しっかりとそれは取り組んでいただいて、早くにその方向性を国民の皆さんにお示ししていただければ幸いでございます。
私はこれで質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で大久保潔重君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(石井一君) 次に、末松信介君の質疑を行います。末松信介君。
○末松信介君 自由民主党の末松信介でございます。今日は、大変限られた時間でございますので、早速質問に移りたいと存じます。
私は、首都直下型地震と東南海地震対策についてお伺いをいたします。
去る一月の三十日、総理の所信に対する代表質問をいたしました。若干納得のいかない答弁でございましたので、今日、御無理を申し上げまして時間をちょうだいしたわけであります。
私、思い出しますのは、実は阪神・淡路大震災が起こる前年、平成六年の七月でありますけれども、地球から数億キロ離れた木星にあるすい星が衝突をいたしました。シューメーカー・レヴィ第九すい星というんです。ある学者は、きちっとそのすい星が木星に当たる日時、もう何時何分まで正確に当てることができたんです。しかし、私たちが今立っているこの地下の岩盤がいつ崩れて地震を引き起こすことになるかということは実は分からなかったと。同じ科学でもえらい矛盾があるなという、そういう思いをいたしたことがございます。
東大の地震研究所が、四年以内に七〇%の確率で震度七の地震が起こるという、そういう予測を立てておられます。最近では三十年で七〇%という話も出ておりますけれども。
この発表、昨年九月だと思うんですけれども、総理、聞かれまして、どのように受け止められているかということ、それとどういう対策を御指示なさっておられるかということ、このことをまずお聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 委員御指摘のとおり、宇宙のいろんなことが解明されつつある中、我々が住んでいる地球の息遣いがまだよく解明できていないということは全くそのとおりだというふうに思います。その中で、今御指摘のように、政府の地震調査研究推進本部は今後三十年以内の南関東におけるマグニチュード七程度の地震発生確率を七〇%と推定をいたしました。これ、三十年以内と言いましたけれども、あした起こってもおかしくない、今起こってもおかしくないということだというふうに思います。
このような切迫性が高いとされる首都直下地震については、中央防災会議におきまして平成十七年に首都直下地震対策大綱を策定するなど、これまでも対策は進めてきているんですけれども、しかし、今般の東日本大震災の教訓も踏まえて、従前の想定をはるかに超える巨大地震にも耐え得る防災対策が必要との考え方の下で、首都直下地震についても、被害想定の見直し、首都中枢機能の継続性の確保、帰宅困難者対策などの対策を強化することとしております。
また、首都直下地震対策を含め幅広い防災対策の充実強化を図るため、中央防災会議の下に防災対策推進検討会議を設置をし、防災対策に係る法制度や災害対応、体制の在り方などについて検討を進めているところでございます。
こうした検討を経て、今年夏ごろを目途に首都中枢機能確保のための当面の対策などを取りまとめることとしており、その上で来年の春ごろを目途として新たな首都直下地震対策の全体像を取りまとめ、迅速に防災対策の充実強化を図ってまいる所存でございます。
○末松信介君 総理は今、来年の春ごろと言われたんですよね。地震は明日あるかもしれないんですよね。民主党政権の速度でやってくるわけじゃないんですよ。
じゃ、一つ、通告していませんけれどもお聞きをしたいんですけれども、昨年の三月十一日、ここ決算委員会中に大地震が起きました。東北で多くの方が亡くなられました。もしこの建物が壊れたら、国会はどこで召集するんですか。
○委員長(石井一君) 中川防災大臣。
○末松信介君 できたら総理から……(発言する者あり)
○国務大臣(中川正春君) 私が担当なんです、はい、防災の。
それぞれの危機対応という前提の中で想定をしているんですが、官邸機能あるいは国会についても、ここが倒れた場合、これは市ケ谷の防衛省の中にある対策室といいますか、そうした本部機能を可能にする施設として指定をしてあります。それから、それが倒れた場合には立川にそういうことを想定をしてということで、まあ順番にあるんですけれども、恐らく国会自体もそういう中で、同じような形で想定をしていくということになると思います。(発言する者あり)
○末松信介君 今、中川大臣から御答弁をいただきましたけれども、市ケ谷にしても立川のバックアップ基地にしましても、これは政府の想定であります。確かに、国会の、この国会議事堂が倒れたら、国会で決めておかなければならないことかもしれないんですよ、これ。
もう一度ちょっと、総理から御答弁ください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) さっきの中川大臣のお答えは政府だと思います。
国会は、これは東京で召集をしていますので、その場所をどうするか、これはなくなった場合には、やっぱり国会の中で御判断いただくことではないかというふうに思います。恐らく、東京で召集ですから、東京の中でどこかということの検討を国会でされるのではないかなというふうに思います。
○末松信介君 今、野田総理からお話がありましたけど、それほど首都東京、この首都圏が破壊された場合、それに代わる体制というのが整っていないこれ証拠ですよ、きちっと答弁できないということは。
今、危機管理都市推進議員連盟の会長はどなたですか。御存じですか。超党派の国会の危機管理都市推進議員連盟の会長の名前、言ってください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 石井一委員長でございます。
○末松信介君 予算委員長が最も注目している今日の質疑ですよ。きちっとやっぱり準備されて、頭の中を整理して御答弁をいただきたいと、私はそのように思っております。
それで、今回発表されました首都直下型地震、歴史が間違いなく語るように、いつか必ず起こるわけなんですよね。福島の原発事故は、識者の方、一部の方はこれは危ないという警告を何度も発せられましたけれども、結局、その対応をまさか起こるまいと怠ったために、実は起きてしまったわけであります。
このような心配から、一月の三十日に私は代表質問で、この首都直下型地震が起きた場合のバックアップ体制についてお尋ねをしました。でも、総理の答弁を自席で聞いていたんです。私の周辺の議員もみんな驚いたんですよ、余りにも緊迫感がない。誰が考えたって、それ官僚の方が書かれた答弁ですよ。その後、民主党の姫井さんや公明党の横山さんや、皆さん同じ質問をされましたけれども、必ずコスト、実現可能性、検討と、この三つばっかりなんですよ。
私が一月三十日に質問して、それから二か月たっても同じなんです。三か月、四か月たって尋ねても同じ答弁をされますよ。
私は、総理に申し上げたいことは、政治主導でしょう。少なくとも自分の言葉で、副首都をつくるとか、最低限バックアップ都市は大阪に持っていくんだという、そのことぐらいは私は総理大臣の意思で決めるべきだと思うんですよ。検討会とか懇話会とか審議会というのは、これは全部隠れみのですよ、隠れみの。責任を転嫁するためにつくられたものですからね。政治の意思が必要なんです。総理のお考えをもう一度お尋ねします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 首都中枢機能のバックアップをどう図っていくかと、その問題意識は持っておりますので、だから第三次補正予算で調査費を付けて、そして検討するようにしているわけでございます。内閣官房でも検討しているし、国交省の中でも前田大臣の下で御検討いただいております。そして、防災対策推進会議の下にこれは一つのワーキングチームをつくって、これは夏ごろまでに方向性を出すことになっておりますので。
そういう検討をしっかり幅広くやっていただきながら、それを踏まえて対応するということは、別にこれ私が、こういう話じゃなくて、様々な御意見があります、幅広い観点が必要でございますので、そういうものを踏まえて対応さしていただきたいというふうに思います。決して後ろ向きではございませんで、こういう審議会等をつくるのは一つの手法でございます。そこは御理解いただきたいというふうに思います。
○末松信介君 総理のお話も理解はできるんですね。でも、この夏までとか来年の春までとか。だから、私が申し上げたいのは、今すぐできることは何かということですね。じゃ、明日あるいはあさって起きた場合に、できることは一体何であったかということは必ず問われると思うんですよ。だから、総理の言われる速度で地震は来ませんよと、それは中長期的におかれて、まず、大阪の合同庁舎の四号館ですか、今日お話がありましたけれども、資機材を入れてバックアップができる機能体制というものを取られるべきじゃないか。そんなに私は大きな費用が掛かると思えないんですよね。石井委員長だって、今うなずいておられますよ、これ。いや、本当、そうですよ、私はそう思うんです。
もう一度総理の御答弁を求めます。私、間違ったこと言っていると思えないんです。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、別に後ろ向きではないんですよ。やらなければいけないというふうに思っております。一定の時期にはもう結論を出さなければいけないと思いますけれども、例えば、前、この国会の中で首都移転のための委員会がありました。そのときも三つぐらい候補地があった中で、慎重な検討が行われた中で、途中でなくなったんですね。
これ候補地の問題は、一つの御意見はあると思いますけれども、様々な御意見ございます。そういうものを含めての検討を進めて、一定の時期には結論を出さなければいけないというふうに思います。
○末松信介君 それでは、首都直下型地震がどれほど恐ろしいものであるかということを過去の歴史からして、今、山本一太先生にちょっと提示いただいたんですけれども、これを御覧いただきたいんです。(資料提示)
これは太平洋戦争と、もう一つは過去の地震による被害を見たものです。実は太平洋戦争、これ、関東大震災は貨幣価値が違いがありますので、このことは念頭に置いていただきたいと思うんです。日本のストック、資産を一〇〇とした場合に、第二次世界大戦では国の二五%の資産が失われた、破壊されてしまったんです。関東大震災は幾らかといったら、国の資産を一〇〇とした場合に九%が破壊されてしまったんです。阪神・淡路大震災、どれほど大きいものだと私も思ったんです、経験者として。でも、〇・九%であったんです。今回の東日本大震災というのはどれだけといいましたら、国全体の資産を一〇〇とした場合には一・四から二・二なんです。
この隣はGDPに対しての毀損率です。戦前はやはり日本の経済、まだまだ弱かったんですね。実に日本のGDPの一〇〇%近い八六%もこれ失われたということです。阪神・淡路と東日本では二%、三から五%ですから、必ず日本は復興は私はできると思うんです。我慢すればできるというのは数字上明らかなわけなんです。
これを見て、総理どう思われます。関東大震災は九%壊れるんですよ。だから、東日本大震災、大勢の方が苦しんでおられます、亡くなられました。阪神・淡路大震災も同じです。でも、そのもう十倍からの大きな影響を受けるんです、被害を受けるんですよ。だから明日起こってもいいように考えてほしいと言うんですけれども、春だ夏だというスケジュール感でもっておっしゃっておられる。総理、このストック毀損額、表を出しましたけれども、これを見てどのように思われますか、お答えください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大変分かりやすい資料をお示しいただきましてありがとうございました。東日本大震災、資本ストックの毀損額、それからいわゆる全体に占める比率等々、大きな被害でありますけれども、大きな被害でありますけれども、本当にみんなで頑張れば、復興復旧、これはしっかり対応できる、そういう思いの下でやっていかなければいけないなというふうに思いました。(発言する者あり)
○末松信介君 西田さんがおっしゃったように、首都直下型を見た場合に、ほっておけない大きな話なんですよ。これを見て、特に首都直下型地震については被害が余りにも大きなものが想定されますので、どうされますかということ。(発言する者あり)
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、あした起こったときにおいては、平成十七年に作ったときの対応策でこれはやるしかないと思います。ただ、東日本大震災の教訓を踏まえての対応は、今様々なレベルで検討を進めているものもございます。ということで対応をするということでございます。
○末松信介君 じゃ、ちょっとバックアップ体制の話、少し戻しますけれども、時間なくなってまいりましたので。
これ、国土交通省、東京圏の中枢機能のバックアップに関する検討会、二次とりまとめ、三月二十三日に出たものです、出されたものです。バックアップ体制が機能を発揮するためには、その場所は東京圏と同時に被災する可能性が低いことが不可欠であると。同時に被災の可能性については特定の要因を想定しないと具体的な検討ができないが、現実的な判断要素としては、東日本大震災のように、広域巨大地震や津波、さらには原発事故との複合といった事態を想定する必要があると。まずは東京圏と同時被災の可能性が低いこととなっていますので、もう既に立川とかいった話じゃないんですよ。立川もやられるかもしれぬという前提で考えてほしいということを言ったんですけれども。
私は、大阪のこのバックアップ機能を持たせるということについては、ここで明確に御答弁をいただいた方がいいと思うんです。それから、今後は副首都構想とかいうのが進んでいくと思うんですけれども。総理、ちょっとお考えを述べてください。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、ですから、夏ごろまでに検討結果を出すということになっているわけですので、その検討会をやっているときに私が今方向性を出すというのは妥当ではないと思います。
○末松信介君 ならば、結局、検討会が決まったことは参考にされるというよりも、検討会で決まったことをお守りになっていかれるというように考えさせていただいてよろしいんですか。政治家としての意思はないんですね。全て審議会、検討会、懇話会といった方針が政府の意思なんですね。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大事な観点だと思いますが、丁寧な議論も必要だと思うんです。その議論を踏まえて夏ごろまでに打ち出すということでございますので、そのとき出てきたものについては、それを真摯に受け止めて対応していきたいというふうに思います。
○末松信介君 もう質問時間が二分となりました。今日は二十分しか時間をいただけませんでしたので突っ込んだ議論はできないんですけれども、とにかく日本の危機に対する管理というのは私はやっぱり甘いと思っています。
最後に、この質問で締めくくりたいと思います。
緊急時、総理の職務継承順位についてお尋ねをいたします。総理が職務を果たせなくなったときに職務継承順位はどうなっていますか。手際よく御答弁願います。
○国務大臣(藤村修君) 順位が決められておりまして、総理の次に第二順位というんでしょうか……(発言する者あり)第一順位というんでしょうか、副総理、岡田副総理です。それから、第三順位が……(発言する者あり)第二順位が私、官房長官であります。第四、五、六と……(発言する者あり)三、四、五と、その他、閣僚で今順位を決めております。
○末松信介君 そうですね。私もちょっと調べさせていただいて、まあ御答弁をいただきたかったんですけれども、一番目は岡田副総理、二番目、藤村官房長官、三番目は農林水産大臣ですね、鹿野さんですね、四番目に川端総務大臣ですね、五番目が田中防衛大臣と。
アメリカでは、法律によってその順位は公職で十八番目まで決められているんです。日本は内閣法によって、内閣法九条によってできるとなっているんですね。承継者を決めることができるとなっているだけなんですよね。
私は、三・一一のこととか、いろいろなことが今後、国際的な危機も起きるかもしれません。法律でもってきちっと順番を、もっときちっとした人数で私は順位を決めていくべきだと思うんですけれども、総理の答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一つの御見解だとは思います。ただ、全部で五人、順番付けている人も全て例えば職務できないような状況のときには、残った国務大臣で順位を付けるというルールもありますし、全部国務大臣がいなくなるような状況の中では、国会で早急に首班指名してつくるという一応ルールにはなっております。
○末松信介君 最後に申し上げます。
阪神・淡路大震災と東日本大震災から得た教訓というのは、一つは想定外という言い訳はできません、二つ目は、仮定の質問に答えられないという、かつて吉田茂さんが言いましたけれども、災害対策については仮定の質問に答えられないということはないということ、このことを申し上げて質問を終わります。
ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で末松信介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(石井一君) この際、竹谷とし子さんの関連質疑を許します。竹谷さん。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
東日本大震災から一年が過ぎました。先日の予算委員会で被災者生活再建支援金の件を指摘させていただきました。それは、お二人暮らしだった方が、一人は住民票を移動していなかったため単身扱いとなり七十五万円を受領、後日、二人暮らしということが証明でき、改めて複数世帯として百万円を申請されました。差額の二十五万円を心待ちにされていましたが、役所から届いたのは、まず支給済みの七十五万円を返還せよとの書面でした。そこには、期日までに返還しなければ年一〇%以上の遅延金を付すとの文言まで記載されていました。
行政の配慮ない対応で被災された方の心がくじかれる、こんな例は少なくありません。しかし、予算委員会で取り上げさせていただき、その場におられた財務大臣が力添えくださり、差額分を支給する制度にすぐに変更することができました。また、既に請求書を送付されていた方には返還する必要がないとの連絡を個別にしていただくことを約束していただきました。
公明党は、復興の理念に人間の復興を掲げています。それは、建物や道路、橋ができ、町が再建しても、そこで暮らしておられる皆様が安心して生活ができる、そして将来に夢と希望を持てるようになってこそ真の復興と言えるからです。そのために、国会議員自ら被災地に飛び込み、被災された方々に寄り添い、皆様の心の支えとなって働き続けていきたいと決意をしています。
今被災地に通わせていただく中で、被災された方々の御経験からたくさんのことを学ばせていただいています。その中で最も痛感をしていること、それは自助、共助、公助の力をフルに発揮して、マグニチュード七・三、最大震度七とも想定される首都直下地震や東海、東南海、南海の三連動地震に備えなければならないということです。そこで、本日はその視点から質問をさせていただきます。
公明党では、今から備えることの大切さを多くの皆様にお伝えする活動を精力的に行っています。パネルを御覧ください。(資料提示)これは防災力チェックシートです。例えば、地震で停電になったら復旧までに何日掛かるか御存じでしょうか。東京では復旧目標は六日です。水道はどうでしょうか。復旧まで三十日がめどとなっています。総理は、御自宅から一番近い給水拠点はどこにあるかすぐにお答えになることはできますか。これは答弁は結構です。知らないというのが多くの方で、私も最近知りました。そういった、いざというときに知っておいていただきたいことをまとめた防災力チェックシートを今東京を中心に配布させていただいています。
次のパネルを御覧ください。これはポケット防災ハンドブックです。折り畳めば財布に入るサイズになります。皆様は、奥様や御主人、お子さんなどの連絡先がすぐに分かりますでしょうか。携帯の電池がなくなると身近な方の連絡先すら分からない人は少なくありません。私も家族の携帯電話番号を思い出せませんでした。ここに災害時緊急連絡先、これを記入しておけば安心です。それらの情報とともに、震災直後にすること、当日にすることなどをまとめています。おかげさまで、チェックシートをやってみると知らないことがたくさんありましたとか、百円ショップで必要なものをそろえましたなど、使える防災グッズとして喜んでいただいています。
自助が個人の防災力だとすれば、共助は地域の防災力です。この共助の取組も同時に進める必要があります。
仙台のNPOの方が、女性の視点から今回の震災の避難生活や復興に向けての取組について調査をされました。多くの自治体で女性への配慮がなく、御苦労された実態が明らかになっています。しかし他方で、東松島市などでは、避難所の間仕切りや女性用の更衣室などが避難直後から設置されるなど、比較的配慮がなされていたという調査結果が出ています。伺ってみると、東松島市では、これまでの大災害で活動してきたみやぎ災害救援ボランティア主催の泊まりがけのワークショップに参加した我が党の議員の提案で災害に備え取り組んできていたということでした。当然、この大災害で様々問題は発生し続けましたが、自治体やボランティアの応援を受け入れる体制も比較的混乱が少なく進んでいました。
東日本大震災から一年が過ぎた今、全国の市区町村で防災訓練が実施されていますが、そのやり方、内容は様々で、行政と一部の方々だけで行われているケースも少なくありません。実際に避難所となる学校に地域の方が集まって、防災訓練、ワークショップを実施すれば、体育館の広さはどれくらいか、トイレはどこにあるか、体育館以外の避難所として使える教室はどれか、備蓄品は何がどれだけあるか、何が足りないかなど、具体的なことが分かり、知恵を出し合うことができます。
先日閣議決定された平成二十四年度総合防災訓練大綱には、地域の実情に合わせた効果的な防災訓練を実施するように求められ、学校等において地域住民と一体的に取り組む訓練を推進することが明記されていますが、単に盛り込んだだけでは不十分です。宿泊を伴う防災訓練を実施したり、高齢者、障害者など支援が必要な方々の視点で実際の避難所となる場所を点検してみるなど、市区町村が新しい形でより効果的な防災訓練やワークショップが実施できるように国が具体的な防災訓練のモデルケースやマニュアルを早急に作成すべきと考えますが、防災担当大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) 非常にきめの細かい大事な視点を御示唆をいただいたということで感謝を申し上げたいというふうに思います。
先ほど、御指摘のように、二十四年度の総合防災訓練大綱、これを二十九日に、先週の、発表いたしまして、この訓練を通じて、それぞれ自助、共助が実際に何をなすべきかということが一人一人しっかりと考えていけるそういう機会、それと同時に、ワークショップという御提案ありましたけれども、実際に避難場所についてそれぞれがしっかり確認ができるような、そういうことをしていくようにということで指示を出しました。
しかし、御指摘のように、指示を出すだけということではなくて、しっかりこれをフォローしていきながら、地方自治体と連携をして実際にそれを取り組んでいくというところまで頑張っていきたいというふうに思います。
○竹谷とし子君 防災訓練のモデルケースやマニュアルの整備、よろしくお願いいたします。
いざというときのために、地域の防災拠点である学校を使っての訓練やワークショップを行う、これを是非進めていただきたいと思います。しかし、実際に地域住民やNPOが学校を使いたいとなったときに、学校側になかなか受け入れていただけないというお声もいただいています。
学校施設の使用については、地方自治法や学校教育法、また政令等で校長や教育委員会等の裁量が広く認められていますが、学校は地域の防災拠点です。公明党の強い主張で学校の防災力を高めるための予算も付けていただきました。教育に支障のない限り、学校を使った防災のワークショップ、防災訓練のために学校を開放していくべきと考えますが、文部科学大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平野博文君) 基本的には、先ほど防災大臣からお話がございました。特に私どもとしては、地域のコミュニティーの拠点は学校であると、こういう観点、また御党の方からも強い御要求もございまして、我々としてはその考え方については全く同感でございます。
したがいまして、文科省におきましても、三月の九日に、学校防災マニュアル、特に地震・津波被害等の作成の手引を今もう配付をいたしておりまして、具体的に、積極的に学校の中において実践的なそういう行動を起こせる訓練をするようにと、こういうことでございます。なかなか消極的なところがございましたら、是非言っていただいたら私の方から強く求めていきますので、よろしくお願いします。
○竹谷とし子君 心強い御答弁、ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
日ごろから地域住民の方のつながりが強い東北地方でも、被災された方の生活を支えるのは容易なことではありません。同じような大災害が大都市圏で起きたらと想像すると、多くの人が不安になると思います。
今、市区町村では、災害時に特に支援が必要な高齢者や障害者の方々の要支援者名簿の作成に取り組まれつつあります。しかし、要支援者リストが作られても、それを支える支え手側がいなければ支援することはできません。そこで、自主防災組織をあちこちで立ち上げて育成することが重要になります。とはいえ、隣に誰が住んでいるか分からないような大都市でゼロから立ち上げることは簡単ではありません。
東京都では、地域において自主的なレスキュー隊を立ち上げたり見守りケアなど様々な活動をされている団体をまずは東京都が認定し、さらにその活動を表彰して広げていくという取組を開始します。四月十五日には第一回の認定式が行われます。先日、三鷹市に伺ったときに、学生さんから六十代の方々までみんなで協力をして長年地域の夜回りをされている方々にお目にかかりました。その活動は地域に定着し、我が家の前も是非通ってほしいという依頼まであるそうです。小さな取組かもしれませんが、このような地域の力こそがいざというときの防災力に直結します。
自助、共助の力を高めるということは、いざというときの行政の負荷を軽くするということに直結します。有り難いことです。国でも、東京都を参考にしながら自主防災、地域の防災力アップに取り組むべきと考えますが、防災担当大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) いざとなったときに、その地域コミュニティーがしっかり立ち上がってそして対応していくという、そういう体制をつくっていくということ、これは東日本の大震災の中でも非常に大きな教訓として私たち肝に銘じていかなければいけないということだと思います。同時に、それをふだんからそうした人間関係をつくっていく、あるいはまた、いろんな先ほどの御指摘のあったような取組の中で制度として、システムとして組み込んでいくということ、これをやっていくことが大切だというふうに思います。
実は、避難における総合的対策の推進経費ということで、この二十四年の予算案の中に四千五百万円を組み込んで、その取組について取組指針というのを作っていくということにしておりまして、都道府県あるいは市町村向けに避難所の運営あるいはまたコミュニティーのそうした運営に対してしっかりとした対応をしていきたいというふうに思っております。
○竹谷とし子君 是非、東京都の取組を全国に広める、そういった支援をしていただきたいというふうに思います。
次に、これは通告をしていないのですが、総理にお願いです。
障害者の方々が災害時にどんな支援が必要か記載したヘルプカードという制度があります。今は市町村により様式も呼び方も異なっています。そこで、東京都は、まずヘルプカードの様式を統一して、市区町村に全額補助し、普及する事業を検討しています。マタニティマークと同じように、国も同じ様式で全国に広めることで、見えない障害を持っている方にも周りの方はどんな支援が必要か明確になります。国も是非、東京都と連携して取り組むべきだと思います。
通告はしていませんが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の大震災の中の教訓、いろいろあると思います。女性の視点が足りなかった、あるいは障害者の配慮というのも一つ大きい要素だったと思います。
東京都の取組をちょっとよく勉強させていただきたいというふうに思います。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
次に、パネルを御覧ください。
中央防災会議の現時点での首都直下地震の被害最大の予測では、東京の焼失家屋は四十一万軒、一都三県では六十五万棟に上ります。阪神・淡路大震災の実に九十倍です。自然災害の発生自体を食い止めることはできませんが、日ごろの備えで減災、つまり災害時に発生し得る被害を少しでも減らすことは可能です。
東京都では七千ヘクタール、東京ドーム千五百個分に及ぶ木造住宅密集地域、いわゆる木密地域や災害時に緊急輸送道路となる幹線道路の耐震化に取り組んでいます。
パネルを御覧ください。これが木密地域です。一旦火災が出ると被害が広がり、また震度七の地震ではほとんど全ての建物が一瞬にして倒壊するという予測もあります。今年一月、この対策を更に加速するため、東京都は十年プロジェクトを策定し、特に必要性の高い木密地域について、最大六分の五の補助をして、不燃化、耐震化を進めることにしました。その費用は一兆円とも言われています。
木密地域や災害時緊急輸送道路の防災対策が必要なのは東京都だけではありません。首都圏近郊の神奈川、埼玉、千葉や大阪など、都市部の共通の課題であります。
国はこれまで、個人の家屋や建物の不燃化、耐震化への公的補助は個人の資産形成に公的資金を出すこととして消極的でした。しかし、一旦地震が起きてしまえば、多くの命と生活が奪われ、復旧復興には莫大な費用が掛かります。災害が起きる前に備えることが命と財産を守り、さらに将来の政府の歳出の削減にもつながります。
都市部の木密地域、緊急輸送道路などの耐震、不燃化、また高台移転など、災害による人的、物的、経済的損失を最小限に抑えるための予備的な対策に今国が強力に取り組むべきと考えます。国交大臣にお考えを伺います。
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
委員御指摘のとおり、直下型地震がいつ何どき起こるか分からないという状況の中で、実は耐震化というのが随分と遅れております。危機感を持っておりまして、省内においてもこの対策についてスピード感を持って直ちにやれることから着手するように指示を出しております。
委員御指摘のことについて具体的に申し上げますと、今までの密集市街地の整備改善については、社会資本整備総合交付金によって建築物の耐震、防火改修、除却などに対して支援を行っているところであります。建築物の耐震診断・改修への補助を行う地方公共団体についてもこの交付金で支援をしているところであります。特に緊急輸送道路の沿道の建築物の耐震化については、特に補助率をアップするということを考えております。三分の二の補助率に二三%から上げるということです。さらに、耐震改修については、平成二十三年度の第三次補正予算において、今後の大規模地震災害に備える観点から緊急輸送道路沿道の建築物についての支援の重点化を図ったところであり、平成二十四年度予算においても引き続きこれらの措置を継続し、都市の防災対策の強化に努めてまいります。
社会資本整備総合交付金に加えて、全国防災事業についても、この沿道については、沿道の緊急耐震改修ですか、これについては使えるようにいたしております。
○竹谷とし子君 是非、社会資本整備総合交付金とまた別枠に、大災害に備える予防的な対策に力を入れていただきたいとお願いを申し上げます。
国や地方自治体が耐震・不燃化に取り組むといっても一定の時間が掛かります。今大地震が起きて、木密地域であちこちで火災が起きれば大きな被害につながります。その対策として消防バイクの配備、活用を提案したいと思います。パネルを御覧ください。これが消防バイクです。私も試してみました。
木密地域でも駆け付けることができます。渋滞した道路でも迅速に現地に到着できます。これ、まず消防バイクの有効性、活用方法を消防庁で研究して、大都市圏の消防署や消防団に配備をしていただきたいと考えます。消防庁のお考えをお伺いいたします。
○政府参考人(久保信保君) 御指摘のように、木密地域での火災あるいは地震が起きたときの救急救助といった観点から見ますと、消防活動用のバイク、これは有効ではないかと考えておりますので、各消防本部に対しまして、その有効性等につきまして適切な助言をしてまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
最後に一点だけ、税金の無駄をなくすための総理のリーダーシップを期待して質問いたします。
公明党の指摘を受けて提出中の改正国政選挙の執行経費基準法案、突然の鳩山総理の辞任で審議未了となって廃案となっています。来年秋までに衆参両院の選挙は必ずあります。この改正案を通せば、百五十億円もの選挙費用を確実に削減できます。これを国民の皆様に負担増をお願いする前に通すべきだと思います。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 現在、国会において継続審議となっています今の改正法案でございますが、平成二十二年秋の臨時国会に再度提出したものでありますが、効率的な選挙執行と選挙経費の節減を定着させるためにもできる限り早い成立をお願いをしたいと考えております。
○竹谷とし子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(石井一君) 以上で加藤修一君、竹谷とし子さんの公明党の質疑は終了いたしました。(拍手)