定例記者会見
平成23年11月25日(金)
大臣)
それでは、私の方から3点ほどお話をまずします。
一つは、航空機モニタリングなのですが、これまで青森県から愛知県まで、1都21県を対象に航空機モニタリングを実施をしてきましたが、今日のお昼に、残りの4県の測定結果を公表して、当初予定していた地域のモニタリングを完了をしていきます。これはまた、マップで公表ができるというふうに思います。
これまでの測定結果や専門家の御意見も踏まえて、私自身も申し上げていましたが、西日本を含む更に広域での航空機モニタリングについて、年明け以降に実施をすることになりました。関係する都道府県との調整を進めて、専門家の御意見を伺いつつ、航空機の飛行経路といった具体的な測定計画の検討を行うことにしています。これが一つです。
それから次に、今日の閣僚懇談会で、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会、この招致について、総理に最高顧問、他の閣僚には特別顧問に御就任をいただいておりますけれども、これの評議会が11月28日に発足します。そういう状況の中で、今日の閣議で各閣僚に招致の実現に向けて協力要請を行いました。
これからの取組なのですが、毎回厳しい戦いになっていきますので、国を挙げた体制というのを組んでいきたいということですが、文部科学省としては、10月19日に招致対策本部を設置したのですけれども、政府としては11月11日に関係副大臣、それから政務官会議などの立ち上げをやりました。今後は、東京招致に関する閣議了解や、それから政府保証への対応という課題があるわけですが、これの検討を進めていきたいと思っておりますし、招致委員会を十分に支えるための活動の体制というものを作っていくということになっていきます。
それから3番目ですが、日本ユネスコ国内委員会の委員、この任命について、12月1日付で16名を任命するということについて、内閣の承認を得たところであります。
私の方からは以上です。
記者)
横浜で検出されたストロンチウムなのですけれども、原発由来の可能性は低いということですけれども、新たに都内3カ所でも検出されています。それで、調査範囲の拡大を求める声も出ていますが、その必要性について大臣のお考えを。
大臣)
まず、文科省としては、簡易でやった横浜のストロンチウムの分析だったわけですが、これを改めて精緻な形でやったら、ストロンチウム90は検出をされたけれども、いわゆる福島由来と考えられるストロンチウム89は不検出、検出されなかったということでありました。こういうような結果も踏まえてということもあるのですが、まずは身近なというか、福島第一原子力発電所近辺から外に広がっていく形で、検査をまず先行してやっていこうということで、100キロ圏外においては放射性セシウムの沈着量が高い土壌に関して、放射性ストロンチウムの調査を先行してやる。ということはどういうことかというと、100圏内はやるわけですけれども、それから外については、汚染マップで示された放射線濃度の高い地域があります、帯状に。そこをまず中心に、このストロンチウムの調査をしていきたいということで、まず最初の対応をしていきたいというふうに思っています。
記者)
航空機モニタリングに関してなのですけれども、西日本の地域もやるということなのですけれど、文科省の見解としては、放射性プルームの動きは、長野・群馬県境でとどまっているのではないかという見方なのですけれども、それでも西日本をやるという意味は、どういうことでやるのでしょうか。
大臣)
一つは、念のためということがあります。もう一つは、これは恐らく自然の放射線というのもここで出てくるわけでありますが、そうしたデータを集めた上で、いわゆる蓄積させた上で、将来の研究、あるいは対応ということについても、資料として使っていくことができるということもありますので、この際、全体の状況というのを把握していくということは大事だろうという判断をしました。
記者)
関連なのですけれども、西日本ということですが、大臣は以前、全国に広げたいという意向を示していらっしゃったと思うのですが、西日本はどこまでの範囲かというのを、具体的に教えてください。
文科省)
具体的に最終的な測定範囲というのは、今後のヘリコプターの調達状況でございますとか、関係する道府県との調整、専門家の御意見等も踏まえて今後決定するということになりまして、現時点ではすべてにおいて、どこがということは確定しておりません。
ですが、補足させていただきますと、西日本というだけではなくて、北海道も含めてそういった御相談をするということにしてございます。また、雪の問題でございますとか、もろもろもございますので、そういうものも含めて調整していくということになるかと思います。
記者)
では、時期については年明けからやるということですか。
大臣)
そうですね。さっきの天候ということもあるかと思うので、即やらなければいけないところというのは、一つ完結をしたということなので、それから以降、ヘリコプターを調達しながら、できるだけ早く、かつ、できるところからやっていくと、そういう意味です。
記者)
ストロンチウムの話に戻るのですけれども、私が昨日取材しましたところ、固相抽出法についての見解が、文科省と民間の調査機関である同位体研究所との間で異なっています。
昨日の文科省の御説明ですと、「固相抽出法だとほかの核種、鉛などの核種も拾ってしまうので、ストロンチウムを調べるには適切ではないので、文科省のやり方をとってください」、こういう御説明でした。これに対して、同位体研究所の方は、「確かに鉛などの核種は拾ってしまうのだけれども、それは20パーセントから30パーセントであって、すべての鉛などを拾ってしまうということは考えにくいと。それだけで固相抽出法という迅速法、海外でも使われている方法を本当に否定できるのですか」という反対意見というか、そのような見解を述べられているわけですけれども、それについて大臣の御見解を伺いたいのですが。
大臣)
非常に専門的な話になるので、私としては文部科学省の方から発表された、これは文部科学省としては専門家と様々に意見交換をして、確認して、それで結果をまとめているということだと思うのですが、それを改めて説明するよりほかはないんです、私の見解としては。
しかし、異論があるとすれば、それも聞かせていただいて、検討はしたいと思いますけれども。
記者)
民間がやっていらっしゃることを、ある意味で国が否定しているような形になっていると思うのですけれども、それに当たって、今回、文科省からこの民間の研究機関へ、直接の聞き取りなどは行っていらっしゃらないと思うのですが。
大臣)
否定しているということではないと思うのです。結果として、民間で調査をした、分析をしたものと、それから今回詳細に分析をしたものと、全く事実と違っているということではなくて、今回分析したものの方がより詳しく出て、結局、ストロンチウムの89か90かというところで、「可能性がありますね」と民間から調査結果が出たものに対して、「89はなかったけれども、90であった」という結果を出したわけですから、そこのところはまるっきり民間がストロンチウムに対して何も検出できなかったということではなくて、民間の可能性というのをベースにして、更に詳しくこちらの方で調べて、そのストロンチウムの中身について、今回、文科省の言う方法でストロンチウム89と90というのを更に詳しく調べることができたということを言っているだけだと思うのです。だから、そこの矛盾はないと思うのですけれども。
記者)
繰り返しになってすみません。民間の方でおっしゃっているのは、今回の文科省の発表が、固相抽出法という海外でも使われている方法を、ある意味、否定とまでは申し上げませんけれども、「それよりも文科省のやり方の方が正しいのですよ」という形で発表されているので、その固相抽出法という方法を、やはりある意味否定しているように聞こえるのだけれども、「本当にそういう言い方をして大丈夫なのですか」というようなことをおっしゃっているのです。
大臣)
だから、そこは、さっき言ったように否定しているのではなくて、こういうことなのです。固相抽出法は、日本分析センターの用いた手法と比べて、日本分析センターというのは、文科省が依頼した更に詳しい別な方法でやったわけですけれども、この手法と比べて、ストロンチウム89及び90を分離して分析できない分析手法、だから、ストロンチウム自体は分析はできるのだけれども、あるかないかというストロンチウムそのものは、この固相抽出法で出てくるのだけれども、そのストロンチウムの中の89なのか90かということができなかったということ、これを言っているのだと思うのです。今回、それが区別ができて、89はなかったけれども、90はあったと。しかし、この90は福島由来のものではない、自然の中であちこち検出されるものであったという結果が出たということであって、まるっきりこの固相抽出法を否定しているわけではないという見解を示しているのだと思うのですよね、文科省は。
記者)
政府は、4次補正予算を編成する方針を確認されたというか、野田総理はそういうお考えのようなのですけれども、文科省として何か検討するような事業というのはあるのでしょうか。
大臣)
まだ正式に、政府としてそういう体制でいこうということにはなってきていないので、そこまで検討はしていません、文科省としては。
記者)
まだ財務省とかから、正式な指示があったりしたわけではないということですか。
大臣)
そうですね。
記者)
では、そういうものが来ない限り、まだ大臣の念頭にも何か具体的なものというのは。
大臣)
いや、財務省からというよりも、政府として、それぞれ総理を中心にそういうことが確認をされてやろうということになった上での話なので、まだそこまでいっていないということです。
記者)
4次補正の場合は、規模感にもよると思うのですけれども、文科省としてのプライオリティーというのは、どのあたりの政策だというふうにお考えでしょうか。
大臣)
あれは、背景としてはTPPに関連して、農業関係を中心に対策をということだったと思うのです。私は報道ベースでしか知りませんけれども。
だから、その辺の対応だとすれば、それに資する研究の加速というか、そういうものはあるのだろうと思うのですけれども。
(了)
それでは、私の方から3点ほどお話をまずします。
一つは、航空機モニタリングなのですが、これまで青森県から愛知県まで、1都21県を対象に航空機モニタリングを実施をしてきましたが、今日のお昼に、残りの4県の測定結果を公表して、当初予定していた地域のモニタリングを完了をしていきます。これはまた、マップで公表ができるというふうに思います。
これまでの測定結果や専門家の御意見も踏まえて、私自身も申し上げていましたが、西日本を含む更に広域での航空機モニタリングについて、年明け以降に実施をすることになりました。関係する都道府県との調整を進めて、専門家の御意見を伺いつつ、航空機の飛行経路といった具体的な測定計画の検討を行うことにしています。これが一つです。
それから次に、今日の閣僚懇談会で、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会、この招致について、総理に最高顧問、他の閣僚には特別顧問に御就任をいただいておりますけれども、これの評議会が11月28日に発足します。そういう状況の中で、今日の閣議で各閣僚に招致の実現に向けて協力要請を行いました。
これからの取組なのですが、毎回厳しい戦いになっていきますので、国を挙げた体制というのを組んでいきたいということですが、文部科学省としては、10月19日に招致対策本部を設置したのですけれども、政府としては11月11日に関係副大臣、それから政務官会議などの立ち上げをやりました。今後は、東京招致に関する閣議了解や、それから政府保証への対応という課題があるわけですが、これの検討を進めていきたいと思っておりますし、招致委員会を十分に支えるための活動の体制というものを作っていくということになっていきます。
それから3番目ですが、日本ユネスコ国内委員会の委員、この任命について、12月1日付で16名を任命するということについて、内閣の承認を得たところであります。
私の方からは以上です。
記者)
横浜で検出されたストロンチウムなのですけれども、原発由来の可能性は低いということですけれども、新たに都内3カ所でも検出されています。それで、調査範囲の拡大を求める声も出ていますが、その必要性について大臣のお考えを。
大臣)
まず、文科省としては、簡易でやった横浜のストロンチウムの分析だったわけですが、これを改めて精緻な形でやったら、ストロンチウム90は検出をされたけれども、いわゆる福島由来と考えられるストロンチウム89は不検出、検出されなかったということでありました。こういうような結果も踏まえてということもあるのですが、まずは身近なというか、福島第一原子力発電所近辺から外に広がっていく形で、検査をまず先行してやっていこうということで、100キロ圏外においては放射性セシウムの沈着量が高い土壌に関して、放射性ストロンチウムの調査を先行してやる。ということはどういうことかというと、100圏内はやるわけですけれども、それから外については、汚染マップで示された放射線濃度の高い地域があります、帯状に。そこをまず中心に、このストロンチウムの調査をしていきたいということで、まず最初の対応をしていきたいというふうに思っています。
記者)
航空機モニタリングに関してなのですけれども、西日本の地域もやるということなのですけれど、文科省の見解としては、放射性プルームの動きは、長野・群馬県境でとどまっているのではないかという見方なのですけれども、それでも西日本をやるという意味は、どういうことでやるのでしょうか。
大臣)
一つは、念のためということがあります。もう一つは、これは恐らく自然の放射線というのもここで出てくるわけでありますが、そうしたデータを集めた上で、いわゆる蓄積させた上で、将来の研究、あるいは対応ということについても、資料として使っていくことができるということもありますので、この際、全体の状況というのを把握していくということは大事だろうという判断をしました。
記者)
関連なのですけれども、西日本ということですが、大臣は以前、全国に広げたいという意向を示していらっしゃったと思うのですが、西日本はどこまでの範囲かというのを、具体的に教えてください。
文科省)
具体的に最終的な測定範囲というのは、今後のヘリコプターの調達状況でございますとか、関係する道府県との調整、専門家の御意見等も踏まえて今後決定するということになりまして、現時点ではすべてにおいて、どこがということは確定しておりません。
ですが、補足させていただきますと、西日本というだけではなくて、北海道も含めてそういった御相談をするということにしてございます。また、雪の問題でございますとか、もろもろもございますので、そういうものも含めて調整していくということになるかと思います。
記者)
では、時期については年明けからやるということですか。
大臣)
そうですね。さっきの天候ということもあるかと思うので、即やらなければいけないところというのは、一つ完結をしたということなので、それから以降、ヘリコプターを調達しながら、できるだけ早く、かつ、できるところからやっていくと、そういう意味です。
記者)
ストロンチウムの話に戻るのですけれども、私が昨日取材しましたところ、固相抽出法についての見解が、文科省と民間の調査機関である同位体研究所との間で異なっています。
昨日の文科省の御説明ですと、「固相抽出法だとほかの核種、鉛などの核種も拾ってしまうので、ストロンチウムを調べるには適切ではないので、文科省のやり方をとってください」、こういう御説明でした。これに対して、同位体研究所の方は、「確かに鉛などの核種は拾ってしまうのだけれども、それは20パーセントから30パーセントであって、すべての鉛などを拾ってしまうということは考えにくいと。それだけで固相抽出法という迅速法、海外でも使われている方法を本当に否定できるのですか」という反対意見というか、そのような見解を述べられているわけですけれども、それについて大臣の御見解を伺いたいのですが。
大臣)
非常に専門的な話になるので、私としては文部科学省の方から発表された、これは文部科学省としては専門家と様々に意見交換をして、確認して、それで結果をまとめているということだと思うのですが、それを改めて説明するよりほかはないんです、私の見解としては。
しかし、異論があるとすれば、それも聞かせていただいて、検討はしたいと思いますけれども。
記者)
民間がやっていらっしゃることを、ある意味で国が否定しているような形になっていると思うのですけれども、それに当たって、今回、文科省からこの民間の研究機関へ、直接の聞き取りなどは行っていらっしゃらないと思うのですが。
大臣)
否定しているということではないと思うのです。結果として、民間で調査をした、分析をしたものと、それから今回詳細に分析をしたものと、全く事実と違っているということではなくて、今回分析したものの方がより詳しく出て、結局、ストロンチウムの89か90かというところで、「可能性がありますね」と民間から調査結果が出たものに対して、「89はなかったけれども、90であった」という結果を出したわけですから、そこのところはまるっきり民間がストロンチウムに対して何も検出できなかったということではなくて、民間の可能性というのをベースにして、更に詳しくこちらの方で調べて、そのストロンチウムの中身について、今回、文科省の言う方法でストロンチウム89と90というのを更に詳しく調べることができたということを言っているだけだと思うのです。だから、そこの矛盾はないと思うのですけれども。
記者)
繰り返しになってすみません。民間の方でおっしゃっているのは、今回の文科省の発表が、固相抽出法という海外でも使われている方法を、ある意味、否定とまでは申し上げませんけれども、「それよりも文科省のやり方の方が正しいのですよ」という形で発表されているので、その固相抽出法という方法を、やはりある意味否定しているように聞こえるのだけれども、「本当にそういう言い方をして大丈夫なのですか」というようなことをおっしゃっているのです。
大臣)
だから、そこは、さっき言ったように否定しているのではなくて、こういうことなのです。固相抽出法は、日本分析センターの用いた手法と比べて、日本分析センターというのは、文科省が依頼した更に詳しい別な方法でやったわけですけれども、この手法と比べて、ストロンチウム89及び90を分離して分析できない分析手法、だから、ストロンチウム自体は分析はできるのだけれども、あるかないかというストロンチウムそのものは、この固相抽出法で出てくるのだけれども、そのストロンチウムの中の89なのか90かということができなかったということ、これを言っているのだと思うのです。今回、それが区別ができて、89はなかったけれども、90はあったと。しかし、この90は福島由来のものではない、自然の中であちこち検出されるものであったという結果が出たということであって、まるっきりこの固相抽出法を否定しているわけではないという見解を示しているのだと思うのですよね、文科省は。
記者)
政府は、4次補正予算を編成する方針を確認されたというか、野田総理はそういうお考えのようなのですけれども、文科省として何か検討するような事業というのはあるのでしょうか。
大臣)
まだ正式に、政府としてそういう体制でいこうということにはなってきていないので、そこまで検討はしていません、文科省としては。
記者)
まだ財務省とかから、正式な指示があったりしたわけではないということですか。
大臣)
そうですね。
記者)
では、そういうものが来ない限り、まだ大臣の念頭にも何か具体的なものというのは。
大臣)
いや、財務省からというよりも、政府として、それぞれ総理を中心にそういうことが確認をされてやろうということになった上での話なので、まだそこまでいっていないということです。
記者)
4次補正の場合は、規模感にもよると思うのですけれども、文科省としてのプライオリティーというのは、どのあたりの政策だというふうにお考えでしょうか。
大臣)
あれは、背景としてはTPPに関連して、農業関係を中心に対策をということだったと思うのです。私は報道ベースでしか知りませんけれども。
だから、その辺の対応だとすれば、それに資する研究の加速というか、そういうものはあるのだろうと思うのですけれども。
(了)