参議院 本会議
平成24年3月23日(金)
○議長(平田健二君) 川田龍平君。
〔川田龍平君登壇、拍手〕
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
会派を代表して質問いたします。
労働者派遣法成立から四半世紀、そして派遣法の抜本改正を公約に掲げた政権交代から二年半、三人目の野田政権下で今抜本改正の柱が全て抜かれた修正案が急遽出され、衆議院の厚生労働委員会で採決、十分な審議なしに採決をされようとしています。みんなの党は、参議院でも衆議院と同じように国会での議論を尽くすべきだとし、この拙速な採決を拒みました。このような徹底した審議のない拙速な採決によって国会を軽視することの危険性を小宮山大臣はどうお考えですか。
今国会でも十分な審議なしに採決をされようとしており、みんなの党は、ここ、本会議での質疑の必要性を訴えました。その結果、本日、このような質疑の場を与えられたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
本題に行きます。
率直に聞きたい。今回の派遣法改正は、一体何のためにするのでしょうか。十三業種に限定されていた制定時の派遣法は、中間搾取の脱法的状況を転換するために制定されたものでした。多様な業務の正社員と違い、専門性を生かせる、間接雇用によって派遣元から社会保障が受けられ、働き方や生き方に自由を与えられるものだとうたわれました。しかし、その結果、現状はどうでしょうか。
同時期に成立した法に男女雇用機会均等法があります。女性労働者は総合職と一般職という形に分けられ、女性用事務職となった一般職はすぐに派遣の事務職に取って代えられ、合法的な女性差別を生み出しています。その後も派遣の対象業務はどんどん拡大され、女性だけでなく、男性も正社員から派遣社員を始めとした非正規労働に移行する比率が急激に増えました。その結果、労働者側にとっては、自由な生き方どころか、その日暮らしも難しい、人生の選択肢を奪う状況になってしまっています。正社員の解雇規制の厳しさが派遣を始めとする非正規労働の比率を更に押し上げている。日本の経済を根本から活性化するには、正規労働の硬直化と派遣を始めとする非正規労働の不安定化の両方を克服し、労働者が生活の不安なしにスムーズに流動化できるシステムが必要です。
そのために政府ができることがもっとあるはずです。例えば、派遣元が労働者の生活保障をするように指導する、企業への就労の垣根を低くする、どんな働き方であってもまともな生活が成り立つような支援、これは、憲法が保障する国民の生存権を守るために政府がすべき責務ではないでしょうか。
派遣労働者の均等待遇をうたったILO百八十一号に日本が批准して十二年、一体そこを改善せずに何をもって批准などと言えるのでしょうか。
みんなの党は、働き方の自由を損ない、雇用を奪う派遣法改正には一貫して反対です。同時に、同一労働同一待遇、同一労働同一賃金の実現を至上命題に挙げています。今、日本に必要なことは、頑張れば報われることを信じられる社会をつくることです。正規・非正規社員の間の流動性を確保し、格差を固定しない雇用形態を今こそつくらなければなりません。
全ての労働者が自分の仕事に誇りを持ち、幸せを感じる上で経済が成長していく社会、そうしたビジョンがないままに小手先の改正をするのではなく、官僚だけに依存するやり方から、民間の自由な発想に基づく経済活動ができる土壌をつくることが必要なのです。全ての労働者の権利が守られるように、労働組合による正社員の既得権益保護の体制を打破し、派遣労働という非正規労働が正規労働と同等に評価される、そうした社会をつくるべきです。
はっきり言って、この度の改正案は、労働者の権利が守られた上での改正ではありません。同一労働同一賃金が適用されないだけでなく、時間を割けるだけ割いて懸命に働く派遣で雇用される人への健康管理にも十分なケアがされていないのです。万一、体を壊したとき、正社員と同じ権利を享受できない彼らは一体どうしたらいいのですか。
自殺者が十四年間連続で三万人を超えています。自殺する多くの人は、働き盛りで職場でのストレスが原因であることも多いのです。私の生涯の目標である、命が最優先される社会の実現と逆行する悪法であると断じざるを得ません。
政府は、昨年、労働安全衛生改正法案を閣議決定しています。この法案はまだ審議入りしていませんが、この法案には労働者の精神衛生を守るための規定が盛り込まれています。過労による自殺を防ぐために、産業医にメンタルチェックを求めたものであり、同時に、産業医に精神医学の習得を促す内容です。
野田政権は、こうした精神衛生を保全し、労働環境を改善させるような法案をたなざらしにする政権です。労働弱者である派遣労働者こそが、こうした精神保健を図る政策の恩恵にあずからねばならないのに、そうした法整備を促す法案を放置したままでこの派遣法を通すおつもりですか。小宮山厚生労働大臣にお伺いいたします。
また、派遣労働者も含む労働者への自殺対策、メンタルヘルス対策をどのようにしていくつもりなのか、中川自殺対策担当大臣にお答えいただきたい。
命が大切にされ、未来に希望が描ける社会をつくりませんか。生きるって楽しいと心から思える社会を。三・一一であんなにもたくさんのものを失いました。希望の描ける、希望の未来を描ける創造的な復興が今必要です。小宮山厚生労働大臣、そうした社会を共につくっていくとお約束いただけますか。いただけないのであれば、政権の座を直ちに降りてください。
政治にしかできないことがあります。私たち国会議員が本気になれば、それは実現するんです。繰り返しになりますが、私は生きている限り、命が最優先される社会の実現を決して諦めません。この議場にいる全ての議員の皆さんに力をお貸しいただきたい。皆さんとともに、命が最優先される社会を実現する、それを目指すことを改めてここに誓い、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣法改正案の参議院での審議についてですが、労働者派遣法改正案については、平成二十二年四月の国会提出以来、六度の継続審議となり、この間、衆議院で審議していただきました。この間、大震災、円高、欧州債務危機など、改正法案をめぐる環境が大きく変化したことも踏まえ、民主、自民、公明三党の提案による修正が行われた上で、三月八日に衆議院を通過しました。労働者派遣法改正案は、派遣労働者の雇用の安定を図るために極めて重要な法案であることから、参議院でも精力的に御議論いただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
労働者派遣法改正案の目的についてですが、労働者派遣法改正案は、日雇派遣の原則禁止、労働契約申込みみなし制度の創設、均等待遇の確保などを通じて労働者の保護と雇用の安定を図るための極めて重要な法案です。このため、参議院でも精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
派遣労働者の均等待遇についてですが、派遣労働者については、正社員と比較して年齢による賃金の上昇度合いが低い実態にあるなど、正社員との格差の存在が指摘されています。このため、今回の労働者派遣法改正案では、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定等を行うよう配慮することを義務付けています。
労働者派遣法改正案が成立した際には、まずは、改正案の規定に従って派遣労働者と派遣先の労働者の均衡が確保されるよう、派遣元事業主に対する改正案の周知等に努めていきます。
派遣労働を正規労働と同等に評価すべきということについてですが、正規雇用と同様に派遣労働者の待遇を確保するとともに、雇用の安定を図ることが重要と認識しています。このため、労働者派遣法改正案では、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定等を行うよう配慮することを義務付けています。また、有期雇用の派遣労働者について、希望に応じ、無期雇用の労働者への転換措置を派遣元事業主に対し努力義務化するなどの措置を盛り込んでいます。
派遣労働者の健康管理についてですが、派遣労働者の人も含め、働くことにより労働者が健康を損なうことはあってはならないのは当然のことです。このため、厚生労働省では、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、長時間労働者に対する医師による面接指導の実施を始めとした労働者の健康管理に関する措置の徹底などの総合的な対策を派遣労働者も含めて実施しています。派遣労働者でも、業務により健康を害してしまった場合には、労災保険から必要な給付がなされます。
労働者派遣法改正案と労働安全衛生法改正案についてですが、労働者派遣法改正案は、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために極めて重要な法案であることから、参議院でも精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
一方、労働安全衛生法改正案についても、メンタルヘルス対策の強化等を通じて、労働安全衛生対策をより一層充実するための法案であり、この法案についても国会で精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
雇用について希望が描ける社会についてですが、雇用について希望が描ける社会をつくっていくことは、もちろんこれは重要なことだと考えています。こうした観点から、日本再生の基本戦略や社会保障・税一体改革を踏まえ、全員参加型社会やディーセントワークの実現、重層的なセーフティーネットの構築を図っていきます。また、例えば、非正規雇用問題に総合的に対応し、労働者が希望する働き方を実現するための望ましい働き方ビジョンを作成し、その実現を図るなど、力を尽くしていきたいと考えています。(拍手)
〔国務大臣中川正春君登壇、拍手〕
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、日本の自殺者数は高いレベルに推移をしております。昨年、平成二十三年の自殺者数は三万六百五十一人となっておりますが、これはしかし、前年に比べて三・三%減少をしております。そのような中で、被雇用者あるいは勤め人の自殺者数も四・二%減少しておりますが、そのうち、二十歳代以下の若い世代を見ると、二・二%増加をしております。若い世代では非正規雇用の割合が高く、労働者としては弱い立場にある人が多いことが懸念をされます。
政府としては、派遣労働者も含む労働者のメンタルヘルス対策の充実強化等を図るための労働安全衛生法改正案を国会に提出しているところであります。同法案の早期成立を目指していきたいというふうに思っております。同時に、弱い立場にある方々を始め、一人でも多くの方の命を救うべく、国、地方公共団体、民間団体等連携をしまして、相談体制の強化などを図ってまいります。(拍手)
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
〔川田龍平君登壇、拍手〕
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
会派を代表して質問いたします。
労働者派遣法成立から四半世紀、そして派遣法の抜本改正を公約に掲げた政権交代から二年半、三人目の野田政権下で今抜本改正の柱が全て抜かれた修正案が急遽出され、衆議院の厚生労働委員会で採決、十分な審議なしに採決をされようとしています。みんなの党は、参議院でも衆議院と同じように国会での議論を尽くすべきだとし、この拙速な採決を拒みました。このような徹底した審議のない拙速な採決によって国会を軽視することの危険性を小宮山大臣はどうお考えですか。
今国会でも十分な審議なしに採決をされようとしており、みんなの党は、ここ、本会議での質疑の必要性を訴えました。その結果、本日、このような質疑の場を与えられたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
本題に行きます。
率直に聞きたい。今回の派遣法改正は、一体何のためにするのでしょうか。十三業種に限定されていた制定時の派遣法は、中間搾取の脱法的状況を転換するために制定されたものでした。多様な業務の正社員と違い、専門性を生かせる、間接雇用によって派遣元から社会保障が受けられ、働き方や生き方に自由を与えられるものだとうたわれました。しかし、その結果、現状はどうでしょうか。
同時期に成立した法に男女雇用機会均等法があります。女性労働者は総合職と一般職という形に分けられ、女性用事務職となった一般職はすぐに派遣の事務職に取って代えられ、合法的な女性差別を生み出しています。その後も派遣の対象業務はどんどん拡大され、女性だけでなく、男性も正社員から派遣社員を始めとした非正規労働に移行する比率が急激に増えました。その結果、労働者側にとっては、自由な生き方どころか、その日暮らしも難しい、人生の選択肢を奪う状況になってしまっています。正社員の解雇規制の厳しさが派遣を始めとする非正規労働の比率を更に押し上げている。日本の経済を根本から活性化するには、正規労働の硬直化と派遣を始めとする非正規労働の不安定化の両方を克服し、労働者が生活の不安なしにスムーズに流動化できるシステムが必要です。
そのために政府ができることがもっとあるはずです。例えば、派遣元が労働者の生活保障をするように指導する、企業への就労の垣根を低くする、どんな働き方であってもまともな生活が成り立つような支援、これは、憲法が保障する国民の生存権を守るために政府がすべき責務ではないでしょうか。
派遣労働者の均等待遇をうたったILO百八十一号に日本が批准して十二年、一体そこを改善せずに何をもって批准などと言えるのでしょうか。
みんなの党は、働き方の自由を損ない、雇用を奪う派遣法改正には一貫して反対です。同時に、同一労働同一待遇、同一労働同一賃金の実現を至上命題に挙げています。今、日本に必要なことは、頑張れば報われることを信じられる社会をつくることです。正規・非正規社員の間の流動性を確保し、格差を固定しない雇用形態を今こそつくらなければなりません。
全ての労働者が自分の仕事に誇りを持ち、幸せを感じる上で経済が成長していく社会、そうしたビジョンがないままに小手先の改正をするのではなく、官僚だけに依存するやり方から、民間の自由な発想に基づく経済活動ができる土壌をつくることが必要なのです。全ての労働者の権利が守られるように、労働組合による正社員の既得権益保護の体制を打破し、派遣労働という非正規労働が正規労働と同等に評価される、そうした社会をつくるべきです。
はっきり言って、この度の改正案は、労働者の権利が守られた上での改正ではありません。同一労働同一賃金が適用されないだけでなく、時間を割けるだけ割いて懸命に働く派遣で雇用される人への健康管理にも十分なケアがされていないのです。万一、体を壊したとき、正社員と同じ権利を享受できない彼らは一体どうしたらいいのですか。
自殺者が十四年間連続で三万人を超えています。自殺する多くの人は、働き盛りで職場でのストレスが原因であることも多いのです。私の生涯の目標である、命が最優先される社会の実現と逆行する悪法であると断じざるを得ません。
政府は、昨年、労働安全衛生改正法案を閣議決定しています。この法案はまだ審議入りしていませんが、この法案には労働者の精神衛生を守るための規定が盛り込まれています。過労による自殺を防ぐために、産業医にメンタルチェックを求めたものであり、同時に、産業医に精神医学の習得を促す内容です。
野田政権は、こうした精神衛生を保全し、労働環境を改善させるような法案をたなざらしにする政権です。労働弱者である派遣労働者こそが、こうした精神保健を図る政策の恩恵にあずからねばならないのに、そうした法整備を促す法案を放置したままでこの派遣法を通すおつもりですか。小宮山厚生労働大臣にお伺いいたします。
また、派遣労働者も含む労働者への自殺対策、メンタルヘルス対策をどのようにしていくつもりなのか、中川自殺対策担当大臣にお答えいただきたい。
命が大切にされ、未来に希望が描ける社会をつくりませんか。生きるって楽しいと心から思える社会を。三・一一であんなにもたくさんのものを失いました。希望の描ける、希望の未来を描ける創造的な復興が今必要です。小宮山厚生労働大臣、そうした社会を共につくっていくとお約束いただけますか。いただけないのであれば、政権の座を直ちに降りてください。
政治にしかできないことがあります。私たち国会議員が本気になれば、それは実現するんです。繰り返しになりますが、私は生きている限り、命が最優先される社会の実現を決して諦めません。この議場にいる全ての議員の皆さんに力をお貸しいただきたい。皆さんとともに、命が最優先される社会を実現する、それを目指すことを改めてここに誓い、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣法改正案の参議院での審議についてですが、労働者派遣法改正案については、平成二十二年四月の国会提出以来、六度の継続審議となり、この間、衆議院で審議していただきました。この間、大震災、円高、欧州債務危機など、改正法案をめぐる環境が大きく変化したことも踏まえ、民主、自民、公明三党の提案による修正が行われた上で、三月八日に衆議院を通過しました。労働者派遣法改正案は、派遣労働者の雇用の安定を図るために極めて重要な法案であることから、参議院でも精力的に御議論いただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
労働者派遣法改正案の目的についてですが、労働者派遣法改正案は、日雇派遣の原則禁止、労働契約申込みみなし制度の創設、均等待遇の確保などを通じて労働者の保護と雇用の安定を図るための極めて重要な法案です。このため、参議院でも精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
派遣労働者の均等待遇についてですが、派遣労働者については、正社員と比較して年齢による賃金の上昇度合いが低い実態にあるなど、正社員との格差の存在が指摘されています。このため、今回の労働者派遣法改正案では、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定等を行うよう配慮することを義務付けています。
労働者派遣法改正案が成立した際には、まずは、改正案の規定に従って派遣労働者と派遣先の労働者の均衡が確保されるよう、派遣元事業主に対する改正案の周知等に努めていきます。
派遣労働を正規労働と同等に評価すべきということについてですが、正規雇用と同様に派遣労働者の待遇を確保するとともに、雇用の安定を図ることが重要と認識しています。このため、労働者派遣法改正案では、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定等を行うよう配慮することを義務付けています。また、有期雇用の派遣労働者について、希望に応じ、無期雇用の労働者への転換措置を派遣元事業主に対し努力義務化するなどの措置を盛り込んでいます。
派遣労働者の健康管理についてですが、派遣労働者の人も含め、働くことにより労働者が健康を損なうことはあってはならないのは当然のことです。このため、厚生労働省では、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、長時間労働者に対する医師による面接指導の実施を始めとした労働者の健康管理に関する措置の徹底などの総合的な対策を派遣労働者も含めて実施しています。派遣労働者でも、業務により健康を害してしまった場合には、労災保険から必要な給付がなされます。
労働者派遣法改正案と労働安全衛生法改正案についてですが、労働者派遣法改正案は、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために極めて重要な法案であることから、参議院でも精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
一方、労働安全衛生法改正案についても、メンタルヘルス対策の強化等を通じて、労働安全衛生対策をより一層充実するための法案であり、この法案についても国会で精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
雇用について希望が描ける社会についてですが、雇用について希望が描ける社会をつくっていくことは、もちろんこれは重要なことだと考えています。こうした観点から、日本再生の基本戦略や社会保障・税一体改革を踏まえ、全員参加型社会やディーセントワークの実現、重層的なセーフティーネットの構築を図っていきます。また、例えば、非正規雇用問題に総合的に対応し、労働者が希望する働き方を実現するための望ましい働き方ビジョンを作成し、その実現を図るなど、力を尽くしていきたいと考えています。(拍手)
〔国務大臣中川正春君登壇、拍手〕
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、日本の自殺者数は高いレベルに推移をしております。昨年、平成二十三年の自殺者数は三万六百五十一人となっておりますが、これはしかし、前年に比べて三・三%減少をしております。そのような中で、被雇用者あるいは勤め人の自殺者数も四・二%減少しておりますが、そのうち、二十歳代以下の若い世代を見ると、二・二%増加をしております。若い世代では非正規雇用の割合が高く、労働者としては弱い立場にある人が多いことが懸念をされます。
政府としては、派遣労働者も含む労働者のメンタルヘルス対策の充実強化等を図るための労働安全衛生法改正案を国会に提出しているところであります。同法案の早期成立を目指していきたいというふうに思っております。同時に、弱い立場にある方々を始め、一人でも多くの方の命を救うべく、国、地方公共団体、民間団体等連携をしまして、相談体制の強化などを図ってまいります。(拍手)
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。