三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

  • Profile
  • 活動報告
  • 政策について
  • かわら版
  • 事務所案内
活動履歴
  • メニュー
  • 活動履歴
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • ホームへ戻る
事務所案内

中川正春事務所

〒513-0801
鈴鹿市神戸7-1-5

059-381-3513

地図はこちら

国会事務所

〒100-8981
東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館519号室

03-3508-7128

地図はこちら

内閣府特命担当大臣

衆議院 災害対策特別委員会 会議録?◆聞盒彊儖÷、重野委員、柿澤委員、石田委員、矢崎委員)

平成24年3月16日(金)

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 最初に、昨日の質問の続きを一問だけさせていただきます。申しわけありません。

 大震災では、原発事故からの避難者も多く、各地の旅館、ホテルなどが避難所として協力をいただきました。ところが、中越地震のときは一日五千円だった、この参考価格が発表されまして、それが事実上の基準になってしまったわけです。

 そこで、五千円というのは消費税も込みの値段であります。それで三食提供するわけですから、旅館側では、かなり採算をとるのは厳しいということで、例えば、避難されてきた御夫婦が同室を要望されても、当然それはできないということになって、女性は女性、男性は男性、そして、しかもなるべく相部屋でたくさんの方を入れるということになるわけですね。そうすると、フロアで、体育館式の避難所というのも大変苦痛でありますけれども、ある程度閉鎖された空間でありながら幾つもの世帯がずっと共同生活するという、これもまたなかなかきつい、しかも夫婦は別々である、こういう状態が起こっていたということがありました。

 そこで、一日五千円という、これは別に決まりでもないし、地域特性も考慮してこれを上回っても構わないということを確認したいんです。それから、やはり消費税は自腹にさせるというのはおかしい、外出しにすべきではないでしょうか。

○西藤政府参考人 お答えいたします。

 ホテルや旅館を避難所として活用し、被災者を受け入れた場合には、その費用は災害救助法による国庫負担の対象としているところでございます。この取り扱いにつきましては、被災地でない都道府県を含め、全都道府県に対し周知し、積極的な被災者の受け入れを要請してきたところでございます。

 その際、私どもで発出いたしました課長通知におきましては、「民間の旅館、ホテル等を借り上げることにより避難所として活用することも可能であるので、積極的に検討されたい。なお、この場合、地域の実情に応じて避難所の設置のため相当な経費は国庫負担の対象となるので留意されたい。」としておりまして、その際、あわせて参考として、新潟中越地震の際に、一日当たり日額五千円としたことをお示ししております。この価格は参考としてお示ししておりまして、実際の費用につきましては、地域における実情、被災者の家族構成などによりさまざまであると想定されますので、各都道府県において、これらを勘案して定めることができるものでございます。

 なお、消費税の取り扱いにつきましては、私ども、一般的に災害救助の基準としてお示ししている額については、基本的には消費税込みの価格でございますので、そこで消費税を内、外ということで混乱が生じないよう、消費税込みの価格で考えるのがよろしいのではないかというふうに考えております。

○高橋(千)委員 ここは指摘しておきます。込みだとするのであれば、それを含んだものでやっていかなければならないわけです。災害というのは本当に自治体の事務量が膨大になりますから、やはり基準らしきものに頼って仕事をせざるを得ないんですね。特に厚労省が参考としたものが、結局、観光庁が五千円であると断定的な通知を出したということでこれがコンクリートされてしまったという経過がございました。

 鳴子温泉がある大崎市などは、消費税分を自治体として補助しておりました。こういうこともありますので、ぜひ、これは基準ではないのだ、当然認めていいのだということで、今後につながることですので、しっかりと徹底、また柔軟に対応していただきたいということを要望したいと思います。

 次に、大雪被害のことなんですけれども、果樹やハウスなどの農業被害が深刻であります。先月の二十六日には、鹿野農水大臣も、青森県内三市のリンゴ園地やハウスなどの視察をしていただきました。七日の青森県の発表で、ハウスだけでも三百四十二棟、約一億一千万ということで、記録が残っている一九八九年以降、最悪の被害と言われております。ただ、リンゴについては、まだ深い雪の中で、被害状況は詳細にわかっておりません。

 それで、急がれるのは、まずリンゴのふもとまでたどり着くことですよね。そして、解かしてなるべく下枝を出していくということが求められています。県でもそのように指導して、市町村でも融雪剤への独自補助などを始めています。

 このような取り組み、つまり、農道の除雪や融雪剤の散布などに対しても国として支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○森本大臣政務官 高橋委員にお答えをいたします。

 確かに、大変御心配をいただいておりまして、ありがとうございます。

 私どもも、しっかりこの調査をしなければならないんですが、とにかく雪解けを待たなければ本当の原因がわからないというようなことで、そのように認識をさせていただいております。

 ハウスもかなり傷んでおりますし、リンゴなんかは幹割れなんかもあるわけでございますので、ここのところは、総務省が交付税算入もしていただくということの中で、私たちは、融雪剤、そうした対応をしっかりやっていくということで、県、市町村にお願いをしておるところでございます。

 そしてまた、雪崩防止施設や農道の路面等に水を流す消雪パイプ等については交付金の方で対応していただくということになっておりますので、そうした事業も、予算も紹介しながら、今頑張っておるところでございますので、よろしくお願い申し上げます。

○高橋(千)委員 言ってみれば、総務省にお願いをする、一言で言うとそういうことになるのかなと思うんですけれども、それもありがたいことなんですが、やはり、そこの間に入って、自治体が取り組んでいる、頑張っていることを農水省もしっかりと応援していく、その上で、お願いをしていただいて、しっかりと特別交付税なりで担保していただきたいということをお願いしたいと思います。

 その先の話を、もう一つなんですけれども、当然、枝折れが激しい場合、改植などという形で次の復旧、再生を図っていかなければなりません。ただ、そうしますと、いわゆる収入のない期間があるということで、昨年スタートしました果樹、茶の未収益期間に着目した経営緊急対策が今回の災害でも活用できるのではないか、これが期待をされているわけです。

 そのことをまず一点確認したいのと、その上で、とはいっても、改植といえば、園地の被害は均一ではないために、全部やられたというわけではないのだ、では、それは難しいのかな、対象にならないのかなという不安もございます。面積要件を緩和するなどして、この災害で対応できるように柔軟にやっていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

○森本大臣政務官 このことについては、高橋委員のほかに、皆さん方、非常に御尽力いただいて、御心配いただいておるところでございますので。

 五アールという設定が実はあります。これは、普通ですと十アールというような設定で我々としては臨んでおったんですが、ここは五アールと、少しでも狭くしながら、細かく対応していきたいというふうに私どもも考えております。

 このことについては、皆さん方の御尽力で、私どもの農林水産省の職員もそのことをしっかり現地で聞き取りさせていただいて、私の方からも、そうしたきめ細かな災害対応、そして、これからの育成についてやるようにと指示を出しておりますので、細かい点については、また御質問がございましたらお答えさせていただきます。

 金額はよろしいですね、おわかりでございますから。言いますか。(高橋(千)委員「どうぞ」と呼ぶ)そうですか。

 今、改植を言われました。これは、三十二万、これが十アール当たりですから、一反当たりこれだけの補助をして、下限が二アールということでございますので、計算していただいたらわかると思います。先ほど言われた未収益が五アール、ここが少し問題があるんだということなんですけれども、これは四年間五万円ということでございますので、かなり厚く我々は手当てをさせていただいたというふうに認識をいたしております。

○高橋(千)委員 やはりリンゴというのは、リンゴに限らず果樹、この間ずっと、大雪被害だけではなく、台風、風雪、霜ですとか、さまざまな被害が繰り返し、毎年のようにありました。そういう中で、やはり地元の生産者や行政と要望を重ねてくる中で、価格安定制度ですとか、さまざまな制度が発展していって、そういう中で今、未収益期間の対応が昨年からスタートしたと。これは本当に歓迎したいし、地元でも使われているわけです。

 それで、今回の災害でもぜひうまく活用されて、生産や意欲がつながっていくように期待をしていますので、あとは細かい相談に乗って、きちんと対応できるように農水省の対応をお願いしたいということで……(森本大臣政務官「委員長」と呼ぶ)いや、ちょっと済みません、時間の関係がありますので。

○森本大臣政務官 それでは短く。

 一軒の家で五アールという設定をいたしますので、一カ所で五アールという厳しい対応はとりませんので、その点は御理解いただきたいと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。

 次に、除排雪の費用の問題を質問したいと思います。

 二月十六日の予算委員会で、私は、社会資本整備総合交付金で除雪補助の対象となる雪寒法の指定路線について、実態に合わないのではないかということを指摘いたしました。青森県市町村雪寒指定路線の延長は、除雪している道路の二六・四%にすぎません。昨日の本委員会でも、自民党の木村太郎委員が、指定の見直しの目途について質問をしました。

 そういう経過があったわけですけれども、そのときの答弁がはっきりしなかったということで、本日、理事会の場に、これは雪寒法に基づく五カ年計画の次の年度が平成二十五年度なので、そこまでに見直しをするのだという答弁書が提出をされたところです。それは、法律がそうなっているからわかっていることなんです。問題はそういうことではないんですね。

 地元の要望は、結局、その雪寒法の指定路線に基づいてお金が来るものですから、実態に合わないのじゃないか、それから生活道路が全然見込まれていないんじゃないかと。それに対して、二月二十七日の参議院の災害対策委員会で津島政務官が、きょうおいでになっていますけれども、見直すと言ったこと、その中身ですね、それは我々の期待に応えるものだと思っていたから、木村委員も昨日質問されたんだと思う。

 それは、結局中身は、通常の法改正の延長線上なのかなというのが今の受けとめなんです。津島政務官の真意を伺いたいと思います。

○津島大臣政務官 高橋先生にお答えを申し上げたいと思います。

 まず、二月五日、政府派遣で私も青森を訪ねさせていただきました。先生もおいでになるかと思ってお待ちをしておりましたが、いらっしゃらなかったことは本当に残念だと思っております。

 そこで、今先生御指摘の雪寒法の見直しのことでありますけれども、近年、ことし、そして昨年は非常に大雪だったのも事実でありますが、その前は暖冬だったということもございました。その中で、雪国、特に豪雪地帯は非常に苦しんでいるというのも実情であります。これも私も十分承知をしております。

 そこで、この雪寒法の見直しでありますけれども、関係者の意見を幅広くお伺いしながら改正をしていくということでありますが、まさしく、今先生の御心配の向きは十分に理解をしておりますので、その点も十分に考慮しながら頑張っていきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○高橋(千)委員 今ちょっとお話にあったように、暖冬だからとか、そういうことを言っちゃうと、逆に指定路線が縮小される、そのことを指摘しなければならないんです。ですから、考え方をやはり変えなくちゃいけないんだということを言わなければならないと思うんです。

 ですから、指定路線に縛られて社会資本整備総合交付金が入っている、ここに自治体の悩みがあるわけですので、私は、思い切ってこの交付金と除雪費用は分ける、もとに戻す、これが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○津島大臣政務官 除雪費の社会資本整備総合交付金でありますけれども、これは非常に幅広く使える、使い勝手がある、こういう制度でございますので、私は、そういった意味で、先生の御心配、御懸念には当たらないと思っておりますので、この辺も踏まえて、私どもの国土交通省もしっかりと対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。

○高橋(千)委員 これで終わりますが、幅広く使えるけれども枠は狭まっている、これではだめなんだということを指摘して、終わりたいと思います。

○村井委員長 次に、重野安正君。

○重野委員 社会民主党の重野安正でございます。

 昨日、通告をしていながら質問が残ったのがありますから、まず、それから入ります。

 自治体のマンパワー不足の問題についてですが、防災基本計画では、防災をめぐる社会構造の変化として、人口減少が進む中山間地域あるいは漁村等では、行政職員の不足云々が取り上げられています。

 私は、この指摘は的を得たものだと思っています。平成の大合併で基礎的自治体の数は大幅に減少いたします。それにあわせて、職員数も大幅な減少が続いている。九四年と二〇一〇年を比較いたしますと、総数で四十六万人強、一四%減、一般行政職では二十三万人、二〇%の減少となっている。さらに、二〇一二年度の地方財政計画では一万一千人の人員削減が盛り込まれている。

 今、被災地の役所では、復旧復興のために膨大な仕事が押し寄せている。例えばの話でありますが、気仙沼市の話でありますが、道路の復旧、災害復旧だけでも通常の年の百倍程度に上がっているということであります。こうした業務によって職員は疲労こんぱいの状態で、休職者も後を絶たず、増加の一途と聞いています。

 もちろん全国の自治体からの応援もありますが、しかし、それでは賄えていない、圧倒的に不足をしている。それが結果として復旧復興のおくれということになるわけであります。あるいは、組んだ予算の執行もとてもできないというようなこと。応援部隊を派遣する自治体自身が人手が足りないというような状態。

 防災基本計画では、行政職員の不足への対応として、防災ボランティア活動への支援などが挙げられていることは承知をしております。しかし、これだけで、現在、東北三県で発生している人手不足に質、量ともに対応できるはずもありません。

 そこで、大臣に伺いますけれども、防災、減災の観点から、現在の自治体のマンパワーの問題についてどのように受けとめておられるか、お聞かせください。

○中川国務大臣 御指摘のように、被災地の自治体の職員が足りない、そんな中でいろいろな作業がおくれてきておるということも痛感をしておりまして、まずそれに対する対応をしていかなければならないというのが我々の思いであります。

 まずは、今のところできるとすれば、全国のネットワークの中で、被災自治体への職員派遣を促していくということだと思っておりまして、現在のところ、全国市長会それから町村会の協力による派遣スキーム、これで三百四十人、それから、国土交通省のあっせんにより、町づくり関係の職員で百六十人の派遣の申し出があります。

 防災基本計画の昨年の十二月の修正におきまして、災害の発生時には、その規模等に応じて、国、地方公共団体が連携して広域的な応援体制を迅速に構築するものとする、その場合に、被災市町村は、必要な場合、関係指定地方行政機関または関係指定公共機関に対し、職員の派遣を要請する。そのときの費用ですが、これを特別交付税によって全額措置するということを整理いたしました。

 また、任期つきの職員あるいは再任用職員の採用等々、さまざまな努力をしてもらいながら、復旧復興を進めるために必要な体制が確保されるようにしていきたいと思います。派遣する方も、必ずしも現職ということでなくて、OBとか任期つきの職員とか、弾力的に派遣ができるような体制というのも必要なのかなと思っておりまして、そういうことも含めて総合的に対応していくということで頑張っていきたいと思います。

○重野委員 平成の大合併が進んで、十の町村が合併して一つになるとか、そういう事態が全国的に進んでいる。通常でも生活インフラのメンテナンスが滞っている、そういう現実が全国至るところにある。それに加えて、今回のような大きな災害が発生すると、もはや対応できない。だから、私は、この間進めてきた合併、そしてそれに伴う職員の減、そういう点について、もう一度立ちどまって政府は考える、そういうときが来ている、今回の災害はそのことを言っているんじゃないか、そのように考えますし、そこら辺について、大臣として大いに発信をしていただきたい、このように思います。

 次に進みます。交付金の決定率などについてですが、国土交通省に伺います。

 今回の豪雪被害に遭った各自治体から多くの要望書が出されております。その中で、新潟県から、国からの交付金の確保についての要望が出されている。道路の除排雪について、社会資本整備総合交付金の対象となっていますが、その決定率が至って低いという指摘が出されている。新潟県の資料によりますと、二〇〇五年度から二〇一〇年度で、補助対象事業費のうち、交付決定事業費は平均で六一%にすぎないということであります。しかも、年度によっては三三%、あるいは九二%、物すごく波がある。

 例えば、二〇〇五年度の道路除排雪の経費は、総額で百六億円、補助対象となる事業費が八十五億円で、そのうち、交付が決定されたのは七一%の六十億円というふうな話なんですね。ところが、二〇一〇年度は、総経費百三億円、補助対象八十四億円で、二〇〇五年度とほとんど同じであるにもかかわらず、実際の交付決定事業はわずか三三%、額にして二十八億円、こういうことなんですね。だから、倍以上の差が出ている。これは一体どういうことなんだろう。

 そこで、使い勝手がよいという鳴り物入りで導入された社会資本整備総合交付金がこのように現場のニーズとマッチしていない、こういう現実があるという点をどのように受けとめ、それはどのように是正されていくのか、そこら辺についてお聞かせいただきたい。

○本田政府参考人 お答えを申し上げます。

 社会資本整備総合交付金自体は、地域における社会資本整備に当たって、各地域の実情に応じた柔軟な運用をするという趣旨で導入させていただいた交付金でございますが、まず第一、厳しい財政事情のもとで公共事業予算が削減される、そういった中で、総額についてはやはり限度がどうしてもあるという点が一つございます。

 それからもう一点、今先生から御指摘の除雪費という特性から考えますと、私ども、一応年度当初に一定金額を保留して、その年の降雪の状況に応じて柔軟に配分はいたしておりますけれども、まず、年によって全国的に降雪の状況に大きな変動がありますことと、地域別に見ても、その年々で随分変化がございます。

 したがって、どうしても結果的には年度ごとの配分に、かつ、県別で見ますと変動が出てしまう、そういう点は否めないと思いますが、ただ、除雪はやはりしっかりやってまいる必要がありますので、この制度を含めて、さらに適切な支援、そういったものをその年々でしっかり考えてまいりたいと思います。

○重野委員 除雪という問題は、本当に交通の遮断につながる大きな問題ですね。そこら辺もひとつ弾力的に、あるいは優先的に対処していく、そういう基本的な考えで頑張っていただきたい、そのことを要請して、終わります。

○村井委員長 次に、柿澤未途君。

○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 私も、二月十三日、本委員会の視察で、新潟県の十日町市、長野県の栄村の大雪被害の状況を視察に行かせていただきました。栄村は、かつて私もNHKの長野放送局の記者時代に、やはり三メートル超の積雪があって、取材に入ったことがありましたので、それ以来目の当たりにするこうした積雪の状況でありました。

 今もお話がありましたが、新潟県の泉田知事からお話を聞いたんですけれども、平成二十二年度の新潟県における除雪関係費の社会資本整備総合交付金の交付決定率が三三%という異例の低さだった、百三億円に対して八十億円県で負担しなきゃいけなかった、こういうことだったというふうにお聞きをしました。

 今御答弁もあったんですけれども、平成二十二年は、ふだん余り雪が降らない地域、鳥取県とか島根県で大雪が降って、そういうところにも薄く広く配分をする、薄まきで全国で配分をしたので、大幅にかかった新潟県の交付率が下がってしまった、こういう説明でありました。だとすると、今年度はどうなるのか、こういうことを危惧するわけであります。

 新潟県は、当初予算で積んだ除雪費をもう既に二月上旬の時点で全部使い切っちゃった、こういう状況なんだそうであります。この冬の豪雪被害も、豪雪被害が広範囲にわたっていることから、震災の影響もありますし、この交付金の交付決定率が前年同様の低さになる、こういう懸念があると思いますけれども、どのような見通しであるか、お伺いをしたいと思います。

○菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 ことしは全国的に平年を上回る大雪でございます。御承知のとおりでございます。

 道府県に対しましては、二月十日に、総合交付金の追加配分、除雪向けでございます、百一億円を追加配分いたしました。この際、今御指摘のありました新潟県にも十七億円という額を配分しております。

 さらに、その後も雪が相当降っておりまして、道府県から道路除雪費に関してさらなる追加的な支援といった要望もいただいております。

 国土交通省といたしましては、道府県からいただいています要望、大変財政負担も増しているということでございます、二月十日以降の降雪状況を勘案いたしまして、さらなる支援、さらなる追加措置について今検討しているところであります。

○柿澤委員 この点については、各党各会派からかなり強い要望がこの委員会でも行われておりますので、それを留意していただきたいと思います。

 それで、雪庇処理の費用が社会資本整備総合交付金の交付対象になっていないということをたびたび苦情として聞きました。

 子供の通学路となっている道路の上に雪庇ができて大きくなっている、今にも崩れてなだれてきそうだ、だから地元の人を臨時雇用して雪庇落としをやっているけれども、しかしこれは道路除排雪の経費として国には見てもらえない、何でなんだ、それで県の独自負担がふえて、これが交付決定率の低さにもつながっているのではないか、こういう話がありました。

 なぜこの雪庇落としの費用というのはこうした交付金の対象にならないんですか。お伺いします。

○津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 この社会資本整備総合交付金でありますけれども、これは委員御承知のように、国はあらかじめ、基幹産業だけではなくて、必要なソフト事業を含めて、効果的に発揮できる効果促進事業の仕組みも設けられているところであります。

 地方公共団体におきましては、非常に使い勝手のいい、そういう制度だというふうに理解をしております。

 雪庇処理の費用につきましては、社会資本整備総合交付金の効果促進事業により実施していただくことができることになっております。ただ、市町村に対して、少し理解が足りないのかもしれませんので、そこを踏まえて、周知徹底ということも考えていきたい、こう思っております。

○柿澤委員 現場の査定でそういうふうになっているんですか。泉田知事はこう言っています。大体、雪庇落としが交付対象外だというのは何なんだと。要するに、結局これは、国が使途制限をつけて金をおろす、前の補助金と何も変わらないじゃないか、こういうふうに現場からは見られているわけです。ここはしっかり予算の査定状況というのを精査していただいて、今御答弁をされたそのお言葉とそごのないようにしていただきたい、こういうふうに思います。

 除雪機械の一時間当たりの単価、ロータリー除雪車で五万円、除雪ドーザー、グレーダー三万円、出動のない場合の待機保証料二万円弱、結果として、新潟県だと、県出費で大体一億円、一日でかかるんだそうです。大雪が降るかどうか、除雪出動があるかどうかわからないのに、機械と人員を抱えているのは厳しいという声が民間会社からも上がっていると。

 こういうことを一つ一つ積算して、そして支払う、国が見る、こういうやり方には、私は限界があると思います。やはり、建設会社あるいはJVと年間契約をして、河川維持から道路管理から通年で包括的に担ってもらう、いわゆる地域維持型契約方式に移行していくのが望ましいというように私は思います。

 これは、都道府県レベルの試行は随分始まっているようでありますけれども、私は、むしろ本丸は市町村だというふうに思うんです。建設会社と市町村とがパートナーシップを結んで、地域全体の維持保全を進めていく。ある種、PPPの模範にもなり得る、こういうものだと思いますけれども、市町村への地域維持型契約方式の拡大、どうお考えになりますか。

○中川国務大臣 御指摘のように、個々の企業が縮んできているだけに、包括的な契約というのは、非常に効果のある、そしてまたベースをつくっていくもとになっていくというふうに思います。

 市町村に対しても、御指摘のように、これが進められるように、私どもも環境を整備していきたいというふうに思います。

○柿澤委員 現実に、豪雪法の対象市町村で、除雪等に関して地域維持型契約方式に移行したというケースはあるんでしょうか、お伺いをしたいと思います。

○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 実は、まだ市町村に対してまでは現時点で調査ができておりませんが、三月五日時点で、都道府県それから政令市を対象として調査を行いましたところ、七つの道府県それから札幌市、ここにおきましては、地域維持型契約方式を活用している、もしくはこれから活用する予定であるということを聞いているところでございます。

 地域維持型契約方式につきましては、昨年八月に指針を改正いたしまして、私ども国の方から地方公共団体に対しましてその活用を要請しております。それ以前から先行的な取り組みとして実施されていた地方公共団体もございますけれども、直近では、この二月に青森県が、除雪業務等の地域維持事業を新たに地域維持型契約方式で発注し、四月から実施される予定であると承知しているところでございます。

○柿澤委員 市町村がこのような地域維持型契約を通年で行った場合、一つ一つの工事や作業を発注して契約する形態でないわけですから、これは国の交付金の対象事業になるのか、こういう問題があるように思います。現状、自主財源が乏しい中で、ここを国が見てくれないと、笛吹けど踊らず、こういうことになってしまうのではないかと思うんです。

 地域維持型契約の契約金額の一定割合を社会資本整備総合交付金等の対象とする、こういう仕組みをつくる必要があるというふうに思いますけれども、御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。

○津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 今、委員の御指摘の支援事業でありますけれども、事業の中身につきまして着目を行っているところでありまして、契約方式のいかんというのは、国の支援として行う際には問わないということになっております。

 したがいまして、地域維持型契約方式により実施される事業についても、交付対象事業であれば社会資本整備総合交付金による支援は可能だ、こういうことでございます。

○柿澤委員 せっかくの交付金事業ですから、なるべくシンプルな、そして包括的なものとしてやはり認定し、交付の対象としていただく、このことが大事だと思いますので、申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

○村井委員長 次に、石田三示君。

○石田(三)委員 新党きづなの石田三示でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 時間も短いものですから、早速質問に入らせていただきます。

 豪雪対策について、平成十八年豪雪や昨年、そしてことしの冬の大雪と、近年、雪による災害は大変大きな問題となっております。

 議員立法で昭和三十七年に制定された豪雪地帯対策特別措置法も、その時々の社会状況に応じて改正されて、近日中にまた改正が予定されると承知しておりますが、その改正について、関連してお伺いをしたいというふうに思います。

 現在、豪雪地帯、まあ過疎地帯でありますけれども、その空き家の数というのは認識をされているんでしょうか。質問をさせていただきます。

○福井政府参考人 統計局でございますが、私ども、住宅・土地統計調査におきまして、空き家、空き家率を把握してございます。市区及び現行の一万五千人以上の町村を集計単位として結果を作成してございます。

 一方、先生お尋ねの過疎地域自立促進特別措置法に基づく過疎地域でございますが、市町村の一部区域である場合や、市町村全域をカバーしておりましても人口が一万五千に満たないというところがございます。このために、私どもの住宅・土地統計調査からは、過疎地域全体の空き家の数というのは把握できない状況にございます。

 なお、平成二十年実施の住宅・土地統計調査によりますと、全国の総空き家数が約七百五十七万戸、空き家率が一三・一%になってございます。この内訳でございますが、市部の空き家の総数が約六百八十七万戸、空き家率は一三・一%になってございます。

 全体から市部を差し引きますと、郡部、町村部分でございますけれども、この空き家の総数が約七十万戸、空き家率が一三・六%ということで、全国の一三・一%よりやや高くなってございます。

○石田(三)委員 後ほどまた質問させていただきますが、除排雪の担い手確保についてちょっと御質問させていただきたいんです。

 三月十二日現在で、百二十余名の方が亡くなられているわけでございますけれども、除排雪作業中の事故による死者が九十人のうち、約六七%である六十人が六十歳以上ということでございます。

 また、除排雪をお願いしている建設許可事業者でございますが、平成十一年度の六十万社をピークにして、今、二十二年には五十万になったということで、道路除雪や屋根の雪おろし作業の多くが民間の土木建築事業に委託しているということの中で、人口減少、高齢化に加えて、除排雪を行う担い手が不足しているという状況にあるというふうに認識しております。

 高齢者の除雪作業中の事故を防ぐための対策でありますとか、除排雪の担い手の確保また育成の必要があるというふうに思っております。これを解消するための具体的な取り組みについて、どうお考えか伺いたいと思います。

○小島政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、豪雪地帯では、高齢化、過疎化が全国平均を上回るペースで進んでおりまして、雪おろしや除雪の作業が大きな負担になっているものと認識しております。

 このため、国土交通省におきましては、共助による地域除雪マニュアルの策定、普及などにより、地域コミュニティーで協力して除雪を行うなど、高齢者が無理なく除雪できる体制の整備を促進し、地域の防災力の向上に努めているところでございます。

 また、除雪作業の担い手でもある地域の建設業者を確保するため、除雪費用の積算の適正化を推進するとともに、一括契約や複数年契約など、包括的な契約を地域の建設共同企業体等と締結する地域維持型契約方式の活用を推進しているところでございます。

○石田(三)委員 総合的な観点から、先ほどの質問にもありましたけれども、しっかり国が機会を見て、県に委託をするとか、いろいろな状況があるというふうに思いますので、いろいろな取り組みをしていただきたいというふうに思います。

 先ほどの空き家の続きでございますが、空き家の除雪問題についてということで、豪雪地帯の三六%、特別豪雪地帯の四六%で空き家等の除雪問題が発生しているということでございます。その中には、危険な空き家、空き家の倒壊事故、空き家からの落雪による物損事故、空き家からの落雪による人的被害の順で事故が発生しているという結果が出ております。

 そういった中で、本来は基本的には所有者の責務で除雪を実施すべきという意見ですとか、また、危険であるということで行政がこれを実施することもやむを得ないという意見もございます。また、自治体が空き家等の除雪を実施する場合、どういう条件の空き家まで行政側で対応してよいのか判断に迷うとか、所有者不明の空き家の解体等を可能にする法整備を希望する、そういった意見も見られます。自治体により条例を定めて空き家等の解体を行ったところもあるわけでございますけれども、所有者不明の空き家を解体する場合には、自治体が大変判断に迷うところがあるわけであります。

 空き家は今後ますます増加することが予想されますし、対策が必要となるというふうに思っておりますが、これは自治体の負担となることから、法整備を含め国による何らかの措置が必要ではないかと考えますが、対策をお伺いしたいと思います。

○後藤副大臣 先生御指摘のとおり、豪雪地帯における空き家対策、先ほどもお話がありましたように、防災上の観点だけではなく、国土政策上の観点からも大変重要だというふうに認識しております。

 先生がお話をしていた部分で、今、先行事例として、基本的には所有者の方が責任を持って、みずから、平時であれば処分しなければいけないというのは言うまでもありませんが、いろいろな条例をつくっている地域が今急速にふえております。

 特に、今、行政代執行という観点で、秋田県の大仙市が三月五日から条例に基づいた代執行を実施しております。これは、所有者の方に費用請求をできるということになっております。

 ただ、ある意味では所有者の方の意に反して対応しているわけですから、法的なバックアップがどうできるかということも当然ありますが、やはり財産権の問題も含めて、特に、この大仙市の問題は、小学校に隣接した空き家、元事務所、物置、車庫という部分であったということと、小学校の生徒さんにまさかの被害があってはいけないというふうな幾つかの条件が設定されないと今の法的な部分では難しい部分もありますが、いずれにしても、今の法令に基づいた検証を十二分にしながら、何が国としてできるか、これからも鋭意、関係省庁とも連携しながら検討してまいりたいというふうに考えております。

○石田(三)委員 ありがとうございました。

 多分、強制執行をされた側は、意にそぐわないということもあるかもしれませんが、実際、その費用を払えないということ、自分でできないということだろうと思いますので、多分、行政側は、その人に請求をしてもこれはなかなか取れないというのが現状だというふうに私は認識をしております。

 どんな建物を壊していいかというのは、しっかりとガイドラインをつくらなきゃいけない。大仙市の場合は、学校の子供たち、あるいは通学路、そういった危険が考えられるということでございますが、そういった一つのガイドラインを国がしっかり示してやることが、やはり地方にとって大変ありがたいことだなというふうに思っていますので、ぜひ、その辺を御検討いただきたい。

 また、財政的な部分も、これは今も言ったように、意にそぐわないわけでございますので、絶対取れないというのは誰が考えてもそうだなというふうに思っていますので、その辺も御検討いただきたいというふうに思います。

 どうもありがとうございました。

○村井委員長 次に、矢崎公二君。

○矢崎委員 民主党の矢崎公二でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきましてありがとうございます。限られた時間ですので、簡潔に質問をさせていただきたいというふうに思います。

 先ほど来お話がありますけれども、ことしは日本海を中心に大変記録的な大雪が降り続きました。雪の多い少ないにかかわらず、毎年毎年多くの雪害による被害者の方が出ている、これは本当に悲しいことであるというふうに思います。ことしにつきましては、過去五年間の平均の雪の量の約一・五倍ということですけれども、これは、戦後二番目に死者数が多い平成十八年豪雪に迫る記録的な豪雪です。

 それと同時に、人的被害は深刻でございます。冒頭、中川大臣の方から被害状況の説明がございましたけれども、もう一度繰り返して私の方からも報告をさせていただきますが、消防庁の最新の資料によりますと、昨年の十一月から昨日までの死者数は百二十一人に及びます。これは、昭和五十六年以降、三番目か四番目に高い数字になります。重傷者は七百八十八人、軽傷者が千三十二人。このうち、亡くなられた方の内訳を見ますと、一番多いのが屋根の雪おろしあるいは除雪の作業中、九十人の方が亡くなっています。これは全体の七割になります。さらに、落雪による死者が二十三人、これが全体の二割ですから、ほとんど除雪作業中あるいは除雪中の事故でとうとい命をなくされるということでございます。

 こういった被害者の方を少しでも少なくする、本当はゼロにするというような意気込みで国の方も対策を立てていかなければならないというふうに思います。この状況は、毎年毎年、実は変わっていません。少ない時期もございますけれども、平均をすると一年当たり約四十人の方が亡くなっている。四十人という数字は非常に高い数字だと思います。

 改めて大臣にお伺いしますが、今冬の大雪被害に対する御認識と対応について、御答弁をお願いします。

○中川国務大臣 御指摘のあるところで我々も問題意識を持ちながら対応しております。

 対応として、まず資金的な部分なんですが、社会資本整備総合交付金の追加配分それから特別交付税の一部繰り上げ交付等の財政的な支援、都道府県知事からの要請に基づく自衛隊の災害派遣、それから、除排雪体制の確保に向けた人的、物的な支援、こういう形で整理して国はやっているんですけれども、さっき御指摘のように、ふだん降っていないところが今回はどっと降って、そこでなれていない皆さんが除排雪に取り組んだ中での事故が起こったということであるとか、高齢化がますます進んでいくということであるとか、あるいは、地域のコミュニティーが機能すべきところがなかなか、崩れていっている、そういうそれぞれの要因というのをしっかり分析した上で、地方自治体がそれにきめ細かに対応できるような政策の取り組みというのをしなきゃいけないんだろうというふうに思います。

 そういう意味では、使い勝手のいい交付金を出していくということ、それが雪の対策としてしっかり確定されるということ、そんなことを目指して整理をしていきたいというふうに思っております。

○矢崎委員 ありがとうございます。

 大臣御指摘のように、やはり高齢化ということが非常に大きな背景にあります。豪雪地域の特徴というのは、高齢化が進んでいて過疎地域である、そういう地域が非常に多いわけです。ことしの百二十一人の死者についても、その内訳を調べてみますと、六十五歳以上の高齢者は七十八人、実に六四%を占めます。そういう意味では、昨年も同様のようで、昨年の死者は百三十一人おりますけれども、そのうちの高齢者の方々は八十六人、実に三分の二の方々が御高齢の方でございました。こうした高齢者の犠牲者の方が多いというのは、繰り返しになりますが、豪雪地帯がいずれも高齢化が進んでいる地域と重なっているということだというふうに思います。

 二月にこの災害対策特別委員会で視察を行いましたけれども、視察をしました新潟県の十日町は高齢化率が三〇%でございます。津南町は三六%。私の出身の長野県の栄村、これは何と四六%という高齢化率でございます。そういう意味では、ひとり暮らしのお年寄りも多くて、一人で雪おろしをしていて屋根から転倒したり、あるいは転んだりして死亡するケースが非常に多いということです。

 地方では、雪おろしや雪かきというのは、お年寄りが一人でやっているというような状況が本当に多いんですね。こういったことにやはり対策を打たなければいけないというふうに思います。もちろん、建設業者の方々に委託するということもしておるんですけれども、その一方で、業者が不足しているというような状況もございます。

 その意味でお伺いをしたいんですけれども、除雪の体制維持に必要な国の支援の創設、あるいは、住宅の雪処理、担い手確保などに対する支援、そういったものがございますでしょうか。実際、どんなことをしているのか、国交省にお伺いします。

○吉田副大臣 委員御指摘のとおりでございまして、過疎化、高齢化が、豪雪地帯では全国を上回るペースであります。雪おろし、除雪というのは、作業が大きな負担になっているということは言をまたないところでございます。

 このため、国土交通省におきましては、まずは、共助による地域除雪マニュアルの策定、普及という形で、雪かき道場でありましたり、またボランティアの方々という形で、しっかりと地域コミュニティーで協力して除雪を行うなど、高齢者が無理なく除雪できる体制の整備を促進し、地域の防災力の向上に努めているのが、まず一点目でございます。

 そして二点目。今委員御指摘のとおり、地域の建設業者の除雪作業の担い手の確保というものが非常に大きな状況になってきております。除雪費用の積算の適正化は変わらず推進するとともに、一括契約また複数年契約など、包括的な契約をすることにより、地域の建設共同企業体等と締結する地域維持型契約方式、この方法の活用も推進しているところでございます。

○矢崎委員 ありがとうございます。

 ぜひ、共助、この御支援、そして地域維持型契約方式の採用をどんどん進めていただきたいというふうに思います。この契約方式については、二十三年度からですから、ことしはまだ本格的には始動していないという段階ですけれども、ぜひ次年度、前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。

 雪害対策として注目されているのは、共助という仕組みでございます。今お話がございましたけれども、雪害地域の自治体ではさまざまな工夫をされております。ボランティアや地域ぐるみで雪おろし作業をしていたりというようなことがあります。

 新潟県では、都会の若者からボランティアを募ったり、除雪の手伝いをするNPOも誕生しているというような状況でございますけれども、これは、いわゆる共助ということで、公助ではないということで、それぞれの自主性ですとか意欲ですとか、そういうものが頼りでございます。あるいは自治体の、要するに志とか、そういう意味では、財政的な支援が本当に不足しています。その財政的支援についても、今後検討をしていっていただきたいという要望をさせていただきます。

 一方で、長野県の栄村では、昭和五十二年から、雪害対策救助員を臨時雇用しまして、高齢者の住宅などの除雪をしています。ことしは十八人の雪害対策救助員がおりますけれども、この十八人のうち、現在八人が六十歳以上の高齢者の方々です。そういう意味では、村の方は、あと数年すると、雪かき救助員の後継ぎがいなくなってしまうという心配もしておりますので、こういう現状がある、現実であるということをぜひ御認識をいただいて、担い手の確保について積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

 さて、次の質問になりますけれども、こういった高齢化、過疎化が進む豪雪地域では、空き家の除雪も大きな問題でございます。先ほど石田先生も同じような質問をされていましたけれども、厚生労働省にお伺いします。

 二月に、青森、新潟、長野について災害救助法の適用を決定していただきました。要援護世帯や空き家の除雪に対する支援というものをそれによってしていると思うんですけれども、どのようなことを行っているか、御説明をお願いします。

○西藤政府参考人 お答えいたします。

 今回の大雪では、長野県、新潟県、青森県の三県十九市町村におきまして災害救助法が適用され、各自治体において、積雪により倒壊のおそれのある住宅などの除雪などの応急救助が実施されております。

 厚生労働省といたしましては、これまでも降雪期の災害救助法の適用に関しましては周知してまいっておりますが、今回の大雪に関しましては、二月十七日に改めて通知を発出いたしまして、高齢者や障害者など、みずから除雪ができない方々への除雪でありますとか、あるいはまた、先ほど御質問がございましたが、空き家などの、管理者が除雪を行わないために倒壊し、隣接する住宅に被害が生ずるおそれがある場合などについては、災害救助法による除雪が可能であるという旨、通知をし、周知を図っております。

 そしてまた、被災県の資金需要に応えるために、二月二十四日に、予備費三億六千万円の使用を決定いたしまして、三月七日に、被災県に対しまして、災害救助費国庫負担金の交付決定をいたしております。

 今後とも、災害救助法における除雪の取り扱いにつきましては、さまざま機会を通じ周知を図るなど、各都道府県で適切な救助が実施できるよう、万全を尽くしてまいりたいと考えております。

○矢崎委員 ありがとうございます。

 いわゆる災害救助費負担金の活用をされたということですけれども、障害物の除去についての基準額というのがございますね、一世帯当たり十三万四千二百円ということですけれども。この基準額、決められたものですけれども、地元あるいは現地の要望に沿って柔軟に対応をしていただきたいというふうに思います。これも要望ですので、よろしくお願いいたします。

 最後に、特別交付税についてお伺いをいたします。

 ことしの豪雪は、各地の自治体で除雪費用がかさみまして、財政を圧迫しているのは御存じのとおりです。

 国土交通省では、二月に、社会資本整備総合交付金百一億円を追加配分したと思いますけれども、それでもまだまだ不足しているというような状況でございます。

 総務省にお伺いをいたしますが、豪雪地域の自治体は、特別交付税の増額の配分を強く要望しております。要望にしっかりと応えることができるでしょうか。

○福田大臣政務官 お答えをいたします。

 委員御案内のとおり、地方公共団体の除排雪経費につきましては、各年度の普通交付税の基準財政需要額の算定において、積雪の度合いに応じて標準的な所要額を措置しているところでございますが、実際の所要額がその措置額を超える場合には、三月分の特別交付税によりさらに対処をするということにしているところでございます。

 特に、今年度においては、記録的な豪雪により被害を受けた地方公共団体の資金繰りの確保の観点から、平成十七年度、平成十八年豪雪以来の措置として、去る二月二十日には、災害救助法適用団体など百四十七市町村に対し、三月分の特別交付税の一部、百五十五億円を繰り上げ交付したところでございます。

 さらに、特別交付税三月分については、現在、今月下旬の決定、交付を目途として算定作業中であります。例年よりも一カ月ぐらいおくれておりますのは、除排雪経費が例年に比して多額に上るものと見込まれることから、所要額をできる限り的確に把握して措置することにより、地方公共団体の円滑な財政運営に支障が生じないようにということで対処をしているところでございます。

○矢崎委員 ぜひ的確にお願いをいたします。

 最後に、大雪というのは、洪水とか地震あるいは津波と同じように、災害としてきちんと捉えてその対策を講ずるべきだと思います。特に、高齢者、障害者、子供など、そういった弱者をどうやって守るか、そういう視点を大切にして雪害対策に取り組んでいただきたいというふうに思います。そのことを強調して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

○村井委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。

 防災担当大臣は御退席いただいて結構です。

     ――――◇―――――

○村井委員長 この際、豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来理事会等で御協議を願っておりましたが、協議が調いましたので、委員各位のお手元に配付いたしましたとおり委員長において起草案を作成いたしました。

 本起草案の趣旨及び主な内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 我が国の豪雪地帯は、国土の半分を占め、これらの地域では、冬季の恒常的な降雪、また、近年に見られるような豪雪により、地域住民の日常生活及び地域の社会経済活動は大きな影響を受けております。

 豪雪地帯対策特別措置法は、かかる豪雪地帯において、雪害の防除その他産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を樹立し、その実施を推進することにより、産業の振興と民生の安定向上に寄与することを目的として、昭和三十七年に議員立法により制定されたものであります。

 その後、議員立法により、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の道府県代行事業による整備などの特例措置及び配慮規定等が追加され、これらの規定により、当該地域の雪害の防除や生活環境の改善等に多大な貢献がなされております。

 しかしながら、豪雪地帯においては、人口減少及び高齢化が進み、雪おろしや雪かきなど、地域の除排雪の担い手不足は深刻となっており、今冬期も、高齢の方を初め、多くの方が除排雪作業中に亡くなられております。また、空き家については、雪おろしがされないために倒壊する事案が発生するなど、近隣の住民にとって重大な問題となっております。

 さらに、新エネルギーという観点から、近年、雪冷熱エネルギーの活用促進が図られておりますが、我が国が現在置かれている状況及び将来のエネルギーのあり方を考えれば、このような取り組みをさらに進めることが強く求められております。

 このような状況に鑑み、豪雪地帯対策の一層の充実強化等を図るため、豪雪地帯に対する配慮規定等を追加するとともに、本年三月末に期限切れとなる特別豪雪地帯における特例措置の有効期限をさらに十年間延長することを内容とする本案を提案する次第であります。

 次に、本案の主な内容について御説明いたします。

 第一に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯の住民が安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図るため、建設業者の組織する団体その他の営利を目的としない団体等との連携協力体制の整備その他の地域における除排雪の体制の整備を促進するよう適切な配慮をするものとすること。

 第二に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯において、積雪による空き家の倒壊による危害の発生を防止するため、空き家について除排雪その他の管理が適切に行われるようにするために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。

 第三に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯における雪の冷熱をエネルギー源として活用した施設の整備その他の取り組みが促進されるよう適切な配慮をするものとすること。

 第四に、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の改築を道府県が代行することができる期限を平成三十四年三月三十一日まで、また、特別豪雪地帯における公立小中学校等の施設等に対する国の負担割合の特例措置の適用期限を平成三十三年度まで、それぞれ延長すること。

 以上が、本起草案の提案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

○村井委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。前田国土交通大臣。

○前田国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の御見識に深く敬意を表するものであります。

 政府といたしましては、豪雪地帯の現状に鑑み、本法律案につきましては特に異存はないところでございます。

 この法律案が御可決、成立された暁には、関係省庁と連携を図りつつ、豪雪地帯対策の一層の推進に努めてまいる所存であります。

○村井委員長 お諮りいたします。

 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しておりますとおりの起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○村井委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○村井委員長 この際、市村浩一郎君外六名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、新党きづな、社会民主党・市民連合及びみんなの党の七派共同提案による豪雪地帯対策の充実強化に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。長島忠美君。

○長島(忠)委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    豪雪地帯対策の充実強化に関する件(案)

  平成十八年豪雪の被害、また、平成二十二年度及び今冬の大雪被害に見られるように、近年、我が国における豪雪被害は、多くの犠牲者をはじめとする甚大な人的被害及び社会的、経済的被害をもたらしており、豪雪地帯における市民生活は極めて厳しい状況にある。豪雪地帯における安全で安心な市民生活を確保し、地域経済の発展を図ることは喫緊の課題であり、政府は、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期するべきである。

 一 豪雪地帯における生活は、地域が主体となり、住民の助け合いの精神によって営まれていることから、除排雪における町内会、自治会等の地縁による団体の果たす役割は極めて重要であり、除雪機械の購入費などを含む、かかる団体が実施する除排雪に要する費用に対する市町村による補助について、国としても必要な財政上の措置を講じること。

 一 道路の防雪施設整備については、地域の実情に応じて国による補助が行なわれており、また、雪崩の発生を予防するための雪庇の排除についても、費用の一部を国が補助できることとされているが、近年、大雪による道路交通の麻痺という問題が頻発していることから、地方自治体が交通を確保できるよう、また、雪崩の被害を未然に防ぐことができるよう、国として必要な財源を確保し、更なる制度の拡充を検討すること。

 一 農道は農作業のみならず、日々の生活のための道路としても利用されており、その除排雪は住民の生活にとって極めて重要であることから、豪雪地帯において地方自治体が行う農道の除排雪についても、地方の負担の軽減を図ること。

 一 近年の我が国の豪雪被害に鑑み、必要な施策を適時適切に行うために、豪雪地帯対策特別措置法による施策の効果について、三年後を目途として検証し、その結果を当委員会に報告するとともに、その結果に基づいて必要な措置を講じること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○村井委員長 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○村井委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。

 この際、本決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。前田国土交通大臣。

○前田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

○村井委員長 お諮りいたします。

 本決議の議長に対する報告及び関係政府当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時二十六分散会
戻る