参議院 災害対策特別委員会?£(秋野委員、平山委員、小熊委員)
平成24年7月27日(金)
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
北部九州の豪雨災害でお亡くなりになられた方にお悔やみの言葉を申し上げるとともに、被災された方にお見舞いの言葉を申し上げたいと思います。
まず、災害時の要援護者向けの水の供給体制について伺いたいと思います。
被災直後に八女市旧黒木町の笠原というところを伺いました。まだ給水車が来ていないような状況で、孤立をしておりまして、ペットボトルなどをヘリコプターで運んでいただくような状況でありました。ペットボトルでしか水が確保できないという体制は非常に大変な状況でありまして、一般の方でもこんな大変な状況である中で、隣の旧星野村の方に行きますと、今度は特養施設が孤立をしておりました。こういった方々は全く逃げることができないような状況で、一般の方の確保する水の量では足りません。そして、大分県内では透析施設が今度は水が足りないといったような状況でありました。
ほとんどもう綱渡りのような状況で、人命に影響が出なかったことを本当にほっとしたような思いでありますが、一般の方もともかく、そういう要援護者、医療施設又は福祉施設に対する水の供給体制、これまでも対策は取っているんだと思いますが、もっともっと周知をするとともに再検討を行う必要を感じました。見解を求めたいと思います。
○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
今回の九州北部を中心といたしました豪雨でございますけれども、福岡県、大分県、熊本県、大変甚大な被害が生じたところでございます。水道関係で申し上げましても、最大で一万一千二百戸断水被害が発生をいたしております。
水道施設の復旧につきましては、鋭意復旧を進めさせていただきました結果、昨日時点では既に九割以上は復旧しているという状況でございます。その間、まだ依然として断水している地域が若干残っておりますので、そういった地域につきましては、給水車あるいは給水タンクということを付近の自治体の御協力も得まして応急給水を実施しているというのが概況でございます。
それから、先生の御指摘になられました要介護者、要援護者向けの水の確保ということでございますけれども、医療施設につきましては、昨年度、検討会を開催させていただきまして一定の報告書を得たところでございます。それに基づきまして、今年の三月でございますけれども、災害拠点病院の指定要件というものを見直しをさせていただいたということがございます。
その中身でございますけれども、例えばでございますが、例えば、適切な容量の水の確保を日ごろからしていただきたいと、あるいは優先的な給水協定の締結というものを例えば地域の各いろいろな組織とあらかじめ結んでいただくということ、あるいは最低限三日程度の飲料水の備蓄はお願いしたいといったことで、私どもの方から御通知を出しているというところでございます。それから、社会福祉施設についても基本的に同様でございまして、最低限の確保をお願いをしたところでございます。
水の確保、大変重要な課題でございますので、いろいろ各施設との連携に日ごろから努めるということと、それから災害に強い水道を造っていくということが私どもの使命でございますので、引き続き努力をさせていただきたいと思います。
○秋野公造君 今私が申し上げたのは、災害拠点病院ではなく一般医療であり、一般の福祉でありますので、どうかそこについては再検討をお願いをしたいと思います。
先週、公明党として九州北部災害に対する申入れ、中川大臣のところにも行かせていただきました。そのときに議論させていただいたのは、やはり今回土砂災害に対する対応が必要であるということ、我が党の方もそして大臣の方も共有認識させていただいたところであり、申入れの多くもそういったような状況になっています。
しかしながら、今回ハザードマップが非常に有効であったということ、それから天気予報等の様々な情報提供についてもタイミングとしてはこの避難勧告等に役立つようなタイミングで行われたということを考えると、しかしながら、夜間であり、大雨の状況であり、逃げろと言っても逃げられるような状況でない中で、そういう逃げる対策だけに偏るということに少し違和感を感じています。
やはり、ハード対策をしっかり努めるということを改めて再認識すべきではないでしょうか。例えば、急傾斜地崩壊対策などのそういった事業というもの、予防も含めてしっかりと取り組むべきであると私は考えますが、国交省の見解、求めたいと思います。
○副大臣(奥田建君) 今回の豪雨では、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、土砂災害の発生箇所、そしてまた重大な被害、人命にかかわる被害の発生というのが土砂災害というもので発生したものが多数残念ながらございました。
また、災害の多い、そしてまた土砂災害、水害の多い地域でありますので、これまでもそういったハードの部分での整備を進めておりましたけれども、また今回は沢筋だけではなくて山腹崩壊という、これまで整備の面では少し手薄になっていた、そういった部分での災害もございましたので、また今の大変悲しい経験ではありますけれども、そのことを将来の整備の方針としてまた考えていかなければならないというふうに思います。
○秋野公造君 これは山間部の災害というとらえ方もできる一方で、同じような地形をして人口が密集しているところでこういったことが起きたときに、被害が更に広がってしまうということが想定をされます。先ほど申し上げたこの急傾斜地対策事業というのは、これは本当に人口が多い少ないとか、様々な地域の実情があります。どうか、そういう意味ではここの検討はよろしくお願いをしたいと思います。
今日、資料を配らせていただきましたが、先ほど御答弁いただいた奥田副大臣とは東日本の震災でこの高速道路整備の重要性というものを何度も確認をさせていただいたところであり、本当に事故が多いところ、あるいは渋滞が多いところ、整備計画済みの六区間については早く四車線化を行うことによって災害対策に資するようにしっかりと整備をしていきましょうということ、この委員会も含めまして三度質疑をさせていただいたところで、先日、国土交通省より認可もいただいたところであります。
しかしながら、この六区間百九十キロの中のうち、ほかに整備が、別のところ、より良いところをしようとした近畿自動車道を除き、この長崎自動車道の僅か三キロだけが認められないという、非常におかしな結果が出てまいりました。
この右側に、資料を見ていただきますと、死傷事故率、長崎道、長崎から芒塚、芒塚から多良見ということで、合わせますと五・五件ということで平均より非常に多いわけでありますが、上の長崎―芒塚間はゼロ件、芒塚―多良見間が七・二件ということで、上の部分が認可をされなかったということであります。
図の中見ていただきますと、この長崎多良見、右側の方にありますが、長崎の中心地である県庁に向かう途中がボトルネックとなっておりまして、この右側の区間に事故が多いからといってここだけを認めて、僅かたった三キロだけを認可しないということであれば小さなボトルネックをつくってしまう結果になると、ここでまた事故が起きてしまうようなことになりかねないかと、そして災害対策に本当に役に立つのかということを私は強く思います。ここ、今後どうするのでしょうかということ。
それともう一つ、この高速道路に直交するような形で黒い国道三十四号線があります。これも二車線区間、新日見トンネルと書いてあるところあるかと思いますが、そこだけがまだボトルネックで二車線残っておりまして、こんな長崎市の五十万人の人が住む中心地のところだけ、高速道路もボトルネック、そして国道もボトルネック。どうしてこういう状況が東日本の震災を踏まえて放置をされているのかということに心から違和感を感じています。今後の方針、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。
この四車線化、長崎道の経緯、今先生からお話があったとおりでございます。高速道路の中に暫定二車線区間というのは、基本的に私どもの認識としては、安全面、円滑に走行するという面でやっぱり課題があるというふうに考えております。渋滞とかあるいは事故の発生状況などを確認しながら順次四車線化を進めていくことが大事だというふうに考えております。
お尋ねの長崎道の長崎から長崎芒塚三キロでございますけれども、この区間、もう既に御承知のとおり整備計画は策定済みでございます。そのことを踏まえまして、今後対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
もう一点、お尋ねの件でございます国道三十四号でございますけれども、この国道三十四号も新日見トンネルの付近、ここが車線数が四車線から二車線に絞られるということで、朝夕渋滞が発生しているという事実があります。
国交省では、国とあと県、市などと一緒に、今年度に入りましてから、こういった箇所の効果的な渋滞対策に取り組みたいということで渋滞対策協議会を設けて、この場で地域の渋滞箇所の特定、そしてそれに対してどういう対策をしていくのかというのを検討中でございまして、この箇所につきましても、この渋滞対策協議会におきます検討結果を踏まえながら、四車線化も含めて、国道三十四号の新日見トンネル付近の混雑緩和方策の検討を図っていきたいというふうに思っております。
○秋野公造君 ありがとうございました。
○平山幸司君 国民の生活が第一、青森県選出の平山幸司です。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、私の方からも、七月の各地の大雨により犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
早速ですが、初めに、多発する災害に対する防災担当大臣の取組について質問をさせていただきます。
昨年の東日本大震災以来、およそ十六か月が経過します。この間も日本列島は災害が多発しております。災害は生命と財産にかかわるものとして国の迅速な対応が求められているということを、これまでも本委員会において再三私は申し上げさせていただきましたし、大臣ももう認識を共有していると思います。
そういった意味で、災害への対応、対策及び政策は他のあらゆる政治政策に優先して実行されるべきまさに政府の最優先事項であるとも思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 担当大臣としては、まさにそういうことであるという思いでこの課題に対して進んでいきたいというふうに思っております。
○平山幸司君 ありがとうございます。
大臣も災害への迅速な対応と復旧復興が最優先と、こういう認識でよろしいですか。もう一度お願いいたします。
○国務大臣(中川正春君) 現場にも足を運びまして、それぞれ各省庁の担当者に対して、あるいは閣議の席でも迅速かつ柔軟に対応をしていくこと、その思いは、国がということが先行するんじゃなくて、それぞれ各地方自治体、現場の担当者と寄り添って一緒にやっていくという気持ちで頑張るようにという、そういう指令、指示を出しているところであります。
○平山幸司君 地域も一体となってやっていくと、こういうお考えだと思います。
そこで、どうしても大臣に大枠でちょっとお伺いしたいことがございます。この件に関しては別の委員会でも詳しくやらせていただきたいと思うのでありますけれども、一点だけどうしても大臣の方に認識をちょっとお聞かせいただきたいと、こう思っております。
といいますのは、東日本大震災以来、これだけの災害が全国で多発している現状を見ると、被災者及び国民全体が災害に対して大きな不安を抱え、人心は萎縮状態にあると、こう感じておるわけであります。その中で、国民の願いとしては、やはり政府に対して何をおいても防災及び災害の復旧復興に全力かつ最優先で取り組んでもらいたいという強い願いがあると思います。
しかしながら、仮設住宅で暮らす人や被災者が多数に上っているにもかかわらず、今国会の状況は、政府の想定外の災害への対応や復旧復興に全力で取り組んでいるというよりも、残念ながら、消費税増税を最優先で行っているという印象が少なくとも国民の目には映ってしまっているということが非常に残念であります。これは、これまでの視察先やあらゆる機会で私もそのような声をいただくわけであります。
そこで、国民及び被災者の立場に立ち防災と復旧復興を最優先に考える、しかも地域とも連携してやっていくという大臣として、多発する自然災害の中で厳しい生活を強いられる被災者や被災地にも大きくかかわる今の消費税増税について大臣はどのようにお感じになられていますでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) まず、国として、あるいはそれぞれ地方自治体、地域として、この災害に対して私は一生懸命今取り組んでいるんだろうと思います。皆さんもそうだと思うんですよ。各災害地に視察に行っていただいてその思いを共にしていくということ、そして、特に東日本で今作り上げようとしている復興対策というものに対して、資金は十九兆円用意したんだけれども、具体的な組立てというのは今まさにやっているわけですよ、皆さん。その中で具体的なものが動いてきて初めて物が見えるということだと思うんですが、しかし、その思いというのは私たち共有しながらしっかり今対応しているというふうに思っております。
だから、それをないがしろにしておいて国会が空転しているということは、これは間違いだと、そういう思いで国会を見るのは、あるいは我々自身を見るのは間違いだというふうに思っております。
その上で、一体改革については、確かに税を上げるということに対して、経済の状況ということをしっかり頭に入れた上でそれを実施するときにはやらなきゃいけないということ、これはもうそれぞれ与野党のコンセンサスだというふうに思います。
そのことを前提にして今議論が進んでおりまして、やっぱりそこを考えて、その条件の上で、しかし厳しいけれども消費税を上げなきゃいけないという判断に至っているその基本というのは、もう一つはもっと大きな国家に対しての危機感だと思うんです。これ以上財政的に、特に社会保障に関連して、自然増も含めて財政需要が膨れてくるということに対して、マーケットも含めて、国際的な市場も含めて、あるいはヨーロッパの状況も含めて考えていったときに、日本の許容度といいますか、それに対する許容度というのが限界に来ているという、そういう危機感の中で国民に説得をしてお願いをしたいというふうに、今議論を進めているんだというふうに私は理解をしております。
○平山幸司君 ありがとうございます。
大臣もお立場があると思いますのでなかなか、これ以上はやりませんけれども、ちょっと一つだけ。国家に対しての危機感があるという、これも我々ももちろん共有させていただいておりますけれども、ここで、これだけそれでも災害が多く、特に仮設住宅に住む多くの被災者の方々も厳しい生活を強いられているだけに、この被災者はどのようにそれを感じているかという面に関して、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) どのようにというのは、消費税を上げるということに対して皆さんどのように感じている、これは被災者の皆さんはもちろんだと思いますが、国民全体にとってもやはり税を上げていくということは負担にかかわっていくわけですから、決して、何といいますか、素直にいいよという話じゃないと思うんです。しっかりそこのところを我々受け止めて、それでもやっぱりこの国家ということ全体を考えていったときには、どうしても社会保障の安心感、それから今ある人口動態の日本の状況等々を考えていったときには理解をしていただきたいという、そういう思いを語り続けなければならないんだというふうに思います。
○平山幸司君 ありがとうございます。
大臣の方から御答弁いただきましたので、是非政府の方には、まず想定外の災害への対応とか、度重なる災害への復旧復興に全力で取り組んでいただくように強く要請をしたいと思います。この件はこれで終わりたいと思います。
次に参りまして、大雨及び竜巻の被害に関しまして質問をさせていただきます。
七月に入りまして九州北部の大雨災害が多く取り上げられておりますけれども、実は私の地元青森でも、先ほど渡辺先生の方からもお話がございましたが、七月の十六日にはこれまでにない豪雨が津軽地方を襲いました。私も地元で活動しておりましたけれども、山間部を通る際、雨で視界が遮られまして、土砂崩れやその他の被害が発生しないかと随分と心配をいたしました。そしてまた、七月の五日、その前ですね、先ほどお話がありました竜巻も発生をいたしております。
こういった大雨や青森での竜巻による被害状況について、政府から現状把握を簡潔に御報告をいただきたいと思います。
○副大臣(後藤斎君) 今先生が御指摘をいただいた七月十六日の青森県津軽地方における大雨による被害の状況でありますが、これまで住家被害として床上浸水九棟、床下浸水六十棟となっております。また、水田、畑における土砂流入、冠水が五十四ヘクタール、リンゴ園における浸水が八十六ヘクタール、農業用施設の被害が九十六か所、林地崩壊等が九か所、道路ののり面崩落等が二十八か所、河川の護岸決壊等が三十六か所などの被害が生じております。
被害額は、現時点で判明している部分では約十億円となっております。これには水稲、畑、野菜、リンゴ等の、これから発生が見込まれるものは現在調査中であります、除いてあります。
○平山幸司君 竜巻の被害に関してはいかがでしょうか。
○副大臣(後藤斎君) 竜巻につきましては、弘前市において七月五日に発生をいたしました。人的被害につきましては、これまで把握しているところでは負傷者一名となっております。また、住家被害としては、半壊五棟、一部損壊、破損が二十八棟となっております。また、農作物施設、生産施設関係としては、リンゴ園地における樹体損傷が十五園地で百六十八本発生しているところでございます。これらの被害についても現在調査中であります。
○平山幸司君 被害額に関してはどうでしょう。
○副大臣(後藤斎君) 今も最後にお話をしましたが、竜巻の被害の特にリンゴ関係の部分については現在調査中であります。
○平山幸司君 現在、竜巻については調査中ということで、三週間ぐらいたっておりますので、是非その全容をしっかりと把握をしていただいて対応をしていただきたいと、このように思います。
そこで、先ほどもお話がありました生活再建支援制度の適用につきまして、この両、竜巻と大雨に関しては、制度は適用になっていますか、なっていませんか。そこのところをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) これは、なっていないというふうに認識をしています。
○平山幸司君 そこで、ちょっと問題意識がございますのでお話をさせていただきたいと思います。
被災地が人口減少が急速に進む地方の中山間部等の過疎集落にあっては、戸数要件をクリアするということは困難だと思いますので、そういった意味で今回適用になっていないのかなとも感じておりますし、そういった意味で、現在の被災者生活再建支援制度の戸数要件の中身を見直す等も行う必要があるとも感じております。
また、被災戸数が少ない場合には、地方公共団体に、先ほど大臣からお話ありましたけれども、による支援が念頭に置かれているのかもしれませんけれども、そもそも過疎化の進んでいる地方公共団体は財政力が極めて脆弱であり、自助努力を期待するには余りにも酷ではないかなと、こうも思うわけであります。今後もこのような局地的な災害の発生も予想されますし、被災規模とは別に、被災された方々のことを考えるとやはり早期に被災者生活再建支援制度の中身の見直しを要望をしたいと思います。
同時に、大臣の方が、これ五月の八日でありますけれども、記者会見を行っている際に、この支援の中の枠組みとしては生活再建支援法の適用ということになるわけでありますが、現行の枠組みだけでいいのかどうかということを再検討していきたいと、このようにもお話しされておりまして、これをプロジェクトとして取り組み、七月中をめどに一定の取りまとめを行うと、こう発言されております。よって、今日、七月の二十七日で、週末を挟みますともうほぼ終わりの状況になりますので、今の状況で、大臣、是非その中身、前向きなお話をいただければと思います。
○国務大臣(中川正春君) 末松副大臣をチーフにしまして、それぞれ各省庁担当レベルでこの議論をずっと積み重ねてきて、もう一定の方向性というのを出してくるというふうに思っております。中身も今聞いているんですけれども。
私、ここでいつも言っていますように、どっちかかなと思っているんですよね。もしそれぞれに適用していくということであれば、各地方自治体が条例化をまずしていただいて、その支援法で救済できない部分を自らがやっていただく、これは元々の法の趣旨なんですね。残念なことに、青森県はないんです、条例化していないんですよ。その周辺はずっとあるんですが。だから、恐らく、こういう状況なものですから、県を越えて、いや、向こうの県はちゃんと出るのにこっちは出ないじゃないかとかいうような、そのそれぞれの被災者にとっては同じ災害であるにもかかわらず不公平が出てくるという結果が出ているので、これをもう一度県のレベルでお願いをして、基本的にこの法律の趣旨に基づいてやってほしいということを進めていくということ、これが一つの方向性だと思います。
もう一つは、法律を変えていくということですが、これはちょっと皆さんにお願いをしなきゃいけないんですけれども、元々これは議員立法で成立をさせていただいたものです。それを作り上げていく過程でいろんな議論がありました。阪神大震災以降、やっぱり個人に対してそうした意味での支援制度というのは必要であろうという考え方から、各党がいろんな議論をしていただいた経緯があります。
そのときに法律の趣旨として、これは互助会にしていこうと、財政力が足りないところで大災害が起こって支援をしていくのに、その範囲というか、全体の規模によってこの互助会の網を掛けていこうと、こういう趣旨でまとまったということでありますので、そこのところをもう全てということになるとちょっと趣旨が変わってくるんだろうと思うんです。
そこは恐らく、議員立法で始まっただけに、これはもう私たちの政府だけということではなくて党のサイドでも、この問題、やっぱり不公平というのがあるということは確かですから、そこのところを考えていくということは必要だと思います。
さらに、もう一つ言えば、今回、半壊とか一部損壊なんですけれども、これ範囲として大規模半壊と全壊に対しての手当てなんですね。一部損壊とかそれから半壊ということに対して、そこまで基準を持てていないんで、ここのところを見舞金的にいろいろ手当てをしている地方自治体もあります。ないところもあります。ということなものですから、ここのところの基準というのもどうしていくかというのは、議論の対象にはこれから皆さんと一緒にしていきたいというふうに思います。
○平山幸司君 ありがとうございます。大変前向きな、積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
大きく三つあったと思います。見舞金のような形でやるということもあるし、県のレベルでいろいろ話し合いながらやるという方向、若しくは法律を変えるんだという形があるというお話だったと思いますけれども、これは災害の大小にかかわらず、やはり同じ被災者という観点から是非大臣にもお知恵を絞っていただきまして、今回の青森県の災害に対しましてもしっかりと適用できるように今後も努力をお願いしたいと思います。
次に参りまして、農作物のこと一つあったんでありますが、ちょっと時間の関係から豪雪関連に関しまして御質問をいたします。
雪寒法における指定路線の拡大についてでございます。道路の除排雪に関する財政負担について、国の三分の二の負担を定める雪寒法の指定路線の見直しについて、私は、二月の二十七日の本委員会において実態が伴っていないということを主張し、これに対して、津島政務官の方から見直しますという力強い御答弁をいただきました。現在までの検討状況、今後の見通し等について御説明をお願いします。
○大臣政務官(津島恭一君) 今の平山委員の御指摘のように、二月の二十七日にこの委員会で、平山さんは当時筆頭、与党の筆頭をやられておられまして、質問をいただきました。
そこで、雪寒法の対象となる道路でありますけれども、この道路の指定の見直しにつきましては、特定の地域への集中的な降雪等、近年の降雪状況の変化や、あるいはまた支援の方法が補助事業から交付事業、これに変わったこと、まして、冬季の生活スタイル、そしてまた経済生活が変化していること、これらも考慮いたしまして総合的に行う必要があると考えております。
見直しに当たりましては、関係者、関係者といいますのは各地域の学識経験者ということでありますが、の意見を幅広く聞きながら検討していくこととしているところであります。
そして、今御指摘の、じゃ今どうなっているのという話でありますが、雪寒法に基づく現在の五か年計画は平成二十年度から二十四年度となっておりますので、次期計画が平成二十五年度から開始することになっておりますので、それをめどに見直しを今進めているところであります。
○平山幸司君 ありがとうございます。
今、条件が変わってきているぞというお話とともに、見直しに関しては学識経験者、地域の皆さんとするということであります。
時期に関しては二十四年度まで続いているのでというお話ですが、ここで一点、是非お願いをしたいんでありますけれども、冬は毎年来ます。今年もあります。豪雪になるかどうかというものはありますけれども、地域は今年の豪雪に対して非常にダメージを受けている。よって、この指定路線の拡大というのは強く地域から要望があるわけでありますので、この冬の前に見直すという、この確約をいただきたいんですが、いかがですか。
○大臣政務官(津島恭一君) お気持ちは非常によく分かりますので、それを踏まえて検討をさせていただきたいと思います。
○平山幸司君 これはやるということでよろしいですか。
○大臣政務官(津島恭一君) 時期の問題は、この年度末に向けての話でありますので、そこは御理解いただきたいと思います。
○平山幸司君 同じ青森県選出でありますので、是非力強くお進めいただきたいと、このように強く要請をいたします。
もう一点、これも前回お話をさせていただきましたけれども、下北の縦貫道路につきまして御質問させていただきます。
菊川道路局長から、前回、下北半島の観光、経済、文化、いろんな面で交流、連携を支える大変重要な道路でありますと、二月の一日から、今年です、二日にかけまして異常な降雪によりまして車両の立ち往生が発生した、よって雪に強い道路という観点からもこの下北半島縦貫道路に対する期待は非常に強いものがある、この下北半島縦貫道路の整備につきまして、まさに克雪という観点からも国交省としてできる限りの支援をしていきたいという答弁をいただいております。
あれから数か月やっぱりたっておりますけれども、その後、支援及び建設の進捗状況、これはどうなっているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(菊川滋君) 下北半島縦貫道路でございますけれども、約六十キロの地域高規格道路でございますけれども、今お話があったように、いろんな面で大変地域を支える大事な道路と、この半年で全く変わっておりません、もちろん。今年の二月、今お話がありましたように、異常降雪で車両が立ち往生したということで、この道路がつながりますと、これが代替路線として機能が期待されるという、そういうものでございます。
今、この道路でございますけれども、六十キロのうち約十三キロは供用いたしております。そして、現在、青森県におきまして、むつ南バイパスと吹越バイパス、それから有戸北バイパスという三つの区間、全部で二十一キロでございますけれども、これが今事業中でございます。このうちの有戸北バイパスについては、本年度中の供用を予定いたしております。それ以外の地域については引き続き鋭意進めているというところでございます。
また、調査中区間がございます。むつ市から横浜町の間、それから野辺地町から七戸町の間、この区間につきましてはそれぞれ現在、概略ルート、そして環境の基礎調査といった検討を実施しているところでございまして、これは青森県の方の意向も十分踏まえながら、先ほどお話がありました、私も答弁いたしましたように、克雪という観点からも国交省としてできる限りの支援をしていきたいというふうに考えております。
○平山幸司君 ありがとうございます。
地元及び災害に強い国づくりという観点からも、局長の方も下北縦貫道路の必要性は十分に御理解いただいているものと思いますので、今の調査中の部分ですね、そこも、また冬も来ますし、いろいろな災害があってはいけないという観点からも、早期の事業化を是非推し進めていきたいと思いますし、津島政務官も同じように地元のことお分かりだと思いますので、その点も含めまして、今後も先ほどの面も含めまして随時国土交通委員会でも質問を重ねてまいりたいと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
最後にもう一点だけ。今冬の豪雪で気温が低い状況が続きまして、道路の路面が割れるなどの被害があります。私も地元で車に乗っておりますと路面の悪化により運転中の危険を感じることもあり、早期の復旧が必要です。これらは凍上災で対応できると思いますけれども、その被害状況、これは全国的に及んでいると思いますけれども、それと現在の復旧状況について国交省にお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(関克己君) 御指摘の今冬の凍上災について御報告をさせていただきます。
凍上災と申しますのは凍って上がるという災害でございまして、これは、非常に気温が下がることによって道路の下に大きな霜柱ができるということで路面を傷めてしまうということで、極めて気温が低いときに発生するものでございます。特にこの冬は、北海道から東北を中心として、これは長野、岐阜に至る十一の道県から二千か所による報告がございました。雪解け後ということも踏まえて、六月十九日より順次災害査定を進めているところでございまして、これまでに約三百か所の査定を完了しており、九月中旬までには全ての査定を完了したいというふうに考えてございます。特に、今年は非常に量も多かったということもございまして、できるだけ前倒しで進めたいということで早期査定を実施したところでございます。
さらに、六年ぶりの大規模の発生ということもございまして、自治体においてはなかなか慣れない方もおられるということで、寒冷の地域については現地の講習会をさせていただき、こういったものが迅速に進められるよう取り組んだところでございます。
いずれにしましても、今後、査定が完了次第できるだけ早く着手し、災害復旧に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○平山幸司君 ありがとうございます。
査定中ということでありましたけれども、雪が消えてからもう四か月になります。確かに大変大きな査定がいろんな地域で必要だとは思いますけれども、もうまた冬が来てしまいますので、是非迅速にそこをやっていただきたいなと、こう思います。
豪雪に関して、今、季節が夏でありますので季節外れだなと、こう感じるかもしれませんが、やはりこの時期にしっかりやっておくということが次の冬に備えることでありますので、是非今の三点、よろしくお願いをいたします。
もう一点だけ、済みません、農業被害に関しましてお伺いをいたします。
農作物に関しまして、七月の五日に青森県の浪岡地区において降ひょうが降りまして、リンゴに大きな被害が出ました。また、今冬の大雪でも農作物への被害というものが出ております。これに対しましての農水省の対応というものをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(高橋洋君) 今年の冬の豪雪等の今御指摘の被害につきましては、ハウスの倒壊などを中心に過去に例のない被害が出ておりますので、農林水産省では、各方面からの要望や被害の実態を踏まえまして、共済金の早期支払や果樹の植え替えなどの既存の対策に加えまして、災害関連資金の無利子化、農業用ハウスなどの再建、修繕への助成、水稲などの苗の確保への助成という追加対策を打ち出したところでございまして、その実行のための作業を順次進めてきているところでございます。
○平山幸司君 終わります。ありがとうございました。
○小熊慎司君 冒頭、九州北部豪雨におきまして犠牲になられた皆様方に哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様にお見舞い申し上げて、質問に入ってまいります。
ずっと今日一日の質疑の中でも出てきましたけれども、甚大な被害、広範囲にわたっておりますので、九州各地で海岸に漂着物がもう上がっていて、まだ漂流しているものもあるということでございます。
まず初め、九州各県の現時点で把握している漂着物の量についてお示しをください。
○政府参考人(関克己君) 今回の九州北部豪雨により海に流れ、漂着した流木等の量ということでございます。ただ、日々、潮が変わっておりまして、その状況によりまして海岸に流れ着いているその量というのは変化しております。その上で、七月二十四日時点での調査の結果について報告をさせていただきたいと思います。
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、合わせまして約四万七千立方メートルでございます。県別に申し上げますと、福岡県が約一万四千立方メートル、佐賀県が九千立方メートル、長崎県が一千立方メートル、熊本県が一万五千立方メートル、大分県が八千立方メートルとなっているところでございます。
今後とも、この状況が変化してまいりますので、こういった量の把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小熊慎司君 膨大な量なわけですね。これ、早急に処理しなきゃいけない。
また、今日の委員の指摘もありました漁業とか、また、考えてみれば、今漁期に入っていないような漁業もありますけど、ノリの指摘もありましたが、観光といった意味においては、もう夏休みに入っていて、委員派遣は我が党はちょっと参加できなかったんで大変申し訳ないところでありますけれども、党といたしましても柴田巧議員が大分県の方に党の調査として入りまして、今日の資料にお示しをさせていただきましたけれども、杵築市の奈多海岸というところ、これは写真でありますが、ここは環境省も海水浴場の百選に選定していたりしているすばらしい海岸がこの状況でありますから、観光といったことを考えても、これ、もう多分この夏こんな状態では観光客呼ぶことはできないということですし、観光業に携わっている人の仕事というのはやっぱり大変な被害になっているということでもあります。
現状、これを早急にやっぱり対処していかなければならないんですけれども、前例踏襲的な既存の法律また補助事業といったことで対応できないんじゃないかなと思っています。国交省の持っているこの補助事業では二分の一の補助ですけれども、これだけ今ほど示していただいた膨大な量を、各市町村、自治体、県に二分の一ということだけで足りるのかなということと、迅速化ということであれば、少しこれは考え直して対応していかなければならないというふうに思っているところであります。
今日も指摘ありましたけれども、いわゆる議員立法でありましたけれども海ごみの法律ですね、これにかかわったJEANという一般社団法人の方とちょっとお話ししましたけれども、やっぱりこの二分の一補助とか、あと、指定受けてからお金が出るまでの期間というのがちょっと時間が掛かり過ぎているという指摘をしていただきましたところなんですけれども、これはやっぱり今の状況ではすぐは改善できないというふうに私は考えています。
そういう意味では、この処理にかかわる今後のタイムスケジュール的な概要みたいなものをまずお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(関克己君) 私の方からは、災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業、ちょっと長うございますけれども、これは平成十二年度に創設されたものでございまして、いわゆる海岸管理という観点から、海岸管理者である各県が対応していくという制度について御説明をさせていただきたいというふうに思います。
この制度は、先ほど申し上げましたように、平成十二年度に創設され、海岸保全区域内に漂着したもの、それから海岸保全施設から一キロメートル以内に漂着したもの、それから漂着量が一千立方メートル以上のもの、事業費が二百万円以上のものという、こういった基準の下で、各県からの申請を受け、採択された事業費の二分の一までを国が補助するということの制度でございます。
この制度を活用しまして、既に事業採択に向けた手続を開始しております。あわせて、特に緊急を要するということでございまして、事業の採択前でも応急対策が実施できるように調整し、各県において順次着手をしているところでございます。
各県の先ほど申しました応急的な着手の状況を申し上げますと、佐賀県におきましては、これは海岸にもよるんですが、七月の二十六日、それから福岡県については七月の二十四日あるいは七月二十六日の着手、長崎県では七月の二十五日、熊本県では七月二十四日、大分県では七月二十四日ということで、できるだけ早くこの応急対策着手を更に進捗させていきたいというふうに考えているところでございます。
○小熊慎司君 ということであれば、先ほど示した、今、現時点で四万七千というこの漂着物は迅速に手を着けたということでありますけれども、これ、ゴールどの辺になっていますかね。
○政府参考人(関克己君) まず着手をしたということでございまして、この全体のボリュームをどういうスケジュールでやっていくかということは、順次進めながら各県の方で判断をされ進めていくということでありますので、その状況を見ながら私どもも支援をさせていただきたいと考えているところでございます。
○小熊慎司君 まず努力しているということなんですが、やっぱり結果を出していかなければいけないんですね。
これ、今年、九州北部でありますけれども、昨年、私の地元の新潟・福島豪雨、ちょうど一年になります。その後、紀伊半島の豪雨もありました。今回、大臣が迅速化、柔軟化とは言っているんですが、もう既に一年前に大きな災害があって、そこでなかなか進まないものとか変えていかなきゃいけないものというのはもう知見が高まっているはずなんですよ。今回初めて迅速化、柔軟化ではなくて、もう実は、昨年あれだけの豪雨があちこちであって、いろんな問題が積み上がっているといったときに、何も変わっていない。そして、今回の九州豪雨、また後手後手。これでは、そのときは言葉、用意はするんですけれども、変わっていかない。それは、やっぱり既存の仕組みが大きく変わらないからです。
資料としては配付していませんけれども、ちょうど一年たったので、うちの地元の新聞では、この復旧工事遅過ぎるという、国の着工率三八%ですよ、只見川の復旧工事。観光についても、観光回復容易でない。先ほど鉄道の話も出ました。何のめども立っていないんですよ、JR只見線。農地の復旧手付かず。これが現状ですよ。
昨年の新潟・福島豪雨がこの現状、一年前、この一年間何をやってきたのか。既存の制度でやってきたからこういう状況です。その後、紀伊半島のもあって、これは昨年、この委員会でも私の地元に調査に入っていただきました。是非、一年たってどういう状況か、また委員会としても調査を私は是非お願いしたいと思います。
その中で、結局、復旧工事がなぜ進まないのか、しっかりと問題点を把握して、既存の制度でやれないんですから、進捗率が進まない。考えれば変えていくものがしっかり見えているはずなんです、本当は、今。大臣始め優秀な政務三役また省庁の方々いるはずなのに、結果が出ていないんですよ、やると言っていても。今回だって、その大臣が再三言っている迅速化、柔軟化って、なっていないんですから、これまでの、昨年の災害に対しても。
そこで、また質問に移りますけれども、この復旧工事に関しては、これはだから、私の地元見ていて、今回、九州ももっと広い範囲ですから、これ早くやってやらないと生活が再建されない。三年掛けて橋直ります、道路直しますといっても、三年間飯食えなかったらどうするんですかという話ですよ。まして、山間部なんてほかの働き場なんかないわけですから。
ちょうど昨年、この委員会の中でも調査に入っていただいた方で覚えておられるかもしれませんけれども、これ激甚災害受けているんですね、福島・新潟豪雨。で、只見町長が、只見町役場でいろんな意見聴取会をやったときに、激甚災害、二年、三年というスパンですから、そうしたら、ここは豪雪地帯、なかなかそういう二年、三年で難しいんですけどと言ったら、内閣府の方が、いや、町村の判断で五年ということも対応しますからと。只見町町長はそこで激怒したんですよ。五年掛けたいんじゃないんですよ。一年でも進まなきゃいけないんですよ。この私の地元の人たちも、一年たって進まない状況で、家業をやめようかどうかというところまで来ちゃっているんですよ。
こうした新潟・福島豪雨、また紀伊半島の豪雨踏まえて、何も変わってないじゃないですか、迅速に処理する、柔軟に処理するというのが。結果出てないんですもの、結局は。言葉だけじゃないですか。また時間がたてばみんな忘れちゃうんですよ。重大な問題ですよ、結果が出てないというのは。
まさに大臣が言っているこの迅速化、柔軟化って、本当にどうなったらできるんですか。今の中で結果出てないんですからね。九州の人たちも、私、大変な問題だと思っていますよ。どう変わるんですか、これは、迅速化というものに関して。
○政府参考人(関克己君) 今回の九州における災害でございますけれども、先ほどから委員からも御指摘がありましたように、できるだけ早く着工し、着手して進めていくということが重要だというふうに考えてございます。
そういう意味では、繰り返しになりますが、いろいろな仕組みがございますけれども、査定前着工というものを積極的に活用していくということが、早く着手し、全体のスケジュールをスピードアップしていくということにつながる、これも一つの大きなポイントであろうというふうに考えております。そういう意味では、各県、自治体に対しても、この査定前着工が可能であるということを徹底し、先ほども鹿児島の話がございましたけれども、橋梁等ももう査定前で始動させていただいて実際の工事に入っていくというような対応も取らせていただいております。
こういったことを積極的に進めることによりまして、できるだけ早い応急復旧、それから本格復旧に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小熊慎司君 これ、災害関連の法律は、大臣の手元でしっかり見直してほしい。もう一回、本当にこれが既存の法律でやれているのか、今やれてないわけです、結果が出てないですから。これ、しっかり要求したいと思います。
それで、この際、いろいろ調べてみたんですが、九州は九州という一くくりの中で、これ、復旧工事に関してはその作業員ですね、その工事にかかわる作業員の確保というのが重要になってくるわけです。というのは、特に私の地元では東日本大震災で多くの人員が割かれていますので、これ、東北だけではなくて全国各地から来ていただいて、今その復旧作業もしていただいている中で、この水害の方で人員が確保されないという状況が出ているんです。
あと、またこれ、九州と東北がちょっと違うのは、今回調べてみたら、いわゆる労務単価、九州は大体、各県いろんな部分でそう変わりはないんですが、私の地元福島県は全国でももう本当に下の方なんですね。そうすると、復旧工事やるといったら、いや宮城の方が高いからといってほかの県の人たちは宮城に行っちゃうんですよ。まして、まあ白河以北一山百文の扱いというのもありますけど、関東と比べるともう東北なんて格段の違いですよ。
去年の水害のときにも、査定をしたい、測量の人がいない、地元じゃいない。じゃ、栃木から呼ぶか、山形から呼ぶかとやったら、栃木の方が高いんで、福島は安いんで、栃木の人は来てくれませんでしたけれども、こんな状況があるんです、この労務単価の問題で。まして今、人員が全国的に足りないという状況ですから。
これ、しかも不調が多いんですよ、今。これ福島県だけじゃなくて、あちこちで。何もばかみたいにもうけさせろと言いませんし、これは適正価格というのがあるんですけれども、これしっかりと、災害復旧に関しては今言ったように時間掛けられないんですよね。時間掛ければ掛けるほど普通の生活が駄目になっていってしまっている。これも、でも、復旧工事に人が集まらない、不調になる、もう一回やり直し、二回も三回も不調になっていく、これだけで時間が失われる。となると、こうした労務単価の問題も、これはちょっと見直していかなきゃいけないというふうに思っています。
そもそも、この労務単価の計算方式は昭和四十年代の中でできて、その後ほとんど変わってない。その計算方式に数字入れれば数字が出てくるんですけれども、別に計算が間違っているわけでもないんですけれども、実態と合わないわけですよ。そうしたことを考えれば、これはしっかりとこの労務単価の問題も含めて見直していかないと、この災害にしっかり対応できないというふうに、今私の現場で感じていることはそういうことなんです。
そういう観点に立って、しっかりと復旧工事に人員確保していく、作業員の確保をしていくということを前提に立って、この労務単価の見直しといったものについてどういう見解をお持ちか、お聞きいたします。
○政府参考人(関克己君) 先生御指摘のように、福島県の例で申し上げますと、福島県においては、東日本大震災の災害復旧工事に加えまして、御指摘のように、昨年七月の新潟・福島豪雨、この災害復旧工事が多数発注されております。そういう意味で、労働者、現場の働く皆さんの不足等を要因として、入札不調が御指摘のように発生しているところでございます。昨年末よりはやや減少傾向も見られますが、福島県内の土木一式工事、いわゆる土木一式工事で申し上げますと、平成二十三年の入札不調率が一四%、今年の五月が六%という状況でございます。
このため、労働者不足への対処方策というのは必要でございまして、賃金の急激な変動に対しまして、通常は年に一回設定する、年に一回マーケットを調べまして、その調査によりまして設定します設計労務単価を、今年は二月の二十日、それから六月の二十一日に設定しまして、できるだけその実態を反映させるように取り組んだところでございます。
また、国交省としましては、福島県を始めとして被災三県で施行する工事につきましては、これは契約が締結後、急激な変動があった場合に行う請負代金額の変更を可能とする、こういった措置を二月十七日より実施するとともに、被災地以外からの労働者の確保をするなど、こういった働く皆さんの確保方策に変更があった場合、あるいは必要となる費用については設計変更において、事後においてもということでございますが、設計変更において対応する措置を六月二十七日より実施したところでございます。
いずれにしましても、今後、この地域におけます建設市場の動静を十分注視しながら対応してまいりたいと考えているところでございます。
○小熊慎司君 是非これ、実際、今不調の数字言われましたけれども、実際起きているのは、もう赤字覚悟で請けてくれよとやって請けているのもあるわけですよ。そして、その現場の、まあ市町村でも県でも国でも、頼み込んでやっとこの数字にとどまっているということは是非これは認識をしていただきたい。この制度上でこういうふうに収まっているんじゃなくて、無理やり収めているんです、この数字に。本当にちゃんとやったら、もっと不調増えますよ。
まして、今回、九州豪雨は広範囲ですから、そしてまた、その公共事業だけじゃなくて、今私の地元もそうですが、民間の方にも人員が割かれるんですね、復旧のために、家を直したりということで。まあ、土木というのは大体公共工事ですから土木はないんですけれども、建築、建設というものは民間の方でも人員が割かれていくわけですよ。今言ったように、迅速にやるという意味では、人員をどう確保していくかというのは、これ九州でも大きな問題に今後なっていくというふうに思いますから、そういったことも含めてきちっと対応できるようにしていかないと、これは掛け声倒れになってしまうということです。
大臣、今回、九州北部豪雨、大変でありますけれども、是非、昨年の紀伊半島、また新潟・福島豪雨、今どうなっているのか、どういう問題が積み残されているのか、そしてどう法律を変えなきゃ、仕組みを変えないと解決しないのか、今の既存の仕組みで弾力的な運用をすれば変わるものがあるのか。もう一度検証し直す必要があると思いますよ。それが結果として今回の九州北部豪雨に対してもその経験が生かされてくるというふうに思います。問題はまだ何も解決していないんですよ、昨年の豪雨も。
こうしたことが積み上がっていけば、今後またいろんな災害が出たときに、結局、頑張ります、ちゃんとやります、その場はやって、結局また何年も掛けてやっと復旧していく。何年も掛けて復旧すれば、結局、地方、過疎地域なんかは人がいなくなる。実際、あの新潟の地震であったときの山古志村はもう人口が半分ぐらいになっている、そんな状況ですよ。復旧が遅れればそこから人がいなくなっちゃうんです。道路や川や橋を直したとしても、何年で直すか、どのぐらいで直すかということが非常に重要なポイントです。
これ、最後にしますけれども、大臣に最後お聞きしますけれども、そうした観点から、この昨年の豪雨、これまでの災害、もう一度、今の復旧状況を踏まえて、そして災害関連の法律の改正や今言った労務単価といったものまで含めて、もう一度全てのかかわる法律、仕組みといったものを検証し直してほしい。また、被災地にも、昨年の被災地にも大臣自ら時間をつくっていただいて、忙しいでしょうけれども、きちっと検証していただきたいというふうに思いますが、大臣の見解を求めます。
○国務大臣(中川正春君) まさに今私たちが取り組んでいる防災大綱、あるいは基本的な基本法、そして救助法、あるいはまた支援法等々の見直しの作業というのは、先ほど御指摘のあった観点の中で見直しを今まさにやりつつあるというところで、できるものから順番にやっていこうということで、前回も基本法の改正、御協力をいただいて、そして通過をしていったということです。
基本的に、私も感じていますのは、これまでの体系というのは、東日本のような大規模で、それこそ国、国家としての命運を左右するようなそうした大規模災害と、それからもう一つは、多重に、災害が複合的に連鎖して起こってくるような、原子力ということを対象にしたそうした複合災害というようなものを、これまでの法律はどうも対象にしていなかったというところがあるんじゃないかというふうには思っております。局部的に、一つの県の中で一つ充足ができるようなそういう対応について、それを前提にして法律体系ができてきたということが一つの大きな反省点だったというふうに思うんです。
だから、東日本の場合は、肝心のその地方自治体自体の機能があれだけ潰されてしまったという、そういう想定の中で、じゃ、国はどうしていくんだ、県はどうしていくんだというところがその法律の体系の中ではうまく機能していなかったということと、それからもう一つは、危機対応という発災時の対応があるんですけれども、その後の復旧から特に復興にかけてのプロセス、これについては、災害が起こってからそれぞれどういうふうに計画を立てていくかという組織体をつくって、その組織体の中で基本方針をつくってやっていった、いわゆるそれに対する措置法を前提に進んでいったということがあったわけで、そこにもう一つ時間が掛かったんじゃなかろうかというふうにも思っています。
そういうことをこれから前提にしていくと、そうした大規模災害に対してどういう法体系をつくっていくかという、ここを一つは真剣に考えていかなきゃいけないということ。それからもう一つは、小さな災害であっても、通常の手続をやっていたんじゃどうにもならないんだと。災害は、災害に対する手続というのが迅速にやれる、あるいは柔軟にやれるという、その体系があるんじゃないかというふうに思っておりまして、そこのところをきめ細かに体系としてつくっていくということ。
こんなことを意識しながら、これから法律の改正等々含めてまだまだ続きますので、いろいろな知見、それに参加をしていただいて、いろんな知恵をそれぞれの党一緒になって入れ込んでいただいて、しっかりしたものをつくっていきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○小熊慎司君 方向性がしっかり大臣分かっているわけですから、最後にもう一度申し上げますけれども、結果としてはこの新潟・福島豪雨、特にこの福島県側は、国の着工率が三八%ですよ、今の段階で。これを踏まえて、実際、言葉だけじゃなくて結果を出してください。
以上で質問を終わります。
○委員長(松下新平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時二十九分散会
北部九州の豪雨災害でお亡くなりになられた方にお悔やみの言葉を申し上げるとともに、被災された方にお見舞いの言葉を申し上げたいと思います。
まず、災害時の要援護者向けの水の供給体制について伺いたいと思います。
被災直後に八女市旧黒木町の笠原というところを伺いました。まだ給水車が来ていないような状況で、孤立をしておりまして、ペットボトルなどをヘリコプターで運んでいただくような状況でありました。ペットボトルでしか水が確保できないという体制は非常に大変な状況でありまして、一般の方でもこんな大変な状況である中で、隣の旧星野村の方に行きますと、今度は特養施設が孤立をしておりました。こういった方々は全く逃げることができないような状況で、一般の方の確保する水の量では足りません。そして、大分県内では透析施設が今度は水が足りないといったような状況でありました。
ほとんどもう綱渡りのような状況で、人命に影響が出なかったことを本当にほっとしたような思いでありますが、一般の方もともかく、そういう要援護者、医療施設又は福祉施設に対する水の供給体制、これまでも対策は取っているんだと思いますが、もっともっと周知をするとともに再検討を行う必要を感じました。見解を求めたいと思います。
○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
今回の九州北部を中心といたしました豪雨でございますけれども、福岡県、大分県、熊本県、大変甚大な被害が生じたところでございます。水道関係で申し上げましても、最大で一万一千二百戸断水被害が発生をいたしております。
水道施設の復旧につきましては、鋭意復旧を進めさせていただきました結果、昨日時点では既に九割以上は復旧しているという状況でございます。その間、まだ依然として断水している地域が若干残っておりますので、そういった地域につきましては、給水車あるいは給水タンクということを付近の自治体の御協力も得まして応急給水を実施しているというのが概況でございます。
それから、先生の御指摘になられました要介護者、要援護者向けの水の確保ということでございますけれども、医療施設につきましては、昨年度、検討会を開催させていただきまして一定の報告書を得たところでございます。それに基づきまして、今年の三月でございますけれども、災害拠点病院の指定要件というものを見直しをさせていただいたということがございます。
その中身でございますけれども、例えばでございますが、例えば、適切な容量の水の確保を日ごろからしていただきたいと、あるいは優先的な給水協定の締結というものを例えば地域の各いろいろな組織とあらかじめ結んでいただくということ、あるいは最低限三日程度の飲料水の備蓄はお願いしたいといったことで、私どもの方から御通知を出しているというところでございます。それから、社会福祉施設についても基本的に同様でございまして、最低限の確保をお願いをしたところでございます。
水の確保、大変重要な課題でございますので、いろいろ各施設との連携に日ごろから努めるということと、それから災害に強い水道を造っていくということが私どもの使命でございますので、引き続き努力をさせていただきたいと思います。
○秋野公造君 今私が申し上げたのは、災害拠点病院ではなく一般医療であり、一般の福祉でありますので、どうかそこについては再検討をお願いをしたいと思います。
先週、公明党として九州北部災害に対する申入れ、中川大臣のところにも行かせていただきました。そのときに議論させていただいたのは、やはり今回土砂災害に対する対応が必要であるということ、我が党の方もそして大臣の方も共有認識させていただいたところであり、申入れの多くもそういったような状況になっています。
しかしながら、今回ハザードマップが非常に有効であったということ、それから天気予報等の様々な情報提供についてもタイミングとしてはこの避難勧告等に役立つようなタイミングで行われたということを考えると、しかしながら、夜間であり、大雨の状況であり、逃げろと言っても逃げられるような状況でない中で、そういう逃げる対策だけに偏るということに少し違和感を感じています。
やはり、ハード対策をしっかり努めるということを改めて再認識すべきではないでしょうか。例えば、急傾斜地崩壊対策などのそういった事業というもの、予防も含めてしっかりと取り組むべきであると私は考えますが、国交省の見解、求めたいと思います。
○副大臣(奥田建君) 今回の豪雨では、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、土砂災害の発生箇所、そしてまた重大な被害、人命にかかわる被害の発生というのが土砂災害というもので発生したものが多数残念ながらございました。
また、災害の多い、そしてまた土砂災害、水害の多い地域でありますので、これまでもそういったハードの部分での整備を進めておりましたけれども、また今回は沢筋だけではなくて山腹崩壊という、これまで整備の面では少し手薄になっていた、そういった部分での災害もございましたので、また今の大変悲しい経験ではありますけれども、そのことを将来の整備の方針としてまた考えていかなければならないというふうに思います。
○秋野公造君 これは山間部の災害というとらえ方もできる一方で、同じような地形をして人口が密集しているところでこういったことが起きたときに、被害が更に広がってしまうということが想定をされます。先ほど申し上げたこの急傾斜地対策事業というのは、これは本当に人口が多い少ないとか、様々な地域の実情があります。どうか、そういう意味ではここの検討はよろしくお願いをしたいと思います。
今日、資料を配らせていただきましたが、先ほど御答弁いただいた奥田副大臣とは東日本の震災でこの高速道路整備の重要性というものを何度も確認をさせていただいたところであり、本当に事故が多いところ、あるいは渋滞が多いところ、整備計画済みの六区間については早く四車線化を行うことによって災害対策に資するようにしっかりと整備をしていきましょうということ、この委員会も含めまして三度質疑をさせていただいたところで、先日、国土交通省より認可もいただいたところであります。
しかしながら、この六区間百九十キロの中のうち、ほかに整備が、別のところ、より良いところをしようとした近畿自動車道を除き、この長崎自動車道の僅か三キロだけが認められないという、非常におかしな結果が出てまいりました。
この右側に、資料を見ていただきますと、死傷事故率、長崎道、長崎から芒塚、芒塚から多良見ということで、合わせますと五・五件ということで平均より非常に多いわけでありますが、上の長崎―芒塚間はゼロ件、芒塚―多良見間が七・二件ということで、上の部分が認可をされなかったということであります。
図の中見ていただきますと、この長崎多良見、右側の方にありますが、長崎の中心地である県庁に向かう途中がボトルネックとなっておりまして、この右側の区間に事故が多いからといってここだけを認めて、僅かたった三キロだけを認可しないということであれば小さなボトルネックをつくってしまう結果になると、ここでまた事故が起きてしまうようなことになりかねないかと、そして災害対策に本当に役に立つのかということを私は強く思います。ここ、今後どうするのでしょうかということ。
それともう一つ、この高速道路に直交するような形で黒い国道三十四号線があります。これも二車線区間、新日見トンネルと書いてあるところあるかと思いますが、そこだけがまだボトルネックで二車線残っておりまして、こんな長崎市の五十万人の人が住む中心地のところだけ、高速道路もボトルネック、そして国道もボトルネック。どうしてこういう状況が東日本の震災を踏まえて放置をされているのかということに心から違和感を感じています。今後の方針、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。
この四車線化、長崎道の経緯、今先生からお話があったとおりでございます。高速道路の中に暫定二車線区間というのは、基本的に私どもの認識としては、安全面、円滑に走行するという面でやっぱり課題があるというふうに考えております。渋滞とかあるいは事故の発生状況などを確認しながら順次四車線化を進めていくことが大事だというふうに考えております。
お尋ねの長崎道の長崎から長崎芒塚三キロでございますけれども、この区間、もう既に御承知のとおり整備計画は策定済みでございます。そのことを踏まえまして、今後対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
もう一点、お尋ねの件でございます国道三十四号でございますけれども、この国道三十四号も新日見トンネルの付近、ここが車線数が四車線から二車線に絞られるということで、朝夕渋滞が発生しているという事実があります。
国交省では、国とあと県、市などと一緒に、今年度に入りましてから、こういった箇所の効果的な渋滞対策に取り組みたいということで渋滞対策協議会を設けて、この場で地域の渋滞箇所の特定、そしてそれに対してどういう対策をしていくのかというのを検討中でございまして、この箇所につきましても、この渋滞対策協議会におきます検討結果を踏まえながら、四車線化も含めて、国道三十四号の新日見トンネル付近の混雑緩和方策の検討を図っていきたいというふうに思っております。
○秋野公造君 ありがとうございました。
○平山幸司君 国民の生活が第一、青森県選出の平山幸司です。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、私の方からも、七月の各地の大雨により犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
早速ですが、初めに、多発する災害に対する防災担当大臣の取組について質問をさせていただきます。
昨年の東日本大震災以来、およそ十六か月が経過します。この間も日本列島は災害が多発しております。災害は生命と財産にかかわるものとして国の迅速な対応が求められているということを、これまでも本委員会において再三私は申し上げさせていただきましたし、大臣ももう認識を共有していると思います。
そういった意味で、災害への対応、対策及び政策は他のあらゆる政治政策に優先して実行されるべきまさに政府の最優先事項であるとも思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) 担当大臣としては、まさにそういうことであるという思いでこの課題に対して進んでいきたいというふうに思っております。
○平山幸司君 ありがとうございます。
大臣も災害への迅速な対応と復旧復興が最優先と、こういう認識でよろしいですか。もう一度お願いいたします。
○国務大臣(中川正春君) 現場にも足を運びまして、それぞれ各省庁の担当者に対して、あるいは閣議の席でも迅速かつ柔軟に対応をしていくこと、その思いは、国がということが先行するんじゃなくて、それぞれ各地方自治体、現場の担当者と寄り添って一緒にやっていくという気持ちで頑張るようにという、そういう指令、指示を出しているところであります。
○平山幸司君 地域も一体となってやっていくと、こういうお考えだと思います。
そこで、どうしても大臣に大枠でちょっとお伺いしたいことがございます。この件に関しては別の委員会でも詳しくやらせていただきたいと思うのでありますけれども、一点だけどうしても大臣の方に認識をちょっとお聞かせいただきたいと、こう思っております。
といいますのは、東日本大震災以来、これだけの災害が全国で多発している現状を見ると、被災者及び国民全体が災害に対して大きな不安を抱え、人心は萎縮状態にあると、こう感じておるわけであります。その中で、国民の願いとしては、やはり政府に対して何をおいても防災及び災害の復旧復興に全力かつ最優先で取り組んでもらいたいという強い願いがあると思います。
しかしながら、仮設住宅で暮らす人や被災者が多数に上っているにもかかわらず、今国会の状況は、政府の想定外の災害への対応や復旧復興に全力で取り組んでいるというよりも、残念ながら、消費税増税を最優先で行っているという印象が少なくとも国民の目には映ってしまっているということが非常に残念であります。これは、これまでの視察先やあらゆる機会で私もそのような声をいただくわけであります。
そこで、国民及び被災者の立場に立ち防災と復旧復興を最優先に考える、しかも地域とも連携してやっていくという大臣として、多発する自然災害の中で厳しい生活を強いられる被災者や被災地にも大きくかかわる今の消費税増税について大臣はどのようにお感じになられていますでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) まず、国として、あるいはそれぞれ地方自治体、地域として、この災害に対して私は一生懸命今取り組んでいるんだろうと思います。皆さんもそうだと思うんですよ。各災害地に視察に行っていただいてその思いを共にしていくということ、そして、特に東日本で今作り上げようとしている復興対策というものに対して、資金は十九兆円用意したんだけれども、具体的な組立てというのは今まさにやっているわけですよ、皆さん。その中で具体的なものが動いてきて初めて物が見えるということだと思うんですが、しかし、その思いというのは私たち共有しながらしっかり今対応しているというふうに思っております。
だから、それをないがしろにしておいて国会が空転しているということは、これは間違いだと、そういう思いで国会を見るのは、あるいは我々自身を見るのは間違いだというふうに思っております。
その上で、一体改革については、確かに税を上げるということに対して、経済の状況ということをしっかり頭に入れた上でそれを実施するときにはやらなきゃいけないということ、これはもうそれぞれ与野党のコンセンサスだというふうに思います。
そのことを前提にして今議論が進んでおりまして、やっぱりそこを考えて、その条件の上で、しかし厳しいけれども消費税を上げなきゃいけないという判断に至っているその基本というのは、もう一つはもっと大きな国家に対しての危機感だと思うんです。これ以上財政的に、特に社会保障に関連して、自然増も含めて財政需要が膨れてくるということに対して、マーケットも含めて、国際的な市場も含めて、あるいはヨーロッパの状況も含めて考えていったときに、日本の許容度といいますか、それに対する許容度というのが限界に来ているという、そういう危機感の中で国民に説得をしてお願いをしたいというふうに、今議論を進めているんだというふうに私は理解をしております。
○平山幸司君 ありがとうございます。
大臣もお立場があると思いますのでなかなか、これ以上はやりませんけれども、ちょっと一つだけ。国家に対しての危機感があるという、これも我々ももちろん共有させていただいておりますけれども、ここで、これだけそれでも災害が多く、特に仮設住宅に住む多くの被災者の方々も厳しい生活を強いられているだけに、この被災者はどのようにそれを感じているかという面に関して、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川正春君) どのようにというのは、消費税を上げるということに対して皆さんどのように感じている、これは被災者の皆さんはもちろんだと思いますが、国民全体にとってもやはり税を上げていくということは負担にかかわっていくわけですから、決して、何といいますか、素直にいいよという話じゃないと思うんです。しっかりそこのところを我々受け止めて、それでもやっぱりこの国家ということ全体を考えていったときには、どうしても社会保障の安心感、それから今ある人口動態の日本の状況等々を考えていったときには理解をしていただきたいという、そういう思いを語り続けなければならないんだというふうに思います。
○平山幸司君 ありがとうございます。
大臣の方から御答弁いただきましたので、是非政府の方には、まず想定外の災害への対応とか、度重なる災害への復旧復興に全力で取り組んでいただくように強く要請をしたいと思います。この件はこれで終わりたいと思います。
次に参りまして、大雨及び竜巻の被害に関しまして質問をさせていただきます。
七月に入りまして九州北部の大雨災害が多く取り上げられておりますけれども、実は私の地元青森でも、先ほど渡辺先生の方からもお話がございましたが、七月の十六日にはこれまでにない豪雨が津軽地方を襲いました。私も地元で活動しておりましたけれども、山間部を通る際、雨で視界が遮られまして、土砂崩れやその他の被害が発生しないかと随分と心配をいたしました。そしてまた、七月の五日、その前ですね、先ほどお話がありました竜巻も発生をいたしております。
こういった大雨や青森での竜巻による被害状況について、政府から現状把握を簡潔に御報告をいただきたいと思います。
○副大臣(後藤斎君) 今先生が御指摘をいただいた七月十六日の青森県津軽地方における大雨による被害の状況でありますが、これまで住家被害として床上浸水九棟、床下浸水六十棟となっております。また、水田、畑における土砂流入、冠水が五十四ヘクタール、リンゴ園における浸水が八十六ヘクタール、農業用施設の被害が九十六か所、林地崩壊等が九か所、道路ののり面崩落等が二十八か所、河川の護岸決壊等が三十六か所などの被害が生じております。
被害額は、現時点で判明している部分では約十億円となっております。これには水稲、畑、野菜、リンゴ等の、これから発生が見込まれるものは現在調査中であります、除いてあります。
○平山幸司君 竜巻の被害に関してはいかがでしょうか。
○副大臣(後藤斎君) 竜巻につきましては、弘前市において七月五日に発生をいたしました。人的被害につきましては、これまで把握しているところでは負傷者一名となっております。また、住家被害としては、半壊五棟、一部損壊、破損が二十八棟となっております。また、農作物施設、生産施設関係としては、リンゴ園地における樹体損傷が十五園地で百六十八本発生しているところでございます。これらの被害についても現在調査中であります。
○平山幸司君 被害額に関してはどうでしょう。
○副大臣(後藤斎君) 今も最後にお話をしましたが、竜巻の被害の特にリンゴ関係の部分については現在調査中であります。
○平山幸司君 現在、竜巻については調査中ということで、三週間ぐらいたっておりますので、是非その全容をしっかりと把握をしていただいて対応をしていただきたいと、このように思います。
そこで、先ほどもお話がありました生活再建支援制度の適用につきまして、この両、竜巻と大雨に関しては、制度は適用になっていますか、なっていませんか。そこのところをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中川正春君) これは、なっていないというふうに認識をしています。
○平山幸司君 そこで、ちょっと問題意識がございますのでお話をさせていただきたいと思います。
被災地が人口減少が急速に進む地方の中山間部等の過疎集落にあっては、戸数要件をクリアするということは困難だと思いますので、そういった意味で今回適用になっていないのかなとも感じておりますし、そういった意味で、現在の被災者生活再建支援制度の戸数要件の中身を見直す等も行う必要があるとも感じております。
また、被災戸数が少ない場合には、地方公共団体に、先ほど大臣からお話ありましたけれども、による支援が念頭に置かれているのかもしれませんけれども、そもそも過疎化の進んでいる地方公共団体は財政力が極めて脆弱であり、自助努力を期待するには余りにも酷ではないかなと、こうも思うわけであります。今後もこのような局地的な災害の発生も予想されますし、被災規模とは別に、被災された方々のことを考えるとやはり早期に被災者生活再建支援制度の中身の見直しを要望をしたいと思います。
同時に、大臣の方が、これ五月の八日でありますけれども、記者会見を行っている際に、この支援の中の枠組みとしては生活再建支援法の適用ということになるわけでありますが、現行の枠組みだけでいいのかどうかということを再検討していきたいと、このようにもお話しされておりまして、これをプロジェクトとして取り組み、七月中をめどに一定の取りまとめを行うと、こう発言されております。よって、今日、七月の二十七日で、週末を挟みますともうほぼ終わりの状況になりますので、今の状況で、大臣、是非その中身、前向きなお話をいただければと思います。
○国務大臣(中川正春君) 末松副大臣をチーフにしまして、それぞれ各省庁担当レベルでこの議論をずっと積み重ねてきて、もう一定の方向性というのを出してくるというふうに思っております。中身も今聞いているんですけれども。
私、ここでいつも言っていますように、どっちかかなと思っているんですよね。もしそれぞれに適用していくということであれば、各地方自治体が条例化をまずしていただいて、その支援法で救済できない部分を自らがやっていただく、これは元々の法の趣旨なんですね。残念なことに、青森県はないんです、条例化していないんですよ。その周辺はずっとあるんですが。だから、恐らく、こういう状況なものですから、県を越えて、いや、向こうの県はちゃんと出るのにこっちは出ないじゃないかとかいうような、そのそれぞれの被災者にとっては同じ災害であるにもかかわらず不公平が出てくるという結果が出ているので、これをもう一度県のレベルでお願いをして、基本的にこの法律の趣旨に基づいてやってほしいということを進めていくということ、これが一つの方向性だと思います。
もう一つは、法律を変えていくということですが、これはちょっと皆さんにお願いをしなきゃいけないんですけれども、元々これは議員立法で成立をさせていただいたものです。それを作り上げていく過程でいろんな議論がありました。阪神大震災以降、やっぱり個人に対してそうした意味での支援制度というのは必要であろうという考え方から、各党がいろんな議論をしていただいた経緯があります。
そのときに法律の趣旨として、これは互助会にしていこうと、財政力が足りないところで大災害が起こって支援をしていくのに、その範囲というか、全体の規模によってこの互助会の網を掛けていこうと、こういう趣旨でまとまったということでありますので、そこのところをもう全てということになるとちょっと趣旨が変わってくるんだろうと思うんです。
そこは恐らく、議員立法で始まっただけに、これはもう私たちの政府だけということではなくて党のサイドでも、この問題、やっぱり不公平というのがあるということは確かですから、そこのところを考えていくということは必要だと思います。
さらに、もう一つ言えば、今回、半壊とか一部損壊なんですけれども、これ範囲として大規模半壊と全壊に対しての手当てなんですね。一部損壊とかそれから半壊ということに対して、そこまで基準を持てていないんで、ここのところを見舞金的にいろいろ手当てをしている地方自治体もあります。ないところもあります。ということなものですから、ここのところの基準というのもどうしていくかというのは、議論の対象にはこれから皆さんと一緒にしていきたいというふうに思います。
○平山幸司君 ありがとうございます。大変前向きな、積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
大きく三つあったと思います。見舞金のような形でやるということもあるし、県のレベルでいろいろ話し合いながらやるという方向、若しくは法律を変えるんだという形があるというお話だったと思いますけれども、これは災害の大小にかかわらず、やはり同じ被災者という観点から是非大臣にもお知恵を絞っていただきまして、今回の青森県の災害に対しましてもしっかりと適用できるように今後も努力をお願いしたいと思います。
次に参りまして、農作物のこと一つあったんでありますが、ちょっと時間の関係から豪雪関連に関しまして御質問をいたします。
雪寒法における指定路線の拡大についてでございます。道路の除排雪に関する財政負担について、国の三分の二の負担を定める雪寒法の指定路線の見直しについて、私は、二月の二十七日の本委員会において実態が伴っていないということを主張し、これに対して、津島政務官の方から見直しますという力強い御答弁をいただきました。現在までの検討状況、今後の見通し等について御説明をお願いします。
○大臣政務官(津島恭一君) 今の平山委員の御指摘のように、二月の二十七日にこの委員会で、平山さんは当時筆頭、与党の筆頭をやられておられまして、質問をいただきました。
そこで、雪寒法の対象となる道路でありますけれども、この道路の指定の見直しにつきましては、特定の地域への集中的な降雪等、近年の降雪状況の変化や、あるいはまた支援の方法が補助事業から交付事業、これに変わったこと、まして、冬季の生活スタイル、そしてまた経済生活が変化していること、これらも考慮いたしまして総合的に行う必要があると考えております。
見直しに当たりましては、関係者、関係者といいますのは各地域の学識経験者ということでありますが、の意見を幅広く聞きながら検討していくこととしているところであります。
そして、今御指摘の、じゃ今どうなっているのという話でありますが、雪寒法に基づく現在の五か年計画は平成二十年度から二十四年度となっておりますので、次期計画が平成二十五年度から開始することになっておりますので、それをめどに見直しを今進めているところであります。
○平山幸司君 ありがとうございます。
今、条件が変わってきているぞというお話とともに、見直しに関しては学識経験者、地域の皆さんとするということであります。
時期に関しては二十四年度まで続いているのでというお話ですが、ここで一点、是非お願いをしたいんでありますけれども、冬は毎年来ます。今年もあります。豪雪になるかどうかというものはありますけれども、地域は今年の豪雪に対して非常にダメージを受けている。よって、この指定路線の拡大というのは強く地域から要望があるわけでありますので、この冬の前に見直すという、この確約をいただきたいんですが、いかがですか。
○大臣政務官(津島恭一君) お気持ちは非常によく分かりますので、それを踏まえて検討をさせていただきたいと思います。
○平山幸司君 これはやるということでよろしいですか。
○大臣政務官(津島恭一君) 時期の問題は、この年度末に向けての話でありますので、そこは御理解いただきたいと思います。
○平山幸司君 同じ青森県選出でありますので、是非力強くお進めいただきたいと、このように強く要請をいたします。
もう一点、これも前回お話をさせていただきましたけれども、下北の縦貫道路につきまして御質問させていただきます。
菊川道路局長から、前回、下北半島の観光、経済、文化、いろんな面で交流、連携を支える大変重要な道路でありますと、二月の一日から、今年です、二日にかけまして異常な降雪によりまして車両の立ち往生が発生した、よって雪に強い道路という観点からもこの下北半島縦貫道路に対する期待は非常に強いものがある、この下北半島縦貫道路の整備につきまして、まさに克雪という観点からも国交省としてできる限りの支援をしていきたいという答弁をいただいております。
あれから数か月やっぱりたっておりますけれども、その後、支援及び建設の進捗状況、これはどうなっているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(菊川滋君) 下北半島縦貫道路でございますけれども、約六十キロの地域高規格道路でございますけれども、今お話があったように、いろんな面で大変地域を支える大事な道路と、この半年で全く変わっておりません、もちろん。今年の二月、今お話がありましたように、異常降雪で車両が立ち往生したということで、この道路がつながりますと、これが代替路線として機能が期待されるという、そういうものでございます。
今、この道路でございますけれども、六十キロのうち約十三キロは供用いたしております。そして、現在、青森県におきまして、むつ南バイパスと吹越バイパス、それから有戸北バイパスという三つの区間、全部で二十一キロでございますけれども、これが今事業中でございます。このうちの有戸北バイパスについては、本年度中の供用を予定いたしております。それ以外の地域については引き続き鋭意進めているというところでございます。
また、調査中区間がございます。むつ市から横浜町の間、それから野辺地町から七戸町の間、この区間につきましてはそれぞれ現在、概略ルート、そして環境の基礎調査といった検討を実施しているところでございまして、これは青森県の方の意向も十分踏まえながら、先ほどお話がありました、私も答弁いたしましたように、克雪という観点からも国交省としてできる限りの支援をしていきたいというふうに考えております。
○平山幸司君 ありがとうございます。
地元及び災害に強い国づくりという観点からも、局長の方も下北縦貫道路の必要性は十分に御理解いただいているものと思いますので、今の調査中の部分ですね、そこも、また冬も来ますし、いろいろな災害があってはいけないという観点からも、早期の事業化を是非推し進めていきたいと思いますし、津島政務官も同じように地元のことお分かりだと思いますので、その点も含めまして、今後も先ほどの面も含めまして随時国土交通委員会でも質問を重ねてまいりたいと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
最後にもう一点だけ。今冬の豪雪で気温が低い状況が続きまして、道路の路面が割れるなどの被害があります。私も地元で車に乗っておりますと路面の悪化により運転中の危険を感じることもあり、早期の復旧が必要です。これらは凍上災で対応できると思いますけれども、その被害状況、これは全国的に及んでいると思いますけれども、それと現在の復旧状況について国交省にお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(関克己君) 御指摘の今冬の凍上災について御報告をさせていただきます。
凍上災と申しますのは凍って上がるという災害でございまして、これは、非常に気温が下がることによって道路の下に大きな霜柱ができるということで路面を傷めてしまうということで、極めて気温が低いときに発生するものでございます。特にこの冬は、北海道から東北を中心として、これは長野、岐阜に至る十一の道県から二千か所による報告がございました。雪解け後ということも踏まえて、六月十九日より順次災害査定を進めているところでございまして、これまでに約三百か所の査定を完了しており、九月中旬までには全ての査定を完了したいというふうに考えてございます。特に、今年は非常に量も多かったということもございまして、できるだけ前倒しで進めたいということで早期査定を実施したところでございます。
さらに、六年ぶりの大規模の発生ということもございまして、自治体においてはなかなか慣れない方もおられるということで、寒冷の地域については現地の講習会をさせていただき、こういったものが迅速に進められるよう取り組んだところでございます。
いずれにしましても、今後、査定が完了次第できるだけ早く着手し、災害復旧に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○平山幸司君 ありがとうございます。
査定中ということでありましたけれども、雪が消えてからもう四か月になります。確かに大変大きな査定がいろんな地域で必要だとは思いますけれども、もうまた冬が来てしまいますので、是非迅速にそこをやっていただきたいなと、こう思います。
豪雪に関して、今、季節が夏でありますので季節外れだなと、こう感じるかもしれませんが、やはりこの時期にしっかりやっておくということが次の冬に備えることでありますので、是非今の三点、よろしくお願いをいたします。
もう一点だけ、済みません、農業被害に関しましてお伺いをいたします。
農作物に関しまして、七月の五日に青森県の浪岡地区において降ひょうが降りまして、リンゴに大きな被害が出ました。また、今冬の大雪でも農作物への被害というものが出ております。これに対しましての農水省の対応というものをお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(高橋洋君) 今年の冬の豪雪等の今御指摘の被害につきましては、ハウスの倒壊などを中心に過去に例のない被害が出ておりますので、農林水産省では、各方面からの要望や被害の実態を踏まえまして、共済金の早期支払や果樹の植え替えなどの既存の対策に加えまして、災害関連資金の無利子化、農業用ハウスなどの再建、修繕への助成、水稲などの苗の確保への助成という追加対策を打ち出したところでございまして、その実行のための作業を順次進めてきているところでございます。
○平山幸司君 終わります。ありがとうございました。
○小熊慎司君 冒頭、九州北部豪雨におきまして犠牲になられた皆様方に哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様にお見舞い申し上げて、質問に入ってまいります。
ずっと今日一日の質疑の中でも出てきましたけれども、甚大な被害、広範囲にわたっておりますので、九州各地で海岸に漂着物がもう上がっていて、まだ漂流しているものもあるということでございます。
まず初め、九州各県の現時点で把握している漂着物の量についてお示しをください。
○政府参考人(関克己君) 今回の九州北部豪雨により海に流れ、漂着した流木等の量ということでございます。ただ、日々、潮が変わっておりまして、その状況によりまして海岸に流れ着いているその量というのは変化しております。その上で、七月二十四日時点での調査の結果について報告をさせていただきたいと思います。
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、合わせまして約四万七千立方メートルでございます。県別に申し上げますと、福岡県が約一万四千立方メートル、佐賀県が九千立方メートル、長崎県が一千立方メートル、熊本県が一万五千立方メートル、大分県が八千立方メートルとなっているところでございます。
今後とも、この状況が変化してまいりますので、こういった量の把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小熊慎司君 膨大な量なわけですね。これ、早急に処理しなきゃいけない。
また、今日の委員の指摘もありました漁業とか、また、考えてみれば、今漁期に入っていないような漁業もありますけど、ノリの指摘もありましたが、観光といった意味においては、もう夏休みに入っていて、委員派遣は我が党はちょっと参加できなかったんで大変申し訳ないところでありますけれども、党といたしましても柴田巧議員が大分県の方に党の調査として入りまして、今日の資料にお示しをさせていただきましたけれども、杵築市の奈多海岸というところ、これは写真でありますが、ここは環境省も海水浴場の百選に選定していたりしているすばらしい海岸がこの状況でありますから、観光といったことを考えても、これ、もう多分この夏こんな状態では観光客呼ぶことはできないということですし、観光業に携わっている人の仕事というのはやっぱり大変な被害になっているということでもあります。
現状、これを早急にやっぱり対処していかなければならないんですけれども、前例踏襲的な既存の法律また補助事業といったことで対応できないんじゃないかなと思っています。国交省の持っているこの補助事業では二分の一の補助ですけれども、これだけ今ほど示していただいた膨大な量を、各市町村、自治体、県に二分の一ということだけで足りるのかなということと、迅速化ということであれば、少しこれは考え直して対応していかなければならないというふうに思っているところであります。
今日も指摘ありましたけれども、いわゆる議員立法でありましたけれども海ごみの法律ですね、これにかかわったJEANという一般社団法人の方とちょっとお話ししましたけれども、やっぱりこの二分の一補助とか、あと、指定受けてからお金が出るまでの期間というのがちょっと時間が掛かり過ぎているという指摘をしていただきましたところなんですけれども、これはやっぱり今の状況ではすぐは改善できないというふうに私は考えています。
そういう意味では、この処理にかかわる今後のタイムスケジュール的な概要みたいなものをまずお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(関克己君) 私の方からは、災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業、ちょっと長うございますけれども、これは平成十二年度に創設されたものでございまして、いわゆる海岸管理という観点から、海岸管理者である各県が対応していくという制度について御説明をさせていただきたいというふうに思います。
この制度は、先ほど申し上げましたように、平成十二年度に創設され、海岸保全区域内に漂着したもの、それから海岸保全施設から一キロメートル以内に漂着したもの、それから漂着量が一千立方メートル以上のもの、事業費が二百万円以上のものという、こういった基準の下で、各県からの申請を受け、採択された事業費の二分の一までを国が補助するということの制度でございます。
この制度を活用しまして、既に事業採択に向けた手続を開始しております。あわせて、特に緊急を要するということでございまして、事業の採択前でも応急対策が実施できるように調整し、各県において順次着手をしているところでございます。
各県の先ほど申しました応急的な着手の状況を申し上げますと、佐賀県におきましては、これは海岸にもよるんですが、七月の二十六日、それから福岡県については七月の二十四日あるいは七月二十六日の着手、長崎県では七月の二十五日、熊本県では七月二十四日、大分県では七月二十四日ということで、できるだけ早くこの応急対策着手を更に進捗させていきたいというふうに考えているところでございます。
○小熊慎司君 ということであれば、先ほど示した、今、現時点で四万七千というこの漂着物は迅速に手を着けたということでありますけれども、これ、ゴールどの辺になっていますかね。
○政府参考人(関克己君) まず着手をしたということでございまして、この全体のボリュームをどういうスケジュールでやっていくかということは、順次進めながら各県の方で判断をされ進めていくということでありますので、その状況を見ながら私どもも支援をさせていただきたいと考えているところでございます。
○小熊慎司君 まず努力しているということなんですが、やっぱり結果を出していかなければいけないんですね。
これ、今年、九州北部でありますけれども、昨年、私の地元の新潟・福島豪雨、ちょうど一年になります。その後、紀伊半島の豪雨もありました。今回、大臣が迅速化、柔軟化とは言っているんですが、もう既に一年前に大きな災害があって、そこでなかなか進まないものとか変えていかなきゃいけないものというのはもう知見が高まっているはずなんですよ。今回初めて迅速化、柔軟化ではなくて、もう実は、昨年あれだけの豪雨があちこちであって、いろんな問題が積み上がっているといったときに、何も変わっていない。そして、今回の九州豪雨、また後手後手。これでは、そのときは言葉、用意はするんですけれども、変わっていかない。それは、やっぱり既存の仕組みが大きく変わらないからです。
資料としては配付していませんけれども、ちょうど一年たったので、うちの地元の新聞では、この復旧工事遅過ぎるという、国の着工率三八%ですよ、只見川の復旧工事。観光についても、観光回復容易でない。先ほど鉄道の話も出ました。何のめども立っていないんですよ、JR只見線。農地の復旧手付かず。これが現状ですよ。
昨年の新潟・福島豪雨がこの現状、一年前、この一年間何をやってきたのか。既存の制度でやってきたからこういう状況です。その後、紀伊半島のもあって、これは昨年、この委員会でも私の地元に調査に入っていただきました。是非、一年たってどういう状況か、また委員会としても調査を私は是非お願いしたいと思います。
その中で、結局、復旧工事がなぜ進まないのか、しっかりと問題点を把握して、既存の制度でやれないんですから、進捗率が進まない。考えれば変えていくものがしっかり見えているはずなんです、本当は、今。大臣始め優秀な政務三役また省庁の方々いるはずなのに、結果が出ていないんですよ、やると言っていても。今回だって、その大臣が再三言っている迅速化、柔軟化って、なっていないんですから、これまでの、昨年の災害に対しても。
そこで、また質問に移りますけれども、この復旧工事に関しては、これはだから、私の地元見ていて、今回、九州ももっと広い範囲ですから、これ早くやってやらないと生活が再建されない。三年掛けて橋直ります、道路直しますといっても、三年間飯食えなかったらどうするんですかという話ですよ。まして、山間部なんてほかの働き場なんかないわけですから。
ちょうど昨年、この委員会の中でも調査に入っていただいた方で覚えておられるかもしれませんけれども、これ激甚災害受けているんですね、福島・新潟豪雨。で、只見町長が、只見町役場でいろんな意見聴取会をやったときに、激甚災害、二年、三年というスパンですから、そうしたら、ここは豪雪地帯、なかなかそういう二年、三年で難しいんですけどと言ったら、内閣府の方が、いや、町村の判断で五年ということも対応しますからと。只見町町長はそこで激怒したんですよ。五年掛けたいんじゃないんですよ。一年でも進まなきゃいけないんですよ。この私の地元の人たちも、一年たって進まない状況で、家業をやめようかどうかというところまで来ちゃっているんですよ。
こうした新潟・福島豪雨、また紀伊半島の豪雨踏まえて、何も変わってないじゃないですか、迅速に処理する、柔軟に処理するというのが。結果出てないんですもの、結局は。言葉だけじゃないですか。また時間がたてばみんな忘れちゃうんですよ。重大な問題ですよ、結果が出てないというのは。
まさに大臣が言っているこの迅速化、柔軟化って、本当にどうなったらできるんですか。今の中で結果出てないんですからね。九州の人たちも、私、大変な問題だと思っていますよ。どう変わるんですか、これは、迅速化というものに関して。
○政府参考人(関克己君) 今回の九州における災害でございますけれども、先ほどから委員からも御指摘がありましたように、できるだけ早く着工し、着手して進めていくということが重要だというふうに考えてございます。
そういう意味では、繰り返しになりますが、いろいろな仕組みがございますけれども、査定前着工というものを積極的に活用していくということが、早く着手し、全体のスケジュールをスピードアップしていくということにつながる、これも一つの大きなポイントであろうというふうに考えております。そういう意味では、各県、自治体に対しても、この査定前着工が可能であるということを徹底し、先ほども鹿児島の話がございましたけれども、橋梁等ももう査定前で始動させていただいて実際の工事に入っていくというような対応も取らせていただいております。
こういったことを積極的に進めることによりまして、できるだけ早い応急復旧、それから本格復旧に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小熊慎司君 これ、災害関連の法律は、大臣の手元でしっかり見直してほしい。もう一回、本当にこれが既存の法律でやれているのか、今やれてないわけです、結果が出てないですから。これ、しっかり要求したいと思います。
それで、この際、いろいろ調べてみたんですが、九州は九州という一くくりの中で、これ、復旧工事に関してはその作業員ですね、その工事にかかわる作業員の確保というのが重要になってくるわけです。というのは、特に私の地元では東日本大震災で多くの人員が割かれていますので、これ、東北だけではなくて全国各地から来ていただいて、今その復旧作業もしていただいている中で、この水害の方で人員が確保されないという状況が出ているんです。
あと、またこれ、九州と東北がちょっと違うのは、今回調べてみたら、いわゆる労務単価、九州は大体、各県いろんな部分でそう変わりはないんですが、私の地元福島県は全国でももう本当に下の方なんですね。そうすると、復旧工事やるといったら、いや宮城の方が高いからといってほかの県の人たちは宮城に行っちゃうんですよ。まして、まあ白河以北一山百文の扱いというのもありますけど、関東と比べるともう東北なんて格段の違いですよ。
去年の水害のときにも、査定をしたい、測量の人がいない、地元じゃいない。じゃ、栃木から呼ぶか、山形から呼ぶかとやったら、栃木の方が高いんで、福島は安いんで、栃木の人は来てくれませんでしたけれども、こんな状況があるんです、この労務単価の問題で。まして今、人員が全国的に足りないという状況ですから。
これ、しかも不調が多いんですよ、今。これ福島県だけじゃなくて、あちこちで。何もばかみたいにもうけさせろと言いませんし、これは適正価格というのがあるんですけれども、これしっかりと、災害復旧に関しては今言ったように時間掛けられないんですよね。時間掛ければ掛けるほど普通の生活が駄目になっていってしまっている。これも、でも、復旧工事に人が集まらない、不調になる、もう一回やり直し、二回も三回も不調になっていく、これだけで時間が失われる。となると、こうした労務単価の問題も、これはちょっと見直していかなきゃいけないというふうに思っています。
そもそも、この労務単価の計算方式は昭和四十年代の中でできて、その後ほとんど変わってない。その計算方式に数字入れれば数字が出てくるんですけれども、別に計算が間違っているわけでもないんですけれども、実態と合わないわけですよ。そうしたことを考えれば、これはしっかりとこの労務単価の問題も含めて見直していかないと、この災害にしっかり対応できないというふうに、今私の現場で感じていることはそういうことなんです。
そういう観点に立って、しっかりと復旧工事に人員確保していく、作業員の確保をしていくということを前提に立って、この労務単価の見直しといったものについてどういう見解をお持ちか、お聞きいたします。
○政府参考人(関克己君) 先生御指摘のように、福島県の例で申し上げますと、福島県においては、東日本大震災の災害復旧工事に加えまして、御指摘のように、昨年七月の新潟・福島豪雨、この災害復旧工事が多数発注されております。そういう意味で、労働者、現場の働く皆さんの不足等を要因として、入札不調が御指摘のように発生しているところでございます。昨年末よりはやや減少傾向も見られますが、福島県内の土木一式工事、いわゆる土木一式工事で申し上げますと、平成二十三年の入札不調率が一四%、今年の五月が六%という状況でございます。
このため、労働者不足への対処方策というのは必要でございまして、賃金の急激な変動に対しまして、通常は年に一回設定する、年に一回マーケットを調べまして、その調査によりまして設定します設計労務単価を、今年は二月の二十日、それから六月の二十一日に設定しまして、できるだけその実態を反映させるように取り組んだところでございます。
また、国交省としましては、福島県を始めとして被災三県で施行する工事につきましては、これは契約が締結後、急激な変動があった場合に行う請負代金額の変更を可能とする、こういった措置を二月十七日より実施するとともに、被災地以外からの労働者の確保をするなど、こういった働く皆さんの確保方策に変更があった場合、あるいは必要となる費用については設計変更において、事後においてもということでございますが、設計変更において対応する措置を六月二十七日より実施したところでございます。
いずれにしましても、今後、この地域におけます建設市場の動静を十分注視しながら対応してまいりたいと考えているところでございます。
○小熊慎司君 是非これ、実際、今不調の数字言われましたけれども、実際起きているのは、もう赤字覚悟で請けてくれよとやって請けているのもあるわけですよ。そして、その現場の、まあ市町村でも県でも国でも、頼み込んでやっとこの数字にとどまっているということは是非これは認識をしていただきたい。この制度上でこういうふうに収まっているんじゃなくて、無理やり収めているんです、この数字に。本当にちゃんとやったら、もっと不調増えますよ。
まして、今回、九州豪雨は広範囲ですから、そしてまた、その公共事業だけじゃなくて、今私の地元もそうですが、民間の方にも人員が割かれるんですね、復旧のために、家を直したりということで。まあ、土木というのは大体公共工事ですから土木はないんですけれども、建築、建設というものは民間の方でも人員が割かれていくわけですよ。今言ったように、迅速にやるという意味では、人員をどう確保していくかというのは、これ九州でも大きな問題に今後なっていくというふうに思いますから、そういったことも含めてきちっと対応できるようにしていかないと、これは掛け声倒れになってしまうということです。
大臣、今回、九州北部豪雨、大変でありますけれども、是非、昨年の紀伊半島、また新潟・福島豪雨、今どうなっているのか、どういう問題が積み残されているのか、そしてどう法律を変えなきゃ、仕組みを変えないと解決しないのか、今の既存の仕組みで弾力的な運用をすれば変わるものがあるのか。もう一度検証し直す必要があると思いますよ。それが結果として今回の九州北部豪雨に対してもその経験が生かされてくるというふうに思います。問題はまだ何も解決していないんですよ、昨年の豪雨も。
こうしたことが積み上がっていけば、今後またいろんな災害が出たときに、結局、頑張ります、ちゃんとやります、その場はやって、結局また何年も掛けてやっと復旧していく。何年も掛けて復旧すれば、結局、地方、過疎地域なんかは人がいなくなる。実際、あの新潟の地震であったときの山古志村はもう人口が半分ぐらいになっている、そんな状況ですよ。復旧が遅れればそこから人がいなくなっちゃうんです。道路や川や橋を直したとしても、何年で直すか、どのぐらいで直すかということが非常に重要なポイントです。
これ、最後にしますけれども、大臣に最後お聞きしますけれども、そうした観点から、この昨年の豪雨、これまでの災害、もう一度、今の復旧状況を踏まえて、そして災害関連の法律の改正や今言った労務単価といったものまで含めて、もう一度全てのかかわる法律、仕組みといったものを検証し直してほしい。また、被災地にも、昨年の被災地にも大臣自ら時間をつくっていただいて、忙しいでしょうけれども、きちっと検証していただきたいというふうに思いますが、大臣の見解を求めます。
○国務大臣(中川正春君) まさに今私たちが取り組んでいる防災大綱、あるいは基本的な基本法、そして救助法、あるいはまた支援法等々の見直しの作業というのは、先ほど御指摘のあった観点の中で見直しを今まさにやりつつあるというところで、できるものから順番にやっていこうということで、前回も基本法の改正、御協力をいただいて、そして通過をしていったということです。
基本的に、私も感じていますのは、これまでの体系というのは、東日本のような大規模で、それこそ国、国家としての命運を左右するようなそうした大規模災害と、それからもう一つは、多重に、災害が複合的に連鎖して起こってくるような、原子力ということを対象にしたそうした複合災害というようなものを、これまでの法律はどうも対象にしていなかったというところがあるんじゃないかというふうには思っております。局部的に、一つの県の中で一つ充足ができるようなそういう対応について、それを前提にして法律体系ができてきたということが一つの大きな反省点だったというふうに思うんです。
だから、東日本の場合は、肝心のその地方自治体自体の機能があれだけ潰されてしまったという、そういう想定の中で、じゃ、国はどうしていくんだ、県はどうしていくんだというところがその法律の体系の中ではうまく機能していなかったということと、それからもう一つは、危機対応という発災時の対応があるんですけれども、その後の復旧から特に復興にかけてのプロセス、これについては、災害が起こってからそれぞれどういうふうに計画を立てていくかという組織体をつくって、その組織体の中で基本方針をつくってやっていった、いわゆるそれに対する措置法を前提に進んでいったということがあったわけで、そこにもう一つ時間が掛かったんじゃなかろうかというふうにも思っています。
そういうことをこれから前提にしていくと、そうした大規模災害に対してどういう法体系をつくっていくかという、ここを一つは真剣に考えていかなきゃいけないということ。それからもう一つは、小さな災害であっても、通常の手続をやっていたんじゃどうにもならないんだと。災害は、災害に対する手続というのが迅速にやれる、あるいは柔軟にやれるという、その体系があるんじゃないかというふうに思っておりまして、そこのところをきめ細かに体系としてつくっていくということ。
こんなことを意識しながら、これから法律の改正等々含めてまだまだ続きますので、いろいろな知見、それに参加をしていただいて、いろんな知恵をそれぞれの党一緒になって入れ込んでいただいて、しっかりしたものをつくっていきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○小熊慎司君 方向性がしっかり大臣分かっているわけですから、最後にもう一度申し上げますけれども、結果としてはこの新潟・福島豪雨、特にこの福島県側は、国の着工率が三八%ですよ、今の段階で。これを踏まえて、実際、言葉だけじゃなくて結果を出してください。
以上で質問を終わります。
○委員長(松下新平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時二十九分散会