参議院 災害対策特別委員会? 米畸?屋委員、牧山委員、大家委員)
平成24年7月27日(金)
○委員長(松下新平君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
議事に先立ち、一言申し上げます。
平成二十四年梅雨期の大雨による被害により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○委員長(松下新平君) 黙祷を終わります。御着席ください。
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○委員長(松下新平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
去る二十日に行いました平成二十四年七月の大雨による被害状況等の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。
第一班、熊本班の報告を聴取いたします。加治屋義人君。
○加治屋義人君 七月二十日、熊本県において、平成二十四年七月の大雨による被害状況等の実情を調査してまいりました。
参加者は、松下新平委員長、牧山ひろえ理事、渡辺孝男委員、及び現地参加をされました松野信夫議員、松村祥史議員、そして私、加治屋の六名であります。
現地調査の概要を御報告申し上げます。
平成二十四年七月十一日から十四日にかけて九州北部から本州付近に停滞した梅雨前線に向かって非常に湿った空気が流れ込み、九州北部を中心に断続的に非常に激しい雨を降らせました。特に、阿蘇外輪山内において記録的な豪雨となり、阿蘇市乙姫で十一日から十四日までの総雨量が八百十六ミリに達しております。
この豪雨により、熊本県阿蘇地域において、土砂災害により死者・行方不明者が二十五名となるなど大きな人的被害が生じたほか、住家、道路等に大きな被害が生じております。また、阿蘇地域の豪雨により、白川・菊池川水系の河川ではんらんが発生し、住家、橋梁等の公共土木施設、農林水産業施設等に対して甚大な被害をもたらすなど、広域的な水害となっております。
現地におきましては、まず、阿蘇市役所において佐藤市長から被害状況及び復旧状況について説明を聴取しました。同市では、十五か所で大規模な土砂災害が発生し、二十四名の方が死亡又は行方不明となっております。そのほか、住家、道路等へも大きな被害が生じておりますが、断続的に降る雨により避難指示・勧告を発令しながら復旧作業に当たっており、被害全体の把握が困難な状況にあるとのことでありました。また、激甚災害の早期指定について要望がございました。
派遣委員との間では、阿蘇地方の観光への影響、病院等の復旧状況、山の管理状況と土砂災害の関係、ボランティアの支援状況等について意見が交わされました。なお、佐藤市長に対し、見舞金を手交いたしました。
その後、市長から御説明をいただきながら、坂梨地区の土砂災害現場を視察いたしました。同地区においては流れ込んだ土砂により住家が倒壊、流失しており、現在も堆積した土砂の撤去作業が行われておりましたが、長期にわたり避難生活を余儀なくされる方も相当の数になるものと考えられます。一刻も早い復旧が望まれるところであります。
次いで、温泉地である阿蘇市内牧を視察いたしました。現地においては、手作業により泥の除去作業や清掃作業が行われておりました。本格化する観光シーズンを控え、営業の再開のめどの立たない事業者も多い状況であり、温泉地の復興に向けた支援について要望を受けました。
続いて、熊本市内に移動し、浸水被害の大きかった龍田陣内地区を対岸より視察をした後、国土交通省立野ダム工事事務所において、寺崎熊本市副市長より被害状況及び復旧状況について説明を聴取しました。同市においては、白川、合志川流域ではんらん等の被害が生じておりますが、一部の地域で避難指示の遅れにより住民が孤立する事態が生じたことを受け、検討会を設置して避難の在り方について検証するとのことであります。また、ビニールハウス等の農業施設に大きな被害が生じており、これに対する支援について要望を受けました。
派遣委員との間では、立野ダムの治水上の効果、河川整備計画の見直しの必要性、葉たばこや施設園芸の被害に対する支援の在り方等について意見が交わされました。なお、寺崎副市長に対し、見舞金を手交いたしました。
次いで、熊本県庁において、村田熊本県副知事より、熊本県の被害状況及び復旧状況、県の対応状況について説明を聴取するとともに、激甚災害の早期指定、災害復旧・災害対策関連事業等の促進などについての要望を受けました。
派遣委員との間では、激甚法の対象とならない施設の被害に対する支援の必要性、激特事業を活用した河川整備の必要性、観光業における風評被害の状況等について意見が交わされました。なお、村田副知事に対し、見舞金を手交いたしました。
以上が調査の概要であります。
今回被災した地域は、幾度となく大雨による被害が生じている地域であり、近年の集中豪雨の多発を踏まえた治山治水対策を講ずる必要があります。また、三十二名の逃げ遅れた住民が自衛隊及び県のヘリコプターにより救出されており、住民の避難の在り方については更に検討するべき課題があると認識いたした次第であります。
最後に、復旧作業等にお忙しい中、本調査に御協力をいただきました方々に厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げまして、派遣報告といたします。
○委員長(松下新平君) 次に、第二班、福岡県及び大分県班の報告を聴取いたします。那谷屋正義君。
○那谷屋正義君 七月二十日、福岡県及び大分県において、平成二十四年七月の大雨による被害状況等の実情を調査してまいりました。
参加者は、小坂憲次理事、平山幸司委員、山下芳生委員、また現地参加されました江崎孝議員、大家敏志議員、松山政司議員、そして私、那谷屋正義の七名であります。
現地調査の概要を御報告いたします。
梅雨前線が九州北部地方に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定な状況が持続したことなどにより、まず、七月三日から四日にかけて、福岡県朝倉市では二日間で総雨量二百十二ミリメートル、大分県日田市では同じく二百二十三ミリメートルを記録いたしました。また、七月十一日から十四日にかけて、福岡県朝倉市では三百八十六ミリメートル、大分県日田市では四百六十二ミリメートルを記録いたしました。
こうした度重なる豪雨の結果、土木施設、農地、農林施設等を始め広範に被害が生じ、被害総額が判明しているだけで福岡県朝倉市は十四億九千万円、大分県日田市は五十二億円となり、いずれも調査が進むにつれて更なる被害額の増加が見込まれるとのことであります。
現地におきましては、まず、朝倉市役所杷木支所において、小川福岡県知事及び森田朝倉市長から、谷の多い地形のため道路が中小河川に隣接しており、護岸の損壊等により多くの道路が寸断されるとともに、市内を流れる中小河川は、筑後川本流の増水時に逆流防止のための水門が設けられているが、今回は水系全体が長時間豪雨にさらされたため内水排除ができず、多くの浸水被害が生じたこと、県内有数の生産高を誇る柿、梨、博多万能ネギ等の農産物に多大な被害が生じるとともに、県内の有明海沿岸においては、筑後川からの流木等の災害廃棄物の漂流によりノリの養殖、漁業等にも影響が生じていること、今回は問題が顕在化しなかったが、高齢者、障害者等の災害弱者を確実に避難させる体制の構築が課題であること等、詳細な説明を受けました。
小川知事及び森田市長からは、激甚災害の指定、災害復旧事業の早期採択、農業被害に対する対応、朝倉市の地形に見合った内水排除の研究の推進及び施設整備支援等の要望がなされました。
さらに、災害被害認定に当たり、一連の豪雨災害を一体のものとして認識する必要性、複数の県にまたがる海域における災害廃棄物処理の在り方等について意見交換を行うとともに、小川知事及び森田市長に対し、見舞金を手交いたしました。
その後、豪雨の中、朝倉市杷木地区を流れる白木谷川及び杷木大山地区の被災現場を訪問し、河川はんらんによる河岸等の損壊の様子を視察いたしました。
次に、日田市役所において、二日市大分県副知事及び原田日田市長から、今回の豪雨災害は、数次にわたりピークがあり、その間相当の雨量を記録したが、豪雨災害直前に実施した避難訓練や早期に避難指示を発令できたことにより人的被害を抑えることができたのに対し、農業・農林施設、土木施設に甚大な被害が生じたこと、大量の降水により山が傷んでおり、今後の降水により被害が拡大する懸念があること、大分県全域が豪雨災害に見舞われているのではないかとの風評被害により観光施設のキャンセルが相次ぎ、観光産業への影響が懸念されること、稲葉ダムが洪水軽減に効果を示したこと等、詳細な説明を受けました。
二日市副知事及び原田市長から、これから台風シーズンを迎えるに当たり、速やかに本格復旧が実施できるよう、早期の災害査定の実施、激甚災害の指定を通じた支援等の要望がなされました。
さらに、日田市における避難体制、度重なる豪雨災害の際の被災者住宅再建支援制度の適用に当たっての課題等について意見交換を行うとともに、二日市副知事及び原田市長に対し、見舞金を手交いたしました。
その後、市内を流れる花月川及び小野川の被災現場を訪問し、河川はんらん及び土砂災害による被害の様子を視察いたしました。
以上が調査の概要であります。
今回訪問いたしました視察地の災害の特徴として、十日前後の間に二度の豪雨災害に見舞われたことが挙げられます。最初の災害からの復旧途上で再び被災したことに対する住民の精神的負担の大きさは計り知れず、一日も早く復旧復興を果たし、住民の気持ちが立て直されることを願わずにはおれません。近年、自然災害の激しさが増す中、当初の災害からの復旧途上において再び被災するような事例が今後も想定されますが、そのような場合に備えた被災者支援、財政支援の在り方を構築することが必要であると今回の現地調査で認識した次第であります。
最後に、度重なる災害への対応等でお忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興が果たされますようお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。
○委員長(松下新平君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
次に、平成二十四年梅雨期における大雨の被害状況等について、政府より報告を聴取いたします。中川防災担当大臣。
○国務大臣(中川正春君) おはようございます。
それでは、私の方から、平成二十四年の梅雨期に発生した大雨による被害状況及びその対応につきまして御報告を申し上げます。
まず、この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
本年は、沖縄地方が四月二十八日ごろにまず梅雨入りをしまして、六月四日ごろには九州南部が、六月九日ごろまでには九州北部から東北地方南部までが、さらに、六月十六日ごろに東北地方北部が梅雨入りいたしました。そのような中、台風第四号や梅雨前線の影響によりまして、全国的に大雨となりました。
特に、七月十一日から十四日にかけては、本州付近で停滞した梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込み、西日本から東日本にかけての広い範囲で大雨となり、とりわけ、熊本県と大分県を中心に、これまで経験したことのないという表現がされていますが、大雨となりました。
本年の梅雨期における大雨により、七月二十六日までに把握しているところでは、死者三十二名、行方不明者四名、重傷者十四名、軽傷者九十八名の人的被害が生じております。また、全壊二百二十七棟、半壊三百一棟、一部破損三百六十六棟、床上浸水四千八百八十八棟、床下浸水一万一千六棟の住家被害のほか、農業用施設の損壊、農作物の冠水、文教施設の被害などが生じているところであります。
次に、この災害に対する政府の対応を御説明申し上げます。
まず、台風四号による大雨に対しては、六月十九日に私が出席の下、関係省庁連絡会議を開催をしまして、被害状況及び各府省庁の対応について情報共有を行うとともに、具体的な対応を協議をしました。
また、七月三日からの梅雨前線による大雨に対しては、福岡県及び大分県で甚大な浸水被害等が生じたことから、後藤内閣府副大臣を現地に派遣し、被害の状況や対応について調査を行いました。
さらに、七月十一日からの梅雨前線による大雨に対しては、十二日に関係省庁連絡会議を開催するとともに、十三日から十四日にかけて、私を団長とする政府調査団が大分県及び熊本県に赴き、熊本県知事を始めとする地方公共団体の関係者から被害状況や対応状況を聴取するなど調査を行いました。帰京後、直ちに開催した関係省庁連絡会議では、私より各省庁に対し、各種手続の迅速化、それと同時に、弾力的な制度の適用、この二つを中心に対応を求めたところであります。
また、七月二十日には、野田内閣総理大臣が、熊本県、大分県及び福岡県の現地視察を行い、被災状況をつぶさに把握するとともに、各県知事から政府への要望をいただいたところであります。
さらに、七月二十一日から二十二日にかけて、私を団長とする政府調査団が再び大分県、福岡県及び鹿児島県に赴き、被害状況の調査を行ったところです。
具体的な国の支援としては、大分県、熊本県及び福岡県の各知事からの災害派遣要請に基づきまして、延べ約五千二百八十名の自衛隊員が行方不明者の捜索活動や孤立者の救助活動などに従事をしました。また、熊本県警察からの要請に基づき、福岡県、佐賀県及び宮崎県警察から派遣された四十六名の広域緊急援助隊が捜索活動に従事しました。さらに、熊本県及び福岡県からの応援の求めに基づき、長崎県や福岡市等より消防ヘリ八機が派遣され、救助活動に従事しました。また、国土交通省のテックフォースは、河川及び道路の復旧に係る技術指導や排水作業支援等を実施をしました。
財政的な支援としては、甚大な被害を受けた地方公共団体に対し、普通交付税の繰上げ交付を行ったところであります。また、激甚災害の指定に向けて鋭意準備をしているところであります。
これまでの国、地方公共団体及び関係機関の活動により、被災箇所の応急復旧やライフラインの復旧が進んでいるところですが、現在も行方不明となっている方がおられ、また多くの方が不便な生活を強いられています。
これらの大雨による被害からの復旧復興に対しては、野田内閣総理大臣からも迅速かつ柔軟な対応を指示されているところでありまして、引き続き、被害状況を速やかに把握し、被災地の方々が一日も早く安心した生活を送ることができるよう、地方公共団体と緊密に連携しながら、政府一丸となって対応に万全を期してまいります。
以上であります。
○委員長(松下新平君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。今日はよろしくお願いいたします。
冒頭、黙祷をさせていただきましたけれども、改めまして、私からも、まず今回の災害によって亡くなられた方々、そして御遺族の方々にはお悔やみを申し上げるとともに、なお今でも不自由な生活をされている方々、あるいはけが等をされている方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
それでは、質問に入りたいと思いますが、今の大臣の御報告を聞いていても、御自身は七月十三日から十四日、そして二十一日から二十二日と二回にわたって現地を視察、訪問をされたということであります。今回、非常に対応が早くしていただけたことに大変感謝を申し上げたいというふうに思いますけれども、この後がすごく大事だなというふうに思っているところでありますけれども、改めまして、今回被災地を訪れられて、大臣が認識を強くした、あるいは新たにした、そういったものがありましたら、まずお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(中川正春君) これまでに経験したことのないという表現がされていますが、あれだけの大雨に対応する手段というものについて更にしっかりとした政策をまとめていくという必要があるとつくづく思いました。
多くの犠牲者を出したことを非常に残念に思っております。
そんな中で、具体的には、激甚を早く対応するようにというお話がそれぞれの首長さんからお話しいただきました。
事務的な手続をやっていると、ある程度の被害のレベルになるまで被害の報告を積み上げていって、それで手続をしていくということになるわけですが、一つは、その範囲の取り方というのを、今回の災害の場合は二回にわたって、さらにほか、地域的には集中的にまだスポラディックに災害が起こるという状況でありますので、この前線が行ったり来たりしている間をできるだけ長く取って激甚でカバーできるような、そういう対応をしていこうという判断をしまして、六月の八日をスタートにして、いわゆる梅雨が終わるまで、その宣言がなされるまでということで、その範囲をできるだけ長く取りました。その中で被害状況を積み上げていくという作業を今やっております。
しかし、それを確実に待っているとそれぞれの自治体で思い切った対応に結び付いていかないということもありまして、ここは政治的に判断をしまして、あるところで超える見込みが立っていくだろうということを政治的に判断をして、大丈夫だからしっかりやってくれということを発表していくということを決めまして、野田総理がちょうど視察に入られたときに農業に関連したものについてはそういう対応ができるということになりましたので、野田総理の方から、農業関係の激甚というのはそうした基準を超えてきたレベルになっているので、速やかにその手続をしていくというようなお話をしていただいたということであります。
公共土木施設等関連については、いまだなかなかそのレベルに達していない。これは恐らく、それぞれの地方自治体での応急対応に追われた形で、そこに人力が取られているということもあるんだと思うんですが、そういう意味で、なかなかそこに至っておりませんので、いまだそうした政治的なメッセージも出すことができないという状況にあります。
それから、中小企業に対しての対策というのは、阿蘇市に対して局激といいますか、阿蘇市の中小企業対策で激甚は大丈夫だということで、これも連絡を申し上げてあります。そういう状況が一つあるということで、これをできるだけ思い切った、それぞれ地方公共団体がコミットができるような仕組みというのをもっと工夫して考えていく必要があるかなという思いが一つしております。
それからもう一つは、あの地域、過疎地が多いということでありますので、ボランティアの活用とか、あるいは各分野での息の長い支援体制をつくっていかなきゃいけないということだと思います。できるだけ国の方からも、それぞれの関係機関、それから、特にボランティアのネットワークへ向いて支援をしていただきたいということを改めてお願いをするという、そういう仕組みの中で対応をしております。
それからもう一つは、あれだけ命といいますか犠牲者が出たというのは、特に阿蘇なんかの状況を見ていると、夜中に大量の雨が降ったわけですが、それに対して避難をしていくそのときの対応ということですね。これは難しかったんだろうと思います。二時ぐらいから四時、六時ぐらいにかけての集中的な豪雨に対してそこで逃げるという態勢をつくるということでありますから、防災無線なんかもなかなか聞き取れなかったというお話もありましたし、消防隊、消防団がそれぞれ各戸に入って逃げようという話をしていただいたんだと思うんですが、それがなかなか通じなかったというふうなこともあります。
元々、想定をしていた危険地域以外のところでも相当崩れたということでありますので、その辺に対する反省を基本にして、どのように逃げるという態勢をつくるかということ、これは課題を残したというふうに思っております。
それから、こういうことに対して、例えば、中津市ではもうふだんから、速やかに住民の避難ができたというのは、ふだんからの訓練とそのコミュニティーがそういう形で生きていたということがありまして、こうした継続的な訓練の実施がいかに大事かということ、これも具体的に事例が出てきたんだというふうに思います。
そうした様々な観点をしっかりつかんでいきながら、これからの防災計画に役立てていきたいというふうに思いますし、まだ支援状況は続いています。それから、これから復旧の体制に入っていくので、それぞれ各省庁には、迅速に対応するということと、ふだんの手続、これを省いてでもやれるところは寄り添って一緒にやっていくと、いわゆる柔軟な対応をしていくということ、これが大切であるということを今指示をしながら対応をしているところでございます。
○那谷屋正義君 ありがとうございました。
とにかく、現地を訪れられて、一刻も早い復旧のために国としてできることをできるだけ早く、素早くやるという、そういう認識を持たれたというふうに私の方としては承りましたけれども。
今回、激甚災害の指定の仕方において、やはり、局激とかいろいろあるわけですけれども、それを今回スパンをある程度長く取ってもらうというふうなこと、これは現地の首長さん方はもう一番そのことを望んでいらっしゃいましたし、今までこの激甚災害の指定というと、どうしても時間が掛かる、早く指定してくれという要望があるんだけれどもなかなかここに時間が掛かってしまったということは、その手続の中で、まず現地からの被害状況の報告、申請、こういったものにやはり時間が掛かっていたということであったというふうに私も認識しておりますけれども、この間、今私の方から、あるいは加治屋理事の方から報告があったように、それぞれの自治体で非常に被害状況を把握、もちろんそこで全てじゃないんですが、今後も増額の可能性、当然あるというふうなことを言いながらも、日々、何というんですか、それを積算されているということが非常に早い対応として私は感じたわけであります。
そういう意味では、そこからの申請が早く上がってくるということであれば、当然激甚指定というものの決断も早くできるんではないかなというふうに思うんですが、もう一度それについて御決意をいただけたらと思います。
○国務大臣(中川正春君) 人の足りないところは国の出先機関からも応援に入って、できるだけ早くそこのところの積み上げをやるようにということで指示をしておりまして、こうしたことを総合的に判断すると、全国的な梅雨明けがもう確認もできましたので、来週中には大体指定を行いたいというふうに思っております。そのように頑張っていきます。
○那谷屋正義君 今、大変画期的なというか、来週中にはというお話をいただきましたので、是非そのようにしていただけると有り難いなというふうに思います。
少し個別の課題について御質問させていただきたいと思いますが、今回の雨でJR線の被害がやはりかなり大きいということで、特に久大本線、久留米と大分、それから豊肥線のこの被害状況というのは、いまだに、今はまだもちろん、もちろんというか、今は復旧をしていませんけれども、いまだにその復旧のめどすら立っていないと。
これは、住民のもちろん生活のいわゆる足になり得るものでもありますし、また私の専門とする教育の分野からいえば、高校生、県境ですからそれほどのあれはないかもしれませんけれども、高校生の通学等に不便な状況になってくるというふうに思うんですけれども、やはりJRが復旧をするまでの間、何というんですか、通学バスですとか、あるいは生活を助けるためのバスというか、代替の交通手段も用意することが必要だろうというふうに思うんですけれども、その辺についての取組についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(奥田建君) 那谷屋議員にお答えさせていただきます。
今お話にありましたJR九州久大線そして豊肥線、これはJR九州の方から被害の状況報告は受けておりますけれども、本当にこれまでにないような大変な被害でもあります。レールの流出箇所の写真一つ見せていただいても、レールがもうリボンのように曲がって積み重なっているというような状況でありますし、久大線においては橋梁が沈下して運行休止と、あるいは豊肥線の方ではトンネルが陥没するという大きな、また復旧に時間の掛かる被害が出ているのが現実であります。
今御指摘のように、大きな住民の足として、また沿線に高校もたくさんありますし、また利用者としても高校生の比率が大変多いということも聞いております。代替交通、これも今は運行していただいておりますけれども、豊肥線の国道五十七号、この代行を走ろうとする道路の方も一部土砂災害という形で道路も通れないという区間があります。ただ、五十七号の方は御承知のとおり熊本と大分を阿蘇を経由して結ぶ大きな幹線でありますので、今その道路の運行できない部分は国土交通省の直轄の下で、被害の道路をショートカットして、スパン百二十メーターほどの仮橋を造って、そして何とか九月中には運行できるように、道路の方は使えるようにという対応を今取り組ませていただいているところであります。
今御指摘のとおり、代行バスというものをしっかりと充実していくように、また国土交通省としてJR九州と調整、指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○那谷屋正義君 代替の交通手段がまだ使える状況にもないということでございますので、一刻も早くその道路の復旧をまず急ぐ、そして、併せてJRの復旧の方もお力添えよろしくお願いをしたいというふうに思います。
今回、余り特段の問題が顕在化しなかったけれども、いわゆる災害時の要援護者といいますか、報告では災害弱者というふうに報告をいたしましたけれども、今回、今回とは言わず、今後もやはり、何というんですかね、高齢者、乳幼児、あるいは障害をお持ちの方など非常に課題があるんではないかというふうに思うんですけれども、東日本大震災等の教訓にやはり学びながら、その辺について具体的な取組方策をお聞かせいただけたらと思います。
○大臣政務官(郡和子君) 高齢者や障害を持たれた方々、いわゆる災害時要援護者の避難支援対策、これは防災上の重要な課題だというふうに認識をいたしております。
国といたしましては、これまで、災害時要援護者の避難支援ガイドライン、平成の十八年ですけれども、これを定めまして、各市町村に要援護者名簿の作成、また要援護者の避難支援に係る全体計画、それからお一人お一人の個別計画の策定というのを促してまいりました。
今般被害の大きかった熊本県、大分県では、この要援護者の名簿の整備状況が熊本県では八二%、大分県では八八%を超える自治体で整備をしているという状況でございましたけれども、あの東日本大震災の折に課題が幾つか見えてまいりました。情報伝達が援護が必要な方々に適切に行われなかったために迅速な対応ができなかった、判断ができなかった、また、どこに避難すればいいのか判断に迷ったという方々が多くございました。
各市町村におきましては、個人情報保護法との関係などを理由として災害時の要援護者名簿の策定を進めていなかったというところもあったわけでございまして、これについて今年度当初予算で避難における総合的対策の推進経費といたしまして四千五百万円を計上しているところでございます。要援護者およそ一万人を対象にいたしまして実態調査を行わせていただきます。また、この実施に向けて各障害者の団体の方々とも調整を進めさせていただいているところでございます。
今後は、要援護者の方々を含む有識者で構成される検討会も開催をさせていただく運びでございまして、実態調査の結果も踏まえて今年度中にはこのガイドラインの見直しも行ってまいりたいというふうに考えております。また、防災対策推進検討会議における議論なども行われておりまして、災害時における個人情報の在り方について検討をして必要な対応を更に進めてまいりたいと考えています。
○那谷屋正義君 いつ災害が起こるか分からない、また、日本という国は地震にしてもそうでありますし、昨今の集中豪雨にしてもそうでありますから、いずれにしても早い対応が求められているというふうに思いますので、ガイドラインの見直しにしろ、その有識者の検討会でしょうか、そういったものについてもできるだけ実効あるものになるようにしていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。
今回の災害においても緊急避難所として学校等の公共施設が避難所として指定されてそこを利用したわけでありますけれども、実はその学校施設等の防災及び避難所機能というものがまだまだ十分な状況になっていないと。昨日も社会保障と税の一体改革の中で我が会派の梅村議員の方から質問がありましたけれども、東日本大震災のときに、体育館の床にじかに寝ている場合と、段ボール等で簡易ベッドを作って寝ていた場合とでは全然違うんだというようなお話がございました。簡易ベッドをどこの学校にも備え付けろということではないんですけれども。
いずれにしても、トイレ、空調設備、そういったものも含めて非常に重要ではないかというふうに思いますけれども、いわゆる人間として最低限の、何というんですかね、暮らしができる、あるいは生き方ができる、そういうふうなものというのはやはり避難所にも求められているのではないかと思いますけれども、具体的な取組についてお答えをいただけたらと思います。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のとおりかと思いますけれども、学校施設は子供たちの学習、生活の場であるとともに、災害のときには地域のお住まいの皆様の応急の避難場所としての役割、極めて大きいというふうに思っています。その意味では、安全性の確保はもとより、避難所としての防災機能の強化が極めて重要だというふうに認識をしております。
この間、文部科学省といたしましても、東日本大震災を受けて改正をいたしました公立の義務教育諸学校等の施設整備基本方針におきまして、貯水槽、備蓄倉庫、トイレ、自家発電装置などを整備することにより防災機能の強化を図ることが必要と規定をいたしておりまして、各地方公共団体の取組を現在促しているところであります。
また同時に、平成二十四年度の予算におきまして、学校施設環境改善交付金の補助メニューに防災機能強化事業を創設をいたしました。給水槽、備蓄倉庫、井戸、自家発電装置の導入などを補助対象といたしまして、避難所としての機能をより強化することといたしております。
子供たちの安全をしっかり守るとともに、特に年長の方々など、日ごろの生活と違う環境に置かれる皆様のそうした部分に対してもしっかりと目を配りながら、必要な支援を今後も各自治体等の要望を踏まえながら図ってまいりたい、防災機能強化を推進してまいりたいというふうに思っております。
○那谷屋正義君 是非、今まで、ともすると、いつ起こるか分からないものへ投資をするよりも、やはり目先のものへというふうなことが各自治体の方でもどうしてもやっぱり選択をする場合には行われがちでありましたけれども、やっぱり東日本大震災、そして今回の集中豪雨、こういったものを見ると、いつ起こるか分からない、一番大事な市民の生命を守るという、そういう観点でこれからも引き続きお願いをしたいというふうに思います。
一方で、今回、避難所になっている学校が、実は床上浸水ということで被害が非常に大きい学校が大分県の中でもございました。中津市立下郷小学校、それから日田市立北部中学校、そしてこれは避難所として指定はされておりませんけれども、大分県立竹田支援学校、こういったところが大変大きな被害を受けたと。特に竹田支援学校では、一階の部分はもうほとんど天井ぐらいまで浸水をしたというふうなことでもありますし、また、子供たちが通学するためのスクールバスがもう完全にこれもまた天井まで行っちゃって全然使える状況になっていないと。今このスクールバスは修理中でありますけれども、そういうことで夏休みを少し早めに始めたようであります。ただ、できれば、授業時数等も考えながらやると八月下旬には二学期を始業したいというふうに現場では思っているようでありますけれども。
一方で、この竹田地区は大変な田園地区でありまして、例えばいろんな災害の復旧に向けてやるわけですけれども、どうしても農業被害だとか道路復旧の予算というものに、お金をそちらの方に取られがちと言っちゃうと変ですけれども、そちらの方にどうしても予算を掛けられがちだというふうな現場の不安もあるわけですけれども、そうではなくて、しっかりとそこについては復旧できるようにするというようなメッセージをいただけると大変有り難いと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
是非そのように頑張らせていただきたいというふうに思っています。
今回の九州地方を中心とした豪雨による公立学校施設の被害につきましては、今委員からも御指摘がございましたものも含めまして、七月の二十五日十四時現在ということで申しますと、五つの県、七十九の学校の報告がございました。校舎の床上浸水、グラウンドへの土砂流入、スクールバスへの浸水等ということであります。
これら被災した公立学校の施設やスクールバス等の復旧に係る財政支援につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法などによりまして、文部科学省が担当する分では国が復旧に要する費用の原則三分の二の負担ということでありますけれども、他省庁の取組も合わせますと地方単独の負担は全体の一・七%という形で、最小限にとどめるべく対応いたしているところであります。
また、学校の設置者ができる限り速やかに復旧を着手できますように、本来ですといわゆる現地調査という話になるわけですが、国の災害復旧事業の現地調査を待たずに復旧整備に着手できる旨の通知をお出しいたしまして、早期復旧を要請いたしたところであります。また、現地におきましては既に復旧工事が始まっているというふうに報告を受けております。
そうした部分も踏まえながらでありますけれども、今後も、子供たちの学習、生活の場がしっかりと早期復旧されますようにということで、被災地への協力支援等に万全を期してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 是非お願いをしたいと思います。
時間の方も残り少なくなってまいりましたので、被害に対する対応についてはこれぐらいにして、やはり今、大臣の方からもこれまでに経験したことのないという、そういうふうな表現ですとか、あるいは想定外、昨年でいえば想定外というような、そういった言葉が出てくるわけでありますけれども、やはり少し先を見据えた、そういった防災といいますか、物を考えていく必要が、ここらで腰を据えてやらなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。
例えば、各自治体の降雨量、降水量に対する対応でありますけれども、例えば横浜市なんかは一時間に五十ミリというものを想定した形でやっております。それから、大阪では六十ミリ。昨日お話をちょっとするところがあったんですけれども、熊本の水俣辺りでは六十五ミリというふうなことで、それぞれ自治体によって違うんでありますけれども、しかし、どうもそれをも上回る状況がここのところ多発といいますか、非常に多くなってきているのではないか。その表れがこれまで経験のないというふうなことで表現されているのではないかなというふうに思います。
降水量の記録更新、余りいい記録ではありませんけれども、第一位が昨年の高知に降った雨でありまして、これが第一位と。それから、これもまた昨年第五位で三重県。それから、徳島に降った雨、これは十二位ということで、この二〇一一年の中でも非常にワーストのクラスに入ってくるような降水量がどんどん更新されてしまっているという状況を見たときに、やはり治水対策というものについて本腰を入れなければいけないのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(奥田建君) 委員おっしゃるとおり、今、降雨のパターンというのが従来の経験からまた外れるような形で全国に豪雨被害というものが続いているわけでもあります。
昨年一つ取ってみても、紀伊半島の大水害もありました。そして、新潟、福島豪雨もありました。そしてまた、台風被害があった。こういった中で、今河川の整備基本方針という中で、自治体の方には、都道府県の方には二、三十年のスパンでの河川の整備計画を立てていただいているわけでありますけれども、またその見直しというものが必要なときには国交省の方でも協力し、また技術的な助言というものを行っていきたいというふうに思います。
まずは、今回の場合でも応急復旧、そして緊急整備、さらに、今、那谷屋先生おっしゃいましたように、今の整備計画が妥当なのかということも含めて、また深掘りしていかなければいけないというふうに考えております。
ただ、こういう経験の中で、整備が進んできたところは被害を大幅に軽減しているという事例もありますので、またそういった一つの成功例といいますか、効果を発揮した事例というものもしっかりと生かしていきたいと考えます。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
もう一つ、山の問題でありますけれども、今回視察へ行ったときに、山際に建っている家、もうすごいどっしりとした家なんですけれども、山崩れが窓だけを突き破って、建物そのものは無事なんですけれども、窓を突き破って、そしてだあっと川の方に流れ出てきたという、そういう状況。御報告しましたように、避難が割と早かったので今回そこでは人的被害はなかったんですけれども、そういった山のいわゆる治山対策というものも非常に重要ではないかというふうに思います。これについて御見解をお聞かせいただけたらと思います。
○大臣政務官(森本哲生君) 那谷屋委員にお答えさせていただきます。
全くそのとおりでございまして、今回の、私自身が七月の十六日に阿蘇と竹田に入らせていただきました。そして、ここでまた新たな発見をさせていただいた。と申しますのは、今、奥田副大臣も申されたように、これまでの経験から想像できないような現状が、やっぱり今、山津波のような状況があるという現実でございまして、ここのところは山腹崩壊が深層崩壊というような新しい山林の崩壊がありますし、そして、竹田では私もかつて見たことないような土石流、私の体以上の土石流が河川の構造物を全部なぎ倒していくというようなすさまじい災害現場でもございました。
ですから、ここのところはこれから治山事業というものを、堰堤はもちろんそうなんですけれども、間伐の手入れが要るということもあります。ただ、今回の災害を見せていただいて、天然林は絶対だと私自身も思っておったんですけれども、天然林が崩れて民有林の杉をこかしていくというような、そこから亡くなった方もたくさんお見えになるというようなことで、改めて避難する場所も私自身は見直していかなければならないという、そんな思いで帰らせていただいたわけでございますが。
人工林、今まで確かに積極的に植えてきました。ただ、京都議定書で間伐の地球温暖化対策の吸収源でこれはやっておりますけれども、山に入る人というのはもう本当に田舎でも少なくなりました。ですからいかに、下草が生えておらないということと畑化しておるということが事実でございますから、ここへ百ミリ以上の雨が降りますと、これはなかなか防ぎ切らない、土石流のような格好になっていくというような、ここのところは長期的に、委員がおっしゃいますように、長期的な展望としてやらなければならない。ただ、緊急的には、治山対策やら砂防堰堤をやってみえるところは今回助かってみえる例もたくさんありますので、かなり構造物を造ることによって救われる命というものもあったという事実も新たに発見してまいりました。
ですから、総合的な分野でこの山、森をどう考えていくかという一つの大きな長期的なビジョンと、そして治山、山を治めていく作業というものを同時にこれを今やっていかないと、四時間で四百近く降ったというこの記録的な、集中的にまたしかも降っておりますから、ここのところはもう想像を絶する、私、今までの価値観にはないところでございますので、そうしたことも含めてこれからしっかり政府全体で対応していくということが大事、その中で農林水産省は何を受け持つかということが大事だというふうに認識をさせていただいておりますので、委員がおっしゃるとおり、森林の整備と同時に、こうした構造物の整備もやっていかなければならないという認識でやっております。
ただ、二次災害を防ぐために緊急的にしっかり応急工事をやらなければならないということも認識させていただいております。
○那谷屋正義君 もう時間ですので終わりますけれども、是非しっかりやっていただきたいというふうに思いますし、今回行ってみて、何度もピークがあったということで、一回目の被害を受けた後で応急対応をしているんですけれども、その応急対応しているさなかにまた豪雨というふうなことで、これは住民の方々はもう本当に、言ってみれば、希望というかそういったもの、どうなっちゃうんだろうというふうなことで希望を失ってしまうような状況があったんではないかと。
こうした方たちにやっぱりしっかりと早く対応することによって、頑張りましょうと、一緒に頑張りましょうということを示すためにも、是非、冒頭、大臣から御決意をいただいたように、様々な問題について早い対応が大事だろうというふうに思いますので。これはここで言うのがふさわしいかどうかは分かりませんが、ロンドン・オリンピックがもう間もなく始まりますが、それに先立って日本のサッカーチームが男女共にさい先のいいスタートを切った。このさい先のいいスタート、この災害に対してもやはりいいスタートを切っていく。もうスタート切っていますけれども、そういったことが大事だと思いますので、そのことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○牧山ひろえ君 参議院議員の牧山ひろえです。
平成二十四年七月の大雨による被害状況などの実情調査のため、私はほかの委員の皆様と一緒に熊本県を訪れまして、熊本市、そして阿蘇市を訪れました。そして、住民の方々からいろいろお話を聞いてまいりました。
熊本県では、死者・行方不明者が二十五人、住宅の全壊が百二十五棟、それから半壊や破損、浸水も含めますと家の被害は三千九百六十棟にまで及びまして、甚大な被害状況が報告されております。私も実際に見てまいりましたけれども、熊本市では中心部を流れる白川の一部がはんらんし、家屋の流失や損壊などの被害が出ましたけれども、住民の方々からは避難情報の遅れを問題視する声も出ていると聞いております。
災害時における情報伝達に関しましては、国そして地方公共団体、住民など一体となって共有し、災害の情報や避難の情報が地域住民に対しきちんと周知されるための防災通信システムを整備する必要があるかと思います。
そこで、国土交通省として、防災に関しての観測情報などをホームページなどで公開されているのでしょうか。
○政府参考人(関克己君) 国土交通省におきまして、今御指摘のようにホームページ等でどのような防災情報を広く使っていただけるように対応しているかについて説明をさせていただきます。
特に、国交省では、河川あるいは道路と、こういった公物がございまして、こういったものを日常的に管理、観測してございます。こういった情報をいざというときにも使っていただける防災情報として広く国民の皆様にお知らせするため、全国の地方整備局あるいは事務所等でホームページを使いまして、インターネットを利用してリアルタイムの情報として使っていただけるよう進めているところでございます。
例を申し上げます。例えば、洪水時の水防活動に活用されますレーダー雨量計、こういったものを地図に示しまして、どの地域でどの程度雨が降っているかというような雨量情報、それから河川の水位に関する情報、さらには住民の皆様の避難や安全の確保に資します洪水に関する洪水予報、それから道路利用者が安全確保のために道路の事前通行規制、こういったものの情報を公開させていただいているところでもあります。
また、河川や道路の状況を正確に伝えるために、それぞれ川や道路に沿いましてCCTVカメラ、いわゆるテレビカメラを設置してございまして、こういった映像もリアルタイムで提供させていただき、こういったものも含めて地上デジタル放送に提供する等、様々な媒体による防災情報の提供を行っているところであります。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
ほかにも、瞬時情報伝達手段として消防庁が進めておられますJアラートというものがあるかと思います。Jアラートは、津波警報、緊急地震速報、弾道ミサイル情報などといった対処に時間的余裕がない事態に関する緊急情報を、人工衛星を使って市区町村の同報系防災行政無線を自動的に起動させることによって住民に瞬時に伝達するシステムだと伺っております。
Jアラートの整備状況、これは現在どこまで進んでいるんでしょうか。松崎副大臣、お願いいたします。
○副大臣(松崎公昭君) お答えいたします。
Jアラートの受信機を運用している市町村の割合ですが、平成二十三年十二月一日で九八・四%、千七百四十二団体のうち千七百十四団体で九八・四であります。
○牧山ひろえ君 御答弁ありがとうございます。
受信機の設置が全国で九八・四%とのことですが、まだ設置されていない残りの約二%についてはいかがでしょうか。
○副大臣(松崎公昭君) お答えいたします。
市町村への確実、迅速な情報伝達を図るためこのシステムが非常に有効であるということで、交付金や地方債措置によりまして整備の促進を図ってまいっております。
現在のJアラートの受信機を運用していない市町村は、東日本大震災の影響によって事情があります。それから、防災行政無線の整備に合わせて整備しようという、そういう場所、個別の事情によりまして整備が少し遅れているというふうにも聞いております。
引き続きまして、消防庁におきましては、防災対策事業債、充当率が九〇%、交付税算入率が五〇%でございますが、これを活用いたしまして、地域の実情を踏まえて整備が促進されるように支援してまいりたいと思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
いつ災害が起こるか分からないと言われている今日です。そして、先ほど那谷屋先生がおっしゃっていたように、今まで以上の雨が降るかもしれない、どんなことが起きるか分からない、そんな昨今ですので、是非、住民の方々に安心して生活していただくためにも、この受信機の普及、一〇〇%になるよう、引き続き市町村への呼びかけを徹底するようお願いいたしたいと思います。
さて、災害時にいち早く正確な情報を地域住民に伝達するためにも、Jアラート以外にも、インターネットまた携帯電話の手段を活用するシステムの整備を推進するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(松崎公昭君) 市町村におきましては、緊急時の住民への情報伝達について、市町村防災行政無線によりまして、実情に応じて様々な手法は取られております。また、総務省では、市町村防災行政無線も含めまして、携帯メール等の多様な手法で住民への災害情報の伝達を行うことが重要であると、そう認識しておりまして、現在、住民への災害情報伝達手段の多様化の実証実験、これを行っております。多様な情報伝達手段の有効性、これを検証しようとしております。さらに、最近のあの竜巻ございました、茨城県の竜巻災害等を踏まえまして、地方公共団体におきます災害情報伝達の在り方に関する検討会、これも開催をしております。
これらの結果を踏まえまして、Jアラートや市町村防災行政無線を始めとする住民への多様な災害情報伝達手段の整備促進、これに取り組んでいく予定をしております。これらの伝達方式、これを万全を期していきたいと、そのように思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
東日本大震災のときなど、ほかの災害時でも、ツイッターやフェイスブックなどが非常に便利だった、非常に緊急時に役立ったということを聞いておりますけれども、現在、災害対策基本法の改正が議論されていると認識しておりますので、是非、ツイッターやフェイスブックなどの活用についても盛り込むことを御検討していただきたいと思います。
そこで、今度は、ICT教育と災害時の情報共有についてセットで検討することを御提案したいと思います。
情報化社会におけるICT教育の必要性が広く認識されつつありますけれども、教育におけるICTの利用、活用は、子供たちの考える力、それからコミュニケーション力を養い、視野を広げ、語学教育や異文化教育の強化にも貢献すると考えております。
そこで、ICT教育に使用のタブレットPCの普及は現在何台ぐらいありますでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
タブレットPCの学校への普及状況でありますけれども、文部科学省で行いました平成二十三年度の学校における教育の情報化の実態等に関する調査の速報値によりますと、公立の小中高そして特別支援学校におきましては、平成二十四年の三月一日時点でありますが、合計で約二万七千台が整備されているということであります。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
タブレットPCを持ち運ぶことによって、いざ災害が起きた際に最新の災害情報を得ることができたり避難状況を共有したりすることができるため、有効な方法ではないかと思います。災害時の対応で実際にタブレットPCや電子黒板を使用した例があるとすれば、どのようなものがございますでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(城井崇君) 今御指摘いただいた点でありますけれども、例えば東日本大震災の折には、学校の電子黒板を活用いたしまして最新のニュースの視聴など被災者の貴重な情報源になった事例があるというふうに承知をいたしております。
特に私自身も、被災地であります岩手県の大槌町に伺った折に、ちょうど発災から半年後に仮設校舎が建った直後でありましたけれども、まだまだ教室も十分に使えず、また教材や教具等も失っている状況でありましたけれども、そうした学校内におきまして電子黒板を活用しながらやっている授業を拝見いたしました。特に、理科の実験道具がない中で理科の内容をいかに教えていくかという、その代替手段ということでもありましたけれども、ICTの有効性を実感したところでありました。
そうした災害時における地域住民に対する様々な情報提供にも活用できるというふうに思いますし、また児童生徒に対する教育の充実にもこの学校のICT環境の充実は資するというふうに考えておりまして、今後も災害時に避難所となる学校のICT環境を多様に活用することは大変望ましいことだというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
更なるタブレットPCの普及とともに、是非ICT教育の推進を進めていただきたいと思います。
ICT教育の普及とともに、並行して、災害時などにおいては避難所にもなる学校におけるICT環境整備、これをしていくことも重要であると考えております。これらのことについていかがでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(城井崇君) 御指摘の部分に関しましては、総務省ともしっかりと連携協力をいたしながら、これまでは文部科学省では学びのイノベーション、そして総務省ではフューチャースクール授業という形でやってまいりましたけれども、その部分をしっかり連携強化させながら、今御指摘いただいた部分に資するように今後も尽力してまいりたいというふうに存じます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
お隣の国、韓国では、今年から全小学校、中学校でタブレットPCが支給され、教育に活用されるようになりました。韓国の例にもありますように、タブレットPCは利便性や活用方法が多岐にわたっており、教育のツールとしても大変優れていると思います。学校現場の御意見もあるかと思いますが、是非ますます普及するような施策を考えていただきたいと思います。
さて、医療についてお尋ねします。
病院は、患者の治療だけではなくて、災害時には避難所となるケースも多く考えられます。そこで、病院の防災対策、防水、耐震、自家発電などはどこまで整備されているのでしょうか。そしてまた、そのための補助金などの制度はございますでしょうか。厚生労働省、お願いいたします。
○政府参考人(唐澤剛君) お答え申し上げます。
お尋ねの病院の防災対策、特に防水、耐震などの状況でございますけれども、これらにつきましては、厚生労働省としても順次支援を行っているところでございます。
具体的には、施設の耐震強化を図るということは非常に重要でございますので、災害拠点病院、救命救急センター、二次救急医療機関という救急を実施するような医療機関を対象といたしまして、平成二十一年度の第一次補正予算によりまして各都道府県に医療施設耐震化臨時特例基金を設置をいたしました。さらに、平成二十二年度には予備費によりその積み増しを行ったところでございます。これを活用して各拠点病院の耐震化の促進に努めてきていただいたところでございます。
さらに、平成二十三年度の第三次補正予算におきましては、災害拠点病院、救命救急センターを対象といたしまして更なる基金の積み増しを行いまして、耐震化の促進を図っております。平成二十四年度予算におきましても耐震設備、地震防災対策の予算を計上しておりまして、こうしたものを活用しているところでございます。
また、耐震設備以外につきましても、平成二十三年度の第三次補正予算によりまして、災害拠点病院を対象として、自家発電設備あるいは衛星電話、こうしたものなどの整備を行いまして災害医療体制の充実強化に努めてきたところでございます。
また、医療施設の防水対策でございますけれども、これは非常に広い範囲で水が浸入するということがございますので、単独の施設では限界がございますが、これは更に大きな視点から、防災基本計画にも定められているように、地域全体での対策を検討をしていただいているところでございます。
今後とも、医療施設の防災対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 今回の九州の集中豪雨のように、地方で診療所の数も比較的多くない地域にとって、地域住民、ましてや被災者の方々にとっては、病院や診療所、大変重要な役割を果たすことは言うまでもないと思います。是非、耐震のみならず、防水の面に関しても病院の整備をしていただくようお願いいたします。
さて、これまでも、災害時における地域のNPOやボランティアの方々の共助の取組については様々伺ってまいりました。今回、熊本県に私が実際に視察に伺ったときも、ボランティアの方々が実際に活動されていらっしゃる姿が、川岸の反対側から数多く歩いている姿を見ました。
今回の集中豪雨で現地で活動されたボランティアの数はどのぐらいなのでしょうか。厚生労働省、お願いいたします。
○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
七月上旬より続く九州地方の大雨を受けまして、被災地の社会福祉協議会によって災害ボランティアセンターが設置されているところでございまして、福岡県で柳川市など七か所、大分県で竹田市など三か所、また熊本県で熊本市など四か所となっております。
ボランティアの活動状況につきましては、七月二十四日までに把握できている人数といたしまして、福岡県で延べ約三千三百人、大分県で延べ約七千四百人、熊本県で延べ約一万人、三県合わせまして合計で延べ約二万一千人の方々が活動されているところでございます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
約一万人以上の方々がボランティアとして参加していただいたということですが、多くの災害が起こる中で、行政だけではとても手に負えない、作業がたくさんあったりお金も足りない、ボランティアやNPOの方々の力に頼る部分が非常に大きくなっていると思います。これは、私が訪ねたほかの地域でもそういう声を聞いてまいりました。せっかくこうした多くのボランティアの方々が社会貢献活動に御参加をいただいているわけですから、今年の四月に施行された改正NPO法の制度を是非利用していただきたいと思います。
制度そのものをより多くの方に知っていただくために、内閣府としてはどのような取組をしていらっしゃるのでしょうか。中川大臣、お願いいたします。
○国務大臣(中川正春君) 確かに、NPOの皆さんの活動というのが基本的に地域を支えていくという姿、私も現地に入って改めて実感をしたところであります。
御指摘のように、本年四月から改正NPO法、施行されております。でき得る限り、これは二つ要因があると思うんですが、一つはNPO法人の認定基準、これが緩和をされたということと、それに伴って寄附ということについて税制が改正をされて、寄附をしたものが税額控除に直接結び付いていくという、そういう制度ができたということでありまして、このところを活用していただいて、国の補助金だとか委託という形だけではなくて、でき得る限り民間が寄附という形で参加をしていただいて、NPOを支えていく、あるいは持続していくという本来の姿に持っていきたいというのが我々の趣旨であります。
一生懸命今それを説明をしているんですが、政府広報なり、あるいは地方公共団体に対して説明会の開催をしたり、あるいはパンフレットの提供をしたり、広報用パンフレットの作成、配布等々ということと同時に、全国説明会やっているんですが、それだけではやっぱり足りないということで、特にモデルを東日本の大震災のあの被災地においてつくっていきたいということがございまして、今般、内閣府の方から具体的に人を派遣をして、もしその申請に当たってネックがあるとすれば、それをどう解消していったらいいのかということであるとか、寄附金を集めるというインセンティブをNPOの皆さんにも持ってもらうと。補助金の申請だけで、政府があるいは地方自治体が資金をそれで一旦切ったらもうそれでNPOは崩れてしまうんだということじゃなくて、寄附金でやっていくんだという、そういう意識を持ってもらうということが必要であるとすれば、どこをやっていったらいいのかというのをちょっと具体的にこの東日本で掘り下げてみたいということで今対応をさせていただいております。
また、ワンポイントでネットを通じて寄附金が集められるような、そういう制度というのもこれは必要だということでありまして、それについてどういう仕組みがつくれるかということ、そんなことも含めてしっかりとした対応をしていきたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
これまでにいろいろな被災地に行かせていただきましたけれども、いろいろな役所を訪ねた際に、この認定、特に新しい認定NPO制度について問合せをしたところ、ボランティアはたくさんいらっしゃっても、認定NPOになることの税制上のメリットなどは思ったほど浸透していないというのが実感でした。
例えば、ボランティアの活動現場などで新制度について記載されたパンフレットを配布するなど、こういう本当に公益性の高い活動を実際にもう目の前でしていらっしゃる方を逃さないためにも、やっぱり持続性というか続けていただくことが大事だと思います。
最初は、災害が起きたときは新聞やニュースを見てみんなが駆け付けて手伝ってくれると思うんですけれども、それをずっと続けていただくということは非常に難しいかと思います。そういうもうその現場で実際に手を挙げて現場に駆け付けてくれた方にパンフレットを渡す、それが私は有効なのではないかと思います。
もちろんインターネットを通じて説明などを行うのも重要だと思いますけれども、果たしてどれだけの人たちが実際にそのサイトを探して、そして自分で勉強していただけるか、それは分かりません。ですが、もう実際に現場に駆け付けてそういう作業をしてくれる人たちを今後逃さないために、もうその場で、できれば名刺の裏にURLなどを書くとか、その現場でもう手渡しでもいいから提案する、こういう制度がありますよ、低い寄附金額でも寄附する側としては税控除の対象になるわけですから寄附が集まりやすいですよ。よく認定NPOとNPOの違いが分からない方が多いんですけれども、普通のNPOだけではなくて、その上のランクというか、税制上の優遇が受けられる認定NPOがあるということ自体も多くのNPOがまだ知らないという、少なくとも私の地元の神奈川県ではそう感じておりますので、是非これを普及していただきたくお願いいたします。
ありがとうございます。質問を終わります。
○大家敏志君 大家敏志です、自由民主党の。
今日は、タイトなスケジュールの中、大臣始め政務三役の皆さん、貴重な機会をいただきましたので気合を入れて質問をさせていただきたいと思います。
先ほど報告もあったと思うんですが、那谷屋理事始め多くの先生方と、福岡県、二十日の日に見させていただきました。死者も出ていますし、本当にびっくりするような被害が私の出身地である福岡県で起きていますので、そのことについて今日は数点にわたって見解を伺いたいというふうに思います。
まず初めに、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げたいし、そして皆様方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
死者は五名、家屋被害が七千、道路の被害は千九百、河川の被害が六百という大きな被害でもあります。山合いの道路はあちらこちらで崖崩れ、また橋桁の崩落などによって、特に、うきは市、八女市というところでは複数の集落が孤立しました。それから、特に筑後川、矢部川、余りおなじみがないんだと思いますけれども、広い範囲ではんらんをして、柳川市というところでは特に市の三五%が水につかったというような現状があります。
自衛隊の皆さんや消防、また警察、そして行政の皆さんの本当に努力で取りあえず行方不明者や集落の孤立というのは解消されたとは聞いているんですけれども、まだ元どおりの生活に戻るには時間が掛かるというふうに思っています。
今日、大臣もお越しですので、とにかくきちっとした答弁をいただきたいなと、道筋を示していただきたいなと思って、これから質問に入らさせていただきます。
まず、これ繰り返しになるんだと思うんですけれども、激甚災害の早期適用について、もう一度大臣から見解を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(中川正春君) それぞれ、私も現地に入らせていただいて、皆さんが一生懸命に真摯な形で災害対応しておっていただくこと、委員の皆さん方も、そして特に地元の先生方に改めて敬意を表したいというふうに思っております。
激甚災害も含めて、国の法律の上での適用ということに対して二通りありまして、一つは事務手続で早くやっていくということ、これが一つあります。さっき申し上げたように、激甚は、それをしっかり促しているんですけれども、できるだけ範囲を広く取ることによって激甚で拾えるか拾えないかというその可能性を広げていきたいということですね。ある程度の積み上げがないと激甚という指定にならない。これは客観的に数字を決めていますので、それを超えてくるということにしようと思うと期間を長く取って累積をさせるという作業が要るものですから、それをできるだけ今回長く取ってということで、六月の八日から梅雨が明けるまでという、そういうことになっています。なものですから、事務的手続というのはその梅雨が明けてから迅速にということになってきまして、さっきの話のように、事務的な手続としては、来週もう間に合うようにその手続をやっていくということをお話を申し上げました。
もう一方で、それでは今災害の対応に当たっている首長さん始め行政の皆さんで思い切った、いわゆる心の支えといいますか、国がここまでコミットしているんだからやるよという、そういうことにはならないので、政治的に判断をしまして、その途中でも、特に農業というその分野についてはもう積み上げができてきたという、これは見通しですが、見通しの下で大丈夫だよと、だから頑張りなさいというような、そういうメッセージを発しさせていただいたと。これは、野田総理が地元に入ったときに農業はいけるということを皆さんに伝達をして、頑張ってくださいというメッセージをさせていただいたということでありまして、そういうふうな弾力的な対応というのをやりながら、地元と寄り添ってしっかりとした防災についての対応をしていきたいというふうに思っております。
○大家敏志君 正確に答弁していただいたんだと思いますけれども、公共土木施設についてはどうですか。
○国務大臣(中川正春君) 難しいんです、これ、本激まで積み上げていくには。しかし、局激で一部、この町ということについてはいきそうな町も出てきているということなんですが、具体的に、そこで思い切って大丈夫だよというところまではまだ数字が積み上がってきていないということが現実であります。
○大家敏志君 そこを、総理が現地に入って言われたのは、やっぱりスピードと柔軟さということを言われたと思うんですね。地元の人は本当にそこを期待していますから、もちろん大臣は正確にお話をされていることはよく分かりますけれども、しっかり対応していただきたいと、これは強く要望したいというふうに思います。
改良復旧事業等についてちょっとお伺いをしたいんですけれども、特に、被害がありました、これを元どおりにする、元どおりに復旧するというのを災害復旧事業と言うんですか。そして、前よりももっと丈夫な施設にするというのを改良復旧事業と言うんですかね。
○政府参考人(関克己君) はい、一般的には、おっしゃるように、災害復旧、あるいは質的にレベルアップするといいますか、それを改良復旧、一般的にはそういうふうに呼んでいるところでございます。
○大家敏志君 プロではないですけれども、例えば一〇〇の力があるものが今回、流された、壊された、被害があったということであれば、一〇〇に戻しても地元の方々は不安が残ります。元どおりにはなったけれども、もう一度このようなことが起こるかもしれないという。ならば一二〇にしたい、最低でも一一〇にしたいと。現実に市町村や県に聞いてみると、確かにそういう思いなんですね。しかし、なかなかそれがうまく運用されていないという現状があるようなんですよ。
元どおりに戻すのは補助率が三分の二なんですか、そして、改良してより強固なものを造るときは補助率が二分の一なんですか。
○政府参考人(関克己君) 幾つかの制度がございます。例えば助成事業、ちょっと制度名で恐縮です、あるいは関連事業、そういったものがございますし、あるいは単純に原形に戻していくもの、幾つかの制度がございまして、そういう中で、おっしゃるような二分の一とか三分の二とか、そういったものを各制度の中で定められておりまして、そういったものを組み合わせながら進めていくということになっております。
○大家敏志君 しかし、現実になかなか、もちろん予算という側面があるんだと思いますけれども、改良してより前のものより強いものにするということが行われていない現状があると思うんですよね。
大臣、政治主導でしょう。大臣の答弁をちょっと求めたいと思いますが。
○国務大臣(中川正春君) 恐らく、実際に災害があったということの中で想定の見直し等々もされていくんだろうと思いますし、その被害が河川であればもう何回も何回も一つのところに特定して起こるというふうなことであるとすれば、そこはやっぱり集中的に前以上の手だてをしていくということだと思います。
さっき答弁があったように、それを様々な制度の運用の中でできるだけ補助率を高めていくという工夫、これはできると思いますので、それを国の方から、こういうこういうメニューがありますよということをもっと丁寧にその地域、係に伝達をして、一緒に寄り添ってつくり上げていくという努力がもっと必要なんだろうというふうに思います。
鼻をくくったように、もうここから先は補助率これだけしかありませんよというような話じゃなくて、一緒に組み立てていくというような努力というのを私もしっかり指示をしていきたいというふうに思います。
○大家敏志君 有り難いと思います。そのように進めていただきたいというふうに思います。
次に、農作物の被害に対する支援について少しお伺いをしたいと思います。
福岡県、余り御存じないかも分かりませんけれども、富有柿を生産する柿農園や、棚田百選というのに選ばれた美しい、うきは市というところの田畑であったり、久留米市というところの巨峰農園や八女、これ茶畑。そういう至るところに土砂、また倒木、いろんな被害、これもう、実際見られた先生方も多いと思うんですが、本当に目を覆いたくなるような惨状なんですよね。特に、朝倉市の富有柿、それから八女市の玉露、これ重要な作物が相当な被害を受けていて、これが、僕も余りよく知らなかったんですけれども、永年性の作物なんですね。この被災を機に離農する農家が増える可能性があるというんですよ。
こういう農家の営農を継続していくために必要なことが幾つかあると思うので、一つは農業共済の早期支払、また収益がない期間の費用に対する支援の制度の創設などが必要だと考えるんですけれども、過去の台風被害のときとかにこういう支援制度を創設した例があると思うんですけれども、そのことについて見解をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(森本哲生君) 大家委員におかれましては、地元で大変御尽力いただいておりますことに敬意を表する次第でございます。
今おっしゃいました、共済の掛金をしていただいておる方については、これは早期支払、これは積極的に私どもやってまいります。そして、柿、そして私もお茶の関係でも福岡、見せていただきましたが、本当に立派な柿とお茶をやっていただいております。
ここのところは、災害復旧でやる、圃場の復旧とか、そこのところは災害復旧でやるわけでございますけれども、どうぞ、この二年ほど前からこのことについては皆さん与野党を問わず御協力いただいて、その未収益期間について、時間がありませんから細かいことは申しませんが、ちょっとまた資料でもらっていただいたら結構なんですけれども、三年、四年という期間で、御存じかと思うんですけれども、ここの応援する支援策がございます。そして、今、壊滅的な状況でございますから、ここのところの植え替えの作業についても、ここのところを二分の一の補助とか、そうした補助の制度が最近できておりますので、ここのところは積極的に使っていただいて、何とか離農するというようなことがないように是非お勧めをいただけたら大変有り難いというふうに思っております。
そうしたことも含めて、これから、被災状況がまだ的確につかめておらない状況もございますので、そうした面も含めてしっかり頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○大家敏志君 しっかりお願いします。
それともう一点、農業共済に加入していない人に対する対応についてもお伺いしたいというふうに、現地でも市長、また知事からもそういう話が出ていましたので、お願いします。
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは、セーフティーネットと、やはり長期の低利の融資で対応いただきたい。それと併せて、今前段で申し上げました未収益期間の対応をセットで何とか頑張っていただけたらというふうに思っております。
○大家敏志君 分かりました。しっかりお願いしたいと思います。
次に、いわゆる災害廃棄物についてなんですけれども、刻々と同志の県議や市議からも連絡があって、もちろん応急的にというか自衛隊の皆様方の努力等もあって、倒木、風倒木というか倒木が畑の中、田んぼの中に入るもの、また橋梁のところに引っかかっているもの、河川周辺にある。それからまた、それが流れ出て、特に有明海、今日現在も、今も実は漂っている漂流の廃棄物がまだたくさんあるという現状。それから、海に沈んでいるもの、また流れ着いたもの等々、たくさんあるんですよね。これ、本当、切実でして、特に有明海、御存じだと思いますけれども、ノリ養殖、そろそろ準備が始まるという時期になっています。もちろん海上航行にも支障を来しています。
そのことについて、廃棄物でもいろんな段階があるんだと思いますけれども、これがなかなか進んでいないという現状があるので、どうなのかということをまず見解を伺いたいと思います。
○大臣政務官(高山智司君) 大家委員にお答えいたします。
この海域におけます災害廃棄物の問題ですけれども、これはまさに委員御指摘のとおり、災害があったときのその後にずっとそれが残ってしまうことで二次的にもいろいろな被害が出てくるということで、これは対策を講じなければいけなかった問題なんですけれども、これに関しましては、まず海岸漂着物処理推進法という法律、これは平成二十一年に議員立法で作っていただきました法律です。
この中でも、海岸そのものに漂着したものと、漂流している、浮いているものと、あとは海底に今沈んでしまっているもので一応取扱いが異なってまいりますが、海岸に漂着したものに関しましては、基本的には、まずは河川やあるいは港湾などの管理者が廃棄物を処理していく、そしてまた、穴のないように、漏れのないようにそれ以外の部分は基本的には市町村が処理をしていく、そして、そこに国の補助が出ていくと。こういった仕組みになっておりまして、現在もそのスキームの中で処理を進めさせていただいているというのが今実情でございます。
○大臣政務官(森本哲生君) 大家委員の御指摘、本当に深刻な問題というふうにとらえております。有明海については本当に全国的にも有数な産地でございますので、秋から、これから養殖に非常に影響が出るころでございますので、それまでにしっかり我々はやっていかなければならないというふうに、ここのところの認識は一緒でございますので頑張ってまいります。
環境省の方でも基本的には予算を持っていただいておるんですけれども、私どもとしましては、漁業者が漁業活動中に回収した場合、この場合の処分費用については漁場漂流・漂着物対策促進事業、ややこしいんですけれども、ここのところで処理もさせていただいて、二分の一の補助というような制度がございますので、ここの制度も使いながら環境省と併せてしっかりここの対応をやっていきたい、このように考えております。
○大家敏志君 すごく、国にお聞きをすると、また事前に役所の皆さんにお聞きしても、法の不備はなくてきちんと対応できるようにはなっている。現実にそのようであるんですよね。しかし、実態は全く処理が進んでいない。
もう一つ問題は、現場の人たちは法がきちんと整備されていないんではないかというふうに思っておられるんですよ。どこがどうということではないですけれども、被災をした人、またいろんな機関の人たちがそのような認識を持っていて、なかなか手付かずになっている。だからこそ進まないということがある。もちろん金目もあると思いますよね。それか若しくは、その法が余りにもぼんやりしているようなものなのかなというふうに思うんですよ。
もう一度その辺を、少しこれが進むような方向の見解、答弁がありませんかね。
○大臣政務官(高山智司君) 委員御指摘のとおりでございまして、先ほど、私環境省ですけれども、御説明させていただきましたこの海岸漂着物の処理推進法でございますけれども、これはまさに海岸そのものにもう漂着をして打ち上げられているようなものから、海に浮いているもの、また海底に沈んでいるもの、海ごみといっても大きく三種類あると思います。
この平成二十一年の議員立法の御審議のときにも、これら全てがもちろん問題なんですけれども、まずは漂着したものからきちんとやっていこうと。といいますのは、御案内のように、漂流して浮いているものや海底に沈んでしまったものはなかなか実態の把握が難しいということがございました。ですので、先ほど私の答弁で漏れなくと申し上げましたのは、まさに海岸にきちんと漂着しているもの、これに関してはまさに漏れなくやっているところでございますが、先生御指摘の点は、恐らく漂流しているものや海底にもあると、それがまた支障があるんじゃないかというような御指摘だと思います。
実際、生活に支障があるものに関しては、これは市の判断で除去をしていただくと、それに関してまた補助を国でしていくというような仕組みにはなっておりますけれども、実態としては、なかなか漂流ごみですとか海底にあるものというのは把握が難しいというような実態があるということも御理解いただければと思います。
○大臣政務官(森本哲生君) 大家委員、養殖についてはこれはもう本当に深刻な問題でございますから、ここのところは私どももしっかり担当に指示を出しますから、そこのところをまた見ていただいて、とにかく八月、九月、来月ぐらいから九月にかけてやらないとこれは問題が大きいというふうに認識しておりますので、ここはしっかり指示します。
○大家敏志君 本当にそこはひとつよろしくお願いしますね。漂着物、大事ですよ。しかし、有明海は特殊な事情があるので、今答弁いただいたので有り難いことですが、しっかりお願いしたいというふうに思います。
それから、次に行きますけれども、被災者の生活支援、これについてお伺いをしたいというふうに思います。
被災者生活再建支援制度というのがあるようですが、これは対象となるのは全半壊なんですね。今回の場合、福岡県ではこれは四十一世帯、全半壊といえば四十一世帯になってしまう。この対象とならないけれども、実は床上浸水なんですよね、これがほぼ千百。四十一に対して千を超える数字という現状があるんですよ。そうすると、この対象にならない人が頼るべきとすれば、災害援護資金、これの貸付制度というのがあるようで、これを頼りにするしかないと。その場合、いろいろ組み合わせても三百五十万が上限。なおかつ、金利が三%、この時代に金利が三%ですよ。そしてまた、所得制限もあるというんですよ。
これは差し上げるお金ではなくて貸すお金なんですよ。戻してもらう、結果として。にもかかわらず、もう貸したくない、借りたくないという制度にしか思えないんですよね。この点について説明を願います。
○政府参考人(西藤公司君) 災害援護資金につきましては、災害により住家、家財に被害を受けた場合や、世帯主が重傷となった場合に一定の所得以下の世帯に対しまして、生活の再建を図るために市町村が実施主体となって貸付けを行う制度でございます。
お尋ねの貸付利率につきましては、法律におきまして、据置期間は無利子であるが、その後は年三%というふうに規定されております。したがって、これを運用で変更することは難しいわけでございます。
また、所得基準につきましては、例えば四人家族では、住民税における前年の総所得金額が七百三十万円というふうに設定されておりまして、資金調達が比較的困難であり、真に貸付けが必要と考える世帯が対象となるよう設定されているところでございます。
○大家敏志君 もうその答弁だとひとたまりもないじゃないですか。政治主導で利率を下げるべきでしょう。できるできないはその後の話としても、どういうやり方をするかというのは早急に考えるとしても、利率を下げて所得制限をなくして限度額ももう少し引き上げる、結果として返してもらうお金なんですから。どうぞ。
○国務大臣(中川正春君) 担当の役所が答弁すると現在の法律の枠組みの中でしか答弁ができないので、ああいうことになってしまうんですけれども、貴重な御指摘だというふうに思います。
支援の制度そのものをどういうふうに見直していくかというのは、今我々も作業をやっていますので、そんな中でしっかり受け止めさせていただいて対応をしたいというふうに思います。
○大家敏志君 民主党政権にとってもチャンスと思うんですよね、これは。被災地の方に対してチャンスという言葉が適当かどうかは別としても、頼りになる政権だと、ここで頑張らぬでいつ頑張るというような時期だと私は思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
少し関連しますけれども、中小企業に対する支援についてもお伺いをしたいと思います。
特に、我々の福岡県、我が福岡県では、七月十三日付けでこの度の豪雨災害を緊急経済対策資金、これの知事指定災害というのに指定をしたようなんですよ。この貸付けは上限が一億と。しかし、国の信用保証制度と抱き合わせで一億まで出せるということなんですけれども、実は国の信用保証制度の、ここが重要なんですが、無担保、無担保は上限が八千万なんですね。ですから、一億、県が上限を定めているんですけれども、無担保部分は八千万となっているので、残りの二千万については担保が必要ということ、今の仕組みではそうなっているんですが、これはもっと弾力的になりませんかねという問いなんですけれども、答弁を願いたいと思います。
○政府参考人(加藤洋一君) お答え申し上げます。
私どもとしましては、九州北部の豪雨で被災されました中小企業者に対する金融支援、これは万全を期していかなければならないと、まずそういうふうに思っております。
先生から御指摘いただきました信用保証でございますけれども、現時点では一般保証とは別枠で無担保八千万、最大で二億八千万まで措置されるセーフティーネット保証四号というのがございます。ただし、この発動につきましては、自治体におきまして中小企業者の被害状況の調査などを積み上げる必要がございます。今、各自治体におきまして調査をしておりますので、そういった調査に基づきまして適切に制度の運用をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
そのほか、発災後、特別相談窓口を設けております。信用保証に加えまして、災害復旧貸付けでありますとか様々な支援措置がございますので、被災中小企業者の方々のお声をつぶさにお聞きをして、個々に適切な支援をできる限りにおいてやっていきたいというふうに考えております。
○大家敏志君 今日、議論を通じて感じることは、もちろん今の決まり事があって、それを超えてやるというのは難しいという現実がある、それはよく分かりますよね。しかし、やっぱりこういう事態ですから、そして特に民主党政権になって政治主導と言われて、今が頑張りどきだと思うんです。僕は、さっき役所の方に、僕はあら探しをするために質問しているのではなくて、本当に福岡県の被災を受けていろんな関係の方が今苦しんでおられますから、何とか、今の仕組みはあるでしょうけれども、それを超えてできる部分がないかと、せっかく大臣がお越しなので、今日はそのことを浮き彫りにして、しっかりとした対応に進んでもらいたいという思いで質問をさせていただきました。
大臣の見解をお聞きをして、質問を終わろうと思いますけれども。
○国務大臣(中川正春君) 災害にどういうふうに対峙していくかということについては、やっぱり現場の状況というものに即した制度をつくっていく、そして制度に不備があったらそれをやっぱり改革をしていくという姿勢が大事だと思います。
一つだけ、さっきの中小企業の申し開きをさせていただくとすれば、実は防災関係、災害関係の貸付金というのは、条件がそのときそのときの適合にしていなくて、ちょっと古かったり条件が悪かったりしているものがあるんですよ。それを今適用させてもということで、実はセーフティーネット融資で、これは災害だけということではなくて、セーフティーネットという形で経済対策も含めたトータルな制度があって、それを使ってもらう方が有利に展開しますよということで、これを今使ってくださいということで現場に下ろしているということなんですね、実際のところは。
だから、そういう柔軟な体制も取っているということでありますので、そこもひとつ理解をしていただいて、あとは、制度改革、これは法律も変えていったり政省令を変えていったりする作業でありますのでちょっと時間が掛かるので、そこのところもしっかりまた御指摘いただいて、変えるところは変えていくという体制で頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いをします。
○大家敏志君 みんなが使い勝手がいいというか、丁寧にやっていただきたいというふうに思います。
そのことを最後に要望して、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○委員長(松下新平君) 午後一時三十分まで休憩いたします。
午前十一時四十八分休憩
議事に先立ち、一言申し上げます。
平成二十四年梅雨期の大雨による被害により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○委員長(松下新平君) 黙祷を終わります。御着席ください。
─────────────
○委員長(松下新平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
去る二十日に行いました平成二十四年七月の大雨による被害状況等の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。
第一班、熊本班の報告を聴取いたします。加治屋義人君。
○加治屋義人君 七月二十日、熊本県において、平成二十四年七月の大雨による被害状況等の実情を調査してまいりました。
参加者は、松下新平委員長、牧山ひろえ理事、渡辺孝男委員、及び現地参加をされました松野信夫議員、松村祥史議員、そして私、加治屋の六名であります。
現地調査の概要を御報告申し上げます。
平成二十四年七月十一日から十四日にかけて九州北部から本州付近に停滞した梅雨前線に向かって非常に湿った空気が流れ込み、九州北部を中心に断続的に非常に激しい雨を降らせました。特に、阿蘇外輪山内において記録的な豪雨となり、阿蘇市乙姫で十一日から十四日までの総雨量が八百十六ミリに達しております。
この豪雨により、熊本県阿蘇地域において、土砂災害により死者・行方不明者が二十五名となるなど大きな人的被害が生じたほか、住家、道路等に大きな被害が生じております。また、阿蘇地域の豪雨により、白川・菊池川水系の河川ではんらんが発生し、住家、橋梁等の公共土木施設、農林水産業施設等に対して甚大な被害をもたらすなど、広域的な水害となっております。
現地におきましては、まず、阿蘇市役所において佐藤市長から被害状況及び復旧状況について説明を聴取しました。同市では、十五か所で大規模な土砂災害が発生し、二十四名の方が死亡又は行方不明となっております。そのほか、住家、道路等へも大きな被害が生じておりますが、断続的に降る雨により避難指示・勧告を発令しながら復旧作業に当たっており、被害全体の把握が困難な状況にあるとのことでありました。また、激甚災害の早期指定について要望がございました。
派遣委員との間では、阿蘇地方の観光への影響、病院等の復旧状況、山の管理状況と土砂災害の関係、ボランティアの支援状況等について意見が交わされました。なお、佐藤市長に対し、見舞金を手交いたしました。
その後、市長から御説明をいただきながら、坂梨地区の土砂災害現場を視察いたしました。同地区においては流れ込んだ土砂により住家が倒壊、流失しており、現在も堆積した土砂の撤去作業が行われておりましたが、長期にわたり避難生活を余儀なくされる方も相当の数になるものと考えられます。一刻も早い復旧が望まれるところであります。
次いで、温泉地である阿蘇市内牧を視察いたしました。現地においては、手作業により泥の除去作業や清掃作業が行われておりました。本格化する観光シーズンを控え、営業の再開のめどの立たない事業者も多い状況であり、温泉地の復興に向けた支援について要望を受けました。
続いて、熊本市内に移動し、浸水被害の大きかった龍田陣内地区を対岸より視察をした後、国土交通省立野ダム工事事務所において、寺崎熊本市副市長より被害状況及び復旧状況について説明を聴取しました。同市においては、白川、合志川流域ではんらん等の被害が生じておりますが、一部の地域で避難指示の遅れにより住民が孤立する事態が生じたことを受け、検討会を設置して避難の在り方について検証するとのことであります。また、ビニールハウス等の農業施設に大きな被害が生じており、これに対する支援について要望を受けました。
派遣委員との間では、立野ダムの治水上の効果、河川整備計画の見直しの必要性、葉たばこや施設園芸の被害に対する支援の在り方等について意見が交わされました。なお、寺崎副市長に対し、見舞金を手交いたしました。
次いで、熊本県庁において、村田熊本県副知事より、熊本県の被害状況及び復旧状況、県の対応状況について説明を聴取するとともに、激甚災害の早期指定、災害復旧・災害対策関連事業等の促進などについての要望を受けました。
派遣委員との間では、激甚法の対象とならない施設の被害に対する支援の必要性、激特事業を活用した河川整備の必要性、観光業における風評被害の状況等について意見が交わされました。なお、村田副知事に対し、見舞金を手交いたしました。
以上が調査の概要であります。
今回被災した地域は、幾度となく大雨による被害が生じている地域であり、近年の集中豪雨の多発を踏まえた治山治水対策を講ずる必要があります。また、三十二名の逃げ遅れた住民が自衛隊及び県のヘリコプターにより救出されており、住民の避難の在り方については更に検討するべき課題があると認識いたした次第であります。
最後に、復旧作業等にお忙しい中、本調査に御協力をいただきました方々に厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げまして、派遣報告といたします。
○委員長(松下新平君) 次に、第二班、福岡県及び大分県班の報告を聴取いたします。那谷屋正義君。
○那谷屋正義君 七月二十日、福岡県及び大分県において、平成二十四年七月の大雨による被害状況等の実情を調査してまいりました。
参加者は、小坂憲次理事、平山幸司委員、山下芳生委員、また現地参加されました江崎孝議員、大家敏志議員、松山政司議員、そして私、那谷屋正義の七名であります。
現地調査の概要を御報告いたします。
梅雨前線が九州北部地方に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定な状況が持続したことなどにより、まず、七月三日から四日にかけて、福岡県朝倉市では二日間で総雨量二百十二ミリメートル、大分県日田市では同じく二百二十三ミリメートルを記録いたしました。また、七月十一日から十四日にかけて、福岡県朝倉市では三百八十六ミリメートル、大分県日田市では四百六十二ミリメートルを記録いたしました。
こうした度重なる豪雨の結果、土木施設、農地、農林施設等を始め広範に被害が生じ、被害総額が判明しているだけで福岡県朝倉市は十四億九千万円、大分県日田市は五十二億円となり、いずれも調査が進むにつれて更なる被害額の増加が見込まれるとのことであります。
現地におきましては、まず、朝倉市役所杷木支所において、小川福岡県知事及び森田朝倉市長から、谷の多い地形のため道路が中小河川に隣接しており、護岸の損壊等により多くの道路が寸断されるとともに、市内を流れる中小河川は、筑後川本流の増水時に逆流防止のための水門が設けられているが、今回は水系全体が長時間豪雨にさらされたため内水排除ができず、多くの浸水被害が生じたこと、県内有数の生産高を誇る柿、梨、博多万能ネギ等の農産物に多大な被害が生じるとともに、県内の有明海沿岸においては、筑後川からの流木等の災害廃棄物の漂流によりノリの養殖、漁業等にも影響が生じていること、今回は問題が顕在化しなかったが、高齢者、障害者等の災害弱者を確実に避難させる体制の構築が課題であること等、詳細な説明を受けました。
小川知事及び森田市長からは、激甚災害の指定、災害復旧事業の早期採択、農業被害に対する対応、朝倉市の地形に見合った内水排除の研究の推進及び施設整備支援等の要望がなされました。
さらに、災害被害認定に当たり、一連の豪雨災害を一体のものとして認識する必要性、複数の県にまたがる海域における災害廃棄物処理の在り方等について意見交換を行うとともに、小川知事及び森田市長に対し、見舞金を手交いたしました。
その後、豪雨の中、朝倉市杷木地区を流れる白木谷川及び杷木大山地区の被災現場を訪問し、河川はんらんによる河岸等の損壊の様子を視察いたしました。
次に、日田市役所において、二日市大分県副知事及び原田日田市長から、今回の豪雨災害は、数次にわたりピークがあり、その間相当の雨量を記録したが、豪雨災害直前に実施した避難訓練や早期に避難指示を発令できたことにより人的被害を抑えることができたのに対し、農業・農林施設、土木施設に甚大な被害が生じたこと、大量の降水により山が傷んでおり、今後の降水により被害が拡大する懸念があること、大分県全域が豪雨災害に見舞われているのではないかとの風評被害により観光施設のキャンセルが相次ぎ、観光産業への影響が懸念されること、稲葉ダムが洪水軽減に効果を示したこと等、詳細な説明を受けました。
二日市副知事及び原田市長から、これから台風シーズンを迎えるに当たり、速やかに本格復旧が実施できるよう、早期の災害査定の実施、激甚災害の指定を通じた支援等の要望がなされました。
さらに、日田市における避難体制、度重なる豪雨災害の際の被災者住宅再建支援制度の適用に当たっての課題等について意見交換を行うとともに、二日市副知事及び原田市長に対し、見舞金を手交いたしました。
その後、市内を流れる花月川及び小野川の被災現場を訪問し、河川はんらん及び土砂災害による被害の様子を視察いたしました。
以上が調査の概要であります。
今回訪問いたしました視察地の災害の特徴として、十日前後の間に二度の豪雨災害に見舞われたことが挙げられます。最初の災害からの復旧途上で再び被災したことに対する住民の精神的負担の大きさは計り知れず、一日も早く復旧復興を果たし、住民の気持ちが立て直されることを願わずにはおれません。近年、自然災害の激しさが増す中、当初の災害からの復旧途上において再び被災するような事例が今後も想定されますが、そのような場合に備えた被災者支援、財政支援の在り方を構築することが必要であると今回の現地調査で認識した次第であります。
最後に、度重なる災害への対応等でお忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興が果たされますようお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。
○委員長(松下新平君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
次に、平成二十四年梅雨期における大雨の被害状況等について、政府より報告を聴取いたします。中川防災担当大臣。
○国務大臣(中川正春君) おはようございます。
それでは、私の方から、平成二十四年の梅雨期に発生した大雨による被害状況及びその対応につきまして御報告を申し上げます。
まず、この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
本年は、沖縄地方が四月二十八日ごろにまず梅雨入りをしまして、六月四日ごろには九州南部が、六月九日ごろまでには九州北部から東北地方南部までが、さらに、六月十六日ごろに東北地方北部が梅雨入りいたしました。そのような中、台風第四号や梅雨前線の影響によりまして、全国的に大雨となりました。
特に、七月十一日から十四日にかけては、本州付近で停滞した梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込み、西日本から東日本にかけての広い範囲で大雨となり、とりわけ、熊本県と大分県を中心に、これまで経験したことのないという表現がされていますが、大雨となりました。
本年の梅雨期における大雨により、七月二十六日までに把握しているところでは、死者三十二名、行方不明者四名、重傷者十四名、軽傷者九十八名の人的被害が生じております。また、全壊二百二十七棟、半壊三百一棟、一部破損三百六十六棟、床上浸水四千八百八十八棟、床下浸水一万一千六棟の住家被害のほか、農業用施設の損壊、農作物の冠水、文教施設の被害などが生じているところであります。
次に、この災害に対する政府の対応を御説明申し上げます。
まず、台風四号による大雨に対しては、六月十九日に私が出席の下、関係省庁連絡会議を開催をしまして、被害状況及び各府省庁の対応について情報共有を行うとともに、具体的な対応を協議をしました。
また、七月三日からの梅雨前線による大雨に対しては、福岡県及び大分県で甚大な浸水被害等が生じたことから、後藤内閣府副大臣を現地に派遣し、被害の状況や対応について調査を行いました。
さらに、七月十一日からの梅雨前線による大雨に対しては、十二日に関係省庁連絡会議を開催するとともに、十三日から十四日にかけて、私を団長とする政府調査団が大分県及び熊本県に赴き、熊本県知事を始めとする地方公共団体の関係者から被害状況や対応状況を聴取するなど調査を行いました。帰京後、直ちに開催した関係省庁連絡会議では、私より各省庁に対し、各種手続の迅速化、それと同時に、弾力的な制度の適用、この二つを中心に対応を求めたところであります。
また、七月二十日には、野田内閣総理大臣が、熊本県、大分県及び福岡県の現地視察を行い、被災状況をつぶさに把握するとともに、各県知事から政府への要望をいただいたところであります。
さらに、七月二十一日から二十二日にかけて、私を団長とする政府調査団が再び大分県、福岡県及び鹿児島県に赴き、被害状況の調査を行ったところです。
具体的な国の支援としては、大分県、熊本県及び福岡県の各知事からの災害派遣要請に基づきまして、延べ約五千二百八十名の自衛隊員が行方不明者の捜索活動や孤立者の救助活動などに従事をしました。また、熊本県警察からの要請に基づき、福岡県、佐賀県及び宮崎県警察から派遣された四十六名の広域緊急援助隊が捜索活動に従事しました。さらに、熊本県及び福岡県からの応援の求めに基づき、長崎県や福岡市等より消防ヘリ八機が派遣され、救助活動に従事しました。また、国土交通省のテックフォースは、河川及び道路の復旧に係る技術指導や排水作業支援等を実施をしました。
財政的な支援としては、甚大な被害を受けた地方公共団体に対し、普通交付税の繰上げ交付を行ったところであります。また、激甚災害の指定に向けて鋭意準備をしているところであります。
これまでの国、地方公共団体及び関係機関の活動により、被災箇所の応急復旧やライフラインの復旧が進んでいるところですが、現在も行方不明となっている方がおられ、また多くの方が不便な生活を強いられています。
これらの大雨による被害からの復旧復興に対しては、野田内閣総理大臣からも迅速かつ柔軟な対応を指示されているところでありまして、引き続き、被害状況を速やかに把握し、被災地の方々が一日も早く安心した生活を送ることができるよう、地方公共団体と緊密に連携しながら、政府一丸となって対応に万全を期してまいります。
以上であります。
○委員長(松下新平君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。
これより質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。今日はよろしくお願いいたします。
冒頭、黙祷をさせていただきましたけれども、改めまして、私からも、まず今回の災害によって亡くなられた方々、そして御遺族の方々にはお悔やみを申し上げるとともに、なお今でも不自由な生活をされている方々、あるいはけが等をされている方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
それでは、質問に入りたいと思いますが、今の大臣の御報告を聞いていても、御自身は七月十三日から十四日、そして二十一日から二十二日と二回にわたって現地を視察、訪問をされたということであります。今回、非常に対応が早くしていただけたことに大変感謝を申し上げたいというふうに思いますけれども、この後がすごく大事だなというふうに思っているところでありますけれども、改めまして、今回被災地を訪れられて、大臣が認識を強くした、あるいは新たにした、そういったものがありましたら、まずお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(中川正春君) これまでに経験したことのないという表現がされていますが、あれだけの大雨に対応する手段というものについて更にしっかりとした政策をまとめていくという必要があるとつくづく思いました。
多くの犠牲者を出したことを非常に残念に思っております。
そんな中で、具体的には、激甚を早く対応するようにというお話がそれぞれの首長さんからお話しいただきました。
事務的な手続をやっていると、ある程度の被害のレベルになるまで被害の報告を積み上げていって、それで手続をしていくということになるわけですが、一つは、その範囲の取り方というのを、今回の災害の場合は二回にわたって、さらにほか、地域的には集中的にまだスポラディックに災害が起こるという状況でありますので、この前線が行ったり来たりしている間をできるだけ長く取って激甚でカバーできるような、そういう対応をしていこうという判断をしまして、六月の八日をスタートにして、いわゆる梅雨が終わるまで、その宣言がなされるまでということで、その範囲をできるだけ長く取りました。その中で被害状況を積み上げていくという作業を今やっております。
しかし、それを確実に待っているとそれぞれの自治体で思い切った対応に結び付いていかないということもありまして、ここは政治的に判断をしまして、あるところで超える見込みが立っていくだろうということを政治的に判断をして、大丈夫だからしっかりやってくれということを発表していくということを決めまして、野田総理がちょうど視察に入られたときに農業に関連したものについてはそういう対応ができるということになりましたので、野田総理の方から、農業関係の激甚というのはそうした基準を超えてきたレベルになっているので、速やかにその手続をしていくというようなお話をしていただいたということであります。
公共土木施設等関連については、いまだなかなかそのレベルに達していない。これは恐らく、それぞれの地方自治体での応急対応に追われた形で、そこに人力が取られているということもあるんだと思うんですが、そういう意味で、なかなかそこに至っておりませんので、いまだそうした政治的なメッセージも出すことができないという状況にあります。
それから、中小企業に対しての対策というのは、阿蘇市に対して局激といいますか、阿蘇市の中小企業対策で激甚は大丈夫だということで、これも連絡を申し上げてあります。そういう状況が一つあるということで、これをできるだけ思い切った、それぞれ地方公共団体がコミットができるような仕組みというのをもっと工夫して考えていく必要があるかなという思いが一つしております。
それからもう一つは、あの地域、過疎地が多いということでありますので、ボランティアの活用とか、あるいは各分野での息の長い支援体制をつくっていかなきゃいけないということだと思います。できるだけ国の方からも、それぞれの関係機関、それから、特にボランティアのネットワークへ向いて支援をしていただきたいということを改めてお願いをするという、そういう仕組みの中で対応をしております。
それからもう一つは、あれだけ命といいますか犠牲者が出たというのは、特に阿蘇なんかの状況を見ていると、夜中に大量の雨が降ったわけですが、それに対して避難をしていくそのときの対応ということですね。これは難しかったんだろうと思います。二時ぐらいから四時、六時ぐらいにかけての集中的な豪雨に対してそこで逃げるという態勢をつくるということでありますから、防災無線なんかもなかなか聞き取れなかったというお話もありましたし、消防隊、消防団がそれぞれ各戸に入って逃げようという話をしていただいたんだと思うんですが、それがなかなか通じなかったというふうなこともあります。
元々、想定をしていた危険地域以外のところでも相当崩れたということでありますので、その辺に対する反省を基本にして、どのように逃げるという態勢をつくるかということ、これは課題を残したというふうに思っております。
それから、こういうことに対して、例えば、中津市ではもうふだんから、速やかに住民の避難ができたというのは、ふだんからの訓練とそのコミュニティーがそういう形で生きていたということがありまして、こうした継続的な訓練の実施がいかに大事かということ、これも具体的に事例が出てきたんだというふうに思います。
そうした様々な観点をしっかりつかんでいきながら、これからの防災計画に役立てていきたいというふうに思いますし、まだ支援状況は続いています。それから、これから復旧の体制に入っていくので、それぞれ各省庁には、迅速に対応するということと、ふだんの手続、これを省いてでもやれるところは寄り添って一緒にやっていくと、いわゆる柔軟な対応をしていくということ、これが大切であるということを今指示をしながら対応をしているところでございます。
○那谷屋正義君 ありがとうございました。
とにかく、現地を訪れられて、一刻も早い復旧のために国としてできることをできるだけ早く、素早くやるという、そういう認識を持たれたというふうに私の方としては承りましたけれども。
今回、激甚災害の指定の仕方において、やはり、局激とかいろいろあるわけですけれども、それを今回スパンをある程度長く取ってもらうというふうなこと、これは現地の首長さん方はもう一番そのことを望んでいらっしゃいましたし、今までこの激甚災害の指定というと、どうしても時間が掛かる、早く指定してくれという要望があるんだけれどもなかなかここに時間が掛かってしまったということは、その手続の中で、まず現地からの被害状況の報告、申請、こういったものにやはり時間が掛かっていたということであったというふうに私も認識しておりますけれども、この間、今私の方から、あるいは加治屋理事の方から報告があったように、それぞれの自治体で非常に被害状況を把握、もちろんそこで全てじゃないんですが、今後も増額の可能性、当然あるというふうなことを言いながらも、日々、何というんですか、それを積算されているということが非常に早い対応として私は感じたわけであります。
そういう意味では、そこからの申請が早く上がってくるということであれば、当然激甚指定というものの決断も早くできるんではないかなというふうに思うんですが、もう一度それについて御決意をいただけたらと思います。
○国務大臣(中川正春君) 人の足りないところは国の出先機関からも応援に入って、できるだけ早くそこのところの積み上げをやるようにということで指示をしておりまして、こうしたことを総合的に判断すると、全国的な梅雨明けがもう確認もできましたので、来週中には大体指定を行いたいというふうに思っております。そのように頑張っていきます。
○那谷屋正義君 今、大変画期的なというか、来週中にはというお話をいただきましたので、是非そのようにしていただけると有り難いなというふうに思います。
少し個別の課題について御質問させていただきたいと思いますが、今回の雨でJR線の被害がやはりかなり大きいということで、特に久大本線、久留米と大分、それから豊肥線のこの被害状況というのは、いまだに、今はまだもちろん、もちろんというか、今は復旧をしていませんけれども、いまだにその復旧のめどすら立っていないと。
これは、住民のもちろん生活のいわゆる足になり得るものでもありますし、また私の専門とする教育の分野からいえば、高校生、県境ですからそれほどのあれはないかもしれませんけれども、高校生の通学等に不便な状況になってくるというふうに思うんですけれども、やはりJRが復旧をするまでの間、何というんですか、通学バスですとか、あるいは生活を助けるためのバスというか、代替の交通手段も用意することが必要だろうというふうに思うんですけれども、その辺についての取組についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(奥田建君) 那谷屋議員にお答えさせていただきます。
今お話にありましたJR九州久大線そして豊肥線、これはJR九州の方から被害の状況報告は受けておりますけれども、本当にこれまでにないような大変な被害でもあります。レールの流出箇所の写真一つ見せていただいても、レールがもうリボンのように曲がって積み重なっているというような状況でありますし、久大線においては橋梁が沈下して運行休止と、あるいは豊肥線の方ではトンネルが陥没するという大きな、また復旧に時間の掛かる被害が出ているのが現実であります。
今御指摘のように、大きな住民の足として、また沿線に高校もたくさんありますし、また利用者としても高校生の比率が大変多いということも聞いております。代替交通、これも今は運行していただいておりますけれども、豊肥線の国道五十七号、この代行を走ろうとする道路の方も一部土砂災害という形で道路も通れないという区間があります。ただ、五十七号の方は御承知のとおり熊本と大分を阿蘇を経由して結ぶ大きな幹線でありますので、今その道路の運行できない部分は国土交通省の直轄の下で、被害の道路をショートカットして、スパン百二十メーターほどの仮橋を造って、そして何とか九月中には運行できるように、道路の方は使えるようにという対応を今取り組ませていただいているところであります。
今御指摘のとおり、代行バスというものをしっかりと充実していくように、また国土交通省としてJR九州と調整、指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○那谷屋正義君 代替の交通手段がまだ使える状況にもないということでございますので、一刻も早くその道路の復旧をまず急ぐ、そして、併せてJRの復旧の方もお力添えよろしくお願いをしたいというふうに思います。
今回、余り特段の問題が顕在化しなかったけれども、いわゆる災害時の要援護者といいますか、報告では災害弱者というふうに報告をいたしましたけれども、今回、今回とは言わず、今後もやはり、何というんですかね、高齢者、乳幼児、あるいは障害をお持ちの方など非常に課題があるんではないかというふうに思うんですけれども、東日本大震災等の教訓にやはり学びながら、その辺について具体的な取組方策をお聞かせいただけたらと思います。
○大臣政務官(郡和子君) 高齢者や障害を持たれた方々、いわゆる災害時要援護者の避難支援対策、これは防災上の重要な課題だというふうに認識をいたしております。
国といたしましては、これまで、災害時要援護者の避難支援ガイドライン、平成の十八年ですけれども、これを定めまして、各市町村に要援護者名簿の作成、また要援護者の避難支援に係る全体計画、それからお一人お一人の個別計画の策定というのを促してまいりました。
今般被害の大きかった熊本県、大分県では、この要援護者の名簿の整備状況が熊本県では八二%、大分県では八八%を超える自治体で整備をしているという状況でございましたけれども、あの東日本大震災の折に課題が幾つか見えてまいりました。情報伝達が援護が必要な方々に適切に行われなかったために迅速な対応ができなかった、判断ができなかった、また、どこに避難すればいいのか判断に迷ったという方々が多くございました。
各市町村におきましては、個人情報保護法との関係などを理由として災害時の要援護者名簿の策定を進めていなかったというところもあったわけでございまして、これについて今年度当初予算で避難における総合的対策の推進経費といたしまして四千五百万円を計上しているところでございます。要援護者およそ一万人を対象にいたしまして実態調査を行わせていただきます。また、この実施に向けて各障害者の団体の方々とも調整を進めさせていただいているところでございます。
今後は、要援護者の方々を含む有識者で構成される検討会も開催をさせていただく運びでございまして、実態調査の結果も踏まえて今年度中にはこのガイドラインの見直しも行ってまいりたいというふうに考えております。また、防災対策推進検討会議における議論なども行われておりまして、災害時における個人情報の在り方について検討をして必要な対応を更に進めてまいりたいと考えています。
○那谷屋正義君 いつ災害が起こるか分からない、また、日本という国は地震にしてもそうでありますし、昨今の集中豪雨にしてもそうでありますから、いずれにしても早い対応が求められているというふうに思いますので、ガイドラインの見直しにしろ、その有識者の検討会でしょうか、そういったものについてもできるだけ実効あるものになるようにしていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。
今回の災害においても緊急避難所として学校等の公共施設が避難所として指定されてそこを利用したわけでありますけれども、実はその学校施設等の防災及び避難所機能というものがまだまだ十分な状況になっていないと。昨日も社会保障と税の一体改革の中で我が会派の梅村議員の方から質問がありましたけれども、東日本大震災のときに、体育館の床にじかに寝ている場合と、段ボール等で簡易ベッドを作って寝ていた場合とでは全然違うんだというようなお話がございました。簡易ベッドをどこの学校にも備え付けろということではないんですけれども。
いずれにしても、トイレ、空調設備、そういったものも含めて非常に重要ではないかというふうに思いますけれども、いわゆる人間として最低限の、何というんですかね、暮らしができる、あるいは生き方ができる、そういうふうなものというのはやはり避難所にも求められているのではないかと思いますけれども、具体的な取組についてお答えをいただけたらと思います。
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
委員御指摘のとおりかと思いますけれども、学校施設は子供たちの学習、生活の場であるとともに、災害のときには地域のお住まいの皆様の応急の避難場所としての役割、極めて大きいというふうに思っています。その意味では、安全性の確保はもとより、避難所としての防災機能の強化が極めて重要だというふうに認識をしております。
この間、文部科学省といたしましても、東日本大震災を受けて改正をいたしました公立の義務教育諸学校等の施設整備基本方針におきまして、貯水槽、備蓄倉庫、トイレ、自家発電装置などを整備することにより防災機能の強化を図ることが必要と規定をいたしておりまして、各地方公共団体の取組を現在促しているところであります。
また同時に、平成二十四年度の予算におきまして、学校施設環境改善交付金の補助メニューに防災機能強化事業を創設をいたしました。給水槽、備蓄倉庫、井戸、自家発電装置の導入などを補助対象といたしまして、避難所としての機能をより強化することといたしております。
子供たちの安全をしっかり守るとともに、特に年長の方々など、日ごろの生活と違う環境に置かれる皆様のそうした部分に対してもしっかりと目を配りながら、必要な支援を今後も各自治体等の要望を踏まえながら図ってまいりたい、防災機能強化を推進してまいりたいというふうに思っております。
○那谷屋正義君 是非、今まで、ともすると、いつ起こるか分からないものへ投資をするよりも、やはり目先のものへというふうなことが各自治体の方でもどうしてもやっぱり選択をする場合には行われがちでありましたけれども、やっぱり東日本大震災、そして今回の集中豪雨、こういったものを見ると、いつ起こるか分からない、一番大事な市民の生命を守るという、そういう観点でこれからも引き続きお願いをしたいというふうに思います。
一方で、今回、避難所になっている学校が、実は床上浸水ということで被害が非常に大きい学校が大分県の中でもございました。中津市立下郷小学校、それから日田市立北部中学校、そしてこれは避難所として指定はされておりませんけれども、大分県立竹田支援学校、こういったところが大変大きな被害を受けたと。特に竹田支援学校では、一階の部分はもうほとんど天井ぐらいまで浸水をしたというふうなことでもありますし、また、子供たちが通学するためのスクールバスがもう完全にこれもまた天井まで行っちゃって全然使える状況になっていないと。今このスクールバスは修理中でありますけれども、そういうことで夏休みを少し早めに始めたようであります。ただ、できれば、授業時数等も考えながらやると八月下旬には二学期を始業したいというふうに現場では思っているようでありますけれども。
一方で、この竹田地区は大変な田園地区でありまして、例えばいろんな災害の復旧に向けてやるわけですけれども、どうしても農業被害だとか道路復旧の予算というものに、お金をそちらの方に取られがちと言っちゃうと変ですけれども、そちらの方にどうしても予算を掛けられがちだというふうな現場の不安もあるわけですけれども、そうではなくて、しっかりとそこについては復旧できるようにするというようなメッセージをいただけると大変有り難いと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
是非そのように頑張らせていただきたいというふうに思っています。
今回の九州地方を中心とした豪雨による公立学校施設の被害につきましては、今委員からも御指摘がございましたものも含めまして、七月の二十五日十四時現在ということで申しますと、五つの県、七十九の学校の報告がございました。校舎の床上浸水、グラウンドへの土砂流入、スクールバスへの浸水等ということであります。
これら被災した公立学校の施設やスクールバス等の復旧に係る財政支援につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法などによりまして、文部科学省が担当する分では国が復旧に要する費用の原則三分の二の負担ということでありますけれども、他省庁の取組も合わせますと地方単独の負担は全体の一・七%という形で、最小限にとどめるべく対応いたしているところであります。
また、学校の設置者ができる限り速やかに復旧を着手できますように、本来ですといわゆる現地調査という話になるわけですが、国の災害復旧事業の現地調査を待たずに復旧整備に着手できる旨の通知をお出しいたしまして、早期復旧を要請いたしたところであります。また、現地におきましては既に復旧工事が始まっているというふうに報告を受けております。
そうした部分も踏まえながらでありますけれども、今後も、子供たちの学習、生活の場がしっかりと早期復旧されますようにということで、被災地への協力支援等に万全を期してまいりたいと思います。
○那谷屋正義君 是非お願いをしたいと思います。
時間の方も残り少なくなってまいりましたので、被害に対する対応についてはこれぐらいにして、やはり今、大臣の方からもこれまでに経験したことのないという、そういうふうな表現ですとか、あるいは想定外、昨年でいえば想定外というような、そういった言葉が出てくるわけでありますけれども、やはり少し先を見据えた、そういった防災といいますか、物を考えていく必要が、ここらで腰を据えてやらなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。
例えば、各自治体の降雨量、降水量に対する対応でありますけれども、例えば横浜市なんかは一時間に五十ミリというものを想定した形でやっております。それから、大阪では六十ミリ。昨日お話をちょっとするところがあったんですけれども、熊本の水俣辺りでは六十五ミリというふうなことで、それぞれ自治体によって違うんでありますけれども、しかし、どうもそれをも上回る状況がここのところ多発といいますか、非常に多くなってきているのではないか。その表れがこれまで経験のないというふうなことで表現されているのではないかなというふうに思います。
降水量の記録更新、余りいい記録ではありませんけれども、第一位が昨年の高知に降った雨でありまして、これが第一位と。それから、これもまた昨年第五位で三重県。それから、徳島に降った雨、これは十二位ということで、この二〇一一年の中でも非常にワーストのクラスに入ってくるような降水量がどんどん更新されてしまっているという状況を見たときに、やはり治水対策というものについて本腰を入れなければいけないのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(奥田建君) 委員おっしゃるとおり、今、降雨のパターンというのが従来の経験からまた外れるような形で全国に豪雨被害というものが続いているわけでもあります。
昨年一つ取ってみても、紀伊半島の大水害もありました。そして、新潟、福島豪雨もありました。そしてまた、台風被害があった。こういった中で、今河川の整備基本方針という中で、自治体の方には、都道府県の方には二、三十年のスパンでの河川の整備計画を立てていただいているわけでありますけれども、またその見直しというものが必要なときには国交省の方でも協力し、また技術的な助言というものを行っていきたいというふうに思います。
まずは、今回の場合でも応急復旧、そして緊急整備、さらに、今、那谷屋先生おっしゃいましたように、今の整備計画が妥当なのかということも含めて、また深掘りしていかなければいけないというふうに考えております。
ただ、こういう経験の中で、整備が進んできたところは被害を大幅に軽減しているという事例もありますので、またそういった一つの成功例といいますか、効果を発揮した事例というものもしっかりと生かしていきたいと考えます。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
もう一つ、山の問題でありますけれども、今回視察へ行ったときに、山際に建っている家、もうすごいどっしりとした家なんですけれども、山崩れが窓だけを突き破って、建物そのものは無事なんですけれども、窓を突き破って、そしてだあっと川の方に流れ出てきたという、そういう状況。御報告しましたように、避難が割と早かったので今回そこでは人的被害はなかったんですけれども、そういった山のいわゆる治山対策というものも非常に重要ではないかというふうに思います。これについて御見解をお聞かせいただけたらと思います。
○大臣政務官(森本哲生君) 那谷屋委員にお答えさせていただきます。
全くそのとおりでございまして、今回の、私自身が七月の十六日に阿蘇と竹田に入らせていただきました。そして、ここでまた新たな発見をさせていただいた。と申しますのは、今、奥田副大臣も申されたように、これまでの経験から想像できないような現状が、やっぱり今、山津波のような状況があるという現実でございまして、ここのところは山腹崩壊が深層崩壊というような新しい山林の崩壊がありますし、そして、竹田では私もかつて見たことないような土石流、私の体以上の土石流が河川の構造物を全部なぎ倒していくというようなすさまじい災害現場でもございました。
ですから、ここのところはこれから治山事業というものを、堰堤はもちろんそうなんですけれども、間伐の手入れが要るということもあります。ただ、今回の災害を見せていただいて、天然林は絶対だと私自身も思っておったんですけれども、天然林が崩れて民有林の杉をこかしていくというような、そこから亡くなった方もたくさんお見えになるというようなことで、改めて避難する場所も私自身は見直していかなければならないという、そんな思いで帰らせていただいたわけでございますが。
人工林、今まで確かに積極的に植えてきました。ただ、京都議定書で間伐の地球温暖化対策の吸収源でこれはやっておりますけれども、山に入る人というのはもう本当に田舎でも少なくなりました。ですからいかに、下草が生えておらないということと畑化しておるということが事実でございますから、ここへ百ミリ以上の雨が降りますと、これはなかなか防ぎ切らない、土石流のような格好になっていくというような、ここのところは長期的に、委員がおっしゃいますように、長期的な展望としてやらなければならない。ただ、緊急的には、治山対策やら砂防堰堤をやってみえるところは今回助かってみえる例もたくさんありますので、かなり構造物を造ることによって救われる命というものもあったという事実も新たに発見してまいりました。
ですから、総合的な分野でこの山、森をどう考えていくかという一つの大きな長期的なビジョンと、そして治山、山を治めていく作業というものを同時にこれを今やっていかないと、四時間で四百近く降ったというこの記録的な、集中的にまたしかも降っておりますから、ここのところはもう想像を絶する、私、今までの価値観にはないところでございますので、そうしたことも含めてこれからしっかり政府全体で対応していくということが大事、その中で農林水産省は何を受け持つかということが大事だというふうに認識をさせていただいておりますので、委員がおっしゃるとおり、森林の整備と同時に、こうした構造物の整備もやっていかなければならないという認識でやっております。
ただ、二次災害を防ぐために緊急的にしっかり応急工事をやらなければならないということも認識させていただいております。
○那谷屋正義君 もう時間ですので終わりますけれども、是非しっかりやっていただきたいというふうに思いますし、今回行ってみて、何度もピークがあったということで、一回目の被害を受けた後で応急対応をしているんですけれども、その応急対応しているさなかにまた豪雨というふうなことで、これは住民の方々はもう本当に、言ってみれば、希望というかそういったもの、どうなっちゃうんだろうというふうなことで希望を失ってしまうような状況があったんではないかと。
こうした方たちにやっぱりしっかりと早く対応することによって、頑張りましょうと、一緒に頑張りましょうということを示すためにも、是非、冒頭、大臣から御決意をいただいたように、様々な問題について早い対応が大事だろうというふうに思いますので。これはここで言うのがふさわしいかどうかは分かりませんが、ロンドン・オリンピックがもう間もなく始まりますが、それに先立って日本のサッカーチームが男女共にさい先のいいスタートを切った。このさい先のいいスタート、この災害に対してもやはりいいスタートを切っていく。もうスタート切っていますけれども、そういったことが大事だと思いますので、そのことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○牧山ひろえ君 参議院議員の牧山ひろえです。
平成二十四年七月の大雨による被害状況などの実情調査のため、私はほかの委員の皆様と一緒に熊本県を訪れまして、熊本市、そして阿蘇市を訪れました。そして、住民の方々からいろいろお話を聞いてまいりました。
熊本県では、死者・行方不明者が二十五人、住宅の全壊が百二十五棟、それから半壊や破損、浸水も含めますと家の被害は三千九百六十棟にまで及びまして、甚大な被害状況が報告されております。私も実際に見てまいりましたけれども、熊本市では中心部を流れる白川の一部がはんらんし、家屋の流失や損壊などの被害が出ましたけれども、住民の方々からは避難情報の遅れを問題視する声も出ていると聞いております。
災害時における情報伝達に関しましては、国そして地方公共団体、住民など一体となって共有し、災害の情報や避難の情報が地域住民に対しきちんと周知されるための防災通信システムを整備する必要があるかと思います。
そこで、国土交通省として、防災に関しての観測情報などをホームページなどで公開されているのでしょうか。
○政府参考人(関克己君) 国土交通省におきまして、今御指摘のようにホームページ等でどのような防災情報を広く使っていただけるように対応しているかについて説明をさせていただきます。
特に、国交省では、河川あるいは道路と、こういった公物がございまして、こういったものを日常的に管理、観測してございます。こういった情報をいざというときにも使っていただける防災情報として広く国民の皆様にお知らせするため、全国の地方整備局あるいは事務所等でホームページを使いまして、インターネットを利用してリアルタイムの情報として使っていただけるよう進めているところでございます。
例を申し上げます。例えば、洪水時の水防活動に活用されますレーダー雨量計、こういったものを地図に示しまして、どの地域でどの程度雨が降っているかというような雨量情報、それから河川の水位に関する情報、さらには住民の皆様の避難や安全の確保に資します洪水に関する洪水予報、それから道路利用者が安全確保のために道路の事前通行規制、こういったものの情報を公開させていただいているところでもあります。
また、河川や道路の状況を正確に伝えるために、それぞれ川や道路に沿いましてCCTVカメラ、いわゆるテレビカメラを設置してございまして、こういった映像もリアルタイムで提供させていただき、こういったものも含めて地上デジタル放送に提供する等、様々な媒体による防災情報の提供を行っているところであります。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
ほかにも、瞬時情報伝達手段として消防庁が進めておられますJアラートというものがあるかと思います。Jアラートは、津波警報、緊急地震速報、弾道ミサイル情報などといった対処に時間的余裕がない事態に関する緊急情報を、人工衛星を使って市区町村の同報系防災行政無線を自動的に起動させることによって住民に瞬時に伝達するシステムだと伺っております。
Jアラートの整備状況、これは現在どこまで進んでいるんでしょうか。松崎副大臣、お願いいたします。
○副大臣(松崎公昭君) お答えいたします。
Jアラートの受信機を運用している市町村の割合ですが、平成二十三年十二月一日で九八・四%、千七百四十二団体のうち千七百十四団体で九八・四であります。
○牧山ひろえ君 御答弁ありがとうございます。
受信機の設置が全国で九八・四%とのことですが、まだ設置されていない残りの約二%についてはいかがでしょうか。
○副大臣(松崎公昭君) お答えいたします。
市町村への確実、迅速な情報伝達を図るためこのシステムが非常に有効であるということで、交付金や地方債措置によりまして整備の促進を図ってまいっております。
現在のJアラートの受信機を運用していない市町村は、東日本大震災の影響によって事情があります。それから、防災行政無線の整備に合わせて整備しようという、そういう場所、個別の事情によりまして整備が少し遅れているというふうにも聞いております。
引き続きまして、消防庁におきましては、防災対策事業債、充当率が九〇%、交付税算入率が五〇%でございますが、これを活用いたしまして、地域の実情を踏まえて整備が促進されるように支援してまいりたいと思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
いつ災害が起こるか分からないと言われている今日です。そして、先ほど那谷屋先生がおっしゃっていたように、今まで以上の雨が降るかもしれない、どんなことが起きるか分からない、そんな昨今ですので、是非、住民の方々に安心して生活していただくためにも、この受信機の普及、一〇〇%になるよう、引き続き市町村への呼びかけを徹底するようお願いいたしたいと思います。
さて、災害時にいち早く正確な情報を地域住民に伝達するためにも、Jアラート以外にも、インターネットまた携帯電話の手段を活用するシステムの整備を推進するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(松崎公昭君) 市町村におきましては、緊急時の住民への情報伝達について、市町村防災行政無線によりまして、実情に応じて様々な手法は取られております。また、総務省では、市町村防災行政無線も含めまして、携帯メール等の多様な手法で住民への災害情報の伝達を行うことが重要であると、そう認識しておりまして、現在、住民への災害情報伝達手段の多様化の実証実験、これを行っております。多様な情報伝達手段の有効性、これを検証しようとしております。さらに、最近のあの竜巻ございました、茨城県の竜巻災害等を踏まえまして、地方公共団体におきます災害情報伝達の在り方に関する検討会、これも開催をしております。
これらの結果を踏まえまして、Jアラートや市町村防災行政無線を始めとする住民への多様な災害情報伝達手段の整備促進、これに取り組んでいく予定をしております。これらの伝達方式、これを万全を期していきたいと、そのように思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
東日本大震災のときなど、ほかの災害時でも、ツイッターやフェイスブックなどが非常に便利だった、非常に緊急時に役立ったということを聞いておりますけれども、現在、災害対策基本法の改正が議論されていると認識しておりますので、是非、ツイッターやフェイスブックなどの活用についても盛り込むことを御検討していただきたいと思います。
そこで、今度は、ICT教育と災害時の情報共有についてセットで検討することを御提案したいと思います。
情報化社会におけるICT教育の必要性が広く認識されつつありますけれども、教育におけるICTの利用、活用は、子供たちの考える力、それからコミュニケーション力を養い、視野を広げ、語学教育や異文化教育の強化にも貢献すると考えております。
そこで、ICT教育に使用のタブレットPCの普及は現在何台ぐらいありますでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
タブレットPCの学校への普及状況でありますけれども、文部科学省で行いました平成二十三年度の学校における教育の情報化の実態等に関する調査の速報値によりますと、公立の小中高そして特別支援学校におきましては、平成二十四年の三月一日時点でありますが、合計で約二万七千台が整備されているということであります。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
タブレットPCを持ち運ぶことによって、いざ災害が起きた際に最新の災害情報を得ることができたり避難状況を共有したりすることができるため、有効な方法ではないかと思います。災害時の対応で実際にタブレットPCや電子黒板を使用した例があるとすれば、どのようなものがございますでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(城井崇君) 今御指摘いただいた点でありますけれども、例えば東日本大震災の折には、学校の電子黒板を活用いたしまして最新のニュースの視聴など被災者の貴重な情報源になった事例があるというふうに承知をいたしております。
特に私自身も、被災地であります岩手県の大槌町に伺った折に、ちょうど発災から半年後に仮設校舎が建った直後でありましたけれども、まだまだ教室も十分に使えず、また教材や教具等も失っている状況でありましたけれども、そうした学校内におきまして電子黒板を活用しながらやっている授業を拝見いたしました。特に、理科の実験道具がない中で理科の内容をいかに教えていくかという、その代替手段ということでもありましたけれども、ICTの有効性を実感したところでありました。
そうした災害時における地域住民に対する様々な情報提供にも活用できるというふうに思いますし、また児童生徒に対する教育の充実にもこの学校のICT環境の充実は資するというふうに考えておりまして、今後も災害時に避難所となる学校のICT環境を多様に活用することは大変望ましいことだというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
更なるタブレットPCの普及とともに、是非ICT教育の推進を進めていただきたいと思います。
ICT教育の普及とともに、並行して、災害時などにおいては避難所にもなる学校におけるICT環境整備、これをしていくことも重要であると考えております。これらのことについていかがでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
○大臣政務官(城井崇君) 御指摘の部分に関しましては、総務省ともしっかりと連携協力をいたしながら、これまでは文部科学省では学びのイノベーション、そして総務省ではフューチャースクール授業という形でやってまいりましたけれども、その部分をしっかり連携強化させながら、今御指摘いただいた部分に資するように今後も尽力してまいりたいというふうに存じます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
お隣の国、韓国では、今年から全小学校、中学校でタブレットPCが支給され、教育に活用されるようになりました。韓国の例にもありますように、タブレットPCは利便性や活用方法が多岐にわたっており、教育のツールとしても大変優れていると思います。学校現場の御意見もあるかと思いますが、是非ますます普及するような施策を考えていただきたいと思います。
さて、医療についてお尋ねします。
病院は、患者の治療だけではなくて、災害時には避難所となるケースも多く考えられます。そこで、病院の防災対策、防水、耐震、自家発電などはどこまで整備されているのでしょうか。そしてまた、そのための補助金などの制度はございますでしょうか。厚生労働省、お願いいたします。
○政府参考人(唐澤剛君) お答え申し上げます。
お尋ねの病院の防災対策、特に防水、耐震などの状況でございますけれども、これらにつきましては、厚生労働省としても順次支援を行っているところでございます。
具体的には、施設の耐震強化を図るということは非常に重要でございますので、災害拠点病院、救命救急センター、二次救急医療機関という救急を実施するような医療機関を対象といたしまして、平成二十一年度の第一次補正予算によりまして各都道府県に医療施設耐震化臨時特例基金を設置をいたしました。さらに、平成二十二年度には予備費によりその積み増しを行ったところでございます。これを活用して各拠点病院の耐震化の促進に努めてきていただいたところでございます。
さらに、平成二十三年度の第三次補正予算におきましては、災害拠点病院、救命救急センターを対象といたしまして更なる基金の積み増しを行いまして、耐震化の促進を図っております。平成二十四年度予算におきましても耐震設備、地震防災対策の予算を計上しておりまして、こうしたものを活用しているところでございます。
また、耐震設備以外につきましても、平成二十三年度の第三次補正予算によりまして、災害拠点病院を対象として、自家発電設備あるいは衛星電話、こうしたものなどの整備を行いまして災害医療体制の充実強化に努めてきたところでございます。
また、医療施設の防水対策でございますけれども、これは非常に広い範囲で水が浸入するということがございますので、単独の施設では限界がございますが、これは更に大きな視点から、防災基本計画にも定められているように、地域全体での対策を検討をしていただいているところでございます。
今後とも、医療施設の防災対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 今回の九州の集中豪雨のように、地方で診療所の数も比較的多くない地域にとって、地域住民、ましてや被災者の方々にとっては、病院や診療所、大変重要な役割を果たすことは言うまでもないと思います。是非、耐震のみならず、防水の面に関しても病院の整備をしていただくようお願いいたします。
さて、これまでも、災害時における地域のNPOやボランティアの方々の共助の取組については様々伺ってまいりました。今回、熊本県に私が実際に視察に伺ったときも、ボランティアの方々が実際に活動されていらっしゃる姿が、川岸の反対側から数多く歩いている姿を見ました。
今回の集中豪雨で現地で活動されたボランティアの数はどのぐらいなのでしょうか。厚生労働省、お願いいたします。
○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
七月上旬より続く九州地方の大雨を受けまして、被災地の社会福祉協議会によって災害ボランティアセンターが設置されているところでございまして、福岡県で柳川市など七か所、大分県で竹田市など三か所、また熊本県で熊本市など四か所となっております。
ボランティアの活動状況につきましては、七月二十四日までに把握できている人数といたしまして、福岡県で延べ約三千三百人、大分県で延べ約七千四百人、熊本県で延べ約一万人、三県合わせまして合計で延べ約二万一千人の方々が活動されているところでございます。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
約一万人以上の方々がボランティアとして参加していただいたということですが、多くの災害が起こる中で、行政だけではとても手に負えない、作業がたくさんあったりお金も足りない、ボランティアやNPOの方々の力に頼る部分が非常に大きくなっていると思います。これは、私が訪ねたほかの地域でもそういう声を聞いてまいりました。せっかくこうした多くのボランティアの方々が社会貢献活動に御参加をいただいているわけですから、今年の四月に施行された改正NPO法の制度を是非利用していただきたいと思います。
制度そのものをより多くの方に知っていただくために、内閣府としてはどのような取組をしていらっしゃるのでしょうか。中川大臣、お願いいたします。
○国務大臣(中川正春君) 確かに、NPOの皆さんの活動というのが基本的に地域を支えていくという姿、私も現地に入って改めて実感をしたところであります。
御指摘のように、本年四月から改正NPO法、施行されております。でき得る限り、これは二つ要因があると思うんですが、一つはNPO法人の認定基準、これが緩和をされたということと、それに伴って寄附ということについて税制が改正をされて、寄附をしたものが税額控除に直接結び付いていくという、そういう制度ができたということでありまして、このところを活用していただいて、国の補助金だとか委託という形だけではなくて、でき得る限り民間が寄附という形で参加をしていただいて、NPOを支えていく、あるいは持続していくという本来の姿に持っていきたいというのが我々の趣旨であります。
一生懸命今それを説明をしているんですが、政府広報なり、あるいは地方公共団体に対して説明会の開催をしたり、あるいはパンフレットの提供をしたり、広報用パンフレットの作成、配布等々ということと同時に、全国説明会やっているんですが、それだけではやっぱり足りないということで、特にモデルを東日本の大震災のあの被災地においてつくっていきたいということがございまして、今般、内閣府の方から具体的に人を派遣をして、もしその申請に当たってネックがあるとすれば、それをどう解消していったらいいのかということであるとか、寄附金を集めるというインセンティブをNPOの皆さんにも持ってもらうと。補助金の申請だけで、政府があるいは地方自治体が資金をそれで一旦切ったらもうそれでNPOは崩れてしまうんだということじゃなくて、寄附金でやっていくんだという、そういう意識を持ってもらうということが必要であるとすれば、どこをやっていったらいいのかというのをちょっと具体的にこの東日本で掘り下げてみたいということで今対応をさせていただいております。
また、ワンポイントでネットを通じて寄附金が集められるような、そういう制度というのもこれは必要だということでありまして、それについてどういう仕組みがつくれるかということ、そんなことも含めてしっかりとした対応をしていきたいというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
これまでにいろいろな被災地に行かせていただきましたけれども、いろいろな役所を訪ねた際に、この認定、特に新しい認定NPO制度について問合せをしたところ、ボランティアはたくさんいらっしゃっても、認定NPOになることの税制上のメリットなどは思ったほど浸透していないというのが実感でした。
例えば、ボランティアの活動現場などで新制度について記載されたパンフレットを配布するなど、こういう本当に公益性の高い活動を実際にもう目の前でしていらっしゃる方を逃さないためにも、やっぱり持続性というか続けていただくことが大事だと思います。
最初は、災害が起きたときは新聞やニュースを見てみんなが駆け付けて手伝ってくれると思うんですけれども、それをずっと続けていただくということは非常に難しいかと思います。そういうもうその現場で実際に手を挙げて現場に駆け付けてくれた方にパンフレットを渡す、それが私は有効なのではないかと思います。
もちろんインターネットを通じて説明などを行うのも重要だと思いますけれども、果たしてどれだけの人たちが実際にそのサイトを探して、そして自分で勉強していただけるか、それは分かりません。ですが、もう実際に現場に駆け付けてそういう作業をしてくれる人たちを今後逃さないために、もうその場で、できれば名刺の裏にURLなどを書くとか、その現場でもう手渡しでもいいから提案する、こういう制度がありますよ、低い寄附金額でも寄附する側としては税控除の対象になるわけですから寄附が集まりやすいですよ。よく認定NPOとNPOの違いが分からない方が多いんですけれども、普通のNPOだけではなくて、その上のランクというか、税制上の優遇が受けられる認定NPOがあるということ自体も多くのNPOがまだ知らないという、少なくとも私の地元の神奈川県ではそう感じておりますので、是非これを普及していただきたくお願いいたします。
ありがとうございます。質問を終わります。
○大家敏志君 大家敏志です、自由民主党の。
今日は、タイトなスケジュールの中、大臣始め政務三役の皆さん、貴重な機会をいただきましたので気合を入れて質問をさせていただきたいと思います。
先ほど報告もあったと思うんですが、那谷屋理事始め多くの先生方と、福岡県、二十日の日に見させていただきました。死者も出ていますし、本当にびっくりするような被害が私の出身地である福岡県で起きていますので、そのことについて今日は数点にわたって見解を伺いたいというふうに思います。
まず初めに、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げたいし、そして皆様方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
死者は五名、家屋被害が七千、道路の被害は千九百、河川の被害が六百という大きな被害でもあります。山合いの道路はあちらこちらで崖崩れ、また橋桁の崩落などによって、特に、うきは市、八女市というところでは複数の集落が孤立しました。それから、特に筑後川、矢部川、余りおなじみがないんだと思いますけれども、広い範囲ではんらんをして、柳川市というところでは特に市の三五%が水につかったというような現状があります。
自衛隊の皆さんや消防、また警察、そして行政の皆さんの本当に努力で取りあえず行方不明者や集落の孤立というのは解消されたとは聞いているんですけれども、まだ元どおりの生活に戻るには時間が掛かるというふうに思っています。
今日、大臣もお越しですので、とにかくきちっとした答弁をいただきたいなと、道筋を示していただきたいなと思って、これから質問に入らさせていただきます。
まず、これ繰り返しになるんだと思うんですけれども、激甚災害の早期適用について、もう一度大臣から見解を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(中川正春君) それぞれ、私も現地に入らせていただいて、皆さんが一生懸命に真摯な形で災害対応しておっていただくこと、委員の皆さん方も、そして特に地元の先生方に改めて敬意を表したいというふうに思っております。
激甚災害も含めて、国の法律の上での適用ということに対して二通りありまして、一つは事務手続で早くやっていくということ、これが一つあります。さっき申し上げたように、激甚は、それをしっかり促しているんですけれども、できるだけ範囲を広く取ることによって激甚で拾えるか拾えないかというその可能性を広げていきたいということですね。ある程度の積み上げがないと激甚という指定にならない。これは客観的に数字を決めていますので、それを超えてくるということにしようと思うと期間を長く取って累積をさせるという作業が要るものですから、それをできるだけ今回長く取ってということで、六月の八日から梅雨が明けるまでという、そういうことになっています。なものですから、事務的手続というのはその梅雨が明けてから迅速にということになってきまして、さっきの話のように、事務的な手続としては、来週もう間に合うようにその手続をやっていくということをお話を申し上げました。
もう一方で、それでは今災害の対応に当たっている首長さん始め行政の皆さんで思い切った、いわゆる心の支えといいますか、国がここまでコミットしているんだからやるよという、そういうことにはならないので、政治的に判断をしまして、その途中でも、特に農業というその分野についてはもう積み上げができてきたという、これは見通しですが、見通しの下で大丈夫だよと、だから頑張りなさいというような、そういうメッセージを発しさせていただいたと。これは、野田総理が地元に入ったときに農業はいけるということを皆さんに伝達をして、頑張ってくださいというメッセージをさせていただいたということでありまして、そういうふうな弾力的な対応というのをやりながら、地元と寄り添ってしっかりとした防災についての対応をしていきたいというふうに思っております。
○大家敏志君 正確に答弁していただいたんだと思いますけれども、公共土木施設についてはどうですか。
○国務大臣(中川正春君) 難しいんです、これ、本激まで積み上げていくには。しかし、局激で一部、この町ということについてはいきそうな町も出てきているということなんですが、具体的に、そこで思い切って大丈夫だよというところまではまだ数字が積み上がってきていないということが現実であります。
○大家敏志君 そこを、総理が現地に入って言われたのは、やっぱりスピードと柔軟さということを言われたと思うんですね。地元の人は本当にそこを期待していますから、もちろん大臣は正確にお話をされていることはよく分かりますけれども、しっかり対応していただきたいと、これは強く要望したいというふうに思います。
改良復旧事業等についてちょっとお伺いをしたいんですけれども、特に、被害がありました、これを元どおりにする、元どおりに復旧するというのを災害復旧事業と言うんですか。そして、前よりももっと丈夫な施設にするというのを改良復旧事業と言うんですかね。
○政府参考人(関克己君) はい、一般的には、おっしゃるように、災害復旧、あるいは質的にレベルアップするといいますか、それを改良復旧、一般的にはそういうふうに呼んでいるところでございます。
○大家敏志君 プロではないですけれども、例えば一〇〇の力があるものが今回、流された、壊された、被害があったということであれば、一〇〇に戻しても地元の方々は不安が残ります。元どおりにはなったけれども、もう一度このようなことが起こるかもしれないという。ならば一二〇にしたい、最低でも一一〇にしたいと。現実に市町村や県に聞いてみると、確かにそういう思いなんですね。しかし、なかなかそれがうまく運用されていないという現状があるようなんですよ。
元どおりに戻すのは補助率が三分の二なんですか、そして、改良してより強固なものを造るときは補助率が二分の一なんですか。
○政府参考人(関克己君) 幾つかの制度がございます。例えば助成事業、ちょっと制度名で恐縮です、あるいは関連事業、そういったものがございますし、あるいは単純に原形に戻していくもの、幾つかの制度がございまして、そういう中で、おっしゃるような二分の一とか三分の二とか、そういったものを各制度の中で定められておりまして、そういったものを組み合わせながら進めていくということになっております。
○大家敏志君 しかし、現実になかなか、もちろん予算という側面があるんだと思いますけれども、改良してより前のものより強いものにするということが行われていない現状があると思うんですよね。
大臣、政治主導でしょう。大臣の答弁をちょっと求めたいと思いますが。
○国務大臣(中川正春君) 恐らく、実際に災害があったということの中で想定の見直し等々もされていくんだろうと思いますし、その被害が河川であればもう何回も何回も一つのところに特定して起こるというふうなことであるとすれば、そこはやっぱり集中的に前以上の手だてをしていくということだと思います。
さっき答弁があったように、それを様々な制度の運用の中でできるだけ補助率を高めていくという工夫、これはできると思いますので、それを国の方から、こういうこういうメニューがありますよということをもっと丁寧にその地域、係に伝達をして、一緒に寄り添ってつくり上げていくという努力がもっと必要なんだろうというふうに思います。
鼻をくくったように、もうここから先は補助率これだけしかありませんよというような話じゃなくて、一緒に組み立てていくというような努力というのを私もしっかり指示をしていきたいというふうに思います。
○大家敏志君 有り難いと思います。そのように進めていただきたいというふうに思います。
次に、農作物の被害に対する支援について少しお伺いをしたいと思います。
福岡県、余り御存じないかも分かりませんけれども、富有柿を生産する柿農園や、棚田百選というのに選ばれた美しい、うきは市というところの田畑であったり、久留米市というところの巨峰農園や八女、これ茶畑。そういう至るところに土砂、また倒木、いろんな被害、これもう、実際見られた先生方も多いと思うんですが、本当に目を覆いたくなるような惨状なんですよね。特に、朝倉市の富有柿、それから八女市の玉露、これ重要な作物が相当な被害を受けていて、これが、僕も余りよく知らなかったんですけれども、永年性の作物なんですね。この被災を機に離農する農家が増える可能性があるというんですよ。
こういう農家の営農を継続していくために必要なことが幾つかあると思うので、一つは農業共済の早期支払、また収益がない期間の費用に対する支援の制度の創設などが必要だと考えるんですけれども、過去の台風被害のときとかにこういう支援制度を創設した例があると思うんですけれども、そのことについて見解をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(森本哲生君) 大家委員におかれましては、地元で大変御尽力いただいておりますことに敬意を表する次第でございます。
今おっしゃいました、共済の掛金をしていただいておる方については、これは早期支払、これは積極的に私どもやってまいります。そして、柿、そして私もお茶の関係でも福岡、見せていただきましたが、本当に立派な柿とお茶をやっていただいております。
ここのところは、災害復旧でやる、圃場の復旧とか、そこのところは災害復旧でやるわけでございますけれども、どうぞ、この二年ほど前からこのことについては皆さん与野党を問わず御協力いただいて、その未収益期間について、時間がありませんから細かいことは申しませんが、ちょっとまた資料でもらっていただいたら結構なんですけれども、三年、四年という期間で、御存じかと思うんですけれども、ここの応援する支援策がございます。そして、今、壊滅的な状況でございますから、ここのところの植え替えの作業についても、ここのところを二分の一の補助とか、そうした補助の制度が最近できておりますので、ここのところは積極的に使っていただいて、何とか離農するというようなことがないように是非お勧めをいただけたら大変有り難いというふうに思っております。
そうしたことも含めて、これから、被災状況がまだ的確につかめておらない状況もございますので、そうした面も含めてしっかり頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○大家敏志君 しっかりお願いします。
それともう一点、農業共済に加入していない人に対する対応についてもお伺いしたいというふうに、現地でも市長、また知事からもそういう話が出ていましたので、お願いします。
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは、セーフティーネットと、やはり長期の低利の融資で対応いただきたい。それと併せて、今前段で申し上げました未収益期間の対応をセットで何とか頑張っていただけたらというふうに思っております。
○大家敏志君 分かりました。しっかりお願いしたいと思います。
次に、いわゆる災害廃棄物についてなんですけれども、刻々と同志の県議や市議からも連絡があって、もちろん応急的にというか自衛隊の皆様方の努力等もあって、倒木、風倒木というか倒木が畑の中、田んぼの中に入るもの、また橋梁のところに引っかかっているもの、河川周辺にある。それからまた、それが流れ出て、特に有明海、今日現在も、今も実は漂っている漂流の廃棄物がまだたくさんあるという現状。それから、海に沈んでいるもの、また流れ着いたもの等々、たくさんあるんですよね。これ、本当、切実でして、特に有明海、御存じだと思いますけれども、ノリ養殖、そろそろ準備が始まるという時期になっています。もちろん海上航行にも支障を来しています。
そのことについて、廃棄物でもいろんな段階があるんだと思いますけれども、これがなかなか進んでいないという現状があるので、どうなのかということをまず見解を伺いたいと思います。
○大臣政務官(高山智司君) 大家委員にお答えいたします。
この海域におけます災害廃棄物の問題ですけれども、これはまさに委員御指摘のとおり、災害があったときのその後にずっとそれが残ってしまうことで二次的にもいろいろな被害が出てくるということで、これは対策を講じなければいけなかった問題なんですけれども、これに関しましては、まず海岸漂着物処理推進法という法律、これは平成二十一年に議員立法で作っていただきました法律です。
この中でも、海岸そのものに漂着したものと、漂流している、浮いているものと、あとは海底に今沈んでしまっているもので一応取扱いが異なってまいりますが、海岸に漂着したものに関しましては、基本的には、まずは河川やあるいは港湾などの管理者が廃棄物を処理していく、そしてまた、穴のないように、漏れのないようにそれ以外の部分は基本的には市町村が処理をしていく、そして、そこに国の補助が出ていくと。こういった仕組みになっておりまして、現在もそのスキームの中で処理を進めさせていただいているというのが今実情でございます。
○大臣政務官(森本哲生君) 大家委員の御指摘、本当に深刻な問題というふうにとらえております。有明海については本当に全国的にも有数な産地でございますので、秋から、これから養殖に非常に影響が出るころでございますので、それまでにしっかり我々はやっていかなければならないというふうに、ここのところの認識は一緒でございますので頑張ってまいります。
環境省の方でも基本的には予算を持っていただいておるんですけれども、私どもとしましては、漁業者が漁業活動中に回収した場合、この場合の処分費用については漁場漂流・漂着物対策促進事業、ややこしいんですけれども、ここのところで処理もさせていただいて、二分の一の補助というような制度がございますので、ここの制度も使いながら環境省と併せてしっかりここの対応をやっていきたい、このように考えております。
○大家敏志君 すごく、国にお聞きをすると、また事前に役所の皆さんにお聞きしても、法の不備はなくてきちんと対応できるようにはなっている。現実にそのようであるんですよね。しかし、実態は全く処理が進んでいない。
もう一つ問題は、現場の人たちは法がきちんと整備されていないんではないかというふうに思っておられるんですよ。どこがどうということではないですけれども、被災をした人、またいろんな機関の人たちがそのような認識を持っていて、なかなか手付かずになっている。だからこそ進まないということがある。もちろん金目もあると思いますよね。それか若しくは、その法が余りにもぼんやりしているようなものなのかなというふうに思うんですよ。
もう一度その辺を、少しこれが進むような方向の見解、答弁がありませんかね。
○大臣政務官(高山智司君) 委員御指摘のとおりでございまして、先ほど、私環境省ですけれども、御説明させていただきましたこの海岸漂着物の処理推進法でございますけれども、これはまさに海岸そのものにもう漂着をして打ち上げられているようなものから、海に浮いているもの、また海底に沈んでいるもの、海ごみといっても大きく三種類あると思います。
この平成二十一年の議員立法の御審議のときにも、これら全てがもちろん問題なんですけれども、まずは漂着したものからきちんとやっていこうと。といいますのは、御案内のように、漂流して浮いているものや海底に沈んでしまったものはなかなか実態の把握が難しいということがございました。ですので、先ほど私の答弁で漏れなくと申し上げましたのは、まさに海岸にきちんと漂着しているもの、これに関してはまさに漏れなくやっているところでございますが、先生御指摘の点は、恐らく漂流しているものや海底にもあると、それがまた支障があるんじゃないかというような御指摘だと思います。
実際、生活に支障があるものに関しては、これは市の判断で除去をしていただくと、それに関してまた補助を国でしていくというような仕組みにはなっておりますけれども、実態としては、なかなか漂流ごみですとか海底にあるものというのは把握が難しいというような実態があるということも御理解いただければと思います。
○大臣政務官(森本哲生君) 大家委員、養殖についてはこれはもう本当に深刻な問題でございますから、ここのところは私どももしっかり担当に指示を出しますから、そこのところをまた見ていただいて、とにかく八月、九月、来月ぐらいから九月にかけてやらないとこれは問題が大きいというふうに認識しておりますので、ここはしっかり指示します。
○大家敏志君 本当にそこはひとつよろしくお願いしますね。漂着物、大事ですよ。しかし、有明海は特殊な事情があるので、今答弁いただいたので有り難いことですが、しっかりお願いしたいというふうに思います。
それから、次に行きますけれども、被災者の生活支援、これについてお伺いをしたいというふうに思います。
被災者生活再建支援制度というのがあるようですが、これは対象となるのは全半壊なんですね。今回の場合、福岡県ではこれは四十一世帯、全半壊といえば四十一世帯になってしまう。この対象とならないけれども、実は床上浸水なんですよね、これがほぼ千百。四十一に対して千を超える数字という現状があるんですよ。そうすると、この対象にならない人が頼るべきとすれば、災害援護資金、これの貸付制度というのがあるようで、これを頼りにするしかないと。その場合、いろいろ組み合わせても三百五十万が上限。なおかつ、金利が三%、この時代に金利が三%ですよ。そしてまた、所得制限もあるというんですよ。
これは差し上げるお金ではなくて貸すお金なんですよ。戻してもらう、結果として。にもかかわらず、もう貸したくない、借りたくないという制度にしか思えないんですよね。この点について説明を願います。
○政府参考人(西藤公司君) 災害援護資金につきましては、災害により住家、家財に被害を受けた場合や、世帯主が重傷となった場合に一定の所得以下の世帯に対しまして、生活の再建を図るために市町村が実施主体となって貸付けを行う制度でございます。
お尋ねの貸付利率につきましては、法律におきまして、据置期間は無利子であるが、その後は年三%というふうに規定されております。したがって、これを運用で変更することは難しいわけでございます。
また、所得基準につきましては、例えば四人家族では、住民税における前年の総所得金額が七百三十万円というふうに設定されておりまして、資金調達が比較的困難であり、真に貸付けが必要と考える世帯が対象となるよう設定されているところでございます。
○大家敏志君 もうその答弁だとひとたまりもないじゃないですか。政治主導で利率を下げるべきでしょう。できるできないはその後の話としても、どういうやり方をするかというのは早急に考えるとしても、利率を下げて所得制限をなくして限度額ももう少し引き上げる、結果として返してもらうお金なんですから。どうぞ。
○国務大臣(中川正春君) 担当の役所が答弁すると現在の法律の枠組みの中でしか答弁ができないので、ああいうことになってしまうんですけれども、貴重な御指摘だというふうに思います。
支援の制度そのものをどういうふうに見直していくかというのは、今我々も作業をやっていますので、そんな中でしっかり受け止めさせていただいて対応をしたいというふうに思います。
○大家敏志君 民主党政権にとってもチャンスと思うんですよね、これは。被災地の方に対してチャンスという言葉が適当かどうかは別としても、頼りになる政権だと、ここで頑張らぬでいつ頑張るというような時期だと私は思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
少し関連しますけれども、中小企業に対する支援についてもお伺いをしたいと思います。
特に、我々の福岡県、我が福岡県では、七月十三日付けでこの度の豪雨災害を緊急経済対策資金、これの知事指定災害というのに指定をしたようなんですよ。この貸付けは上限が一億と。しかし、国の信用保証制度と抱き合わせで一億まで出せるということなんですけれども、実は国の信用保証制度の、ここが重要なんですが、無担保、無担保は上限が八千万なんですね。ですから、一億、県が上限を定めているんですけれども、無担保部分は八千万となっているので、残りの二千万については担保が必要ということ、今の仕組みではそうなっているんですが、これはもっと弾力的になりませんかねという問いなんですけれども、答弁を願いたいと思います。
○政府参考人(加藤洋一君) お答え申し上げます。
私どもとしましては、九州北部の豪雨で被災されました中小企業者に対する金融支援、これは万全を期していかなければならないと、まずそういうふうに思っております。
先生から御指摘いただきました信用保証でございますけれども、現時点では一般保証とは別枠で無担保八千万、最大で二億八千万まで措置されるセーフティーネット保証四号というのがございます。ただし、この発動につきましては、自治体におきまして中小企業者の被害状況の調査などを積み上げる必要がございます。今、各自治体におきまして調査をしておりますので、そういった調査に基づきまして適切に制度の運用をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
そのほか、発災後、特別相談窓口を設けております。信用保証に加えまして、災害復旧貸付けでありますとか様々な支援措置がございますので、被災中小企業者の方々のお声をつぶさにお聞きをして、個々に適切な支援をできる限りにおいてやっていきたいというふうに考えております。
○大家敏志君 今日、議論を通じて感じることは、もちろん今の決まり事があって、それを超えてやるというのは難しいという現実がある、それはよく分かりますよね。しかし、やっぱりこういう事態ですから、そして特に民主党政権になって政治主導と言われて、今が頑張りどきだと思うんです。僕は、さっき役所の方に、僕はあら探しをするために質問しているのではなくて、本当に福岡県の被災を受けていろんな関係の方が今苦しんでおられますから、何とか、今の仕組みはあるでしょうけれども、それを超えてできる部分がないかと、せっかく大臣がお越しなので、今日はそのことを浮き彫りにして、しっかりとした対応に進んでもらいたいという思いで質問をさせていただきました。
大臣の見解をお聞きをして、質問を終わろうと思いますけれども。
○国務大臣(中川正春君) 災害にどういうふうに対峙していくかということについては、やっぱり現場の状況というものに即した制度をつくっていく、そして制度に不備があったらそれをやっぱり改革をしていくという姿勢が大事だと思います。
一つだけ、さっきの中小企業の申し開きをさせていただくとすれば、実は防災関係、災害関係の貸付金というのは、条件がそのときそのときの適合にしていなくて、ちょっと古かったり条件が悪かったりしているものがあるんですよ。それを今適用させてもということで、実はセーフティーネット融資で、これは災害だけということではなくて、セーフティーネットという形で経済対策も含めたトータルな制度があって、それを使ってもらう方が有利に展開しますよということで、これを今使ってくださいということで現場に下ろしているということなんですね、実際のところは。
だから、そういう柔軟な体制も取っているということでありますので、そこもひとつ理解をしていただいて、あとは、制度改革、これは法律も変えていったり政省令を変えていったりする作業でありますのでちょっと時間が掛かるので、そこのところもしっかりまた御指摘いただいて、変えるところは変えていくという体制で頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いをします。
○大家敏志君 みんなが使い勝手がいいというか、丁寧にやっていただきたいというふうに思います。
そのことを最後に要望して、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○委員長(松下新平君) 午後一時三十分まで休憩いたします。
午前十一時四十八分休憩