衆議院 災害対策特別委員会?◆粉箍旭儖÷、木村(太)委員、福嶋(健)委員、古賀(敬)委員)、石田(三)委員)
平成24年7月25日(水)
○岩屋委員 続きまして、自民党の岩屋でございます。
きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。委員長を初め理事の皆様にお礼を申し上げたいと思います。
そして、今般の豪雨災害によって亡くなられた方々、また被災をされた方々に対しまして、心からお悔やみを申し上げ、またお見舞いを申し上げたいと思います。
今回の豪雨は九州全域に甚大な被害をもたらしたわけでございますが、先ほど質問された坂本先生の地元の阿蘇も大変な被害でしたが、私どもの大分県におきましても、二度の豪雨によりまして県下全域に被害が広がったと言っても過言ではないと思います。特に、日田市、竹田市、豊後大野市、そして、私のちょうど地元になるわけですけれども、耶馬溪を中心とする中津市。本当に、今まで経験したことのないような集中豪雨によって、地域の古老の方々もこれほどのことは今まで長く生きてきたけれどもなかったと言うほどの被害が発生をしております。
私ども自民党の調査団も、一回目の豪雨の直後に現地に入りまして、その結果を大臣に御報告に上がらせていただきました。大臣もできるだけ早く行きたいというお話でございましたけれども、二回目の被害の直後になったと思うんですけれども、まさに生々しい現場を見ていただいたと思います。大臣の迅速な対応を私は評価したいと思うし、感謝申し上げておりますが、率直に、現場を見られて大臣はどういう感想を持たれたか、まず聞かせてください。
○中川国務大臣 中津市には二回目だったんですが、ちょうど一回目に入ったときにまだ雨が降っておりまして、時間にしたら四十ミリから五十ミリということなんですが、それでもすごい雨だと感じましたけれども、百ミリというのはそれこそ想像を絶する雨だったんだなということを改めて実感いたしました。
さらに、二回目には中津の方にもお邪魔したんですが、一回目がやっと片づいて、なえた心が何とか起き上がってきたというところに、また改めて、本当に前よりもひどい形で冠水をした、あるいは浸水をして流された、そんなことでありましたので、本当に住民の皆さんにとって、いろいろお話もさせていただいたんですが、やるせない思いであったというふうに思っております。
改めて、心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。
平時とは異なるということでありますので、復旧に対して手続を、余り平時のいろいろなことは言うな、それは後でちゃんとするという前提の中で工事に入ってもらっていいですよ、そういうメッセージをそれぞれ地方自治体の担当者の皆さんにもしっかりとお話をしてまいったつもりでありますので、市長さんや知事、県の担当者を初め、ぜひ早急に、迅速に発注して頑張っていただきたいというふうに一つは思っております。
それからもう一つは、ここでも先ほどから御指摘がありましたけれども、ボランティアの皆さんが現地に入っておられるんですけれども、過疎化あるいは老齢化でそうした対応がなかなか進んでいないもっと多くの地域があるというふうにもお聞きをしておりまして、これは息の長い形でやっていくと同時に、広域的なボランティアに対しての呼びかけといいますか、そういうものも国としてやっていくようにということで、これも指示をしたところであります。
何せ息の長い話になると思いますので、そのような下支えを、我々もこれからもシステムとして考えていきたいというふうに思っています。
それから、中津では特に、日ごろからの訓練が非常に行き届いていて、その結果、速やかに住民が避難できたということを改めてお聞きしまして、その状況もつかませていただきましたけれども、これは非常に大事なことであるということ。それと、継続的な訓練のあり方というのを非常に参考にさせていただいて、また、モデルとして皆さんにも説明をしていきたいというふうに思っております。
最後に、阿蘇など、先ほどお話が出ましたが、たくさんの犠牲者が出ました。ほとんどが山崩れ、土砂災害なんですね。そのときに、先ほど御指摘もありましたが、避難の対応というのが夜中であったということ、それから、警報が本当に行き届いていたかどうか、多重化できていたかどうか、消防団の必死の活動も恐らくあったんだろうと思うんですが、それにもかかわらず犠牲が出たということ、ここについては、やはり改めて検証をして、避難が迅速にできる、あるいは、その地域として一つの問題意識を持ちながらそれに対応していくというような体制をつくっていく必要があるというふうに思っております。
そんなことを検証しながら、これからも制度を見直していく、あるいは、それぞれ地方自治体との連携をとってその地域でしっかり対応ができるような体制をつくっていくということで、頑張っていきたいと思います。
○岩屋委員 やはり災害というのは、政府の指揮官が一刻も早く現場を見る、見ていただくということが一番大事だと思いますね。そういう意味で、生々しい被災直後の状況を大臣が見ていただいたということは、私は非常に意義があったと思います。
地域の皆さんも生活がありますから、やはりすぐに片づけにかからなきゃいかぬ。一週間も二週間もたてば、写真だけは残っているけれども、一体、当時はどういう状況だったのか、これがきちんと把握できないと適切な対応につながっていかないと思います。
悲しいかな、我が日本列島は災害列島ですよね。だから、これから先も、いつ何どきどういう災害が発生するかわかりませんが、大臣におかれては、一刻も早く現場を見るということをこれからもぜひ心がけていただきたいと思います。
野田総理も現場に入っていただきました。大分県にお見えになった際に、激甚災害の指定を急ぎたいというふうに表明していただいたことも、地域にとっては本当に心強いことでございました。
しかし、この激甚災害指定ですが、従来の積み上げ方式でいったのでは、いつのことになるやらわからない。国のバックアップが早目に表明されなければ、県も市町村も安心して作業に取りかかることができないということでもございます。
また、先ほど坂本委員の質問にもありましたが、数次にわたる災害が重なっておりますので、一体、いつごろにどういうやり方でこの激甚災害指定をおやりになるおつもりか。
質問が重複いたしますけれども、重ねて、政府の今の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○後藤副大臣 私も、七月三日の大雨直後の三日目の六日の日に大分、日田市と福岡県朝倉市に行って、その二度目の災害のときに、二十日、先週の金曜日でありますけれども、総理に同行しまして、阿蘇、熊本、大分、そして福岡という三カ所を集中的に視察させていただきました。
特に感じたことは、先生の御地元のお隣の日田市には二度行って、二度の比較をして一番強く印象に残ったのは、一級河川である花月川が、一次のときには、下流の方がやはり堤防が決壊をして、大きな被害を受けたと。二回目のときには、この上流の方で四時間の四百ミリ以上の集中豪雨が集中して、十メートル近い堤防、ぎりぎりのものが四時間近くもったんですが、四時間たったときに決壊をして、また大きな被害を受けたと。
いろいろなお話を聞きながら、やはりできるだけ、先ほどから大臣がお話をしているように、今回の大雨というのは、梅雨前線という形で、六月八日から梅雨前線が停滞をしながら大雨をもたらしているということで、六月八日以降、まだ梅雨が明けておりませんから、期間としたら、梅雨全体が明けるまでという一つの期間を持ちながら、そして、先生がおっしゃるように、私も、一番初めの七月の六日の日に、できるだけ激甚災害に向けて国としても努力をするので、査定に向けたいろいろな協力をお願いしたいと、県、市町村にもお願いをいたしました。
その際に、やはり人的に、先ほども大臣が繰り返しお話をされているように、まず応急復旧ということを、人命を助けるということに、市町村、基礎自治体の方々、職員の方は特にそこに集中をしたということで、なかなか災害査定が進んでいないという現状があると思います。
そういう意味で、二十日の日に総理と御同行した際に、農地等の部分につきましては、まず、全国的に激甚に見込めるという、これは積み上げということでありますけれども、指定をさせていただくめどがついたという指示を関係省庁に出したということで、それ以降、今やっているのは、特に公共事業の激甚ということが大きな課題の一つだというふうに思っています。
これは、昨年のあの東日本大震災の際にも、早期の復旧復興の支援ということで、いわゆる平面図をたくさん積み上げてというこの作業を、設計図面の大幅な簡素化ということで、平面図面を航空写真で代用するとか、計画図を標準断面図で作成するとか、そこで迅速にして査定を早くするということにしていきたいというふうに思っています。
あわせて、今まで国交省の方では、九州整備局を中心に、前半の大雨と後半の大雨、大分、熊本、福岡、それぞれ集中的でありますけれども、七月四日から二十四日までの間に延べ五百五十六人の職員を、被害状況の調査と復興方針の技術的支援ということで人的には対応をさせてもらっておりますし、あわせて農水省の方でも、水土里災害派遣隊ということで、七月の六日から二十日の日まで、これはほとんど日帰りということで少なくなっていますが、延べ十四人。国交省の方では延べで五百五十六人という形での人的なサポートも行っているところでございます。
いずれにしましても、このような査定事務の簡素化等をできるだけ行いながら、国の方でも、人的支援を通じまして、早期に復旧事業に取り組んでいけるように対応を進めていきたいというふうに考えております。
○岩屋委員 かなりいい意味の政治的判断をしていただいて、手続をできるだけ簡素化していくとか、今、副大臣からお話があったように、人的なサポートも行っているということでしたが、特に人的なサポート体制を充実していただきたいと思うんですよ。
大分県は、全国でも一番と言っていいぐらい、真面目に合併をやったところなんですね。だから、耶馬溪とか本耶馬溪とか山国というのは、この間までは一つの自治体を構成していたわけですが、中津市と合併をしたということで、昔の役場は全部支所になっていて、当然その職員もどんどん計画的に減らしていくということをやってきておりますので、現場の職員の皆さんも手いっぱいですよね。
だから、大方、見込みで激甚災害を指定いただいても、もちろん、血税を投入することですから、査定はしっかりしなくちゃいかぬ。その査定がやはりできるだけスピードアップできるように、これからもしっかり国からの人的サポートをよろしくお願いしておきたいと思います。
それから、被災者生活再建支援法についてでございます。
これは、私も不勉強で詳細の仕組みをついこの間まで存じ上げなかったんですけれども、いざ地元で災害が起こってみて調べてみると、かなり事細かに基準が決められているという仕組みなんですね。わからないではありません。やはり当該市町村の体力に応じて、体力が乏しいと判断されれば県の連合や国が応援してあげようということですから、同じような被害が発生しておっても、すぐに適用になるところと適用にならないところが出てくる。これはわかるんですけれども、ただ、当該地域の皆さんにしてみると、同じ被災をしたのに何で隣町は適用になって俺たちのところはそうじゃないのかという不満だとか不安だとかいうものが出てきたこともやはり事実でございます。
今般については、特に柔軟な対応が、柔軟な適用が必要なのではないか、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○郡大臣政務官 お答えをいたします。
岩屋先生御指摘のように、被災者生活再建支援法の趣旨というのは、被災した市町村ですとか都道府県だけでは対応ができない、困難な、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助、そしてまた国の財政支援により対応しようというものでございます。
規模の小さな災害に対する対策は、被災地方公共団体において対応することが可能でありまして、当該地方公共団体による対応が期待されるとの、むしろその方がいいのではないかというような考えを前提としているものでございます。
こうした制度におきましては、今の御指摘もございましたけれども、それぞれの地方公共団体の対応で、同じような被害を受けた被災者でも、見舞金的性格を有する支援金を受け取ることのできる人と受け取れない人、そういうふうな差が出てくるというのも事実なんだろうと思います。こうした問題につきましては、不公平の問題というふうに捉えるということもある一方で、それぞれ地方の自主性の領域の問題というふうな捉え方もあるというふうにも考えているところです。
なお、お尋ねの例で申し上げれば、支援法の適用対象とならない、都道府県の相互扶助の対象とならないところですけれども、そういう場合、都道府県が自主的に支援法と同水準の支援金等を被災者の方々に支給した場合には、この支給額の二分の一を特別交付税措置をさせていただいております。
いずれにいたしましても、さまざまな観点から総合的にじっくりと対応していかなくちゃいけない、検討していかなきゃいけない課題の一つであろうという問題意識を持っているところでして、知事会の方々も含めて、さまざまな関係の方々の意見もお聞かせいただきたいというふうに考えているところでございます。
○岩屋委員 具体的に申し上げると、今般、大分県でいえば、日田市と竹田市は直ちに適用になったんですね。市街地を流れる川が氾濫しているので、住宅密集地を流れる川が氾濫したので、被害戸数は当然多くなるわけですが、私どもの中津耶馬溪地方というのは、どっちかというと中山間地帯を流れる川が氾濫をしているので、もともと戸数そのものが少ないということもあったわけですね。
支援法の仕組みを見ると、人口十万人以上だったらどうだ、以下だったらどうだ、床上浸水は三戸あれば全壊一戸にみなすんだみたいな規定がずっとあって、それは数が足らなきゃ適用にならないんだみたいなことで、現地では、これはどうしても数が足らない、もう一回全職員歩いて回って、もっと被害があったはずだ、数えて回れみたいな騒動になっておったわけですね。だから私は、ちょっとこの仕組み、今回の教訓も踏まえて、見直していってはどうかと。
それから、今、県によっては同様の措置がとれるように準備しているところもあるというお話でしたが、ない県もあるんだろうと思うんですね。だから、全国的にほぼ同様の対応がこの種の被害においてはとれるんだという仕組みにやはりしておく必要があると思うんですけれども、制度を見直す、あるいは知事会とももう一回よく相談をする、そういうおつもりはございますか。
○中川国務大臣 じっくり相談を始めています。
ちょうど竜巻があったときも同じような問題が出てきまして、県によっては条例化しているところとそうでないところが出てきまして、ちょっと困ったんですが、対応は、あと条例化していない県が予算措置でそれに対応したということであります。
今の制度でいけば、県がそうした準備をしておっていただく、その上にこの支援法が、広域的に大きな被害があったときに互助会的な組織としてかぶさっていく、こういう前提になっています。しかし、被災者にとっては、そんなことはわからないですから、さっきのようなお話が出てくるんだと思うので、それをしっかり理解できるような制度に変えていくにはどうしたらいいかということ、知事会と協議しながら考えていきたいというふうに思います。
○岩屋委員 大臣、ぜひその協議を続けていただいて、より国民の皆様にわかりやすい、納得していただける仕組みに変えていっていただきたい。災害に与党も野党もないので、私どもも全面的に協力をさせていただきたいと思います。
それから、農林水産業、たくさんの被害が出ておりますし、中小零細企業にも出ております。耶馬溪の地域の皆さんが店を出し合ってつくっている小さな商店街なんというのは、二度にわたって被害に遭って、せっかく泥を全部掃き出して、商品を全部並べかえたところにまた泥が入ったということで、二回目に私が行ったときは、ちょっと声をかけるのも何か申しわけないなというぐらいの感じでした。
こういう方々の事業再開支援についても、しっかり国として対応していただきたいと思いますが、農林水産業に関しては、天災融資法の発動をやっていただきたいと思うし、また、政府系金融機関等によって、中小零細企業者の事業再開もしっかり支援していただきたいと思いますが、どういう対応をとっていただけますでしょうか。
○佐々木副大臣 被災を受けられた地域の皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
九州地方、今、農林水産省で、七月十八日現在ですが、約一万二千カ所、約百三十億円の被害というふうに我々はまとめているところでございます。
今お尋ねの資金繰りの関係でございますが、天災融資法の発動を待たずして、農林漁業セーフティーネット資金という長期低利の資金がございますので、それの利用が可能でございますので、ぜひ御利用いただきたいというふうに思ってございます。
今お尋ねの天災融資法に基づく資金でございますが、実は、それに比べて、このセーフティーネット資金の方が、償還期限あるいは資金の使途などの面で有利でございます。さらに、借入も迅速にできるというようなことがございますので、ぜひ先生の方からも地元の皆さん方にお伝えをいただきたいというふうに思っているところでございます。
制度が、セーフティーネット資金の方が後からできているものですから、天災融資法を待たずしてこれが使えるということでありますので、直ちにこのセーフティーネット資金の円滑な供給ができるように、あるいはまた、既往の貸付金の償還猶予などについて農水省から依頼を申し上げているところでございます。
以上でございます。
○柳澤副大臣 お答えさせていただきます。
経済産業省としましては、今般のこの豪雨災害による大分県、福岡県、熊本県の被災中小企業に対する政府系の金融機関による支援としましては、別枠の融資制度、いわゆる災害復旧貸し付けの適用、それから、既往債務の返済条件の緩和等の措置は既にとらせていただいております。
現在、政府系金融機関の各支店では特別相談窓口も設置しまして、あるいは中小企業団体のところも含めて、相談窓口は七十一カ所になります。そこで、被災中小企業からの事業再建等に係る資金繰りの相談をきめ細かくさせていただきたいというふうに思っております。
これからも、被災中小企業の実情に応じて柔軟に対応させていただいて、できるだけ早期復旧に経産省挙げて御支援をさせていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○岩屋委員 ありがとうございます。
しっかりお取り組みを願いたいと思います。私も、地元の皆さんに今の御答弁の内容をしっかりお伝えしてまいりたいと思います。
時間がなくなってまいりましたので、ダムについて、二件お伺いしたいと思うんです。
山国川は、ダムがありながら、二回にわたって氾濫をしてしまったわけですね。地域の皆さんの気持ちからすると、ダムをつくってくれているのに、しかも、最近、気象庁がかなり正確な予報をしてくれていたにもかかわらず、二回も氾濫した、やはりダムの水量調整というのは本当に適切だったんだろうかという思いを抱いても不思議ではないと私は思うんですね。
だから、私は、今回、本当に適切な調整ができておったのかどうか、しっかり分析する必要があると思っているんですけれども、この点については、国交省はどういうふうに分析をしておられますか。
○津川大臣政務官 お答えをいたします。
耶馬溪ダムの水量調整について御質問をいただきました。
私どもも、被災地の皆様方からそういった思いをお聞かせいただいているところでございますが、実際の現場での水量調整につきましては、現段階、私どもとしては、河川整備基本方針に基づきます計画にのっとった形で適切に対応されたものというふうに考えております。
ただ一方で、被災者の方々の思い、特に二度も水につかるといった大変な御苦労をされている方々に対しまして、私どもとしても、まず、河川全体の基本方針を含め、いかにして治水安全度を高めていくかということ、それから、地域の方々に御協力、御理解をいただき、整備を進めてまいりましたダムの調整のあり方につきましても、しっかりと、被災者の皆様方、地域の皆様方に丁寧に御説明をさせていただきたいと考えているところでございます。
○岩屋委員 今回は、適切な水量調整をしたにもかかわらず、その想定をもはるかに超える豪雨であったというふうに私は理解をしておりますけれども、やはり、地域住民の皆さんが、そういうダムの水量調整の仕組み、やり方について、十分に理解をしていただけるように、これからも、これは大分県のダムだけではない、全国のダムにおいて、国交省はしっかり努力をしていただきたいと思います。
一方、ダムがなくて氾濫をしてしまったというのが竹田市でございまして、お手元に資料を配っていると思います。大臣、この前にもそういう質問が出たと思いますが、玉来川ですね。
これは、私は民主党だけのせいにするつもりはありません。もう随分前に同種の被害が起きたにもかかわらず、自民党政権時代も、結果としてはきちんと対応できなかったわけですね。しかし、そこで民主党政権に交代して、ダムに対する政策、あるいは治水に関する予算などを大幅に見直すことに至った。そこにこの災害が襲ったということですから、お互いの反省に基づいて、これは抜本的な対応をしていかなくちゃいかぬと思うんですね。
この豪雨は何十年に一回と言っていますが、本当にそうかどうかわかりません。来年もまた同じことが起こるかもわかりません。同じような被害がもう一回起こったら、国は一体何をしていたんだということになると私は思います。
ぜひ、玉来川、ダムについては、整備推進という方向にかじを切っていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○津川大臣政務官 玉来川でございますが、平成二年の七月に発生をいたしました豊肥大水害を受けまして、大分県が事業主体として、平成三年にダムの建設事業に着手をしたものでございます。
まず、国土交通省といたしましても、全国の治水安全度を高めるということについては待ったなしであって、一刻も早くその事業を進めていかなければならないと基本的に考えております。
一方で、治水事業そのものは、言ってみれば、全国、上限がないものでございますが、その中で、基本方針あるいは整備計画、そういったものに従いまして、順次、治水安全度を高めるということを進めております。
そのペースを決めるものは幾つもございますが、用地の確保といったものもございますが、一つの大きな要素が財政制約でございます。その中で、私どもとしては、これは補助ダムでございますが、ダム事業につきまして検証というものを行わせていただき、現在、三十数ダムについて検証を終わらせていただいているところでございます。その中で本当に必要なものについては、ぜひダム事業として速やかに整備をしていきたい。
現在、検証が済んだ中でも三分の一程度につきましては、ダム以外の手法の方がよりすぐれている、そういった結果を出していただいているところでございますので、その他の手法を使いながら、速やかに治水安全度を高めるということを進めているところでございます。
この玉来ダムにつきましては、昨年の十月に検証を終了しておりまして、補助交付を継続するという方針を国として決定しているところでございますので、事業主体であります大分県にもしっかりと補助を出させていただきながら、速やかな整備を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○岩屋委員 速やかな整備に向けて、国としてしっかり支援をお願いしたいと思います。
ちょっと質問が残りましたが、時間が参りましたので、政府、与野党、一体となって、一日も早い復旧復興のために努力をしていきたいというふうに思いますので、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
終わります。
○馬淵委員長 次に、木村太郎君。
○木村(太)委員 午前中の最後ですので、大臣、皆さん、お疲れさまですが、よろしくどうぞ。
まず、九州地方の豪雨によって被災された皆様方、お亡くなりになった方々にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
九州地方の豪雨被害とは全く規模は違うわけですが、私の地元で竜巻も発生しまして、さらに局地的豪雨という被害が出てまいりました。
そこで、以下質問していきたいと思いますが、まず、竜巻に関してなんですが、五月にも茨城、栃木で発生しまして、七月五日、今度は私の地元で竜巻が発生し、住宅家屋、あるいはまた、主産業であるリンゴもかなりの被害を受けております。
七月十一日、我が党の九州の豪雨の申し入れの際に、中川大臣に、私は今、自民党の青森県連の会長もやっていますので、県連としての要望もさせていただいて、大臣はしっかり頑張りますというお話をしてくれました。ただ、その後私は質問主意書を出しまして、きのう返ってきた内容を見ると、まことに冷たい内容だな、こう感じたものですから、以下質問させていただきたいと思います。
先ほど岩屋委員と皆さんとのやりとりにもありましたが、竜巻によって住宅の被害を受けた皆さんの一番の願いは、やはり住宅の復旧をしてもとの生活に早く戻りたい、そのために、お話があった被災者生活再建支援法に基づく制度を何とか適用できないかということなんですね。しかし、先ほど岩屋委員も指摘しておりましたが、ある程度の全壊の戸数がなければならないとか、いろいろな条件があるわけであります。ただ、どうなんでしょうか、九州のこういう豪雨もそうですが、竜巻というのは局地的でありますし、また雨だって、今、ゲリラ豪雨という言葉が当たり前になって局地的に降るわけですから、実態に即した見直しをすべきであるというふうに思っております。
ちなみに、同じ選挙区であります国土交通政務官も視察されて、地元紙に答えているんですが、住宅については内閣府の被災者生活再建支援制度があるので、できる限りの応援をしたい、こう言っておりますから、地元の市長も被災者も、ああ、これは何とかなるんだな、現場ではそう思っているわけであります。
先ほどの答弁ですと、制度の適用の見直しをこれからするというようなことを言っておりますが、見直しをしなければ適用はならないわけですけれども、特例的にもこれはやってくれるんだな、政府高官のお話を聞いて地元ではそう思っています。どうですか、大臣。
○中川国務大臣 竜巻を契機にしまして、この支援法の運用についてはさまざまに議論をいただいております。御指摘のように、狭い範囲なんだけれども、一人一人の被災者にとっては、激甚といいますか非常に災害のレベルが高い、そういうことに対して支援法をどう適用するかということだと思うんですね。
これは、阪神・淡路の大震災を受けて、この支援法の枠組みをつくってきたわけですが、あのときからさまざまな議論があって、特に、個人に対して財政的にというか税で支援していくということに対してのかたい抵抗があったものを突き破ってこれをつくったんだと思うんですね。
それだけに、互助会的に、県を中心にして、県の方も支出をしていただいて、国の方も半分寄って基金をつくって、それで、互助会で、それぞれの個別の自治体で賄っていけないような範囲の広い歳出レベルの高いものについてこれを適用していこうという前提で組んだということなんですが、その前提は、では、今回のように個々で甚大な被害が起こったものにはどうするんだということになると思うんです。
それは、恐らくこの法律の想定しているのは、それぞれの県がみずからの制度の中で条例化して、そこの個別の部分については見ていくということが前提だと思うんですが、なかなか県も、それをやってくれている県とそうでない県とがありまして、向こうはやっているじゃないかというような、茨城と栃木でそういう話があったんですが、それは予算措置を慌ててやっていただいて、竜巻では、全部を賄えるというかカバーできるような形になりました。
青森、御地元も、そうした前提でいくと、この法の趣旨からいくと、県が頑張ってもらわなきゃいけないということになるんですね、今のところは。しかし、こんなことを毎回毎回繰り返していてはということで、ちょっと知事会と話し合いを今始めておりまして、その誤解がないようにということと、この趣旨をどういうふうに持っていくかということを含めてしっかり検討していきたいと思います。
また、仕組みとしてどうつくっていくかというのを、知恵をおかりできればというふうに思っていますので、そんなことも含めてこれからの議論ということになってまいります。
○木村(太)委員 私は、県政与党ですから、県の方にも申し上げておりますので。しかし、国全体としても知事会とも連携していただきたい。
ただ、大変恐縮なんですが、被災者にしてみればきょうあすの生活なわけですから、検討するということでなくて、やはり今、国として何ができるかということを最大限考えていただいて、県や市とも連携して取り組んでいただきたい。
全壊が何戸以上なきゃいけない、半壊がどうだとかありますけれども、全壊、半壊、一部破損みたいな区分けも、同じ半壊でも明らかに違いがあるじゃないか、現場を見てもそう感じるんですね。そういうところからも、一度見直しをしなきゃいけないんじゃないかなというふうに感じておりますので、ただ、今困っている被災者をぜひ助けていただきたい。お願いしたいと思います。
リンゴに関しても被害が出ておりますので、農水省、どのような対応をしますか。
○今井政府参考人 竜巻によるリンゴ被害につきましてお答え申し上げます。
七月に青森県で発生しましたリンゴの竜巻被害につきましては、弘前市におきまして、枝折れが六十四本、倒伏が百四本という被害報告を受けております。農林水産省といたしましては、こうした枝折れや倒伏等の被害につきまして、ことしの春先の大雪による被害対策と同様に、被害果実の植えかえ、あるいは、これにより生ずる未収益期間の支援等により復旧を支援していくという考え方でございます。
○木村(太)委員 のこぎりで切ったんじゃなくて、本当に鋭い日本刀で切ったような折れ方をしておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
私の方でも、九州ほどではありませんが、局地的な豪雨が発生しましてかなりの被害が出ております。地元に、国直轄の一級河川三本が合流する地域が、リンゴ園地が泥をかぶっちゃって大変な被害であるんですが、現場を見ますと、やはり、土手のかさ上げをちゃんとしたところとそうでないところがはっきりしております。国交省もいろいろやってくれているんですが、抜本的な河川の改修に至っていないというのが、地元の地域の皆さんの率直な思いなんですね。
ですので、河川の整備計画というものを根本的に見直してきちっと災害に対応していく、このことが今一番大事だと思うんですが、河川の整備計画の見直しというのが余りされていないような気がするんですが、国交省、どうでしょうか。
○関(克)政府参考人 お答えを申し上げます。
先生御指摘のように、ことしの七月十六日も、岩木川の中流部で、河川敷にあるリンゴ園において冠水被害が発生したところでございます。
私ども、御案内のように、この岩木川の河川改修については、まだ堤防のないところもございます、こういったところ、それから、水が流れるところを掘削し、少しでも治水安全度の向上を図っているところでございます。
また、特にリンゴ園の冠水につきましては、農業団体を初めとする関係機関の皆様方と連携し、川を掘る、そしてその土を、今先生御指摘のように、管理用通路として堤防のような盛り土にすることによって冠水被害の軽減を図るとともに、現在、この岩木川上流では津軽ダムを建設してございます。これが平成二十年より本体工事に着手しておりまして、現在、二十八年度の完成を目標にしてございます。こういったことをまずは進めることによりまして、リンゴ園の冠水頻度を減らしていくということに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
その上で、御指摘のように、被害の状況あるいは岩木川の治水安全度の状況、こういったものを十分検討する中で、御指摘の河川整備計画の見直しの必要性、こういったものについても検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○木村(太)委員 整備計画の見直しは検討をするということなんですか。見直しをするんですか、しないんですか。
○関(克)政府参考人 現時点では、まず、対策を今進めております、そういったものの進捗を図ると同時に、この岩木川全体の安全度をどうしていくかということをよく検討した上で、整備計画の見直しをする必要があるのかどうかということも踏まえて次に進んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○木村(太)委員 時間が参りましたので、九州の皆さん、大変ですので、そちらが主ということになりますが、一義的には現場でやはり市町村が対応していますので、私の地元の方にも財政的な支援を総務省もお願いしたいと要望を申し上げて、終わります。
ありがとうございました。
○馬淵委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時十八分休憩
――――◇―――――
午後一時一分開議
○馬淵委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。福嶋健一郎君。
○福嶋(健)委員 国民の生活が第一の福嶋健一郎でございます。
冒頭、質問に入ります前に、本委員会、一時からきちんとスタートをしていただきたいというふうに思っております。非常に大事な委員会でございます。特に私は地元でございますので、いいかげんな気持ちで臨まれても困る、そういうふうな思いでございますので、ぜひ定刻にスタートするようによろしくお願いを申し上げます。
まず冒頭、この九州北部豪雨におきまして、大勢の皆様方がお亡くなりになられました。心からお悔やみを申し上げますとともに、また、たくさんの方が被災をされました。心よりお見舞いを申し上げるところでございます。
私の地元熊本県でも、今現在、お亡くなりになられた方が二十三名、そして行方がまだ判明されていない方が二名、床上、床下浸水が三千六百戸超という大きな被害状況となっておるところでございます。
このような中で、熊本でも、最前線で災害救助あるいは生活再建支援に当たられている陸上自衛隊の皆さん、あるいは熊本県警察の皆さん、消防の皆さん、そして地元の自治体の皆さん、ボランティアの皆さん、献身的に活動されておられます。心から敬意を表するところでございます。
また、午前中の質疑にもございましたけれども、国内外からたくさんのお見舞いやお励ましをいただきました。台湾からも、きのう、熊本県の東京事務所にお励ましをいただいたということでございます。心から感謝をしているところでございます。
また、七月十八日に本委員会で、熊本県被災状況、現場を調査されました。私も、現地の参加議員ということで参加をさせていただきました。この場をおかりいたしまして、馬淵委員長を初め皆様方に心から感謝を申し上げます。
我々国民の生活が第一でも、七月の十一日が党の結党でございました。七月十二日には熊本では現地の対応の体制をしいて、自治体の皆様方からの情報収集、あるいは実際に被災をされた皆様方からの御要望というものを酌み上げているところでございます。
きょうは幾つか質問させていただきますけれども、通告に対して、場合によっては全部質問できないかもしれませんけれども、そこは御容赦をいただきたいというふうに思っているところでございます。
まず、中川大臣にお伺いをします。
大臣は、七月十三日金曜日、まさに豪雨の中に熊本に調査に来られました。ちょうど熊本市の龍田陳内という白川が蛇行したところとか、あとは阿蘇の坂梨地区、一番土砂災害が多かった先を、午前中の岩屋委員のお言葉をおかりすれば、まさに生々しい現場を調査されて、意見交換も含めると五時間超の長い時間、熊本に滞在していただいて、情報収集に腐心をしていただきました。本当に感謝を申し上げます。
大臣の目からごらんになられて、この九州北部豪雨の率直な感想、そして、特に先ほど申し上げました自衛隊、大臣が来られたときももう自衛隊、警察、消防、全部動いていますけれども、彼らに対する評価、感想も含めて、この九州北部豪雨について一言御所見をお願いします。
○中川国務大臣 私も現地に入らせていただいて、特に阿蘇地域の山崩れを中心に多くの犠牲者を出してしまったということ、これがまず残念でなりません。
先ほどのお話のように、自衛隊初め地域の消防団の皆さんあるいは地域住民の皆さんが、救援活動あるいは行方不明者の捜索に本当に全てをなげうって当たっておられた姿というものに対して、改めて感銘を受けた次第であります。
その上に立って、いろいろ反省をすることもあります。
ちょうど、行ったとき、雨がやはり降っておりまして、私の肌感覚ではこれはすごい雨だなという感じだったんですが、そのときの専門家の話では、それでもやはり五十ミリを切っているだろう、こういうことでありました。
当時、一時間に百ミリを超える雨が夜中に降っていたわけでありますが、そのことを考えると、想定外とよく言われますけれども、ああいう集中的に、一部の局所的なところで降る雨に対して、改めて、対策の見直しといいますか、予測、予知ということも含めてしっかりした対応をしていくということ、これがまず必要であろうと思います。
予知した上で、さっきの、山崩れに対して避難を勧告して、みんなで逃げるという体制をつくるわけですけれども、ここで反省されなきゃいけないのは、消防団が回ってできるだけのことをしても、やはり全てが逃げるという体制にはならなかったということ、これについてさらに分析をして、先ほども議論に出ていましたけれども、多重な方法を使って告知をして、それで一緒に逃げるという体制を地域でどうつくっていくかということ、これは一つ課題として真剣に組み立てなきゃいけないというふうに思いました。
さらに、過疎地域でありますので、先ほど申し上げたとおり、ボランティアの活用も含めて、これは息の長い支援が必要だということ、その体制をネットワークの中でつくっていく、この基盤もつくっていかなきゃいけないということだと思います。
それから、自衛隊それから消防、あるいは警察、あるいはまた地域の住民の皆さんの発災時での瞬発力といいますか、これについては改めて評価をしたいというふうに思います。これは日ごろからの訓練によって培われたものでありまして、そうした連携をさらに密にしながら、今回は限られたところですが、これが広域に起こったのが東日本なんですけれども、そういう体制もしっかり準備がしていけるような、そうした広域的な連携ということも含めた体制をさらに強化していくということ、こんなことが大事かなというふうに思いました。
○福嶋(健)委員 昨日、衆議院の総務委員会がございまして、私、総務委員でもございますので質疑をいたしました。
そのときに、二つ。一つは、今回のこの豪雨災害を踏まえた、いわゆる消防団、消防の体制のあり方、これについて議論をいたしました。こちらの方は当該委員会でまた議論を深めていこうというふうに思っております。
もう一つ、本日、そういう意味では、熊本、福岡、大分、三県に対して普通交付税の繰り上げ交付というのが現金でなされています、きのう決定したのだというふうに思っていますが。川端大臣も、今後、特別交付税の措置だとか地方債だとか、そういったことを通じて、地方財政に支障がないように取り組んでいきたいというふうに御答弁をされておられました。
それはそれで非常に大事なんですけれども、午前中からずっと質疑に出ていると思いますけれども、地域の自治体の皆さんや住民の皆さんにとって一番落ちついて復旧復興に取り組めるのは、やはり激甚災害に指定をするということではないかなというふうに思っております。野田総理も、七月二十日に熊本に来られまして、滞在時間は非常に短かったわけですけれども、農地等の事業について、激甚災害の指定に向けて所要の手続を速やかに進めるよう指示をしたところというふうなコメントを発表されています。
実は、熊本県の試算というか発表によれば、これは七月の二十二日現在なんですけれども、水稲とか葉たばこで約三億円、農地、農業用施設で二十九億円、林業関係で百四十億円、計百七十二億円の被害額を見積もっています。これが直接の激甚の指定基準の数字ではないにしても、客観的に見てこれぐらいの大きな数字が出ているわけですから、総理のおっしゃったことというのももう現実的なものになってきているのかなというふうに思っているところであります。
実際、私も現地に入っていろいろ見ていますと、例えば、せっかく土地基盤整備をして段階的にやっているところにも土砂が入ったりとか、あと、ちょうど田植え直後ですから、一見すると青々とした稲があるんだけれども、見ると泥だらけというのもあるし、田んぼは大丈夫なんだけれども、用水とか排水のところに流木とか土砂が埋まって、熊本弁では、やおいかんと言いますけれども、どうしようもない状況になっているところが実はたくさんございます。
こういったところから見ても、やはり農地等関係事業、まずここの激甚災害指定というのは一刻も早くお願いをしたいところであるんですけれども、仕組みとして、どういう段階があって、いつをめどで指定されるのか。総理は速やかにというお言葉をおっしゃっておられるんですけれども、速やかのイメージがちょっと湧きませんので、ここについて、大臣、ぜひめどを教えていただきたいと思います。
○中川国務大臣 手続といいますか、仕組みとしてはこういうことになっています。災害が発生して、被害状況の調査を市町村、都道府県がやって、それを各省庁がまとめて、見込み額の算定をやる。それを内閣府、財務省と協議しながら、基準を満たしたものかどうかということを判定しまして、中央防災会議の方でこれをかけて、閣議にかけて、それから指定政令の公布ということなんですね。これがおおむね一カ月から一カ月半ぐらいかかるというのが正式な手続であります。
今回、我々が判断したのは、これを待っていればなかなか各市町村あるいは県も思い切った形になっていかないということで、大体の見込みを立てておいて、その上で、これで大丈夫だというところを大丈夫だと言ったわけです。そうなっていくだろうということを総理の方から発表していただいたということであります。
そういう意味では、まだその発表がないところはそうした見込みの数字もそこまでなかなかいっていないということでありまして、鋭意、各市町村の方で、どこに特に公共事業の関連の被害があったかというのをこれから集めて、そして累積をしていくという作業をやっていただくというふうに思います。その辺をもう少し見きわめるということになります。
○福嶋(健)委員 質問を先取りしていただきましたけれども、農地については、今のお話だと、一カ月、一カ月半、お盆が一つのタイミングなのかなと私は理解しておりますし、今、本来質問をしようと思ったんですが、公共土木の分野とか中小企業の分野、一部指定はなっているやに先ほど午前中の質疑ではございましたけれども、確かに積み上げ方式でありますし、今この段階で何日というのはおっしゃれないのはよくわかっております。
そういう中でも、後から質問をさせていただきますけれども、熊本から阿蘇というのは一つの大きな観光地域でもございますので、やはりこういった地域の公共土木の一刻も早い復旧というのは県民の願いでございますので、そういう意味も込めてぜひ、迅速にとしか今は言えませんけれども、お願いをしたいというふうに思っているところでございます。
次に、これは被災者生活再建支援制度ということで、郡政務官かなと思います。郡政務官は宮城県の御出身ということで、東日本大震災のときに、お地元で恐らく多くの住宅が被害に遭われた現場に寄り添っておられたかと思います。
実は、熊本のあるところで、年老いた方がしみじみおっしゃっておられました。自分たちは熊本で東北のことを人ごとのように思っていた、だから罰が当たったんだと。その人の家は倒壊こそしていないんですが、泥だらけで、もう今にも倒れそうな、そういう家に一人で住んでおられるおばあちゃんがおられましたけれども、そういうふうに自分を責めておられたんですね。自分を責めるまでもありません。もちろんこれは自然災害でありますから。
ただ、我々ができることは、やはり、こういった被災をされた皆さんに、こういういわゆるメニューがあるのであれば、一刻も早く生活再建支援制度というものを適用して対応していくというのが大きな仕事ではないかなというふうに思っております。
今回、熊本県における豪雨と水害があったわけですけれども、熊本県内の住宅被災世帯については、本被災者生活再建支援制度の対象にそもそもなっているのかどうか、これを伺いたいと思います。
○郡大臣政務官 お答えをいたします。
熊本県下における被災者生活支援法の適用状況でございますけれども、まず、今月の十三日に、熊本市それから阿蘇市、これが十世帯以上の住宅全壊被害が発生をいたしまして、この再建支援法の施行令の第一条第二号に該当したということです。それから、南阿蘇村、五世帯以上の住宅全壊被害が発生いたしまして、同じく第一条の四号に該当いたしました。また、相良村、二世帯以上の住宅全壊被害が発生いたしまして、一条第六号に該当したということでございまして、熊本県におきまして、被災者生活再建支援法を適用させていただいたということでございます。
その後、十七日にも、五木村におきまして二世帯以上の住宅全壊被害が発生をいたしまして、同条六号に該当することから、被災者生活再建支援法を適用したところです。
また、さらに、十八日には、熊本県内で百世帯以上の住宅全壊被害ということが確認をされまして、熊本県全域についてこの被災者生活再建支援法を適用したということでございます。
○福嶋(健)委員 今のお話で、実際に適用対象になって、実際にもう熊本県下でそういう申請というのは始まっているのでしょうか。教えていただきたいと思います。
○郡大臣政務官 お答えをいたします。
既に南阿蘇村では七月の十七日から申請を開始しておりますし、熊本市も七月の二十日から、菊池市が七月の二十三日から、産山村が七月二十四日、きのうから、それぞれ申請の受け付けを開始したところでございます。
また、阿蘇市、大津町、相良村、五木村、また球磨村、これは八月一日からの申請受け付け開始を予定しているところでございます。
○福嶋(健)委員 ありがとうございます。
ぜひ政府にお願いしたいことが二点ございます。
まず一つは、今の制度で、一義的にはそれは政府の仕事ではないかもしれませんけれども、被災している自治体の皆さんが、今、ほかのいろいろなところに人手がとられています。こういったことを周知、広報しようと思ってもなかなか、はっきり言ってマンパワーが足りないこともあります。この辺については、ぜひ政府の方からも、こういった自治体の告知あるいは広報についてバックアップをしていただく手だてについて御検討いただきたいというふうに思っているところでございます。
そしてもう一つは、これも午前中の質疑にもございましたけれども、今回、熊本は県内全域こういう制度を受けることができます。しかしながら、午前中の議論にありましたように、やはりこの制度自体が本当に今のままでいいのか、多くの委員がそういう観点から質疑をしていたというふうに私は受けとめております。だからこそ、この制度については、それは一義的には地方公共団体というか都道府県の基金があって云々という話ではありますけれども、この制度について、引き続き知事会等も含めてぜひ御検討いただきたいということでございます。これについては、答弁は結構でございます。
そして、今回の熊本市内から阿蘇に向けて、先ほど申し上げましたけれども、これは日本有数の観光地に向かうルートであり、阿蘇は日本有数の観光地であるというふうに私は自負をしておるわけでございます。これは馬淵委員長も、そしてここにおられる多くの委員の皆様方も現地を視察されたと思いますが、阿蘇市で国道五十七号線がちょうどループを描いているところに土砂が崩れて通行どめになっている。迂回路は迂回路でありますけれども、熊本から例えば大分に抜ける、あるいは大分から熊本に抜ける、相当時間が今かかっているという状況であります。
やはりこの国道五十七号線というものの復旧が急務であるというふうに思っておりますが、国土交通省さんからその復旧のめど等について御答弁をいただきたいと思います。
○荒川政府参考人 お答えさせていただきます。
国道五十七号につきましては、先生御指摘のように、今般の豪雨によりまして、合計十一カ所、斜面崩壊等が発生しまして、七月十二日より全面通行どめとなっておるところでございます。
これまで、十一カ所のうち十カ所につきましては十六日までに応急復旧を完了させていただいて、残る一カ所が、先生御指摘のように、まだ応急対策が実施されていないということでございます。
これにつきましては、専門家による現地調査を実施していただいたところ、斜面からまだ流水が続いている、また、大きな浮き石もあるといったような御報告がありましたので、崩壊箇所を回避するような形で仮橋を設けまして応急復旧を進めることといたしたところでございます。七月の十六日から着手いたしておりまして、現在、地質調査を終え、設計も終え、工事用道路の施工も終わったといったような状況にございます。
こういった状況をさらに加速いたしまして、九月の上旬ごろを目途に、私ども、通行どめを解除いたすべく全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○福嶋(健)委員 やはり当該地域は工法を含めて非常に難しいというふうな説明を前回の視察のときに担当の方から伺っております。加えて、九月の上旬ということであれば、観光シーズンから、やや終わったかなというふうには思いますけれども、そういう状況の中で、一刻も早い復旧、国道の回復について、ぜひ最優先で取り組んでいただきたいというふうに重ねてお願いをするところでございます。
そういう中で、再三申し上げておりますけれども、阿蘇というのは観光地であり、実は、一部のところでは、あってはならない風評被害的なものも出てきています。こういったものは何としても抑えていかないといけないところでありますが、早晩、それを払拭するためにも観光地阿蘇の復活というのは急務だと思うんです。
まず、そもそも、きょう観光庁さんにおいでいただいておりますので、いわゆる観光政策における阿蘇の位置づけというものについて、この場をおかりしてぜひ教えていただきたいと思います。
○又野政府参考人 お答えいたします。
今、先生御指摘のとおり、阿蘇地域といいますと、世界最大級のカルデラを初めとして、非常に世界的にもまれなる自然観光資源に恵まれておりますが、かてて加えて、特に最近では、水資源の涵養、保護に加えて、町並みの復活、保全といった地域の方々の取り組みが非常に熱心になされておりまして、そういう意味で、自然環境だけでなくて、文化、文物を含めて、観光資源には極めて恵まれた豊かな土地だと認識しております。
住んでおられる方々が、自分たちが住んでいて誇りがあるというのが一番大事なことなんですけれども、それをよその方とか、さらには海外の方に見ていただく価値がある、つまり、住んでよし、訪れてよしという意味では、非常に阿蘇地域というのは、ポテンシャルも含めて、観光地域としては立派な地域になっておると思います。
先生の方から御指摘ありました風評被害の問題も、先行したいろいろな、紀伊半島の方ですとか、あるいは東北の大震災の件で苦い経験がございますので、我々観光庁としてもいろいろな手段で、例えば、国内観光ですと観光圏整備法というのがございますし、あるいは国際観光では、インバウンドの方ですけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンということで、地域を特定していろいろな形で力を入れて売り出すということをやっております。
最近、国際観光の方が、特に東アジア圏の伸びが大きい。逆に言いますと、そちらのお客さんが減ると非常に深刻な被害が、風評の被害も含めて出るということですので、我々自身もそこの点は注視して、きめ細かく、正確な情報を前広に出していくように気をつけてまいりたいと思っております。
○福嶋(健)委員 今、御答弁いただいたように、やはり重要な観光地でございます。なぜこういうお話をしているかというと、住民の方もそうですけれども、例えば阿蘇の旅館やホテルの経営者の皆さん、もう泥だらけで、今、いつ再開できるともわからない中で一生懸命作業されています。そういった皆さんにやはり光を何とか当てたいという思いで質問をさせていただきました。
残り時間が少なくなりましたので、最後に一つ、これは気象庁さんに質問をさせていただきます。
本年四月十三日に北朝鮮のミサイル発射がありました。四月の十七日の衆議院安全保障委員会で私質問をしたんですけれども、なぜJアラートは鳴らなかったのか。そのときに、Jアラートの仕組みというものはちゃんと消防庁が管理をしたんだけれども、情報を流すのは、あのときは官邸ですと。官邸がいろいろな判断をして、流さなくていいというふうなことで、結果流れていないというふうなやりとりを実はいたしました。
今回のいろいろな災害について、実はJアラートの業務規程というのがございます。この第四条というところに、流すべき情報という中で、気象警報、土砂災害警戒情報、記録的短時間大雨情報、指定河川洪水予報等々いろいろありますけれども、実際に今回の豪雨で、気象庁さんとして、このJアラートに乗せて、そして自治体に流したのか、その事実確認をさせてください。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
警報等の防災情報につきましては、多重ルートを確保して確実に住民あるいは自治体に伝えることが重要でございます。このため気象庁では、警報等につきまして、みずからの専用回線あるいはインターネット等さまざまな手段で自治体、都道府県や市町村に伝えるとともに、報道機関に協力を求めて、一般の方々に周知しているところでございます。
さらに、先生御指摘のように、今回も気象警報等を、Jアラートも活用いたしまして、消防庁とも協力して、市町村に伝達してございます。
以上でございます。
○福嶋(健)委員 ミサイル発射のときもそうでしたけれども、今回も恐らく、当該省庁から地方自治体、そして地方自治体から地元、いろいろな情報伝達の円滑さについてどうだったのかという検証というのは今後なされてくると思います。
そういう中では、今、多重ないろいろなチャネルで流されたということは一つ、それはそれで大事なことだと思います。Jアラートも使われたということは評価をすべきことなんですが、その流す情報の量とか、要するに、受け取る側の自治体から見て処理し切れないぐらいのせっぱ詰まっているときにそんな情報が来るとかということも、ひょっとしたらあったのかもしれません。これは今後の検討によるところだと思いますけれども、こういった面を含めて、とにかく我が国の危機管理体制というものについて、ぜひ今後もそういう観点から御検討いただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○馬淵委員長 次に、古賀敬章君。
○古賀(敬)委員 国民の生活が第一の古賀敬章でございます。
去る十八日、私も当委員会の派遣で福岡、大分の被災地視察をしてまいりました。聞くと見るとでは大違いでございまして、大水害の爪跡を目の当たりに見まして、愕然といたしました。
特に、山国川の川沿いに古い造り酒屋がありますけれども、そこの奥様、相良さんとおっしゃいますが、そのお父様は、もう故人となられましたけれども、大分県の県会議長も務められた方でございます。その奥様が、雨が降って一時間半後にはもう水位が四メートルも上がったということでございまして、その山国川沿川の皆さんの不安たるや、大変なものがあっただろうというふうに想像をされるところでございます。
そこで、まず最初に、国として今回の北部九州豪雨の被害をどのように把握されておられますか、そのことをまずお聞かせください。
○中川国務大臣 現在のところでありますが、人的被害は、死者三十二名、行方不明者四名、負傷者百十二名となっております。住宅被害としては、全壊が百九十五棟、合わせて一万六千四百八棟が被害を受けているということであります。
また、このほかにも、土砂災害では、二十六府県で二百七十五件。それから、矢部川水系の矢部川で堤防決壊したほか、河川の護岸崩壊等で百四十六カ所。断水戸数は、現時点で、福岡県と熊本県で七百六十六戸。鉄道の運休は、現時点で三事業者五路線。それから、農業用施設の損壊や農作物の冠水が四十四都道府県で発生をしております。それから、病院や社会福祉施設等の被害は百三十一施設、文教施設等の被害は二百三十九施設ということになっております。
○古賀(敬)委員 大臣、ありがとうございました。
大変な被害が発生したわけでありますけれども、特に大分県の日田市、そして山国川流域、中津市の耶馬溪を中心として、この場所を視察したときに、住民の皆さんはもう心身ともに疲労こんぱいされておりました。
と申しますのも、御承知のとおり、七月三日の豪雨で被災をして、そして、ようやく片づけも終わったかなといったところに、十四日、また同規模の豪雨という形でございまして、その思いたるや、想像を絶するものがあるのではないかなというふうに思っておりまして、一日も早い激甚災害指定が地元の自治体から要望されておるわけでございます。
先ほども質問がありましたけれども、政府としてその指定をできるだけ早くということでございますが、そのことを、ぜひ文字どおり早く指定していただきますように要望させていただいておきます。
激甚災害制度というのは、特別の助成を行うことが必要と認められる災害が発生した場合に激甚災害として指定する制度でございますけれども、そのためには災害を特定しなければならないということになるわけでありまして、今回の平成二十四年七月九州北部豪雨とはどの範囲、時間的な、また地理的な範囲で命名されたか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
気象庁では、大災害の経験や教訓を伝承するという観点と、円滑な災害対応に資するということから、これまでも、顕著な災害を起こした自然災害に、地震もそうでございますが、命名をしてきております。
例えば、豪雨の場合ですと、命名の基準につきましては、損壊家屋等一千棟程度、浸水家屋一万棟程度以上などを目安としてこれまでつけてきてございます。
今回の豪雨につきましては、七月十一日から十四日にかけての大雨によって、熊本県、大分県、福岡県を中心とする九州北部地方、これについては後で御説明をしますが、において大きな災害、さらには、大雨についても極めて顕著な分布であったということもございまして、平成二十四年七月九州北部豪雨と命名したところでございます。
なお、気象庁といたしましては、九州北部地方といいますのは、福岡県、佐賀県、大分県、熊本県、長崎県、さらには山口県を含むという形で発表してございまして、山口県の場合は中国ということが適当でございますので、例えば、九州北部(山口県を含む)といったような形で情報の発表はさせていただいています。これにつきましては、梅雨明けですとか梅雨入りとか、こういう気象情報の中で、九州北部というのは一般的にこういう呼び方をしてございます。
このような名前でございますが、これは天気予報に用いる用語ということで、地域も含めてかなりの数に上るということで、一般にも十分御理解いただく必要がありますので、これまでも、関係機関あるいは一般からインターネットを通じて御意見も伺いながら、例えば平成八年あるいは平成十九年に改定し、現在に至っている次第でございます。
今回の名称につきましても、これまで使っておりました天気予報等の用語で九州北部ということで使ってございますので、その地方名を付して豪雨の名前とした次第でございます。
以上でございます。
○古賀(敬)委員 そこで、大臣にお尋ねしたいんですけれども、今回の激甚指定の対象災害はどの発生災害を指すのか、明確にお答えいただければありがたいと思っております。
○中川国務大臣 この議論を聞いていて、なるほど、ちょっと誤解されやすいところがあるのかなというふうに感じました。
気象庁の命名というのは、どこに被害の中心というか大雨の中心があるかということを念頭に入れた名前のつけ方だというふうに思うんですが、それとは関係なく、実際の状況をトータルで判断して、我々の範囲を決めています。
今回の場合は、日本全国ということで激甚の対象になっていく。農業はもうそれでそのようになっていきますという話をさせていただきました。土木の方もそのように積み上げておりますが、なかなか基準の数字にはまだ達してきていないということでございます。
○古賀(敬)委員 今の大臣の御答弁で安心をいたしました。
と申しますのも、被災自治体においては、例えば大分県に限って言いますと、七月十四日、いろいろな資料に七月十一日以降の梅雨前線の停滞によるという文字が躍っておったものですから、七月三日に受けた、いわば一次被害には適用されないのではないかという自治体の首長さんたちの御心配を耳にしたものですから、そこで確かめたということでございます。それは、そういう心配は要らないということでよろしゅうございますか。
○中川国務大臣 期間については、梅雨前線が停滞していたところを全体取り上げていきたいということで、スタートが六月の八日ということで、梅雨が晴れるところまでということなので、今も実は実際には続いているということであります。
○古賀(敬)委員 よくわかりました。ありがとうございます。
次の質問に移りたいと思います。
今回の豪雨で、特に九州地方、鉄道沿線が広範囲にわたりまして被害を受けております。平成筑豊鉄道の田川線、それにJR九州の豊肥線、久大線、日田彦山線。豊肥線におきましては、現在でも、立野―豊後荻間四十二・九キロ、久大線は、うきは―日田間十七・六キロ、日田彦山線、添田―夜明間二十九・二キロが不通の状態でございます。
また、トンネルの崩壊等も起きておりまして、被災箇所が約二百カ所というふうに聞いております。
この復旧費用だけでも莫大な金額が恐らく必要になってくると思っておりますが、どれくらいの額になるかは政府としてはまだ把握はされていませんでしょうか。
○津川大臣政務官 鉄道事業者が今回の水害の中で受けた被害額につきましては、現在調査中でございます。
○古賀(敬)委員 いずれにいたしましても、JR九州の経営の根幹を揺るがしかねないような大規模な額になるのではないかなということが想像されます。
こういった大災害のときに、鉄道事業者に対してどのような救済方法が国としてあるのか、お教えください。
○津川大臣政務官 鉄道事業者が災害等で被災をした場合の支援のメニューでございますが、鉄道軌道整備法に基づきます災害復旧事業費の補助制度というものがございます。これは、まず、その災害の程度、災害の大きさあるいはその被害を受けた鉄軌道事業者の経営状況、こういったものを勘案して判断をするところでございます。
今委員からも御指摘をいただきましたとおり、特にJR九州につきましては大変大きな被害を今受けているところでございますので、国交省としては、JR豊肥線等、被害状況を踏まえつつ、このケースでいいますと、JR九州の経営状況というものを勘案しながら、どのような支援が可能かということについて検討してまいりたいと考えているところでございます。
○古賀(敬)委員 この事業に関して、補助対象事業者としての適格条項と申しますか、そういったものがあるのだろうと思いますので、それを教えてください。
○津川大臣政務官 基本的には、被災を受けた事業者の被災年度の前の三年、この間の営業損失もしくは経常欠損、または被災年度以降おおむね五年程度を超えて営業欠損もしくは経常欠損となることが確実であること、あるいは当該災害を受けた鉄軌道の収益のみによって当該災害復旧事業に要する費用の回収が困難なこと等々でございます。
○古賀(敬)委員 JR九州は、JR三島の中で唯一自己努力で黒字に転換をした会社でありまして、その最初の条項の、いわゆる赤字企業ではなくなっているのでありますけれども、それでも対象事業者となり得ますか。
○津川大臣政務官 今申し上げました条件をそのまま当てはめますと、確かに、平成二十三年度は全体事業での営業利益は黒字となっているところでございます。ただ一方で、鉄道事業につきましては二十三年度においても赤字でありますし、経営状況が万全となっているというふうには必ずしも国交省として受けとめているところではございません。
これはしっかりと検討をさせていただきながら、被害の状況もあわせて詳細に今後検討させていただきたいと思っているところでございます。
○古賀(敬)委員 ありがとうございます。
先ほどもお話がありましたが、まさに夏休み、JRとしては稼ぎどきでございまして、それでこういった大被害を受けていますので、営業収入等も恐らく今年度は大幅ダウンになる可能性もあります。ぜひともいろいろなことをしんしゃくしていただきまして、対象事業者となり得ますようにお取り計らいのほど、強く要望させていただきたいと思っております。
次に、東日本大震災のときもそうでしたが、大災害においては、瓦れきの処理が本当に復旧復興において重要な課題であるというふうに思っております。しかしながら、地方自治体におきましては財政が大変逼迫しておりまして、この処理費用を捻出するのに大変苦労をするんだろうというふうに想像しております。
そこで、環境省としてどのような制度でどのように対応されるのかをお聞かせください。
○谷津政府参考人 御説明申し上げます。
今回、九州北部豪雨によりまして大量の災害廃棄物が発生したということでございます。これにつきまして、市町村が事業主体となって生活環境保全上特に必要という観点から処理をするものにつきましては、私どもの災害等廃棄物処理事業費国庫補助金、この仕組みによりまして二分の一の補助を行うということでございます。
○古賀(敬)委員 環境省が二分の一、そして残り二分の一はどのようになるんでしょうか。
○米田政府参考人 お答えいたします。
先ほど環境省の方から御答弁ございましたように、二分の一の国庫補助で、残りの二分の一につきましては地方負担が出てまいるのでございますが、これにつきましては、その八割を特別交付税措置として講じているところでございます。
今後、関係府省、関係省庁との連携を図りながら、その財政運営に支障がないように努めてまいりたいと存じます。
○古賀(敬)委員 大変ありがたい制度があるわけでありますが、環境省、総務省以外でも、例えば河川の流木だとか道路の土砂だとか国交省関係、そしてまた農水省も、やはり農地の被災やなんかでそういった制度があるやに聞いておりますけれども、環境省、それを把握されておりますか。
○谷津政府参考人 東日本大震災を初め、これまでの災害の中でも、さまざまな形でこの廃棄物の処理がなされてございます。今回を考えましても、河川あるいは海岸、また港湾、こういったところに滞留あるいは漂着している流木等の処理が今後大きな課題になってまいるかと思います。
これらにつきましては、それぞれ観点が幾つかございますが、例えば、公物管理あるいは船舶の航行の確保、また漁業従事者の方々あるいは農業従事者の方々の支障があるのかないか、こういった観点から、それぞれ区域ごとの管理者が、例えば災害復旧工事の一環として、あるいは直接的な瓦れきの処理としてこういったものの処理を行う。環境省としては、全体をよく見ながら、すき間のない形で処理ができるように、地方自治体とともに一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
○古賀(敬)委員 いずれにいたしましても、現行の制度をフル活用していただきまして、地元自治体の負担をいかに軽くするかということを、知恵を絞って対応いただきますことを要望いたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○馬淵委員長 次に、石田三示君。
○石田(三)委員 国民の生活が第一・きづなの石田三示でございます。
過日の被災地の視察、私も同行させていただきまして、その中で感じたことをきょう御質問させていただきたいと思います。
時間も短いので早速に質問に入らせていただきますが、今回、被災地を視察した中で、堤防決壊等々あるわけでございますが、私は、橋との関係をちょっと考えてみたいなというふうに思ったんですね。
見ると、橋に流れついてきた材木とか、非常にひっかかっているということがあるんだろう。それから、被災地の地図を見せていただくと、橋の周辺に、結構住宅地に水が流れ込んだり、農地に流れ込んだというところが私は散見されるように地図を見せていただきました。私も農業をやっておりますので、水路等々も、ちょっと物が詰まると、ずっと水があふれてしまうということがあるわけですね。
そういった中であれだけの、一時間に百ミリという雨が三時間、四時間というふうに降ったときに、今回は九州ですけれども、日本じゅうどこでもあり得る災害だろうというふうに私は思います。関東北部であの雨が降ったときに、いわゆる川下はどのくらい出てくるんだろうかと、逆に非常に寒い思いを感じたところであります。
そういった中で、下流の川というのは結構つり橋だったりすると思うんですが、いわゆる上流の既存の橋と今回の決壊の関係、そういったところが原因であふれたというふうに考えられるようなところは今回どのくらいあったのか、ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
堤防決壊の要因につきましては、現在、流速、それから水位、さらには委員御指摘の橋の構造、こういったものも含めまして、さまざまな角度から調査等を実施しているところでございますが、橋の構造が原因となっているということについては、現時点では明らかになっておりません。
○石田(三)委員 私、現場を見せていただいて、あれだけ橋の橋脚にいろいろなものがひっかかっているという状況は、あの上流で水位が一メートルやそこら上がるのは当たり前の話なんですね。ですから、そのことが決壊の原因になっている、あるいは宅地に流出しているという状況は、私は安易に想像できるというふうに思います。そういったところをしっかり調査検討していただきたいというふうに思います。
今後、多分橋のかけかえというのは非常にお金のかかることでありますし、橋の設置の基準というのは、私は、そういったことも勘案しながら設計がされているんだというふうに思いますが、できるだけそういった抵抗物のないような設計がこれから求められるのではないかなというふうに思います。
ですから、そういったことを踏まえて、設計をされている状況をちょっとお伺いしたいというふうに思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
河川にかかる橋梁の構造につきましては、洪水の流下を阻害しないということが重要でございます。このため、河川管理施設等構造令におきまして技術的基準が規定されておりまして、これにのっとって橋梁等は整備されているところでございます。
○石田(三)委員 それは、今回の、ああいった大木があそこに突っかかるというようなことも踏まえて検討されているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○山崎政府参考人 現在の構造令の基準によりますと、橋脚をつくるときに、径間長という径と径との間の長さがございますけれども、これの基準というのは最低でも二十メートル。それに、計画高水流量に応じましてどのスパンを長くするというふうな基準が今決められておりまして、そういったことをきちんとやっていけば、流木等がひっかからないようには、基本的には、そういった基準も含めて、基準は規定されているということでございます。
○石田(三)委員 実際問題ひっかかっているわけですので、その辺はしっかり検討していただいて、できるだけそういったことがないように、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。
それでは、もう一つ質問させていただきたいと思うんですが、今回、東日本大震災のときも踏まえて、ボランティアの皆さんに大変お世話になってきたんだというふうに思いますが、今回の大雨の被害について、ボランティアの活動状況はいかがだったのか、お伺いをしたいと思います。
○西藤政府参考人 お答えいたします。
七月上旬から続きました九州地方の大雨を受けまして、被災地の社会福祉協議会によって災害ボランティアセンターが設置されております。
昨日七月二十四日現在、これまでに設置されました災害ボランティアセンターは、福岡県で柳川市など七カ所、大分県で竹田市など三カ所、熊本県では熊本市など三カ所となっております。
ボランティアの活動状況につきましては、昨日までに把握しているところでは、福岡県で延べ約三千三百人、大分県で延べ約七千四百人、熊本県で延べ約一万人、合わせまして延べ二万一千人の方々が、ごみなどの屋外への運び出しでありますとか敷地内の泥のかき出し作業、あるいは室内の清掃、泥落とし作業などのボランティア活動をされているところでございます。
○石田(三)委員 たくさんの方がボランティアに参加をしていただいて、これは非常にありがたいことだなというふうに思います。
また、日本のよさというのは、私は、自助、共助、公助の中の共助だというふうに思っています。今回視察をさせていただいたところで、高校生のサッカー部の子供たちがボランティアをしておりました。大変元気に挨拶もしていただきましたし、地域の人たちは、それによって大変元気づけられているというようなところも私は感じさせていただきました。
高校生とか若い人たち、特に高校生、あるいは大学生もあれなんですが、そういったボランティア活動をすることに対して、私は、ある程度一定の評価をしていくべきではないかな、そういった中で、社会の共助の部分を育てていくということが非常に大切なんだろうというふうに思います。
そういったことの中で、文科省にちょっとお伺いをしたいんですが、そういったことへの評価、あるいは、それをもっと進めていこうというところの部分でどういった施策がされているか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○関(靖)政府参考人 高校生が、ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うことは、大変重要であると考えております。新しい学習指導要領におきましては、総合的な学習の時間や特別活動の時間の中で、ボランティア活動などの体験的な活動を積極的に取り入れるようにしているところでございます。
また、学校の内外におきますボランティア活動など社会奉仕体験活動等につきましては、生徒の指導の記録でございます指導要録に記述をいたしまして、学校での指導や、また入試や就職などの外部に対する証明などに役立たせるようにしております。さらに、学校での活動以外に、学校以外の場におきますボランティア活動につきましては、各学校長の判断によりまして、高等学校の単位として認定することが可能となっているところでございます。
ボランティア活動を行った高校生について応援する取り組みといたしまして、地方自治体が他の模範となる高校生のボランティア活動を表彰し意欲の高揚を図っている例でございますとか、また、PTAや青少年団体、民間企業など、民間団体におきます表彰状の授与なども行われていると承知をしておりまして、文部科学省としましては、申請に応じて、後援や文部科学大臣賞の交付といったことも行っているところでございます。
○石田(三)委員 ありがとうございます。
ぜひそういったことを積極的に進めていただいて、やはり日本のよさ、共助の部分、本当にここが日本のよさだというふうに私は思いますので、そういったことを子供たちの段階からしっかり植えつけていくということが非常に大切だというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○馬淵委員長 次に、江田康幸君。
きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。委員長を初め理事の皆様にお礼を申し上げたいと思います。
そして、今般の豪雨災害によって亡くなられた方々、また被災をされた方々に対しまして、心からお悔やみを申し上げ、またお見舞いを申し上げたいと思います。
今回の豪雨は九州全域に甚大な被害をもたらしたわけでございますが、先ほど質問された坂本先生の地元の阿蘇も大変な被害でしたが、私どもの大分県におきましても、二度の豪雨によりまして県下全域に被害が広がったと言っても過言ではないと思います。特に、日田市、竹田市、豊後大野市、そして、私のちょうど地元になるわけですけれども、耶馬溪を中心とする中津市。本当に、今まで経験したことのないような集中豪雨によって、地域の古老の方々もこれほどのことは今まで長く生きてきたけれどもなかったと言うほどの被害が発生をしております。
私ども自民党の調査団も、一回目の豪雨の直後に現地に入りまして、その結果を大臣に御報告に上がらせていただきました。大臣もできるだけ早く行きたいというお話でございましたけれども、二回目の被害の直後になったと思うんですけれども、まさに生々しい現場を見ていただいたと思います。大臣の迅速な対応を私は評価したいと思うし、感謝申し上げておりますが、率直に、現場を見られて大臣はどういう感想を持たれたか、まず聞かせてください。
○中川国務大臣 中津市には二回目だったんですが、ちょうど一回目に入ったときにまだ雨が降っておりまして、時間にしたら四十ミリから五十ミリということなんですが、それでもすごい雨だと感じましたけれども、百ミリというのはそれこそ想像を絶する雨だったんだなということを改めて実感いたしました。
さらに、二回目には中津の方にもお邪魔したんですが、一回目がやっと片づいて、なえた心が何とか起き上がってきたというところに、また改めて、本当に前よりもひどい形で冠水をした、あるいは浸水をして流された、そんなことでありましたので、本当に住民の皆さんにとって、いろいろお話もさせていただいたんですが、やるせない思いであったというふうに思っております。
改めて、心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。
平時とは異なるということでありますので、復旧に対して手続を、余り平時のいろいろなことは言うな、それは後でちゃんとするという前提の中で工事に入ってもらっていいですよ、そういうメッセージをそれぞれ地方自治体の担当者の皆さんにもしっかりとお話をしてまいったつもりでありますので、市長さんや知事、県の担当者を初め、ぜひ早急に、迅速に発注して頑張っていただきたいというふうに一つは思っております。
それからもう一つは、ここでも先ほどから御指摘がありましたけれども、ボランティアの皆さんが現地に入っておられるんですけれども、過疎化あるいは老齢化でそうした対応がなかなか進んでいないもっと多くの地域があるというふうにもお聞きをしておりまして、これは息の長い形でやっていくと同時に、広域的なボランティアに対しての呼びかけといいますか、そういうものも国としてやっていくようにということで、これも指示をしたところであります。
何せ息の長い話になると思いますので、そのような下支えを、我々もこれからもシステムとして考えていきたいというふうに思っています。
それから、中津では特に、日ごろからの訓練が非常に行き届いていて、その結果、速やかに住民が避難できたということを改めてお聞きしまして、その状況もつかませていただきましたけれども、これは非常に大事なことであるということ。それと、継続的な訓練のあり方というのを非常に参考にさせていただいて、また、モデルとして皆さんにも説明をしていきたいというふうに思っております。
最後に、阿蘇など、先ほどお話が出ましたが、たくさんの犠牲者が出ました。ほとんどが山崩れ、土砂災害なんですね。そのときに、先ほど御指摘もありましたが、避難の対応というのが夜中であったということ、それから、警報が本当に行き届いていたかどうか、多重化できていたかどうか、消防団の必死の活動も恐らくあったんだろうと思うんですが、それにもかかわらず犠牲が出たということ、ここについては、やはり改めて検証をして、避難が迅速にできる、あるいは、その地域として一つの問題意識を持ちながらそれに対応していくというような体制をつくっていく必要があるというふうに思っております。
そんなことを検証しながら、これからも制度を見直していく、あるいは、それぞれ地方自治体との連携をとってその地域でしっかり対応ができるような体制をつくっていくということで、頑張っていきたいと思います。
○岩屋委員 やはり災害というのは、政府の指揮官が一刻も早く現場を見る、見ていただくということが一番大事だと思いますね。そういう意味で、生々しい被災直後の状況を大臣が見ていただいたということは、私は非常に意義があったと思います。
地域の皆さんも生活がありますから、やはりすぐに片づけにかからなきゃいかぬ。一週間も二週間もたてば、写真だけは残っているけれども、一体、当時はどういう状況だったのか、これがきちんと把握できないと適切な対応につながっていかないと思います。
悲しいかな、我が日本列島は災害列島ですよね。だから、これから先も、いつ何どきどういう災害が発生するかわかりませんが、大臣におかれては、一刻も早く現場を見るということをこれからもぜひ心がけていただきたいと思います。
野田総理も現場に入っていただきました。大分県にお見えになった際に、激甚災害の指定を急ぎたいというふうに表明していただいたことも、地域にとっては本当に心強いことでございました。
しかし、この激甚災害指定ですが、従来の積み上げ方式でいったのでは、いつのことになるやらわからない。国のバックアップが早目に表明されなければ、県も市町村も安心して作業に取りかかることができないということでもございます。
また、先ほど坂本委員の質問にもありましたが、数次にわたる災害が重なっておりますので、一体、いつごろにどういうやり方でこの激甚災害指定をおやりになるおつもりか。
質問が重複いたしますけれども、重ねて、政府の今の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○後藤副大臣 私も、七月三日の大雨直後の三日目の六日の日に大分、日田市と福岡県朝倉市に行って、その二度目の災害のときに、二十日、先週の金曜日でありますけれども、総理に同行しまして、阿蘇、熊本、大分、そして福岡という三カ所を集中的に視察させていただきました。
特に感じたことは、先生の御地元のお隣の日田市には二度行って、二度の比較をして一番強く印象に残ったのは、一級河川である花月川が、一次のときには、下流の方がやはり堤防が決壊をして、大きな被害を受けたと。二回目のときには、この上流の方で四時間の四百ミリ以上の集中豪雨が集中して、十メートル近い堤防、ぎりぎりのものが四時間近くもったんですが、四時間たったときに決壊をして、また大きな被害を受けたと。
いろいろなお話を聞きながら、やはりできるだけ、先ほどから大臣がお話をしているように、今回の大雨というのは、梅雨前線という形で、六月八日から梅雨前線が停滞をしながら大雨をもたらしているということで、六月八日以降、まだ梅雨が明けておりませんから、期間としたら、梅雨全体が明けるまでという一つの期間を持ちながら、そして、先生がおっしゃるように、私も、一番初めの七月の六日の日に、できるだけ激甚災害に向けて国としても努力をするので、査定に向けたいろいろな協力をお願いしたいと、県、市町村にもお願いをいたしました。
その際に、やはり人的に、先ほども大臣が繰り返しお話をされているように、まず応急復旧ということを、人命を助けるということに、市町村、基礎自治体の方々、職員の方は特にそこに集中をしたということで、なかなか災害査定が進んでいないという現状があると思います。
そういう意味で、二十日の日に総理と御同行した際に、農地等の部分につきましては、まず、全国的に激甚に見込めるという、これは積み上げということでありますけれども、指定をさせていただくめどがついたという指示を関係省庁に出したということで、それ以降、今やっているのは、特に公共事業の激甚ということが大きな課題の一つだというふうに思っています。
これは、昨年のあの東日本大震災の際にも、早期の復旧復興の支援ということで、いわゆる平面図をたくさん積み上げてというこの作業を、設計図面の大幅な簡素化ということで、平面図面を航空写真で代用するとか、計画図を標準断面図で作成するとか、そこで迅速にして査定を早くするということにしていきたいというふうに思っています。
あわせて、今まで国交省の方では、九州整備局を中心に、前半の大雨と後半の大雨、大分、熊本、福岡、それぞれ集中的でありますけれども、七月四日から二十四日までの間に延べ五百五十六人の職員を、被害状況の調査と復興方針の技術的支援ということで人的には対応をさせてもらっておりますし、あわせて農水省の方でも、水土里災害派遣隊ということで、七月の六日から二十日の日まで、これはほとんど日帰りということで少なくなっていますが、延べ十四人。国交省の方では延べで五百五十六人という形での人的なサポートも行っているところでございます。
いずれにしましても、このような査定事務の簡素化等をできるだけ行いながら、国の方でも、人的支援を通じまして、早期に復旧事業に取り組んでいけるように対応を進めていきたいというふうに考えております。
○岩屋委員 かなりいい意味の政治的判断をしていただいて、手続をできるだけ簡素化していくとか、今、副大臣からお話があったように、人的なサポートも行っているということでしたが、特に人的なサポート体制を充実していただきたいと思うんですよ。
大分県は、全国でも一番と言っていいぐらい、真面目に合併をやったところなんですね。だから、耶馬溪とか本耶馬溪とか山国というのは、この間までは一つの自治体を構成していたわけですが、中津市と合併をしたということで、昔の役場は全部支所になっていて、当然その職員もどんどん計画的に減らしていくということをやってきておりますので、現場の職員の皆さんも手いっぱいですよね。
だから、大方、見込みで激甚災害を指定いただいても、もちろん、血税を投入することですから、査定はしっかりしなくちゃいかぬ。その査定がやはりできるだけスピードアップできるように、これからもしっかり国からの人的サポートをよろしくお願いしておきたいと思います。
それから、被災者生活再建支援法についてでございます。
これは、私も不勉強で詳細の仕組みをついこの間まで存じ上げなかったんですけれども、いざ地元で災害が起こってみて調べてみると、かなり事細かに基準が決められているという仕組みなんですね。わからないではありません。やはり当該市町村の体力に応じて、体力が乏しいと判断されれば県の連合や国が応援してあげようということですから、同じような被害が発生しておっても、すぐに適用になるところと適用にならないところが出てくる。これはわかるんですけれども、ただ、当該地域の皆さんにしてみると、同じ被災をしたのに何で隣町は適用になって俺たちのところはそうじゃないのかという不満だとか不安だとかいうものが出てきたこともやはり事実でございます。
今般については、特に柔軟な対応が、柔軟な適用が必要なのではないか、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○郡大臣政務官 お答えをいたします。
岩屋先生御指摘のように、被災者生活再建支援法の趣旨というのは、被災した市町村ですとか都道府県だけでは対応ができない、困難な、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助、そしてまた国の財政支援により対応しようというものでございます。
規模の小さな災害に対する対策は、被災地方公共団体において対応することが可能でありまして、当該地方公共団体による対応が期待されるとの、むしろその方がいいのではないかというような考えを前提としているものでございます。
こうした制度におきましては、今の御指摘もございましたけれども、それぞれの地方公共団体の対応で、同じような被害を受けた被災者でも、見舞金的性格を有する支援金を受け取ることのできる人と受け取れない人、そういうふうな差が出てくるというのも事実なんだろうと思います。こうした問題につきましては、不公平の問題というふうに捉えるということもある一方で、それぞれ地方の自主性の領域の問題というふうな捉え方もあるというふうにも考えているところです。
なお、お尋ねの例で申し上げれば、支援法の適用対象とならない、都道府県の相互扶助の対象とならないところですけれども、そういう場合、都道府県が自主的に支援法と同水準の支援金等を被災者の方々に支給した場合には、この支給額の二分の一を特別交付税措置をさせていただいております。
いずれにいたしましても、さまざまな観点から総合的にじっくりと対応していかなくちゃいけない、検討していかなきゃいけない課題の一つであろうという問題意識を持っているところでして、知事会の方々も含めて、さまざまな関係の方々の意見もお聞かせいただきたいというふうに考えているところでございます。
○岩屋委員 具体的に申し上げると、今般、大分県でいえば、日田市と竹田市は直ちに適用になったんですね。市街地を流れる川が氾濫しているので、住宅密集地を流れる川が氾濫したので、被害戸数は当然多くなるわけですが、私どもの中津耶馬溪地方というのは、どっちかというと中山間地帯を流れる川が氾濫をしているので、もともと戸数そのものが少ないということもあったわけですね。
支援法の仕組みを見ると、人口十万人以上だったらどうだ、以下だったらどうだ、床上浸水は三戸あれば全壊一戸にみなすんだみたいな規定がずっとあって、それは数が足らなきゃ適用にならないんだみたいなことで、現地では、これはどうしても数が足らない、もう一回全職員歩いて回って、もっと被害があったはずだ、数えて回れみたいな騒動になっておったわけですね。だから私は、ちょっとこの仕組み、今回の教訓も踏まえて、見直していってはどうかと。
それから、今、県によっては同様の措置がとれるように準備しているところもあるというお話でしたが、ない県もあるんだろうと思うんですね。だから、全国的にほぼ同様の対応がこの種の被害においてはとれるんだという仕組みにやはりしておく必要があると思うんですけれども、制度を見直す、あるいは知事会とももう一回よく相談をする、そういうおつもりはございますか。
○中川国務大臣 じっくり相談を始めています。
ちょうど竜巻があったときも同じような問題が出てきまして、県によっては条例化しているところとそうでないところが出てきまして、ちょっと困ったんですが、対応は、あと条例化していない県が予算措置でそれに対応したということであります。
今の制度でいけば、県がそうした準備をしておっていただく、その上にこの支援法が、広域的に大きな被害があったときに互助会的な組織としてかぶさっていく、こういう前提になっています。しかし、被災者にとっては、そんなことはわからないですから、さっきのようなお話が出てくるんだと思うので、それをしっかり理解できるような制度に変えていくにはどうしたらいいかということ、知事会と協議しながら考えていきたいというふうに思います。
○岩屋委員 大臣、ぜひその協議を続けていただいて、より国民の皆様にわかりやすい、納得していただける仕組みに変えていっていただきたい。災害に与党も野党もないので、私どもも全面的に協力をさせていただきたいと思います。
それから、農林水産業、たくさんの被害が出ておりますし、中小零細企業にも出ております。耶馬溪の地域の皆さんが店を出し合ってつくっている小さな商店街なんというのは、二度にわたって被害に遭って、せっかく泥を全部掃き出して、商品を全部並べかえたところにまた泥が入ったということで、二回目に私が行ったときは、ちょっと声をかけるのも何か申しわけないなというぐらいの感じでした。
こういう方々の事業再開支援についても、しっかり国として対応していただきたいと思いますが、農林水産業に関しては、天災融資法の発動をやっていただきたいと思うし、また、政府系金融機関等によって、中小零細企業者の事業再開もしっかり支援していただきたいと思いますが、どういう対応をとっていただけますでしょうか。
○佐々木副大臣 被災を受けられた地域の皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
九州地方、今、農林水産省で、七月十八日現在ですが、約一万二千カ所、約百三十億円の被害というふうに我々はまとめているところでございます。
今お尋ねの資金繰りの関係でございますが、天災融資法の発動を待たずして、農林漁業セーフティーネット資金という長期低利の資金がございますので、それの利用が可能でございますので、ぜひ御利用いただきたいというふうに思ってございます。
今お尋ねの天災融資法に基づく資金でございますが、実は、それに比べて、このセーフティーネット資金の方が、償還期限あるいは資金の使途などの面で有利でございます。さらに、借入も迅速にできるというようなことがございますので、ぜひ先生の方からも地元の皆さん方にお伝えをいただきたいというふうに思っているところでございます。
制度が、セーフティーネット資金の方が後からできているものですから、天災融資法を待たずしてこれが使えるということでありますので、直ちにこのセーフティーネット資金の円滑な供給ができるように、あるいはまた、既往の貸付金の償還猶予などについて農水省から依頼を申し上げているところでございます。
以上でございます。
○柳澤副大臣 お答えさせていただきます。
経済産業省としましては、今般のこの豪雨災害による大分県、福岡県、熊本県の被災中小企業に対する政府系の金融機関による支援としましては、別枠の融資制度、いわゆる災害復旧貸し付けの適用、それから、既往債務の返済条件の緩和等の措置は既にとらせていただいております。
現在、政府系金融機関の各支店では特別相談窓口も設置しまして、あるいは中小企業団体のところも含めて、相談窓口は七十一カ所になります。そこで、被災中小企業からの事業再建等に係る資金繰りの相談をきめ細かくさせていただきたいというふうに思っております。
これからも、被災中小企業の実情に応じて柔軟に対応させていただいて、できるだけ早期復旧に経産省挙げて御支援をさせていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○岩屋委員 ありがとうございます。
しっかりお取り組みを願いたいと思います。私も、地元の皆さんに今の御答弁の内容をしっかりお伝えしてまいりたいと思います。
時間がなくなってまいりましたので、ダムについて、二件お伺いしたいと思うんです。
山国川は、ダムがありながら、二回にわたって氾濫をしてしまったわけですね。地域の皆さんの気持ちからすると、ダムをつくってくれているのに、しかも、最近、気象庁がかなり正確な予報をしてくれていたにもかかわらず、二回も氾濫した、やはりダムの水量調整というのは本当に適切だったんだろうかという思いを抱いても不思議ではないと私は思うんですね。
だから、私は、今回、本当に適切な調整ができておったのかどうか、しっかり分析する必要があると思っているんですけれども、この点については、国交省はどういうふうに分析をしておられますか。
○津川大臣政務官 お答えをいたします。
耶馬溪ダムの水量調整について御質問をいただきました。
私どもも、被災地の皆様方からそういった思いをお聞かせいただいているところでございますが、実際の現場での水量調整につきましては、現段階、私どもとしては、河川整備基本方針に基づきます計画にのっとった形で適切に対応されたものというふうに考えております。
ただ一方で、被災者の方々の思い、特に二度も水につかるといった大変な御苦労をされている方々に対しまして、私どもとしても、まず、河川全体の基本方針を含め、いかにして治水安全度を高めていくかということ、それから、地域の方々に御協力、御理解をいただき、整備を進めてまいりましたダムの調整のあり方につきましても、しっかりと、被災者の皆様方、地域の皆様方に丁寧に御説明をさせていただきたいと考えているところでございます。
○岩屋委員 今回は、適切な水量調整をしたにもかかわらず、その想定をもはるかに超える豪雨であったというふうに私は理解をしておりますけれども、やはり、地域住民の皆さんが、そういうダムの水量調整の仕組み、やり方について、十分に理解をしていただけるように、これからも、これは大分県のダムだけではない、全国のダムにおいて、国交省はしっかり努力をしていただきたいと思います。
一方、ダムがなくて氾濫をしてしまったというのが竹田市でございまして、お手元に資料を配っていると思います。大臣、この前にもそういう質問が出たと思いますが、玉来川ですね。
これは、私は民主党だけのせいにするつもりはありません。もう随分前に同種の被害が起きたにもかかわらず、自民党政権時代も、結果としてはきちんと対応できなかったわけですね。しかし、そこで民主党政権に交代して、ダムに対する政策、あるいは治水に関する予算などを大幅に見直すことに至った。そこにこの災害が襲ったということですから、お互いの反省に基づいて、これは抜本的な対応をしていかなくちゃいかぬと思うんですね。
この豪雨は何十年に一回と言っていますが、本当にそうかどうかわかりません。来年もまた同じことが起こるかもわかりません。同じような被害がもう一回起こったら、国は一体何をしていたんだということになると私は思います。
ぜひ、玉来川、ダムについては、整備推進という方向にかじを切っていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○津川大臣政務官 玉来川でございますが、平成二年の七月に発生をいたしました豊肥大水害を受けまして、大分県が事業主体として、平成三年にダムの建設事業に着手をしたものでございます。
まず、国土交通省といたしましても、全国の治水安全度を高めるということについては待ったなしであって、一刻も早くその事業を進めていかなければならないと基本的に考えております。
一方で、治水事業そのものは、言ってみれば、全国、上限がないものでございますが、その中で、基本方針あるいは整備計画、そういったものに従いまして、順次、治水安全度を高めるということを進めております。
そのペースを決めるものは幾つもございますが、用地の確保といったものもございますが、一つの大きな要素が財政制約でございます。その中で、私どもとしては、これは補助ダムでございますが、ダム事業につきまして検証というものを行わせていただき、現在、三十数ダムについて検証を終わらせていただいているところでございます。その中で本当に必要なものについては、ぜひダム事業として速やかに整備をしていきたい。
現在、検証が済んだ中でも三分の一程度につきましては、ダム以外の手法の方がよりすぐれている、そういった結果を出していただいているところでございますので、その他の手法を使いながら、速やかに治水安全度を高めるということを進めているところでございます。
この玉来ダムにつきましては、昨年の十月に検証を終了しておりまして、補助交付を継続するという方針を国として決定しているところでございますので、事業主体であります大分県にもしっかりと補助を出させていただきながら、速やかな整備を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○岩屋委員 速やかな整備に向けて、国としてしっかり支援をお願いしたいと思います。
ちょっと質問が残りましたが、時間が参りましたので、政府、与野党、一体となって、一日も早い復旧復興のために努力をしていきたいというふうに思いますので、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
終わります。
○馬淵委員長 次に、木村太郎君。
○木村(太)委員 午前中の最後ですので、大臣、皆さん、お疲れさまですが、よろしくどうぞ。
まず、九州地方の豪雨によって被災された皆様方、お亡くなりになった方々にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
九州地方の豪雨被害とは全く規模は違うわけですが、私の地元で竜巻も発生しまして、さらに局地的豪雨という被害が出てまいりました。
そこで、以下質問していきたいと思いますが、まず、竜巻に関してなんですが、五月にも茨城、栃木で発生しまして、七月五日、今度は私の地元で竜巻が発生し、住宅家屋、あるいはまた、主産業であるリンゴもかなりの被害を受けております。
七月十一日、我が党の九州の豪雨の申し入れの際に、中川大臣に、私は今、自民党の青森県連の会長もやっていますので、県連としての要望もさせていただいて、大臣はしっかり頑張りますというお話をしてくれました。ただ、その後私は質問主意書を出しまして、きのう返ってきた内容を見ると、まことに冷たい内容だな、こう感じたものですから、以下質問させていただきたいと思います。
先ほど岩屋委員と皆さんとのやりとりにもありましたが、竜巻によって住宅の被害を受けた皆さんの一番の願いは、やはり住宅の復旧をしてもとの生活に早く戻りたい、そのために、お話があった被災者生活再建支援法に基づく制度を何とか適用できないかということなんですね。しかし、先ほど岩屋委員も指摘しておりましたが、ある程度の全壊の戸数がなければならないとか、いろいろな条件があるわけであります。ただ、どうなんでしょうか、九州のこういう豪雨もそうですが、竜巻というのは局地的でありますし、また雨だって、今、ゲリラ豪雨という言葉が当たり前になって局地的に降るわけですから、実態に即した見直しをすべきであるというふうに思っております。
ちなみに、同じ選挙区であります国土交通政務官も視察されて、地元紙に答えているんですが、住宅については内閣府の被災者生活再建支援制度があるので、できる限りの応援をしたい、こう言っておりますから、地元の市長も被災者も、ああ、これは何とかなるんだな、現場ではそう思っているわけであります。
先ほどの答弁ですと、制度の適用の見直しをこれからするというようなことを言っておりますが、見直しをしなければ適用はならないわけですけれども、特例的にもこれはやってくれるんだな、政府高官のお話を聞いて地元ではそう思っています。どうですか、大臣。
○中川国務大臣 竜巻を契機にしまして、この支援法の運用についてはさまざまに議論をいただいております。御指摘のように、狭い範囲なんだけれども、一人一人の被災者にとっては、激甚といいますか非常に災害のレベルが高い、そういうことに対して支援法をどう適用するかということだと思うんですね。
これは、阪神・淡路の大震災を受けて、この支援法の枠組みをつくってきたわけですが、あのときからさまざまな議論があって、特に、個人に対して財政的にというか税で支援していくということに対してのかたい抵抗があったものを突き破ってこれをつくったんだと思うんですね。
それだけに、互助会的に、県を中心にして、県の方も支出をしていただいて、国の方も半分寄って基金をつくって、それで、互助会で、それぞれの個別の自治体で賄っていけないような範囲の広い歳出レベルの高いものについてこれを適用していこうという前提で組んだということなんですが、その前提は、では、今回のように個々で甚大な被害が起こったものにはどうするんだということになると思うんです。
それは、恐らくこの法律の想定しているのは、それぞれの県がみずからの制度の中で条例化して、そこの個別の部分については見ていくということが前提だと思うんですが、なかなか県も、それをやってくれている県とそうでない県とがありまして、向こうはやっているじゃないかというような、茨城と栃木でそういう話があったんですが、それは予算措置を慌ててやっていただいて、竜巻では、全部を賄えるというかカバーできるような形になりました。
青森、御地元も、そうした前提でいくと、この法の趣旨からいくと、県が頑張ってもらわなきゃいけないということになるんですね、今のところは。しかし、こんなことを毎回毎回繰り返していてはということで、ちょっと知事会と話し合いを今始めておりまして、その誤解がないようにということと、この趣旨をどういうふうに持っていくかということを含めてしっかり検討していきたいと思います。
また、仕組みとしてどうつくっていくかというのを、知恵をおかりできればというふうに思っていますので、そんなことも含めてこれからの議論ということになってまいります。
○木村(太)委員 私は、県政与党ですから、県の方にも申し上げておりますので。しかし、国全体としても知事会とも連携していただきたい。
ただ、大変恐縮なんですが、被災者にしてみればきょうあすの生活なわけですから、検討するということでなくて、やはり今、国として何ができるかということを最大限考えていただいて、県や市とも連携して取り組んでいただきたい。
全壊が何戸以上なきゃいけない、半壊がどうだとかありますけれども、全壊、半壊、一部破損みたいな区分けも、同じ半壊でも明らかに違いがあるじゃないか、現場を見てもそう感じるんですね。そういうところからも、一度見直しをしなきゃいけないんじゃないかなというふうに感じておりますので、ただ、今困っている被災者をぜひ助けていただきたい。お願いしたいと思います。
リンゴに関しても被害が出ておりますので、農水省、どのような対応をしますか。
○今井政府参考人 竜巻によるリンゴ被害につきましてお答え申し上げます。
七月に青森県で発生しましたリンゴの竜巻被害につきましては、弘前市におきまして、枝折れが六十四本、倒伏が百四本という被害報告を受けております。農林水産省といたしましては、こうした枝折れや倒伏等の被害につきまして、ことしの春先の大雪による被害対策と同様に、被害果実の植えかえ、あるいは、これにより生ずる未収益期間の支援等により復旧を支援していくという考え方でございます。
○木村(太)委員 のこぎりで切ったんじゃなくて、本当に鋭い日本刀で切ったような折れ方をしておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
私の方でも、九州ほどではありませんが、局地的な豪雨が発生しましてかなりの被害が出ております。地元に、国直轄の一級河川三本が合流する地域が、リンゴ園地が泥をかぶっちゃって大変な被害であるんですが、現場を見ますと、やはり、土手のかさ上げをちゃんとしたところとそうでないところがはっきりしております。国交省もいろいろやってくれているんですが、抜本的な河川の改修に至っていないというのが、地元の地域の皆さんの率直な思いなんですね。
ですので、河川の整備計画というものを根本的に見直してきちっと災害に対応していく、このことが今一番大事だと思うんですが、河川の整備計画の見直しというのが余りされていないような気がするんですが、国交省、どうでしょうか。
○関(克)政府参考人 お答えを申し上げます。
先生御指摘のように、ことしの七月十六日も、岩木川の中流部で、河川敷にあるリンゴ園において冠水被害が発生したところでございます。
私ども、御案内のように、この岩木川の河川改修については、まだ堤防のないところもございます、こういったところ、それから、水が流れるところを掘削し、少しでも治水安全度の向上を図っているところでございます。
また、特にリンゴ園の冠水につきましては、農業団体を初めとする関係機関の皆様方と連携し、川を掘る、そしてその土を、今先生御指摘のように、管理用通路として堤防のような盛り土にすることによって冠水被害の軽減を図るとともに、現在、この岩木川上流では津軽ダムを建設してございます。これが平成二十年より本体工事に着手しておりまして、現在、二十八年度の完成を目標にしてございます。こういったことをまずは進めることによりまして、リンゴ園の冠水頻度を減らしていくということに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
その上で、御指摘のように、被害の状況あるいは岩木川の治水安全度の状況、こういったものを十分検討する中で、御指摘の河川整備計画の見直しの必要性、こういったものについても検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○木村(太)委員 整備計画の見直しは検討をするということなんですか。見直しをするんですか、しないんですか。
○関(克)政府参考人 現時点では、まず、対策を今進めております、そういったものの進捗を図ると同時に、この岩木川全体の安全度をどうしていくかということをよく検討した上で、整備計画の見直しをする必要があるのかどうかということも踏まえて次に進んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○木村(太)委員 時間が参りましたので、九州の皆さん、大変ですので、そちらが主ということになりますが、一義的には現場でやはり市町村が対応していますので、私の地元の方にも財政的な支援を総務省もお願いしたいと要望を申し上げて、終わります。
ありがとうございました。
○馬淵委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時十八分休憩
――――◇―――――
午後一時一分開議
○馬淵委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。福嶋健一郎君。
○福嶋(健)委員 国民の生活が第一の福嶋健一郎でございます。
冒頭、質問に入ります前に、本委員会、一時からきちんとスタートをしていただきたいというふうに思っております。非常に大事な委員会でございます。特に私は地元でございますので、いいかげんな気持ちで臨まれても困る、そういうふうな思いでございますので、ぜひ定刻にスタートするようによろしくお願いを申し上げます。
まず冒頭、この九州北部豪雨におきまして、大勢の皆様方がお亡くなりになられました。心からお悔やみを申し上げますとともに、また、たくさんの方が被災をされました。心よりお見舞いを申し上げるところでございます。
私の地元熊本県でも、今現在、お亡くなりになられた方が二十三名、そして行方がまだ判明されていない方が二名、床上、床下浸水が三千六百戸超という大きな被害状況となっておるところでございます。
このような中で、熊本でも、最前線で災害救助あるいは生活再建支援に当たられている陸上自衛隊の皆さん、あるいは熊本県警察の皆さん、消防の皆さん、そして地元の自治体の皆さん、ボランティアの皆さん、献身的に活動されておられます。心から敬意を表するところでございます。
また、午前中の質疑にもございましたけれども、国内外からたくさんのお見舞いやお励ましをいただきました。台湾からも、きのう、熊本県の東京事務所にお励ましをいただいたということでございます。心から感謝をしているところでございます。
また、七月十八日に本委員会で、熊本県被災状況、現場を調査されました。私も、現地の参加議員ということで参加をさせていただきました。この場をおかりいたしまして、馬淵委員長を初め皆様方に心から感謝を申し上げます。
我々国民の生活が第一でも、七月の十一日が党の結党でございました。七月十二日には熊本では現地の対応の体制をしいて、自治体の皆様方からの情報収集、あるいは実際に被災をされた皆様方からの御要望というものを酌み上げているところでございます。
きょうは幾つか質問させていただきますけれども、通告に対して、場合によっては全部質問できないかもしれませんけれども、そこは御容赦をいただきたいというふうに思っているところでございます。
まず、中川大臣にお伺いをします。
大臣は、七月十三日金曜日、まさに豪雨の中に熊本に調査に来られました。ちょうど熊本市の龍田陳内という白川が蛇行したところとか、あとは阿蘇の坂梨地区、一番土砂災害が多かった先を、午前中の岩屋委員のお言葉をおかりすれば、まさに生々しい現場を調査されて、意見交換も含めると五時間超の長い時間、熊本に滞在していただいて、情報収集に腐心をしていただきました。本当に感謝を申し上げます。
大臣の目からごらんになられて、この九州北部豪雨の率直な感想、そして、特に先ほど申し上げました自衛隊、大臣が来られたときももう自衛隊、警察、消防、全部動いていますけれども、彼らに対する評価、感想も含めて、この九州北部豪雨について一言御所見をお願いします。
○中川国務大臣 私も現地に入らせていただいて、特に阿蘇地域の山崩れを中心に多くの犠牲者を出してしまったということ、これがまず残念でなりません。
先ほどのお話のように、自衛隊初め地域の消防団の皆さんあるいは地域住民の皆さんが、救援活動あるいは行方不明者の捜索に本当に全てをなげうって当たっておられた姿というものに対して、改めて感銘を受けた次第であります。
その上に立って、いろいろ反省をすることもあります。
ちょうど、行ったとき、雨がやはり降っておりまして、私の肌感覚ではこれはすごい雨だなという感じだったんですが、そのときの専門家の話では、それでもやはり五十ミリを切っているだろう、こういうことでありました。
当時、一時間に百ミリを超える雨が夜中に降っていたわけでありますが、そのことを考えると、想定外とよく言われますけれども、ああいう集中的に、一部の局所的なところで降る雨に対して、改めて、対策の見直しといいますか、予測、予知ということも含めてしっかりした対応をしていくということ、これがまず必要であろうと思います。
予知した上で、さっきの、山崩れに対して避難を勧告して、みんなで逃げるという体制をつくるわけですけれども、ここで反省されなきゃいけないのは、消防団が回ってできるだけのことをしても、やはり全てが逃げるという体制にはならなかったということ、これについてさらに分析をして、先ほども議論に出ていましたけれども、多重な方法を使って告知をして、それで一緒に逃げるという体制を地域でどうつくっていくかということ、これは一つ課題として真剣に組み立てなきゃいけないというふうに思いました。
さらに、過疎地域でありますので、先ほど申し上げたとおり、ボランティアの活用も含めて、これは息の長い支援が必要だということ、その体制をネットワークの中でつくっていく、この基盤もつくっていかなきゃいけないということだと思います。
それから、自衛隊それから消防、あるいは警察、あるいはまた地域の住民の皆さんの発災時での瞬発力といいますか、これについては改めて評価をしたいというふうに思います。これは日ごろからの訓練によって培われたものでありまして、そうした連携をさらに密にしながら、今回は限られたところですが、これが広域に起こったのが東日本なんですけれども、そういう体制もしっかり準備がしていけるような、そうした広域的な連携ということも含めた体制をさらに強化していくということ、こんなことが大事かなというふうに思いました。
○福嶋(健)委員 昨日、衆議院の総務委員会がございまして、私、総務委員でもございますので質疑をいたしました。
そのときに、二つ。一つは、今回のこの豪雨災害を踏まえた、いわゆる消防団、消防の体制のあり方、これについて議論をいたしました。こちらの方は当該委員会でまた議論を深めていこうというふうに思っております。
もう一つ、本日、そういう意味では、熊本、福岡、大分、三県に対して普通交付税の繰り上げ交付というのが現金でなされています、きのう決定したのだというふうに思っていますが。川端大臣も、今後、特別交付税の措置だとか地方債だとか、そういったことを通じて、地方財政に支障がないように取り組んでいきたいというふうに御答弁をされておられました。
それはそれで非常に大事なんですけれども、午前中からずっと質疑に出ていると思いますけれども、地域の自治体の皆さんや住民の皆さんにとって一番落ちついて復旧復興に取り組めるのは、やはり激甚災害に指定をするということではないかなというふうに思っております。野田総理も、七月二十日に熊本に来られまして、滞在時間は非常に短かったわけですけれども、農地等の事業について、激甚災害の指定に向けて所要の手続を速やかに進めるよう指示をしたところというふうなコメントを発表されています。
実は、熊本県の試算というか発表によれば、これは七月の二十二日現在なんですけれども、水稲とか葉たばこで約三億円、農地、農業用施設で二十九億円、林業関係で百四十億円、計百七十二億円の被害額を見積もっています。これが直接の激甚の指定基準の数字ではないにしても、客観的に見てこれぐらいの大きな数字が出ているわけですから、総理のおっしゃったことというのももう現実的なものになってきているのかなというふうに思っているところであります。
実際、私も現地に入っていろいろ見ていますと、例えば、せっかく土地基盤整備をして段階的にやっているところにも土砂が入ったりとか、あと、ちょうど田植え直後ですから、一見すると青々とした稲があるんだけれども、見ると泥だらけというのもあるし、田んぼは大丈夫なんだけれども、用水とか排水のところに流木とか土砂が埋まって、熊本弁では、やおいかんと言いますけれども、どうしようもない状況になっているところが実はたくさんございます。
こういったところから見ても、やはり農地等関係事業、まずここの激甚災害指定というのは一刻も早くお願いをしたいところであるんですけれども、仕組みとして、どういう段階があって、いつをめどで指定されるのか。総理は速やかにというお言葉をおっしゃっておられるんですけれども、速やかのイメージがちょっと湧きませんので、ここについて、大臣、ぜひめどを教えていただきたいと思います。
○中川国務大臣 手続といいますか、仕組みとしてはこういうことになっています。災害が発生して、被害状況の調査を市町村、都道府県がやって、それを各省庁がまとめて、見込み額の算定をやる。それを内閣府、財務省と協議しながら、基準を満たしたものかどうかということを判定しまして、中央防災会議の方でこれをかけて、閣議にかけて、それから指定政令の公布ということなんですね。これがおおむね一カ月から一カ月半ぐらいかかるというのが正式な手続であります。
今回、我々が判断したのは、これを待っていればなかなか各市町村あるいは県も思い切った形になっていかないということで、大体の見込みを立てておいて、その上で、これで大丈夫だというところを大丈夫だと言ったわけです。そうなっていくだろうということを総理の方から発表していただいたということであります。
そういう意味では、まだその発表がないところはそうした見込みの数字もそこまでなかなかいっていないということでありまして、鋭意、各市町村の方で、どこに特に公共事業の関連の被害があったかというのをこれから集めて、そして累積をしていくという作業をやっていただくというふうに思います。その辺をもう少し見きわめるということになります。
○福嶋(健)委員 質問を先取りしていただきましたけれども、農地については、今のお話だと、一カ月、一カ月半、お盆が一つのタイミングなのかなと私は理解しておりますし、今、本来質問をしようと思ったんですが、公共土木の分野とか中小企業の分野、一部指定はなっているやに先ほど午前中の質疑ではございましたけれども、確かに積み上げ方式でありますし、今この段階で何日というのはおっしゃれないのはよくわかっております。
そういう中でも、後から質問をさせていただきますけれども、熊本から阿蘇というのは一つの大きな観光地域でもございますので、やはりこういった地域の公共土木の一刻も早い復旧というのは県民の願いでございますので、そういう意味も込めてぜひ、迅速にとしか今は言えませんけれども、お願いをしたいというふうに思っているところでございます。
次に、これは被災者生活再建支援制度ということで、郡政務官かなと思います。郡政務官は宮城県の御出身ということで、東日本大震災のときに、お地元で恐らく多くの住宅が被害に遭われた現場に寄り添っておられたかと思います。
実は、熊本のあるところで、年老いた方がしみじみおっしゃっておられました。自分たちは熊本で東北のことを人ごとのように思っていた、だから罰が当たったんだと。その人の家は倒壊こそしていないんですが、泥だらけで、もう今にも倒れそうな、そういう家に一人で住んでおられるおばあちゃんがおられましたけれども、そういうふうに自分を責めておられたんですね。自分を責めるまでもありません。もちろんこれは自然災害でありますから。
ただ、我々ができることは、やはり、こういった被災をされた皆さんに、こういういわゆるメニューがあるのであれば、一刻も早く生活再建支援制度というものを適用して対応していくというのが大きな仕事ではないかなというふうに思っております。
今回、熊本県における豪雨と水害があったわけですけれども、熊本県内の住宅被災世帯については、本被災者生活再建支援制度の対象にそもそもなっているのかどうか、これを伺いたいと思います。
○郡大臣政務官 お答えをいたします。
熊本県下における被災者生活支援法の適用状況でございますけれども、まず、今月の十三日に、熊本市それから阿蘇市、これが十世帯以上の住宅全壊被害が発生をいたしまして、この再建支援法の施行令の第一条第二号に該当したということです。それから、南阿蘇村、五世帯以上の住宅全壊被害が発生いたしまして、同じく第一条の四号に該当いたしました。また、相良村、二世帯以上の住宅全壊被害が発生いたしまして、一条第六号に該当したということでございまして、熊本県におきまして、被災者生活再建支援法を適用させていただいたということでございます。
その後、十七日にも、五木村におきまして二世帯以上の住宅全壊被害が発生をいたしまして、同条六号に該当することから、被災者生活再建支援法を適用したところです。
また、さらに、十八日には、熊本県内で百世帯以上の住宅全壊被害ということが確認をされまして、熊本県全域についてこの被災者生活再建支援法を適用したということでございます。
○福嶋(健)委員 今のお話で、実際に適用対象になって、実際にもう熊本県下でそういう申請というのは始まっているのでしょうか。教えていただきたいと思います。
○郡大臣政務官 お答えをいたします。
既に南阿蘇村では七月の十七日から申請を開始しておりますし、熊本市も七月の二十日から、菊池市が七月の二十三日から、産山村が七月二十四日、きのうから、それぞれ申請の受け付けを開始したところでございます。
また、阿蘇市、大津町、相良村、五木村、また球磨村、これは八月一日からの申請受け付け開始を予定しているところでございます。
○福嶋(健)委員 ありがとうございます。
ぜひ政府にお願いしたいことが二点ございます。
まず一つは、今の制度で、一義的にはそれは政府の仕事ではないかもしれませんけれども、被災している自治体の皆さんが、今、ほかのいろいろなところに人手がとられています。こういったことを周知、広報しようと思ってもなかなか、はっきり言ってマンパワーが足りないこともあります。この辺については、ぜひ政府の方からも、こういった自治体の告知あるいは広報についてバックアップをしていただく手だてについて御検討いただきたいというふうに思っているところでございます。
そしてもう一つは、これも午前中の質疑にもございましたけれども、今回、熊本は県内全域こういう制度を受けることができます。しかしながら、午前中の議論にありましたように、やはりこの制度自体が本当に今のままでいいのか、多くの委員がそういう観点から質疑をしていたというふうに私は受けとめております。だからこそ、この制度については、それは一義的には地方公共団体というか都道府県の基金があって云々という話ではありますけれども、この制度について、引き続き知事会等も含めてぜひ御検討いただきたいということでございます。これについては、答弁は結構でございます。
そして、今回の熊本市内から阿蘇に向けて、先ほど申し上げましたけれども、これは日本有数の観光地に向かうルートであり、阿蘇は日本有数の観光地であるというふうに私は自負をしておるわけでございます。これは馬淵委員長も、そしてここにおられる多くの委員の皆様方も現地を視察されたと思いますが、阿蘇市で国道五十七号線がちょうどループを描いているところに土砂が崩れて通行どめになっている。迂回路は迂回路でありますけれども、熊本から例えば大分に抜ける、あるいは大分から熊本に抜ける、相当時間が今かかっているという状況であります。
やはりこの国道五十七号線というものの復旧が急務であるというふうに思っておりますが、国土交通省さんからその復旧のめど等について御答弁をいただきたいと思います。
○荒川政府参考人 お答えさせていただきます。
国道五十七号につきましては、先生御指摘のように、今般の豪雨によりまして、合計十一カ所、斜面崩壊等が発生しまして、七月十二日より全面通行どめとなっておるところでございます。
これまで、十一カ所のうち十カ所につきましては十六日までに応急復旧を完了させていただいて、残る一カ所が、先生御指摘のように、まだ応急対策が実施されていないということでございます。
これにつきましては、専門家による現地調査を実施していただいたところ、斜面からまだ流水が続いている、また、大きな浮き石もあるといったような御報告がありましたので、崩壊箇所を回避するような形で仮橋を設けまして応急復旧を進めることといたしたところでございます。七月の十六日から着手いたしておりまして、現在、地質調査を終え、設計も終え、工事用道路の施工も終わったといったような状況にございます。
こういった状況をさらに加速いたしまして、九月の上旬ごろを目途に、私ども、通行どめを解除いたすべく全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○福嶋(健)委員 やはり当該地域は工法を含めて非常に難しいというふうな説明を前回の視察のときに担当の方から伺っております。加えて、九月の上旬ということであれば、観光シーズンから、やや終わったかなというふうには思いますけれども、そういう状況の中で、一刻も早い復旧、国道の回復について、ぜひ最優先で取り組んでいただきたいというふうに重ねてお願いをするところでございます。
そういう中で、再三申し上げておりますけれども、阿蘇というのは観光地であり、実は、一部のところでは、あってはならない風評被害的なものも出てきています。こういったものは何としても抑えていかないといけないところでありますが、早晩、それを払拭するためにも観光地阿蘇の復活というのは急務だと思うんです。
まず、そもそも、きょう観光庁さんにおいでいただいておりますので、いわゆる観光政策における阿蘇の位置づけというものについて、この場をおかりしてぜひ教えていただきたいと思います。
○又野政府参考人 お答えいたします。
今、先生御指摘のとおり、阿蘇地域といいますと、世界最大級のカルデラを初めとして、非常に世界的にもまれなる自然観光資源に恵まれておりますが、かてて加えて、特に最近では、水資源の涵養、保護に加えて、町並みの復活、保全といった地域の方々の取り組みが非常に熱心になされておりまして、そういう意味で、自然環境だけでなくて、文化、文物を含めて、観光資源には極めて恵まれた豊かな土地だと認識しております。
住んでおられる方々が、自分たちが住んでいて誇りがあるというのが一番大事なことなんですけれども、それをよその方とか、さらには海外の方に見ていただく価値がある、つまり、住んでよし、訪れてよしという意味では、非常に阿蘇地域というのは、ポテンシャルも含めて、観光地域としては立派な地域になっておると思います。
先生の方から御指摘ありました風評被害の問題も、先行したいろいろな、紀伊半島の方ですとか、あるいは東北の大震災の件で苦い経験がございますので、我々観光庁としてもいろいろな手段で、例えば、国内観光ですと観光圏整備法というのがございますし、あるいは国際観光では、インバウンドの方ですけれども、ビジット・ジャパン・キャンペーンということで、地域を特定していろいろな形で力を入れて売り出すということをやっております。
最近、国際観光の方が、特に東アジア圏の伸びが大きい。逆に言いますと、そちらのお客さんが減ると非常に深刻な被害が、風評の被害も含めて出るということですので、我々自身もそこの点は注視して、きめ細かく、正確な情報を前広に出していくように気をつけてまいりたいと思っております。
○福嶋(健)委員 今、御答弁いただいたように、やはり重要な観光地でございます。なぜこういうお話をしているかというと、住民の方もそうですけれども、例えば阿蘇の旅館やホテルの経営者の皆さん、もう泥だらけで、今、いつ再開できるともわからない中で一生懸命作業されています。そういった皆さんにやはり光を何とか当てたいという思いで質問をさせていただきました。
残り時間が少なくなりましたので、最後に一つ、これは気象庁さんに質問をさせていただきます。
本年四月十三日に北朝鮮のミサイル発射がありました。四月の十七日の衆議院安全保障委員会で私質問をしたんですけれども、なぜJアラートは鳴らなかったのか。そのときに、Jアラートの仕組みというものはちゃんと消防庁が管理をしたんだけれども、情報を流すのは、あのときは官邸ですと。官邸がいろいろな判断をして、流さなくていいというふうなことで、結果流れていないというふうなやりとりを実はいたしました。
今回のいろいろな災害について、実はJアラートの業務規程というのがございます。この第四条というところに、流すべき情報という中で、気象警報、土砂災害警戒情報、記録的短時間大雨情報、指定河川洪水予報等々いろいろありますけれども、実際に今回の豪雨で、気象庁さんとして、このJアラートに乗せて、そして自治体に流したのか、その事実確認をさせてください。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
警報等の防災情報につきましては、多重ルートを確保して確実に住民あるいは自治体に伝えることが重要でございます。このため気象庁では、警報等につきまして、みずからの専用回線あるいはインターネット等さまざまな手段で自治体、都道府県や市町村に伝えるとともに、報道機関に協力を求めて、一般の方々に周知しているところでございます。
さらに、先生御指摘のように、今回も気象警報等を、Jアラートも活用いたしまして、消防庁とも協力して、市町村に伝達してございます。
以上でございます。
○福嶋(健)委員 ミサイル発射のときもそうでしたけれども、今回も恐らく、当該省庁から地方自治体、そして地方自治体から地元、いろいろな情報伝達の円滑さについてどうだったのかという検証というのは今後なされてくると思います。
そういう中では、今、多重ないろいろなチャネルで流されたということは一つ、それはそれで大事なことだと思います。Jアラートも使われたということは評価をすべきことなんですが、その流す情報の量とか、要するに、受け取る側の自治体から見て処理し切れないぐらいのせっぱ詰まっているときにそんな情報が来るとかということも、ひょっとしたらあったのかもしれません。これは今後の検討によるところだと思いますけれども、こういった面を含めて、とにかく我が国の危機管理体制というものについて、ぜひ今後もそういう観点から御検討いただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○馬淵委員長 次に、古賀敬章君。
○古賀(敬)委員 国民の生活が第一の古賀敬章でございます。
去る十八日、私も当委員会の派遣で福岡、大分の被災地視察をしてまいりました。聞くと見るとでは大違いでございまして、大水害の爪跡を目の当たりに見まして、愕然といたしました。
特に、山国川の川沿いに古い造り酒屋がありますけれども、そこの奥様、相良さんとおっしゃいますが、そのお父様は、もう故人となられましたけれども、大分県の県会議長も務められた方でございます。その奥様が、雨が降って一時間半後にはもう水位が四メートルも上がったということでございまして、その山国川沿川の皆さんの不安たるや、大変なものがあっただろうというふうに想像をされるところでございます。
そこで、まず最初に、国として今回の北部九州豪雨の被害をどのように把握されておられますか、そのことをまずお聞かせください。
○中川国務大臣 現在のところでありますが、人的被害は、死者三十二名、行方不明者四名、負傷者百十二名となっております。住宅被害としては、全壊が百九十五棟、合わせて一万六千四百八棟が被害を受けているということであります。
また、このほかにも、土砂災害では、二十六府県で二百七十五件。それから、矢部川水系の矢部川で堤防決壊したほか、河川の護岸崩壊等で百四十六カ所。断水戸数は、現時点で、福岡県と熊本県で七百六十六戸。鉄道の運休は、現時点で三事業者五路線。それから、農業用施設の損壊や農作物の冠水が四十四都道府県で発生をしております。それから、病院や社会福祉施設等の被害は百三十一施設、文教施設等の被害は二百三十九施設ということになっております。
○古賀(敬)委員 大臣、ありがとうございました。
大変な被害が発生したわけでありますけれども、特に大分県の日田市、そして山国川流域、中津市の耶馬溪を中心として、この場所を視察したときに、住民の皆さんはもう心身ともに疲労こんぱいされておりました。
と申しますのも、御承知のとおり、七月三日の豪雨で被災をして、そして、ようやく片づけも終わったかなといったところに、十四日、また同規模の豪雨という形でございまして、その思いたるや、想像を絶するものがあるのではないかなというふうに思っておりまして、一日も早い激甚災害指定が地元の自治体から要望されておるわけでございます。
先ほども質問がありましたけれども、政府としてその指定をできるだけ早くということでございますが、そのことを、ぜひ文字どおり早く指定していただきますように要望させていただいておきます。
激甚災害制度というのは、特別の助成を行うことが必要と認められる災害が発生した場合に激甚災害として指定する制度でございますけれども、そのためには災害を特定しなければならないということになるわけでありまして、今回の平成二十四年七月九州北部豪雨とはどの範囲、時間的な、また地理的な範囲で命名されたか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
気象庁では、大災害の経験や教訓を伝承するという観点と、円滑な災害対応に資するということから、これまでも、顕著な災害を起こした自然災害に、地震もそうでございますが、命名をしてきております。
例えば、豪雨の場合ですと、命名の基準につきましては、損壊家屋等一千棟程度、浸水家屋一万棟程度以上などを目安としてこれまでつけてきてございます。
今回の豪雨につきましては、七月十一日から十四日にかけての大雨によって、熊本県、大分県、福岡県を中心とする九州北部地方、これについては後で御説明をしますが、において大きな災害、さらには、大雨についても極めて顕著な分布であったということもございまして、平成二十四年七月九州北部豪雨と命名したところでございます。
なお、気象庁といたしましては、九州北部地方といいますのは、福岡県、佐賀県、大分県、熊本県、長崎県、さらには山口県を含むという形で発表してございまして、山口県の場合は中国ということが適当でございますので、例えば、九州北部(山口県を含む)といったような形で情報の発表はさせていただいています。これにつきましては、梅雨明けですとか梅雨入りとか、こういう気象情報の中で、九州北部というのは一般的にこういう呼び方をしてございます。
このような名前でございますが、これは天気予報に用いる用語ということで、地域も含めてかなりの数に上るということで、一般にも十分御理解いただく必要がありますので、これまでも、関係機関あるいは一般からインターネットを通じて御意見も伺いながら、例えば平成八年あるいは平成十九年に改定し、現在に至っている次第でございます。
今回の名称につきましても、これまで使っておりました天気予報等の用語で九州北部ということで使ってございますので、その地方名を付して豪雨の名前とした次第でございます。
以上でございます。
○古賀(敬)委員 そこで、大臣にお尋ねしたいんですけれども、今回の激甚指定の対象災害はどの発生災害を指すのか、明確にお答えいただければありがたいと思っております。
○中川国務大臣 この議論を聞いていて、なるほど、ちょっと誤解されやすいところがあるのかなというふうに感じました。
気象庁の命名というのは、どこに被害の中心というか大雨の中心があるかということを念頭に入れた名前のつけ方だというふうに思うんですが、それとは関係なく、実際の状況をトータルで判断して、我々の範囲を決めています。
今回の場合は、日本全国ということで激甚の対象になっていく。農業はもうそれでそのようになっていきますという話をさせていただきました。土木の方もそのように積み上げておりますが、なかなか基準の数字にはまだ達してきていないということでございます。
○古賀(敬)委員 今の大臣の御答弁で安心をいたしました。
と申しますのも、被災自治体においては、例えば大分県に限って言いますと、七月十四日、いろいろな資料に七月十一日以降の梅雨前線の停滞によるという文字が躍っておったものですから、七月三日に受けた、いわば一次被害には適用されないのではないかという自治体の首長さんたちの御心配を耳にしたものですから、そこで確かめたということでございます。それは、そういう心配は要らないということでよろしゅうございますか。
○中川国務大臣 期間については、梅雨前線が停滞していたところを全体取り上げていきたいということで、スタートが六月の八日ということで、梅雨が晴れるところまでということなので、今も実は実際には続いているということであります。
○古賀(敬)委員 よくわかりました。ありがとうございます。
次の質問に移りたいと思います。
今回の豪雨で、特に九州地方、鉄道沿線が広範囲にわたりまして被害を受けております。平成筑豊鉄道の田川線、それにJR九州の豊肥線、久大線、日田彦山線。豊肥線におきましては、現在でも、立野―豊後荻間四十二・九キロ、久大線は、うきは―日田間十七・六キロ、日田彦山線、添田―夜明間二十九・二キロが不通の状態でございます。
また、トンネルの崩壊等も起きておりまして、被災箇所が約二百カ所というふうに聞いております。
この復旧費用だけでも莫大な金額が恐らく必要になってくると思っておりますが、どれくらいの額になるかは政府としてはまだ把握はされていませんでしょうか。
○津川大臣政務官 鉄道事業者が今回の水害の中で受けた被害額につきましては、現在調査中でございます。
○古賀(敬)委員 いずれにいたしましても、JR九州の経営の根幹を揺るがしかねないような大規模な額になるのではないかなということが想像されます。
こういった大災害のときに、鉄道事業者に対してどのような救済方法が国としてあるのか、お教えください。
○津川大臣政務官 鉄道事業者が災害等で被災をした場合の支援のメニューでございますが、鉄道軌道整備法に基づきます災害復旧事業費の補助制度というものがございます。これは、まず、その災害の程度、災害の大きさあるいはその被害を受けた鉄軌道事業者の経営状況、こういったものを勘案して判断をするところでございます。
今委員からも御指摘をいただきましたとおり、特にJR九州につきましては大変大きな被害を今受けているところでございますので、国交省としては、JR豊肥線等、被害状況を踏まえつつ、このケースでいいますと、JR九州の経営状況というものを勘案しながら、どのような支援が可能かということについて検討してまいりたいと考えているところでございます。
○古賀(敬)委員 この事業に関して、補助対象事業者としての適格条項と申しますか、そういったものがあるのだろうと思いますので、それを教えてください。
○津川大臣政務官 基本的には、被災を受けた事業者の被災年度の前の三年、この間の営業損失もしくは経常欠損、または被災年度以降おおむね五年程度を超えて営業欠損もしくは経常欠損となることが確実であること、あるいは当該災害を受けた鉄軌道の収益のみによって当該災害復旧事業に要する費用の回収が困難なこと等々でございます。
○古賀(敬)委員 JR九州は、JR三島の中で唯一自己努力で黒字に転換をした会社でありまして、その最初の条項の、いわゆる赤字企業ではなくなっているのでありますけれども、それでも対象事業者となり得ますか。
○津川大臣政務官 今申し上げました条件をそのまま当てはめますと、確かに、平成二十三年度は全体事業での営業利益は黒字となっているところでございます。ただ一方で、鉄道事業につきましては二十三年度においても赤字でありますし、経営状況が万全となっているというふうには必ずしも国交省として受けとめているところではございません。
これはしっかりと検討をさせていただきながら、被害の状況もあわせて詳細に今後検討させていただきたいと思っているところでございます。
○古賀(敬)委員 ありがとうございます。
先ほどもお話がありましたが、まさに夏休み、JRとしては稼ぎどきでございまして、それでこういった大被害を受けていますので、営業収入等も恐らく今年度は大幅ダウンになる可能性もあります。ぜひともいろいろなことをしんしゃくしていただきまして、対象事業者となり得ますようにお取り計らいのほど、強く要望させていただきたいと思っております。
次に、東日本大震災のときもそうでしたが、大災害においては、瓦れきの処理が本当に復旧復興において重要な課題であるというふうに思っております。しかしながら、地方自治体におきましては財政が大変逼迫しておりまして、この処理費用を捻出するのに大変苦労をするんだろうというふうに想像しております。
そこで、環境省としてどのような制度でどのように対応されるのかをお聞かせください。
○谷津政府参考人 御説明申し上げます。
今回、九州北部豪雨によりまして大量の災害廃棄物が発生したということでございます。これにつきまして、市町村が事業主体となって生活環境保全上特に必要という観点から処理をするものにつきましては、私どもの災害等廃棄物処理事業費国庫補助金、この仕組みによりまして二分の一の補助を行うということでございます。
○古賀(敬)委員 環境省が二分の一、そして残り二分の一はどのようになるんでしょうか。
○米田政府参考人 お答えいたします。
先ほど環境省の方から御答弁ございましたように、二分の一の国庫補助で、残りの二分の一につきましては地方負担が出てまいるのでございますが、これにつきましては、その八割を特別交付税措置として講じているところでございます。
今後、関係府省、関係省庁との連携を図りながら、その財政運営に支障がないように努めてまいりたいと存じます。
○古賀(敬)委員 大変ありがたい制度があるわけでありますが、環境省、総務省以外でも、例えば河川の流木だとか道路の土砂だとか国交省関係、そしてまた農水省も、やはり農地の被災やなんかでそういった制度があるやに聞いておりますけれども、環境省、それを把握されておりますか。
○谷津政府参考人 東日本大震災を初め、これまでの災害の中でも、さまざまな形でこの廃棄物の処理がなされてございます。今回を考えましても、河川あるいは海岸、また港湾、こういったところに滞留あるいは漂着している流木等の処理が今後大きな課題になってまいるかと思います。
これらにつきましては、それぞれ観点が幾つかございますが、例えば、公物管理あるいは船舶の航行の確保、また漁業従事者の方々あるいは農業従事者の方々の支障があるのかないか、こういった観点から、それぞれ区域ごとの管理者が、例えば災害復旧工事の一環として、あるいは直接的な瓦れきの処理としてこういったものの処理を行う。環境省としては、全体をよく見ながら、すき間のない形で処理ができるように、地方自治体とともに一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
○古賀(敬)委員 いずれにいたしましても、現行の制度をフル活用していただきまして、地元自治体の負担をいかに軽くするかということを、知恵を絞って対応いただきますことを要望いたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○馬淵委員長 次に、石田三示君。
○石田(三)委員 国民の生活が第一・きづなの石田三示でございます。
過日の被災地の視察、私も同行させていただきまして、その中で感じたことをきょう御質問させていただきたいと思います。
時間も短いので早速に質問に入らせていただきますが、今回、被災地を視察した中で、堤防決壊等々あるわけでございますが、私は、橋との関係をちょっと考えてみたいなというふうに思ったんですね。
見ると、橋に流れついてきた材木とか、非常にひっかかっているということがあるんだろう。それから、被災地の地図を見せていただくと、橋の周辺に、結構住宅地に水が流れ込んだり、農地に流れ込んだというところが私は散見されるように地図を見せていただきました。私も農業をやっておりますので、水路等々も、ちょっと物が詰まると、ずっと水があふれてしまうということがあるわけですね。
そういった中であれだけの、一時間に百ミリという雨が三時間、四時間というふうに降ったときに、今回は九州ですけれども、日本じゅうどこでもあり得る災害だろうというふうに私は思います。関東北部であの雨が降ったときに、いわゆる川下はどのくらい出てくるんだろうかと、逆に非常に寒い思いを感じたところであります。
そういった中で、下流の川というのは結構つり橋だったりすると思うんですが、いわゆる上流の既存の橋と今回の決壊の関係、そういったところが原因であふれたというふうに考えられるようなところは今回どのくらいあったのか、ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
堤防決壊の要因につきましては、現在、流速、それから水位、さらには委員御指摘の橋の構造、こういったものも含めまして、さまざまな角度から調査等を実施しているところでございますが、橋の構造が原因となっているということについては、現時点では明らかになっておりません。
○石田(三)委員 私、現場を見せていただいて、あれだけ橋の橋脚にいろいろなものがひっかかっているという状況は、あの上流で水位が一メートルやそこら上がるのは当たり前の話なんですね。ですから、そのことが決壊の原因になっている、あるいは宅地に流出しているという状況は、私は安易に想像できるというふうに思います。そういったところをしっかり調査検討していただきたいというふうに思います。
今後、多分橋のかけかえというのは非常にお金のかかることでありますし、橋の設置の基準というのは、私は、そういったことも勘案しながら設計がされているんだというふうに思いますが、できるだけそういった抵抗物のないような設計がこれから求められるのではないかなというふうに思います。
ですから、そういったことを踏まえて、設計をされている状況をちょっとお伺いしたいというふうに思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
河川にかかる橋梁の構造につきましては、洪水の流下を阻害しないということが重要でございます。このため、河川管理施設等構造令におきまして技術的基準が規定されておりまして、これにのっとって橋梁等は整備されているところでございます。
○石田(三)委員 それは、今回の、ああいった大木があそこに突っかかるというようなことも踏まえて検討されているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○山崎政府参考人 現在の構造令の基準によりますと、橋脚をつくるときに、径間長という径と径との間の長さがございますけれども、これの基準というのは最低でも二十メートル。それに、計画高水流量に応じましてどのスパンを長くするというふうな基準が今決められておりまして、そういったことをきちんとやっていけば、流木等がひっかからないようには、基本的には、そういった基準も含めて、基準は規定されているということでございます。
○石田(三)委員 実際問題ひっかかっているわけですので、その辺はしっかり検討していただいて、できるだけそういったことがないように、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。
それでは、もう一つ質問させていただきたいと思うんですが、今回、東日本大震災のときも踏まえて、ボランティアの皆さんに大変お世話になってきたんだというふうに思いますが、今回の大雨の被害について、ボランティアの活動状況はいかがだったのか、お伺いをしたいと思います。
○西藤政府参考人 お答えいたします。
七月上旬から続きました九州地方の大雨を受けまして、被災地の社会福祉協議会によって災害ボランティアセンターが設置されております。
昨日七月二十四日現在、これまでに設置されました災害ボランティアセンターは、福岡県で柳川市など七カ所、大分県で竹田市など三カ所、熊本県では熊本市など三カ所となっております。
ボランティアの活動状況につきましては、昨日までに把握しているところでは、福岡県で延べ約三千三百人、大分県で延べ約七千四百人、熊本県で延べ約一万人、合わせまして延べ二万一千人の方々が、ごみなどの屋外への運び出しでありますとか敷地内の泥のかき出し作業、あるいは室内の清掃、泥落とし作業などのボランティア活動をされているところでございます。
○石田(三)委員 たくさんの方がボランティアに参加をしていただいて、これは非常にありがたいことだなというふうに思います。
また、日本のよさというのは、私は、自助、共助、公助の中の共助だというふうに思っています。今回視察をさせていただいたところで、高校生のサッカー部の子供たちがボランティアをしておりました。大変元気に挨拶もしていただきましたし、地域の人たちは、それによって大変元気づけられているというようなところも私は感じさせていただきました。
高校生とか若い人たち、特に高校生、あるいは大学生もあれなんですが、そういったボランティア活動をすることに対して、私は、ある程度一定の評価をしていくべきではないかな、そういった中で、社会の共助の部分を育てていくということが非常に大切なんだろうというふうに思います。
そういったことの中で、文科省にちょっとお伺いをしたいんですが、そういったことへの評価、あるいは、それをもっと進めていこうというところの部分でどういった施策がされているか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○関(靖)政府参考人 高校生が、ボランティア活動などの社会奉仕の精神を養う体験が得られるような活動を行うことは、大変重要であると考えております。新しい学習指導要領におきましては、総合的な学習の時間や特別活動の時間の中で、ボランティア活動などの体験的な活動を積極的に取り入れるようにしているところでございます。
また、学校の内外におきますボランティア活動など社会奉仕体験活動等につきましては、生徒の指導の記録でございます指導要録に記述をいたしまして、学校での指導や、また入試や就職などの外部に対する証明などに役立たせるようにしております。さらに、学校での活動以外に、学校以外の場におきますボランティア活動につきましては、各学校長の判断によりまして、高等学校の単位として認定することが可能となっているところでございます。
ボランティア活動を行った高校生について応援する取り組みといたしまして、地方自治体が他の模範となる高校生のボランティア活動を表彰し意欲の高揚を図っている例でございますとか、また、PTAや青少年団体、民間企業など、民間団体におきます表彰状の授与なども行われていると承知をしておりまして、文部科学省としましては、申請に応じて、後援や文部科学大臣賞の交付といったことも行っているところでございます。
○石田(三)委員 ありがとうございます。
ぜひそういったことを積極的に進めていただいて、やはり日本のよさ、共助の部分、本当にここが日本のよさだというふうに私は思いますので、そういったことを子供たちの段階からしっかり植えつけていくということが非常に大切だというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○馬淵委員長 次に、江田康幸君。